レーゼドラマ(Lesedrama)は、上演を目的とせず、読まれることを目的に書かれた、脚本形式の文学作品のこと。ブーフドラマ(Buchdrama)とも言う。戯曲の一種とされる。対義語はビューネンドラマ(Bühnendrama)。いずれもドイツ語で、レーゼは「読む」、ブーフは「本」、ビューネンは「舞台の」という意味である。 なお、英語におけるクローゼット・ドラマ(Closet drama)は、ほぼ同義の概念である。また、「書斎劇」という漢字語も存在する。 シナリオ(映像作品の脚本)の形式で書かれたレーゼドラマを、レーゼシナリオという場合もある。 演劇評論家の岩淵達治は、平凡社世界百科事典に「近年の新しい演劇の試みのなかでの劇空間の拡大、また素朴な演劇性の再発見は、すべてのレーゼドラマの上演を可能にしたが、逆に最近の身体言語による演劇から見ると、従来書かれてきた戯曲はすべてレーゼドラマに等しいものだということもできよう」と書いた。