JP2000149986A - 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池Info
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Abstract
どの電池特性に優れたリチウム二次電池を提供するもの
である。 【解決手段】 非水溶媒に電解質が溶解されている非水
電解液において、該非水電解液中に下記一般式(I) R1−S−S−R2 (I) (式中、R1、R2はそれぞれ独立して、ベンジル基、ト
リル基、ピリジル基、ピリミジル基、炭素数1〜12の
アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基を示
す。)で表されるジスルフィド誘導体が含有されている
ことを特徴とする非水電解液、およびそれを用いたリチ
ウム二次電池。
Description
性や電気容量、保存特性などの電池特性にも優れたリチ
ウム二次電池を提供することができる非水電解液、およ
びそれを用いたリチウム二次電池に関する。
などの駆動用電源として広く使用されている。リチウム
二次電池は、主に正極、非水電解液及び負極から構成さ
れており、特に、LiCoO2などのリチウム複合酸化
物を正極とし、炭素材料又はリチウム金属を負極とした
リチウム二次電池が好適に使用されている。そして、そ
のリチウム二次電池用の非水電解液としては、エチレン
カーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(P
C)などのカーボネート類が好適に使用されている。
サイクル特性および電気容量などの電池特性について、
さらに優れた特性を有する二次電池が求められている。
正極として、例えばLiCoO2、LiMn2O4、Li
NiO2などを用いたリチウム二次電池は、非水電解液
中の溶媒が充電時に局部的に一部酸化分解することによ
り、該分解物が電池の望ましい電気化学的反応を阻害す
るために電池性能の低下を生じる。これは正極材料と非
水電解液との界面における溶媒の電気化学的酸化に起因
するものと思われる。また、負極として例えば天然黒鉛
や人造黒鉛などの高結晶化した炭素材料を用いたリチウ
ム二次電池は、非水電解液中の溶媒が充電時に負極表面
で還元分解し、非水電解液溶媒として一般に広く使用さ
れているECにおいても充放電を繰り返す間に一部還元
分解が起こり、電池性能の低下が起こる。このため、電
池のサイクル特性および電気容量などの電池特性は必ず
しも満足なものではないのが現状である。
用非水電解液に関する課題を解決し、電池のサイクル特
性に優れ、さらに電気容量や充電状態での保存特性など
の電池特性にも優れたリチウム二次電池を構成すること
ができるリチウム二次電池用の非水電解液、およびそれ
を用いたリチウム二次電池を提供することを目的とす
る。
解質が溶解されている非水電解液において、該非水電解
液中に下記一般式(I) R1−S−S−R2 (I) (式中、R1、R2はそれぞれ独立して、ベンジル基、ト
リル基、ピリジル基、ピリミジル基、炭素数1〜12の
アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基を示
す。)で表されるジスルフィド誘導体が含有されている
ことを特徴とする非水電解液に関する。また、本発明
は、正極と負極および非水溶媒に電解質が溶解されてい
る非水電解液からなるリチウム二次電池において、該非
水電解液中に下記一般式(I) R1−S−S−R2 (I) (式中、R1、R2はそれぞれ独立して、ベンジル基、ト
リル基、ピリジル基、ピリミジル基、炭素数1〜12の
アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基を示
す。)で表されるジスルフィド誘導体が含有されている
ことを特徴とするリチウム二次電池に関する。
の構成部材として使用される。二次電池を構成する非水
電解液以外の構成部材については特に限定されず、従来
使用されている種々の構成部材を使用できる。
る非水電解液に含有される前記一般式(I)で表される
ジスルフィド誘導体において、R1、R2はそれぞれ独立
して、ベンジル基、トリル基、ピリジル基またはピリミ
ジル基のような複素環の置換基、炭素数1〜12のアル
キル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基のような置換
基である。
誘導体の具体例としては、例えば、ジベンジルジスルフ
ィド、ジ−p−トリルジスルフィド、2,2’−ジピリ
ジルジスルフィド、5,5’−ジピリジルジスルフィ
ド、2,2’−ジピリミジルジスルフィド、ジ−n−ブ
チルジスルフィド、ジ−iso−ブチルジスルフィド、
ジ−tert−ブチルジスルフィド、ジシクロヘキシル
ジスルフィドなどが挙げられる。
(I)で表されるジスルフィド誘導体の含有量は、過度
に多いと電池性能が低下することがあり、また、過度に
少ないと期待した十分な電池性能が得られない。したが
って、その含有量は非水電解液の重量に対して0.00
1〜2重量%、特に0.01〜0.5重量%の範囲がサ
イクル特性が向上するので好ましい。
誘電率溶媒と低粘度溶媒とからなるものが好ましい。高
誘電率溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート
(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレン
カーボネート(BC)などの環状カーボネート類が好適
に挙げられる。これらの高誘電率溶媒は、一種類で使用
してもよく、また二種類以上組み合わせて使用してもよ
い。
ーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(M
EC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カ
ーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキ
シエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブト
キシエタンなどのエーテル類、γ−ブチロラクトンなど
のラクトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、プロ
ピオン酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミ
ドなどのアミド類が挙げられる。これらの低粘度溶媒は
一種類で使用してもよく、また二種類以上組み合わせて
使用してもよい。高誘電率溶媒と低粘度溶媒とはそれぞ
れ任意に選択され組み合わせて使用される。なお、前記
の高誘電率溶媒および低粘度溶媒は、容量比(高誘電率
溶媒:低粘度溶媒)で通常1:9〜4:1、好ましくは
1:4〜7:3の割合で使用される。
ば、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4、LiN
(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC
(SO2CF3)3などが挙げられる。これらの電解質
は、一種類で使用してもよく、二種類以上組み合わせて
使用してもよい。これら電解質は、前記の非水溶媒に通
常0.1〜3M、好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で
溶解されて使用される。
誘電率溶媒や低粘度溶媒を混合し、これに前記の電解質
を溶解し、前記一般式(I)で表されるジスルフィド誘
導体を溶解することにより得られる。
ンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムからな
る群より選ばれる少なくとも一種類の金属とリチウムと
の複合金属酸化物が使用される。このような複合金属酸
化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、
LiNiO2などが挙げられる。
ラック、カーボンブラックなどの導電剤、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)などの結着剤および溶剤と混練して正極合
剤とした後、この正極材料を集電体としてのアルミニウ
ム箔やステンレス製のラス板に塗布して、乾燥、加圧成
型後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下
で加熱処理することにより作製される。
ウム合金、およびリチウムを吸蔵・放出可能な黒鉛型結
晶構造を有する炭素材料〔熱分解炭素類、コークス類、
グラファイト類(人造黒鉛、天然黒鉛など)、有機高分
子化合物燃焼体、炭素繊維〕や複合スズ酸化物などの物
質が使用される。特に、格子面(002)の面間隔(d
002)が3.35〜3.40Å(オングストローム)で
ある黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが
好ましい。なお、炭素材料のような粉末材料はエチレン
プロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)などの結着剤と混練して負極合剤として
使用される。
ものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレ
ータを有するコイン型電池、さらに、正極、負極および
ロール状のセパレータを有する円筒型電池や角型電池な
どが一例として挙げられる。なお、セパレータとしては
公知のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布などが
使用される。
を具体的に説明する。 実施例1 〔非水電解液の調製〕EC:DMC(容量比)=1:2
の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度に
なるように溶解して非水電解液を調製した後、さらにジ
スルフィド誘導体(添加剤)としてジ−p−トリルジス
ルフィド[R1=R2=p−トリル基]を非水電解液に対
して0.1重量%となるように加えた。
の測定〕LiCoO2(正極活物質)を80重量%、ア
セチレンブラック(導電剤)を10重量%、ポリフッ化
ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、こ
れに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合した
ものをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加
熱処理して正極を調製した。天然黒鉛(負極活物質)を
90重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重
量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリド
ン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、
加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリ
プロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記
の非水電解液を注入させてコイン電池(直径20mm、
厚さ3.2mm)を作製した。このコイン電池を用い
て、室温(20℃)下、0.8mAの定電流及び定電圧
で、終止電圧4.2Vまで5時間充電し、次に0.8m
Aの定電流下、終止電圧2.7Vまで放電し、この充放
電を繰り返した。初期充放電容量は、EC−DMC(1
/2)を非水電解液として用いた場合(比較例1)とほ
ぼ同等であり、50サイクル後の電池特性を測定したと
ころ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維
持率は92.4%であった。また、低温特性も良好であ
った。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示
す。
=n−ブチル基]を非水電解液に対して0.1重量%使
用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコ
イン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定し
たところ、放電容量維持率は92.1%であった。コイ
ン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
1=R2=2−ピリジル基]を非水電解液に対して0.1
重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調
製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性
を測定したところ、放電容量維持率は89.3%であっ
た。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示
す。
これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解した。
このときジスルフィド誘導体は全く添加しなかった。こ
の非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を
作製し、電池特性を測定した。初期放電容量に対し、5
0サイクル後の放電容量維持率は83.8%であった。
コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
ず、発明の趣旨から容易に類推可能な様々な組み合わせ
が可能である。特に、上記実施例の溶媒の組み合わせは
限定されるものではない。更には、上記実施例はコイン
電池に関するものであるが、本発明は円筒形、角柱形の
電池にも適用される。
電気容量、保存特性などの電池特性に優れたリチウム二
次電池を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 非水溶媒に電解質が溶解されている非水
電解液において、該非水電解液中に下記一般式(I) R1−S−S−R2 (I) (式中、R1、R2はそれぞれ独立して、ベンジル基、ト
リル基、ピリジル基、ピリミジル基、炭素数1〜12の
アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基を示
す。)で表されるジスルフィド誘導体が含有されている
ことを特徴とする非水電解液。 - 【請求項2】 非水電解液中にジスルフィド誘導体が
0.001〜2重量%含有されていることを特徴とする
請求項1記載の非水電解液。 - 【請求項3】 正極、負極および非水溶媒に電解質が溶
解されている非水電解液からなるリチウム二次電池にお
いて、該非水電解液中に下記一般式(I) R1−S−S−R2 (I) (式中、R1、R2はそれぞれ独立して、ベンジル基、ト
リル基、ピリジル基、ピリミジル基、炭素数1〜12の
アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基を示
す。)で表されるジスルフィド誘導体が含有されている
ことを特徴とするリチウム二次電池。 - 【請求項4】 非水電解液中にジスルフィド誘導体が
0.001〜2重量%含有されていることを特徴とする
請求項3記載のリチウム二次電池。
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- 1999-03-31 JP JP09149699A patent/JP4042082B2/ja not_active Expired - Lifetime
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