WO2023101023A1

WO2023101023A1 - 作業機

Info

Publication number: WO2023101023A1
Application number: PCT/JP2022/044626
Authority: WO
Inventors: 健熊倉
Original assignee: 工機ホールディングス株式会社
Priority date: 2021-12-03
Filing date: 2022-12-02
Publication date: 2023-06-08

Abstract

作業性を向上させた作業機の提供。照明装置４０は、照明装置４０は、切断刃２０の面延長上から切断刃２０側に光を照射して、被加工材の表面または被加工材の載置面に切断刃２０の影を投影する。照明装置４０の光軸方向を所定方向、所定方向と直交し切断刃２０の側面と平行な方向を第１方向、切断刃２０の側面と直交する方向を第２方向としたとき、照明装置４０の発する光の照射範囲は、第１方向における照射範囲が、第２方向における照射範囲よりも大きい。

Description

作業機

本発明は、照明装置を有する作業機に関する。

下記特許文献１は、卓上切断機を開示する。卓上切断機は、上下に揺動可能な切断部を下方に下げることでベース上に載置された木材等の被加工材を切断可能に構成される。

特開2018-108620号公報

卓上切断機により被加工材の切断箇所を正確に切るためには、切断部を下方に下げて鋸刃と被加工材を近接させ、鋸刃と被加工材の切断目標箇所の位置が合っているかを確認しなければならない。この場合、鋸刃と被加工材を近接させて位置合わせする作業が手間であったり、目視による確認時に周囲が暗いと確認が困難になったりと、作業性に難があった。ここで、照明装置によって切断箇所周辺を照らすことを考えた場合、作業性を良くするためには切断箇所周辺を十分に明るくする必要がある。一方で、切断箇所周辺以外を不要に照らすと、ベース面での反射光で目が眩み、作業性が低下する。卓上切断機以外の作業機においても、作業箇所の明るさの確保や、不要箇所への光の照射の抑制が、作業性の向上のために重要である。

本発明は、作業性を向上させた作業機の提供を目的とする。

本発明のある態様は、先端工具と照明装置を有する作業機であって、前記照明装置は、前記先端工具による作業箇所に向けて光を所定方向へ照射する照射部を有し、前記所定方向と直交する方向を第１方向とし、前記所定方向及び前記第１方向と直交する方向を第２方向としたとき、前記照射部は、発光部と、前記発光部からの光を透過または反射させる調整部材と、を有し、前記調整部材は、前記第１方向における照射範囲が、前記第２方向における照射範囲よりも大きくなるように、前記照射範囲を調整するよう構成される。

本発明は「電動作業機」や「電動工具」、「電気機器」等と表現されてもよく、そのように表現されたものも本発明の態様として有効である。

本発明によれば、作業性を向上させた作業機の提供が可能となる。

本発明の実施の形態に係る作業機１の左側面図。作業機１の上面図。図２のＡ－Ａ断面図。作業機１の右側面図。図３のＢ－Ｂ断面図。図４のＣ－Ｃ断面図。作業機１のギヤケース１１内での照明装置４０の保持状態を示す断面図。照明装置４０の第１の断面図であり、作業機１の切断刃２０の存在平面で切断した断面図。照明装置４０の第２の断面図であり、切断刃２０の存在平面及び照明基板４８と垂直な平面で切断した断面図。被加工材２１の上面における、照明装置４０の発する光の照射範囲２３、及び照射範囲２３内に現れる切断刃２０のシャドーライン２２を示す模式図。カバー部材３０の内面の抑制部３５により光が散乱される様子を示す模式断面図。カバー部材３０の斜視図であり、カバー部材３０の内面のうち抑制部３５とされた部分をハッチングで示した斜視図。照明装置の第１変形例を示す断面図。図１３のＡ－Ａ断面図。照明装置の第２変形例を示す断面図。図１５のＡ－Ａ断面図。

以下において、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示である。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。

本実施の形態は、作業機１に関する。図１及び図２により、作業機１における互いに直交する前後、上下、左右方向を定義する。作業機１は、卓上切断機（卓上丸鋸）である。

作業機１は、ベース２、ターンテーブル３、及びフェンス４を有する。ベース２及びターンテーブル３は、ベース部の例示である。ベース２は、作業台等に載置される。ターンテーブル３は、ベース２の中央部に埋設され、上下方向と平行な回動軸によってベース２に対して回動可能である。ターンテーブル３の上面は、木材等の被加工材を載置する載置面（ベース面）となる。ベース２の上面とターンテーブル３の上面は、互いにほぼ面一となる。フェンス４は、ベース２の上面に設けられる。フェンス４に被加工材を当接させることにより、安定した切断作業が可能となる。

作業機１は、ホルダ５を有する。ホルダ５は、ターンテーブル３の後端部に、傾斜軸６を介して連結され、上方に立ち上がる。傾斜軸６は、ターンテーブル３の上面と略平行かつ切断刃２０の側面と略平行なシャフトである。傾斜軸６の軸心とターンテーブル３の上面は、上下方向において略同一位置にある。ホルダ５は、ターンテーブル３に対して、傾斜軸６を中心に左右に所定角度、例えば４５度の範囲で傾斜可能である。クランプレバー７により、ホルダ５の傾斜位置の固定、解除が可能である。

作業機１は、切断部１０を有する。切断部１０は、ホルダ５の上部に、揺動軸９を介して連結され、前上方向に延出する。揺動軸９は、切断刃２０の回転軸と略平行なシャフトである。切断部１０は、揺動軸９を中心に上下に揺動可能である。揺動軸９の周囲には、スプリング８が設けられる。スプリング８は、ホルダ５に対して切断部１０を上方に付勢する。図１～図４は、いずれも切断部１０が揺動上限位置にある状態を示す。

切断部１０は、ギヤケース（ソーカバー）１１、モータハウジング１２、及びハンドルハウジング１３を有する。ギヤケース１１は、例えばアルミ等の金属製である。ギヤケース１１は、切断刃２０の上部外周を覆う。モータハウジング１２及びハンドルハウジング１３は、例えば樹脂成形体であり、ギヤケース１１に連結され、ギヤケース１１の右方に位置する。

モータハウジング１２の後下部は、電池パック着脱部であり、電池パック１５を着脱可能に装着できる。モータハウジング１２は、図６に示すようにモータ１６を収容する。ハンドルハウジング１３のグリップ部には、作業者がモータ１６の起動、停止を切替え可能な駆動スイッチ（駆動操作部）１４が設けられる。ハンドルハウジング１３の根元部には、作業者が後述の照明装置４０の点灯、消灯を切替え可能な照明スイッチ（照明操作部）１８が設けられる。

作業機１は、モータハウジング１２内に、駆動部としてのモータ１６、及び制御基板１７を有する。モータ１６は、ここではインナーロータ型のブラシレスモータである。モータ１６は、電池パック１５の電力で動作する。モータ１６の回転軸は、揺動軸９と略平行である。制御基板１７は、マイクロコントローラやインバータ回路等を搭載する。制御基板１７は、モータ１６の駆動を制御する駆動制御部、及び後述の照明装置４０の点灯を制御する照明制御部として機能する。照明制御部として機能する照明制御基板を制御基板１７とは別に設けてもよい。

作業機１は、先端工具としての切断刃（鋸刃）２０を有する。切断刃２０は、ギヤケース１１に収容された図示しない減速機構を介してモータ１６によって回転駆動される。切断刃２０の側面は、モータ１６の回転軸と略垂直である。切断刃２０の側面と直交する方向、すなわち切断刃２０による切断面と垂直となる方向は、第２方向の例示である。

作業機１は、カバー部材（保護カバー）３０を有する。カバー部材３０は、透明な例えば樹脂成形体である。カバー部材３０は、ギヤケース１１に回動可能に設けられ、切断刃２０の下部を覆うことの可能である。カバー部材３０は、リンク機構１９を介してホルダ５と係合する。リンク機構１９は、切断部１０の下方への揺動に連動して、カバー部材３０を上方、すなわち切断刃２０を露出させる方向に回動させるよう構成される。

作業機１は、照明装置４０を有する。照明装置４０は、切断刃２０による作業箇所に向けて光を照射する。照明装置４０は、切断刃２０の面延長上から切断刃２０側に光を照射して、被加工材の表面または被加工材の載置面に切断刃２０の影を投影可能な投影装置である。照明装置４０は、図７に示すように、ギヤケース１１内のリブ等により位置決めされた状態で、ギヤケース１１内に保持される。すなわち、照明装置４０は、切断部１０に設けられる。図８及び図９に示すように、照明装置４０は、ホルダ４１、照明基板４８、及び２つの発光素子４９を有する。

ホルダ４１は、例えば樹脂成形体である。照明基板４８は、切断刃２０と略垂直な姿勢でホルダ４１に収容保持される。２つの発光素子４９は、照明基板４８の切断刃２０側に臨む面に設けられる。２つの発光素子４９はそれぞれ、発光部の例示であり、例えば発光ダイオードである。２つの発光素子４９の光軸は、互いに平行であり、照明基板４８と直交する。発光素子４９の光軸方向（照明装置４０の光軸方向）は、所定方向に対応する。発光素子４９の光軸方向と直交しかつ切断刃２０の側面と平行な方向は、第１方向に対応する。２つの発光素子４９は、切断刃２０の面延長上に位置し、第１方向に並ぶ。切断刃２０の側面と直交する前述の第２方向は、所定方向及び第１方向と直交する方向である。図３、図５、図８、及び図９に、所定方向、第１方向、及び第２方向を示している。また、図８と図９においては、発光素子４９からの光の進み方を２点鎖線にて表す。

ホルダ４１は、２つのレンズ４２を有する。２つのレンズ４２は、ここではホルダ４１の一部であるが、ホルダ４１とは別部材であってホルダ４１に保持されてもよい。２つのレンズ４２は第１方向に並ぶ。各レンズ４２（ホルダ４１）は、発光素子４９からの光の照射範囲を調整する調整部材（調整手段）である。レンズ４２と発光素子４９の組が２組あり、それぞれが切断刃２０による作業箇所に向けて光を照射する照射部を構成する。２組のレンズ４２と発光素子４９は、第１方向に並ぶ。各レンズ４２は、全体としては発光素子４９からの光を集光して照射範囲を狭めるものであり、第２方向における集光の度合いが、第１方向における集光の度合いよりも大きい。これにより各レンズ４２は、第１方向における照射範囲が第２方向における照射範囲よりも大きくなるように、発光素子４９からの光の照射範囲を調整する。レンズ４２は、光を透過、反射させることで集光する調整部材である。

レンズ４２は、入口部４３、出口部４４、反射部４５を含む。入口部４３は、発光素子４９の正面に位置し、発光素子４９からの光がレンズ４２内に入るときに通過する部分である。入口部４３は、レンズ４２内に入射する一部の光を集光する形状である。発光素子４９からの光の一部は、入口部４３を通過すると、所定方向と平行な平行光線となる。換言すれば、発光素子４９からの光の一部は入口部４３で屈折し、所定方向と平行に進むようになる。このとき集光される光は、所定方向に対する照射角度が小さい、つまり所定方向への指向性が大きい（強い）光である。発光素子４９からの光のうち、所定方向の指向性が小さい（弱い）光は入口部４３を通過した後で、レンズ４２の外周部分である反射部４５によって反射されて集光されることで所定方向と平行な構成となる。このように、発光素子４９からの光は、一部が入口部４３によって屈折され、その他が反射部４５によって反射されることで集光され、所定方向と平行に進む光となる。なお、入口部４３は、第１方向及び第２方向における集光の度合いが等しい。反射部４５も同様である。出口部４４は、入口部４３からレンズ４２内に入った発光素子４９からの光がレンズ４２の外に出るときに通過する部分である。出口部４４は、光を拡散させてレンズ４２外に出射する形状であり、第２方向における拡散の度合いが、第１方向における拡散の度合いよりも小さい。

図８に示すように、出口部４４は、凹状に湾曲した湾曲面である。出口部４４は、図８に現れる断面すなわち第２方向と垂直な断面での曲率が、図９に現れる断面すなわち第１方向と垂直な断面での曲率よりも大きい。本実施の形態では、第１方向と垂直な断面での出口部４４の曲率は０である。このため、図９に示すように出口部４４は、第１方向から見ると、光を拡散させずに平行光線のまま出射する。第１方向と垂直な断面での出口部４４の曲率は、第２方向と垂直な断面での曲率よりも小さく０より大きい任意の曲率でもよい。

図１０は、被加工材２１の上面における、照明装置４０の発する光の照射範囲２３、及び照射範囲２３内に現れる切断刃２０のシャドーライン２２を示す模式図である。図１０において、破線は、出口部４４を凹球面状とした比較例の場合、すなわち第１方向及び第２方向における照射範囲が互いに等しい場合の照射範囲を示す。

前述したレンズ４２の集光作用により、照明装置４０の発する光の照射範囲２３は、切断刃２０の影すなわちシャドーライン２２の長さ方向（作業進行方向）には長く、シャドーライン２２と垂直な方向には短くなる。照射範囲２３は、出口部４４が凹球面状の比較例の場合との関係では、シャドーライン２２の長さ方向における長さは同じで、シャドーライン２２と垂直な方向には短くなっている。これにより、比較例に対して、シャドーライン２２の周囲がより狭く且つより明るく照らされることになる。

図３に示すように、カバー部材３０は、複数のスリット３１と、隣り合うスリット３１間をそれぞれ隔てる複数の壁部３２と、を有する。複数のスリット３１は、切断刃２０の下部を覆った状態で照明装置４０からの光を通すために設けられる。複数のスリット３１は、切断刃２０の周方向に配列され、それぞれ切断刃２０と垂直な方向に延びる。複数の壁部３２の各々の壁面（スリット３１に臨む壁面）は、カバー部材３０が切断刃２０の下部を覆った状態で、２つの発光素子４９を中心とする放射方向と平行である。発光素子が複数の場合、放射の中心は、複数の発光素子を一つの発光素子とみなした場合の中心点とする。例えば、本実施の形態のように発光素子４９が２つの場合、放射の中心は、２つ発光素子４９を結ぶ線分の中点とする。これにより、照明装置４０の発する光の照射範囲内における壁部３２の影の面積を抑制できる。

図３等に示すようにカバー部材３０が切断部１０の下部を覆った状態では、照明装置４０の発する光は、カバー部材３０の内側を通って作業箇所に向かうことになる。ここで、カバー部材３０の内面が平坦面であると、次のような問題がある。

１．カバー部材３０の内面で反射した光が切断刃２０の面延長上に回り込み、切断刃２０の影の視認性が悪化する。具体的には、切断刃２０の影が薄くなったり、影の境界線がぼやけたりする。また、カバー部材３０の壁部３２の影にも同様の現象が発生し、作業箇所及びその周辺が見にくくなる。これにより作業性が低下する。

２．カバー部材３０の内面で反射した光が切断刃２０の側面で再度反射し、作業箇所周辺以外にも光が照射されてしまい、例えばベース面での反射光が生じることで目が眩み作業性が低下する。

そこで本実施の形態では、図１１及び図１２(Ａ),(Ｂ)に示すように、カバー部材３０の内面の少なくとも一部を、自身での反射により照明装置４０からの光が作業箇所及びその周辺に向かうことを抑制する抑制部３５（鏡面反射抑制部）としている。ここでは、図１２(Ａ),(Ｂ)に示すように、カバー部材３０の回動中心付近を除く内面を全体的に抑制部３５としている。

抑制部３５は、例えば凹凸構造部やシボ加工部である。いずれの場合も、カバー部材３０の成形段階で抑制部３５が形成されること、すなわちカバー部材３０を成形する金型が凹凸構造部やシボ加工部を有することが、製造工程上好ましい。しかし、凹凸構造部やシボ加工部は、平坦面として成形されたカバー部材３０の内面に対し、例えば機械的や化学的な方法によって事後的に加工したものであってもよい。

抑制部３５が自身での反射により照明装置４０からの光が作業箇所及びその周辺に向かうことを抑制する態様は、平坦面に対して拡散反射や散乱、透過、吸収等の量を多くすることで鏡面反射を抑制することであってもよいし、平坦面に対して鏡面反射の方向を変化させることであってもよいし、両者の組合せであってもよい。抑制部３５は、カバー部材３０を構成する成形体の一部でなくてもよく、例えば、カバー部材３０の内面の少なくとも一部に貼られたフィルムないしシートであってもよい。抑制部３５により、カバー部材３０の内面から外面に向かって通過する光が減少する。また、抑制部３５により、カバー部材３０の内面での反射光が切断刃２０の面延長上に回り込んで切断刃２０のシャドーラインの視認性を悪化させたり、切断刃２０による再反射光が作業箇所周辺以外を不要に照らしたりすることを抑制できる。

本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。

(1) レンズ４２は、発光素子４９からの光の照射範囲を、第１方向における照射範囲が第２方向における照射範囲よりも大きくなるように調整する。このため、ターンテーブル３の上面あるいは被加工材の上面において、切断刃２０のシャドーラインを長く映せる照射範囲を確保しながら、シャドーラインと垂直な方向の照射範囲の広がりを抑制し、作業性を高めることができる。シャドーラインと垂直な方向の照射範囲の広がりを抑制することは、照射範囲を狭めることで照射範囲の明るさを増大させてシャドーラインをより鮮明に映せる効果を奏すると共に、不要箇所への光の照射を抑制して不要箇所からの反射光で目が眩むことを抑制する効果も奏し、作業性の向上に寄与する。シャドーラインと垂直な方向の照射範囲の広がりを抑制することで照射範囲が狭くなる分、発光素子４９の明るさを落としても十分な明るさを確保できる場合は、発光素子４９としてパワーの小さなものを採用できるというメリットもある。

(2) レンズ４２の調整作用により第１方向における照射範囲が第２方向における照射範囲よりも大きくなるようにしているため、発光素子４９としては通常の照射範囲（光軸を中心に円形に広がる照射範囲）を有する安価なものを使用でき、コスト増大を抑制できる。

(3) 照明装置４０は、２組のレンズ４２と発光素子４９が第１方向に並んだ構成のため、レンズ４２と発光素子４９が１組だけの場合と比較して、第１方向における照射範囲を第２方向における照射範囲よりも大きくしやすい。

(4) カバー部材３０の内面の少なくとも一部が抑制部３５(鏡面反射抑制部)とされている。このため、カバー部材３０の内面で反射した光が切断刃２０の面延長上に回り込んで切断刃２０の影の視認性が悪化することを抑制し、作業性を高めることができる。また、カバー部材３０の内面で反射した光が切断刃２０の側面で再度反射する等により作業箇所周辺以外に光が照射されることを抑制して不要箇所からの反射光で目が眩むことを抑制し、作業性を高めることができる。

(5) カバー部材３０において、隣り合うスリット３１間をそれぞれ隔てる複数の壁部３２の各壁面は、カバー部材３０が切断刃２０の下部を覆った状態で、２つの発光素子４９を中心とする放射方向と平行である。このため、例えば全ての壁部３２の壁面が鉛直面であるような場合と比較して、照明装置４０の発する光の照射範囲内における壁部３２の影の面積を抑制でき、作業性を高めることができる。

(6) 照明基板４８を保持するホルダ４１の一部をレンズ４２としているため、レンズ４２が別部品である場合と比較して製造容易かつコスト安である。

以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。

図１３には第１の変形例としてのホルダ１４１（レンズ１４２）を示す。図１３は第２方向から見た状態のホルダ１４１が示されている。ホルダ１４１は上記したホルダ４１に対してレンズ（入口部と出口部）の形状が変更されたものである。ホルダ１４１は、レンズ１４２を有し、レンズ１４２は入口部１４３と出口部１４４と反射部１４５を含む。図１４には図１３におけるＡ－Ａ線での断面図を示す。発光素子４９の発光中心位置を通る第２方向と平行な平面でレンズ１４２を切ったとき（断面をとったとき）には、いずれの平面でも断面形状はＡ－Ａ線での断面と同様の形状となる。つまり、例えば図１３におけるＢ－Ｂ線での断面も、Ａ－Ａ線の断面と同様の形状となる。入口部１４３及び反射部１４５は、第２方向に拡散する光を集光する一方で、第１方向に拡散する光は集光しない。また、出口部１４４は、入口部１４３及び反射部１４５での集光に合わせた曲面構造となっており、光の拡散及び集光を行わないように構成されている。従ってレンズ１４２においては、集光を行うのは入口部１４３及び反射部１４５のみである。つまり、レンズ１４２は、入口部１４３及び反射部１４５における集光の度合いについて、第２方向における集光の度合いが第１方向における集光の度合いよりも大きいように構成した形状となっている。

また、調整部材（調整手段）は、レンズ４２に替えてリフレクタとしてもよい。この場合、リフレクタの形状により、第１方向における照射範囲が第２方向における照射範囲よりも大きくなるようにすればよい。例えば、リフレクタを、第２方向における集光の度合いが第１方向における集光の度合いよりも大きい形状とすればよい。図１５には第２の変形例としてのリフレクタ２４２（ホルダ２４１）を示す。図１６には図１５におけるＡ－Ａ線での断面図を示す。発光素子４９の発光中心位置を通る第２方向と平行な平面でリフレクタ２４２を切ったとき（断面をとったとき）には、いずれの平面でも反射部２４５の断面形状はＡ－Ａ線での断面と同様の形状となる。つまり、例えば図１５におけるＢ－Ｂ線での断面も、Ａ－Ａ線の断面と同様の形状となる。リフレクタ２４２は、発光素子４９から発せられる光のうち、第２方向に進む光を反射によって集光するものである。なお、リフレクタ２４２は第１方向に進む光については集光しない。リフレクタ２４２は反射部２４５を有し、反射板は発光素子４９の左右に配置されている。発光素子４９からの光のうち、所定方向への指向性が小さいもの（第２方向への指向性が大きいもの）は、反射部２４５に反射して所定方向と平行に進むようになる。こうすることで、第１方向における照射範囲が第２方向における照射範囲よりも大きくなるようにすることができる。リフレクタ２４２は、光を反射することで集光する調整部材である。

本発明の作業機は、卓上切断機に限定されず、携帯用切断機（携帯用丸鋸）やインパクトドライバ等の他の種類のものであってもよい。例えばインパクトドライバの場合には、ネジ締め、またはネジ緩めを行う作業箇所が決まった方向に並んでおり、作業時においてはインパクトドライバを決まった方向に移動させて断続的な作業を行うことがある。このような作業様態は、釘打ち機などにおいても同様である。このため、例えば上下方向に作業箇所が並んでいる場合には、上下方向の照射範囲を左右方向よりも大きくすることで、作業箇所のみをピンポイントで明るくし、余計な箇所は照らさずに済む。こうすれば、パワーの小さい発光素子を採用できるほか、壁の反射光で目が眩んだり、他の作業者を直接照らしたりしてしまう恐れが低減する。

１…作業機、２…ベース、３…ターンテーブル、４…フェンス、５…ホルダ、６…傾斜軸（ホルダシャフト）、７…レバー、８…スプリング、９…揺動軸（シャフト）、１０…切断部、１１…ギヤケース、１２…モータハウジング、１３…ハンドルハウジング、１４…駆動スイッチ（駆動操作部）、１５…電池パック、１６…モータ、１７…制御基板、１８…照明スイッチ（照明操作部）、１９…リンク機構、２０…切断刃（鋸刃）、２１…被加工材、２２…シャドーライン（影）、２３…照射範囲、３０…カバー部材（保護カバー）、３１…スリット、３２…壁部、３５…抑制部（鏡面反射抑制部）、４０…照明装置、４１…ホルダ、４２…レンズ部、４３…入口部、４４…出口部、４５…反射部、４８…照明基板、４９…発光素子、１４１…ホルダ、１４２…レンズ、１４３…入口部、１４４…出口部、１４５…反射部、２４１…ホルダ、２４２…リフレクタ、２４５…反射部。

Claims

先端工具と照明装置を有する作業機であって、
前記照明装置は、前記先端工具による作業箇所に向けて光を所定方向へ照射する照射部を有し、
前記所定方向と直交する方向を第１方向とし、前記所定方向及び前記第１方向と直交する方向を第２方向としたとき、
前記照射部は、発光部と、前記発光部からの光を透過または反射させる調整部材と、を有し、
前記調整部材は、前記第１方向における照射範囲が、前記第２方向における照射範囲よりも大きくなるように、前記照射範囲を調整するよう構成される、作業機。
請求項１に記載の作業機であって、
前記調整部材は、前記発光部からの光を集光して照射範囲を狭めるレンズを含み、
前記レンズは、前記第２方向における集光の度合いが、前記第１方向における集光の度合いよりも大きい、作業機。
請求項２に記載の作業機であって、
前記レンズは、前記発光部からの光が前記レンズ内に入るときに通過する入口部と、前記発光部からの光が前記レンズ外に出るときに通過する出口部と、を有し、
前記入口部は、前記レンズ内に入射する光を集光する形状であり、前記第２方向における集光の度合いが、前記第１方向における集光の度合いよりも大きい、作業機。
請求項２に記載の作業機であって、
前記レンズは、前記発光部からの光が前記レンズ内に入るときに通過する入口部と、前記発光部からの光が前記レンズ外に出るときに通過する出口部と、を有し、
前記入口部は、前記レンズ内に入射する光を集光する形状であり、
前記出口部は、光を拡散させて前記レンズ外に出射する形状であり、前記第２方向における拡散の度合いが、前記第１方向における拡散の度合いよりも小さい、作業機。
請求項４に記載の作業機であって、
前記発光部からの光は、前記入口部を通過すると平行光線となる、作業機。
請求項４又は５に記載の作業機であって、
前記出口部は、凹状に湾曲した湾曲面であり、前記第２方向と垂直な断面での曲率が、前記第１方向と垂直な断面での曲率よりも大きい、作業機。
請求項１から６のいずれか一項に記載の作業機であって、
前記先端工具は、切断刃であり、
前記第２方向は、前記切断刃による切断面と垂直となる方向である、作業機。
請求項７に記載の作業機であって、
前記照明装置は、前記切断刃の面延長上から前記切断刃側に光を照射して、被加工材の表面または被加工材の載置面に前記切断刃の影を投影可能である、作業機。
請求項７又は８に記載の作業機であって、
被加工材を載置する載置面を有するベース部と、
前記切断刃を有し、前記ベース部に対して揺動可能な切断部と、を有する卓上切断機であり、
前記照明装置は、前記切断部に設けられる、作業機。
請求項９に記載の作業機であって、
前記切断部に対して回動可能で、前記切断刃の下部を覆うことの可能なカバー部材を有し、
前記カバー部材は、前記切断刃の下部を覆った状態で前記照明装置からの光を通すための複数のスリットと、隣り合うスリット間をそれぞれ隔てる複数の壁部と、を有し、
前記複数のスリットは、前記切断刃の周方向に配列され、それぞれ前記切断刃と垂直な方向に延び、
前記複数の壁部の各々は、前記カバー部材が前記切断刃の下部を覆った状態で、前記発光部を中心とする放射方向と平行である、作業機。
請求項１から１０のいずれか一項に記載の作業機であって、
前記照明装置は、前記第１方向に並んだ２つの前記照射部を有する、作業機。