JP2000035295A - 内面溝付伝熱管 - Google Patents
内面溝付伝熱管Info
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- JP2000035295A JP2000035295A JP10200917A JP20091798A JP2000035295A JP 2000035295 A JP2000035295 A JP 2000035295A JP 10200917 A JP10200917 A JP 10200917A JP 20091798 A JP20091798 A JP 20091798A JP 2000035295 A JP2000035295 A JP 2000035295A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 蒸発管として使用した場合には熱媒液体を管
内面全面に巻き上げることができる一方、凝縮管として
使用した場合には熱媒液体を管内の底部に集めることが
でき、しかも圧力損失を低減できる内面溝付伝熱管を提
供する。 【解決手段】 金属管の内周面に、軸線方向に延びるフ
ィン無し領域2およびフィン形成領域4がそれぞれ形成
され、フィン形成領域4には、その周方向の中心部から
左右両側に向けて略対称に傾斜して延びるフィン6が形
成されている。フィン無し領域2の金属管周方向におけ
る幅は、金属管の内周長の5〜40%である。
内面全面に巻き上げることができる一方、凝縮管として
使用した場合には熱媒液体を管内の底部に集めることが
でき、しかも圧力損失を低減できる内面溝付伝熱管を提
供する。 【解決手段】 金属管の内周面に、軸線方向に延びるフ
ィン無し領域2およびフィン形成領域4がそれぞれ形成
され、フィン形成領域4には、その周方向の中心部から
左右両側に向けて略対称に傾斜して延びるフィン6が形
成されている。フィン無し領域2の金属管周方向におけ
る幅は、金属管の内周長の5〜40%である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属管の内面に、
熱交換効率を高めるためのフィンを形成した内面溝付伝
熱管に関するものである。
熱交換効率を高めるためのフィンを形成した内面溝付伝
熱管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の内面溝付伝熱管は、空調装置や
冷却装置の熱交換器等において蒸発管または凝縮管とし
て主に使用されるもので、最近では内面の全面に亙って
螺旋状のフィンを形成した伝熱管が広く市販されてい
る。
冷却装置の熱交換器等において蒸発管または凝縮管とし
て主に使用されるもので、最近では内面の全面に亙って
螺旋状のフィンを形成した伝熱管が広く市販されてい
る。
【0003】現在主流となっている伝熱管は、引き抜き
または押し出し加工により得られたシームレス(継ぎ目
のない)管の内部に、外周面に螺旋溝が形成されたフロ
ーティングプラグを通すことにより、金属管の内周面の
全面に亙ってフィンを転造する方法により製造されてい
る。
または押し出し加工により得られたシームレス(継ぎ目
のない)管の内部に、外周面に螺旋溝が形成されたフロ
ーティングプラグを通すことにより、金属管の内周面の
全面に亙ってフィンを転造する方法により製造されてい
る。
【0004】このような螺旋状フィンを形成した内面溝
付伝熱管では、管内を流れる蒸気流が十分に速ければ、
伝熱管の内部下側に溜まる熱媒液体が、蒸気流に押し流
されつつ螺旋状フィンに沿って巻き上げられ、管内周面
の全面に広がる。この作用により、管内周面の全面がほ
ぼ均一に濡れるから、管内周面の一部が乾いてしまうい
わゆるドライアウトを防ぐことができ、沸騰の生じる領
域の面積を増して沸騰効率を高めることができる。
付伝熱管では、管内を流れる蒸気流が十分に速ければ、
伝熱管の内部下側に溜まる熱媒液体が、蒸気流に押し流
されつつ螺旋状フィンに沿って巻き上げられ、管内周面
の全面に広がる。この作用により、管内周面の全面がほ
ぼ均一に濡れるから、管内周面の一部が乾いてしまうい
わゆるドライアウトを防ぐことができ、沸騰の生じる領
域の面積を増して沸騰効率を高めることができる。
【0005】一方、螺旋状フィンを形成した内面溝付伝
熱管を、熱媒気体を液化するための凝縮管として使用し
た場合には、フィン先端が管内周面を濡らす液膜から突
出することにより、金属面と熱媒気体との接触効率を高
め、凝縮効率を高める効果が得られる。
熱管を、熱媒気体を液化するための凝縮管として使用し
た場合には、フィン先端が管内周面を濡らす液膜から突
出することにより、金属面と熱媒気体との接触効率を高
め、凝縮効率を高める効果が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者ら
の研究によると、前記螺旋状フィンを有する内面溝付伝
熱管では、以下のような諸問題を有するため、さらに熱
交換効率を高める余地を残していることが判明した。
の研究によると、前記螺旋状フィンを有する内面溝付伝
熱管では、以下のような諸問題を有するため、さらに熱
交換効率を高める余地を残していることが判明した。
【0007】蒸発管として使用した場合、管内を流れ
る熱媒の流速が比較的小さいと、管の内面全面に液膜を
形成することができず、ドライアウトが発生しやすい。
すなわち、螺旋状フィンを有する内面溝付伝熱管におい
て、管の内面全面を熱媒液体で濡らすには、管内の底に
溜まろうとする熱媒液体を、重力に抗して管内面全周に
亘って360゜回転させなければならないが、熱媒液体
に螺旋回転するほどの運動量を与えるには、熱媒気体を
相当に大きい流速で流さなければならず、流速が足らな
いと熱媒液体が少し持ち上げられるだけですぐに落下し
てしまう。
る熱媒の流速が比較的小さいと、管の内面全面に液膜を
形成することができず、ドライアウトが発生しやすい。
すなわち、螺旋状フィンを有する内面溝付伝熱管におい
て、管の内面全面を熱媒液体で濡らすには、管内の底に
溜まろうとする熱媒液体を、重力に抗して管内面全周に
亘って360゜回転させなければならないが、熱媒液体
に螺旋回転するほどの運動量を与えるには、熱媒気体を
相当に大きい流速で流さなければならず、流速が足らな
いと熱媒液体が少し持ち上げられるだけですぐに落下し
てしまう。
【0008】蒸発管および凝縮管のいずれとして使用
した場合にも、管内底部を流れる熱媒液体の主流と螺旋
フィンとの衝突が激しく、ここで熱媒液体の流れが遮ら
れて圧力損失を生じているが、この部分のフィンは液中
に没しているため、蒸発または凝縮作用の向上にあまり
貢献していない。蒸発または凝縮効率を向上する目的で
管軸に対するフィンの傾斜角度を大きくした場合、この
問題がいっそう顕著になる。
した場合にも、管内底部を流れる熱媒液体の主流と螺旋
フィンとの衝突が激しく、ここで熱媒液体の流れが遮ら
れて圧力損失を生じているが、この部分のフィンは液中
に没しているため、蒸発または凝縮作用の向上にあまり
貢献していない。蒸発または凝縮効率を向上する目的で
管軸に対するフィンの傾斜角度を大きくした場合、この
問題がいっそう顕著になる。
【0009】凝縮管として使用した場合、蒸発管の時
とは逆に管内の底部に熱媒液体を寄せ集め、管の内周面
のフィンが過剰の液膜で覆われないようにすることが望
ましいが、螺旋状フィンを有する内面溝付伝熱管では、
熱媒流速が大きくなると必然的に熱媒液体の巻き上げが
起きるため、管の内周面が濡れてしまい、フィンによる
凝縮効果が十分に生かされなくなる。
とは逆に管内の底部に熱媒液体を寄せ集め、管の内周面
のフィンが過剰の液膜で覆われないようにすることが望
ましいが、螺旋状フィンを有する内面溝付伝熱管では、
熱媒流速が大きくなると必然的に熱媒液体の巻き上げが
起きるため、管の内周面が濡れてしまい、フィンによる
凝縮効果が十分に生かされなくなる。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、蒸発管として使用した場合には熱媒液体を効果的に
管内面全面にかき上げることができる一方、凝縮管とし
て使用した場合には熱媒液体を管内の底部に集めること
ができ、しかも圧力損失の低減も図れる内面溝付伝熱管
を提供することを課題としている。
で、蒸発管として使用した場合には熱媒液体を効果的に
管内面全面にかき上げることができる一方、凝縮管とし
て使用した場合には熱媒液体を管内の底部に集めること
ができ、しかも圧力損失の低減も図れる内面溝付伝熱管
を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る第1の内面溝付伝熱管は、金属管の内
周面に、この金属管の軸線方向に延びるフィン無し領域
およびフィン形成領域がそれぞれ形成され、前記フィン
形成領域には、その周方向の中心部から左右両側に向け
て略対称に傾斜して延びるフィンが多数形成されている
ことを特徴としている。
め、本発明に係る第1の内面溝付伝熱管は、金属管の内
周面に、この金属管の軸線方向に延びるフィン無し領域
およびフィン形成領域がそれぞれ形成され、前記フィン
形成領域には、その周方向の中心部から左右両側に向け
て略対称に傾斜して延びるフィンが多数形成されている
ことを特徴としている。
【0012】また、本発明に係る第2の内面溝付伝熱管
は、金属管の内周面に、この金属管の軸線方向に延びる
フィン低密度領域およびフィン高密度領域がそれぞれ形
成され、前記フィン高密度領域には、金属管の軸線方向
に対して傾斜した短いフィンが前記フィン高密度領域の
周方向中心部を境に左右略対称に形成されているととも
に、前記フィン低密度領域および前記フィン高密度領域
の双方に亘って、金属管の軸線方向に対して傾斜した長
いフィンが形成されていることを特徴としている。
は、金属管の内周面に、この金属管の軸線方向に延びる
フィン低密度領域およびフィン高密度領域がそれぞれ形
成され、前記フィン高密度領域には、金属管の軸線方向
に対して傾斜した短いフィンが前記フィン高密度領域の
周方向中心部を境に左右略対称に形成されているととも
に、前記フィン低密度領域および前記フィン高密度領域
の双方に亘って、金属管の軸線方向に対して傾斜した長
いフィンが形成されていることを特徴としている。
【0013】また、本発明に係る第3の内面溝付伝熱管
は、金属管の内周面に、金属管の軸線回りの中心角が1
80゜をなす2つの領域が形成され、これら領域には、
これら領域の第1の境界部から第2の境界部まで傾斜し
て延びる多数のフィンが前記第1の境界部を境にして略
対称に形成され、これらフィンと金属管の軸線とがなす
傾斜角度の絶対値は、前記第1の境界部から第2の境界
部へ向かう間に、少なくとも一部の区間で増大すること
を特徴とする。
は、金属管の内周面に、金属管の軸線回りの中心角が1
80゜をなす2つの領域が形成され、これら領域には、
これら領域の第1の境界部から第2の境界部まで傾斜し
て延びる多数のフィンが前記第1の境界部を境にして略
対称に形成され、これらフィンと金属管の軸線とがなす
傾斜角度の絶対値は、前記第1の境界部から第2の境界
部へ向かう間に、少なくとも一部の区間で増大すること
を特徴とする。
【0014】さらに、本発明に係る第4の内面溝付伝熱
管は、金属管の内周面に、金属管の軸線回りの中心角が
180゜をなす2つの領域が形成され、これら領域に
は、これら領域の第1の境界部から第2の境界部まで傾
斜して延びる多数のフィンが形成され、隣接するフィン
の間に形成される溝の幅は、前記第1の境界部から第2
の境界部へ向かう間に減少することを特徴とする。
管は、金属管の内周面に、金属管の軸線回りの中心角が
180゜をなす2つの領域が形成され、これら領域に
は、これら領域の第1の境界部から第2の境界部まで傾
斜して延びる多数のフィンが形成され、隣接するフィン
の間に形成される溝の幅は、前記第1の境界部から第2
の境界部へ向かう間に減少することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]図1は、本発明
に係る内面溝付伝熱管の第1実施形態を示す部分展開し
た平面図である。この内面溝付伝熱管1は、一般に銅,
銅合金,アルミニウム,アルミニウム合金等の金属で形
成されており、その内周面には、この金属管の軸線方向
に延びる一定幅のフィン無し領域2および一定幅のフィ
ン形成領域4がそれぞれ形成されている。そして、フィ
ン形成領域4には、その周方向の中心部3(図1では破
断線に当たる)から左右両側に向けて略左右対称に傾斜
して延びる多数のフィン6が形成されている。なお、こ
こでいう「略対称」とは、幾何学的に完全な線対称でな
くてもよいことを意味し、例えば中心部3の両側のフィ
ン6が軸線方向に若干ずれていてもよいし、あるいは、
両側のフィン6の傾斜角度が若干異なっていたり、左右
のフィン6の長さや形状が若干異なっていてもよいこと
を意味する。要は、左右のフィン6の傾斜方向が互いに
逆でありさえすればよい。
に係る内面溝付伝熱管の第1実施形態を示す部分展開し
た平面図である。この内面溝付伝熱管1は、一般に銅,
銅合金,アルミニウム,アルミニウム合金等の金属で形
成されており、その内周面には、この金属管の軸線方向
に延びる一定幅のフィン無し領域2および一定幅のフィ
ン形成領域4がそれぞれ形成されている。そして、フィ
ン形成領域4には、その周方向の中心部3(図1では破
断線に当たる)から左右両側に向けて略左右対称に傾斜
して延びる多数のフィン6が形成されている。なお、こ
こでいう「略対称」とは、幾何学的に完全な線対称でな
くてもよいことを意味し、例えば中心部3の両側のフィ
ン6が軸線方向に若干ずれていてもよいし、あるいは、
両側のフィン6の傾斜角度が若干異なっていたり、左右
のフィン6の長さや形状が若干異なっていてもよいこと
を意味する。要は、左右のフィン6の傾斜方向が互いに
逆でありさえすればよい。
【0016】内面溝付伝熱管1の直径や肉厚は限定され
ないが、一般的な伝熱管の寸法および肉厚であればよ
く、例えば外径が6〜10mm、肉厚は0.2〜0.3
mm程度とされてもよい。勿論、この範囲を外れたもの
も製造可能である。内面溝付伝熱管1の製造方法は限定
されないが、電縫加工法を用いれば効率よく製造でき、
この場合には、内面溝付伝熱管1の周方向の一部に、管
軸方向に延びる溶接部10が形成されることになる。溶
接部10の位置は限定されず、フィン形成領域4の中央
にあってもよいし、図中二点鎖線に示すようにフィン無
し領域2の中央にあってもよいし、その他の位置にあっ
てもかまわない。ただし、電縫加工のし易さを考える
と、フィン無し領域2の位置にあることが好ましい。
ないが、一般的な伝熱管の寸法および肉厚であればよ
く、例えば外径が6〜10mm、肉厚は0.2〜0.3
mm程度とされてもよい。勿論、この範囲を外れたもの
も製造可能である。内面溝付伝熱管1の製造方法は限定
されないが、電縫加工法を用いれば効率よく製造でき、
この場合には、内面溝付伝熱管1の周方向の一部に、管
軸方向に延びる溶接部10が形成されることになる。溶
接部10の位置は限定されず、フィン形成領域4の中央
にあってもよいし、図中二点鎖線に示すようにフィン無
し領域2の中央にあってもよいし、その他の位置にあっ
てもかまわない。ただし、電縫加工のし易さを考える
と、フィン無し領域2の位置にあることが好ましい。
【0017】また、この実施形態では、内面溝付伝熱管
1の断面形状が円形であるが、本発明は断面円形に限ら
ず、必要に応じて断面楕円形や偏平管状等としてもよ
い。さらに、内面溝付伝熱管1の内部に純水やアルコー
ル、フロン、混合溶媒などの作動液を減圧下で封入して
管の両端を閉じ、ヒートパイプとして使用することも可
能である。
1の断面形状が円形であるが、本発明は断面円形に限ら
ず、必要に応じて断面楕円形や偏平管状等としてもよ
い。さらに、内面溝付伝熱管1の内部に純水やアルコー
ル、フロン、混合溶媒などの作動液を減圧下で封入して
管の両端を閉じ、ヒートパイプとして使用することも可
能である。
【0018】フィン無し領域2は、フィン6が形成され
ていない部分であり、平滑面とされていることが望まし
い。この実施形態の内面溝付伝熱管1を使用する場合、
内面溝付伝熱管1の軸線を略水平するとともに、フィン
無し領域2を下に向けて配置することが好ましい。この
ような姿勢で使用された場合、フィン無し領域2に沿っ
て熱媒液体の主流部が流れるので、フィン6が熱媒液体
の流れを阻害することが少なく、その分、熱媒の圧力損
失を低減することが可能である。
ていない部分であり、平滑面とされていることが望まし
い。この実施形態の内面溝付伝熱管1を使用する場合、
内面溝付伝熱管1の軸線を略水平するとともに、フィン
無し領域2を下に向けて配置することが好ましい。この
ような姿勢で使用された場合、フィン無し領域2に沿っ
て熱媒液体の主流部が流れるので、フィン6が熱媒液体
の流れを阻害することが少なく、その分、熱媒の圧力損
失を低減することが可能である。
【0019】フィン無し領域2の管周方向の幅W1は限
定されないが、管の内周面全周長の5〜40%であるこ
とが好ましい。この範囲であれば熱媒液体の圧力損失も
小さく、かつ、後述するフィン6による熱媒液体のかき
上げ効果も良好である。より好ましくは、幅W1は管の
内周面全周長の10〜20%であり、最適には10〜1
5%である。
定されないが、管の内周面全周長の5〜40%であるこ
とが好ましい。この範囲であれば熱媒液体の圧力損失も
小さく、かつ、後述するフィン6による熱媒液体のかき
上げ効果も良好である。より好ましくは、幅W1は管の
内周面全周長の10〜20%であり、最適には10〜1
5%である。
【0020】フィン形成領域4は、内面溝付伝熱管1の
内周面のうち、フィン無し領域2ではない領域を指し、
その周方向幅の中心部3を境として左右対称のいわゆる
矢羽状をなすように、互いに平行な多数のフィン6が形
成されている。中心部3の両側に位置するフィン6は、
V字状に連結されていてもよいし、中心部3で分断され
ていてもよい。中心部3で分断されている場合、この中
心部3に溶接部10が形成されていてもよく、さらにそ
の場合、溶接部10とフィン6が連結されていても、連
結されていなくてもよい。
内周面のうち、フィン無し領域2ではない領域を指し、
その周方向幅の中心部3を境として左右対称のいわゆる
矢羽状をなすように、互いに平行な多数のフィン6が形
成されている。中心部3の両側に位置するフィン6は、
V字状に連結されていてもよいし、中心部3で分断され
ていてもよい。中心部3で分断されている場合、この中
心部3に溶接部10が形成されていてもよく、さらにそ
の場合、溶接部10とフィン6が連結されていても、連
結されていなくてもよい。
【0021】なお、フィン形成領域4の中心部3に溶接
部10が形成される場合、図示のように、電縫前の状態
において中心部3の両側にそれぞれ一定幅の溝無し部分
7が側縁と平行に形成されていてもよい。これら溝無し
部分7は、板条材を電縫加工して管状にする際に、板条
材の端面に発生する溶接電流密度を均一化するために望
ましいものである。
部10が形成される場合、図示のように、電縫前の状態
において中心部3の両側にそれぞれ一定幅の溝無し部分
7が側縁と平行に形成されていてもよい。これら溝無し
部分7は、板条材を電縫加工して管状にする際に、板条
材の端面に発生する溶接電流密度を均一化するために望
ましいものである。
【0022】フィン6の管軸に対する傾斜角度αの絶対
値は制限されないが、一般には5〜30゜であることが
好ましく、より好ましくは10〜25゜とされ、最適に
は15〜20゜である。前記絶対値が30゜を越えると
フィン6が流れに対して垂直に近くなり、流れを遮る効
果が大きく圧力損失が大きくなるため好ましくない。ま
た、前記絶対値が5゜未満であると、フィン6が流れに
対して平行に近くなり、フィン6によって熱媒液体を上
方へかき上げる効果並びに伝熱効率向上効果が低減す
る。特に、内面溝付伝熱管1の外径が7mm以下であ
り、内面溝付伝熱管1を流れる熱媒の流量が20kg/
hour以下である場合には、フィン6の管軸に対する
傾斜角度αの絶対値が5〜12゜であると、かき上げ効
果が良好となる。これは、後述する実施形態についても
共通である。
値は制限されないが、一般には5〜30゜であることが
好ましく、より好ましくは10〜25゜とされ、最適に
は15〜20゜である。前記絶対値が30゜を越えると
フィン6が流れに対して垂直に近くなり、流れを遮る効
果が大きく圧力損失が大きくなるため好ましくない。ま
た、前記絶対値が5゜未満であると、フィン6が流れに
対して平行に近くなり、フィン6によって熱媒液体を上
方へかき上げる効果並びに伝熱効率向上効果が低減す
る。特に、内面溝付伝熱管1の外径が7mm以下であ
り、内面溝付伝熱管1を流れる熱媒の流量が20kg/
hour以下である場合には、フィン6の管軸に対する
傾斜角度αの絶対値が5〜12゜であると、かき上げ効
果が良好となる。これは、後述する実施形態についても
共通である。
【0023】フィン6の断面形状は、三角形状、二等辺
三角形状、頂角が丸く面取りされた三角形状、半円状、
円弧状、矩形状、台形状、面取りされた台形状などいか
なる形状であってもよい。フィン6のフィン無し領域2
側のフィン先端6Aは、この実施形態ではとがってい
る。これにより、フィン先端6Aにより過剰な乱流が発
生しないように配慮されている。
三角形状、頂角が丸く面取りされた三角形状、半円状、
円弧状、矩形状、台形状、面取りされた台形状などいか
なる形状であってもよい。フィン6のフィン無し領域2
側のフィン先端6Aは、この実施形態ではとがってい
る。これにより、フィン先端6Aにより過剰な乱流が発
生しないように配慮されている。
【0024】フィン6の底幅FWおよび高さは本発明で
は限定されないが、フィン6の高さは、好ましくは0.
1〜0.3 mm、さらに好ましくは0.15〜0.2
5mmとされる。この実施形態では、フィン無し領域2
が形成されているために圧力損失が低減されているの
で、その分、フィン6の高さは従来の内面溝付伝熱管よ
り高めることができる。フィン6が低すぎると熱媒液体
をかき上げる効果が小さくなり、フィン6が高すぎると
圧力損失が増大する。フィン6の底幅FWは、好ましく
は0.1〜0.3mm、さらに好ましくは0.15〜
0.25mmとされる。また、フィン6の高さHと底幅
FWとの比H/FWは0.33〜3程度であると好まし
い。この範囲であれば、熱媒液体をかき上げる効果と圧
力損失とのバランスが良好になる。
は限定されないが、フィン6の高さは、好ましくは0.
1〜0.3 mm、さらに好ましくは0.15〜0.2
5mmとされる。この実施形態では、フィン無し領域2
が形成されているために圧力損失が低減されているの
で、その分、フィン6の高さは従来の内面溝付伝熱管よ
り高めることができる。フィン6が低すぎると熱媒液体
をかき上げる効果が小さくなり、フィン6が高すぎると
圧力損失が増大する。フィン6の底幅FWは、好ましく
は0.1〜0.3mm、さらに好ましくは0.15〜
0.25mmとされる。また、フィン6の高さHと底幅
FWとの比H/FWは0.33〜3程度であると好まし
い。この範囲であれば、熱媒液体をかき上げる効果と圧
力損失とのバランスが良好になる。
【0025】フィン6の両側面がほぼ平坦面にされてい
る場合には、これら両側面のなす角度(頂角)が定義で
きる。この頂角は限定されないが、好ましくは10〜4
0゜であり、さらに好ましくは20〜30゜とされる。
このような範囲内であれば、熱媒液体をかき上げる効果
と圧力損失とのバランスが良好になるだけでなく、凝縮
管として使用した際には、個々のフィン6の先端部が露
出する傾向が高く、熱媒気体と金属面との接触面積を増
して、高い凝縮効率を得ることができる。
る場合には、これら両側面のなす角度(頂角)が定義で
きる。この頂角は限定されないが、好ましくは10〜4
0゜であり、さらに好ましくは20〜30゜とされる。
このような範囲内であれば、熱媒液体をかき上げる効果
と圧力損失とのバランスが良好になるだけでなく、凝縮
管として使用した際には、個々のフィン6の先端部が露
出する傾向が高く、熱媒気体と金属面との接触面積を増
して、高い凝縮効率を得ることができる。
【0026】溝8は、フィン6によってかき上げられた
熱媒液体の一部が通過する部分であり、適度な流量を確
保しながら、熱媒液体を溝8に沿って輸送するための適
度な幅を有することが好ましい。溝8の幅GWは限定さ
れないが、前記目的を達成するには幅GWが0.1〜
0.4mm程度であると好ましく、より好ましくは0.
2〜0.3mm程度とされる。
熱媒液体の一部が通過する部分であり、適度な流量を確
保しながら、熱媒液体を溝8に沿って輸送するための適
度な幅を有することが好ましい。溝8の幅GWは限定さ
れないが、前記目的を達成するには幅GWが0.1〜
0.4mm程度であると好ましく、より好ましくは0.
2〜0.3mm程度とされる。
【0027】溶接部10は、伝熱管1に拡管プラグを通
しての拡管加工を阻害しないように、フィン6の突出量
より突出量が小さい突条であることが好ましい。溶接部
10の断面形状は限定されないが、一般的には半楕円状
などの形状をなしている。必要に応じては、電縫加工に
よって生じる突起状の溶接部10を機械加工により除去
してもよい。
しての拡管加工を阻害しないように、フィン6の突出量
より突出量が小さい突条であることが好ましい。溶接部
10の断面形状は限定されないが、一般的には半楕円状
などの形状をなしている。必要に応じては、電縫加工に
よって生じる突起状の溶接部10を機械加工により除去
してもよい。
【0028】以上のような内面溝付伝熱管1の製造方法
の一例を説明すると、まず、金属板条材を走行させつ
つ、転造ロールによりフィン6および溝8を形成したの
ち、ロールフォーミング装置によりこの板条材を徐々に
パイプ状に丸め、さらに板条材の両側縁を誘導加熱した
うえで突き合わせる。これにより両側縁が溶接され、金
属管が形成されるので、必要に応じて溶接部を成形して
内面溝付伝熱管1が得られる。
の一例を説明すると、まず、金属板条材を走行させつ
つ、転造ロールによりフィン6および溝8を形成したの
ち、ロールフォーミング装置によりこの板条材を徐々に
パイプ状に丸め、さらに板条材の両側縁を誘導加熱した
うえで突き合わせる。これにより両側縁が溶接され、金
属管が形成されるので、必要に応じて溶接部を成形して
内面溝付伝熱管1が得られる。
【0029】この内面溝付伝熱管1は、例えば空調装置
や冷却器などの熱交換器に組み込まれて使用される。こ
の時、内面溝付伝熱管1はほぼ水平に配置され、かつフ
ィン無し領域2が下端に位置するように組み込まれるべ
きである。そして、蒸発管として使用する場合には、図
中矢印A方向へ向けて熱媒を流し、凝縮管として使用す
る場合には、図中矢印B方向へ向けて熱媒を流す。
や冷却器などの熱交換器に組み込まれて使用される。こ
の時、内面溝付伝熱管1はほぼ水平に配置され、かつフ
ィン無し領域2が下端に位置するように組み込まれるべ
きである。そして、蒸発管として使用する場合には、図
中矢印A方向へ向けて熱媒を流し、凝縮管として使用す
る場合には、図中矢印B方向へ向けて熱媒を流す。
【0030】蒸発管として使用した場合、図中A方向に
流れる熱媒液体の主流は、フィン無し領域2に沿って流
れるため、フィン6と衝突することが少なく、運動エネ
ルギーの大きい熱媒液体の流れを阻害することが少ない
ため、内面溝付伝熱管1内を流れる熱媒全体の圧力損失
を低減できる。また、図中A方向に流れる熱媒液体の一
部がフィン6に接触すると、図10に示すように、熱媒
液体(L)はフィン6(F)によって斜め上方へすくい
上げられ、慣性力によって溝8に沿って管内面の上端ま
で流れる。この時、溝8の表面張力も熱媒液体の輸送を
助ける。管内面の上端では左右のフィン6に沿って流れ
てきた熱媒液体の流れ同士がぶつかり、熱媒液体が飛散
しつつ落下する。
流れる熱媒液体の主流は、フィン無し領域2に沿って流
れるため、フィン6と衝突することが少なく、運動エネ
ルギーの大きい熱媒液体の流れを阻害することが少ない
ため、内面溝付伝熱管1内を流れる熱媒全体の圧力損失
を低減できる。また、図中A方向に流れる熱媒液体の一
部がフィン6に接触すると、図10に示すように、熱媒
液体(L)はフィン6(F)によって斜め上方へすくい
上げられ、慣性力によって溝8に沿って管内面の上端ま
で流れる。この時、溝8の表面張力も熱媒液体の輸送を
助ける。管内面の上端では左右のフィン6に沿って流れ
てきた熱媒液体の流れ同士がぶつかり、熱媒液体が飛散
しつつ落下する。
【0031】このように、この内面溝付伝熱管1では、
管内面の左右壁面に斜め上方へ延びるフィン6が形成さ
れているから、フィン6に沿って熱媒液体が管内周面の
上端近くまで走行すれば、管内面全面を濡らす作用が十
分に得られる。したがって、熱媒の流速が比較的小さい
場合にも、管内面のドライアウトを防ぐ効果が高い。さ
らに、フィン無し領域2を形成したことにより熱媒の圧
力損失が低いから、熱媒ポンプへの負担を低減し、熱交
換装置全体としての熱交換効率を高めることが可能であ
る。
管内面の左右壁面に斜め上方へ延びるフィン6が形成さ
れているから、フィン6に沿って熱媒液体が管内周面の
上端近くまで走行すれば、管内面全面を濡らす作用が十
分に得られる。したがって、熱媒の流速が比較的小さい
場合にも、管内面のドライアウトを防ぐ効果が高い。さ
らに、フィン無し領域2を形成したことにより熱媒の圧
力損失が低いから、熱媒ポンプへの負担を低減し、熱交
換装置全体としての熱交換効率を高めることが可能であ
る。
【0032】一方、内面溝付伝熱管1を凝縮管として使
用した場合にも、図中B方向に流れる熱媒液体の主流
は、フィン無し領域2に沿って流れるため、フィン6と
衝突することが少なく、運動エネルギーの大きい熱媒液
体の流れを阻害することが少ない。よって、内面溝付伝
熱管1内を流れる熱媒全体の圧力損失を低減することが
できる。また、図中B方向に流れる熱媒がフィン6に接
触して液化すると、発生した熱媒液体は、熱媒気体の勢
いに押されてフィン6および溝8に沿って斜め下方へ速
やかに流され、図11に示すように、熱媒液体Lの主流
に合流してフィン無し領域2を流れる。
用した場合にも、図中B方向に流れる熱媒液体の主流
は、フィン無し領域2に沿って流れるため、フィン6と
衝突することが少なく、運動エネルギーの大きい熱媒液
体の流れを阻害することが少ない。よって、内面溝付伝
熱管1内を流れる熱媒全体の圧力損失を低減することが
できる。また、図中B方向に流れる熱媒がフィン6に接
触して液化すると、発生した熱媒液体は、熱媒気体の勢
いに押されてフィン6および溝8に沿って斜め下方へ速
やかに流され、図11に示すように、熱媒液体Lの主流
に合流してフィン無し領域2を流れる。
【0033】このように、この内面溝付伝熱管1では、
管の左右壁面に進行方向へ向けて斜め下方に延びるフィ
ン6が形成されているから、熱媒液体が速やかに排出さ
れてフィン6を覆う液膜を排除でき、フィン6の金属面
と熱媒気体との直接接触を促進して凝縮効率を高めるこ
とが可能である。さらに、凝縮管として使用した場合に
も、フィン無し領域2を形成したことにより熱媒の圧力
損失が低いから、熱媒ポンプへの負担を低減し、熱交換
装置全体としての熱交換効率を高めることが可能であ
る。
管の左右壁面に進行方向へ向けて斜め下方に延びるフィ
ン6が形成されているから、熱媒液体が速やかに排出さ
れてフィン6を覆う液膜を排除でき、フィン6の金属面
と熱媒気体との直接接触を促進して凝縮効率を高めるこ
とが可能である。さらに、凝縮管として使用した場合に
も、フィン無し領域2を形成したことにより熱媒の圧力
損失が低いから、熱媒ポンプへの負担を低減し、熱交換
装置全体としての熱交換効率を高めることが可能であ
る。
【0034】冷房・暖房両用の空調装置の場合、同一の
伝熱管を冷房時と暖房時で逆向きに熱媒を流す構成とな
っているから、この内面溝付伝熱管1を使用すれば、冷
房・暖房いずれの場合にも良好な効果が得られる。
伝熱管を冷房時と暖房時で逆向きに熱媒を流す構成とな
っているから、この内面溝付伝熱管1を使用すれば、冷
房・暖房いずれの場合にも良好な効果が得られる。
【0035】[第2実施形態]図2は本発明の第2実施
形態を示し、この内面溝付伝熱管1では、フィン6の形
状を、管内面を平面に展開した状態で円弧状をなすよう
に湾曲させたことを特徴としている。これにより、フィ
ン6の管軸に対する傾斜角度αの絶対値は、フィン先端
6Aからフィン6の他端(上端)へ向かうにつれ徐々に
増大するようになっている。同一のフィン6におけるフ
ィン角度αの最大値と最小値の差は10〜20゜程度あ
るとよい。また、その他の構成は第1実施形態と同様で
よい。
形態を示し、この内面溝付伝熱管1では、フィン6の形
状を、管内面を平面に展開した状態で円弧状をなすよう
に湾曲させたことを特徴としている。これにより、フィ
ン6の管軸に対する傾斜角度αの絶対値は、フィン先端
6Aからフィン6の他端(上端)へ向かうにつれ徐々に
増大するようになっている。同一のフィン6におけるフ
ィン角度αの最大値と最小値の差は10〜20゜程度あ
るとよい。また、その他の構成は第1実施形態と同様で
よい。
【0036】このような実施形態によれば、蒸発管とし
て使用した場合、フィン6の下端部では軸線に対する角
度が小さいので、図中A方向に流れる熱媒液体とフィン
6とが衝突する際の衝撃が小さく、フィン6が熱媒液体
の流れに与える抵抗を第1実施形態よりも低減すること
ができる。その一方で、フィン6の上端部ではフィン6
が垂直に近くなっているので、溝8に沿って上昇する熱
媒液体を速やかに管の天井面に送り届けることができる
という利点を有する。
て使用した場合、フィン6の下端部では軸線に対する角
度が小さいので、図中A方向に流れる熱媒液体とフィン
6とが衝突する際の衝撃が小さく、フィン6が熱媒液体
の流れに与える抵抗を第1実施形態よりも低減すること
ができる。その一方で、フィン6の上端部ではフィン6
が垂直に近くなっているので、溝8に沿って上昇する熱
媒液体を速やかに管の天井面に送り届けることができる
という利点を有する。
【0037】また、凝縮管として使用した場合には、フ
ィン6の下端部では軸線に対するフィン6の角度が小さ
いので、図中B方向に流れる熱媒液体とフィン6とが衝
突する際の衝撃が小さいにも拘わらず、フィン6の上端
部ではフィン6が垂直に近くなっているので、熱媒気体
とフィン6との接触をより激しくすることができ、凝縮
効率が促進できる利点を有する。
ィン6の下端部では軸線に対するフィン6の角度が小さ
いので、図中B方向に流れる熱媒液体とフィン6とが衝
突する際の衝撃が小さいにも拘わらず、フィン6の上端
部ではフィン6が垂直に近くなっているので、熱媒気体
とフィン6との接触をより激しくすることができ、凝縮
効率が促進できる利点を有する。
【0038】[第3実施形態]図3は本発明の第3実施
形態を示し、この内面溝付伝熱管1では、フィン6の形
状を、管内面を平面に展開した状態でS字型に湾曲させ
たことを特徴としている。これにより、フィン6の管軸
に対する傾斜角度αの絶対値は、フィン先端6Aからフ
ィン6の中央部へ向かうにつれ徐々に増大し、その後、
さらにフィン6の上端部へ向かうにつれ減少する。その
他の構成は第1実施形態と同様でよい。
形態を示し、この内面溝付伝熱管1では、フィン6の形
状を、管内面を平面に展開した状態でS字型に湾曲させ
たことを特徴としている。これにより、フィン6の管軸
に対する傾斜角度αの絶対値は、フィン先端6Aからフ
ィン6の中央部へ向かうにつれ徐々に増大し、その後、
さらにフィン6の上端部へ向かうにつれ減少する。その
他の構成は第1実施形態と同様でよい。
【0039】このような実施形態によれば、蒸発管とし
て使用した場合、フィン6の下端部では軸線に対する角
度が小さいので、図中A方向に流れる熱媒液体とフィン
6とが衝突する際の衝撃が小さく、フィン6が熱媒液体
の流れに与える抵抗を第1実施形態よりも低減すること
ができる。その一方で、フィン6の中央部ではフィン6
が垂直に近くなっているので、溝8に沿って上昇する熱
媒液体を速やかに管の天井面に送り届けることができ、
さらにフィン6の天井面ではフィン角度が小さくなって
いるため、天井面に駆け上がってきた熱媒液体同士の衝
突を緩和し、この衝突による圧力損失を減らすことが可
能である。
て使用した場合、フィン6の下端部では軸線に対する角
度が小さいので、図中A方向に流れる熱媒液体とフィン
6とが衝突する際の衝撃が小さく、フィン6が熱媒液体
の流れに与える抵抗を第1実施形態よりも低減すること
ができる。その一方で、フィン6の中央部ではフィン6
が垂直に近くなっているので、溝8に沿って上昇する熱
媒液体を速やかに管の天井面に送り届けることができ、
さらにフィン6の天井面ではフィン角度が小さくなって
いるため、天井面に駆け上がってきた熱媒液体同士の衝
突を緩和し、この衝突による圧力損失を減らすことが可
能である。
【0040】また、凝縮管として使用した場合には、フ
ィン6の下端部では軸線に対するフィン6の角度が小さ
いため、図中B方向に流れる熱媒液体とフィン6とが衝
突する際の衝撃が小さいにも拘わらず、フィン6の中央
部ではフィン6が垂直に近くなっているから、熱媒気体
とフィン6との接触をより激しくし、さらに天井部では
フィン角度が小さいことにより、天井面に滞りやすい熱
媒液体が熱媒気体に押された際にフィン6に沿って流下
しやすいという利点を有する。
ィン6の下端部では軸線に対するフィン6の角度が小さ
いため、図中B方向に流れる熱媒液体とフィン6とが衝
突する際の衝撃が小さいにも拘わらず、フィン6の中央
部ではフィン6が垂直に近くなっているから、熱媒気体
とフィン6との接触をより激しくし、さらに天井部では
フィン角度が小さいことにより、天井面に滞りやすい熱
媒液体が熱媒気体に押された際にフィン6に沿って流下
しやすいという利点を有する。
【0041】[第4実施形態]図4は本発明の第4実施
形態を示し、この内面溝付伝熱管1では、金属管の内周
面に、この金属管の軸線方向に延びるフィン低密度領域
12およびフィン高密度領域14がそれぞれ形成されて
いる。フィン高密度領域14には、金属管の軸線方向に
対して傾斜した短いフィン6が、フィン高密度領域14
の周方向中心部を境に左右略対称に形成されている。ま
た、フィン低密度領域12およびフィン高密度領域14
の双方に亘って、金属管の軸線方向に対して傾斜した長
いフィン16が形成されている。
形態を示し、この内面溝付伝熱管1では、金属管の内周
面に、この金属管の軸線方向に延びるフィン低密度領域
12およびフィン高密度領域14がそれぞれ形成されて
いる。フィン高密度領域14には、金属管の軸線方向に
対して傾斜した短いフィン6が、フィン高密度領域14
の周方向中心部を境に左右略対称に形成されている。ま
た、フィン低密度領域12およびフィン高密度領域14
の双方に亘って、金属管の軸線方向に対して傾斜した長
いフィン16が形成されている。
【0042】すなわち、この実施形態では、第1実施形
態のフィン6の一部を、フィン無し領域2の中央まで延
長することにより長いフィン16を形成したものになっ
ており、長いフィン16の間に短いフィン6を2本づつ
等間隔に配置したパターンとされている。フィン低密度
領域12の幅W1およびフィン高密度領域14の幅W2
は第1実施形態における幅W1、W2と同様でよい。ま
た、フィン6,16および溝8の角度や寸法なども第1
実施形態と同様でよい。
態のフィン6の一部を、フィン無し領域2の中央まで延
長することにより長いフィン16を形成したものになっ
ており、長いフィン16の間に短いフィン6を2本づつ
等間隔に配置したパターンとされている。フィン低密度
領域12の幅W1およびフィン高密度領域14の幅W2
は第1実施形態における幅W1、W2と同様でよい。ま
た、フィン6,16および溝8の角度や寸法なども第1
実施形態と同様でよい。
【0043】このような実施形態によれば、蒸発管とし
て使用した場合、図中A方向に流れる熱媒液体の主流
は、フィン低密度領域12に沿って流れるため、フィン
16と衝突する頻度が少なく、運動エネルギーの大きい
熱媒液体の流れを阻害することが少ないため、内面溝付
伝熱管1内を流れる熱媒全体の圧力損失を低減できる。
また、図中A方向に流れる熱媒液体の一部がフィン6,
16に接触すると、熱媒液体は斜め上方へすくい上げら
れ、慣性力によって溝8に沿って管内面の上端まで流れ
る。この時、長いフィン16の下端部は熱媒液体の主流
中に入っているので、長いフィン16による熱媒液体の
かき上げ力は、短いフィン6によるかき上げ力よりも大
きい。したがって、この実施形態は、熱媒流速が同じで
あっても、第1実施形態よりかき上げ効果が強いから、
さらに熱媒流速が小さい領域においても効果的にドライ
アウトが防止できる。
て使用した場合、図中A方向に流れる熱媒液体の主流
は、フィン低密度領域12に沿って流れるため、フィン
16と衝突する頻度が少なく、運動エネルギーの大きい
熱媒液体の流れを阻害することが少ないため、内面溝付
伝熱管1内を流れる熱媒全体の圧力損失を低減できる。
また、図中A方向に流れる熱媒液体の一部がフィン6,
16に接触すると、熱媒液体は斜め上方へすくい上げら
れ、慣性力によって溝8に沿って管内面の上端まで流れ
る。この時、長いフィン16の下端部は熱媒液体の主流
中に入っているので、長いフィン16による熱媒液体の
かき上げ力は、短いフィン6によるかき上げ力よりも大
きい。したがって、この実施形態は、熱媒流速が同じで
あっても、第1実施形態よりかき上げ効果が強いから、
さらに熱媒流速が小さい領域においても効果的にドライ
アウトが防止できる。
【0044】また、凝縮管として使用した場合には、図
中B方向に流れる熱媒液体の主流は、フィン低密度領域
12に沿って流れるため、フィンと衝突することが少な
く、運動エネルギーの大きい熱媒液体の流れを阻害する
ことが少ない。よって、内面溝付伝熱管1内を流れる熱
媒全体の圧力損失を低減することができる。また、図中
B方向に流れる熱媒液体は、フィン16に接触するたび
に常にフィン低密度領域12の中央部へ収束させられる
から、熱媒液体の流れが広がることが効果的に防止でき
るという利点を有する。
中B方向に流れる熱媒液体の主流は、フィン低密度領域
12に沿って流れるため、フィンと衝突することが少な
く、運動エネルギーの大きい熱媒液体の流れを阻害する
ことが少ない。よって、内面溝付伝熱管1内を流れる熱
媒全体の圧力損失を低減することができる。また、図中
B方向に流れる熱媒液体は、フィン16に接触するたび
に常にフィン低密度領域12の中央部へ収束させられる
から、熱媒液体の流れが広がることが効果的に防止でき
るという利点を有する。
【0045】[第5実施形態]図5は本発明の第5実施
形態を示している。第4実施形態では長いフィン16が
1本に対して、短いフィン6が2本の割合で配列されて
いたが、この実施形態では、長いフィン16と短いフィ
ン6とを交互に配列したことを特徴としている。長いフ
ィン16の密度を高めれば、圧力損失は上昇する反面、
熱媒液体のかき上げ効果または熱媒液体を収束させる効
果は向上するから、内面溝付伝熱管1の使用条件に合わ
せて長いフィン16の密度を適宜設定すべきである。な
お、長いフィン16と短いフィン6の高さを相対的に変
えることにより、同様の調整を行うことも可能である。
形態を示している。第4実施形態では長いフィン16が
1本に対して、短いフィン6が2本の割合で配列されて
いたが、この実施形態では、長いフィン16と短いフィ
ン6とを交互に配列したことを特徴としている。長いフ
ィン16の密度を高めれば、圧力損失は上昇する反面、
熱媒液体のかき上げ効果または熱媒液体を収束させる効
果は向上するから、内面溝付伝熱管1の使用条件に合わ
せて長いフィン16の密度を適宜設定すべきである。な
お、長いフィン16と短いフィン6の高さを相対的に変
えることにより、同様の調整を行うことも可能である。
【0046】[第6実施形態]図6は本発明の第6実施
形態を示している。この実施形態では、金属管の内周面
に、金属管の軸線回りの中心角が180゜をなす2つの
領域R1,R2が形成され、これら領域R1,R2に
は、これら領域R1,R2の第1の境界部25から第2
の境界部3まで傾斜して延びる多数のフィン26および
溝28が、第1の境界部25を境にして略対称に形成さ
れている。これらフィン26は展開状態においてS字状
に湾曲しているため、フィン26と金属管の軸線とがな
す傾斜角度αの絶対値は、第1の境界部25から各領域
R1,R2の中央部へ向けていったん増大し、その後、
各中央部から第2の境界部3へ向かう間に再び減少する
ようになっている。同一のフィン26におけるフィン角
度αの最大値と最小値の差は10〜20゜程度あるとよ
い。他の構成は第1実施形態と同様でよい。
形態を示している。この実施形態では、金属管の内周面
に、金属管の軸線回りの中心角が180゜をなす2つの
領域R1,R2が形成され、これら領域R1,R2に
は、これら領域R1,R2の第1の境界部25から第2
の境界部3まで傾斜して延びる多数のフィン26および
溝28が、第1の境界部25を境にして略対称に形成さ
れている。これらフィン26は展開状態においてS字状
に湾曲しているため、フィン26と金属管の軸線とがな
す傾斜角度αの絶対値は、第1の境界部25から各領域
R1,R2の中央部へ向けていったん増大し、その後、
各中央部から第2の境界部3へ向かう間に再び減少する
ようになっている。同一のフィン26におけるフィン角
度αの最大値と最小値の差は10〜20゜程度あるとよ
い。他の構成は第1実施形態と同様でよい。
【0047】このような実施形態によれば、蒸発管とし
て使用した場合、フィン26の下端部では軸線に対する
角度αが小さいので、図中A方向に流れる熱媒液体とフ
ィン26とが衝突する際の衝撃が小さく、フィン26が
熱媒液体の流れに与える抵抗を、螺旋フィン付き伝熱管
よりも低減することができる。その一方で、フィン26
の中央部ではフィン26が垂直に近くなっているので、
溝28に沿って上昇する熱媒液体を速やかに管の天井面
に送り届けることができ、さらに管内面の天井面ではフ
ィン角度が小さくなっているため、天井面に駆け上がっ
てきた熱媒液体同士の衝突を緩和し、この衝突による圧
力損失を減らすことが可能である。
て使用した場合、フィン26の下端部では軸線に対する
角度αが小さいので、図中A方向に流れる熱媒液体とフ
ィン26とが衝突する際の衝撃が小さく、フィン26が
熱媒液体の流れに与える抵抗を、螺旋フィン付き伝熱管
よりも低減することができる。その一方で、フィン26
の中央部ではフィン26が垂直に近くなっているので、
溝28に沿って上昇する熱媒液体を速やかに管の天井面
に送り届けることができ、さらに管内面の天井面ではフ
ィン角度が小さくなっているため、天井面に駆け上がっ
てきた熱媒液体同士の衝突を緩和し、この衝突による圧
力損失を減らすことが可能である。
【0048】また、凝縮管として使用した場合には、フ
ィン26の下端部では軸線に対するフィン26の角度が
小さいため、図中B方向に流れる熱媒液体とフィン26
とが衝突する際の衝撃が小さいにも拘わらず、フィン2
6の中央部ではフィン26が垂直に近くなっているか
ら、熱媒気体とフィン26との接触をより激しくし、さ
らに天井部ではフィン角度が小さいことにより、天井面
に滞りやすい熱媒液体が熱媒気体に押された際にフィン
26に沿って流下しやすいという利点を有する。
ィン26の下端部では軸線に対するフィン26の角度が
小さいため、図中B方向に流れる熱媒液体とフィン26
とが衝突する際の衝撃が小さいにも拘わらず、フィン2
6の中央部ではフィン26が垂直に近くなっているか
ら、熱媒気体とフィン26との接触をより激しくし、さ
らに天井部ではフィン角度が小さいことにより、天井面
に滞りやすい熱媒液体が熱媒気体に押された際にフィン
26に沿って流下しやすいという利点を有する。
【0049】[第7実施形態]図7は本発明の第7実施
形態を示し、この実施形態では、展開状態において円弧
状に湾曲したフィン26を形成したことを特徴とする。
フィン26と金属管の軸線とがなす傾斜角度αの絶対値
は、第1の境界部25から第2の境界部3へ向かう間に
漸次増大するようになっている。他の構成は第1実施形
態および第6実施形態と同様でよい。
形態を示し、この実施形態では、展開状態において円弧
状に湾曲したフィン26を形成したことを特徴とする。
フィン26と金属管の軸線とがなす傾斜角度αの絶対値
は、第1の境界部25から第2の境界部3へ向かう間に
漸次増大するようになっている。他の構成は第1実施形
態および第6実施形態と同様でよい。
【0050】このような実施形態によれば、蒸発管とし
て使用した場合、フィン26の下端部では軸線に対する
角度αが小さいので、図中A方向に流れる熱媒液体とフ
ィン26とが衝突する際の衝撃が小さく、フィン26が
熱媒液体の流れに与える抵抗を、螺旋フィン付き伝熱管
よりも低減することができる一方、フィン26の上端部
ではフィン26が垂直に近くなっているので、溝28に
沿って上昇する熱媒液体を速やかに管の天井面に送り届
ける効果が高い。
て使用した場合、フィン26の下端部では軸線に対する
角度αが小さいので、図中A方向に流れる熱媒液体とフ
ィン26とが衝突する際の衝撃が小さく、フィン26が
熱媒液体の流れに与える抵抗を、螺旋フィン付き伝熱管
よりも低減することができる一方、フィン26の上端部
ではフィン26が垂直に近くなっているので、溝28に
沿って上昇する熱媒液体を速やかに管の天井面に送り届
ける効果が高い。
【0051】また、凝縮管として使用した場合には、フ
ィン26の下端部では軸線に対するフィン26の角度が
小さいため、図中B方向に流れる熱媒液体とフィン26
とが衝突する際の衝撃が小さいにも拘わらず、フィン2
6の中央〜上端部ではフィン26が垂直に近くなってい
るから、熱媒気体とフィン26との接触がより激しくな
り、凝縮効率が高い利点を有する。
ィン26の下端部では軸線に対するフィン26の角度が
小さいため、図中B方向に流れる熱媒液体とフィン26
とが衝突する際の衝撃が小さいにも拘わらず、フィン2
6の中央〜上端部ではフィン26が垂直に近くなってい
るから、熱媒気体とフィン26との接触がより激しくな
り、凝縮効率が高い利点を有する。
【0052】[第8実施形態]図8は本発明の第8実施
形態を示し、この実施形態では、展開状態において
「く」字状に屈折したフィン26を、第1の境界部25
を境として左右対称になるように、各領域R1,R2に
形成したことを特徴とする。これにより、フィン26と
金属管の軸線とがなす傾斜角度αの絶対値は、第1の境
界部25から第2の境界部3へ向かう途中で不連続に増
大する。他の構成は第1実施形態と同様でよい。フィン
角度αが小さい領域の幅W1は、第1実施形態における
フィン無し領域2の幅W1と同様でよい。また、他の構
成は第1実施形態と同様でよい。このような実施形態に
よっても第7実施形態と同様の効果が得られる。
形態を示し、この実施形態では、展開状態において
「く」字状に屈折したフィン26を、第1の境界部25
を境として左右対称になるように、各領域R1,R2に
形成したことを特徴とする。これにより、フィン26と
金属管の軸線とがなす傾斜角度αの絶対値は、第1の境
界部25から第2の境界部3へ向かう途中で不連続に増
大する。他の構成は第1実施形態と同様でよい。フィン
角度αが小さい領域の幅W1は、第1実施形態における
フィン無し領域2の幅W1と同様でよい。また、他の構
成は第1実施形態と同様でよい。このような実施形態に
よっても第7実施形態と同様の効果が得られる。
【0053】[第9実施形態]図9は本発明の第9実施
形態を示し、この実施形態では、金属管の内周面に、金
属管の軸線回りの中心角が180゜をなす2つの領域R
1,R2が形成され、これら領域R1,R2には、これ
ら領域R1,R2の第1の境界部25から第2の境界部
3まで傾斜して延びる多数のフィン36が形成されてい
る。この実施形態の特徴は、隣接するフィン36の間に
形成される溝38の幅が、第1の境界部25から第2の
境界部3へ向かう間に減少することにある。すなわち、
溝38は管内周面の天井面に向かうにつれ狭くなり、溝
38の有する毛細管力が大きくなるようにされている。
形態を示し、この実施形態では、金属管の内周面に、金
属管の軸線回りの中心角が180゜をなす2つの領域R
1,R2が形成され、これら領域R1,R2には、これ
ら領域R1,R2の第1の境界部25から第2の境界部
3まで傾斜して延びる多数のフィン36が形成されてい
る。この実施形態の特徴は、隣接するフィン36の間に
形成される溝38の幅が、第1の境界部25から第2の
境界部3へ向かう間に減少することにある。すなわち、
溝38は管内周面の天井面に向かうにつれ狭くなり、溝
38の有する毛細管力が大きくなるようにされている。
【0054】同時に、フィン36の高さは、第1の境界
部25から第2の境界部3へ向かう間に増大する。すな
わち、フィン36は、管内周面の天井面に向かうにつれ
徐々に高く、底幅も大きくなるようにされている。
部25から第2の境界部3へ向かう間に増大する。すな
わち、フィン36は、管内周面の天井面に向かうにつれ
徐々に高く、底幅も大きくなるようにされている。
【0055】溝38の開口幅は限定されないが、第1の
境界部25側で0.1〜0.4mm、第2の境界部3側
で0.01〜0.20mmであることが望ましい。この
範囲であると毛細管力による熱媒液体の輸送効果が良好
になる。溝38の開口幅は、より好ましくは、第1の境
界部25側で0.15〜0.30mm、第2の境界部3
側で0.05〜0.15mmであり、最適には、第1の
境界部25側で0.20〜0.25mm、第2の境界部
3側で0.05〜0.10mmである。
境界部25側で0.1〜0.4mm、第2の境界部3側
で0.01〜0.20mmであることが望ましい。この
範囲であると毛細管力による熱媒液体の輸送効果が良好
になる。溝38の開口幅は、より好ましくは、第1の境
界部25側で0.15〜0.30mm、第2の境界部3
側で0.05〜0.15mmであり、最適には、第1の
境界部25側で0.20〜0.25mm、第2の境界部
3側で0.05〜0.10mmである。
【0056】フィン36の高さも限定されないが、第1
の境界部25側で0.01〜0.1mm、第2の境界部
3側で0.1〜0.3mmであることが望ましい。この
範囲であると毛細管力による熱媒液体の輸送効果が良好
になる。フィン36の高さは、より好ましくは、第1の
境界部25側で0.03〜0.10mm、第2の境界部
3側で0.15〜0.25mmであり、最適には、第1
の境界部25側で0.05〜0.08mm、第2の境界
部3側で0.20〜0.25mmである。
の境界部25側で0.01〜0.1mm、第2の境界部
3側で0.1〜0.3mmであることが望ましい。この
範囲であると毛細管力による熱媒液体の輸送効果が良好
になる。フィン36の高さは、より好ましくは、第1の
境界部25側で0.03〜0.10mm、第2の境界部
3側で0.15〜0.25mmであり、最適には、第1
の境界部25側で0.05〜0.08mm、第2の境界
部3側で0.20〜0.25mmである。
【0057】フィン36の底幅も限定されないが、第1
の境界部25側で0.01〜0.1mm、第2の境界部
3側で0.1〜0.3mmであることが望ましい。この
範囲であるとフィン36による熱媒撹乱効果が良好にな
る。フィン36の底幅は、より好ましくは、第1の境界
部25側で0.01〜0.08mm、第2の境界部3側
で0.15〜0.25mmであり、最適には、第1の境
界部25側で0.04〜0.08mm、第2の境界部3
側で0.15〜0.20mmである。
の境界部25側で0.01〜0.1mm、第2の境界部
3側で0.1〜0.3mmであることが望ましい。この
範囲であるとフィン36による熱媒撹乱効果が良好にな
る。フィン36の底幅は、より好ましくは、第1の境界
部25側で0.01〜0.08mm、第2の境界部3側
で0.15〜0.25mmであり、最適には、第1の境
界部25側で0.04〜0.08mm、第2の境界部3
側で0.15〜0.20mmである。
【0058】このような実施形態によれば、蒸発管とし
て使用した場合、フィン36の下端部ではフィン36が
低いため、図中A方向に流れる熱媒液体とフィン36と
が衝突する際の衝撃が小さく、フィンが熱媒液体の流れ
に与える抵抗を、螺旋フィン付き伝熱管よりも低減する
ことができる。一方、フィン26の高さが天井側へ向か
うほど大きくなっているので、熱媒液体の流れの両側部
分においてはフィン36によって熱媒液体をかき上げる
力が強く、しかも、いったんかき上げられた熱媒液体は
さらに高さを増すフィン36によって確実に天井面まで
届けられる。そのうえ、溝38の幅は天井面に向かうに
つれ縮小していくので、溝38の毛細管力が天井面側で
強くなっており、この点からも確実かつ均一に熱媒液体
を天井面に供給して、ドライアウトを防止することが可
能である。
て使用した場合、フィン36の下端部ではフィン36が
低いため、図中A方向に流れる熱媒液体とフィン36と
が衝突する際の衝撃が小さく、フィンが熱媒液体の流れ
に与える抵抗を、螺旋フィン付き伝熱管よりも低減する
ことができる。一方、フィン26の高さが天井側へ向か
うほど大きくなっているので、熱媒液体の流れの両側部
分においてはフィン36によって熱媒液体をかき上げる
力が強く、しかも、いったんかき上げられた熱媒液体は
さらに高さを増すフィン36によって確実に天井面まで
届けられる。そのうえ、溝38の幅は天井面に向かうに
つれ縮小していくので、溝38の毛細管力が天井面側で
強くなっており、この点からも確実かつ均一に熱媒液体
を天井面に供給して、ドライアウトを防止することが可
能である。
【0059】以上、本発明の実施形態を個別に説明した
が、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではな
く、上記各実施形態の構成要素を相互に組み合わせても
よい。例えば、図9の溝幅を上方へ向かうにつれ縮小す
る構成を、図1〜図8の実施形態に組み合わせてもよ
い。
が、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではな
く、上記各実施形態の構成要素を相互に組み合わせても
よい。例えば、図9の溝幅を上方へ向かうにつれ縮小す
る構成を、図1〜図8の実施形態に組み合わせてもよ
い。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る内面
溝付伝熱管によれば、蒸発管として用いた場合に、斜め
上方へ延びる両側壁面のフィンによって熱媒液体が天井
面までかき上げられるため、熱媒の流速が小さい場合に
も効果的に管内面全面を濡らすことが可能で、ドライア
ウトを防止する効果が高い。そのうえ、管内の底部にお
けるフィンと熱媒液体との衝突衝撃を減らすことができ
るので、熱媒液体の流れを阻害することが少なく、熱媒
の圧力損失を低減することが可能である。
溝付伝熱管によれば、蒸発管として用いた場合に、斜め
上方へ延びる両側壁面のフィンによって熱媒液体が天井
面までかき上げられるため、熱媒の流速が小さい場合に
も効果的に管内面全面を濡らすことが可能で、ドライア
ウトを防止する効果が高い。そのうえ、管内の底部にお
けるフィンと熱媒液体との衝突衝撃を減らすことができ
るので、熱媒液体の流れを阻害することが少なく、熱媒
の圧力損失を低減することが可能である。
【0061】また、凝縮管として使用した場合には、凝
縮によりフィンに付着した熱媒液体が熱媒の流れに押さ
れると、斜め下方へ延びる両側壁面のフィンに沿って速
やかに管内底部に落下するため、管の内面における排液
性が改善され、フィンが液膜で覆われることを防ぎ、フ
ィンと熱媒気体との直接接触を促進して凝縮効率を高め
ることができる。さらに、この場合にも、管内の底部に
おけるフィンと熱媒液体との衝突衝撃を減らすことがで
きるので、熱媒液体の流れを阻害することが少なく、熱
媒の圧力損失を低減することが可能である。
縮によりフィンに付着した熱媒液体が熱媒の流れに押さ
れると、斜め下方へ延びる両側壁面のフィンに沿って速
やかに管内底部に落下するため、管の内面における排液
性が改善され、フィンが液膜で覆われることを防ぎ、フ
ィンと熱媒気体との直接接触を促進して凝縮効率を高め
ることができる。さらに、この場合にも、管内の底部に
おけるフィンと熱媒液体との衝突衝撃を減らすことがで
きるので、熱媒液体の流れを阻害することが少なく、熱
媒の圧力損失を低減することが可能である。
【図1】 本発明に係る内面溝付伝熱管の第1実施形態
を示す内面を一部展開した平面図である。
を示す内面を一部展開した平面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態を示す内面を一部展開
した平面図である。
した平面図である。
【図3】 本発明の第3実施形態を示す内面を一部展開
した平面図である。
した平面図である。
【図4】 本発明の第4実施形態を示す内面を一部展開
した平面図である。
した平面図である。
【図5】 本発明の第5実施形態を示す内面を一部展開
した平面図である。
した平面図である。
【図6】 本発明の第6実施形態を示す内面を一部展開
した平面図である。
した平面図である。
【図7】 本発明の第7実施形態を示す内面を一部展開
した平面図である。
した平面図である。
【図8】 本発明の第8実施形態を示す内面を一部展開
した平面図である。
した平面図である。
【図9】 本発明の第9実施形態を示す内面を一部展開
した平面図である。
した平面図である。
【図10】 本発明の効果を示す蒸発管の断面図であ
る。
る。
【図11】 本発明の効果を示す凝縮管の断面図であ
る。
る。
1 内面溝付伝熱管 2 フィン無し領域 4 フィン形成領域 6,26,36 フィン 6A フィン先端(下端) 8,28,38 溝 10 溶接部 α フィン角度 12 フィン低密度領域 14 フィン高密度領域 16 長いフィン R1,R2 領域 25 第1の境界部 3 第2の境界部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 誠一 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内 (72)発明者 菊地 心 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内 (72)発明者 ▲すくも▼田 俊▲緑▼ 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内
Claims (8)
- 【請求項1】 金属管の内周面に、この金属管の軸線方
向に延びるフィン無し領域(2)およびフィン形成領域
(4)がそれぞれ形成され、前記フィン形成領域(4)
には、前記フィン形成領域(4)の周方向の中心部から
左右両側に向けて略対称に傾斜して延びるフィン(6)
が形成されていることを特徴とする内面溝付伝熱管。 - 【請求項2】 前記フィン無し領域(2)の金属管周方
向における幅は、金属管の内周長の5〜40%であるこ
とを特徴とする請求項1記載の内面溝付伝熱管。 - 【請求項3】 前記金属管の軸線方向に対するフィン
(6)の傾斜角度は5〜30゜であることを特徴とする
請求項1または2記載の内面溝付伝熱管。 - 【請求項4】 前記フィン(6)の金属管の軸線に対す
る傾斜角度の絶対値は、前記フィン(6)のフィン無し
領域(2)側の端部で小さく、他端側へ向かうにつれ相
対的に大きくなることを特徴とする請求項1〜3のいず
れかに記載の内面溝付伝熱管。 - 【請求項5】 金属管の内周面に、この金属管の軸線方
向に延びるフィン低密度領域(12)およびフィン高密
度領域(14)がそれぞれ形成され、前記フィン高密度
領域(14)には、金属管の軸線方向に対して傾斜した
短いフィン(6)が前記フィン高密度領域(14)の周
方向中心部を境に左右略対称に形成されているととも
に、前記フィン低密度領域(12)および前記フィン高
密度領域(14)の双方に亘って金属管の軸線方向に対
して傾斜した長いフィン(16)が形成されていること
を特徴とする内面溝付伝熱管。 - 【請求項6】 前記フィン低密度領域(12)の金属管
周方向における幅は、金属管の内周長の5〜40%であ
ることを特徴とする請求項5記載の内面溝付伝熱管。 - 【請求項7】 金属管の内周面に、金属管の軸線回りの
中心角が180゜をなす2つの領域(R1,R2)が形
成され、これら領域には、これら領域の第1の境界部
(25)から第2の境界部(3)まで傾斜して延びる多
数のフィン(26)が前記第1の境界部(25)を境に
して略対称に形成され、これらフィン(26)と金属管
の軸線とがなす傾斜角度(α)の絶対値は前記第1の境
界部から第2の境界部へ向かう間に、少なくとも一部の
区間で増大することを特徴とする内面溝付伝熱管。 - 【請求項8】 金属管の内周面に、金属管の軸線回りの
中心角が180゜をなす2つの領域(R1,R2)が形
成され、これら領域には、これら領域の第1の境界部
(25)から第2の境界部(3)まで傾斜して延びる多
数のフィン(26)が形成され、隣接するフィン(2
6)の間に形成される溝(28)の幅は、前記第1の境
界部(25)から第2の境界部(3)へ向かう間に減少
することを特徴とする内面溝付伝熱管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10200917A JP2000035295A (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 内面溝付伝熱管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10200917A JP2000035295A (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 内面溝付伝熱管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000035295A true JP2000035295A (ja) | 2000-02-02 |
Family
ID=16432431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10200917A Withdrawn JP2000035295A (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 内面溝付伝熱管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000035295A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008241180A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Kobelco & Materials Copper Tube Inc | ヒートパイプ用伝熱管およびヒートパイプ |
US7936560B2 (en) | 2008-09-24 | 2011-05-03 | Hitachi, Ltd. | Cooling device and electronic equipment including cooling device |
KR101786858B1 (ko) * | 2017-03-15 | 2017-10-18 | 삼중테크 주식회사 | 전열관 및 이를 이용하는 흡수식 냉온수기 |
CN111192824A (zh) * | 2018-11-15 | 2020-05-22 | 东京毅力科创株式会社 | 真空处理装置 |
JP2020088377A (ja) * | 2018-11-15 | 2020-06-04 | 東京エレクトロン株式会社 | 真空処理装置 |
-
1998
- 1998-07-15 JP JP10200917A patent/JP2000035295A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008241180A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Kobelco & Materials Copper Tube Inc | ヒートパイプ用伝熱管およびヒートパイプ |
US7936560B2 (en) | 2008-09-24 | 2011-05-03 | Hitachi, Ltd. | Cooling device and electronic equipment including cooling device |
KR101786858B1 (ko) * | 2017-03-15 | 2017-10-18 | 삼중테크 주식회사 | 전열관 및 이를 이용하는 흡수식 냉온수기 |
CN111192824A (zh) * | 2018-11-15 | 2020-05-22 | 东京毅力科创株式会社 | 真空处理装置 |
JP2020088377A (ja) * | 2018-11-15 | 2020-06-04 | 東京エレクトロン株式会社 | 真空処理装置 |
JP7450348B2 (ja) | 2018-11-15 | 2024-03-15 | 東京エレクトロン株式会社 | 真空処理装置 |
CN111192824B (zh) * | 2018-11-15 | 2024-07-26 | 东京毅力科创株式会社 | 真空处理装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051004 |