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JP2000058257A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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Publication number
JP2000058257A
JP2000058257A JP10234918A JP23491898A JP2000058257A JP 2000058257 A JP2000058257 A JP 2000058257A JP 10234918 A JP10234918 A JP 10234918A JP 23491898 A JP23491898 A JP 23491898A JP 2000058257 A JP2000058257 A JP 2000058257A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
emitting device
light emitting
layer
electrically insulating
Prior art date
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Pending
Application number
JP10234918A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Hashimoto
雄一 橋本
Kazunori Ueno
和則 上野
Akihiro Senoo
章弘 妹尾
Seiji Mashita
精二 真下
Shinichi Urakawa
伸一 浦川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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Publication of JP2000058257A publication Critical patent/JP2000058257A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/842Containers
    • H10K50/8426Peripheral sealing arrangements, e.g. adhesives, sealants
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/844Encapsulations

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長寿命で安定な光出力を有する発光素子を提
供する。 【解決手段】 透明性基板1上に、陽極2、一つ又は複
数の有機化合物からなる有機化合物層3及び陰極4を順
次設けた構成からなる積層構造体8を有し、この積層さ
れた有機化合物層3並びに両電極1,2を囲繞するよう
に気密ケース5が透明性基板1上に気密的に接着されて
おり、気密ケース5中には電気絶縁性有機材料からなる
シールド層7が封入され、積層構造体8をシールド層7
で被覆してなる発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光性物質からな
る発光層を有し、電界を印加することにより注入された
電荷の再結合エネルギーを直接光エネルギーに変換でき
る発光素子に関する。
【0002】詳しくは、従来の白熱灯、蛍光灯あるいは
発光ダイオード等と異なり、大面積、高分解能、薄型、
軽量、高速動作、完全な固体デバイスという特徴を有
し、高度な要求を満たす可能性のある有機発光ダイオー
ド(OLED)パネルに使用する発光素子に関する。
【0003】
【従来の技術】有機材料の電界発光現象は1963年に
ポープ(Pope)らによってアントラセン単結晶で観
測され(J.Chem.Phys.38(1963)2
042)、それに続き1965年にヘルフリッヒ(He
lfinch)とシュナイダー(Schneider)
は注入効率の良い溶液電極系を用いる事により比較的強
い注入型発光素子の観測に成功している(Phys.R
ev.Lett.14(1965)229)。
【0004】それ以来、米国特許3,172,862
号、米国特許3,173,050号、米国特許3,71
0,167号、J.Chem.Phys.44(196
6)2902、J.Chem.Phys.50(196
9)14364、J.Chem.Phys.58(19
73)1542、あるいはChem.Phys.Let
t.36(1975)345等に報告されている様に、
共役の有機ホスト物質と縮合ベンゼン環を持つ共役の有
機活性化剤とで有機発光性物質を形成する研究が行われ
た。ナフタレン、アンスラセン、フェナンスレン、テト
ラセン、ピレン、ベンゾピレン、クリセン、ピセン、カ
ルバゾール、フルオレン、ビフェニル、ターフェニル、
トリフェニレンオキサイド、ジハロビフェニル、トラン
ス−スチルベン及び1,4−ジフェニルブタジエン等が
有機ホスト物質の例として示され、アンスラセン、テト
ラセン、及びペンタセン等が活性化剤の例として挙げら
れた。しかしこれらの有機発光性物質はいずれもlμm
以上をこえる厚さを持つ単一層として存在し、発光には
高電界が必要であった。この為、真空蒸着法による薄膜
素子の研究が進められた(例えばThin Solid
Films 94(1982)171、Polyme
r 24(1983)748、Jpn.J.Appl.
Phys.25(1986)L773)。しかし薄膜化
は駆動電圧の低減には有効ではあったが、実用レベルの
高輝度の素子を得るには至らなかった。
【0005】しかし近年タン(Tang)らは(App
l.Phys.Lett.51(1987)913ある
いは米国特許4,356,429号)、陽極と陰極との
間に2つの極めて薄い層(電荷輸送層と発光層)を真空
蒸着で積層した発光素子を考案し、低い駆動電圧で高輝
度を実現した。この種の積層型有機LEDデバイスはそ
の後も活発に研究され、例えば特開昭59−19439
3号公報、米国特許4,539,507号、特開昭59
−194393号公報、米国特許4,720,432
号、特開昭63−264692号公報、Appl.Ph
ys.Lett.55(1989)1467、特開平3
−163188等に記載されている。
【0006】また更にJpn.J.Appl.Phy
s.27(1988)L269.L713には、キャリ
ア輸送と発光の機能を分離した3層構造の有機LED素
子が報告されており、発光色を決める発光層の色素の選
定に際してもキヤリヤ輸送性能の制約が緩和され選択の
自由度がかなり増し、更には中央の発光層にホールと電
子(あるいは励起子)を有効に閉じ込めて発光の向上を
はかる可能性も示唆される。
【0007】積層型有機LED素子の作成には、一般に
真空蒸着法が用いられているが、キャスティング法によ
ってもかなりの明るさの素子が得られる事が報告されて
いる(例えば、第50回応物学会学術講演会講演予稿集
l006(1989)及び第50回応物学会学術講演会
講演予稿集1041(1990))。
【0008】更には、ホール輸送化合物としてポリビニ
ルカルバゾール、電子輸送化合物としてオキサジアゾー
ル誘導体及び発光体としてクマリン6を混合した溶液か
ら浸漬塗布法で形成した混合1層型有機LED素子でも
かなり高い発光効率が得られる事が報告されている(例
えば、第38回応物関係連合講演会講演予稿集1086
(1991))。上述の様に有機LEDデバイスにおけ
る最近の進歩は著しく広汎な用途の可能性を示峻してい
る。
【0009】しかしそれらの研究の歴史はまだまだ浅
く、未だその材料研究やデバイス化への研究は十分なさ
れていない。現状では更なる高輝度の光出力や長時間の
使用による経時変化や酸素を含む雰囲気気体や湿気など
による劣化等の耐久性の面に未だ問題がある。
【0010】例えば、有機LED素子の発光層の材料で
ある蛍光性の有機固体は、水分、酸素等に弱い。また、
発光層上に直接あるいは正孔注入層または電子注入層を
介して設けられる電極(以下、対向電極ということがあ
る)は、酸化により特性が劣化し易い。このため、従来
の有機LED素子を大気中で駆動させると発光特性が急
激に劣化する。したがって、実用的な有機LED素子や
有機LEDデバイスをを得るためには、発光層に水分や
酸素等が侵入しないように、また対向電極が酸化されな
いように、素子を封止して長寿命化を図る必要がある。
【0011】しかしながら、有機LED素子について
は、有効な封止方法が未だ開発されていない。例えば、
無機EL素子を封止する方法、すなわち、背面電極(対
向電極)の外側に背面ガラス板を設け、背面電極と背面
ガラス板との間にシリコーンオイルを封入する方法を有
機LED素子に適用した場合には、対向電極を介して、
あるいは対向電極と正孔注入層または電子注入層とを介
してシリコーンオイルが発光層に侵入し、このシリコー
ンオイルにより発光層が変性してしまうために、有機L
ED素子の発光特性が大幅に劣化するかもしくは全く発
光しなくなる。
【0012】また、機械的保護等のために設けられてい
る樹脂コーティング層を有機LED素子の封止に応用し
た場合にも、樹脂コーティング液(一般に、溶媒はテト
ラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン等のハ
ロゲン系溶媒か、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳
香族炭化水素系溶媒)が上記のようにして発光層を溶か
してしまうために、有機LED素子の発光特性が大幅に
劣化するかもしくは全く発光しない。
【0013】このため様々な封止技術が、例えば特開平
2−260388号公報、特開平3−261091号公
報、特開平4−137483号公報、特開平5−364
75号公報、特開平5−89959号公報、特開平6−
96858号公報、特開平6−176867号公報、特
開平7−14675号公報、特開平7−169569号
公報、特開平8−78159号公報、特開平9−115
664号公報、特開平9−153395号公報、特開平
9−204981号公報などが試みられているが未だ十
分に解決されていない。
【0014】また、有機LED素子の発光現象は、電極
から注入された電荷(電子と正孔)の再結合により引き
起こされる。しかしながら、その電荷の再結合確率は低
く、素子中を流れる電荷(電流)の大半がジュール熱と
なって放熱される。このため、素子を安定に駆動させた
り、素子の長寿命化をはかるためには、素子内部の温度
上昇を抑えなければならない。
【0015】このような素子内部の温度上昇を抑える技
術として、例えば特開平4−363890号公報、特開
平5−114486号公報、特開平7−176384号
公報、特開平8−185982号公報、特開平9−12
9368号公報などが試みられているが、未だ十分に解
決されていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術の欠点を改善するためになされたものであり、素
子内の発光層に水分や酸素等の侵入を防止し、放熱/熱
吸収性が良く素子内部の温度上昇を抑えることができ、
長寿命で安定な光出力を有する発光素子を提供すること
を目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、陽極及
び陰極と、これらの間に挟持された一つ又は複数の有機
化合物からなる層とから構成される積層構造体を有する
発光素子において、該積層構造体を電気絶縁性有機材料
からなるシールド層で被覆してなることを特徴とする発
光素子である。
【0018】また、本発明の発光素子は、上記の積層構
造体を保護層で被覆し、その保護層の外側を電気絶縁性
有機材料からなるシールド層で被覆してなる素子が好ま
しい。前記シールド層の外側に気密ケースが設けられて
いるのが好ましい。
【0019】前記電気絶縁性有機材料からなるシールド
層が熱吸収層を兼ねているのが好ましい。前記電気絶縁
性有機材料の融点が20〜300℃の範囲であるのが好
ましい。前記電気絶縁性有機材料が高級炭化水素及び高
級アルコールの固形エステルからなるのが好ましい。前
記電気絶縁性有機材料が植物ろう、動物ろう、石油ろ
う、鉱物ろう、合成ろうの単独またはそれらの混合物よ
りなるのが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の発光素子は、陽極及び陰
極と、これらの間に挟持された一つ又は複数の有機化合
物からなる層とから構成される積層構造体を有する発光
素子において、該積層構造体を電気絶縁性有機材料から
なるシールド層で被覆してなることを特徴とする。
【0021】以下、図面に沿って本発明を更に詳細に説
明する。図1は本発明の発光素子の一例を示す断面図で
ある。同図において、本発明の発光素子は、透明性基板
1上に、陽極2、一つ又は複数の有機化合物からなる層
(以下、有機化合物層と記す)3及び陰極4を順次設け
た構成からなる積層構造体8を有し、この積層された有
機化合物層3並びに両電極1,2を囲繞するように気密
ケース5が透明性基板1上に気密的に接着されており、
気密ケース5中には電気絶縁性有機材料からなるシール
ド層7が封入され、積層構造体8をシールド層7で被覆
してなるものである。6は電極の配線口を封止する封止
剤を示す。
【0022】本発明において、上記有機化合物層の構成
としては、下記〜 電極(陰極)/発光層/正孔注入層/電極(陽極) 電極(陽極)/発光層/電子注入層/電極(陰極) 電極(陽極)/正孔注入層/発光層/電子注入層/
電極(陰極) 電極(陽極または陰極)/発光層/電極(陰極また
は陽極) があるが、本発明は上記のいずれの構成の有機化合物層
を設けた積層構造体を有す発光素子に対しても適用する
ことができる。
【0023】また、これらの積層構造体の形状、大き
さ、材質、製造方法等は発光素子の用途等に応じて適宜
選択されるものであるが、本発明では積層構造体の形
状、大きさ、材質、製造方法等は問わない。ただし、長
寿命の発光素子を得るうえからは、積層構造体の形成過
程での発光層の特性劣化をできるだけ抑止することが望
ましく、そのためには、発光層の形成から対向電極の形
成までを一連の真空環境下で行うことが特に好ましい。
【0024】この発光素子に常温常湿下(20℃、50
%)で直流電圧を印加すると、電流量の増加に伴い発光
現象が観測される。常温下では、シールド層7の電気絶
縁性有機材料、例えばパラフィンは固体であるが、素子
を流れる電流の増加に伴い、ジュール熱が発生し、やが
て溶融しはじめる。
【0025】パラフィンは良好な熱伝導体であるため、
溶融したパラフィンが放熱材/熱吸収材として働き、素
子内部の温度上昇を抑制し、素子の安定駆動、長寿命化
が可能となる。
【0026】本発明で用いられる電気絶縁性有機材料
は、融点が20〜300℃、好ましくは50〜200℃
の範囲にあり、また熱吸収材として働くものであれば如
何なるものでもかまわない。
【0027】また、本発明で用いられる電気絶縁性有機
材料は、特に高級炭化水素及び高級アルコールの固形エ
ステルからなるものであるが好ましく、例えば天然ろう
および合成ろうが挙げられる。天然ろうには、植物ろう
としてカルナウバろう、木ろう、サトウろう、また動物
ろうとしてみつろう、こん虫ろう、鯨ろう、羊毛ろうま
た石油ろうとしてパラフィンワックス、マイクロクリス
タリンワックス、また鉱物ろうとしてモンタンろう、オ
ゾケライトなどが挙げられる。合成ろうとしては、カー
ボワックス、ポリエチレンろう、塩素化ナフタレンろう
などが挙げられる。これ等のろうは、単独または混合物
として使用される。
【0028】本発明の発光素子においては、発光層構成
成分として、電子写真感光体分野等で研究されているホ
ール輸送性化合物やこれ迄知られているホール輸送性発
光体化合物(例えば表1〜4に示される化合物等)ある
いは電子輸送性化合物やこれ迄知られている電子輸送性
発光体化合物(例えば表5〜6に挙げられる化合物)を
必要に応じて2種類以上使用する事も出来る。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】本発明の発光素子において、発光層は一般
には真空蒸着あるいは適当な結着性樹脂と組み合わせて
薄膜を形成する。上記結着剤としては広範囲な結着性樹
脂より選択でき、例えばポリビニルカルバゾール樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビ
ニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリ
ル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、シリコン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
は単独または共重合体ポリマーとして1種または2種以
上混合して用いても良い。
【0036】陽極材料としては仕事関数がなるべく大き
なものが良く、例えば、ニッケル、金、白金、パラジウ
ム、セレン、レニウム、イリジウムやこれらの合金、あ
るいは酸化錫、酸化錫インジウム(ITO)、ヨウ化銅
が好ましい。またポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ
フェニレンスルフィドあるいはポリピロール等の導電性
ポリマーも使用出来る。
【0037】一方、陰極材料としては仕事関数が小さな
銀、鉛、錫、マグネシウム、アルミニウム、カルシウ
ム、マンガン、インジウム、クロムあるいはこれらの合
金が用いられる。
【0038】また、陽極及び陰極として用いる材料のう
ち少なくとも一方は、素子の発光波長領域において50
%より多くの光を透過する事が好ましい。また、本発明
で用いる透明性基板としては、ガラス、プラスチックフ
ィルム等が用いられる。
【0039】本発明の発光素子では、陽極及び陰極並び
に有機化合物層よりなる積層構造体を外界から保護する
ための、保護層を設けるのが好ましい。図2は本発明の
発光素子の他の例を示す断面図である。同図は、透明性
基板1上に、陽極2、有機化合物層3及び陰極4を順次
設けた構成からなる積層構造体8を保護層9で被覆し、
その他は図1と同様の構成からなる発光素子を示す。
【0040】保護層には、例えばSiO、SiO2 、A
2 3 、TiO、ZrO2 、ZnOなどの酸化物やT
iN、Al2 3 、Si3 4 などのチッ化物やLi
F、MgF2 などのフッ化物に代表される無機物のほ
か、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレン、ポリビニルトリメチルシラン、ポリ
シロキサンなどの電気絶縁性高分子化合物を真空蒸着
法、スパッタ法、化合気相蒸着法などの方法を用いて、
単層または複数層に積層して用いることができる。
【0041】本発明の発光素子では、このようにして設
けた陽極及び陰極並びに有機化合物層、保護層の外側に
電気絶縁性ガラスやプラスチックなどからなる気密ケー
スを設ける。気密ケースは、例えば、電気絶縁性ガラス
の場合、ガラス基板等の基板上に、陽極、有機化合物
層、陰極よりなる積層構造体と電気絶縁性ガラスの間に
シールド層を設けるためのすきまを作って、この電気絶
縁性ガラスを被せ、基板の縁部と電気絶縁性ガラスの縁
部とを接着剤等を用いて貼り合わせることにより気密ケ
ースを設ける。
【0042】また、この電気絶縁性ガラスはアルカリ含
有量の少ない高体積抵抗(350℃において107 Ωm
以上)のものが好ましく、具体例としてはコーニング社
製#7059が挙げられる。また、気密ケースがプラス
チックの場合でも、陽極、有機化合物層、陰極よりなる
積層構造体を充分覆うことができるものであれば、如何
なる形状、材質であってもかまわない。
【0043】本発明の発光素子は、従来の白熱灯、蛍光
灯あるいは発光ダイオードなどと異なり、大面積、高分
解能、薄型、軽量、高速動作、完全な固体デバイスであ
り、高度な要求を満たす可能性のある有機LEDパネル
等に使用することができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0045】実施例1 25×75×1.mmのサイズのガラス板[HOYA
(株)製の色板ガラス]を基板として用い、この基板上
にITO膜を100nmの厚さで成膜して透明電極を形
成した。この基板をイソプロピルアルコールで30分間
超音波洗浄した後、純水で5分間洗浄し、その後イソプ
ロピルアルコールでリンスした後に、乾燥N2 ガスを吹
き付けて乾燥させた。そして最後に、UVオゾン洗浄装
置[(株)サムコインターナシュナル製]で10分間洗
浄した。
【0046】洗浄後の基板を市販の真空蒸着装置[日本
真空技術(株)製]の基板ホルダーに固定し、モリブデ
ン製抵抗加熱ボートに、N,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス−(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビ
フェニル]−4,4′−ジアミン(以下、TPDAとい
う)を200mg入れ、他のモリブデン製抵抗加熱ボー
トに昇華精製されたトリス(8−キノリノール)アルミ
ニウム(以下、Alq.という)を200mg入れて真
空チャンパー内を1×10-4Paまで減圧した。次に、
TPDAを入れた前記抵抗加熱ボートを215〜220
℃まで加熱して、TPDAを蒸着速度0.1〜0.3n
m/sでITO膜上に堆積させて、膜厚50nmの正孔
注入層を成膜した。このときの基板温度は室温であっ
た。次いで正孔注入層が成膜された基板を基板ホルダー
に固定したまま、Alq.を入れたモリブデン製抵抗加
熱ボートを275℃まで加熱して、Alq.を蒸着速度
0.1〜0.2nm/sで正孔注入層上に堆積させて、
膜厚50nmの発光層を成膜した。このときの基板温度
も室温であった。
【0047】次に、マグネシウム1gを予め入れておい
たモリブデン製抵抗加熱ボートと銀500mgを予め入
れておいたモリブデン製抵抗加熱ボートとをそれぞれ加
熱し、マグネシウムを約1.5nm/sの蒸着速度で蒸
着させ、同時に銀を約0.1nm/sの蒸着速度で蒸着
させて、マグネシウムと銀との混合金属からなる膜厚2
00nmの電極(対向電極)を発光層上に設けた。この
様にしてガラス基板上にITO膜(電極)、正孔注入
層、発光層、および対向電極を設けたことで有機LED
素子が得られた。
【0048】この後、ガラス基板上に設けられたITO
層、正孔注入層、発光層、および対向電極からなる積層
構造体の外表面に、積層構造体の形成に用いた真空蒸着
装置と同じ装置を用いて、正孔注入層及び発光層の形成
からの一連の真空環境下で、以下の要領で保護層を設け
た。
【0049】まず蒸着源としてテトラフルオロエチレン
とパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソ
ールとの無定形共重合体粉末1.7gを収容したアルミ
ナ製坩堝を予め入れておいたタングステン製バスケット
の上方(アルミナ製坩堝の上)に13μmφのステンレ
ス製メッシュをかぶせた。
【0050】次いで、真空チャンバー内を1×10-4
aまで減圧した後、タングステン製バスケットに通電加
熱して蒸着源を450℃に加熱して、積層構造体の外表
面に蒸着速度0.4nm/secで膜厚700nmのテ
フロン保護層膜を設けた。
【0051】次に、この真空蒸着装置内に窒素ガスを注
入し、大気圧に戻した後、シールド層としてパラフィン
ワックスを入れた電気絶縁性ガラス(コーニング社製#
7059)よりなる気密ケースをかぶせ、エポシキ系接
着剤(商品名:セメダインスーパー5、セメダイン社
製)で貼り合わせて有機LED素子を作成した。
【0052】また、パラフィンワックスと気密ケースを
設けなかった以外は実施例1と全く同様にして有機LE
D素子を作成し、比較例1用の素子とした。実施例1及
び比較例1で得られた各有機LED素子を大気中に2週
間放置した後、各試料に初期輝度が220cd/m2
なるように直流電流を流し、初期輝度が半分になるのに
要する時間(発光寿命)を測定した。
【0053】その結果、比較例1の素子は200時間に
て破壊され又、保存においてもダークスポット(電界印
加によっても発光しない部分)が発光面全体に広がって
いたが、実施例1の素子では、発光寿命は2500時間
であり、保存の場合でもダークスポットの拡大はみられ
なかった。
【0054】実施例2 シールド層としてパラフィンワックスのかわりに鯨ろう
を用いた以外は、実施例1と全く同様にして有機LED
素子を作成した。この素子について実施例1と同様の評
価を行ったところ、発光寿命は2200時間と長寿命で
あり、保存によるダークスポットの拡大はみられなかっ
た。
【0055】実施例3 シールド層としてパラフィンワックスのかわりにみつろ
うを用いた以外は、実施例1と全く同様にして有機LE
D素子を作成した。この素子について実施例1と同様の
評価を行ったところ、発光寿命は2000時間と長寿命
であり、保存によるダークスポットの拡大はみられなか
った。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、陽極及
び陰極並びに有機化合物層よりなる積層構造体を保護層
でおおい、さらにこの保護層の外側に電気絶縁性有機材
料からなるシールド層を設けたことで、素子内の発光層
に水分や酸素等の侵入を防止し、放熱/熱吸収性が良く
素子内部の温度上昇を抑えることができ、安定な長期間
の素子駆動が可能な発光素子を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の発光素子の他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 透明性基板 2 陽極 3 有機化合物層 4 陰極 5 気密ケース 6 封止剤 7 シールド層 8 積層構造体 9 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 妹尾 章弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 真下 精二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浦川 伸一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB06 AB13 AB14 BB01 BB02 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極及び陰極と、これらの間に挟持され
    た一つ又は複数の有機化合物からなる層とから構成され
    る積層構造体を有する発光素子において、該積層構造体
    を電気絶縁性有機材料からなるシールド層で被覆してな
    ることを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】 前記積層構造体を保護層で被覆し、その
    保護層の外側を電気絶縁性有機材料からなるシールド層
    で被覆してなる請求項1記載の発光素子。
  3. 【請求項3】 前記シールド層の外側に気密ケースが設
    けられている請求項1または2記載の発光素子。
  4. 【請求項4】 前記電気絶縁性有機材料からなるシール
    ド層が熱吸収層を兼ねている請求項1乃至3のいずれか
    の項に記載の発光素子。
  5. 【請求項5】 前記電気絶縁性有機材料の融点が20〜
    300℃の範囲である請求項1乃至4のいずれかの項に
    記載の発光素子。
  6. 【請求項6】 前記電気絶縁性有機材料が高級炭化水素
    及び高級アルコールの固形エステルからなる請求項5記
    載の発光素子。
  7. 【請求項7】 前記電気絶縁性有機材料が植物ろう、動
    物ろう、石油ろう、鉱物ろう、合成ろうの単独またはそ
    れらの混合物よりなる請求項6記載の発光素子。
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