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JP2000010124A - 反射型液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

反射型液晶表示装置およびその製造方法

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JP2000010124A
JP2000010124A JP10191068A JP19106898A JP2000010124A JP 2000010124 A JP2000010124 A JP 2000010124A JP 10191068 A JP10191068 A JP 10191068A JP 19106898 A JP19106898 A JP 19106898A JP 2000010124 A JP2000010124 A JP 2000010124A
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JP
Japan
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lower electrode
light
layer
convex pattern
liquid crystal
Prior art date
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Pending
Application number
JP10191068A
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English (en)
Inventor
Akishige Murakami
明繁 村上
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1335Structural association of cells with optical devices, e.g. polarisers or reflectors
    • G02F1/133504Diffusing, scattering, diffracting elements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
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  • Liquid Crystal (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易で簡単なプロセスにより反射層の下地の
凹凸を制御し、比較的なだらかな順テーパーの凹凸を反
射層に安価に作り込むことができ、これにより、背景の
写り込みがなく、コントラストが高く、かつ明るい表示
が実現でき、また、画素の高密度化を考慮し比較的容易
に表示特性の均一化を図ることの可能な反射型液晶表示
装置およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 2つの絶縁性基板101,111が対向
して配置され、一方の絶縁性基板101上に薄膜ダイオ
ード102が形成されている。ここで、薄膜ダイオード
102は、走査線に接続される下部電極103aと、反
射層105bを兼ねる上部電極105aと、下部電極1
03aと上部電極105aに挾まれた半導体層または絶
縁層104とからなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型液晶表示装
置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】反射型液晶表示装置は外部から入射した
光を反射層によって反射して表示を行なうため、透過型
液晶表示装置と異なりバックライトが不要となる。その
ため、液晶表示装置の消費電力が小さく、携帯機器への
応用が期待されている。しかしながら、外部から入射し
た光を反射して表示を行なうため、高いコントラストで
明るい表示を得るためには反射光の方向および輝度を決
める反射層の構造が重要となる。
【0003】従来の反射型液晶表示装置では、液晶セル
の背面にアルミホイルや紙を貼り付けて反射層としてい
たが、光の損失が大きく、明るい表示が得られなかっ
た。また、液晶セルの基板(一般的には1mm程度のガ
ラス基板を使用)を通して反射させるため、視差による
2重像が発生し、良好な表示が得られなかった。
【0004】そこで、近年は反射層を液晶セルの内部に
作り込む事がなされている。反射層を液晶セルの内部に
作り込む場合、鏡面形状の反射層では、正反射が著しく
大きく、拡散成分が非常に小さいため、視野角が大きく
取れず、また、背景の写り込み等によりコントラストが
大きくならないため、良好な表示は得られない。そのた
め、反射層の表面に凹凸をつけ、拡散光を用いて表示を
行なうことが一般的になされている。
【0005】また、液晶表示装置の高精細化,高速化に
対応し、従来のパッシブマトリックス駆動からTFT
(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)の駆動素
子を用いたアクティブマトリックス駆動が用いられるた
め、TFT,TFDの電極を反射層と兼ねる構造を採用
する場合が多くなってきた。
【0006】図21には、特開平5−322371号に
記載されている液晶表示装置の構成が示されている。図
21の液晶表示装置は、TFT(逆スタガー形TFT)の
ソースまたはドレイン電極が反射層を兼ねる構造となっ
ている。すなわち、反射層とTFTのソースまたはドレ
イン電極とが同一層からなっている。通常、ソース,ド
レイン電極は、スパッタ法によって形成されるため、成
膜時に反射層表面のみに凹凸構造を作り込むことは困難
である。そのためソース,ドレイン電極形成前に、TF
Tを有機被膜からなる層間絶縁膜で被覆し、層間絶縁膜
表面にフォトリソグラフィー,エッチングを行ない凹凸
を形成し、ソース,ドレイン成膜時に、反射層表面に層
間絶縁膜の凹凸を反映した凹凸を形成させている。スパ
ッタ法は、指向性が強く、表面の凹凸をほぼ忠実に反映
した表面形状を作ることができるため、層間絶縁膜の凹
凸を所望の形状に設計できれば、ほぼ目的とする凹凸の
表面形状を持った反射層を得る事ができる。ただし、T
FTを被覆する層間絶縁膜の形成、およびフォトリソグ
ラフィー,エッチングによる層間絶縁膜の表面制御が必
要となり、従来よりも複雑なプロセスとなり、歩留の低
下や製造コストの増加が大きくなる。そのため、反射層
の凹凸を簡単なプロセスで、かつ安価に製造することが
強く望まれている。そのため、図22,図23の方法が
提案されている。
【0007】図22は特開平7−159776号に示さ
れている構成を示す図である。図22において、駆動素
子としてTFTを用いる場合、付加容量が必要とされ、
付加容量の下層配線を格子状にすることによって、反射
層に格子状の凹凸を形成している。この方法では、付加
容量の下層配線を作製する時に、ソース電極を兼ねる反
射層の下層にも格子状に配線を形成し、層間絶縁膜でT
FTを被覆する際に、下層配線によって層間絶縁膜表面
に格子状の凹凸を自動的に形成し、その後、ソース電極
をスパッタ法により形成し、層間絶縁膜の凹凸を反映し
た凹凸を反射層に形成する。この方法によれば、図21
と比較し、少なくとも層間絶縁膜表面の凹凸を形成する
フォトリソグラフィーおよびエッチングプロセスを各1
工程ずつ省くことができ、製造コストの上昇を抑えるこ
とが可能になる。なお、層間絶縁膜は、有機被膜または
無機絶縁膜が用いられるが、凹凸をソースまたはドレイ
ン電極に反映させるため、薄く成膜する必要がある。
【0008】ここで、層間絶縁膜を有機被膜で形成する
場合には、有機被膜の一般的な成膜方法であるスピンコ
ート法,ロールコート法ではともに薄膜化が難しく、ま
た、有機被膜の表面が平滑になりやすいため、下層で形
成した凹凸を反射層に忠実に反映することが非常に困難
となり、目的とする反射層を自動的に作ることはでき
ず、実用的には有機被膜を採用できない。
【0009】一方、層間絶縁膜を無機絶縁膜で形成する
場合には、CVD法,スパッタ法とも薄膜化が容易であ
るが、一般的に用いられるSiOx,SiNxでは比誘電
率が大きいため、格子状の配線を密にすると付加容量が
大きくなり、TFTにとって最適な付加容量を作ること
ができない。逆に、最適の付加容量を実現すると、層間
絶縁膜上の凹凸の頻度が少なくなり、最適の反射特性が
得られない。SiOx,SiNxを厚膜化し付加容量を低
減させ、凹凸を自由にパターン設計できるようにした場
合では、有機被膜ほどではないが、下層配線の凹凸の忠
実な反映が難しくなり、目的とする表面形状を持った反
射層が得られなくなる。無機絶縁膜の表面形状をシュミ
レーションし、下層の凹凸から表面モホロジーを推定
し、最適な凹凸を得る方法も考えられるが、下層配線の
側面が垂直であるため、無機絶縁膜の成膜中に下層配線
の頂点でオーバーハングが形成されやすく、表面形状を
解析的に解くことができない。そのため現状のシュミレ
ーション技術では、膨大なデータ量を処理しなければな
らず、反射層の表面形状設計に用いることは不可能であ
る。
【0010】加えて、画素の高密度化を考えた場合、T
FTのゲート電極は、ゲート幅の寸法制御の容易性か
ら、垂直エッチングを行なうのが一般的である。付加容
量の下層配線は、ゲート電極のフォトリソエッチングと
同時に作り込まれるため、側面は垂直形状となってしま
う。そのため、下地の凹凸を反射板に忠実に反映させる
と、反射層の凹凸は垂直形状に近くなり、拡散成分が少
なくなり、鏡面反射による写り込み等が避けられず、良
好な表示(コントラストが大きく、明るい表示)は得られ
にくい。
【0011】逆に、拡散成分を多くするために反射層の
凹凸を大きなテーパー形状にしようとすると、ゲート電
極の側面も同様な角度,つまり順テーパー形状で作製さ
れてしまう。一般に、テーパー形状を得ようとすると、
レジストを後退させながら、エッチングを行なうため、
凹凸の形成レベルの形状制御は可能であるが、厳密な寸
法制御は困難となり、ゲート電極の寸法の面内バラツキ
が大きくなる。その結果、表示装置としては均一な表示
が得られなくなるといった問題が生じる。
【0012】また、図23は反射層の凹凸を下層の凹凸
で作製する別の従来例であり、特開平9−54318号
に記載の構成を示す図である。この場合は、TFTおよ
びTFDを構成する半導体層,絶縁層,金属層の少なく
とも1層で下地の凹凸を作製し、駆動素子の上部電極,
図23ではソースまたはドレイン電極をスパッタ法によ
って形成する際に、下地の凹凸を反映した凹凸を持つ反
射層を自動的に作るものである。この方法によれば、図
22と異なり、TFTに最適な付加容量を実現しなが
ら、下地の凹凸は半導体層,絶縁層,金属層で自由にパ
ターン設計できるので、パターン設計上の問題はない。
しかしながら、下層の凹凸をTFTの作製プロセスで同
時に作り込むため、すなわち、同時のフォトリソグラフ
ィーおよびエッチングプロセスにより凹凸を作製するた
め、凹凸の側面形状は駆動素子と同じになってしまう。
例えば、高密度化を前提にし、垂直エッチングを行なう
場合を考えると、ほぼ垂直形状の凹凸を作ることができ
る程度である。半導体層,絶縁層,金属層を個別にフォ
トリソグラフィー,エッチングを行ない、階段状の凹凸
を形成することも考えられるが、その場合は、フォトリ
ソグラフィープロセス,エッチングプロセスが各々3回
必要となり、逆にプロセスの複雑化,歩留の低下を招
く。また、凹凸が階段状になる程度の効果であるため、
ソース電極を形成した後でも反射層は階段状の凹凸を強
く反映し、反射層として望まれる比較的なだらかな順テ
ーパー形状を実現することはできない。一方、反射層の
凹凸をなだらかな順テーパー形状にしようとすると、駆
動素子を順テーパー形状にしなければならず、図22の
場合と同様にゲート電極の線幅制御が難しくなり、表示
装置としては均一な表示が得られなくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容易で簡単
なプロセスにより反射層の下地の凹凸を制御し、比較的
なだらかな順テーパーの凹凸を反射層に安価に作り込む
ことができ、これにより、背景の写り込みがなく、コン
トラストが高く、かつ明るい表示が実現でき、また、画
素の高密度化を考慮し比較的容易に表示特性の均一化を
図ることの可能な反射型液晶表示装置およびその製造方
法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、第1および第2の2つの絶
縁性基板が対向して配置され、第1の絶縁性基板上に
は、側面がほぼ垂直形状の下部電極と、下部電極と同一
の層からなるが下部電極と接続されずかつ側面が順テー
パー形状の複数の離散した凸パターンとが形成され、下
部電極の上方には半導体層または絶縁層が形成され、さ
らに、その上方には、前記の複数の離散した凸パターン
を反映した凹凸を有する反射層と上部電極とが同一の層
として形成され、下部電極と半導体層または絶縁層と上
部電極とにより薄膜ダイオードが構成されており、ま
た、第2の絶縁性基板は、可視光に対し透明であり、第
2の絶縁性基板上には、反射層と対向して透明電極が設
けられ、反射層と透明電極との間に液晶が挾まれること
を特徴としている。
【0015】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の反射型液晶表示装置において、前記複数の離散した
凸パターンは、膜厚が0.5〜2μmの範囲であること
を特徴としている。
【0016】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の反射型液晶表示装置において、前記半導体層または
絶縁層が、複数の離散した凸パターン上にも形成され、
かつ前記半導体層または絶縁層は、膜厚が0.2μm以
下であることを特徴としている。
【0017】また、請求項4記載の発明は、第1および
第2の2つの絶縁性基板が対向して配置され、第1の絶
縁性基板上には、側面がほぼ垂直形状の下部電極と、下
部電極と同一の層からなるが下部電極と接続されずかつ
側面が順テーパー形状の複数の離散した凸パターンとが
形成され、下部電極の上方には半導体層または絶縁層が
形成され、さらに、その上方には、前記の複数の離散し
た凸パターンを反映した凹凸を有する反射層と上部電極
とが同一の層として形成され、下部電極と半導体層また
は絶縁層と上部電極とにより薄膜ダイオードが構成され
ており、また、第2の絶縁性基板は、可視光に対し透明
であり、第2の絶縁性基板上には、反射層と対向して透
明電極が設けられ、反射層と透明電極との間に液晶が挾
まれる構成の反射型液晶表示装置の製造方法であって、
下部電極と複数の離散した凸パターンのパターニング工
程を有し、該パターニング工程において、下部電極のフ
ォトリソグラフィ−及びエッチングと凸パターンのフォ
トリソグラフィ−及びエッチングとを別々に行なうこと
を特徴としている。
【0018】また、請求項5記載の発明は、第1および
第2の2つの絶縁性基板が対向して配置され、第1の絶
縁性基板上には、側面がほぼ垂直形状の下部電極と、下
部電極と同一の層からなるが下部電極と接続されずかつ
側面が順テーパー形状の複数の離散した凸パターンとが
形成され、下部電極の上方には半導体層または絶縁層が
形成され、さらに、その上方には、前記の複数の離散し
た凸パターンを反映した凹凸を有する反射層と上部電極
とが同一の層として形成され、下部電極と半導体層また
は絶縁層と上部電極とにより薄膜ダイオードが構成され
ており、また、第2の絶縁性基板は、可視光に対し透明
であり、第2の絶縁性基板上には、反射層と対向して透
明電極が設けられ、反射層と透明電極との間に液晶が挾
まれる構成の反射型液晶表示装置の製造方法であって、
下部電極と複数の離散した凸パターンのパターニング工
程を有し、該パターニング工程において、下部電極を転
写するためのレジスト形状がほぼ垂直であり、また、複
数の離散した凸パターンを転写するためのレジスト形状
が順テーパー形状ないし半球形状であって、下部電極と
凸パターンのエッチングを同時に行なうことを特徴とし
ている。
【0019】また、請求項6記載の発明は、請求項5記
載の反射型液晶表示装置の製造方法において、下部電極
と複数の離散した凸パターンのパターニング工程におい
て、下部電極を構成する下部電極層を成膜後、はじめに
下部電極のレジストパターンのみを形成し、紫外光を照
射しながら150〜250℃の加熱により下部電極のレ
ジストパターンの硬化を行ない、その後、複数の離散し
た凸パターンのレジストパターンを形成し、130〜2
00℃の加熱により凸パターンのレジストパターンのみ
を順テーパー形状ないし半球形状に形成することを特徴
としている。
【0020】また、請求項7記載の発明は、第1および
第2の2つの絶縁性基板が対向して配置され、第1の絶
縁性基板上には、側面がほぼ垂直形状の下部電極と、下
部電極と同一の層からなるが下部電極と接続されずかつ
側面が順テーパー形状の複数の離散した凸パターンとが
形成され、下部電極の上方には半導体層または絶縁層が
形成され、さらに、その上方には、前記の複数の離散し
た凸パターンを反映した凹凸を有する反射層と上部電極
とが同一の層として形成され、下部電極と半導体層また
は絶縁層と上部電極とにより薄膜ダイオードが構成され
ており、また、第2の絶縁性基板は、可視光に対し透明
であり、第2の絶縁性基板上には、反射層と対向して透
明電極が設けられ、反射層と透明電極との間に液晶が挾
まれる構成の反射型液晶表示装置の製造方法であって、
下部電極層を成膜する工程と、下部電極層上にポジレジ
ストを塗布する工程と、下部電極および凸パターンに相
当する遮光部を持つレチクルを用い、下部電極および凸
パターンのレジストパターンを露光する工程と、下部電
極および凸パターンを形成するためレジストパターンを
同時に現像する工程と、異方性の大きなドライエッチン
グ方式で、下部電極および凸パターンを同時にエッチン
グする工程とを有していることを特徴としている。
【0021】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載の反射型液晶表示装置の製造方法において、下部電極
および凸パターンに相当する遮光部を持つレチクルを用
いて、下部電極および凸パターンのレジストパターンを
露光する際、レチクルを通過する露光光に関する条件と
して、下部電極および凸パターンの頭頂部を形成するた
めのレジスト領域には露光光は照射されないという第1
の条件と、露光光の光強度をIとし、ポジレジストを露
光後に現像したとき、露光によるレジストの膜厚減少を
起こす露光波長での最小の光強度をE0とし、ポジレジ
ストを露光後に現像したとき、完全に除去される露光波
長での最小の光強度をEthとするとき、凸パターンの
側面部を形成するためのレジスト領域には、E0<I<
Ethの光強度の露光光が照射される第2の条件とが満
たされることを特徴としている。
【0022】また、請求項9記載の発明は、請求項8記
載の反射型液晶表示装置の製造方法において、下部電極
および凸パターンに相当する遮光部を持つレチクルを用
いて、下部電極および凸パターンのレジストパターンを
露光する際、レチクルを通過した露光光は、前記第1お
よび第2の条件とともに、凸パターンの側面部を形成す
るためのレジスト領域のうち、頭頂部側により小さな光
強度の露光光が照射される第3の条件を満たすことを特
徴としている。
【0023】また、請求項10記載の発明は、請求項
7,請求項8または請求項9記載の反射型液晶表示装置
の製造方法において、下部電極および凸パターンに相当
する遮光部を持つレチクルに関し、下部電極および凸パ
ターンの頭頂部に相当する遮光部は前記ポジレジストの
露光波長の光を完全に遮光し、また、凸パターンの側面
部に相当する遮光部は前記ポジレジストの露光波長の光
に対し光強度を弱めながら透過することを特徴としてい
る。
【0024】また、請求項11記載の発明は、請求項1
0記載の反射型液晶表示装置の製造方法において、レチ
クルに関して、パターンのない領域を通過した露光光の
位相と凸パターンの側面部に相当する遮光部を通過した
露光光の位相とがほぼ180度異なるように設定されて
いる位相シフターで、凸パターンの側面部に相当する遮
光部が構成されており、また、凸パターンの頭頂部に相
当する遮光部は、前記ポジレジストの解像限界以下の開
口に相当する開口と、前記位相シフターと同一の層で、
かつ前記ポジレジストの解像限界以下の寸法の遮光層と
が、Pを繰り返しピッチとし、λを露光光の波長とし、
NAを投影レンズの開口数とし、α≦0.8とすると
き、P=αλ/NAの条件を満たしながら繰り返し配置
されて構成されていることを特徴としている。
【0025】また、請求項12記載の発明は、請求項1
1記載の反射型液晶表示装置の製造方法において、前記
位相シフターが露光波長の光に対して透過率の異なる複
数の位相シフターから構成され、異なる透過率を有する
複数の位相シフターは、レチクルの別領域あるいは別レ
チクルに配置されていることを特徴としている。
【0026】また、請求項13記載の発明は、請求項
7,請求項8または請求項9記載の反射型液晶表示装置
の製造方法において、下部電極および凸パターンに相当
する遮光部を持つレチクルに関して、凸パターンの側面
部に相当する遮光部は、前記ポジレジストの露光波長の
光を完全に遮光する領域と、前記のポジレジストの解像
限界以下の開口に相当する開口とで構成されていること
を特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明に係る反射型液晶表示
装置の構成例を示す図である。図1の液晶表示装置は、
2つの絶縁性基板101,111が対向して配置され、
一方の絶縁性基板101上に薄膜ダイオード102が形
成されている。ここで、薄膜ダイオード102は、走査
線に接続される下部電極103aと、反射層105bを
兼ねる上部電極105aと、下部電極103aと上部電
極105aに挾まれた半導体層または絶縁層104とか
らなっている。また、他方の絶縁性基板111は、可視
光に対し透明のもの(透明絶縁性基板)である。そして、
絶縁性基板111上には、反射層105bと対向して、
信号線に接続される透明電極112が設けられており、
反射層105bと透明電極112との間に液晶107が
挾まれ、また、スペーサーを介してギャップ制御がなさ
れて、反射型液晶表示装置が構成されている。
【0028】ここで、下部電極103aの側面は、ほぼ
垂直形状である。
【0029】また、図1の液晶表示装置は、さらに、下
部電極103aと同一の層からなるが下部電極103a
とは電気的に接続されない複数の離散した凸パターンを
反映した凹凸を有する構造(凸パターン構造)103bを
有しており、この凸パターン構造103b上に反射層1
05bが形成されている。ここで、複数の離散した凸パ
ターン構造103bの側面は、順テーパー形状となって
おり、これにより、この上層に形成される反射層105
bもこれを反映した順テーパー形状となる。
【0030】なお、離散した複数の凸パターン構造10
3bの膜厚は、0.5〜2μmの範囲となっている。
【0031】図1の構造とすることによって、離散した
複数の凸パターン構造103bを反射層105bの下部
に任意に配置でき、反射層105bの表面モホロジー設
計への制限が少なくできる。また、凸パターン構造10
3bが順テーパー形状になっているため、上部電極10
5aの成膜時に自動的に(これと同時に)形成される反射
層105bの凹凸も順テーパー形状になり、その結果、
図22,図23の構造よりも反射光の拡散成分が多くな
り、鏡面反射による背景の写り込みを抑えることができ
る。
【0032】さらに、上部電極105a,反射層105
bは、同じプロセスで通常スパッタ法によって成膜され
るため、凸パターン構造103bを忠実に反映した凹凸
を反射層105bに作ることができ、目的とする反射特
性を得られやすい。
【0033】また、凸パターン構造103bの側面と異
なり、下部電極103aの側面は、ほぼ垂直形状となっ
ているため、画素が高密度化し、薄膜ダイオードの素子
面積が小さくなった場合においても、上部電極105a
と下部電極103aとの交差部で形成される素子面積の
面内バラツキを小さくできる。その結果、面内で均一な
薄膜ダイオードを容易に作製できる。さらに、上部電極
105aの側面もほぼ垂直形状であれば、上記の効果は
さらに大きく、その場合でも、反射特性は、凸パターン
構造103bの形状(反射層105bの形状)で自動的に
決まるため、上部電極105aの側面を垂直形状にして
も反射特性に対し何らの影響もない。
【0034】以上の効果により、凸パターンの形状を制
御するだけで、背景の写り込みを抑え、かつ目的とする
反射特性を持つ反射層を容易に作ることができるように
なり、明るくてコントラストの大きな良好な表示の反射
型液晶装置を作製でき、いわゆるペーパーホワイトの表
示を得ることができる。また、面内で均一な薄膜ダイオ
ードが得られるため、表示特性の均一な反射型液晶装置
が得られる。
【0035】さらに、凸パターン構造103bにより反
射層105bの凹凸が成膜時に自動的に形成できるた
め、反射層に凹凸を作製するためのフォトリソグラフィ
ーおよびエッチング工程が不要となる。また、凸パター
ン構造103bが下部電極103aと同一の層からなる
ため、凸パターン構造103bの成膜工程が不要にな
る。その結果、目的とする反射特性をもつ反射層を安価
に製造できる。
【0036】なお、目的の反射特性を得るためには、上
述のように、凸パターン構造103bの形状が重要にな
り、凸パターン構造103bの膜厚および順テーパー形
状の角度を制御する必要がある。一般的に、凸パターン
構造103bの膜厚が小さい場合、凸パターンの形状が
変化する箇所、つまり、側面の頂点での界面自由エネル
ギーの変化が小さく、その結果、側面で粒界が発生せ
ず、側面を超えて1個のグレインが成長する。その場
合、凸パターンの反射層105bへの忠実な再現が難し
くなる。
【0037】通常、上部電極105aは、反射率,製造
コストを考慮し、AlまたはAl合金をスパッタ法によ
って成膜する。本願の発明者は、実験により、凸パター
ン構造103bの膜厚が0.1μm以下の場合において
は、凸パターン構造103bの側面でほとんど粒界が発
生せず、凸パターン構造103bの膜厚を増加させる
と、凸パターン構造103bの側面での粒界発生頻度が
増加し、0.5μm以上の膜厚で、ほぼ全ての側面で粒
界が発生し、凸パターンの反射層105bへの転写が可
能になることを見出した。
【0038】なお、凸パターン構造103bの膜厚は、
大きい程、反射層105bへの転写を忠実に実現できる
が、凸パターン構造103bと下部電極103aとの成
膜は兼ねているため(同時になされるため)、凸パターン
構造103bの膜厚増加に伴い下部電極103aの膜厚
も増加する。下部電極103aが著しく厚くなると、半
導体層または絶縁膜104を介しての上部電極105a
のステップカバレージの低下を招き、上部電極105a
の断線を起こし易くなる。ほぼ垂直な側面を持つ下部電
極103aを想定し、上部電極105aをスパッタ法で
行なう場合、上部電極105aの断線を防ぐためには、
下部電極103aの膜厚を2μm以下にするのが良い。
よって、凸パターン構造103bの膜厚としては、0.
5〜2μmとするのが良い。
【0039】また、凸パターン構造103bの順テーパ
ーの角度は70°以下が望ましい。すなわち、順テーパ
ーの角度が70°以上になると、反射光の拡散成分が少
なくなり、背景の写り込みを抑えることができなくなっ
て、コントラストの高い表示が得られにくくなる場合が
多い。さらに、凸パターン間の距離が比較的離れている
場合、凸パターンを反射層に忠実に反映できるが、比較
的緩やかなテーパー角度(30°以下)の凹凸を持つ反射
層を形成する場合、凸パターンの順テーパーを比較的緩
やかな角度に設定するのも良いが、凸パターンを近接し
て配置し、上部電極を成膜することによって、凹凸の角
度を凸パターンよりも緩やかにする方法もある。
【0040】図2にはその詳細が示されている。図2
(a)に示すように、凸パターン間が離れている場合、凸
パターンの側面上で反射層のA1,A2方向の膜成長が重
ならないため、凸パターンの忠実な転写が可能になる。
一方、図2(b)に示すように、凸パターン間が近接する
と、反射層のA1方向の膜成長とA2方向の膜成長が凸パ
ターンの側面上で重なり、下地の凸パターンよりも緩や
かなテーパー形状を形成できる。ただし、図2(b)に示
す方法では、反射層は凸パターンを忠実に反映するわけ
ではないので、凸パターンから反射層の凹凸を推定する
必要がある。しかしながら、凸パターンが順テーパー形
状になっているため、反射層は凸パターンの頂点でオー
バーハングを形成せず、凸パターンの順テーパー角度を
反映して成長し、A1,A2方向の成長が重なる範囲で反
射層を構成する金属膜の体積保存がなされるだけなの
で、反射層の凹凸を解析的に解くことができる。つま
り、凹凸の推定が従来よりも著しく容易にできる。
【0041】加えて、凸パターンが周期的に配置される
と、反射光が干渉し、明るさの低下や視野角の減少を招
く。よって、凸パターンの配置ないし大きさ(線幅)は、
ランダムにするのが良い。
【0042】さらに、下部電極103aの側面は、垂直
形状であるのが素子面積の均一化から最も望まれるが、
下部電極103aの側面がオーバーハング形状となる
と、半導体層または絶縁膜104を介しての上部電極1
05aのステップカバレージの低下を招き、また、下部
電極103aの側面が垂直形状から順テーパー形状にな
る程、膜厚ダイオードの素子面積の均一化が難しくな
る。半導体層または絶縁層104の厚さ,側面形状によ
って、下部電極103aの許容される角度は異なり、一
概に設定できないが、0.2μm以下の膜厚の半導体層
または絶縁層104を想定し、上部電極105aをスパ
ッタ法で形成する場合、下部電極103aの側面はテー
パー角度80〜90°で十分なステップカバレージを達
成できるので、下部電極の側面の角度としては、80〜
90°にするのが良い。
【0043】図1の構造を実現する作製方法としては、
図3,図4または図5,図6がある。
【0044】図3,図4は、下部電極103aと複数の
離散した凸パターン構造103bのパターニング工程に
おいて、下部電極103a,凸パターン構造103bの
フォトリソグラフィーおよびエッチングを別々に行なう
方法である。すなわち、図3,図4を参照すると、先
ず、絶縁性基板101に下部電極層103を成膜する
(図3(a))。例えば、パイレックスガラス基板101
に、スパッタ法により、下層にAl1.0μm,上層に
Cr0.1μmの2層メタルからなる下部電極層103
を成膜する。
【0045】次いで、ポジレジストを用い、凸パターン
構造103bを形成するためのレジストパターン(凸パ
ターンのレジストパターン)121bと、下部電極10
3aを形成する領域に下部電極配線幅よりも線幅を十分
大きくした素子領域保護レジストパターン121aとを
形成する(図3(b))。次いで、CDE(ケミカルドライ
エッチング)により、下部電極層103を順テーパーエ
ッチングする(図3(c))。なお、素子領域保護レジスト
パターン121aで被覆された下部電極層もテーパーエ
ッチングされるが、素子領域保護レジストパターンの線
幅が下部電極線幅よりも十分に大きいので、後述のよう
に図4(e)でのエッチングによってのみ、下部電極10
3aの形状が決定される。
【0046】次いで、ポジレジストを用い、下部電極1
03aを形成するためのレジストパターン(下部電極の
レジストパターン)122aと凸パターン全面にわたっ
て凸パターン構造103bを被覆する凸パターン保護レ
ジストパターン122bを形成する(図3(d))。
【0047】そして、RIE(リアクティブイオンエッ
チング)によって、側面がほぼ垂直形状の下部電極10
3aを形成する(図4(e))。その際、凸パターン構造1
03bは、凸パターン保護レジストパターン122bで
被覆されているので、エッチングされず、図3(c)で得
られた凸パターン構造103bの形状が維持される。
【0048】次に、a−Si:O:Hからなるアモルフ
ァス半導体層104をSiH4/H2/CO2ガスを用い
たプラズマCVD法によって150nmの膜厚に成膜
し、素子領域以外をフッ酸/硝酸系のエッチング液によ
り除去する(図4(f))。
【0049】次いで、スパッタ法により上部電極層10
5を成膜する(図4(g))。すなわち、スパッタ法によ
り、下層にCr0.1μm,上層にAl1.0μmの2
層メタルからなる上部電極層105を成膜する。その
際、図3(c)で形成された凸パターン構造103bによ
って、反射層となる領域の上部電極層105(105b)
には自動的に凹凸が形成される。
【0050】その後、RIEによってほぼ垂直形状の上
部電極105aを形成し、ダイオードを完成させる。
【0051】次に、もう一方の絶縁性基板111に透明
電極112を形成し(例えば、可視光に対し透明なもう
一方のパイレックスガラス基板111に、ITO(イン
ジューム錫オキサイド,膜厚100nm)の透明電極1
12を形成し)、透明電極112および反射層105b
表面に配向膜を成膜し、さらに配向処理する。その後、
パイレックスガラス基板101,111の周辺にエポキ
シ接着剤を塗布し、粒径7μmのスペーサーによりギャ
ップ制御を行ないながら、両基板101,111を貼り
合わせ、液晶107を注入し、反射型液晶表示装置を完
成させる(図4(h))。
【0052】なお、液晶107としては、黒色色素を混
入したPCGH(相転移型のゲストホスト液晶)を採用す
ることができ、この場合には、偏光板が不要であるた
め、より明るい表示が得られる。また、図示しないが、
透明電極112の上層または下層にRGBからなるカラ
ーフィルターを形成すれば、反射型カラー液晶表示装置
が作製できる。
【0053】図3,図4の方法によれば、凸パターン構
造103bをCDEによってエッチングするため、凸パ
ターンのテーパー角を30〜60°程度に設定でき、拡
散成分の大きな反射層105bを容易に得ることができ
る。また、下部電極をRIEによってエッチングするた
め、容易にほぼ垂直形状の下部電極103aを得ること
ができる。
【0054】なお、図3(c)の工程においては、凸パタ
ーンのエッチングをCDEによって行なったが、Cr/
Al層を、各々、硝酸第2セリウム/過塩素酸系,リン
酸/硝酸/酢酸系のウエットエッチング液によってパタ
ーニングを行なっても、30〜60°付近の順テーパー
を持つ凸パターンを形成できるので、ウエットエッチン
グを採用しても構わない。また、下部電極のエッチング
においても、ほぼ垂直形状が得られれば、ECR(電子
サイクロトロン共鳴)エッチングやMERIE(有磁場リ
アクティブイオンエッチング)等を用いることもでき
る。つまり、本発明は、凸パターンや下部電極のエッチ
ング法を限定するものではなく、凸パターンをテーパー
エッチングし、下部電極をほぼ垂直エッチングするので
あれば、任意の方法を用いることができる。
【0055】ところで、図3,図4の作製方法では、下
部電極103aおよび凸パターン構造103bをそれぞ
れ別々にリソグラフィーエッチングするため、透過型液
晶表示装置と比較し、フォトリソグラフィー工程、エッ
チング工程が各々1回ずつ多くなり、透過型液晶表示装
置よりも製造コストが高くなってしまう(ただし、実装
後のコストを考えると、反射型液晶表示装置はバックラ
イトが不要なため、透過型液晶表示装置よりも安価にで
きる可能性が大きい)。
【0056】これに対し、図5,図6の作製方法は、下
部電極103aと複数の離散した凸パターン構造103
bのパターニング工程において、下部電極を転写するた
めのレジスト形状がほぼ垂直で、複数の離散した凸パタ
ーン転写するためのレジスト形状が順テーパー形状ある
いは半球形状であり、かつ下部電極および凸パターンの
エッチングを同時に行なうものである。すなわち、図
5,図6を参照すると、先ず、絶縁性基板101に下部
電極層103を成膜する(図5(a))。例えば、パイレッ
クスガラス基板101に、スパッタ法により、下層にA
l1.0μm,上層にCr0.1μmの2層メタルから
なる下部電極層103を成膜する。
【0057】次いで、ベンゾフェノン系ノボラック樹脂
のポジレジストを用い、下部電極を形成するためのレジ
ストパターン131a(下部電極のレジストパターン,
線幅5〜10μm)を形成する(図5(b))。なお、凸パ
ターン領域にはレジストを残さない。その後、波長25
0nm付近の紫外光を照射しながら、150〜200℃
の加熱を3分間行ない、レジストパターン131aのノ
ボラック樹脂成分を架橋,硬化させ、テトラメチルアン
モニウム水溶液系の現像液に不溶とする(以下、UV硬
化と称す)。UV硬化により、レジストパターン131
aは200〜250℃の耐熱性を持つようになり、かつ
線幅が10μm以下では、さらに、レジストパターン1
31aは形状を維持したまま硬化する。下部電極は通常
線幅2〜5μmで形成されるので、UV硬化によりほぼ
垂直形状でかつ200〜250℃の耐熱性を持つ下部電
極のレジストパターンが形成できる。
【0058】次に、ベンゾフェノン系ノボラック樹脂の
ポジレジストを用い、凸パターン構造103bを形成す
るためのレジストパターン(凸パターンのレジストパタ
ーン)131bを形成する(図5(c))。現像液は、テト
ラメチルアンモニウム水溶液系を用いるため、下部電極
103aのレジストパターン131aはUV硬化によ
り、現像液に不溶となり、凸パターンの現像によって変
形しない。
【0059】次に、130〜200℃(例えば150℃)
の加熱を20分間行ない、凸パターンのレジストパター
ン131bを熱収縮させる(図5(d))。その結果、凸パ
ターンのレジストパターン131bは順テーパー形状あ
るいは半球形状になる。一方、UV硬化した下部電極の
レジストパターンは150℃の加熱では熱収縮を起こさ
ないので、形状が維持される。その結果、下部電極を形
成するためのレジストパターン131aはほぼ垂直形状
で、凸パターンを形成するレジストパターン131bは
順テーパー形状を実現できる。
【0060】次に、RIEによって、下部電極103a
と離散した複数の凸パターン103bとを同時にエッチ
ングして形成する。すなわち、下部電極103aおよび
凸パターン103bを形成する(図6(e))。下部電極1
03aのレジストパターン131aは、ほぼ垂直形状に
なっているため、ほぼ垂直の側面を持つ下部電極103
aを形成できる。一方、凸パターンはレジスト形状が順
テーパーになっているため、エッチング中にレジストパ
ターン131bが後退し、順テーパー形状の凸パターン
構造103bを得ることができる。
【0061】次に、a−Si:O:Hからなるアモルフ
ァス半導体層104を形成する(図6(f))。すなわち、
a−Si:O:Hからなるアモルファス半導体層をSi
4/H2/CO2ガスを用いたプラズマCVD法によっ
て0.15μmの厚さに成膜し、素子領域以外をフッ酸
/硝酸系のエッチング液により除去する。
【0062】次いで、スパッタ法により上部電極層10
5を成膜する(図6(g))。すなわち、スパッタ法によ
り、下層にCr0.1μm,上層にAl1μmの2層メ
タルからなる上部電極層105を成膜する。
【0063】なお、図6(e)で形成された凸パターン構
造103bによって、反射層105bとなる領域の上部
電極層105に自動的に凹凸が形成される。その後、R
IEによってほぼ垂直形状の上部電極105aを形成
し、ダイオードを完成させる。
【0064】次に、もう一方の絶縁性基板111に透明
電極112を形成し、透明電極112および反射層10
5bの表面に配向膜を成膜し、さらに配向処理する。す
なわち、可視光に対し透明なパイレックスガラス基板
(絶縁性基板)111に、ITO(インジューム錫オキサ
イド,膜厚100nm)の透明電極112を形成し、透
明電極112および反射層105bの表面に配向膜を成
膜し、さらに配向処理する。その後、パイレックスガラ
ス基板101,111の周辺にエポキシ接着剤を塗布
し、粒径7μmのスペーサーによりギャップ制御を行な
いながら、両基板101,111を貼り合わせ、液晶1
07を注入し、反射型液晶表示装置を完成させる(図6
(h))。
【0065】なお、液晶107としては、黒色色素を混
入したPCGH(相転移型のゲストホスト液晶)を採用す
ることができ、この場合には、偏光板が不要であるた
め、より明るい表示が得られる。また、図示しないが、
透明電極112の上層または下層にRGBからなるカラ
ーフィルターを形成すれば、反射型カラー液晶表示装置
が作製できる。
【0066】図5,図6の方法によれば、下部電極を形
成するためのレジストパターンをほぼ垂直形状のものに
し、凸パターンを形成するためのレジストパターンを順
テーパー形状のものにできる。そのため、1度の垂直エ
ッチングにより、ほぼ垂直形状の下部電極103aと順
テーパー形状の凸パターン構造103bとを同時に形成
でき、図3,図4よりも簡単なプロセスで図1の構造を
実現できる。
【0067】なお、UV硬化は、加熱温度,加熱時間を
制御することによって、凸パターンのレジストパターン
の熱収縮量を変化させ、凸パターンのレジストパターン
を比較的急峻な順テーパー形状から半球形状まで変える
ことができる。よって、エッチング後では凸パターンの
形状を広い範囲で制御でき、目的とする反射特性をより
得られやすくなる。また、凸パターンのレジストパター
ンの変形を加熱によって行なうため、プロセスの制御性
が良い。
【0068】また、凸パターンはその大きさ(線幅)が1
μm以下の場合、熱収縮によるレジストパターンの変形
は小さく、テーパー形状の凸パターンを作ることが困難
になる。一方、凸パターンの線幅が非常に大きい場合、
大きなテーパーを作ることができるが、凸パターンの上
面が非常に広くなり、反射光の拡散成分を逆に少なくし
てしまう。よって、凸パターンの大きさ(線幅)は5〜3
0μm程度が良い。
【0069】また、図7,図8は図1の液晶表示装置の
他の作製工程例を示す図である。図7,図8の例は、凸
パターン間距離を比較的小さくすることによって、反射
層に凸パターンよりも緩やかな角度の凹凸を形成するも
のである。
【0070】図7,図8を参照すると、先ず、パイレッ
クスガラス基板101上に、スパッタ法により、下層に
Al1.0μm,上層にCr0.1μmの2層メタルか
らなる下部電極層103を成膜する(図7(a))。次に、
ポジレジストを用い、凸パターン構造103bを形成す
るためのレジストパターン(凸パターンのレジストパタ
ーン)121bと、下部電極を形成する領域に下部電極
配線幅よりも線幅を十分大きくした素子領域保護レジス
トパターン121aを形成する(図7(b))。なお、この
際、凸パターン間の距離を1.5μm以下とした。
【0071】次いで、CDE(ケミカルドライエッチン
グ)により、下部電極層103を順テーパーエッチング
し、凸パターンの角度を40°付近に設定する(図7
(c))。なお、素子領域保護レジストパターン121a
で被覆された下部電極層もテーパーエッチングされる
が、素子領域保護レジストパターンの線幅が下部電極配
線幅よりも十分に大きいので、後述のように図8(e)で
のエッチングによってのみ、下部電極103aの形状が
決定される。
【0072】次に、ポジレジストを用い、下部電極10
3aを形成するためのレジストパターン(下部電極のレ
ジストパターン)122aと凸パターン全面にわたって
凸パターン構造103bを被覆する凸パターン保護レジ
ストパターン122bを形成する(図7(d))。
【0073】次いで、RIE(リアクティブイオンエッ
チング)によって、側面がほぼ垂直形状の下部電極10
3aを形成する(図8(e))。その際、凸パターン構造1
03bは、凸パターン保護レジストパターン122bで
被覆されているので、エッチングされず、図7(c)で得
られた凸パターン構造103bの形状が維持される。
【0074】次いで、a−Si:O:Hからなるアモル
ファス半導体層104をSiH4/H2/CO2ガスを用
いたプラズマCVD法によって150nmの厚さに成膜
し、素子領域以外をフッ酸/硝酸系のエッチング液によ
り除去する(図8(f))。
【0075】次いで、スパッタ法により、下層にCr
0.1μm,上層にAl1.0μmの2層メタルからな
る上部電極層105を成膜する。その際、図7(c)で形
成された凸パターン構造103bによって、反射層とな
る領域の上部電極層105(105b)には自動的に凹凸
が形成される。なお、凸パターン間距離が小さいため、
反射層の成膜により凸パターンよりも緩やかな角度(1
0〜30°)の凹凸を持つ反射層105bが得られる。
【0076】次に、RIEによって、ほぼ垂直形状の上
部電極105aを形成し、ダイオードを完成させる。
【0077】次いで、可視光に対し透明なもう一方のパ
イレックスガラス基板(絶縁性基板)111に、ITO
(膜厚100nm)の透明電極112を形成し、透明電極
112および反射層105bの表面に配向膜を成膜し、
さらに配向処理する。その後、パイレックスガラス基板
101,111の周辺にエポキシ樹脂からなる接着剤を
塗布し、粒径7μmのスペーサーによりギャップ制御を
行ないながら、両基板101,111を貼り合わせ、液
晶107を注入し、反射型液晶表示装置を完成させる
(図8(h))。
【0078】図7,図8の作製方法によれば、凸パター
ンの順テーパー角度よりも穏やかな角度の凹凸の反射層
を持つ反射型液晶表示装置を容易に作製できる。
【0079】図9は本発明に係る反射型液晶表示装置の
他の構成例を示す図である。図9の液晶表示装置は、半
導体層または絶縁層104が、複数の離散した凸パター
ン103b上にも形成され、かつ前記半導体層または絶
縁層104は、膜厚が0.2μm以下となっている。そ
して、反射層105bは、薄い半導体層または絶縁層1
04を介し凸パターン構造103bを反映した凹凸を有
している。
【0080】図9の構成では、図1の構成における効果
の他に、半導体層または絶縁層104が絶縁性基板全面
に形成されていても、凸パターンを、半導体層または絶
縁層104を介して反射層105bに忠実に転写できる
ため、半導体層または絶縁層104をパターニングする
ためのフォトリソグラフィ−およびエッチング工程を省
くことができる。よって、さらに単純なプロセスでかつ
安価に液晶表示装置を得ることができる。
【0081】なお、図9の構成の場合、反射層105b
の凹凸は凸パターンの形状を半導体層または絶縁層10
4を介して転写する構造となるため、半導体層または絶
縁層104の膜厚が重要となる。CVD法やスパッタ法
で、半導体層または絶縁層104が成膜される場合、半
導体層または絶縁層104の膜厚が薄くなるにつれ、反
射層105bへの凸パターンの忠実な転写が可能となる
が、薄膜ダイオードが絶縁耐圧不良を起こしやすくな
る。一般的に、薄膜ダイオードに用いられる半導体層ま
たは絶縁層104としてのアモルファスシリコンやSi
2,Ta25等では、0.07〜0.2μmの膜厚で
十分な絶縁耐圧特性を持つことにより、半導体層または
絶縁層104としては0.2μm以下にするのが良い。
【0082】図10,図11は図9の構造の作製方法例
を示す図である。なお、図10,図11の工程例は、凸
パターン構造103bと反射層105bとの間に膜厚
0.2μm以下の半導体層104が挿入された構造の反
射型液晶表示装置の作製工程例である。
【0083】図10,図11の作製工程では、パイレッ
クスガラス基板101に、スパッタ法により、下層にA
l1.0μm,上層にCr0.1μmの2層メタルから
なる下部電極層103を成膜する(図10(a))。次に、
ベンゾフェノン系ノボラック樹脂のポジレジストを用
い、下部電極を形成するためのレジストパターン(下部
電極のレジストパターン)131aを形成する。なお、
凸パターン領域にはレジストを残さない。その後、波長
250nm付近の紫外光を照射しながら200℃の加熱
を3分間行ない、レジストパターン131aのノボラッ
ク樹脂成分を架橋・硬化させ、テトラメチルアンモニウ
ム水溶液系の現像液に不溶にする。その結果、ほぼ垂直
形状でかつ200〜250℃の耐熱性を持つ下部電極の
レジストパターンが形成できる。
【0084】次いで、ベンゾフェノン系ノボラック樹脂
のポジレジストを用い、凸パターンを形成するためのレ
ジストパターン(凸パターンのレジストパターン)131
bを形成する(図10(c))。現像液はテトラメチルアン
モニウム水溶液系を用いるため、下部電極のレジストパ
ターンはUV硬化により現像液に不溶となり、凸パター
ンの現像によって変形しない。
【0085】次に、例えば150℃の加熱を20分間行
ない、凸パターンのレジストパターン131bを熱収縮
させる(図10(d))。その結果、凸パターンのレジスト
パターン131bは順テーパー形状になる。一方、UV
硬化した下部電極のレジストパターンは150℃の加熱
では熱収縮を起こさないので、形状が維持される。その
結果、下部電極を形成するためのレジストパターン13
1aはほぼ垂直形状で、凸パターンを形成するレジスト
パターン131bは順テーパー形状を実現できる。
【0086】次いで、RIEによって、下部電極103
aと凸パターン103bを形成する(図11(e))。下部
電極103aのレジストパターン131aはほぼ垂直形
状になっているため、ほぼ垂直の側面を持つ下部電極1
03aを形成できる。一方、凸パターンのレジストパタ
ーンは順テーパー形状になっているため、エッチング中
にレジストパターン131bが後退し、順テーパー形状
の凸パターン構造103bを得ることができる。
【0087】次に、a−Si:O:Hからなるアモルフ
ァス半導体層104をSiH4/H2/CO2ガスを用い
たプラズマCVD法によって0.15μmの厚さに成膜
する(図11(f))。なお、走査線のパッド部はステンレ
スマスクで遮蔽し、成膜されないようにしておく。この
方法によって、半導体層のフォトリソグラフィーおよび
エッチングが不要になる。
【0088】次いで、スパッタ法により、下層にCr
0.1μm,上層にAl1.0μmの2層メタルからな
る上部電極層105を成膜する(図11(g))。なお、図
11(e)で形成された凸パターン構造103bによっ
て、反射層105bとなる領域の上部電極層105に自
動的に凹凸が形成される。
【0089】次に、RIEによって、ほぼ垂直形状の上
部電極105aを形成し、ダイオードを完成させる。
【0090】次いで、可視光に対し透明なもう一方のパ
イレックスガラス基板(絶縁性基板)111に、ITO
(インジューム錫オキサイド,膜厚100nm)の透明電
極112を形成し、透明電極112および反射層105
b表面に配向膜を成膜し、さらに配向処理する。その
後、パイレックスガラス基板(絶縁性基板)101,11
1の周辺にエポキシ樹脂からなる接着剤を塗布し、粒径
7μmのスペーサーによりギャップ制御を行ないなが
ら、両基板101,111を貼り合わせ、液晶107を
注入し、反射型液晶表示装置を完成させる(図11
(h))。なお、液晶107としては、黒色色素を混入し
たPCGH(相転移型のゲストホスト液晶)を採用した。
【0091】図10,図11の作製方法によれば、図
5,図6の作製方法と同様に、図3,図4の作製方法よ
りも簡単なプロセスで、凸パターン構造103bと反射
層105bとの間に膜厚0.2μm以下の半導体層10
4が挿入された構造の反射型液晶表示装置を実現でき
る。
【0092】上記の各作製工程例(すなわち、図3,図
4の工程例,図5,図6の工程例,図10,図11の工
程例)によって作製された反射型液晶表示装置は、全て
明るい表示で、コントラストが高く、良好な表示が得ら
れた。なお、図3,図4の工程例,図5,図6の工程
例,図10,図11の工程例では、a−Si:O:Hか
らなる半導体層104を用いて薄膜ダイオードを構成し
たが、半導体層または絶縁膜104としては、アクティ
ブマトリックス駆動で一般的に用いられるa−Si:
N:H,pip型,npn型 a−Si:H等の半導体
層やTa25,SiC,ダイヤモンドライクカーボン等
の絶縁膜を用いることもできる。また、下部電極103
a,上部電極105aをCrとAlの2層構成とした
が、これのかわりに、例えば、Ni,Mo,Ta等の単
層金属または合金や積層金属を用いることもできる。た
だし、上部電極105aは、反射層105bを兼ねるた
め、反射率を考慮し、Al,Al合金,Agを最上層に
用いる必要がある。
【0093】また、図3,図4の工程例,図5,図6の
工程例,図10,図11の工程例では、基板101,1
11にパイレックスガラスを使用したが、石英基板やP
C(ポリカーボネイト),PES(ポリエーテルサルホ
ン),PI(ポリイミド),PET(ポリエチレンテレフタ
レート)等のプラスチックからなる絶縁性基板を用いる
こともできる。ただし、透明電極112が設けられる絶
縁性基板111は、可視光(波長約400〜700nm)
を透過する必要があるので、可視光に対し透明でなけれ
ばならない。
【0094】さらに、図3,図4の工程例,図5,図6
の工程例,図10,図11の工程例では、液晶107に
は、偏光板の不要なPCGHを採用したが、1枚偏光板
のTN(ツイステッドネマチック)やλ/4波長板とGH
の組み合わせ、高分子分散型液晶等の反射型液晶表示装
置に一般的に用いられるものであれば、任意のものを用
いることができる。また、必要に応じて配向処理を省い
たり、新たな光学部材が取り付けられても良い。なお、
図4,図6,図8,図11では、配向膜,スペーサ等は
省略されている。
【0095】しかしながら、上述した種々の作製工程
例,例えば、図5,図6の作製方法では、透過型液晶表
示装置よりもUV硬化,フォトリソグラフィーが1回ず
つ追加されるため、透過型液晶表示装置並の製造コスト
を実現することはできない。
【0096】本発明は、さらに、より容易にかつ簡単な
プロセスにより、反射層の下地の凹凸を制御し、上部電
極のスパッタにより自動的に反射層に拡散成分が多くな
る比較的なだらかな順テーパーの凹凸を反射層に安価に
作り込むことができる反射型液晶表示装置の製造方法を
提供することを意図している。
【0097】図12,図13は本発明に係る反射型液晶
表示装置の他の製造工程例を示す図である。図12,図
13を参照すると、この反射型液晶表示装置の製造工程
は、図12(a)に示すように、パイレックスガラス,石
英ガラスまたはPES(ポリエーテルサルホン),PC
(ポリカーボネート)等の絶縁性基板1上に下部電極層3
を成膜する。下部電極層3としては、Cr,Mo,T
a,Al等の単層または積層金属をスパッタ法により成
膜するのが良い。次いで、図12(b)に示すように、下
部電極層3上にベンゾフェノン系ノボラック樹脂からな
るポジレジスト21をスピンナー法またはロールコータ
ー法で塗布する。次いで、図12(c)に示すように、下
部電極3a,凸パターン構造3bに相当する遮光部26
a,26bを持つ石英基板からなるレチクル25を用
い、下部電極3aおよび凸パターン構造のレジストパタ
ーンを以下に述べるような条件を満たしながら投影露光
装置を用いて露光する。なお、遮光部26a,26b
は、Cr,Mo等の金属や、CrOx,CrOxy,M
oSix等の合金をスパッタ法にょり成膜するのが良
い。
【0098】ここで、レチクル25上に設けられる遮光
部26a,26bは、次の構成となっている。すなわ
ち、下部電極3aに相当する遮光部26aは、ポジレジ
ストの露光波長の光を完全に遮光するものである。ま
た、凸パターン構造3bに相当する遮光部26bは、凸
パターン構造3bの頭頂部に相当しポジレジストの露光
波長の光を完全に遮光する領域26b−1と、この領域
26b−1に隣接して設けられている所定の透過率を有
する遮光領域26b−2とを有している。このような遮
光部26a,26bを設けることで、下部電極3aと凸
パターン構造3bの頭頂部とを形成するためのレジスト
領域には、露光光が照射されないようにすることができ
る。
【0099】すなわち、第1の条件は、下部電極3aに
相当する遮光部26aと、凸パターン構造3bの頭頂部
に相当する遮光部26bの遮光領域26b−1は、ポジ
レジストの露光波長の光を完全に遮光するものであるこ
とである。
【0100】ベンゾフェノン系ノボラック樹脂からなる
ポジレジスト21は、露光後現像を行なうとレジストの
膜減りが生じる。図14には、露光の光強度と現像後の
レジストの膜減りとの関係が示されている。露光を行な
わない場合でも、現像を行なうことによって、ポジレジ
ストは約5%程度の膜減りを生じ、露光強度がある光強
度E0を超えると現像後のレジストの膜減りが増加し、
Eth以上の光強度ではポジレジストは現像によって完
全に除去される。当然、E0,Ethとも、レジスト膜
厚,現像液濃度,現像時間,現像液温度等の影響を受け
るため、一定の値ではないが、同一条件では固有な値を
示す。E0は、前記ポジレジストが露光後の現像によ
り、露光によるレジストの膜厚減少を起こす露光波長で
の最小の光強度、Ethは、前記ポジレジストが露光後
の現像により、完全に除去される露光波長での最小の光
強度である。本発明において、前述の露光波長の光を完
全に遮光するとは、露光後の現像により、露光を行なわ
ない場合のレジストの膜減りと同程度である場合を指し
ており、露光波長で透過率0%の状態は当然であるが、
E0未満の光強度の光が透過する場合も、前述の露光波
長の光を完全に遮光するものに含まれるとする。
【0101】また、第2の条件は、レチクル25上に、
凸パターン構造3bの側面部に相当する遮光部26bの
遮光領域26b−2が設けられていることにある。この
遮光領域26b−2は、前記ポジレジストの露光波長の
光に対し光強度を弱めながら透過する領域であるため、
凸パターン構造3bの側面部を形成するためのレジスト
領域には光強度が弱められた露光光が照射される。所定
の透過率を有する遮光領域26b−2を通過した露光光
の光強度をIとすると、Iは、E0<I<Ethを満た
す。
【0102】ここで、Iは所定の透過率を有する遮光領
域26b−2を通過した露光光の光強度(つまり露光光
の光強度)であり、E0は前記ポジレジストが露光後の
現像により、露光によるレジストの膜厚減少を起こす露
光波長での最小の光強度であり、また、Ethは、前記
ポジレジストが露光後の現像により、完全に除去される
露光波長での最小の光強度であることである。
【0103】また、凸パターン構造3bの側面部の寸法
が比較的大きい場合、例えば、前記のポジレジストが解
像できる最小寸法の3倍以上ある場合には、第3の条件
が付加される。この第3の条件は、所定の透過率を有す
る遮光領域26b−2を通過した露光光の光強度は、均
一ではなく、頭頂部側に向かうに従って、より小さな光
強度の露光光が照射されることである。
【0104】以上の条件を同時に満たすことによって、
凸パターン構造3bの側面部に相当するレジスト領域で
図15に示すような露光の光プロファイルが得られる。
例えば、凸パターン構造3bに相当する遮光部26b
が、凸パターン構造3bの頭頂部に相当する遮光部(遮
光領域26b−1)と、凸パターン構造3bの側面部に
3つの遮光部(頭頂部側から遮光領域26b−2(B
3),26b−2(B2),26b−2(B1))とにより構
成されているとする。26b−2(B1),26b−2
(B2),26b−2(B3)の露光波長の光に対する透過
率を、各々T1,T2,T3とすると、T1>T2>T
3となっており、遮光領域26b−1は露光波長の光を
透過しない。
【0105】以上の構成にすると、凸パターン構造3b
の側面に相当する遮光部26b−2は、頭頂部に向けて
除々に透過率が低下する階段状の透過率プロファイルを
示す。このような遮光部26b(26b−1,26b−
2)に光が照射されると、26b−2(B1),26b−
2(B2),26b−2(B3)を通過した光は各々最大光
強度が異なり、かつ頭頂部側に向けて光強度が低下する
光強度プロファイルを示す。
【0106】凸パターン構造3bの側面部を形成するた
めのレジスト領域の露光光は、前述の3つの光が合成さ
れたものとなるので、頭頂部に向け、26b−2(B
1),26b−2(B2),26b−2(B3)を通過した
光よりも、さらに、なだらかに光強度が低下する光プロ
ファイルとなる。
【0107】なお、26b−2(B1),26b−2(B
2),26b−2(B3)を通過した露光波長の光の強度
をI1,I2,I3とすると、E0<I1<I2<I3
<Ethとなっているため、26b−2(B1),26b
−2(B2),26b−2(B3)を通過した露光光が照射
されるレジスト領域,つまり下部電極の側面を形成する
レジスト領域は、現像後にレジストの膜減りが生じる
が、レジストが全層にわたって除去されることはない。
一方、凸パターン構造3bの頭頂部を形成するためのレ
ジスト領域には、遮光領域26b−1によって遮光され
るため、露光光が照射されない。
【0108】なお、凸パターン構造3bに相当する遮光
部26bは、下部電極3aに相当する遮光部26aと接
続されず、かつ離散して配置することによって、現像後
に、下部電極3aと同一の層からなるが、下部電極3a
と接続されず、かつ離散した凸パターン構造3bを形成
するためのレジストパターンを作製できる。
【0109】次に、図12(d)に示すように、以上のよ
うな露光光が照射されたポジレジストをTMAH(テト
ラメチルアンモニウム)水溶液で現像すると、露光光の
光プロファイルを反映したレジスト形状、つまり、側面
が順テーパー形状の凸パターン型のレジストパターンが
得られる。また、下部電極3aを形成するレジスト領域
は、下部電極3aに相当する遮光部26aにより露光光
が照射されないため、現像後で露光によるレジストの膜
減りが発生せず、比較的垂直な側面形状を持つ下部電極
レジストパターンが得られる。よって、側面が順テーパ
ー形状の凸パターンレジストパターン21bと、比較的
垂直な側面形状を持つ下部電極レジストパターン21a
を同時に現像できる。
【0110】次いで、図13(e)に示すように、側面が
順テーパー形状の凸パターンレジストパターン21b
と、比較的垂直な側面形状を持つ下部電極レジストパタ
ーン21aをマスクにして、異方性の大きなドライエッ
チング方式、例えばRIE(リアクティブイオンエッチ
ング),MERIE(有磁場リアクティブイオンエッチン
グ),ECR(電子サイクロトロン共鳴)エッチング等で
同時に下部電極層をエッチングすると、比較的垂直な側
面を持つ下部電極レジストパターン21aによって、下
部電極3aはほぼ垂直な側面形状にエッチングされ、か
つ順テーパー形状の側面を持つ凸パターンレジストパタ
ーン21bは、エッチング中にレジスト端が後退し、順
テーパー形状の凸パターンが形成される。よって、側面
がほぼ垂直形状の下部電極3aとともに、下部電極3a
と同一の層からなり、下部電極3aと接続されず、かつ
側面が順テーパー形状の複数の離散した凸パターン構造
3bを1度のエッチングによって作製することができ
る。
【0111】次いで、図13(f)に示すように、その
後、半導体層4を形成し、必要に応じて薄膜ダイオード
領域以外をウエットエッチングまたはドライエッチング
によりエッチングする。半導体層4としては、a−S
i:O:H(アモルファス水素化酸化シリコン),a−S
i:N:H(アモルファス水素化窒化シリコン)等をプラ
ズマCVD法,スパッタ法により成膜するが良い。な
お、上述の例では、薄膜ダイオードとして半導体層を用
いたが、下部電極3aがTaの場合、下部電極3aを陽
極酸化したTa25からなる絶縁層を半導体層4のかわ
りに採用しても良い。
【0112】次いで、図13(g)に示すように、その
後、Al,Ag等の単層または積層金属から上部電極層
5をスパッタ法により成膜する。その際、図13(e)で
形成された凸パターンによって、反射層5bとなる領域
の上部電極層5に自動的に凹凸が形成される。その後、
ドライエッチングまたはウエットエッチングによって、
上部電極5aを形成する。これにより、側面がほぼ垂直
形状の下部電極3aとともに、下部電極3aと同一の層
からなり、下部電極3aと接続されず、かつ側面が順テ
ーパー形状の複数の離散した凸パターン構造3bが形成
され、その上方に半導体層あるいは絶縁層4が形成さ
れ、さらに、その上方に、前記の複数の離散した凸パタ
ーン構造3bを反映した凹凸を有する反射層5bと上部
電極5aとが同一層として形成された薄膜ダイオードを
完成させることができる。
【0113】次いで、図13(h)に示すように、もう一
方の可視光に対し透明な絶縁性基板11、例えば、パイ
レックスガラス,石英ガラスまたはPES(ポリエーテ
ルサルホン),PC(ポリカーボネート)等の絶縁性基板
11上に、ITO(インジューム錫オキサイド)からなる
透明電極層を成膜し、ウエットエッチングにより透明電
極12を形成し、その後、透明電極12および反射層5
bの表面にポリイミドを成膜し、さらに配向処理する。
その後、絶縁性基板1,11の周辺にエポキシ樹脂から
なる接着剤を塗布し、スペーサーによりギャップ制御を
行ないながら、両基板1,11を貼り合わせ、液晶7を
注入し、反射型液晶表示装置を完成させる。なお、液晶
としては、偏光板を用いる表示方式の場合は、ネマティ
ック液晶,ゲストホスト液晶が用いられ、偏光板を用い
ない表示方式の場合はPCGH液晶や高分子分散型液晶
等が用いられる。
【0114】その後、偏光板を用いる表示方式の場合
は、可視光に対し透明な絶縁性基板11上の液晶注入面
とは反対の側に偏光板を貼り付ける。
【0115】図15の例では、凸パターンの側面部に相
当する遮光部26b−2が3分割(頭頂部側から遮光領
域B3,B2,B1)されているが、凸パターンの側面
部に相当する遮光部26b−2としては、光強度を弱め
る領域が少なくとも1つあれば、本発明に含まれるもの
とする。なお、凸パターンの側面部に相当する遮光部2
6b−2の分割数(透過率が異なる領域の数)は、凸パタ
ーンの側面部の幅で決定するのが良い。一般に、g線
(438nm),i線(365nm)の波長の投影露光装置
で前記のポジレジストを露光した場合の最小分解能は、
1〜4μm程度である。よって、凸パターンの側面部の
幅を1〜4μmで割った数にするのが良い。
【0116】例えば、凸パターンの側面部の幅が1μm
以下の場合は、凸パターンの側面部に相当する遮光部2
6b−2が各々異なる透過率を有する複数の遮光領域で
構成された場合も、透過率の均一な1層の遮光領域で構
成された場合も、凸パターンの側面を形成するレジスト
領域には階段状にならない光プロファイルを持つ露光光
が照射されるため、比較的なだらかな順テーパーを持つ
凸パターンレジストパターンを形成できる。よって、凸
パターンの側面部の幅が1〜4μm以下の場合は、凸パ
ターンの側面部に相当する遮光部26b−2が透過率の
均一な1層の遮光領域で構成されていても良い。
【0117】また、凸パターンの側面部の幅が5μm以
上の場合は、凸パターンの側面部の幅を1〜4μmで割
った数に分割することによって、凸パターンの側面を形
成するレジスト領域に階段状にならない光プロファイル
を与えることができ、比較的なだらかな順テーパーを持
つ凸パターンレジストパターンを形成できる。
【0118】なお、遮光部26b−2の分割数が大きい
ほど、凸パターンの側面が滑らかな順テーパー形状にな
るので、より望ましい。しかし、分割数が少なく、例え
ば、凸パターンの側面部の幅が5μmで分割無しの場
合、凸パターンの側面は階段状になるが、階段部の頂点
の角は取れており、反射層として不十分であるが機能す
るので、所望の反射型液晶表示装置の明るさ,コントラ
ストの仕様値によっては、実用的な場合がある。従っ
て、この場合も本発明に含まれるものとする。
【0119】また、図15では、凸パターンの側面部に
相当する遮光部26b−2が3分割されているが、遮光
部26b−2としては、頭頂部へ向けて除々に透過率が
小さくなる遮光領域で形成されていても良い。また、凸
パターンの側面に相当する遮光部26b−2を各々異な
る透過率を有する複数の遮光領域から構成する場合、各
々の遮光領域の透過率は、現像後のレジスト残膜が各々
の領域で分割数に合わせて均等に残るように設定するの
が、凸パターンの側面をより滑らかな順テーパー形状に
するために望ましい。例えば、3分割する場合は、頭頂
部側からB3の透過率T3は、レジストが現像によって
ほぼ75%残るように設定し、B2の透過率T2は、レ
ジストが現像によって50%残るように設定し、B1の
透過率T1は、レジストが現像によってほぼ25%残る
ように設定するのが良い。
【0120】なお、本発明の作製方法によれば、図1で
示された高温プロセス(高温処理によるレジストの熱変
形)が必要でないため、耐熱性の乏しいプラスチック基
板へも応用することができる。
【0121】このように、側面がほぼ垂直形状の下部電
極3aと、下部電極3aと同一の層からなり、下部電極
3aと接続されず、かつ側面が順テーパー形状の複数の
離散した凸パターン構造3bを形成することができる。
【0122】次に、本発明の作製方法において用いられ
る下部電極および凸パターンに相当する遮光部を持つレ
チクルの構成例を説明する。
【0123】図16にはレチクルの第1の構成例を平面
図で示す。図16(a)は、レチクルに設けられている遮
光部を示す図である。図16(a)を参照すると、レチク
ル25上には、下部電極および引き出し配線に相当する
遮光部26aと、凸パターンに相当する遮光部26bと
が設けられている。凸パターンに相当する遮光部26b
は、凸パターンの頭頂部に相当する遮光領域(遮光領域
26b−1)と、凸パターンの側面部に相当する遮光部
(所定の透過率を有する遮光領域26b−2)とにより構
成されており、遮光領域26b−1は前記ポジレジスト
の露光波長の光を完全に遮光する。一方、所定の透過率
を有する遮光領域26b−2は、前記ポジレジストの露
光波長の光に対し光強度を弱めながら透過する領域であ
る。
【0124】図16(b)には凸パターンに相当する遮光
部26bの拡大図が示されている。図16(b)を参照す
ると、凸パターンに相当する遮光部26b、凸パターン
の頭頂部に相当する遮光領域(遮光領域26b−1)と凸
パターンの側面部の2つの遮光領域(頭頂部側から遮光
領域26b−2(B1),26b−2(B2))とにより構
成されている。26b−2(B1),26b−2(B2)の
露光波長の光に対する透過率を各々T1,T2とする
と、図16(c)に示すように、T1,T2は領域内で均
一であり、かつT1>T2となっており、また、遮光領
域26b−1は露光波長の光を透過しない。なお、図1
6(b),(c)において、Xは凸パターンに相当する遮光
部26bの左端からの距離である。
【0125】図16の例のレチクル25は、次のような
工程によって作成できる。すなわち、先ず、石英上に露
光波長の光を完全に遮光するのに十分な厚さの第1のM
o膜を成膜し、ネガレジスト塗布後、電子線描画装置を
用いてネガレジストパターンを作製し、ウエットエッチ
ングにより第1のMo膜に、下部電極および引き出し配
線に相当する遮光部26aと、凸パターンの頭頂部に相
当する遮光領域26b−1とを形成する(第1の工程)。
しかる後、露光波長の光を完全に遮光しない厚さのCr
膜(露光波長の光に対する透過率T2)を成膜し、ネガレ
ジスト塗布後、電子線描画装置を用いてネガレジストパ
ターンを作製し、ウエットエッチングによりCr膜に
は、下部電極および引き出し配線に相当する遮光部26
aと、凸パターンの頭頂部に相当する遮光領域26b−
1と、凸パターンの側面部に相当する遮光領域26b−
2のうちB2を形成する(第2の工程)。その後、露光波
長の光を完全に遮光しない厚さの第2のMo膜(露光波
長の光に対する透過率T1でT1>T2)を成膜し、ネ
ガレジスト塗布後、電子線描画装置を用いてネガレジス
トパターンを作製し、ウエットエッチングにより第2の
Mo膜には凸パターンの側面部に相当する遮光領域26
b−2のうちB1を形成する(第3の工程)。これによっ
て、レチクルを作製することができる。このとき、前記
のCr膜のうち、下部電極および引き出し配線に相当す
る遮光部26a(つまり第1のMo膜上)にあるCr膜
は、第1のMo膜に対して、上記第3の工程でのウエッ
トエッチングでのマスクとなるため、第1のMo膜はエ
ッチングされない。また、第1のMo膜は、第2の工程
でのCrウエットエッチングではエッチングされず、C
r膜は第3の工程でのMoウエットエッチングではエッ
チングされないため、各々、第1,第2の工程で形成さ
れた形状を維持する。
【0126】以上の方法によって、本発明の反射型液晶
表示装置の作製方法に使用できる図16のレチクルを作
製できる。すなわち、下部電極と凸パターンの頭頂部に
相当する領域は、Cr膜/第1のMo膜の2層構成とな
っているが、第1のMo膜が露光波長の光を遮光する作
用を持っており、領域26b−2(B2)は、露光波長の
光を完全には遮光しないCr膜(透過率T2)が機能を分
担し、領域26b−2(B1)は、露光波長の光を完全に
は遮光しない第2のMo膜(透過率T1)が機能を分担し
ている。なお、凸パターンの側面部の寸法が1〜4μm
以下の場合、第2のMo膜を形成しなくても、このレチ
クルを本発明の反射型液晶表示装置の作製方法に十分使
用できる。
【0127】図17(a)にはレチクルの第2の構成例を
平面図で示す。なお、図17(a)には凸パターンに相当
する遮光部26bの部分だけが示されており、下部電極
に相当する遮光部は示されていないが、この第2の構成
例においても、レチクル上には下部電極に相当する遮光
部もあるものとする。
【0128】図17(a)を参照すると、凸パターンに相
当する遮光部26bは、凸パターンの頭頂部に相当する
遮光部26b−1(位相差を利用して遮光した領域)と、
凸パターンの側面部に相当する各々露光波長の光に対し
て透過率の異なる2つの遮光領域26b−2(位相シフ
ター1,位相シフター2)とにより構成されている。ま
た、位相シフター1,2は、位相シフターを通過した露
光光の位相がパターンのない領域を通過した露光光の位
相とほぼ180度異なるように設定されている。上記の
位相シフター1,2はスパッタ法によりCrOx,Cr
xy,MoSix等の合成膜を成膜することによって
得られる。これらの膜は組成を変えることによって、屈
折率n,消衰係数kを変更できる。そのため、第1の構
成例で用いたCr膜や第2のMo膜と異なり、ごく薄い
層でなくても希望の透過率を得ることができる。よっ
て、希望の透過率を持つ位相シフター1,2を成膜する
際の成膜マージン、特に膜厚時間マージンを大きく取る
ことができ、大面積にわたり均一な凸パターンの側面部
に相当する遮光部26b−2を得ることができる。な
お、位相シフター1,2の境界で滑らかな光プロファイ
ルを得るためには、位相シフター1,2を通過する露光
光の位相は、ほぼ同じになるように位相シフターの屈折
率n,消衰係数k,膜厚を設定する必要がある。また位
相シフターとパターンのない領域の間では、位相シフタ
ーを通過した光とパターンのない領域を通過した光の位
相が180度異なるため、急峻に位相が反転すると露光
光に暗部(光強度の著しい低下)が生じる。露光光の暗部
の発生を抑制するため、位相シフターとパターンのない
領域の間に位相を徐々に変化させるための位相補償層3
0を設けるのが良い。例えば、位相補償層30として
は、パターンのない領域を通過した露光光と光強度がほ
ぼ同じで位相がほぼ90度異なる層がある。この場合の
位相補償層30は、SiO2やSi34,SiOxy
から構成され、スパッタ法により成膜することができる
が、レチクル上に位相シフターを形成する前に、レチク
ル自体を所定深さにエッチングして形成すると、成膜プ
ロセスを省略することができるのでより望ましい。また
他の位相補償層30としては、パターンのない側の位相
シフターをテーパーエッチングし、パターンのない側に
向かって徐々に薄膜化することによって位相の急峻な変
化を抑制することが考えられる。なお、位相補償層30
の幅としては、位相の急峻な反転を抑制できれば良いの
で、1μm以下で十分な機能をもつ。
【0129】また、図17(b)には、図17(a)の凸パ
ターンの頭頂部に相当する遮光部26b−1の拡大図が
示されている。図17(b)を参照すると、凸パターンの
頭頂部に相当する遮光部26b−1は、前記のポジレジ
ストの解像限界以下の開口に相当する開口と、前記の位
相シフターと同一の層で、かつ前記のポジレジストの解
像限界以下の寸法の遮光層が、P=αλ/NAの条件を
満たしながら繰り返し配置されている。
【0130】ここで、Pは、繰り返しピッチであり、α
≦0.8であり、λは露光光の波長であり、NAは投影
レンズの開口数である。上記の条件を満たしながら繰り
返し配置されると、解像限界以下の開口に相当する開口
を通過した露光光と、前記の位相シフターと同一の層で
かつ前記のポジレジストの解像限界以下の寸法の遮光層
を通過した露光光との位相がほぼ180度異なり、かつ
開口および遮光層とも前記のポジレジストの解像限界以
下であるため、両者を通過した露光光はお互いに打ち消
しあって、光強度がゼロになり(実際は非常に小さくな
り)、凸パターンの頭頂部を形成するレジスト領域に露
光光を照射させないようにすることができる。
【0131】また、凸パターンの頭頂部に相当する遮光
部26b−1は、凸パターンの側面部に相当する遮光部
26b−2を構成する位相シフター1,2のいずれかと
同じ層であるため、位相シフターと同時に形成すること
ができる。従って、凸パターンの頭頂部に相当する遮光
部26b−1を別の層で形成する必要が無く、第1の構
成例よりも少ない層数で、本発明の反射型液晶表示装置
の作製方法に使用できるレチクルを作製でき、製造コス
トを抑えることができる。
【0132】なお、図17に示すレチクルは次の方法で
作製できる。すなわち、先ず、石英上にネガレジスト塗
布後、電子線描画装置を用いてネガレジストパターンを
作製し、RIEにより石英を所定深さにエッチングし
(エッチング時間を制御することによって行なう)、位相
補償層30を形成する。その後、Crターゲットを用
い、O2ガスとArガスによりスパッタを行ない、位相
シフター層2(透過率T2)を成膜し、その後、ネガレジ
ストを塗布し、レーザービーム描画装置を用いてネガレ
ジストパターンを作製し、RIEによるドライエッチン
グにより下部電極と凸パターンの頭頂部に相当する遮光
部26a,26b−1と、凸パターンの側面部に相当す
る遮光部26b−2の一部(凸パターンの頭頂部側の領
域)とを形成する(第1の工程)。
【0133】なお、下部電極と凸パターンの頭頂部に相
当する遮光部26a,26b−1は、下部電極と凸パタ
ーンの露光で用いるポジレジストの解像限界以下の開口
に相当する開口と、下部電極と凸パターンの露光で用い
るポジレジストの解像限界以下の寸法の遮光層が前述の
条件、すなわち、P=αλ/NAの条件を満たしながら
繰り返し配置されている。
【0134】一般に、g線,i線の波長の投影露光装置
でポジレジストを露光した場合の最小分解能は1〜4μ
m程度であるので、1μm以下の寸法で、かつP=αλ
/NAの条件を満たすような大きさに対応する開口およ
び遮光層で構成すれば良い。
【0135】その後、MoSixターゲットを用い、A
rガスによりスパッタを行ない、位相シフター層1(透
過率T1,T1>T2)を成膜する。そして、ネガレジ
ストを塗布し、電子線描画装置を用いてネガレジストパ
ターンを作製し、RIEによるドライエッチングによ
り、凸パターンの側面部に相当する遮光部26b−2の
一部(前記の位相シフター2が成膜されていない領域で
パターンのない領域に近い側)を形成する(第2の工
程)。
【0136】以上の2層を形成することによって、下部
電極と凸パターンに相当する遮光部を形成できる。な
お、第2の工程のドライエッチングにおいて、第1の工
程で形成された位相シフター2と下部電極と凸パターン
の頭頂部に相当する遮光部26a,26b−1の形状を
変化させないことが重要である。
【0137】また、上記の例では、下部電極,凸パター
ンの頭頂部に相当する遮光部26a,26b−1を位相
シフター2と開口で構成したが、前記ポジレジストの解
像限界以下の開口に相当する開口と、位相シフター1と
同一の層でかつ前記ポジレジストの解像限界以下の寸法
の遮光層でP=αλ/NAの条件を満たしながら繰り返
し配置しても良い。
【0138】さらに、凸パターンの側面部の寸法が1〜
4μm以下の場合、MoSix膜を形成しなくても、本
発明の反射型液晶表示装置の作製方法に十分使用でき
る。
【0139】図18(a),(b),(c)にはレチクルの第
3の構成例を平面図で示す。この第3の構成例は、下部
電極および凸パターンに相当する遮光部26a,26b
を2枚のレチクル(分割パターン1および分割パターン
2)に分けるものであり、図18(b)には、図18(a)
のレチクルパターンのうち1枚のレチクル(分割パター
ン1)が示され、また、図18(c)には、図18(a)の
レチクルパターンのうち他の1枚のレチクル(分割パタ
ーン2)が示されている。図18(a)は目的とする遮光
部のレチクルパターンである。なお、図18(a),
(b),(c)には、凸パターンに相当する遮光部26bの
部分だけが示されており、下部電極に相当する遮光部は
示されていないが、第3の構成例においても、レチクル
上には下部電極に相当する遮光部26aもあるものとす
る。また、図18において、Xは分割パターン1,2の
遮光部の左端からの距離である。図18(a)を参照する
と、目的とする遮光部は、下部電極に相当する遮光部2
6a(図示せず)と凸パターンに相当する遮光部26bと
からなり、さらに凸パターンに相当する遮光部26b
は、凸パターンの頭頂部に相当する遮光領域(遮光領域
26b−1)と凸パターンの側面部に相当する遮光領域
26b−2からなり、さらに凸パターンの側面部に相当
する遮光領域26b−2は、2つの領域(所定の透過率
を有する遮光領域(B1),(B2))からなっている。
【0140】図18(b)の分割パターン1は、凸パター
ンに相当する遮光部26bのうち、領域B2を位相シフ
ター2(透過率T2)で作り、凸パターンに相当する遮光
部26bのうち位相シフター2で作らなかった領域を第
2の構成例のような前記ポジレジストの解像限界以下の
開口に相当する開口と、位相シフター2と同一の層でか
つ前記ポジレジストの解像限界以下の寸法の遮光層を繰
り返し配置して作るものとなっている。
【0141】一方、図18(c)の分割パターン2は、凸
パターンに相当する遮光部26bのうちB1を位相シフ
ター1(透過率T1,T1>T2)で作り、凸パターンに
相当する遮光部26bのうち位相シフター1で作らなか
った領域を第2の構成例のような前記ポジレジストの解
像限界以下の開口に相当する開口と、位相シフター1と
同一の層でかつ前記ポジレジストの解像限界以下の寸法
の遮光層を繰り返し配置して作るものとなっている。ま
た本構成例においても第2の構成例と同様に、位相シフ
ターとパターンのない領域の間には、位相補償層30が
設けられている。
【0142】以上のような遮光部を持つ2枚のレチクル
を作製する。なお、下部電極に相当する遮光部は、2枚
のレチクル(2つの分割パターン1,2がそれぞれに形
成されたレチクル)に共通に、前記ポジレジストの解像
限界以下の開口に相当する開口と、位相シフターと同一
の層でかつ前記ポジレジストの解像限界以下の寸法の遮
光層を繰り返し配置して作っておく。
【0143】上記の2枚のレチクル(分割パターン1,
2がそれぞれに形成されたレチクル)を用いて、次の方
法によって反射型液晶表示装置を作製することができ
る。すなわち、先ず、下部電極層を成膜する(第1の工
程)。次いで、下部電極層上にポジレジストを塗布する
(第2の工程)。
【0144】しかる後、分割パターン1が形成されたレ
チクルを用い、投影露光装置で露光を行なう(第3の工
程)。その結果、凸パターンの側面部を形成するレジス
ト領域のうちB2に相当する領域には位相シフター2を
透過した露光光が照射される。一方、凸パターンの頭頂
部を形成するレジスト領域および凸パターンの側面部を
形成するレジスト領域のうちB1に相当する領域には露
光光は照射されない。
【0145】その後、分割パターン2が形成されたレチ
クルを用い、投影露光装置で露光を行なう(第4の工
程)。この露光によって、凸パターンの側面部を形成す
るレジスト領域のうちB1に相当する領域には位相シフ
ター1を透過した露光光が照射される。一方、凸パター
ンの頭頂部を形成するレジスト領域および凸パターンの
側面部を形成するレジスト領域のうちB2に相当する領
域には露光光は照射されない。
【0146】以上の2度の露光によって、凸パターンの
頭頂部を形成するレジスト領域には露光光は照射され
ず、凸パターンの側面部を形成するレジスト領域のうち
B1に相当する領域に位相シフター1を透過した露光光
が照射され、また、B2に相当する領域には位相シフタ
ー2を透過した露光光のみが照射される。つまり、目的
とする遮光部を用いた場合と同じ光プロファイルが得ら
れたことになる。
【0147】その後、下部電極および凸パターンを形成
するためレジストパターンを1度の現像により作製し
(第5の工程)、下部電極および凸パターンを同時に、異
方性の大きなドライエッチング方式でエッチングするこ
とによって(第6の工程)、比較的垂直な側面を持つ下部
電極レジストパターンにより、下部電極はほぼ垂直な側
面形状にエッチングされ、かつ順テーパー形状の側面を
持つ凸パターンレジストパターンはエッチング中にレジ
スト端が後退するため、順テーパー形状の凸パターンに
エッチングされる。
【0148】従って、側面がほぼ垂直形状の下部電極
と、下部電極と同一の層からなり、下部電極と接続され
ず、かつ側面が順テーパー形状の複数の離散した凸パタ
ーン構造を1度のエッチングで作製することができる。
【0149】図18に示すように、位相シフターが露光
波長の光に対して透過率の異なる2つの位相シフターか
ら構成され、かつ異なる透過率を有する位相シフターを
別レチクルに配置した場合、2回の露光と1度の現像に
より、本発明で必要とされるレジスト形状を得ることが
できる。このようなレチクルでは各々の位相シフターを
別のレチクルの形成できるため、位相シフターとして同
系列の組成、例えば位相シフター1をCrOx,位相シ
フター2をCrOyから作ることができ、位相シフター
を作製するための成膜装置やエッチング設備等の設備が
少なくて済み、また1枚のレチクルに対するプロセス数
が減るため、レチクルの製造歩留が向上し、本発明の反
射型液晶表示装置の作製方法において、さらに製造コス
トを抑えることができる。
【0150】なお、この第3の構成例においても、第2
の構成例と同様に、位相シフター1,2は、各位相シフ
ターを通過した露光光の位相がほぼ同じになるように屈
折率n,消衰係数k,膜厚を設定する必要がある。ま
た、図18では2枚のレチクルに分割する例を示した
が、1枚のレチクル上において、互いにプロセス上の影
響や下部電極および凸パターンの露光工程での影響がな
い間隔が得られる場合は、2つの分割パターン、すなわ
ち、異なる透過率を有する2つの位相シフターを1枚の
レチクル上の別領域に形成しても同様な効果を得ること
ができる。さらに、図18では、2つの分割パターンを
用いたが、凸パターンの側面部の寸法が比較的大きい場
合、側面部を3つ以上の位相シフターで構成した方が良
く、そのような場合は、3枚以上のレチクルに分割して
も何ら問題ない。すなわち、2つ以上の分割パターンを
用いても良い。
【0151】さらに、図18では、B1を位相シフター
1のみの透過率で決定し、B2を位相シフター2のみの
透過率で決定したが、遮光領域26b−1は従来のまま
(前記ポジレジストの解像限界以下の開口に相当する開
口と、位相シフターと同一の層でかつ前記ポジレジスト
の解像限界以下の寸法の遮光層を繰り返し配置)、分割
パターン1,2に共通に作り、かつ分割パターン1には
B2に相当する領域を位相シフター2で構成し、さらに
B1に相当する領域を位相シフター2で構成し、分割パ
ターン2では、B2に相当する領域は、前記ポジレジス
トの解像限界以下の開口に相当する開口と、位相シフタ
ーと同一の層でかつ前記ポジレジストの解像限界以下の
寸法の遮光層を繰り返し配置し、さらにB1に相当する
領域を位相シフター1で構成すると、以下の効果が得ら
れる。すなわち、B2は位相シフター2の透過率で決定
されるが、B1は2度の露光の合算した光強度が与えら
れる。そのため、B1の透過率を位相シフター1,2の
組み合わせで決定でき、つまり比較的透過率の大きい
(膜厚が薄い)位相シフターが不要になるため、位相シフ
ターを作製する際の膜組成や膜厚等の成膜マージンが広
がり、本発明の作製方法を実現するためのレチクルをよ
り簡単に得やすくなる。
【0152】図18に示すレチクルは次の方法で作製で
きる。すなわち、先ず、石英上にネガレジスト塗布後、
電子線描画装置を用いてネガレジストパターンを作製
し、RIEにより石英を所定深さにエッチングし(エッ
チング時間を制御することによって行なう)、位相補償
層30を形成する。その後、Crターゲットを用い、O
2ガスとArガスによりスパッタを行ない、位相シフタ
ー層2(透過率T2)を成膜し、その後、ネガレジスト塗
布し、レーザービーム描画装置を用いてネガレジストパ
ターンを作製し、RIEによるドライエッチングによ
り、下部電極と凸パターンの頭頂部に相当する遮光部2
6a,26b−1と、凸パターンの側面部に相当する遮
光領域26b−2の一部(凸パターンの頭頂部側の領域)
を形成する(第1の工程)。
【0153】なお、下部電極と凸パターンの頭頂部に相
当する遮光部26a,26b−1は、下部電極と凸パタ
ーンの露光で用いるポジレジストの解像限界以下の開口
に相当する開口と、下部電極と凸パターンの露光で用い
るポジレジストの解像限界以下の寸法の遮光層がP=α
λ/NAの条件を満たしながら繰り返し配置されてい
る。
【0154】一般に、g線,i線の波長の投影露光装置
でポジレジストを露光した場合の最小分解能は1〜4μ
m程度であるので、1μm以下の寸法で、かつP=αλ
/NAの条件を満たすような大きさに対応する開口およ
び遮光層で構成すれば良い。
【0155】その後、もう1枚の石英基板上にネガレジ
スト塗布後、電子線描画装置を用いてネガレジストパタ
ーンを作製し、RIEにより石英基板を所定深さにエッ
チングし(エッチング時間を制御することによって行な
う)、位相補償層30を形成する。その後、Crターゲ
ットを用い、O2ガスとArガスによりスパッタを行な
い、位相シフター層1(透過率T1,T1>T2,位相
シフター2とは膜組成,膜厚が異なる)を成膜し、その
後、ネガレジスト塗布し、レーザービーム描画装置を用
いてネガレジストパターンを作製し、RIEによるドラ
イエッチングにより、凸パターンの側面部に相当する遮
光領域26b−2の一部(前記の位相シフター2が成膜
されていない領域でパターンのない領域に近い側に相当
する領域)を形成する(第2の工程)。
【0156】以上の2層を別々のレチクルに形成するこ
とによって、下部電極と凸パターンに相当する遮光部2
6a,26bを形成できる。
【0157】図19(a)にはレチクルの第4の構成例を
平面図で示す。なお、図19(a)には、凸パターンに相
当する遮光部26bの部分だけが示されており、下部電
極に相当する遮光部は示されていないが、レチクル上に
は下部電極に相当する遮光部もあるものとする。凸パタ
ーンに相当する遮光部を持つレチクルにおいて、凸パタ
ーンの頭頂部に相当する遮光部は遮光領域26b−1か
らなり、遮光領域26b−1は露光波長の光を透過しな
い領域であり、凸パターンの側面部に相当する遮光領域
26b−2は、前記ポジレジストの露光波長の光を完全
に遮光する領域28,29と、前記のポジレジストの解
像限界以下の開口に相当する開口1,2とにより構成さ
れている。
【0158】この開口1,2による露光光に対する透過
率は、図19(b)のようになる。ここで、Xは凸パター
ンに相当する遮光部の左端からの距離である。
【0159】この開口1,2は、現像後においてポジレ
ジストの解像限界以下の寸法であるため。レジスト領域
にはパターンとして形成されず、レジストの膜減りが生
じるだけである。また、図20に示すように、露光光は
解像限界以下の開口1,2の外側まで浸み出すため、図
20に示すように、開口1,2の寸法よりも大きな幅を
持つ光強度プロファイルとなる。従って、ポジレジスト
の解像限界以下の開口1,2を通過した光を合成する
と、図20に破線で示すように、凸パターンの側面部を
形成するレジスト領域において、凸パターンの頭頂部に
向かって除々に強度が低下する光強度プロファイルとな
る。
【0160】一方、遮光領域26b−1によって光が遮
られるため、凸パターンの頭頂部を形成するレジスト領
域には露光光は照射されない。従って、図20のような
光強度プロファイルを持つ露光光が照射されたポジレジ
ストを現像すると、露光光の光プロファイルを反映した
レジスト形状、つまり側面が順テーパー形状の凸パター
ン型のレジストパターンが得られる。
【0161】なお、下部電極に相当する遮光部26aは
遮光領域26b−1と同じ層で構成しておくことによっ
て、現像後で露光によるレジストの膜減りが発生せず、
比較的垂直な側面形状を持つ下部電極レジストパターン
が得ることができる。
【0162】第4の構成例のレチクルにおいては、遮光
領域26b−1と、凸パターンの側面部に相当する遮光
領域26b−2(凸パターンの側面部に相当する領域)の
うち前記ポジレジストの解像限界以下の開口以外の領域
とを、同一の層から構成できる。そのため、レチクル上
のパターンを作製するための成膜装置およびエッチング
装置が第1,第2の構成例よりも少なくて済み、また下
部電極に相当する遮光部および凸パターンに相当する遮
光部を1度のプロセスで形成できるため、プロセス数が
減り、レチクルの製造歩留が向上し、本発明の反射型液
晶表示装置の作製方法において、さらに製造コストを抑
えることができる。また、第4の構成例では、遮光領域
26b−1および凸パターンの側面部に相当する遮光領
域26b−2をCr,Mo等の単層金属で作製すること
ができ、第2の構成例,第3の構成例のような反応性ス
パッタを採用する必要がないので、プロセスが簡単にな
り、レチクルをより安価に製造できる。
【0163】すなわち、第4の構成例のレチクルは、石
英上に露光波長の光を完全に遮光するのに十分な厚さの
Cr膜を成膜し、ネガレジスト塗布後、電子線描画装置
を用いてネガレジストパターンを作製し、ウエットエッ
チングにより下部電極と凸パターンの頭頂部に相当する
遮光領域26a,26b−1を作成し、また、凸パター
ンの側面部に相当する遮光領域26b−2には、遮光領
域と前記のポジレジストの解像限界以下の開口に相当す
る開口とを作製することによって得ることができる。な
お、図19(a)では、2つの開口1,2から構成されて
いたが、よりなだらかな順テーパーの側面を持つ凸パタ
ーンを形成するためには、開口の数は多い程良い。ま
た、複数の開口がある場合は、凸パターンの頭頂部に向
かって開口の幅が小さくなることがより望ましい。
【0164】本願の発明者は、本発明の反射型液晶表示
装置を実際に作製した。すなわち、図16のレチクルを
用いて反射型液晶表示装置のサンプルLCD1を作製
し、また、図17のレチクルを用いて反射型液晶表示装
置のサンプルLCD2を作製し、図18のレチクルを用
いて反射型液晶表示装置のサンプルLCD3を作製し、
図19のレチクルを用いて反射型液晶表示装置のサンプ
ルLCD4を作製した。
【0165】各サンプルLCD1〜LCD4を作製する
のに、先ず、それぞれパイレックスガラス上に、スパッ
タ法により、Cr層(厚さ0.10μm)と第1のAl層
(厚さ0.5μm)との2層メタルを成膜した。その後、
ベンゾフェノン系ノボラック樹脂からなるg線ポジレジ
ストをスピンナー法によって1.5μmの厚さに成膜
し、90℃のプリベークを行なった。そして、g線波長
の投影露光装置を用い、下部電極および凸パターンのレ
ジストパターンの露光を行なった。ここで、レチクルに
は、前述のものを用いた。なお、LCD1,LCD2,
LCD4は1回の露光を行なったが、LCD3は分割パ
ターン1,2で各々1回ずつの露光を行なった。
【0166】露光後、TMAH2.38%水溶液で1分
間現像し、水洗後、120℃のポストベークを行い、レ
ジストパターンを完成させた。形成された下部電極レジ
ストパターンは、ほぼ垂直の側面を持ち、凸パターンレ
ジストパターンは40〜70°の順テーパー形状の側面
を持っていた。その後、ECR(電子サイクロトロン共
鳴)エッチングで、Cr層と第1のAl層をエッチング
し、下部電極と凸パターンを完成させ、マイクロ波を用
いたレジストアッシャーによりレジストを除去し、EK
C溶液により側壁保護膜を除去した。形成された下部電
極は側面がほぼ垂直であり、凸パターンは下部電極と接
続されず、かつ側面が順テーパー形状の複数の離散した
形状であった。
【0167】その後、SiH4,H2,CO2ガスを用
い、プラズマCVD法によって、a−Si:O:Hを
0.12μmの厚さに成膜した。そして、ベンゾフェノ
ン系ノボラック樹脂からなるg線ポジレジストをスピン
ナー法によって1.1μmの厚さに成膜し、90℃のプ
リベークを行なった。そして、g線波長の投影露光装置
を用い、薄膜ダイオード領域のレジストパターンの露光
を行なった。露光後、TMAH2.38%水溶液で1分
間現像し、水洗後、120℃のポストベークを行い、レ
ジストパターンを完成させた。その後、HF,HNO3
系のウエットエッチング液でa−Si:O:Hをエッチ
ングし、薄膜ダイオード領域以外のa−Si:O:Hを
除去した。
【0168】その後、スパッタ法により、第2のAl層
を1.0μmの厚さに成膜した。そして、ベンゾフェノ
ン系ノボラック樹脂からなるg線ポジレジストをスピン
ナー法によって2.2μmの厚さに成膜し、90℃のプ
リベークを行なった。そして、g線波長の投影露光装置
を用い、上部電極(反射層込み)のレジストパターンの露
光を行なった。露光後、TMAH2.38%水溶液で1
分間現像し、水洗後、120℃のポストベークを行い、
レジストパターンを完成させた。その後、ECR(電子
サイクロトロン共鳴)エッチングで、第2のAl層をエ
ッチングし、上部電極を完成させ、マイクロ波を用いた
レジストアッシャーによりレジストを除去し、EKC溶
液により側壁保護膜を除去した。形成された上部電極は
ほぼ垂直な側面を持ち、かつ複数の離散した凸パターン
を反映した凹凸を有する反射層(上部電極と接続されて
いる)を持っていた。
【0169】なお、Cr層と第1のAl層からなる下部
電極と第2のAl層からなる上部電極でa−Si:O:
Hを挾み、薄膜ダイオードとしている。
【0170】その後、もう一方のパイレックスガラスに
ITOをスパッタ法により75nm成膜した。そして、
ベンゾフェノン系ノボラック樹脂からなるg線ポジレジ
ストをスピンナー法によって1.1μmの厚さに成膜
し、90℃のプリベークを行なった。そして、g線波長
の投影露光装置を用い、透明電極のレジストパターンの
露光を行なった。露光後、TMAH2.38%水溶液で
1分間現像し、水洗後、120℃のポストベークを行
い、レジストパターンを完成させた。その後、HCl,
FeCl3系のウエットエッチング液でITOをエッチ
ングし、透明電極を完成し、その後剥離によりレジスト
を除去した。その後、透明電極上および上部電極上にフ
レキソ印刷によりポリアミック酸を塗布し、加熱により
ポリイミドを完成させ、ラビングにより配向処理を行な
った。
【0171】その後、パイレックスガラスの周辺にエポ
キシ樹脂からなるシール剤をディスペンサーで塗布し、
スペーサーによりギャップ制御を行ないながら、両基板
を貼り合わせ、150℃の加熱によりシール剤を硬化さ
せ、空セルを完成させた。その後、PCGHからなる液
晶を注入し、注入孔をアクリル性の封止剤で封止した。
さらに、上部電極,下部電極のパットとTAB形状の駆
動用LSIを異方性導電膜を介して接続し、LCD1,
LCD2,LCD3,LCD4の反射型液晶表示装置を
それぞれ完成させた。
【0172】完成した反射型液晶表示装置を駆動し、か
つ、基板面に対して垂直の方向から30°傾いた方向か
ら光を照射し、正反射から30°傾いたところで表示性
能を測定した結果、LCD1,LCD2,LCD3,L
CD4の全てにおいて、コントラスト5以上,反射率3
0%以上の結果が得られ、反射型液晶表示装置として十
分明るく,鮮明な画像が得られることが確認された。な
お、LCD3において、分割パターン1,2の重ね合わ
せ誤差はほぼ1μmであり、LCDの表示性能へはほと
んど影響しなかった。
【0173】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
発明によれば、薄膜ダイオードを構成する下部電極はほ
ぼ垂直形状であるので、薄膜ダイオードの素子面積のバ
ラツキが小さくなり、薄膜ダイオードの内面均一性が向
上し、均一性の良い表示特性を持つ表示装置が得られ
る。一方、下部電極と同一の層からなり、かつ反射層の
凹凸を形成するための複数の離散した凸パターンは、側
面が順テーパー形状であり、そのため、凸パターンを反
映した反射層は、鏡面反射を抑え、拡散成分を大きくで
きる。その結果、背景の写り込みがなく、コントラスト
が高い表示が得られる。また、拡散成分が大きいため、
明るい表示が得られ、いわゆるペーパーホワイトが実現
できる。また、反射層の凹凸が凸パターンで自動的に形
成されるため、反射層に凹凸を形成するためのパターニ
ング工程が不要になり、透過型液晶表示装置と比較し、
製造コストの上昇を抑制できる。
【0174】また、請求項2記載の発明によれば、複数
の離散した凸パターンの膜厚が0.5〜2μmの範囲に
あるので、上部電極の断線を防ぎながら、かつ凸パター
ンの側面に粒界を形成でき、その結果、凸パターンを忠
実に反射層に転写できるようになり、目的とする反射特
性を容易に得られる。
【0175】また、請求項3記載の発明によれば、半導
体層または絶縁層が複数の離散した凸パターン上にも形
成され、かつ前記半導体層または絶縁層の膜厚が0.2
μm以下となっているので、半導体層または絶縁層を介
して凸パターンの反射層への忠実な転写が可能となり、
目的とする反射特性を容易に得られる。また、走査線の
パッド部をステンレスマスク等で遮蔽すると、半導体層
または絶縁層をパターニングする工程を省くことがで
き、より安価に製造できる。
【0176】また、請求項4記載の発明によれば、下部
電極と凸パターンのフォトリソグラフィーおよびエッチ
ングを別々に行なうため、下部電極は、ほぼ垂直形状に
形成でき、凸パターンは30〜60°の順テーパー形状
に形成できる。
【0177】また、請求項5記載の発明によれば、下部
電極と複数の離散した凸パターンのパターニング工程に
おいて、下部電極を転写するためのレジスト形状がほぼ
垂直であり、また、複数の離散した凸パターンを転写す
るためのレジスト形状が順テーパー形状ないし半球形状
であって、下部電極と凸パターンのエッチングを同時に
行なうので、ほぼ垂直形状の下部電極と順テーパー形状
の凸パターンを同時に形成できる。よって、請求項4に
記載の製造方法よりもエッチング工程が減り、より安価
に製造できる。
【0178】特に、請求項6記載の発明によれば、凸パ
ターンのレジストパターンを熱収縮で変形させることに
より、制御性が高く、かつ広い範囲で凸パターンの順テ
ーパー形状を制御できる。
【0179】また、請求項7記載の発明によれば、第1
および第2の2つの絶縁性基板が対向して配置され、第
1の絶縁性基板上には、側面がほぼ垂直形状の下部電極
と、下部電極と同一の層からなり、下部電極と接続され
ず、かつ側面が順テーパー形状の複数の離散した凸パタ
ーンとが形成され、その上方に半導体層あるいは絶縁層
が形成され、さらに、その上方に、前記の複数の離散し
た凸パターンを反映した凹凸を有する反射層と上部電極
とが同一の層として形成され、下部電極と半導体層ある
いは絶縁層と上部電極とにより薄膜ダイオードが構成さ
れており、また、第2の絶縁性基板は、可視光に対し透
明であり、第2の絶縁性基板上には、反射層と対向して
透明電極が設けられ、反射層と透明電極との間に液晶が
挾まれる構成の反射型液晶表示装置の製造方法であっ
て、下部電極層を成膜する工程と、下部電極層上にポジ
レジストを塗布する工程と、下部電極および凸パターン
に相当する遮光部を持つレチクルを用い、下部電極およ
び凸パターンのレジストパターンを露光する工程と、下
部電極および凸パターンを形成するためレジストパター
ンを同時に現像する工程と、異方性の大きなドライエッ
チング方式で、下部電極および凸パターンを同時にエッ
チングする工程とを有しているので、凸パターンのレジ
ストパターンの形状を制御するだけで、背景の写り込み
を抑え、かつ目的とする反射特性を持つ反射層を容易に
作ることができるようになり、明るくてコントラストの
大きな良好な表示の反射型液晶装置を作製でき、いわゆ
るペーパーホワイトの表示を得ることができる。また、
面内で均一な薄膜ダイオードが得られるため、表示特性
の均一な反射型液晶装置が得られる。
【0180】また、請求項8記載の発明によれば、請求
項7記載の反射型液晶表示装置の製造方法において、下
部電極および凸パターンに相当する遮光部を持つレチク
ルを用いて、下部電極および凸パターンのレジストパタ
ーンを露光する際、レチクルを通過する露光光に関する
条件として、下部電極および凸パターンの頭頂部を形成
するためのレジスト領域には露光光は照射されないとい
う第1の条件と、露光光の光強度をIとし、ポジレジス
トを露光後に現像したとき、露光によるレジストの膜厚
減少を起こす露光波長での最小の光強度をE0とし、ポ
ジレジストを露光後に現像したとき、完全に除去される
露光波長での最小の光強度をEthとするとき、凸パタ
ーンの側面部を形成するためのレジスト領域には、E0
<I<Ethの光強度の露光光が照射される第2の条件
とが満たされるので、凸パターンの側面部を形成するレ
ジスト領域への露光光は、凸パターンの頭頂部に向けて
なだらかに光強度が低下する光プロファイルで、かつレ
ジストの膜減りが生じる強度の光となる。一方、凸パタ
ーンの頭頂部および下部電極を形成するためのレジスト
領域には、露光光が照射されない。その結果、側面が順
テーパー形状の凸パターンレジストパターンと、比較的
垂直な側面形状を持つ下部電極レジストパターンを同時
に現像でき、異方性の大きなドライエッチング方式で同
時に下部電極層をエッチングすると、比較的垂直な側面
を持つ下部電極レジストパターンによって、下部電極は
ほぼ垂直な側面形状にエッチングされ、かつ順テーパー
形状の側面を持つ凸パターンレジストパターンは、エッ
チング中にレジスト端が後退し、順テーパー形状の凸パ
ターンが形成される。よって、側面がほぼ垂直形状の下
部電極と、下部電極と同一の層からなり、下部電極と接
続されず、かつ側面が順テーパー形状の複数の離散した
凸パターンを1度のエッチングによって作製することが
できる。
【0181】また、請求項9記載の発明によれば、請求
項8記載の反射型液晶表示装置の製造方法において、下
部電極および凸パターンに相当する遮光部を持つレチク
ルを用いて、下部電極および凸パターンのレジストパタ
ーンを露光する際、レチクルを通過した露光光は、前記
第1および第2の条件とともに、凸パターンの側面部を
形成するためのレジスト領域のうち、頭頂部側により小
さな光強度の露光光が照射される第3の条件を満たすの
で、凸パターンの側面部の寸法が比較的大きい場合、凸
パターンの側面部を形成するためのレジスト領域の露光
光は、凸パターンの頭頂部に向けてよりなだらかに光強
度が低下する光プロファイルで、かつレジストの膜減り
が生じる強度の光となる。その結果、凸パターンレジス
トパターンの側面の順テーパー形状がよりなだらかにな
り、エッチング後においてはよりなだらかな順テーパー
形状の凸パターンを得ることができる。
【0182】また、請求項10記載の発明によれば、請
求項7,請求項8記載または請求項9記載の反射型液晶
表示装置の製造方法において、下部電極および凸パター
ンに相当する遮光部を持つレチクルに関し、下部電極お
よび凸パターンの頭頂部に相当する遮光部は前記ポジレ
ジストの露光波長の光を完全に遮光し、また、凸パター
ンの側面部に相当する遮光部は前記ポジレジストの露光
波長の光に対し光強度を弱めながら透過するので、本発
明の作製方法において必要とされる露光光の光プロファ
イルを1度の露光で得ることができる。
【0183】また、請求項11記載の発明によれば、請
求項10記載の反射型液晶表示装置の製造方法におい
て、レチクルに関して、パターンのない領域を通過した
露光光の位相と凸パターンの側面部に相当する遮光部を
通過した露光光の位相とがほぼ180度異なるように設
定されている位相シフターで、凸パターンの側面部に相
当する遮光部が構成されており、また、凸パターンの頭
頂部に相当する遮光部は、前記ポジレジストの解像限界
以下の開口に相当する開口と、前記位相シフターと同一
の層で、かつ前記ポジレジストの解像限界以下の寸法の
遮光層とが、Pを繰り返しピッチとし、λを露光光の波
長とし、NAを投影レンズの開口数とし、α≦0.8と
するとき、P=αλ/NAの条件を満たしながら繰り返
し配置されて構成されている。すなわち、このレチクル
は、ハーフトーン位相差レチクルであり、パターンのな
い領域を通過した露光光の位相と凸パターンの側面部に
相当する遮光部を通過した露光光の位相とがほぼ180
度異なる位相シフターで、凸パターンの側面部に相当す
る遮光領域が構成されている。位相シフターは膜組成に
より屈折率n,消衰係数kを変更できるため、金属膜と
異なり、ごく薄い層でなくても希望の透過率を得ること
ができる。よって、希望の透過率を持つ複数の位相シフ
ター1,2を成膜する際の成膜マージン、特に膜厚時間
マージンを大きく取ることができ、大面積にわたり均一
な凸パターンの側面部に相当する遮光領域を得ることが
できる。一方、凸パターンの頭頂部に相当する遮光部
は、前記ポジレジストの解像限界以下の開口に相当する
開口と、前記の位相シフターと同一の層で、かつ前記の
ポジレジストの解像限界以下の寸法の遮光層が、P=α
λ/NAの条件を満たしながら繰り返し配置されてい
る。前述の条件を満たしながら繰り返し配置されると、
解像限界以下の開口に相当する開口を通過した露光光
と、前記の位相シフターと同一の層で、かつ前記のポジ
レジストの解像限界以下の寸法の遮光層を通過した露光
光との位相がほぼ180度異なり、かつ開口および遮光
層とも前記のポジレジストの解像限界以下であるため、
両者を通過した露光光は互いに打ち消しあって、光強度
がゼロになり(実際は非常に小さくなり)、凸パターンの
頭頂部を形成するレジスト領域に露光光を照射させない
ことができる。また、凸パターンの側面部に相当する遮
光領域を構成する複数の位相シフター1,2のいずれか
と同じ層であるため、位相シフターと同時に形成するこ
とができるので、凸パターンの頭頂部に相当する遮光部
を別の層で形成する必要が無く、より少ない層数で、本
発明の反射型液晶表示装置の作製方法に使用できるレチ
クルを作製でき、製造コストを抑えることができる。
【0184】また、請求項12記載の発明によれば、請
求項11記載の反射型液晶表示装置の製造方法におい
て、前記位相シフターが露光波長の光に対して透過率の
異なる複数の位相シフターから構成され、異なる透過率
を有する複数の位相シフターは、レチクルの別領域ある
いは別レチクルに配置されているので、複数回の露光と
1度の現像により、本発明で必要とされるレジスト形状
を得ることができる。このようなレチクルでは各々の位
相シフターをレチクルの別領域ないし別のレチクルに形
成できるため、位相シフターとして同系列の組成から作
ることができ、位相シフターを作製するための成膜装置
やエッチング設備等の設備が少なくて済み、レチクルの
製造歩留が向上し、本発明の反射型液晶表示装置の作製
方法において、さらに製造コストを抑えることができ
る。
【0185】加えて、一方の分割パターンには凸パター
ンの側面部に相当する領域の一部(B2)を第2の位相シ
フターで構成し、さらに凸パターンの側面部に相当する
領域のうち、他の領域(B1)を第2の位相シフターで構
成し、他方の分割パターンではB2に相当する領域は前
記ポジレジストの解像限界以下の開口に相当する開口
と、第1の位相シフターと同一の層で、かつ前記ポジレ
ジストの解像限界以下の寸法の遮光層を繰り返し配置
し、さらにB1に相当する領域を第1の位相シフターで
構成すると、以下の効果が生まれる。B2は位相シフタ
ー2の透過率で決定されるが、B1は2度の露光の合算
した光強度が与えられる。そのため、B1の透過率を位
相シフター1,2の組み合わせで決定でき、つまり比較
的透過率の大きい(膜厚が薄い)位相シフターが不要にな
るため、位相シフターを作製する際の膜組成や膜厚等の
成膜マージンが広がり、本発明の作製方法を実現するた
めのレチクルをより簡単に得やすくなる。
【0186】また、請求項13記載の発明によれば、請
求項7,請求項8または請求項9記載の反射型液晶表示
装置の製造方法において、下部電極および凸パターンに
相当する遮光部を持つレチクルに関して、凸パターンの
側面部に相当する遮光部は、前記ポジレジストの露光波
長の光を完全に遮光する領域と、前記のポジレジストの
解像限界以下の開口に相当する開口とで構成されてい
る。そのため、前記の開口は現像後においてポジレジス
トの解像限界以下の寸法であるためレジスト領域にはパ
ターンとしては形成されず、レジストの膜減りが生じる
だけである。また、露光光は解像限界以下の開口部の外
側までしみ出すため、前記の開口部の寸法よりも大きな
幅を持つ光強度プロファイルを持つ。よって、ポジレジ
ストの解像限界以下の開口を通過した光を合成すると、
凸パターンの側面部を形成するレジスト領域に凸パター
ンの頭頂部に向かって除々に強度が低下する光強度プロ
ファイルとなる。そのため現像を行なうと、側面が順テ
ーパー形状の凸パターン型のレジストパターンが得られ
る。このようなレチクルにおいては、下部電極に相当す
る遮光部と凸パターンに相当する遮光部26bを同一の
金属層の1層で形成できる。そのため、レチクル上のパ
ターンを作製するための成膜装置およびエッチング装置
がさらに少なくて済み、また下部電極に相当する遮光部
および凸パターンに相当する遮光部26bを1度のプロ
セスで形成できるため、プロセス数が減り、レチクルの
製造歩留が向上し、本発明の反射型液晶表示装置の作製
方法において、さらに製造コストを抑えることができ
る。また、単層金属で作製することができるので、プロ
セスが簡単になり、レチクルをより安価に製造できる。
【0187】このように請求項7乃至請求項13記載の
発明では、上述したレチクル,ハーフトーン位相差レチ
クルを用いて、下部電極と凸パターンのレジストパター
ンの露光を行なっているため、側面がほぼ垂直形状の下
部電極と、下部電極と同一の層からなり、下部電極と接
続されず、かつ側面が順テーパー形状の複数の離散した
凸パターンを持つ。そのため、上部電極のスパッタによ
り自動的に反射層に拡散成分が多くなる比較的なだらか
な順テーパーの凹凸を反射層に安価に作り込むことがで
きる。そのため、背景の写り込みがなく、コントラスト
が高くかつ明るい表示が実現でき、また画素の高密度化
を考え比較的容易に表示特性の均一化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射型液晶表示装置の構成例を示
す図である。
【図2】凸パターンの順テーパー形状の設定の仕方を説
明するための図である。
【図3】図1の反射型液晶表示装置の作製工程例を示す
図である。
【図4】図1の反射型液晶表示装置の作製工程例を示す
図である。
【図5】図1の反射型液晶表示装置の作製工程例を示す
図である。
【図6】図1の反射型液晶表示装置の作製工程例を示す
図である。
【図7】図1の反射型液晶表示装置の他の作製工程例を
示す図である。
【図8】図1の反射型液晶表示装置の他の作製工程例を
示す図である。
【図9】本発明に係る反射型液晶表示装置の他の構成例
を示す図である。
【図10】図9の反射型液晶表示装置の作製工程例を示
す図である。
【図11】図9の反射型液晶表示装置の作製工程例を示
す図である。
【図12】本発明に係る反射型液晶表示装置の他の作製
工程例を示す図である。
【図13】本発明に係る反射型液晶表示装置の他の作製
工程例を示す図である。
【図14】露光の光強度と現像後のレジストの膜減りと
の関係を示す図である。
【図15】露光の光プロファイルを説明するための図で
ある。
【図16】レチクルの第1の構成例を示す図である。
【図17】レチクルの第2の構成例を示す図である。
【図18】レチクルの第3の構成例を示す図である。
【図19】レチクルの第4の構成例を示す図である。
【図20】ポジレジストの解像限界以下の開口1,2を
通過した光を合成したときの光強度プロファイルを示す
図である。
【図21】従来の液晶表示装置の構成例を示す図であ
る。
【図22】従来の液晶表示装置の構成例を示す図であ
る。
【図23】従来の液晶表示装置の構成例を示す図であ
る。
【符号の説明】
101,111 絶縁性基板 103a 下部電極 103b 凸パターン構造 104 絶縁層または半導体層 105 上部電極層 105a 上部電極 105b 反射層 107 液晶 112 透明電極 131a 下部電極のレジストパターン 131b 凸パターンのレジストパターン 122a 下部電極のレジストパターン 121a 素子領域保護レジスト 121b 凸パターンのレジストパターン 122b 凸パターンの保護レジスト 1,11 絶縁性基板 3 下部電極層 3a 下部電極 3b 凸パターン構造 5b 反射層 7 液晶 10 薄膜ダイオード 12 透明電極 21a 下部電極のレジストパターン 21b 凸パターンのレジストパターン 25 レチクル 26a,26b 遮光部 26b−1,26b−2 遮光領域 28,29 遮光領域 30 位相補償層
フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA01Y FA14Z FB08 FC02 FC25 FC29 FD04 GA07 GA13 HA08 LA17 2H092 HA28 JA05 JA11 JB07 JB24 JB27 JB33 JB36 JB56 KA05 KB04 MA05 MA08 MA13 MA15 MA16 MA18 MA19 MA37 NA01 NA27 PA02 PA03 PA08 PA10 PA12 QA08 QA15 5C094 AA03 AA05 AA06 AA10 AA44 BA04 BA43 CA19 DA13 EA05 EB02 ED11 FA01 FA02 FB14 JA08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の2つの絶縁性基板が対
    向して配置され、第1の絶縁性基板上には、側面がほぼ
    垂直形状の下部電極と、下部電極と同一の層からなるが
    下部電極と接続されずかつ側面が順テーパー形状の複数
    の離散した凸パターンとが形成され、下部電極の上方に
    は半導体層または絶縁層が形成され、さらに、その上方
    には、前記の複数の離散した凸パターンを反映した凹凸
    を有する反射層と上部電極とが同一の層として形成さ
    れ、下部電極と半導体層または絶縁層と上部電極とによ
    り薄膜ダイオードが構成されており、また、第2の絶縁
    性基板は、可視光に対し透明であり、第2の絶縁性基板
    上には、反射層と対向して透明電極が設けられ、反射層
    と透明電極との間に液晶が挾まれることを特徴とする反
    射型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の反射型液晶表示装置にお
    いて、前記複数の離散した凸パターンは、膜厚が0.5
    〜2μmの範囲であることを特徴とする反射型液晶表示
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の反射型液晶表示装置にお
    いて、前記半導体層または絶縁層が、複数の離散した凸
    パターン上にも形成され、かつ前記半導体層または絶縁
    層は、膜厚が0.2μm以下であることを特徴とする反
    射型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 第1および第2の2つの絶縁性基板が対
    向して配置され、第1の絶縁性基板上には、側面がほぼ
    垂直形状の下部電極と、下部電極と同一の層からなるが
    下部電極と接続されずかつ側面が順テーパー形状の複数
    の離散した凸パターンとが形成され、下部電極の上方に
    は半導体層または絶縁層が形成され、さらに、その上方
    には、前記の複数の離散した凸パターンを反映した凹凸
    を有する反射層と上部電極とが同一の層として形成さ
    れ、下部電極と半導体層または絶縁層と上部電極とによ
    り薄膜ダイオードが構成されており、また、第2の絶縁
    性基板は、可視光に対し透明であり、第2の絶縁性基板
    上には、反射層と対向して透明電極が設けられ、反射層
    と透明電極との間に液晶が挾まれる構成の反射型液晶表
    示装置の製造方法であって、下部電極と複数の離散した
    凸パターンのパターニング工程を有し、該パターニング
    工程において、下部電極のフォトリソグラフィ−及びエ
    ッチングと凸パターンのフォトリソグラフィ−及びエッ
    チングとを別々に行なうことを特徴とする反射型液晶表
    示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1および第2の2つの絶縁性基板が対
    向して配置され、第1の絶縁性基板上には、側面がほぼ
    垂直形状の下部電極と、下部電極と同一の層からなるが
    下部電極と接続されずかつ側面が順テーパー形状の複数
    の離散した凸パターンとが形成され、下部電極の上方に
    は半導体層または絶縁層が形成され、さらに、その上方
    には、前記の複数の離散した凸パターンを反映した凹凸
    を有する反射層と上部電極とが同一の層として形成さ
    れ、下部電極と半導体層または絶縁層と上部電極とによ
    り薄膜ダイオードが構成されており、また、第2の絶縁
    性基板は、可視光に対し透明であり、第2の絶縁性基板
    上には、反射層と対向して透明電極が設けられ、反射層
    と透明電極との間に液晶が挾まれる構成の反射型液晶表
    示装置の製造方法であって、下部電極と複数の離散した
    凸パターンのパターニング工程を有し、該パターニング
    工程において、下部電極を転写するためのレジスト形状
    がほぼ垂直であり、また、複数の離散した凸パターンを
    転写するためのレジスト形状が順テーパー形状ないし半
    球形状であって、下部電極と凸パターンのエッチングを
    同時に行なうことを特徴とする反射型液晶表示装置の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の反射型液晶表示装置の製
    造方法において、下部電極と複数の離散した凸パターン
    のパターニング工程において、下部電極を構成する下部
    電極層を成膜後、はじめに下部電極のレジストパターン
    のみを形成し、紫外光を照射しながら150〜250℃
    の加熱により下部電極のレジストパターンの硬化を行な
    い、その後、複数の離散した凸パターンのレジストパタ
    ーンを形成し、130〜200℃の加熱により凸パター
    ンのレジストパターンのみを順テーパー形状ないし半球
    形状に形成することを特徴とする反射型液晶表示装置の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 第1および第2の2つの絶縁性基板が対
    向して配置され、第1の絶縁性基板上には、側面がほぼ
    垂直形状の下部電極と、下部電極と同一の層からなるが
    下部電極と接続されずかつ側面が順テーパー形状の複数
    の離散した凸パターンとが形成され、下部電極の上方に
    は半導体層または絶縁層が形成され、さらに、その上方
    には、前記の複数の離散した凸パターンを反映した凹凸
    を有する反射層と上部電極とが同一の層として形成さ
    れ、下部電極と半導体層または絶縁層と上部電極とによ
    り薄膜ダイオードが構成されており、また、第2の絶縁
    性基板は、可視光に対し透明であり、第2の絶縁性基板
    上には、反射層と対向して透明電極が設けられ、反射層
    と透明電極との間に液晶が挾まれる構成の反射型液晶表
    示装置の製造方法であって、下部電極層を成膜する工程
    と、下部電極層上にポジレジストを塗布する工程と、下
    部電極および凸パターンに相当する遮光部を持つレチク
    ルを用い、下部電極および凸パターンのレジストパター
    ンを露光する工程と、下部電極および凸パターンを形成
    するためレジストパターンを同時に現像する工程と、異
    方性の大きなドライエッチング方式で、下部電極および
    凸パターンを同時にエッチングする工程とを有している
    ことを特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の反射型液晶表示装置の製
    造方法において、下部電極および凸パターンに相当する
    遮光部を持つレチクルを用いて、下部電極および凸パタ
    ーンのレジストパターンを露光する際、レチクルを通過
    する露光光に関する条件として、下部電極および凸パタ
    ーンの頭頂部を形成するためのレジスト領域には露光光
    は照射されないという第1の条件と、露光光の光強度を
    Iとし、ポジレジストを露光後に現像したとき、露光に
    よるレジストの膜厚減少を起こす露光波長での最小の光
    強度をE0とし、ポジレジストを露光後に現像したと
    き、完全に除去される露光波長での最小の光強度をEt
    hとするとき、凸パターンの側面部を形成するためのレ
    ジスト領域には、E0<I<Ethの光強度の露光光が
    照射される第2の条件とが満たされることを特徴とする
    反射型液晶表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の反射型液晶表示装置の製
    造方法において、下部電極および凸パターンに相当する
    遮光部を持つレチクルを用いて、下部電極および凸パタ
    ーンのレジストパターンを露光する際、レチクルを通過
    した露光光は、前記第1および第2の条件とともに、凸
    パターンの側面部を形成するためのレジスト領域のう
    ち、頭頂部側により小さな光強度の露光光が照射される
    第3の条件を満たすことを特徴とする反射型液晶表示装
    置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7,請求項8または請求項9記
    載の反射型液晶表示装置の製造方法において、下部電極
    および凸パターンに相当する遮光部を持つレチクルに関
    し、下部電極および凸パターンの頭頂部に相当する遮光
    部は前記ポジレジストの露光波長の光を完全に遮光し、
    また、凸パターンの側面部に相当する遮光部は前記ポジ
    レジストの露光波長の光に対し光強度を弱めながら透過
    することを特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の反射型液晶表示装置
    の製造方法において、レチクルに関して、パターンのな
    い領域を通過した露光光の位相と凸パターンの側面部に
    相当する遮光部を通過した露光光の位相とがほぼ180
    度異なるように設定されている位相シフターで、凸パタ
    ーンの側面部に相当する遮光部が構成されており、ま
    た、凸パターンの頭頂部に相当する遮光部は、前記ポジ
    レジストの解像限界以下の開口に相当する開口と、前記
    位相シフターと同一の層で、かつ前記ポジレジストの解
    像限界以下の寸法の遮光層とが、Pを繰り返しピッチと
    し、λを露光光の波長とし、NAを投影レンズの開口数
    とし、α≦0.8とするとき、P=αλ/NAの条件を
    満たしながら繰り返し配置されて構成されていることを
    特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の反射型液晶表示装置
    の製造方法において、前記位相シフターが露光波長の光
    に対して透過率の異なる複数の位相シフターから構成さ
    れ、異なる透過率を有する複数の位相シフターは、レチ
    クルの別領域あるいは別レチクルに配置されていること
    を特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項7,請求項8または請求項9記
    載の反射型液晶表示装置の製造方法において、下部電極
    および凸パターンに相当する遮光部を持つレチクルに関
    して、凸パターンの側面部に相当する遮光部は、前記ポ
    ジレジストの露光波長の光を完全に遮光する領域と、前
    記のポジレジストの解像限界以下の開口に相当する開口
    とで構成されていることを特徴とする反射型液晶表示装
    置の製造方法。
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