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JP2000052520A - ガスバリヤー性積層体 - Google Patents

ガスバリヤー性積層体

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Publication number
JP2000052520A
JP2000052520A JP10224388A JP22438898A JP2000052520A JP 2000052520 A JP2000052520 A JP 2000052520A JP 10224388 A JP10224388 A JP 10224388A JP 22438898 A JP22438898 A JP 22438898A JP 2000052520 A JP2000052520 A JP 2000052520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyglycolic acid
coating
gas barrier
film
weight
Prior art date
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Pending
Application number
JP10224388A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kawako
隆 河向
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガスバリヤー性、特に高湿環境下でのガスバリ
ヤー性に優れたバリヤー性フィルムを得ること。 【解決手段】支持体表面にポリグリコール酸を含む溶液
を塗布、乾燥して得られたバリヤー層が積層されたガス
バリヤー性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種包装材料とし
て好適なガスバリヤー性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】食品などの包装においては内容物の品質
を保護する観点からガスバリヤー性、特に酸素、水蒸
気、二酸化炭素及び香気(アロマ、フレーバー)のバリ
ヤー性が重要な品質である。このようなバリヤー性素材
を使用した包装材料は菓子袋、カツオパック、レトルト
パウチ、ハムやソーセージなどの肉類包装、魚介類の包
装、乳製品の包装、みそ類の包装、茶・コーヒー類の包
装、炭酸ガス飲料容器、化粧品、農薬、医療などの多く
の分野で利用されている。一方、ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート
(PEN)などのポリエステル、ポリアミド、ポリスチ
レン、エチレン酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂
は強度、耐熱性、透明性などが優れているため広く包装
材料として用いられている。しかし、これら熱可塑性樹
脂からなるフィルムを包装素材として用いる場合、ガス
バリヤー性が不十分なため、ガスバリヤー性の高い熱可
塑性樹脂や、アルミ箔、アルミ蒸着フィルムなどと積層
して包装材料とする方法が一般的である。
【0003】ガスバリヤー性の高い熱可塑性樹脂にはポ
リビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコ
ール(EVOH、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン
化物)、ポリアルコール(ポリケトンの還元物)、塩化
ビニリデン(PVDC)などが挙げられるが、PVAや
EVOHのような水酸基による水素結合によってバリヤ
ー性を発揮している樹脂は高湿度(例えば20℃80%
RH以上)でのバリヤー性が急激に低下する問題があ
る。また、PVDCは環境問題に対する意識の高まりの
ため包装材料として使用するのを極力控えようとするの
が最近の情勢である。一方、アルミ箔やアルミ蒸着フィ
ルムを使用した包材も環境問題の他に金属探知器が使用
できないという欠点を有しており、特定の包装にしか用
いられていない。また、ポリグリコール酸のフィルムを
使用してバリア性フィルムあるいは積層体を得る方法
(特開平6−256480、特開平10−60137、
特開平10−60138、特開平10−80990)が
あるが、いずれもポリグリコール酸の押出し成形やイン
フレーションによる溶融成形であり、ポリグリコール酸
溶液を支持体に塗布・乾燥することによって得られる積
層体に関する具体的な記載は全く認められない。また、
ポリグリコール酸樹脂はその溶融成形加工が容易でなく
工業的に製造する上で種々の問題点があるのが現状であ
る。しかしながら本発明によれば支持体に塗布・乾燥す
るという簡単な方法でバリア性積層体を得ることができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はガスバリヤー
性、特に高湿環境下でのガスバリヤー性に優れたバリヤ
ー性フィルムを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
支持体表面にポリグリコール酸を含む溶液を塗布、乾燥
して得られたバリヤー層が積層されたガスバリヤー性積
層体に関するものである。本発明の第2の発明は、上記
第1の発明において支持体が熱可塑性樹脂フィルム、紙
あるいは紙と熱可塑性樹脂フィルムの積層体のいずれか
であるガスバリヤー性積層体に関するものである。本発
明の第3の発明は、上記第1又は第2の発明においてバ
リヤー層には更に無機層状化合物が含まれているガスバ
リヤー性積層体に関するものである。本発明の第4の発
明は、上記第1〜第3のいずれかの発明においてポリグ
リコール酸溶液にはカップリング剤が含まれているガス
バリヤー性積層体に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
本発明で使用するポリグリコール酸は式(1)で表され
る化合物である。
【0007】
【化1】
【0008】ポリグリコール酸の合成方法に特に制限は
ないが、例えば、グリコール酸(HO-CH2-COO
H)の脱水重縮合、グリコール酸の環状二量体(グリコ
リド=1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)の開環重
合、ハロ酢酸を出発原料とする重合、一酸化炭素とホル
ムアルデヒドの共重合などがある。グリコール酸を直接
脱水縮合する方法として、グリコール酸を無機固体酸触
媒の存在下または不存在下に重縮合反応して得る方法
(特開昭61−28521号公報)の他様々な方法があ
る(特公平2−52930号公報、特公平5−1396
3号公報、特開平6−65360号公報など)。また、
グリコール酸の開環重合による方法としてグリコール酸
を脱水縮合して得たグリコリドをオクタン酸スズの存在
下に開環重合する方法(特公昭56−14688号公
報、特開平2−69553号公報)や他の触媒(ハロゲ
ン化スズ、ハロゲン化アンチモンなどのカチオン触媒)
の存在下で合成する方法、あるいはグリコール酸オリゴ
マーを溶液中で解重合させ、得られたグリコリドを開環
重合する方法(特開平10−80990号公報)があ
る。またハロ酢酸を出発原料とする方法としては、ブロ
モ酢酸とトリエチルアミンをクロロホルム中で室温反応
させる方法(J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed., 22,1131-1
140(1984))がある。一酸化炭素とホルムアルデヒドか
らポリグリコール酸を得る方法としては、ホルムアルデ
ヒド類と一酸化炭素を酸触媒の存在下、50〜350kg
/cm2の圧力下で重合反応させる方法がある(日化,2,
257-262(1982))。
【0009】また、ポリグリコール酸として他のモノマ
ーと共重合させたポリグリコール酸共重合体を用いても
よい。ポリグリコール酸共重合体のコモノマーとして、
例えばラクチド、ラクトン類(例えば、β−プロピオラ
クトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ピ
バロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−
バレロラクトン、ε−カプロラクトンなど)、トリメチ
レンカーボネート、1,3−ジオキサンなどの環状モノ
マー;乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸、4−ヒドロキ
シブタン酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキ
シカルボン酸またはそのアルキルエステル;エチレング
リコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族ジオー
ルと、こはく酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸ま
たはそのアルキルエステルとの実質的等モルの混合物が
挙げられる。これらコモノマーあるいはこれらの2種以
上をグリコリド、グリコール酸、またはグリコール酸ア
ルキルエステルと適宜組み合わせて前記重合方法におい
て適宜組み合わせて共重合すればよい。ポリグリコール
酸の分子量は特に制限はないが、重量平均分子量として
1000〜300,000が好ましい。分子量が100
0に満たないとグリコール酸のオリゴマーやモノマーの
含有量が増え、塗工膜の支持体への密着性が低下して好
ましくない。分子量が300,000を越えると溶媒に
対する溶解度が低くなり塗工適性が悪くなるので好まし
くない。
【0010】ポリグリコール酸は溶剤に溶解させて使用
する。ポリグリコール酸の溶媒(溶剤)としてはポリグ
リコール酸が溶解する溶剤であれば特に制限はないが、
例えばクロロホルム、フェノール、トリクロロフェノー
ル、トリクロロ酢酸、ジメチルスルホキシド、ジメチル
ホルムアミド、メチルエチルケトン、エタノール、イソ
プロパノールや、これらの混合溶媒あるいは他の溶剤と
の混合溶媒が挙げられる。ポリグリコール酸の溶液中の
濃度も特に制限はないが1%〜30%が好適である。濃
度が1%に満たないと多量の溶剤が必要となり不経済で
あり、30%を越えると粘度が非常に高くなるため塗工
適性が悪くなる。また、ポリグリコール酸溶液は溶媒に
応じて加温して濃度、粘度を調製して塗工することもで
きる。
【0011】ポリグリコール酸溶液の塗工方法に特に制
限はないが、バー塗工、ブレード塗工、エアナイフ塗
工、ダイ塗工、カーテン塗工、ロール塗工、ゲートロー
ル塗工、ディップ塗工、ドクターナイフ塗工、グラビア
塗工、含浸、スプレー、刷毛塗りなどが挙げられる。塗
工後の乾燥方法も特に制限はないが、支持体と溶媒の種
類に応じて乾燥温度や乾燥時間を決める。また減圧状態
で乾燥してもよい。ポリグリコール酸あるいはポリグリ
コール酸と無機層状化合物の塗膜の厚みは乾燥厚みで
0.5μm〜50μm、より好ましくは3μm〜30μ
m、さらに好ましくは5μm〜20μmである。塗布量
が0.5μm未満になると十分なバリヤー性を発揮しな
い。逆に塗布量が50μmを越えて大きくなるとバリヤ
ー性の効果が頭打ちとなり不経済である。
【0012】本発明で使用する支持体として用いる熱可
塑性樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどの
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウ
レタン、ポリこはく酸エステル、ポリ乳酸、ポリ酢酸ビ
ニル、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン酢
酸ビニル共重合体より選ばれる熱可塑性樹脂あるいはこ
れらの混合物が好ましい。支持体として紙あるいは紙と
熱可塑性樹脂の積層体を使用してもよい。また、熱可塑
性樹脂支持体の表面をコロナ放電やプラズマ処理によっ
て表面改質した熱可塑性樹脂支持体を用いてもよい。さ
らに熱可塑性樹脂支持体表面に、ウレタン系やアクリル
系のアンカーコート剤を塗布、乾燥した支持体を使用し
てもよい。支持体が紙の場合は紙表面に直接ポリグリコ
ール酸を塗布、乾燥しても良いし、紙にデンプン、ポリ
ビニルアルコール、ロジン系、合成樹脂(スチレンブタ
ジエン系、アクリル系)などやこれらと炭酸カルシウ
ム、クレー、カオリンなどの顔料との混合物からなるコ
ート層を設けてその表面にポリグリコール酸溶液を塗
布、乾燥してもよい。支持体が紙あるいはコート層を設
けた紙である場合は、紙及びポリグリコール酸に生分解
性があるため、生分解性を有するガスバリヤー性積層体
として使用することも可能である。
【0013】本発明における無機層状化合物はバリヤー
性向上の効果がある。無機層状化合物は平板性であり、
無機層状化合物がポリグリコール酸塗工膜中において塗
工層表面に対して平行に配列構造を取り、その結果ガス
の膜中の透過距離を増大する効果によりバリヤー性が発
揮される。本発明で用いる無機層状化合物とは、単位結
晶層が互いに積み重なって層状構造を形成している無機
化合物であって、平板状の無機化合物をいう。言い換え
れば原子が共有結合などによって強く結合して密に配列
した面が、ファン・デル・ワールス力などの弱い結合力
によって平行に積み重なった層状構造を有する化合物な
いしは物質である。
【0014】無機層状化合物のアスペクト比は5以上が
好ましい。無機層状化合物のアスペクト比5が未満にな
るとバリヤー性向上の効果が小さい。本発明で言うアス
ペクト比は、無機層状化合物の平均粒子径をその厚さで
除した値である。アスペクト比が大きいほど平板性が大
きいといえる。無機層状化合物の厚さは電子顕微鏡によ
る観察によって求められる。また、X線回折法によって
得られる面間隔を単位厚み(無機層状化合物の厚さ)と
する方法(特開平10−86268)もある。この方法
は水または溶剤などの溶媒で分散した無機層状化合物
が、溶媒によって非常に膨潤しやすいモンモリロナイト
のような無機層状化合物であり、かつ厚みが数10nm
以下の無機層状化合物には有効な方法である。しかし、
白雲母のように溶媒によって膨潤・劈開しにくいような
無機層状化合物においては単位厚みの層が何層も重なっ
ているもので、X線回折法により得られる厚さは実際の
厚さを示してはいない。その場合は無機層状化合物を含
むポリグリコール酸の塗工膜の、断面電顕写真を観察す
ることで厚さを求めることができる。
【0015】また、無機層状化合物のアスペクト比はM
axwellの曲路効果(J.Macromol.Sci.(Chem), A1
(5), 929(1967))によって求めることができる。Max
wellの曲路効果においては、無機層状化合物を含ん
だ膜のガス透過係数が、無機層状化合物のアスペクト比
と体積分率から求められる。そのため、無機層状化合物
とポリグリコール酸の配合比を変えた膜において、ガス
透過係数を求めることによってアスペクト比を得ること
ができる。アスペクト比から無機層状化合物の平均粒子
径より無機層状化合物の厚さが得られる。無機層状化合
物の平均粒子径は回折・散乱法によって求められる。市
販の装置としてはコールター社製レーザー回折・光散乱
法粒度測定装置LS230,LS200,LS100、
島津製作所製レーザー回折式粒度分布装置SALD20
00,SALD2000A,SALD3000、堀場製
作所製レーザー回折・散乱式粒度分布装置LA910,
LA700,LA500、日機装製マイクロトラックS
PA,マイクロトラックFRAなどが挙げられる。本発
明で言う平均粒子径は、上記した回折・散乱法による粒
径測定法により求めた体積基準のメジアン系である。本
発明で使用する無機層状化合物の平均粒子径は0.01
μm〜100μmが好ましい。平均粒子径が100μm
を超えると塗工膜から無機層状化合物が突き出したりし
てバリヤー性が低下する。また、粒子径が0.01μm
に満たないと無機層状化合物が平行に配向しづらくな
り、バリヤー性向上の効果が期待できなくなる。
【0016】本発で使用できる無機層状化合物の一例と
してグラフィト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジ
ルコニウム系化合物など)、カルコゲン化物、粘度系鉱
物などを挙げることができる。カルコゲン化物とはIV族
(Ti,Zr,Hf)、V族(V,Nb,Ta)、VI族
(Mo,W)のジカルコゲン化物であって式MX2(M
は上記元素、XはSやSeやTeのカルコゲンを示す)
で示されるものである。粘土系鉱物は無機層状化合物と
して好適に用いられる。このような粘土系鉱物は、一般
にシリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシ
ウムなどを中心金属にした八面体層を有する2層構造を
有するタイプと、シリカの四面体層が、アルミニウムや
マグネシウムなどを中心金属にした八面体層を両側から
挟んでなる3層構造を有するタイプに分類される。前者
の2層構造タイプとしては、カオリナイト族、アンチゴ
ライト族などを挙げることができ、後者の3層構造タイ
プとしては、層間カチオンの数によってスメクタイト
族、バーミュキライト族、マイカ族などを挙げることが
できる。
【0017】これらの粘土系鉱物としては、より具体的
にはベントナイト、カオリナイト、ディッカイト、ナク
ライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイ
ル、パイロフィライト、スメクタイト、モンモリロナイ
ト、ヘクトライト、サポナイト、ハイデライト、スティ
ブンサイト、合成スメクタイト、テトラシリックマイ
カ、ナトリウムテニオライト、タルク(滑石)、緑泥
石、セプテ緑石、蛇紋石、スチルプノメレーン、白雲母
(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フ
ロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母
(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイ
カ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲
母、マーガライト、バーミキュライト、ザンソフィライ
トが挙げられる。これら無機層状化合物は水あるいは溶
剤に分散させた後、ポリグリコール酸溶液と混合して塗
料とし、この無機層状化合物とポリグリコール酸の混合
溶液を支持体表面に塗布乾燥する。また、無機層状化合
物を直接ポリグリコール酸溶液に分散させてもよい。無
機層状化合物の分散時に分散剤や消泡剤などが適宜使用
できる。無機層状化合物とポリグリコール酸の重量比は
1/99〜70/30が好ましい。無機層状化合物が1
重量%未満になるとバリヤー性向上の効果が発揮できな
い。また70重量%を越えると塗工膜中に多量の空隙が
できてバリヤー性が低下する。
【0018】本発明で使用するカップリング剤は、支持
体とポリグリコール酸塗膜の密着強度を向上させるため
に用いられる。本発明で使用するカップリング剤として
は、親水基部分にSiを含むシランカップリング剤、親
水基部分にTiを含むチタネートカップリング剤、親水
基部分にAlを含むアルミニウムカップリング剤等が挙
げられる。カップリング剤の構造は、フィロケイ酸塩化
合物のような無機化合物と相互作用する親水基と、樹脂
のような有機化合物と相互作用する疎水基に大別され、
特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素やSiに
結合したアルコキシ基を加水分解して得られる。
【0019】該カップリング剤には、2−グリシドキシ
エチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルト
リエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−アミ
ノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕エチルト
リメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)ア
ミノ〕プロピルトリメトキシシラン、3−〔N−(2−
アミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン、
3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチ
ルジメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメ
トキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシ
シラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、、3
−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルアセト
キシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2
−クロロエチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、
イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チ
タネートなどが挙げられる。
【0020】こうしたカップリング剤を、ポリグリコー
ル酸溶液あるいはポリグリコール酸と無機層状化合物の
混合溶液に添加して用いる。この時カップリング剤の加
水分解を促進するために、少量の水を加えるのが好まし
い。また加える水のpHをコントロールすることで、カ
ップリング剤の加水分解の速度を調節することができ
る。 このようなカップリング剤はポリグリコール酸樹
脂と支持体の密着性を向上させる効果がある。また無機
層状化合物とポリグリコール酸溶液にカップリング剤を
添加した溶液で塗布膜を形成すると、バリヤー性がさら
に向上する効果がある。あらかじめ無機層状化合物をカ
ップリング剤で処理したものを使用してもよい。カップ
リング剤の添加量はポリグリコール酸100重量部に対
して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜5重量部
である。添加量が0.1重量部未満の場合、カップリン
グ剤によるフィロケイ酸塩化合物表面の被覆が不十分と
なるため好ましくなく、20重量部を越える場合、カッ
プリング剤の効果が頭打ちとなるため不経済である。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。特に断らない限り「部」及び「%」はそれぞれ「重
量部」及び「重量%」を表す。
【0022】実施例1 クロロホルム100重量部に、分子量8,000のポリ
グリコール酸15重量部を60℃で加温させながら溶解
させ、ポリグリコール酸溶液を作製した。得られたポリ
グリコール酸溶液を、溶液の温度を45℃に維持したま
ま厚さ25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋
紡績製、商品名:E−5100)上にメイヤーバーで乾
燥厚さが15μmになるように塗布し、熱風乾燥機を用
いて110℃2分間乾燥してガスバリヤー性積層体を作
製した。
【0023】実施例2 クロロホルム100重量部に、分子量15,000のポ
リグリコール酸10重量部を60℃で加温させながら溶
解させ、ポリグリコール酸溶液を作製した。得られたポ
リグリコール酸溶液を、溶液の温度を40℃〜50℃に
維持したまま厚さ25μmの二軸延伸ポリエステルフィ
ルム(東洋紡績製、商品名:E−5100)上にメイヤ
ーバーで乾燥厚さが10μmになるように塗布し、熱風
乾燥機を用いて110℃2分間乾燥してガスバリヤー性
積層体を作製した。
【0024】実施例3 支持体として坪量70g/m2のコート紙(王子製紙製、
商品名:OKトップコート紙)を用いたこと以外は実施
例1と同様にしてガスバリヤー性積層体を作製した。
【0025】実施例4 支持体として晒クラフト紙にポリエチレンを15μmラ
ミネートしたポリエチレンラミネート紙(ポリラミ紙)
を用いたこと以外は実施例1と同様にしてガスバリヤー
性積層体を作製した。
【0026】実施例5 クロロホルム100重量部に平均粒子径20μm、アス
ペクト比20〜30の白雲母30重量部分散し、無機層
状化合物分散液を作製した。別にクロロホルム100重
量部に、分子量8,000のポリグリコール酸15重量
部を60℃で加温させながら溶解させ、ポリグリコール
酸溶液を作製した。液温45℃の無機層状化合物分散液
100重量部と、液温45℃のポリグリコール酸溶液3
00重量部を混合した溶液を、溶液の温度を45℃に維
持したまま厚さ25μmの二軸延伸ポリエステルフィル
ム(東洋紡績製、商品名:E−5100)上にメイヤー
バーで乾燥厚さが15μmになるように塗布し、熱風乾
燥機を用いて110℃2分間乾燥してガスバリヤー性積
層体を作製した。
【0027】実施例6 クロロホルム100重量部に平均粒子径20μm、アス
ペクト比20〜30の白雲母15重量部を分散し、無機
層状化合物分散液を作製した。別にクロロホルム100
重量部に、分子量8,000のポリグリコール酸15重
量部を60℃で加温させながら溶解させ、ポリグリコー
ル酸溶液を作製した。液温45℃の無機層状化合物分散
液100重量部と、液温45℃のポリグリコール酸溶液
150重量部を混合し、アミノシランカップリング剤
(信越化学製、商品名:KBM603)を0.5重量部
添加し、得られた溶液を溶液の温度を45℃に維持した
まま厚さ25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東
洋紡績製、商品名:E−5100)上にメイヤーバーで
乾燥厚さが25μmになるように塗布し、熱風乾燥機を
用いて110℃2分間乾燥してガスバリヤー性積層体を
作製した。
【0028】実施例7 クロロホルム100重量部に単位結晶の粒子径が1μ
m、厚さが1nm(アスペクト比1000)のモンモリ
ロナイト5重量部分散し、無機層状化合物分散液を作製
した。別にクロロホルム100重量部に、分子量8,0
00のポリグリコール酸5重量部を60℃で加温させな
がら溶解させ、ポリグリコール酸溶液を作製した。液温
45℃の無機層状化合物分散液100重量部と、液温4
5℃のポリグリコール酸溶液150重量部を混合し、得
られた溶液を溶液の温度を45℃に維持したまま厚さ2
5μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績製、
商品名:E−5100)上にメイヤーバーで乾燥厚さが
5μmになるように塗布し、熱風乾燥機を用いて110
℃2分間乾燥してガスバリヤー性積層体を作製した。
【0029】比較例1 実施例1で使用した25μmの二軸延伸ポリエステルフ
ィルム(東洋紡績製、商品名:E−5100)を用いて
実施例と同様にして試験し、品質を評価した。
【0030】比較例2 実施例3で使用した坪量70g/m2のコート紙(王子製
紙製、商品名:OKトップコート紙)を用いて実施例と
同様にして試験し、品質を評価した。
【0031】比較例3 実施例4で使用した晒クラフト紙にポリエチレンを15
μmラミネートしたポリエチレンラミネート紙(ポリラ
ミ紙)を用いて実施例と同様にして試験し、品質を評価
した。
【0032】比較例4 厚さ25μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ
製、商品名:ビニロンフィルムVF−F)を用いて実施
例と同様にして試験し、品質を評価した。
【0033】比較例5 厚さ15μmのエチレンビニルアルコールフィルム(ク
ラレ製、商品名:エバールフィルムEF−F)を用いて
実施例と同様にして試験し、品質を評価した。
【0034】<試験方法> 1)透湿度 JIS Z0208 B法(カップ法)に準じ、塗工面
を外側にし、40℃90%(相対湿度)にて透湿度を測
定した。サンプルはスリットのない部分とした。透湿度
が、平板で50g/m2・24hr以下、より好ましくは45g
/m2・24hr以下であれば十分実用性がある。 2)酸素透過度 JIS K7126 B法(等圧法)で塗工面を酸素検
出器側にして20℃100%(WET)条件で測定した
(酸素透過度測定装置:OX−TRAN100型、MO
CON社製)。
【0035】
【表1】
【0036】表1より、ポリグリコール酸溶液を支持体
に塗布、乾燥して得られた積層体の水蒸気及び酸素のバ
リヤー性が向上していることが判る。また、無機層状化
合物やカップリング剤を含む塗工層はさらにバリヤー性
が向上している。また、バリヤー性フィルムであるポリ
ビニルアルコールフィルムやエチレンビニルアルコール
フィルムより酸素バリヤー性が優れていることが判る。
【0037】
【発明の効果】本発明によればガスバリヤー性、特に高
湿環境下でのガスバリヤー性に優れたバリヤー性フィル
ムを得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体表面にポリグリコール酸を含む溶液
    を塗布、乾燥して得られたバリヤー層が積層されたガス
    バリヤー性積層体。
  2. 【請求項2】支持体が熱可塑性樹脂フィルム、紙あるい
    は紙と熱可塑性樹脂フィルムの積層体のいずれかである
    請求項1に記載のガスバリヤー性積層体。
  3. 【請求項3】バリヤー層には更に無機層状化合物が含ま
    れている請求項1又は2に記載のガスバリヤー性積層
    体。
  4. 【請求項4】ポリグリコール酸溶液にはカップリング剤
    が含まれている請求項1〜3のいずれかに記載のガスバ
    リヤー性積層体。
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