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ボブおじさん

ウィキッド ふたりの魔女のボブおじさんのレビュー・感想・評価

ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)
4.3
ライマン・フランク・ボームが1900年に発表した児童文学小説の名作「オズの魔法使い」(The Wonderful Wizard of Oz)の前日譚を描いたファンタジー・ミュージカル。

冒頭のスピード感溢れるカラフルな映像で早々に〝魔法と幻想の国オズ〟の世界へと吸い込まれる。とにかく映像が美しい。美術や衣装のデザイン・色使いが細部まで計算されており、まるで自分もこの世界へ連れてこられたかのようだ。

特に物語の中心舞台となるシズ大学の外観やグリンダの部屋の内装更には図書館や食堂の設えなど全ての美術セットが、どれもこれも美しくしい上にユニークで素晴らしい。

その素晴らしい舞台で主演の2人、圧倒的な表現力を誇る実力派俳優シンシア・エリヴォ(エルファバ)と唯一無二の歌声をもつ世界的スーパースターのアリアナ・グランデ(グリンダ)が歌い・踊り・演じている。

シンシア・エリヴォの歌と演技の実力は「ピノキオ」などでも確認済みだったが、驚いたのはアリアナ・グランデの表現豊かでコミカルな演技力と普段のポップス調とは全く異なる完璧なミュージカル調にシフトチェンジされた歌唱力だ。

本作に備えて相当な準備をこなしてきたと思えるが、その圧倒的なパフォーマンスで、思わず映画の世界観に引き込まれる。

本作は映画「オズの魔法使」やミュージカル「ウィキッド」を観たことがある人はもちろんだが、未見であっても十分に楽しめる。

だが、もし可能であれば本作を観る前に1939年制作のミュージカル映画の古典的名作「オズの魔法使」は観ておいたほうがいいと思う。

この映画の2人の主人公が「オズの魔法使」の中でどの様に描かれていたかを知ることで、この映画のストーリーがより一層深く心に染みることだろう。

本作は2部構成の前半パートとなり、2人の出会いから別々の道を歩むことになるまでを描いている。後半ではその2人が何故、この国で最も嫌われた〝悪い魔女〟と最も愛された〝善い魔女〟になったのかが描かれることになるだろう。

今から後半が楽しみで仕方ないのだが、ハーフタイムが長すぎる😅