WO2022123638A1

WO2022123638A1 - ホルダおよび車両用充電システム

Info

Publication number: WO2022123638A1
Application number: PCT/JP2020/045541
Authority: WO
Inventors: 健太竹島; 一也森
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2020-12-07
Filing date: 2020-12-07
Publication date: 2022-06-16

Abstract

ホルダ（２０）は、交流電力を直流電力に変換する機能を有する電力変換器を収容する充電装置において電力変換器に接続された充電ケーブルに設けられるとともに電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタを収納する。ホルダ（２０）は、充電装置と電動車両との間に設けられる取付部（４０）に対して着脱可能な固定部（２１）と、固定部（２１）に接続して設けられて充電コネクタを保持する第１コネクタ保持部（２２ａ）と、を備える。ホルダ（２０）は、電動車両の充電時における充電ケーブルの取り回し作業の負担を軽減することができる。

Description

ホルダおよび車両用充電システム

　本開示は、電気自動車の充電に用いられる充電コネクタを保持するホルダおよび車両用充電システムに関する。

　近年、電気自動車（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ　Ｖｅｈｉｃｌｅ：ＥＶ）およびプラグインハイブリッド自動車（Ｐｌｕｇ－ｉｎ　Ｈｙｂｒｉｄ　Ｅｌｅｃｔｒｉｃ　Ｖｅｈｉｃｌｅ：ＰＨＥＶ）などの電動車両が普及しつつある。そして、電動車両の普及とともに、商用系統から供給される電力によって充電される、家庭向けの車両用充電装置が普及しつつある。

　特許文献１には、電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタが設けられた充電ケーブルと、非充電時に充電コネクタの先端側が挿入されて充電コネクタを保持するコネクタ保持部であるホルダと、が充電装置本体に設けられた電動車両用充電装置が開示されている。

　電動車両の充電においては、大電流が取り扱われる。一般的に、充電コネクタは、例えば１ｋｇ程度の質量がある。また、充電ケーブルは、例えば０．６ｋｇ／ｍ程度の質量がある。このため、例えば充電ケーブルの長さが６ｍである場合には、ユーザは、電動車両の充電時には４．６ｋｇ程度の重い充電コネクタおよび充電ケーブルを取り扱わなければならない。

特開２０１３－５５７８７号公報

　特許文献１に示されるように充電コネクタを保持するコネクタ保持部が電動車両用充電装置に設けられている場合には、ユーザは、電動車両の充電時に４．６ｋｇ程度の重い充電ケーブルを電動車両用充電装置から電気自動車まで持って行き電動車両の充電を行う必要があるため、ユーザの作業の負担が大きい。また、ユーザは、電動車両の充電の終了後には、４．６ｋｇ程度の重い充電ケーブルを電動車両から電動車両用充電装置まで戻す必要があるため、ユーザの作業の負担が大きい。そして、電動車両に充電を行う際のユーザの作業の負担は、車両用充電装置と電動車両との距離が長くなるほど大きくなる。

　本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、電動車両の充電に伴って発生する充電ケーブルの取り回し作業の負担を軽減できるホルダを得ることを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかるホルダは、交流電力を直流電力に変換する機能を有する電力変換器を収容する充電装置において電力変換器に接続された充電ケーブルに設けられるとともに電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタを収納するホルダである。ホルダは、充電装置と電動車両との間に設けられる取付部に対して着脱可能な固定部と、固定部に接続して設けられて充電コネクタを保持する第１コネクタ保持部と、を備える。

　本開示にかかるホルダは、電動車両の充電に伴って発生する充電ケーブルの取り回し作業の負担を軽減できる、という効果を奏する。

実施の形態１にかかる車両用充電システムを示す図図１に示す車両用充電装置が備えるコネクタ付き充電ケーブルを示す図図２に示すコネクタ付き充電ケーブルが備える充電接続部を矢視Ａの方向から見た図図１に示すホルダを取付部に固定する方法を示す図図１に示すホルダにコネクタ付き充電ケーブルが収納された状態を示す図図５におけるＶＩ－ＶＩ線に沿った断面図図１に示すホルダにおける水滴の排出経路を示す図図１に示すホルダの変形例を示す断面図実施の形態２にかかるホルダを上方から見た斜視図図９に示すホルダの下面図図９に示すホルダに充電コネクタが収納された状態を示す側面図図９に示すホルダにおける水滴の排出経路を示す図実施の形態３にかかるホルダの正面図図１３に示すホルダを取付部に固定する方法を示す正面図図１３に示すホルダを取付部に固定する方法を示す正面図実施の形態４にかかるホルダの側面図実施の形態４にかかるホルダを上方から見た斜視図図１６に示すホルダを取付部に固定する方法を示す側面図図１６に示すホルダを取付部に固定する方法を示す側面図実施の形態４にかかる他のホルダを上方から見た斜視図図２０に示す他のホルダを取付部に固定する方法を示す側面図図２０に示す他のホルダを取付部に固定する方法を示す側面図実施の形態５にかかるホルダを上方から見た斜視図図２３に示すホルダに充電コネクタが収納された状態を示す側面図実施の形態６にかかるホルダを上方から見た斜視図図２５に示すホルダの正面図図２５に示すホルダに充電コネクタが収納された状態を示す側面図充電ケーブル巻付部と、第１補強部と、第２補強部とが円弧形状に一体形成された状態を示す正面図車両用充電装置の筐体の右側面に実施の形態６にかかるホルダが取り付けられた状態を上方から見た斜視図車両用充電装置の筐体の左側面に実施の形態６にかかるホルダが取り付けられた状態を上方から見た斜視図車両用充電装置の筐体の右側面に実施の形態６にかかるホルダが取り付けられた場合の効果を説明するための図車両用充電装置の筐体の右側面に実施の形態６にかかるホルダが取り付けられた場合の効果を説明するための図車両用充電装置の筐体の右側面に実施の形態１にかかるホルダが取り付けられた状態を上方から見た斜視図車両用充電装置の筐体の右側面に取り付けられた実施の形態１にかかるホルダに充電ケーブルが巻き付けられた状態を上方から見た斜視図

　以下に、実施の形態にかかるホルダおよび車両用充電システムを図面に基づいて詳細に説明する。

実施の形態１．
　図１は、実施の形態１にかかる車両用充電システム１を示す図である。図２は、図１に示す車両用充電装置１０が備えるコネクタ付き充電ケーブル１６を示す図である。図３は、図２に示すコネクタ付き充電ケーブル１６が備える充電接続部１３を矢視Ａの方向から見た図である。図４は、図１に示すホルダ２０を取付部４０に固定する方法を示す図である。図５は、図１に示すホルダ２０にコネクタ付き充電ケーブル１６が収納された状態を示す図である。図６は、図５におけるＶＩ－ＶＩ線に沿った断面図である。

　本実施の形態１にかかる車両用充電システム１は、電動車両が備える駆動用の蓄電池３１を充電するシステムである。本実施の形態１にかかる車両用充電システム１は、車両用充電装置１０と、ホルダ２０と、電気自動車３０と、を備える。

　電気自動車３０は、駆動用の蓄電池３１を備える。蓄電池３１は、車両用充電装置１０から供給される電力によって充電される。なお、電気自動車３０の代わりに、電気自動車３０と同様に駆動用の蓄電池３１を備える電動車両であるプラグインハイブリッド自動車が用いられてもよい。

　取付部４０は、ホルダ２０が取り付けられている。ホルダ２０が固定される取付部４０の位置は、車両用充電装置１０と電気自動車３０との間の任意の位置とされる。取付部４０は、家の壁面、家の外壁の内面、２本の柱にわたって固定された板などが例示される。また、取付部４０の高さは、取付部４０に取り付けられたホルダ２０の高さが地面から５００ｍｍ以上、１５００ｍｍ以下の高さとされる範囲で、ユーザが後述する充電コネクタ１１をホルダ２０に対して出し入れし易い任意の高さとされればよい。ここで、ホルダ２０の高さは、ホルダ２０の上端部の高さを意味する。

　取付部４０には、後述するようにねじ５０を用いてホルダ２０の固定部２１を取付部４０にねじ固定するために用いられるねじ孔４０ａが形成されている。ねじ孔４０ａは、固定部２１を取付部４０にねじ止めする際に固定部２１側から取付部４０に向かってねじ５０が差し込まれるねじ孔である。ねじ孔４０ａは、取付部４０において、後述するホルダ２０の固定部２１に形成されたねじ固定孔２１ａに対応する位置に形成されている。

　車両用充電装置１０は、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換して変換によって得られた直流電力を用いて電気自動車３０に搭載された蓄電池３１を充電する機能を有する。車両用充電装置１０は、電子部品が収容されている筐体１８を有する。電子部品の１つは、交流電力を直流電力に変換する機能を有する電力変換器１９である。

　筐体１８は、電力変換器１９を含む各種の電子部品が収容された板金製の本体である。なお、筐体１８を構成する材料は、金属に限定されず、例えば樹脂であってもよい。筐体１８は、例えば直方体形状を有する箱形を有する。車両用充電装置１０は、筐体１８の内部に配置されている電力変換器１９と蓄電池３１とを接続するためのコネクタ付き充電ケーブル１６を更に有する。コネクタ付き充電ケーブル１６は、電力を運ぶための部品あり、蓄電池３１を充電する際に用いられる。筐体１８からは、コネクタ付き充電ケーブル１６の充電ケーブル１５が筐体１８の外部に引き出されている。

　コネクタ付き充電ケーブル１６は、電力変換器１９と電気自動車３０の車両側充電接続部３２とを電気的に接続する接続部品である。コネクタ付き充電ケーブル１６は、電気自動車３０の充電時に接続先の電気自動車３０の車両側充電接続部３２に取り付けられて、電気自動車３０に搭載された蓄電池３１に電気的に接続する。図２に示すように、コネクタ付き充電ケーブル１６は、充電コネクタ１１と、充電ケーブル１５と、を備える。

　充電コネクタ１１は、充電ケーブル１５の一端側に接続されており、電気自動車３０の充電時に、接続先の電気自動車３０の車両側充電接続部３２に取り付けられて、電気自動車３０に搭載された蓄電池３１に電気的に接続する。充電コネクタ１１は、ボディ１２と、充電接続部１３と、持手１４と、を備える。

　ボディ１２は、筒形状を有して充電コネクタ１１の本体を構成する。ボディ１２の一端側である先端側には、充電接続部１３の一部が収容されている。ボディ１２の他端側である後端側には、持手１４の一部および充電ケーブル１５の一部が収容されている。ボディ１２の形状は、筒形状を有していれば特に限定されず、円筒形状が例示される。

　充電接続部１３は、電気自動車３０の充電時に接続先の電気自動車３０の車両側充電接続部３２に取り付けられて、電気自動車３０に搭載された蓄電池３１に電気的に接続する。充電接続部１３は、ボディ１２の内部において、充電ケーブル１５に電気的に接続されている。充電接続部１３の外郭は、ボディ１２の中心軸に沿った方向に伸びる筒形状を有する。すなわち、充電接続部１３の外形形状は、筒形状を有する。充電接続部１３の外形形状は、電気自動車の充電規格に沿った仕様で形成されている。本実施の形態１では、充電接続部１３の外形形状は、電気自動車の充電規格の仕様に沿った円筒形状とされる。

　充電接続部１３は、図３に示すように、複数の電気接続部１３ａと、ロック機構１３ｂと、を有する。電気接続部１３ａは、充電接続部１３が電気自動車３０の車両側充電接続部３２に取り付けられた際に、電気自動車３０の車両側充電接続部３２に電気的に接続する。電気自動車３０の蓄電池３１の充電には大電流が取り扱われるため、本実施の形態１では、充電接続部１３は、電気自動車の充電規格に沿った４つの電気接続部１３ａを備え、電気自動車３０の車両側充電接続部３２に取り付けられた際に４つの電気接続部１３ａが電気自動車３０の車両側充電接続部３２に同時に接続される。電気自動車３０の蓄電池３１の充電では、例えば３００Ｖから４００Ｖ程度の電圧、２０Ａ程度の電流の、大電力が扱われる。

　ロック機構１３ｂは、充電接続部１３の外周部に設けられており、充電接続部１３が電気自動車３０の車両側充電接続部３２に取り付けられた際に、４つの電気接続部１３ａが電気自動車３０の車両側充電接続部３２から外れないように、電気自動車３０の車両側充電接続部３２に固定される。充電コネクタ１１は、大電流を扱うため、複数の電気接続部１３ａと、ロック機構１３ｂという複雑な構造を有する。

　持手１４は、使用者が充電コネクタ１１を持つ際に握る把持部である。持手１４の形状は、特に限定されず、例えば使用者が持ちやすいように円筒形状とされる。

　充電ケーブル１５は、一端側の端部が充電接続部１３に電気的に接続され、他端側の端部が車両用充電装置１０の筐体１８の内部の電力変換器１９に電気的に接続されている。充電ケーブル１５は、筐体１８の一面に設けられた不図示のケーブル引き出し口を介して、筐体１８の内部から筐体１８の外部に一端側の部分が引き出されている。充電ケーブル１５は、銅などの導体に絶縁性の被覆が施され、さらに外装と呼ばれるカバーがかけられて可撓性を有するものである。

　ホルダ２０は、車両用充電装置１０と電気自動車３０との間の任意の位置に設けられた取付部４０に取り付けられ、車両用充電装置１０の不使用時にコネクタ付き充電ケーブル１６を支持して保持する。ホルダ２０は、固定部２１と、コネクタ保持部２２と、充電ケーブル巻付部２３と、を備える。

　固定部２１は、取付部４０に対して着脱可能に固定される平板状の固定部である。図４に示すように、固定部２１には、ホルダ２０が取付部４０にねじ固定される際に用いられる複数のねじ固定孔２１ａが形成されている。ねじ固定孔２１ａは、固定部２１を取付部４０にねじ止めする際に固定部２１側から取付部４０に向かってねじ５０が差し込まれる貫通孔である。本実施の形態１では、固定部２１における上部側の領域と下部側の領域とのそれぞれの領域に、ねじ固定孔２１ａが２つずつ形成されている。固定部２１は、固定部２１を取付部４０に締結するための締結体であるねじ５０と、取付部４０に形成されたねじ孔４０ａと、ねじ固定孔２１ａと、を用いて取付部４０にねじ固定される。

　固定部２１は、取付部４０における固定部２１が取り付けられる取付面と平行な状態で、取付部４０にねじ固定されている。すなわち、固定部２１は、固定部２１の面内方向が、取付部４０の取付面の面内方向と平行な状態で、取付部４０の取付面に接触した状態で、取付部４０にねじ固定されている。本実施の形態１では、取付部４０の取付面の面内方向は、鉛直方向と平行な方向とされている。したがって、本実施の形態１では、固定部２１は、ねじ固定孔２１ａとねじ５０とを用いたねじ固定によって鉛直方向と平行に固定されている。なお、ねじ固定孔２１ａの位置およびねじ固定孔２１ａの数量は、ホルダ２０を取付部４０に固定可能であれば限定されない。ねじ固定孔２１ａは、ホルダ２０を取付部４０に固定可能であれば、たとえば固定部２１における上部側の領域と下部側の領域とのそれぞれの領域に１つずつ形成されてもよい。

　なお、固定部２１と取付部４０との固定方法は、固定部２１を取付部４０に固定可能であれば、ねじ固定に限定されない。例えば、固定部２１と取付部４０との固定方法は、マグネットを用いた固定方法を用いることも可能である。また、固定部２１が固定される取付部４０の取付面の面内方向は、固定部２１を確実に取付部４０に固定可能であり、且つユーザが使用しやすい姿勢でホルダ２０を取付部４０に固定可能であれば、必ずしも鉛直方向と平行な方向とされていなくてもよい。また、取付部４０は、固定部２１を確実に取付部４０に固定可能であれば、取付部４０の取付面が平坦面とされていなくてもよい。

　コネクタ保持部２２は、固定部２１の下端部に接続して設けられて充電コネクタ１１を保持する保持部である。コネクタ保持部２２は、第１コネクタ保持部２２ａと、第２コネクタ保持部２２ｂと、を備える。

　第１コネクタ保持部２２ａは、平板状を有し、一端側の端部が固定部２１の下端部に接続して設けられている。すなわち、第１コネクタ保持部２２ａは、固定部２１の下端部から延在して設けられている。第１コネクタ保持部２２ａは、ホルダ２０を正面側から見た場合に固定部２１との接続部から手前側下方に傾斜して突出している。ここで、手前側とは、取付部４０の正面にユーザが立った場合におけるユーザ側である。なお、本実施の形態１における上下方向は、ホルダ２０の高さ方向と取付部４０の高さ方向と平行な方向であり、鉛直方向と平行な方向である。

　第１コネクタ保持部２２ａは、充電コネクタ１１がホルダ２０に収納されるときに充電コネクタ１１の充電接続部１３が上方から差し込まれる貫通孔２４を有する。第１コネクタ保持部２２ａは、貫通孔２４に充電コネクタ１１の充電接続部１３が差し込まれることで充電コネクタ１１を着脱自在に保持する。貫通孔２４の開口寸法は、充電接続部１３を嵌め込めるように充電接続部１３の外周の最大寸法よりも大きくされ、また、ボディ１２の下端部の外形寸法よりも小さくされている。

　これにより、貫通孔２４に充電コネクタ１１の充電接続部１３が差し込まれることで、ボディ１２の下端部が貫通孔２４の周囲の第１コネクタ保持部２２ａによって保持される。これにより、ホルダ２０では、充電コネクタ１１が確実に保持され、充電コネクタ１１が落下することがない。貫通孔２４の形状および貫通孔２４の開口寸法は、貫通孔２４に充電接続部１３が差し込まれた際に、貫通孔２４の周囲の第１コネクタ保持部２２ａによってボディ１２の下端部を保持できれば、特に限定されない。

　また、固定部２１に対して手前側下方に傾斜して突出した第１コネクタ保持部２２ａに貫通孔２４が形成されていることにより、充電コネクタ１１の充電接続部１３の先端が斜め下方向を向く姿勢で充電コネクタ１１がホルダ２０に収納される。これにより、ホルダ２０では、充電コネクタ１１の先端部分が斜め下を向く姿勢で充電コネクタ１１を収納できるため、充電コネクタ１１を収納しやすくされている。また、例えばホルダ２０の位置がユーザの胸あたりの高さから腰あたりの高さとされている場合などにおいて、ユーザがホルダ２０に充電コネクタ１１を収納する際に充電接続部１３を貫通孔２４に差し込み易くなる。

　これにより、ユーザが充電接続部１３を貫通孔２４に差し込み損なって充電コネクタ１１を落下させる可能性が低減され、またユーザが充電コネクタ１１をホルダ２０に収納する際の作業性が向上する。また、ユーザがホルダ２０から充電コネクタ１１を取り外す際に充電接続部１３を貫通孔２４から取り出し易くなり、ユーザが充電コネクタ１１をホルダ２０から取り出す際の作業性が向上する。

　なお、固定部２１から見た第１コネクタ保持部２２ａの傾斜角度は、特に限定されない。固定部２１から見た第１コネクタ保持部２２ａの傾斜角度は、ユーザが充電コネクタ１１をホルダ２０に収納する際およびユーザが充電コネクタ１１をホルダ２０から取り出す際のユーザの作業性が向上するように適宜設定されればよく、例えば４５度が例示される。

　第２コネクタ保持部２２ｂは、平板状を有し、一端側の端部が第１コネクタ保持部２２ａの他端側の端部に接続して設けられている。すなわち、第２コネクタ保持部２２ｂは、第１コネクタ保持部２２ａの他端側の端部から延在して設けられている。第２コネクタ保持部２２ｂは、第１コネクタ保持部２２ａから上方に向かって延在して、第１コネクタ保持部２２ａに対して直角に設けられている。すなわち、コネクタ保持部２２は、第１コネクタ保持部２２ａの他端側の端部から、第２コネクタ保持部２２ｂが第１コネクタ保持部２２ａに対して垂直に折れ曲がったＬ形状を有する。第２コネクタ保持部２２ｂは、充電接続部１３が貫通孔２４に挿入されてホルダ２０に充電コネクタ１１が収納された際に、充電コネクタ１１のボディ１２を支持する。

　第２コネクタ保持部２２ｂの内面は、充電接続部１３が貫通孔２４に挿入されてホルダ２０に充電コネクタ１１が収納された際に、ボディ１２の外周面が接触する。第２コネクタ保持部２２ｂの内面は、Ｌ形状において内側を向く面である。これにより、第２コネクタ保持部２２ｂは、ホルダ２０に充電コネクタ１１が収納された際に、充電コネクタ１１を保持することができる。第１コネクタ保持部２２ａの面内における貫通孔２４の位置と貫通孔２４の開口寸法とは、充電接続部１３が貫通孔２４に挿入されてホルダ２０に充電コネクタ１１が収納された際に、ボディ１２の外周面が第２コネクタ保持部２２ｂの内面に接触するように調整されている。なお、図６においては、ボディ１２と第２コネクタ保持部２２ｂとを見易くするために、ボディ１２の外周面と第２コネクタ保持部２２ｂの内面とを離間させて示している。また、コネクタ保持部２２の形状は、上述したＬ形状に限定されず、充電接続部１３が貫通孔２４に挿入されてホルダ２０に充電コネクタ１１が収納された際に、ボディ１２の外周面が第２コネクタ保持部２２ｂの内面に接触する形状であればよい。

　充電ケーブル巻付部２３は、コネクタ保持部２２の上方に設けられ、充電ケーブル１５が巻き付けられて充電ケーブル１５の中途領域を支持する第１のケーブル支持部である。充電ケーブル巻付部２３は、平板状を有し、一端側の端部が固定部２１の上端部に接続して設けられている。すなわち、充電ケーブル巻付部２３は、固定部２１の上端部から延在して設けられている。充電ケーブル巻付部２３は、固定部２１の上端部から手前側に向かって突出し、固定部２１に対して直角に設けられている。すなわち、充電ケーブル巻付部２３は、固定部２１に対して垂直に、水平方向と平行に、設けられている。

　充電ケーブル巻付部２３は、充電ケーブル巻付部２３に巻回された充電ケーブル１５の質量に耐えうる強度を有するように、厚さ等の条件が設計されている。図５に示すように、充電ケーブル巻付部２３は、充電コネクタ１１がホルダ２０に収納された際に、充電ケーブル１５における、車両用充電装置１０の筐体１８のケーブル引き出し口からホルダ２０の下方の周辺まで引き回された中途部と充電コネクタ１１との間の中途領域が引っ掛けられ、また巻回されることで、充電ケーブル１５の中途領域を保持する。

　図７は、図１に示すホルダ２０における水滴の排出経路を示す図である。図７においては、ホルダ２０の上方から充電ケーブル巻付部２３の上に落下した水滴の移動経路が矢印で示されている。充電ケーブル巻付部２３は、図４から図６に示すように、水平方向において、コネクタ保持部２２と重複する領域に設けられている。

　ホルダ２０の上方から充電ケーブル巻付部２３の上に水滴が落下した場合、水滴は、充電ケーブル巻付部２３の上面を流れ、充電ケーブル巻付部２３の上面の端部を通って下方に落下する。そして、充電ケーブル巻付部２３は、水平方向において、コネクタ保持部２２と重複する領域に設けられている。このため、ホルダ２０では、充電ケーブル巻付部２３の上面の端部から下方に落下する水滴がコネクタ保持部２２上に落下することが、防止されている。

　すなわち、充電ケーブル巻付部２３は、充電ケーブル巻付部２３の下部に位置するコネクタ保持部２２に対して防滴のための障壁となる。これにより、ホルダ２０では、コネクタ保持部２２の上方からコネクタ保持部２２に落下した水がコネクタ保持部２２を伝って充電コネクタ１１の充電接続部１３へ入り込むことを、防止することができる。

　また、ホルダ２０の上方から充電ケーブル巻付部２３に埃が落下した場合、埃は、ホルダ２０の上方から充電ケーブル巻付部２３の上に水滴が落下した場合と同様に、充電ケーブル巻付部２３の上面を移動して、充電ケーブル巻付部２３の上面の端部を通って下方に落下する。そして、充電ケーブル巻付部２３は、水平方向において、コネクタ保持部２２と重複する領域に設けられている。このため、ホルダ２０では、充電ケーブル巻付部２３の上面の端部から下方に落下する埃がコネクタ保持部２２上に落下することが、防止されている。

　すなわち、充電ケーブル巻付部２３は、充電ケーブル巻付部２３の下部に位置するコネクタ保持部２２に対して防塵のための障壁となる。これにより、ホルダ２０では、コネクタ保持部２２の上方からコネクタ保持部２２に落下した埃がコネクタ保持部２２を伝って充電コネクタ１１の充電接続部１３へ入り込むことを、防止することができる。

　特に、充電コネクタ１１は大電力を扱うため、充電接続部１３の電気接続部１３ａに水または埃といった異物が付着した際には、電気接続部１３ａの短絡故障が発生する可能性がある。ホルダ２０では、コネクタ保持部２２の上方に充電ケーブル巻付部２３を備えることにより、電気接続部１３ａへの異物の付着に起因した、電気接続部１３ａの短絡故障の発生を低減することができる。

　なお、充電ケーブル巻付部２３は、水平方向において、コネクタ保持部２２と重複する領域を含み、且つコネクタ保持部２２と重複する領域よりも広い領域に設けられてもよい。これにより、上述した電気接続部１３ａに対する防滴効果および防塵効果がより大きくなる。

　上述した固定部２１とコネクタ保持部２２と充電ケーブル巻付部２３とを有するホルダ２０は、１枚の板金を折り曲げ加工することにより一体物として形成されている。なお、ホルダ２０は、別部品として形成された固定部２１とコネクタ保持部２２と充電ケーブル巻付部２３とが溶接などの方法によって接合されて形成されてもよい。

　なお、ホルダ２０を構成する材料は、ホルダ２０の形状を実現可能であれば、板金に限定されない。ホルダ２０は、例えば樹脂によって構成されてもよい。

　また、コネクタ保持部２２は、第１コネクタ保持部２２ａだけで充電コネクタ１１を確実に保持できる場合には、第２コネクタ保持部２２ｂを設けない構成とされてもよい。

　上記のホルダ２０は、電気自動車３０の蓄電池３１に対する非充電時、すなわちコネクタ付き充電ケーブル１６の不使用時には、貫通孔２４に充電接続部１３が差し込まれて充電コネクタ１１を保持する。また、ホルダ２０は、充電ケーブル１５の中途領域が充電ケーブル巻付部２３に巻回され、充電ケーブル１５の中途領域を充電ケーブル巻付部２３において支持する。これにより、充電ケーブル１５および充電コネクタ１１が、整頓された状態でホルダ２０にに収納される。

　上記のように構成されたホルダ２０は、電気自動車３０の車両側充電接続部３２と車両用充電装置１０との間の任意の位置に設けられる取付部４０に取付可能である。この場合、ユーザは、電気自動車３０の蓄電池３１を充電する際および電気自動車３０の蓄電池３１の充電が終了した際には、図１に示す距離Ｌ１の長さ分だけ充電コネクタ１１および充電ケーブル１５を移動させればよい。距離Ｌ１は、ホルダ２０と電気自動車３０との間の距離である。

　すなわち、ユーザは、電気自動車３０の蓄電池３１を充電する際には、充電コネクタ１１を、電気自動車３０の車両側充電接続部３２と車両用充電装置１０との間の位置に設けられたホルダ２０から電気自動車３０まで移動させればよい。また、ユーザは、電気自動車３０の蓄電池３１の充電が終了した際には、充電コネクタ１１を、電気自動車３０の車両側充電接続部３２と車両用充電装置１０との間の位置に設けられたホルダ２０から電気自動車３０まで移動させて、ホルダ２０に収納すればよい。このため、ホルダ２０が車両用充電装置１０に取り付けられている場合に比べて、電気自動車３０の蓄電池３１を充電する際および電気自動車３０の蓄電池３１の充電が終了した際にユーザが充電コネクタ１１および充電ケーブル１５を取り扱う距離が短くなる。これにより、ユーザの作業負担が軽減される。

　電気自動車３０の蓄電池３１の充電においては、大電流が取り扱われる。上述したように、一般的に、充電コネクタ１１は、例えば１ｋｇ程度の質量がある。また、充電ケーブル１５は、例えば０．６ｋｇ／ｍ程度の質量がある。このため、例えば充電ケーブル１５の長さが６ｍである場合には、ユーザは４．６ｋｇ程度のコネクタ付き充電ケーブル１６を取り扱う必要がある。ここで、例えば電気自動車３０の蓄電池３１の非充電時に充電コネクタ１１が車両用充電装置１０に収納されている場合を想定する。

　電気自動車３０の車両側充電接続部３２と車両用充電装置１０との距離が６ｍの場合、ユーザは、蓄電池３１の充電を行うために、４．６ｋｇのコネクタ付き充電ケーブル１６を６ｍにわたって取り扱う必要がある。また、蓄電池３１の充電が終了した際にも、ユーザは、コネクタ付き充電ケーブル１６を車両用充電装置１０に収納するために、４．６ｋｇのコネクタ付き充電ケーブル１６を６ｍにわたって取り扱う必要がある。このため、電気自動車３０の蓄電池３１を充電する際のユーザの作業負担が大きい。

　これに対して、車両用充電システム１では、電気自動車３０の車両側充電接続部３２と車両用充電装置１０との間の任意の位置に設けられる取付部４０にホルダ２０を取付可能であるため、電気自動車３０に近い位置でコネクタ付き充電ケーブル１６をホルダ２０に収納できる。例えば電気自動車３０の車両側充電接続部３２と車両用充電装置１０との間の中間地点に設けられる取付部４０にホルダ２０が設置されることにより、ユーザが取り扱うコネクタ付き充電ケーブル１６の長さが３ｍになる。この場合、ユーザが取り扱うコネクタ付き充電ケーブル１６の重量は２．８ｋｇ程度で済む。

　これにより、車両用充電システム１では、電気自動車３０の蓄電池３１を充電する際および蓄電池３１の充電が終了した際におけるユーザの作業負担が、軽減される。すなわち、電気自動車３０への充電コネクタ１１の着脱の際にユーザが扱う充電ケーブル１５の長さがホルダ２０から電気自動車３０までの長さとなるため、ユーザの作業負担が小さくなる。このユーザの作業負担の軽減効果は、女性および高齢者などの比較的腕力が弱いユーザへの身体的負担の軽減に特に有効である。ホルダ２０の取付位置は、ユーザの作業負担を減らす観点から、なるべく車に近い位置が好ましい。

　また、ユーザが取り扱うコネクタ付き充電ケーブル１６の長さが３ｍになることにより、ユーザは効率良く短時間で、充電コネクタ１１をホルダ２０から電気自動車３０の車両側充電接続部３２まで移動させることができ、また、充電コネクタ１１を電気自動車３０の車両側充電接続部３２からホルダ２０まで移動させることができる。したがって、本実施の形態１にかかる車両用充電システム１では、電気自動車３０の蓄電池３１を充電する際および蓄電池３１の充電が終了した際におけるユーザの作業時間が短縮される。

　また、ユーザが充電コネクタ１１および充電ケーブル１５を取り扱う距離が長い場合には、充電コネクタ１１および充電ケーブル１５が重いためにユーザが充電コネクタ１１を落としてしまう可能性がある。充電コネクタ１１が落とされた場合には、充電接続部１３の外周部の変形、割れまたは破損による充電コネクタ１１の故障または短絡といった不具合が生じる可能性ある。また、充電コネクタ１１が落とされた場合には、充電コネクタ１１において大電流が取り扱われるために充電接続部１３に複数が設けられている電気接続部１３ａの変形、割れまたは破損による、充電接続部１３の接触不良、故障または短絡といった不具合が生じる可能性ある。また、充電コネクタ１１が落とされた場合には、充電コネクタ１１において大電流が取り扱われるために充電接続部１３に設けられているロック機構１３ｂにおいてロックできない、またはロックが解除されないなどの不動作の不具合が生じる可能性ある。これらの不具合が生じた場合には、電気自動車３０の蓄電池３１の充電ができなくなる可能性がある。

　車両用充電システム１では、ユーザが充電コネクタ１１および充電ケーブル１５を取り扱う距離が短くなるため、ユーザが充電コネクタ１１を落としてしまう可能性を低減することができる。これにより、ユーザが充電コネクタ１１を落とすことに起因した上記の不具合の発生を低減することができる。

　また、電気自動車３０においては、蓄電池３１を充電するときの車両側充電接続部３２の位置が車種ごとに１箇所に決まっている。例えば、ある車種では、車両側充電接続部３２が車両の正面側に設けられている。また、他の車種では、車両側充電接続部３２が車両の後方の右側面に設けられている。このため、車両用充電装置１０が設置された後に、電気自動車３０の車種の変更、電気自動車３０の駐車向きの変更などに起因して、車両用充電装置１０から見た電気自動車３０の車両側充電接続部３２の位置、車両用充電装置１０から見た電気自動車３０の車両側充電接続部３２の向き、および車両用充電装置１０から電気自動車３０の車両側充電接続部３２までの距離が変更される可能性が高い。

　車両用充電システム１では、電気自動車３０の車両側充電接続部３２と車両用充電装置１０との間の任意の位置にホルダ２０が着脱可能とされている。すなわち、車両用充電システム１では、電気自動車３０の車両側充電接続部３２と車両用充電装置１０との間の任意の位置にホルダ２０を設置可能であり、また電気自動車３０の車両側充電接続部３２と車両用充電装置１０との間の任意の位置に取り付けたホルダ２０を取り外すことが可能である。すなわち、車両用充電システム１では、車両用充電装置１０が設置された後に、ホルダ２０の取付位置およびホルダ２０の取付方向を任意に変更することが可能である。

　このため、車両用充電システム１では、車両用充電装置１０が設置された後に変更された、車両用充電装置１０から見た電気自動車３０の車両側充電接続部３２の位置、車両用充電装置１０から見た電気自動車３０の車両側充電接続部３２の向き、および車両用充電装置１０から電気自動車３０の車両側充電接続部３２までの距離に対応させて、ホルダ２０の取付位置およびホルダ２０の取付方向を、ユーザがコネクタ付き充電ケーブル１６を取り扱いやすい位置に変更可能である。これにより、車両用充電装置１０が設置された後に電気自動車３０の車種または電気自動車３０の駐車向きが変更された場合でも、ユーザは、電気自動車３０の蓄電池３１を充電する際の作業および充電コネクタ１１をホルダ２０に収納する際の作業を効率良く行うことができる。

　また、車両用充電システム１では、充電コネクタ１１の充電接続部１３の先端が斜め下方向を向く姿勢で充電コネクタ１１がホルダ２０に収納されるため、充電コネクタ１１の先端部分が斜め下を向く姿勢で充電コネクタ１１を収納できる。これにより、充電コネクタ１１がホルダ２０に収納する際および充電コネクタ１１をホルダ２０から取り出す際に、ユーザによる充電コネクタ１１の取り扱いが容易とされており、充電コネクタ１１を落とす可能性が低減されている。

　また、ホルダ２０では、ホルダ２０の第１コネクタ保持部２２ａに形成された貫通孔２４に充電コネクタ１１の充電接続部１３を上方から差し込むだけで、充電コネクタ１１をホルダ２０に収納できる。これにより、ホルダ２０では、充電コネクタ１１の収納および充電コネクタ１１の取り出し作業が容易とされており、ユーザにとって使いやすいホルダ２０が実現されている。

　また、ユーザは、ホルダ２０の前で充電コネクタ１１の収納および取り出しの作業を行うため、ホルダ２０の周辺にユーザの作業スペースを確保する必要がある。ホルダ２０では、充電ケーブル巻付部２３の下方にコネクタ保持部２２が設けられている。そして、充電ケーブル巻付部２３は、水平方向において、コネクタ保持部２２と重複する領域に設けられている。すなわち、ホルダ２０では、水平方向において、充電コネクタ１１を保持するためのスペースと、充電ケーブル１５を保持するためのスペースを共有されている。

　これにより、水平方向におけるホルダ２０の面積を小さくすることができ、コネクタ付き充電ケーブル１６の収納のための空間を省スペース化できる。すなわち、車両用充電システム１では、ホルダ２０の小型化が可能であり、ホルダ２０の設置場所の選択肢の幅が広くなる。また、ホルダ２０の小型化が可能となることにより、ホルダ２０の周囲に、ユーザがコネクタ付き充電ケーブル１６を取り扱うための作業スペースが確保し易くなり、ホルダ２０の設置場所の選択肢の幅が広くなる。

　また、充電ケーブル巻付部２３は、充電ケーブル巻付部２３の下部に位置するコネクタ保持部２２に対して防滴および防塵のための障壁となる。これにより、ホルダ２０では、コネクタ保持部２２の上方からコネクタ保持部２２に落下した水または埃といった異物がコネクタ保持部２２を伝って充電コネクタ１１の充電接続部１３に付着することに起因した、電気接続部１３ａの短絡故障の発生を低減することができる。

　図８は、図１に示すホルダ２０の変形例を示す断面図である。第１コネクタ保持部２２ａは、水平方向と平行に、固定部２１に対して手前側に直角に設けられてもよい。すなわち、第１コネクタ保持部２２ａは、固定部２１に対して垂直に、且つ充電ケーブル巻付部２３と平行に設けられてもよい。この場合、第２コネクタ保持部２２ｂは、設けられない。また、第１コネクタ保持部２２ａと充電ケーブル巻付部２３との距離Ｌ２は、充電コネクタ１１をホルダ２０に収納する際および充電コネクタ１１をホルダ２０から取り出す際に、充電コネクタ１１および充電ケーブル１５が充電ケーブル巻付部２３に接触しない距離とされる。

　ホルダ２０が図８に示した構成とされる場合には、充電コネクタ１１の充電接続部１３の先端が鉛直下方向を向く姿勢で充電コネクタ１１をホルダ２０に収納できる。充電コネクタ１１の先端部分が鉛直下方向を向く姿勢で充電コネクタ１１を収納できるため、充電コネクタ１１を収納しやすくされている。また、例えばホルダ２０の位置がユーザの腰あたりの高さとされている場合などにおいて、ユーザがホルダ２０に充電コネクタ１１を収納する際に充電コネクタ１１を貫通孔２４に差し込み易くなる。これにより、ユーザが充電コネクタ１１を貫通孔２４に差し込み損なって充電コネクタ１１を落下させる可能性が低減され、またユーザの作業性が向上する。また、ユーザがホルダ２０から充電コネクタ１１を取り外す際に充電コネクタ１１を貫通孔２４から取り出し易くなり、ユーザの作業性が向上する。

　また、上記においては、充電ケーブル巻付部２３が固定部２１に対して直角に設けられている場合について説明したが、充電ケーブル巻付部２３は、固定部２１から見た、固定部２１と充電ケーブル巻付部２３とがなす角度を鈍角にしてもよい。これにより、充電ケーブル巻付部２３に充電ケーブル１５を巻き付けた際に、充電ケーブル１５が充電ケーブル巻付部２３から脱落しにくくなる。

　上述したように、本実施の形態１によれば、電気自動車３０の蓄電池３１の充電に伴って発生するコネクタ付き充電ケーブル１６の取り回し作業の負担を軽減でき、電気自動車３０の蓄電池３１の充電に伴うユーザの作業負担を軽減できる。また、本実施の形態１によれば、ホルダ２０の小型化によりホルダ２０の周辺にユーザの作業スペースが確保し易くなる。

実施の形態２．
　図９は、実施の形態２にかかるホルダ２０ａを上方から見た斜視図である。図１０は、図９に示すホルダ２０ａの下面図である。図１１は、図９に示すホルダ２０ａに充電コネクタ１１が収納された状態を示す側面図である。

　本実施の形態２にかかるホルダ２０ａは、上述した実施の形態１にかかる車両用充電システム１においてホルダ２０の代わりに用いることができる。ホルダ２０ａが実施の形態１にかかるホルダ２０と異なる点は、コネクタ保持部２２が側壁部２５を有し、ホルダ２０ａの最下部に貫通孔２６を有する点である。以下、ホルダ２０ａがホルダ２０と異なる点について説明する。なお、図９から図１２では、ホルダ２０ａにおいてホルダ２０と同様の構成についてはホルダ２０と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。

　ホルダ２０ａは、第１コネクタ保持部２２ａと第２コネクタ保持部２２ｂと固定部２１とに接続してホルダ２０ａの側部に設けられた２つの側壁部２５である第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとを有する。具体的に、第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとは、ホルダ２０ａを正面側から見た場合の第１コネクタ保持部２２ａの側部２２ｃに設けられている。

　側壁部２５は、ホルダ２０ａを正面側から見た場合の第１コネクタ保持部２２ａの側部２２ｃから上方に向かって、第２コネクタ保持部２２ｂと固定部２１とに接続して設けられている。側壁部２５は、平板状を有する。すなわち、側壁部２５は、側壁部２５は、第１コネクタ保持部２２ａの側部２２ｃから上方に向かって突出し、第１コネクタ保持部２２ａと第２コネクタ保持部２２ｂと固定部２１とに対して直角に設けられている。すなわち、側壁部２５は、第１コネクタ保持部２２ａと第２コネクタ保持部２２ｂと固定部２１とに対して垂直に、鉛直方向と平行に、設けられている。

　ホルダ２０ａは、ホルダ２０ａの側部に第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとを有することにより、ユーザが貫通孔２４に充電接続部１３を差し込む際に、充電接続部１３がホルダ２０ａにおける第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとの間に入り込めば充電接続部１３を容易にホルダ２０ａに収納できる。

　すなわち、ホルダ２０ａは、ユーザが貫通孔２４に充電接続部１３を差し込む際に、充電接続部１３が第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとの間に入り込めば、充電コネクタ１１をさらに下方に移動させることにより充電接続部１３が貫通孔２４に差し込まれる。このように、ホルダ２０ａでは、充電接続部１３をホルダ２０ａに収納する際に充電接続部１３を貫通孔２４に誘導する機能を第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとが有する。これにより、ホルダ２０ａでは、ユーザによるホルダ２０ａへの充電コネクタ１１の収納作業がより容易となり、ユーザによる充電コネクタ１１の収納作業の作業性が向上する。

　また、ホルダ２０ａは、ホルダ２０ａの側部に第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとを有することにより、ホルダ２０ａの側方から飛来する水および埃といった異物が充電コネクタ１１の充電接続部１３へ入り込むことを防止することができる。

　すなわち、第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとは、充電コネクタ１１およびコネクタ保持部２２に対するホルダ２０ａの側方から飛来する水に対して、防滴のための障壁となる。これにより、ホルダ２０ａでは、ホルダ２０ａの側方から飛来する水が充電コネクタ１１またはコネクタ保持部２２を伝って充電コネクタ１１の充電接続部１３へ入り込むことを、防止することができる。

　また、第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとは、充電コネクタ１１およびコネクタ保持部２２に対するホルダ２０ａの側方から飛来する埃に対して、防塵のための障壁となる。これにより、ホルダ２０ａでは、ホルダ２０ａの側方から飛来する埃が充電コネクタ１１またはコネクタ保持部２２を伝って充電コネクタ１１の充電接続部１３へ入り込むことを、防止することができる。

　上述したように、充電コネクタ１１は大電力を扱うため、充電接続部１３の電気接続部１３ａに水または埃といった異物が付着した際には、電気接続部１３ａの短絡故障が発生する可能性がある。ホルダ２０ａでは、ホルダ２０ａの側部に第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとを有することにより、電気接続部１３ａへの異物の付着に起因した、電気接続部１３ａの短絡故障の発生を低減することができる。

　また、ホルダ２０ａは、ホルダ２０ａの最下部に貫通孔２６が形成されている。具体的に、ホルダ２０ａは、第１コネクタ保持部２２ａと第２コネクタ保持部２２ｂと第１側壁部２５ａとによって構成される隅部に、貫通孔２６である第１貫通孔２６ａが形成されている。また、ホルダ２０ａは、第１コネクタ保持部２２ａと第２コネクタ保持部２２ｂと第２側壁部２５ｂとによって構成される隅部に、貫通孔２６である第２貫通孔２６ｂが形成されている。貫通孔２６が形成されたホルダ２０ａの最下部は、第１コネクタ保持部２２ａと第２コネクタ保持部２２ｂとの接続部である。

　図１２は、図９に示すホルダ２０ａにおける水滴の排出経路を示す図である。図１２においては、充電コネクタ１１が収納される箱状の収納部に浸入した水の移動経路が破線の矢印で示されている。ホルダ２０ａは、側壁部２５が設けられることにより、固定部２１と、第１コネクタ保持部２２ａと、第２コネクタ保持部２２ｂと、第１側壁部２５ａと、第２側壁部２５ｂと、充電ケーブル巻付部２３とによって構成される、充電コネクタ１１が収納される箱状の収納部が構成される。この場合、仮に側壁部２５の内側に水が浸入した場合、すなわち仮に箱状の収納部の内部に水が浸入した場合には、箱状の収納部の内部に浸入した水が、箱状の収納部の最下部に溜まり易くなる。ホルダ２０ａでは、箱状の収納部の内部に浸入した水は、重力によって箱状の収納部の最下部に流れ、貫通孔２６を通って箱状の収納部の外に排出される。これにより、ホルダ２０ａでは、仮に側壁部２５の内側に水が浸入した場合でも箱状の収納部の下部に水が溜まることを防止できる。

　ホルダ２０ａでは、箱状の収納部の下部に水が溜まることを防止できるため、例えばホルダ２０ａが鉄などの錆び易い材料により構成されている場合に、箱状の収納部の下部に溜まった水に起因してホルダ２０ａが錆びることを防止できる。

　また、仮に側壁部２５の内側に埃が侵入した場合、すなわち仮に箱状の収納部の内部に埃が侵入した場合には、箱状の収納部の内部に侵入した埃は、固定部２１、第１コネクタ保持部２２ａ、第２コネクタ保持部２２ｂ、第１側壁部２５ａおよび第２側壁部２５ｂなどに付着しても、上述したように箱状の収納部の内部に浸入した水が流れて貫通孔２６から排出される際に、水と共に排出される。これにより、ホルダ２０ａでは、箱状の収納部の下部に埃が堆積することを防止できる。

　充電コネクタ１１は大電力を扱っており、充電接続部１３の電気接続部１３ａに水または埃といった異物が付着した際には、電気接続部１３ａの短絡故障が発生する可能性がある。ホルダ２０ａでは、ホルダ２０ａの最下部に貫通孔２６が形成されていることにより、仮に箱状の収納部の内部に水および埃といった異物が浸入した場合でも、箱状の収納部の下部に水および埃といった異物が溜まることを防止することができ、電気接続部１３ａへの異物の付着に起因した、電気接続部１３ａの短絡故障の発生を低減することができる。

　また、ホルダ２０ａは、箱状の収納部の下部に水および埃といった異物が溜まることを防止することができるため、ホルダ２０ａを清潔に保つことができる。

　なお、本実施の形態２においては、貫通孔２６が箱状の収納部の２か所の隅部に形成されているが、箱状の収納部の最下部の全体が貫通孔とされてもよい。具体的に、第１コネクタ保持部２２ａと第２コネクタ保持部２２ｂとが接続される部分の全体に貫通孔２６が形成されていてもよい。この場合、第１コネクタ保持部２２ａと第２コネクタ保持部２２ｂとは、側壁部２５を介して接続される。

　また、貫通孔２６が形成される位置、貫通孔２６の形状および貫通孔２６の数量は、上述したように箱状の収納部の内部から水および埃といった異物を排出できれば、特に限定されない。

　上述した本実施の形態２にかかるホルダ２０ａは、実施の形態１にかかるホルダ２０と同様の効果を有する。

　また、ホルダ２０ａは、ホルダ２０ａの側部に第１側壁部２５ａと第２側壁部２５ｂとを有することにより、ホルダ２０ａの側方から飛来する水および埃といった異物の電気接続部１３ａへの付着に起因した、電気接続部１３ａの短絡故障の発生を低減することができる。また、ホルダ２０ａは、ホルダ２０ａの最下部に貫通孔２６が形成されていることにより、箱状の収納部の下部に水および埃といった異物が溜まることを防止できるため、電気接続部１３ａへの異物の付着に起因した、電気接続部１３ａの短絡故障の発生を低減することができる。

実施の形態３．
　図１３は、実施の形態３にかかるホルダ２０ｂの正面図である。図１４および図１５は、図１３に示すホルダ２０ｂを取付部４０に固定する方法を示す正面図である。図１４では、ねじ５０が仮締めされた状態を示している。図１５では、ねじ５０が本締めされた状態を示している。

　本実施の形態３にかかるホルダ２０ｂが上述した実施の形態２にかかるホルダ２０ａと異なる点は、固定部２１における上部側の領域に形成された２つのねじ固定孔２１ａがダルマ孔２１ｂとされている点である。以下、ホルダ２０ｂがホルダ２０ａと異なる点について説明する。なお、図１３から図１５では、ホルダ２０ｂにおいてホルダ２０ａと同様の構成についてはホルダ２０ａと同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。

　ホルダ２０ｂは、実施の形態２にかかるホルダ２０ａと同様に、ねじ固定によって取付部４０に固定される。ホルダ２０ｂは、取付部４０にねじ固定される際に用いられる２つのねじ固定孔２１ａが、固定部２１における下部側の領域に形成されている。また、ホルダ２０ｂは、取付部４０にねじ固定される際に用いられる２つのねじ固定孔２１ａとして、２つのダルマ孔２１ｂが固定部２１における上部側の領域に形成されている。

　ダルマ孔２１ｂは、大小２つの開口部の開口形状が丸孔形状とされている。ダルマ孔２１ｂにおける開口の大きい丸孔部分は、ねじ５０の軸方向に垂直な方向におけるねじ５０の最大外径部よりも大きい寸法とされている。ダルマ孔２１ｂにおける開口の小さい丸孔部分は、ねじ５０の軸方向に垂直な方向におけるねじ５０の最大外径部よりも小さい、ねじ固定孔２１ａと同じ寸法とされている。ダルマ孔２１ｂは、開口の小さい丸孔部分が上側とされ、開口の大きい丸孔部分が下側とされて、形成されている。なお、開口の小さい丸孔は、ねじ５０が固定される第１の孔である。また、開口の大きい丸孔は、第１の孔よりも大きくねじ５０が通過可能な開口寸法を有する第２の孔である。したがって、ダルマ孔２１ｂは、ねじ５０が固定される第１の孔と、第１の孔よりも大きくねじが通過可能な開口寸法を有する第２の孔とが、一部が重なるように並んで形成された孔といえる。

　ホルダ２０ｂを取付部４０に取り付ける際には、まず、図１４に示すように、ねじ５０が仮締めされ、２つのダルマ孔２１ｂにおける開口の大きい丸孔部分が、仮締めされたねじ５０に挿入される。つぎに、図１５に示された矢印の方向、すなわち鉛直下方に、ホルダ２０ｂが動かされる。これにより、仮締めした２つのねじ５０にダルマ孔２１ｂの開口の小さい丸孔部分が引っ掛かった状態とすることができる。

　つぎに、仮締めした２つのねじ５０が本締めされ、固定部２１における下部側の領域に形成されている２つのねじ固定孔２１ａにねじ５０が本締めされることにより、ホルダ２０ｂが取付部４０にねじ固定される。このとき、仮締めされた２つのねじ５０にダルマ孔２１ｂの開口の小さい丸孔部分が引っ掛かっている。このため、作業者は、ねじ５０の本締めを行う際にホルダ２０ｂを手で支える必要がなく、ねじ５０の本締め作業が容易となる。

　また、ホルダ２０ｂを取付部４０から取り外す場合には、固定部２１における下部側の領域に形成されている２つのねじ固定孔２１ａに本締めさているねじ５０を外した状態で、ダルマ孔２１ｂに本締めされているねじ５０が緩められる。これにより、２つのねじ５０がホルダ２０ｂの開口の小さい丸孔部分に引っかかった状態にすることができる。つぎに、図１５に示された矢印の方向と反対の方向、すなわち鉛直上方に、ホルダ２０ｂが動かされる。これにより、緩められたねじ５０をダルマ孔２１ｂの開口の大きい丸孔部分に通しながらホルダ２０ｂを手前側に移動することにより、ホルダ２０ｂが取付部４０から取り外される。

　すなわち、作業者は、ホルダ２０ｂをねじ止めしている下側の２つのねじ５０を外した状態でホルダ２０ｂをねじ止めしている上側の２つのねじ５０を緩め、ホルダ２０ｂを上方に上げて手前側に引くことで、容易にホルダ２０ｂを取付部４０から取り外せる。これにより、ホルダ２０ｂは、全てのねじ５０を外すことなく、取付部４０からホルダ２０ｂを取り外すことができる。

　このように、ホルダ２０ｂは、ホルダ２０ｂを取付部４０に対して着脱する際に、ホルダ２０ｂが上側の２つのねじ５０に引っかかった状態で作業できるため、取付部４０に対する着脱の作業性が向上する。また、ホルダ２０ｂは、ホルダ２０ｂを取付部４０に対して着脱する際に、ホルダ２０ｂが上側の２つのねじ５０に引っかかった状態で作業できるため、不意にホルダ２０ｂを落下させるおそれがなく、落下によるホルダ２０ｂの損傷および汚損を防止できる。

　上述した実施の形態１にかかるホルダ２０の場合は、取付部４０からホルダ２０を取り外す際に、４つのねじ固定孔２１ａに本締めされている全てのねじ５０を外さないとホルダ２０を取付部４０から取り外すことができない。そして、４つのねじ５０のうち最後のねじを取り外す際には、ホルダ２０を手で支えていないと、不意にホルダ２０が落下したり、ホルダ２０が手前に倒れて来ることが生じる。実施の形態２にかかるホルダ２０ａについても同様である。

　なお、本実施の形態３においては、２つのダルマ孔２１ｂが固定部２１に形成されているが、固定部２１における上部側の領域に１つ以上のダルマ孔２１ｂが形成されていれば、上述したようなホルダ２０ｂの落下防止効果が得られる。すなわち、固定部２１は、固定部２１を取付部４０にねじ止めする際に固定部２１側から取付部４０に向かってねじが差し込まれる複数のねじ固定孔２１ａを有し、複数のねじ固定孔２１ａのうち少なくとも１つが、ホルダ２０ｂの重心よりも上側に設けられたダルマ孔２１ｂとされればよい。

　また、ダルマ孔２１ｂは、固定部２１におけるホルダ２０ｂの重心よりも上側の位置に形成される。ホルダ２０ｂの重心がダルマ孔２１ｂよりも下側にあることで、取付部４０に対するホルダ２０ｂの取り付けの際および取付部４０からのホルダ２０ｂの取り外しの際にホルダ２０ｂから手を離しても、ホルダ２０ｂの姿勢が変わらない。これにより、ホルダ２０ｂは、取付部４０に対する着脱の作業性が向上する。

　一方、固定部２１においてダルマ孔２１ｂがホルダ２０ｂの重心よりも下側にある場合、取付部４０に対するホルダ２０ｂの取り付けの際およびホルダ２０ｂの取り外しの際にホルダ２０ｂから手を離すと、ホルダ２０ｂの姿勢が変わり、ホルダ２０ｂが手前に倒れ込んできたりする可能性がある。

　また、固定部２１におけるホルダ２０ｂの重心よりも上側の位置にダルマ孔２１ｂが１つだけ形成されている場合には、ダルマ孔２１ｂの位置にも依るが、取付部４０に対するホルダ２０ｂの取り付けの際および取付部４０に対するホルダ２０ｂの取り外しの際にホルダ２０ｂから手を離すと、重力によりホルダ２０ｂの姿勢が変わる可能性がある。

　したがって、ダルマ孔２１ｂは、固定部２１におけるホルダ２０ｂの重心よりも上側の位置に、２つ以上の数量が設けられることが好ましい。

　また、ダルマ孔２１ｂの形状は、ダルマ孔２１ｂに緩めたねじ５０を通す際に、ねじ５０の軸方向に垂直な方向におけるねじ５０の最大外径部が干渉しない形状であればよく、丸孔形状に限定されない。

　また、上述したダルマ孔２１ｂは、実施の形態１にかかるホルダ２０および実施の形態２にかかるホルダ２０ａに適用されてもよい。

　上述した本実施の形態３にかかるホルダ２０ｂは、実施の形態１にかかるホルダ２０および実施の形態２にかかるホルダ２０ａと同様の効果を有する。

　また、ホルダ２０ｂは、ホルダ２０ｂを取付部４０に対して着脱する際に、ホルダ２０ｂがねじ５０に引っかかった状態で作業できるため、取付部４０に対する着脱の作業性が向上し、またホルダ２０ｂの落下によるホルダ２０ｂの損傷および汚損を防止できる。これにより、取付部４０に対するホルダ２０ｂの着脱を容易に行うことができ、ホルダ２０ｂの位置を変更する場合のユーザの作業が簡便となる。

実施の形態４．
　図１６は、実施の形態４にかかるホルダ２０ｃの側面図である。図１７は、実施の形態４にかかるホルダ２０ｃを上方から見た斜視図である。図１８および図１９は、図１６に示すホルダ２０ｃを取付部４０に固定する方法を示す側面図である。図１８では、ホルダ２０ｃを取付部４０に引っ掛けた状態を示している。図１９では、取付部４０に引っ掛けたホルダ２０ｃを取付部４０にねじ止めする状態を示している。

　本実施の形態４にかかるホルダ２０ｃが上述した実施の形態１にかかるホルダ２０と異なる点は、固定部２１が取付部４０に取り付けられる際に取付部４０に対向する対向面に引っ掛かり部２７が設けられていることである。以下、ホルダ２０ｃがホルダ２０と異なる点について説明する。なお、図１６から図１９では、ホルダ２０ｃにおいてホルダ２０と同様の構成についてはホルダ２０と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。

　ホルダ２０ｃは、図１６および図１７に示すように、固定部２１が取付部４０に取り付けられる際に取付部４０に対向する対向面に、２つの引っ掛かり部２７が設けられている。引っ掛かり部２７は、固定部２１の外面から固定部２１の面内方向に垂直に突出し、さらに固定部２１の面内方向と平行に下方に折り曲がって延在する、Ｌ形状を有する。２つの引っ掛かり部２７は、固定部２１において、固定部２１のホルダ２０ｃの高さ方向における同じ高さ位置に設けられている。

　引っ掛かり部２７は、取付部４０の上端部に引っ掛けられることにより、ホルダ２０ｃを取付部４０に仮固定する。すなわち、取付部４０の上端部は、取付部４０に設けられた取付部側嵌合部といえる。また、引っ掛かり部２７は、取付部４０に設けられた取付部側嵌合部に嵌合してホルダ２０ｃを取付部４０にぶら下げるための固定部側嵌合部といえる。

　ホルダ２０ｃを取付部４０に取り付ける際には、まず、図１８に示すように、引っ掛かり部２７が取付部４０の上端部に引っ掛けられる。つぎに、図１９に示すように、ねじ固定孔２１ａおよびねじ孔４０ａにねじ５０が本締めされることにより、ホルダ２０ｃが取付部４０にねじ固定される。このとき、引っ掛かり部２７が取付部４０の上端部に引っ掛けられている。このため、作業者は、ねじ５０の本締めを行う際にホルダ２０ｂを手で支える必要がなく、ねじ５０の本締め作業が容易となる。引っ掛かり部２７は、取付部４０の上端部に引っ掛けられた状態で、ねじ固定孔２１ａおよびねじ孔４０ａにねじ５０を入れられる高さ位置に設けられている。

　また、ホルダ２０ｃを取付部４０から取り外す場合には、まず、全てのねじ５０を外す。このとき、引っ掛かり部２７が取付部４０の上端部に引っ掛けられている。このため、全てのねじ５０を外す際にホルダ２０ｃを手で支える必要がなく、ねじ５０を外す作業が容易となる。つぎに、ホルダ２０ｃを上方に移動させることにより、ホルダ２０ｃが取付部４０から取り外される。

　すなわち、作業者は、全てのねじ５０を外し、ホルダ２０ｃを上方に移動させることで、容易にホルダ２０ｃを取付部４０から取り外せる。このように、ホルダ２０ｃは、ホルダ２０ｃを取付部４０に対して着脱する際に、引っ掛かり部２７が取付部４０の上端部に引っ掛けられている状態で作業できるため、取付部４０に対する着脱の作業性が向上する。また、ホルダ２０ｃは、ホルダ２０ｃを取付部４０に対して着脱する際に、引っ掛かり部２７が取付部４０の上端部に引っ掛けられている状態で作業できるため、不意にホルダ２０ｃを落下させるおそれがなく、落下によるホルダ２０ｃの損傷および汚損を防止できる。

　また、引っ掛かり部２７は、固定部２１におけるホルダ２０ｃの重心よりも上側の位置に形成される。ホルダ２０ｃの重心が引っ掛かり部２７よりも下側にあることで、取付部４０に対するホルダ２０ｃの取り付けの際および取付部４０からのホルダ２０ｃの取り外しの際にホルダ２０ｃから手を離しても、ホルダ２０ｃの姿勢が変わらない。これにより、ホルダ２０ｃは、取付部４０に対する着脱の作業性が向上する。

　なお、本実施の形態４では、固定部２１に２つの引っ掛かり部２７が設けられているが、ホルダ２０ｃを確実に取付部４０に仮固定できれば、引っ掛かり部２７の数量は特に限定されない。したがって、ホルダ２０ｃは、ホルダ２０ｃを確実に取付部４０に仮固定できる、１つ以上の引っ掛かり部２７を有していればよい。また、引っ掛かり部２７の形状は、取付部４０の上端部に引っ掛けることができれば、上述したようなＬ形状を有する爪形状に限定されない。ホルダ２０ｃは、例えば２本の柱にわたって固定された板が取付部４０に用いられる場合に適している。

　また、上記においては、固定部２１に設けられた引っ掛け形状部である引っ掛かり部２７が被引っ掛け形状部である取付部４０の上端部に引っ掛けられる構成とされているが、固定部２１に被引っ掛け形状部が設けられ、取付部４０に引っ掛け形状部が設けられてもよい。この場合も、上記と同様の効果が得られる。

　図２０は、実施の形態４にかかる他のホルダ２０ｄを上方から見た斜視図である。図２１および図２２は、図２０に示す他のホルダ２０ｄを取付部４０に固定する方法を示す側面図である。図２１では、取付部４０の引っ掛かり部４１を他のホルダ２０ｄのスリット２１ｃに嵌め込む状態を示している。図２２では、取付部４０の引っ掛かり部４１に引っ掛けた他のホルダ２０ｄを取付部４０にねじ止めする状態を示している。なお、図２１および図２２では、スリット２１ｃの理解の容易化のために、他のホルダ２０ｄの厚さを強調して示している。

　他のホルダ２０ｄは、図２０に示すように、固定部２１を厚さ方向に貫通する２つのスリット２１ｃが固定部２１に設けられている。この場合、取付部４０における他のホルダ２０ｄに対向する取付面には、２つの引っ掛かり部４１が設けられる。他のホルダ２０ｄの２つのスリット２１ｃのそれぞれは、固定部２１の面内において、取付部４０の２つの引っ掛かり部４１に対応した位置に設けられている。引っ掛かり部４１は、取付部４０に設けられた取付部側嵌合部といえる。また、スリット２１ｃは、取付部４０に設けられた取付部側嵌合部に嵌合して他のホルダ２０ｄを取付部４０にぶら下げるための固定部側嵌合部といえる。

　他のホルダ２０ｄを取付部４０に取り付ける際には、まず、図２１に矢印で示すように、他のホルダ２０ｄを取付部４０に向けて移動させて、取付部４０の２つの引っ掛かり部４１を他のホルダ２０ｄの２つのスリット２１ｃに嵌め込む。つぎに、図２２に示すように、ねじ５０を用いて他のホルダ２０ｄが取付部４０にねじ固定される。このとき、取付部４０の２つの引っ掛かり部４１が他のホルダ２０ｄの２つのスリット２１ｃに引っ掛けられている。このため、作業者は、ねじ５０の本締めを行う際に他のホルダ２０ｄを手で支える必要がなく、ねじ５０の本締め作業が容易となる。

　また、他のホルダ２０ｄを取付部４０から取り外す場合には、まず、全てのねじ５０を外す。このとき、取付部４０の２つの引っ掛かり部４１が他のホルダ２０ｄの２つのスリット２１ｃに引っ掛けられている。このため、全てのねじ５０を外す際に他のホルダ２０ｄを手で支える必要がなく、ねじ５０を外す作業が容易となる。つぎに、他のホルダ２０ｄを上方に移動させ、手前に移動させることにより、他のホルダ２０ｄが取付部４０から取り外される。

　また、スリット２１ｃは、固定部２１における他のホルダ２０ｄの重心よりも上側の位置に形成される。他のホルダ２０ｄの重心が２つのスリット２１ｃよりも下側にあることで、取付部４０に対する他のホルダ２０ｄの取り付けの際および取付部４０からの他のホルダ２０ｄの取り外しの際に他のホルダ２０ｄから手を離しても、他のホルダ２０ｄの姿勢が変わらない。これにより、他のホルダ２０ｄは、取付部４０に対する着脱の作業性が向上する。

　上述した本実施の形態４にかかるホルダ２０ｃは、実施の形態３と同様の効果を有する。

　また、ホルダ２０ｃは、ホルダ２０ｃを取付部４０に対して着脱する際に、ホルダ２０ｃが取付部４０の上端部に引っ掛けられた状態で作業できるため、取付部４０に対する着脱の作業性が向上し、またホルダ２０ｃの落下によるホルダ２０ｃの損傷および汚損を防止できる。これにより、取付部４０に対するホルダ２０ｃの着脱を容易に行うことができ、ホルダ２０ｃの位置を変更する場合のユーザの作業が簡便となる。

実施の形態５．
　図２３は、実施の形態５にかかるホルダ２０ｅを上方から見た斜視図である。図２４は、図２３に示すホルダ２０ｅに充電コネクタ１１が収納された状態を示す側面図である。本実施の形態５にかかるホルダ２０ｅが上述した実施の形態２にかかるホルダ２０ａと異なる点は、充電ケーブル巻付部２３の先端部２３ａに突起部２８を有する点である。以下、ホルダ２０ｅがホルダ２０ａと異なる点について説明する。なお、図２３および図２４では、ホルダ２０ｅにおいてホルダ２０ａと同様の構成についてはホルダ２０ａと同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。

　突起部２８は、充電ケーブル巻付部２３の先端部２３ａから上方に向かって設けられ、充電ケーブル巻付部２３に巻き付けられた充電ケーブル１５の充電ケーブル巻付部２３の先端部２３ａからの脱落を防止する第２のケーブル支持部である。突起部２８は、平板状を有し、一端側の端部が、充電ケーブル巻付部２３の先端側である他端側の端部に接続して設けられている。すなわち、突起部２８は、充電ケーブル巻付部２３の他端側の端部から延在して設けられている。突起部２８は、充電ケーブル巻付部２３の他端側の端部から上方に向かって突出し、充電ケーブル巻付部２３に対して直角に設けられている。すなわち、突起部２８は、充電ケーブル巻付部２３に対して垂直に、鉛直方向と平行に、設けられている。

　ホルダ２０ｅでは、充電ケーブル巻付部２３に巻き付けられた充電ケーブル１５は、突起部２８を乗り越えられない。このため、ホルダ２０ｅでは、充電ケーブル１５を充電ケーブル巻付部２３に巻き付ける際、または充電ケーブル１５を充電ケーブル巻付部２３から外す際に、充電ケーブル１５が充電ケーブル巻付部２３の先端部２３ａから外れて脱落することを防ぐことができる。これにより、ホルダ２０ｅでは、ユーザによって行われる充電ケーブル１５を充電ケーブル巻付部２３に巻き付ける作業、またはユーザによって行われる充電ケーブル１５を充電ケーブル巻付部２３から外す作業が容易になる。

　ホルダ２０ｅでは、充電ケーブル巻付部２３に巻き付けられた充電ケーブル１５が充電ケーブル巻付部２３から落下しないので、床面への充電ケーブル１５の脱落による充電ケーブル１５の汚損および充電ケーブル１５の傷つきを防止できる。

　特に、充電ケーブル１５は、例えば０．６ｋｇ／ｍ程度の質量があり、通常の電気ケーブルよりも重たい。また、充電コネクタ１１も、例えば１ｋｇ程度の質量がある。５ｍ分の充電ケーブル１５を充電ケーブル巻付部２３に巻く場合、充電ケーブル巻付部２３には３ｋｇ程度の質量が乗ることになる。一方、充電コネクタ１１の質量は、ほとんどがコネクタ保持部２２に乗ることになる。このような重い充電ケーブル１５が充電ケーブル巻付部２３から地面に落下した場合には、充電ケーブル１５が損傷する可能性がある。また、ユーザが充電コネクタ１１および充電ケーブル１５を地面に落とした場合などにも、充電ケーブル１５の重さに起因して充電ケーブル１５が損傷する可能性がある。

　しかしながら、ホルダ２０ｅでは、充電ケーブル巻付部２３に巻き付けられた充電ケーブル１５が充電ケーブル巻付部２３から落下しないので、通常の電気ケーブルよりも重たい充電ケーブル１５の地面への落下に起因した充電ケーブル１５の汚損および充電ケーブル１５の傷つきの発生の可能性を低減することができる。

　また、充電ケーブル巻付部２３からの突起部２８の高さが高いほど、充電ケーブル巻付部２３からの充電ケーブル１５の落下防止効果が高くなる。そして、充電ケーブル巻付部２３からの突起部２８の高さは、充電ケーブル１５の半径以上の寸法とされることが好ましい。充電ケーブル巻付部２３からの突起部２８の高さが充電ケーブル１５の半径以上の寸法とされることにより、充電ケーブル巻付部２３からの充電ケーブル１５の落下防止効果が確実に得られる。

　突起部２８を有するホルダ２０ｅは、１枚の板金を折り曲げ加工することにより一体物として形成されている。なお、突起部２８は、別部品として形成されて、充電ケーブル巻付部２３の先端部２３ａに溶接などの方法によって接合されてもよい。

実施の形態６．
　図２５は、実施の形態６にかかるホルダ２０ｆを上方から見た斜視図である。図２６は、図２５に示すホルダ２０ｆの正面図である。図２７は、図２５に示すホルダ２０ｆに充電コネクタ１１が収納された状態を示す側面図である。本実施の形態６にかかるホルダ２０ｆが上述した実施の形態５にかかるホルダ２０ｅと異なる点は、充電ケーブル巻付部２３の側部２３ｂに補強部２９を有する点である。以下、ホルダ２０ｆがホルダ２０ｅと異なる点について説明する。なお、図２６では、補強部２９の理解の容易化のために、補強部２９の厚さを強調して示している。また、図２５から図２７では、ホルダ２０ｆにおいてホルダ２０ｅと同様の構成についてはホルダ２０ｅと同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。

　補強部２９は、充電ケーブル巻付部２３の側方側の端部である側部２３ｂから下方に向かって設けられ、充電ケーブル巻付部２３の機械的強度を補強する。補強部２９は、平板状を有し、一端側の端部が、充電ケーブル巻付部２３の側部２３ｂに接続するとともに、一部が側壁部２５に接続して設けられている。補強部２９は、充電ケーブル巻付部２３の側部２３ｂから下方に向かって突出し、充電ケーブル巻付部２３に対して直角に設けられている。すなわち、補強部２９は、充電ケーブル巻付部２３に対して垂直に、鉛直方向と平行に、充電ケーブル巻付部２３の側部２３ｂから延在して設けられている。

　ホルダ２０ｆは、補強部２９として、充電ケーブル巻付部２３の側部２３ｂと第１側壁部２５ａとに接続する第１補強部２９ａと、充電ケーブル巻付部２３の側部２３ｂと第２側壁部２５ｂとに接続する第２補強部２９ｂと、を有する。

　充電ケーブル巻付部２３には、充電ケーブル巻付部２３で支持される充電ケーブル１５の自重およびユーザが充電ケーブル１５を扱う際に生じる外力が、図２６に示す矢印の方向、すなわち鉛直下方に掛かる。このため、充電ケーブル巻付部２３には、このような外力に耐えうる機械的強度が要求され、厚さ寸法が大きくなりやすい。

　補強部２９は、充電ケーブル巻付部２３が薄い板材によって構成された場合でも充電ケーブル巻付部２３の剛性を高めることができ、充電ケーブル巻付部２３の機械的強度を補強することができる。このため、ホルダ２０ｆでは、補強部２９を設けることにより、充電ケーブル巻付部２３が薄板化された場合でも充電ケーブル１５の質量に耐えられるので、ホルダ２０ｆの軽量化と、充電ケーブル巻付部２３の機械的強度の向上が可能である。

　ホルダ２０ｆは、１枚の板金を折り曲げ加工することにより形成されている。ホルダ２０ｆが１枚の板金を折り曲げ加工することにより形成される場合、充電ケーブル巻付部２３の側部２３ｂから補強部２９につながる接続部分は、折り曲げ部となるため、滑らかな曲線形状となる。このため、充電ケーブル巻付部２３と補強部２９とに充電ケーブル１５が巻かれた際に充電ケーブル１５が損傷しにくい。

　一方、充電ケーブル巻付部２３の側部２３ｂから補強部２９につながる接続部分が角張っている場合には、充電ケーブル巻付部２３と補強部２９とに充電ケーブル１５が巻かれた際に充電ケーブル１５が損傷し易くなる。

　上述したように、充電ケーブル１５は大電力を扱うため、充電ケーブル１５が損傷した場合には充電コネクタ１１の短絡故障が発生する可能性がある。ホルダ２０ｆでは、充電ケーブル巻付部２３の側部２３ｂから補強部２９につながる接続部分の形状を滑らかな曲線形状とすることにより、充電ケーブル１５の損傷に起因した短絡故障の発生を低減することができる。

　なお、ホルダ２０ｆは、別部品として形成された補強部２９と充電ケーブル巻付部２３とが溶接などの方法によって接合されて形成されてもよい。この場合、充電ケーブル巻付部２３の側部２３ｂから補強部２９につながる接続部分を、研磨等の手法によって滑らかな曲線形状とすることが好ましい。これにより、上述した充電ケーブル１５の損傷に起因した短絡故障の発生を低減する効果が得られる。

　図２８は、充電ケーブル巻付部２３と、第１補強部２９ａと、第２補強部２９ｂとが円弧形状に一体形成された状態を示す正面図である。充電ケーブル巻付部２３と、第１補強部２９ａと、第２補強部２９ｂとが円弧形状に一体形成された場合も、上述した効果が得られる。

実施の形態７．
　図２９は、車両用充電装置１０の筐体１８の右側面１８ｃに実施の形態６にかかるホルダ２０ｆが取り付けられた状態を上方から見た斜視図である。図３０は、車両用充電装置１０の筐体１８の左側面１８ｄに実施の形態６にかかるホルダ２０ｆが取り付けられた状態を上方から見た斜視図である。図２９および図３０においては、充電ケーブル１５の図示を省略している。図３１および図３２は、車両用充電装置１０の筐体１８の右側面１８ｃに実施の形態６にかかるホルダ２０ｆが取り付けられた場合の効果を説明するための図である。図３１では、車両用充電装置１０の筐体１８の右側面１８ｃにホルダ２０ｆが取り付けられ、筐体１８の正面１８ａ側から車両用充電装置１０を見た場合に、電気自動車３０が車両用充電装置１０の左側に駐車される場合について示している。図３２では、車両用充電装置１０の筐体１８の左側面１８ｄにホルダ２０ｆが取り付けられ、筐体１８の正面１８ａ側から車両用充電装置１０を見た場合に、電気自動車３０が車両用充電装置１０の左側に駐車される場合について示している。

　例えば車両用充電装置１０と電気自動車３０との距離が近い場合には、図２９に示すように、上述した実施の形態６にかかるホルダ２０ｆが、車両用充電装置１０と電気自動車３０との間の位置ではないが、車両用充電装置１０の筐体１８の右側面１８ｃに設けられたホルダ２０ｆの取付部である第１ホルダ取付部１８ｆに取り付けられてもよい。また、例えば車両用充電装置１０と電気自動車３０との距離が近い場合には、図３０に示すように、上述した実施の形態６にかかるホルダ２０ｆが、車両用充電装置１０と電気自動車３０との間の位置ではないが、車両用充電装置１０の筐体１８の左側面１８ｄに設けられたホルダ２０ｆの取付部である第２ホルダ取付部１８ｇに取り付けられてもよい。

　筐体１８の正面１８ａ側から車両用充電装置１０を見た場合に車両用充電装置１０の右面にホルダ２０ｆが固定されている場合は、車両用充電装置１０の右側にユーザの作業スペースが必要になる。この場合は、車両用充電装置１０の右側にユーザの作業スペースを確保できない場所には車両用充電装置１０を設置できない。また、筐体１８の正面１８ａ側から車両用充電装置１０を見た場合に車両用充電装置１０の左側にホルダ２０ｆが固定されている場合は、車両用充電装置１０の左側にユーザの作業スペースが必要になる。この場合は、車両用充電装置１０の左側にユーザの作業スペースを確保できない場所には車両用充電装置１０を設置できない。

　車両用充電装置１０の筐体１８の右側面１８ｃおよび左側面１８ｄにホルダ２０ｆの取付部が設けられることにより、上記のような車両用充電装置１０の設置場所についての問題を解消できる。

　また、車両用充電装置１０が設置された後に、電気自動車３０の車種の変更、電気自動車３０の駐車向きの変更などに起因して、車両用充電装置１０から見た電気自動車３０の車両側充電接続部３２の位置、車両用充電装置１０から見た電気自動車３０の車両側充電接続部３２の向き、および車両用充電装置１０から電気自動車３０の車両側充電接続部３２までの距離が変更される可能性が高い。

　この場合は、車両用充電装置１０が設置された後に変更された、車両用充電装置１０から見た電気自動車３０の車両側充電接続部３２の位置、車両用充電装置１０から見た電気自動車３０の車両側充電接続部３２の向き、および車両用充電装置１０から電気自動車３０の車両側充電接続部３２までの距離に対応させて、車両用充電装置１０の筐体１８におけるホルダ２０ｆの取付位置を、ユーザがコネクタ付き充電ケーブル１６を取り扱いやすい位置に変更可能である。これにより、車両用充電装置１０が設置された後に電気自動車３０の車種または電気自動車３０の駐車向きが変更された場合でも、ユーザは、電気自動車３０の蓄電池３１を充電する際の作業および充電コネクタ１１をホルダ２０ｆに収納する際の作業を効率良く行うことができる。

　なお、ホルダ２０ｆが取り付け可能なホルダ取付部は、筐体１８において３か所以上設けられてもよい。例えば車両用充電装置１０と電気自動車３０との距離が近い場合には、ホルダ２０ｆは、車両用充電装置１０の筐体１８における、正面１８ａ、上面１８ｂ、右側面１８ｃ、左側面１８ｄおよび背面１８ｅのうちのいずれの面に取り付けられてもよい。

　これにより、車両用充電装置１０から充電ケーブル１５を引き出すために筐体１８に設けられたケーブル引き出し口の位置を変更する場合、変更したケーブル引き出し口に近い面にホルダ２０ｆが配置される。これにより、ユーザは効率良く短時間で、充電コネクタ１１をホルダ２０ｆから電気自動車３０の車両側充電接続部３２まで移動させることができ、また、充電コネクタ１１を電気自動車３０の車両側充電接続部３２からホルダ２０ｆまで移動させることができる。

　また、ホルダ２０ｆが、車両用充電装置１０の筐体１８における、正面１８ａ、上面１８ｂ、右側面１８ｃ、左側面１８ｄおよび背面１８ｅのうちのいずれの面にも取り付け可能であることにより、ケーブル引き出し口が筐体１８におけるどの面に設けられても、ユーザ側にホルダ２０ｆを取り付けることができる。これにより、ユーザは、効率良く短時間で、充電コネクタ１１をホルダ２０ｆから取り出し、また充電コネクタ１１をホルダ２０ｆに収納することができ、ホルダ２０ｆからの充電コネクタ１１の取り出し作業およびホルダ２０ｆへの充電コネクタ１１の収納作業の作業性が向上する。

　また、ホルダ２０ｆが、車両用充電装置１０の筐体１８における、正面１８ａ、上面１８ｂ、右側面１８ｃ、左側面１８ｄおよび背面１８ｅのうちのいずれの面にも取り付け可能であることにより、ホルダ２０ｆの設置位置および車両用充電装置１０から見たユーザの作業スペースを変更できるため、車両用充電装置１０の設置位置の自由度が向上する。

　ここで、図３１に示すように、車両用充電装置１０の筐体１８の右側面１８ｃにホルダ２０ｆが取り付けられ、筐体１８の正面１８ａ側から車両用充電装置１０を見た場合に電気自動車３０が車両用充電装置１０の左側に駐車される場合を想定する。この場合、ホルダ２０ｆは、車両用充電装置１０と電気自動車３０との間に位置しない。この場合において、電気自動車３０の蓄電池３１を充電するためにユーザが充電コネクタ１１を電気自動車３０まで移動させる距離を距離Ｌ３とする。なお、距離Ｌ３は、電気自動車３０の蓄電池３１の充電が終了して充電コネクタ１１をホルダ２０ｆまで移動させる距離と換言できる。

　また、図３２に示すように、車両用充電装置１０の筐体１８の左側面１８ｄにホルダ２０ｆが取り付けられ、筐体１８の正面１８ａ側から車両用充電装置１０を見た場合に、電気自動車３０が車両用充電装置１０の左側に駐車される場合を想定する。この場合、ホルダ２０ｆは、車両用充電装置１０と電気自動車３０との間に位置する。この場合において、電気自動車３０の蓄電池３１を充電するためにユーザが充電コネクタ１１を電気自動車３０まで移動させる距離を距離Ｌ４とする。なお、距離Ｌ４は、電気自動車３０の蓄電池３１の充電が終了して充電コネクタ１１をホルダ２０ｆまで移動させる距離と換言できる。

　距離Ｌ３と距離Ｌ４とを比較すると、距離Ｌ４が距離Ｌ３よりも短くなる。したがって、図３２に示す条件の場合の方が、図３１に示す条件の場合よりもユーザの作業の負担が軽くなる。したがって、電気自動車３０が車両用充電装置１０の左側に駐車される場合には、ホルダ２０ｆは車両用充電装置１０の筐体１８の左側面１８ｄに取り付けられることが好ましい。

　図３３は、車両用充電装置１０の筐体１８の右側面１８ｃに実施の形態１にかかるホルダ２０が取り付けられた状態を上方から見た斜視図である。図３４は、車両用充電装置１０の筐体１８の右側面１８ｃに取り付けられた実施の形態１にかかるホルダ２０に充電ケーブル１５が巻き付けられた状態を上方から見た斜視図である。図３３および図３４に示すように、車両用充電装置１０の筐体１８には、実施の形態１にかかるホルダ２０が取り付けられてもよい。電気自動車３０の車両側充電接続部３２と車両用充電装置１０との距離が短い場合には、図３３に示すようにホルダ２０に充電ケーブル１５を巻き付ける必要がない場合も想定される。

　また、車両用充電装置１０の筐体１８には、実施の形態２にかかるホルダ２０ａ、実施の形態３にかかるホルダ２０ｂ、実施の形態４にかかるホルダ２０ｃ、実施の形態５にかかるホルダ２０ｅおよび実施の形態６にかかるホルダ２０ｆのうちのいずれかのホルダが取り付けられてもよい。

　なお、上記の実施の形態１から実施の形態７においては、車両用充電装置１０と、ホルダ２０と、電気自動車３０と、を備える車両用充電システム１について説明した。ホルダ２０は、車両用充電装置１０の代わりに車両用充放電装置を用いた車両用充放電システムに適用することができる。

　車両用充放電装置は、例えば電気自動車３０の駆動用の蓄電池３１と電力の授受を行う充放電器を備える。車両用充放電装置は、商用系統から供給される電力によって充電され、充電された電力を電気自動車３０の駆動用の蓄電池３１に供給して電気自動車３０の駆動用の蓄電池３１を充電可能である。また、車両用充放電装置は、電気自動車３０の駆動用の蓄電池３１から宅内負荷である家庭用電気機器に電力を放電供給できる装置である。したがって、車両用充放電システムは、車両用充電システムのうちの一種であるといえる。上記したホルダ２０が車両用充放電システムに適用された場合も、車両用充電システム１と同様の効果が得られる。

　以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

　１　車両用充電システム、１０　車両用充電装置、１１　充電コネクタ、１２　ボディ、１３　充電接続部、１３ａ　電気接続部、１３ｂ　ロック機構、１４　持手、１５　充電ケーブル、１６　コネクタ付き充電ケーブル、１８　筐体、１８ａ　正面、１８ｂ　上面、１８ｃ　右側面、１８ｄ　左側面、１８ｅ　背面、１８ｆ　第１ホルダ取付部、１８ｇ　第２ホルダ取付部、１９　電力変換器、２０，２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｅ，２０ｆ　ホルダ、２０ｄ　他のホルダ、２１　固定部、２１ａ　ねじ固定孔、２１ｂ　ダルマ孔、２２　コネクタ保持部、２２ａ　第１コネクタ保持部、２２ｂ　第２コネクタ保持部、２２ｃ，２３ｂ　側部、２３　充電ケーブル巻付部、２３ａ　先端部、２４，２６　貫通孔、２５　側壁部、２５ａ　第１側壁部、２５ｂ　第２側壁部、２６ａ　第１貫通孔、２６ｂ　第２貫通孔、２７，４１　引っ掛かり部、２８　突起部、２９　補強部、２９ａ　第１補強部、２９ｂ　第２補強部、３０　電気自動車、３１　蓄電池、３２　車両側充電接続部、４０　取付部、４０ａ　ねじ孔、５０　ねじ。

Claims

　交流電力を直流電力に変換する機能を有する電力変換器を収容する充電装置において前記電力変換器に接続された充電ケーブルに設けられるとともに電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタを収納するホルダであって、
　前記充電装置と前記電動車両との間に設けられる取付部に対して着脱可能な固定部と、
　前記固定部に接続して設けられて前記充電コネクタを保持する第１コネクタ保持部と、
　を備えることを特徴とするホルダ。
　前記第１コネクタ保持部は、前記充電コネクタの先端部分が差し込まれる貫通孔を有し、前記充電コネクタの先端部分を下方に向けた状態で前記充電コネクタを保持すること、
　を特徴とする請求項１に記載のホルダ。
　前記第１コネクタ保持部の上方に設けられ、前記充電ケーブルが巻き付けられて前記充電ケーブルを支持する第１のケーブル支持部を備えること、
　を特徴とする請求項１または２に記載のホルダ。
　前記第１のケーブル支持部は、前記ホルダを正面側から見た場合の手前側の端部から上方に向かって設けられた第２のケーブル支持部を備えること、
　を特徴とする請求項３に記載のホルダ。
　前記第１のケーブル支持部は、前記ホルダを正面側から見た場合の側部から下方に向かって設けられて前記固定部に接続する補強部を備えること、
　を特徴とする請求項４に記載のホルダ。
　前記第１コネクタ保持部は、前記ホルダを正面側から見た場合の側部から上方に向かって設けられた側壁部を有すること、
　を特徴とする請求項１から５のいずれか１つに記載のホルダ。
　前記第１コネクタ保持部が、前記ホルダを正面側から見た場合に前記固定部との接続部から手前側下方に傾斜して設けられ、
　前記第１コネクタ保持部から上方に向かって設けられて前記充電コネクタを保持する第２コネクタ保持部を備え、
　最下部に貫通孔が形成されていること、
　を特徴とする請求項１から６のいずれか１つに記載のホルダ。
　前記固定部は、前記固定部を前記取付部にねじ止めする際に前記固定部側から前記取付部に向かってねじが差し込まれる複数のねじ固定孔を有し、
　複数の前記ねじ固定孔のうち少なくとも１つが、前記ホルダの重心よりも上側に設けられて、前記ねじが固定される第１の孔と、前記第１の孔よりも大きく前記ねじが通過可能な開口寸法を有する第２の孔とが、一部が重なるように並んで形成された孔であること、
　を特徴とする請求項１から７のいずれか１つに記載のホルダ。
　前記固定部は、前記取付部に取り付けられる際に前記取付部に対向する対向面に、前記取付部に設けられた取付部側嵌合部に嵌合して前記ホルダを前記取付部にぶら下げるための固定部側嵌合部を備えること、
　を特徴とする請求項１から８のいずれか１つに記載のホルダ。
　蓄電池を備える電動車両と、
　交流電力を直流電力に変換する機能を有する電力変換器と、前記電力変換器に接続された充電ケーブルと、前記充電ケーブルに設けられるとともに前記電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタとを備える充電装置と、
　前記充電コネクタを収納する請求項１から９のいずれか１つに記載のホルダと、
　を備えることを特徴とする車両用充電システム。