Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

サーティース・TS14

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サーティース・TS14
サーティース・TS14A
2012年のシルバーストン・クラシックで
2012年のシルバーストン・クラシックで
カテゴリー F1
コンストラクター サーティース
デザイナー ジョン・サーティース
先代 サーティース・TS9B
後継 サーティース・TS16
主要諸元
シャシー アルミニウムモノコック
トレッド
前:1,524 mm (60.0 in)
後:1,549 mm (61.0 in)
ホイールベース 2,565 mm (101.0 in)
エンジン フォード コスワースDFV 2,993 cc (182.6 cu in) V8 自然吸気 ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション ヒューランド FG 400 5速 マニュアル
重量 590 kg (1,300.7 lb)
燃料 ダッカムス
FINA
タイヤ ファイアストン
主要成績
チーム チーム・サーティース
ブルック・ボンド オクソ チーム・サーティース
ドライバー イギリスの旗 ジョン・サーティース
オーストラリアの旗 ティム・シェンケン
ブラジルの旗 ホセ・カルロス・パーチェ
イギリスの旗 マイク・ヘイルウッド
ドイツの旗 ヨッヘン・マス
初戦 1972年イタリアグランプリ
出走優勝ポールFラップ
17000
テンプレートを表示

サーティース・TS14 (Surtees TS14) は、サーティース1972年および1973年F1世界選手権に投入したフォーミュラ1カージョン・サーティースによって設計された[1][2]

レース戦績

[編集]

1972

[編集]

TS14は1972年イタリアグランプリでデビューした。チームオーナー兼ドライバーのジョン・サーティースにのみ用意されたが、燃料システムのトラブルでリタイアとなっている[3]。カナダグランプリではTS14は使用されず、最終戦のアメリカグランプリでは2台準備され、サーティースに加えてティム・シェンケンもドライブした。決勝はサーティースがエンジンが不足したためスタートできず、シェンケンもサスペンショントラブルでリタイアとなった[4]

1973

[編集]
1973年型TS14 マロリー・パークで、2009年

1973年、チームはTS14をTS14Aにアップデートし、ドライバーラインナップも元オートバイ世界チャンピオンのマイク・ヘイルウッドブラジル人ドライバーのホセ・カルロス・パーチェが起用された。開幕戦のアルゼンチングランプリでは両者とも同じ周回数でリタイアしている。ヘイルウッドはサスペンショントラブル、パーチェはハーフシャフト破損が原因であった[5]。ブラジルグランプリではヘイルウッドはギアボックストラブル、パーチェはサスペンショントラブルでリタイアした[6]。南アフリカグランプリでは両名ともアクシデントでリタイアしている。パーチェはタイヤがパンクし、ヘイルウッドはクレイ・レガツォーニBRMと衝突した。レガツォーニ車は炎上し、レガツォーニは意識不明のまま車に取り残された。ヘイルウッドは炎の中に飛び込み、レガツォーニのベルトを外して彼を車から引きずり出した。ヘイルウッドはこの勇敢な行動で後にジョージ・メダル英語版を授与された。レガツォーニは病院に搬送されたが、軽度の火傷で済んでいる[7]。スペイングランプリでもヘイルウッドはオイル漏れ、パーチェはハーフシャフト破損と両者共にリタイアとなっている[8]。ベルギーグランプリではパーチェが8位で完走したが、ヘイルウッドはアクシデントのためリタイアした[9]。モナコでは逆にヘイルウッドが8位で完走、パーチェはハーフシャフトが破損しリタイアした[10]。スウェーデングランプリではヘイルウッドがタイヤトラブルでリタイアし、パーチェは10位で完走した[11]。フランスグランプリではヘイルウッドがオイル漏れでリタイアし、パーチェは13位で終わった[12]。イギリスグランプリではヨッヘン・マスがサードドライバーとして加わったが、3名ともスタート直後の多重事故のためリタイアした。この事故に巻き込まれながら逃れることができたのはシャドウグラハム・ヒルのみであった[13]。オランダグランプリではヘイルウッドは電気系統のトラブルでリタイア、パーチェは7位で完走した[14]。第11戦ドイツグランプリでは再びマスが加わり3台体制となった。このレースでは3名とも完走、パーチェが4位、マスが7位、ヘイルウッドが14位となる[15]。オーストリアグランプリは2台体制に戻り、パーチェが3位に入りヘイルウッドは10位となった[16]。イタリアグランプリはヘイルウッドが7位、パーチェはタイヤトラブルでリタイア[17]、カナダグランプリではヘイルウッドが9位、パーチェはホイールのトラブルでリタイアとなった[18]。最終戦アメリカグランプリも3台体制となったが、パーチェとヘイルウッドはサスペンショントラブル、マスはエンジントラブルでリタイアした。

チームは1974年シーズン、TS14に代えてTS16を投入した。

F1における全成績

[編集]

(key) (斜体ファステストラップ

チーム シャシー エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ポイント 順位
1972年 チーム・サーティース TS14 フォード コスワースDFV 3.0 V8 F ARG
アルゼンチンの旗
RSA
南アフリカの旗
ESP
スペインの旗
MON
モナコの旗
BEL
ベルギーの旗
FRA
フランスの旗
GBR
イギリスの旗
GER
ドイツの旗
AUT
オーストリアの旗
ITA
イタリアの旗
CAN
カナダの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
181 5位1
ジョン・サーティース Ret DNS
ティム・シェンケン Ret
1973年 ブルック・ボンド オクソ チーム・サーティース TS14A フォード コスワースDFV 3.0 V8 F ARG
アルゼンチンの旗
BRA
ブラジルの旗
RSA
南アフリカの旗
ESP
スペインの旗
BEL
ベルギーの旗
MON
モナコの旗
SWE
スウェーデンの旗
FRA
フランスの旗
GBR
イギリスの旗
NED
オランダの旗
GER
ドイツの旗
AUT
オーストリアの旗
ITA
イタリアの旗
CAN
カナダの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
7 7位
マイク・ヘイルウッド Ret Ret Ret Ret Ret 8 Ret Ret Ret Ret 14 10 7 9 Ret
ホセ・カルロス・パーチェ Ret Ret Ret Ret 8 Ret 10 13 Ret 7 4 3 Ret Ret Ret
チーム・サーティース ヨッヘン・マス Ret 7 Ret

^1 すべてのポイントをサーティース・TS9Bが獲得した。

ノンタイトル戦における全成績

[編集]

(key) (太字ポールポジション) (斜体ファステストラップ

チーム エンジン ドライバー タイヤ 1 2
1973年 ブルック・ボンド オクソ チーム・サーティース フォード コスワースDFV 3.0 V8 F ROC INT
マイク・ヘイルウッド Ret Ret
ホセ・カルロス・パーチェ DNA Ret

参照

[編集]
  1. ^ Surtees Ford”. Stats F1. 27 February 2016閲覧。
  2. ^ Surtees TS14”. Jonathan Davies. 27 February 2016閲覧。
  3. ^ Grand Prix results, Italian GP 1972”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  4. ^ Grand Prix results, United States GP 1972”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  5. ^ Grand Prix results, Argentine GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  6. ^ Grand Prix results, Brazilian GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  7. ^ Grand Prix results, South African GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  8. ^ Grand Prix results, Spanish GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  9. ^ Grand Prix results, Belgian GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  10. ^ Grand Prix results, Monaco GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  11. ^ Grand Prix results, Swedish GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  12. ^ Grand Prix results, French GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  13. ^ Grand Prix results, British GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  14. ^ Grand Prix results, Dutch GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  15. ^ Grand Prix results, German GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  16. ^ Grand Prix results, Austrian GP 1973”. grandprix.com. 13 May 2016閲覧。
  17. ^ Grand Prix results, Italian GP 1973”. grandprix.com. 14 May 2016閲覧。
  18. ^ Grand Prix results, Canadian GP 1973”. grandprix.com. 14 May 2016閲覧。

外部リンク

[編集]