WO2021024299A1

WO2021024299A1 - 食品生成システム

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Publication number: WO2021024299A1
Application number: PCT/JP2019/030470
Authority: WO
Inventors: 岡田拓治
Original assignee: 株式会社ルナロボティクス
Priority date: 2019-08-02
Filing date: 2019-08-02
Publication date: 2021-02-11

Abstract

【課題】食品生成システムで味を変更することができるようにする。【解決手段】ユーザ端末と食品生成装置とがネットワークを介して互いに通信可能に接続される。食品生成装置は、複数の素材格納部と、素材格納部の夫々に設けられた出力部であって、素材格納部に格納される素材の出力を行う出力部と、出力された素材を混合して食品を生成する混合部と、食品を排出する排出部と、入力信号に応じて出力部及び混合部の制御を行う制御部と有しており、ユーザ端末は、ネットワークを介して入力信号を送信する

Description

食品生成システム

　本発明は食品生成システムに関する。

　近年、食品を生成する機器が提案される。たとえば、特許文献１には、液みそや風味だしを湯で希釈して攪拌混合するお汁の製造装置が開示されている。

特開２０１７－１９２３０４号公報

　家庭では家庭ごとに味の調整が求められるところ、上述した技術は画一的な食品を生成するものであり、異なる味の食品を製造することは困難である。

　本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、味を変更可能な食品生成システムを提供することを一つの目的とする。

　上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されたユーザ端末と食品生成装置とを備える食品生成システムであって、前記食品生成装置は、複数の素材格納部と、前記素材格納部の夫々に設けられた出力部であって、前記素材格納部に格納される素材の出力を行う出力部と、出力された前記素材を混合して食品を生成する混合部と、前記食品を排出する排出部と、入力信号に応じて前記出力部及び前記混合部の制御を行う制御部と有しており、前記ユーザ端末は、前記ネットワークを介して前記入力信号を送信することとする。

　その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。

　本発明によれば、食品生成システムで味を変更することができる。

本発明の一実施形態に係る食品生成システムの構成例を示す図である。本発明の一実施形態に係る調味料生成装置２の正面図である。図２の調味料生成装置２のＡ－Ａ断面図である。本発明の一実施形態に係る調味料生成装置２の上面図である。図４の調味料生成装置２のＢ－Ｂ断面図である。図４の調味料生成装置２のＣ－Ｃ断面図である。調味料生成装置２の左側面図である。調味料生成装置２の右側面図である。調味料生成装置２が備える制御装置２１のハードウェア構成例を示す図である。制御装置２１のソフトウェア構成例を示す図である。レシピ記憶部２５１の構成例を示す図である。履歴記憶部２５２の構成例を示す図である。レシピサーバ３のハードウェア構成例を示す図である。レシピサーバ３のソフトウェア構成例を示す図である。履歴記憶部３３２の構成例を示す図である。アドバイス記憶部３３３の構成例を示す図である。ユーザ分析情報記憶部３３４の構成例を示す図である。ユーザ端末１のハードウェア構成例を示す図である。ユーザ端末１のソフトウェア構成例を示す図である。レシピの選択に係る動作を説明する図である。料理の作成に係る動作を説明する図である。料理の作成に係る動作を説明する他の図である。

　本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
［項目１］
　複数の素材格納部と、
　前記素材格納部の夫々に設けられた出力部であって、前記素材格納部に格納される素材の出力を行う出力部と、
　ネットワークを介して入力される入力信号に応じて前記出力部の制御を行う制御部と、
　を備える食品生成装置。
［項目２］
　項目１に記載の食品生成装置であって、
　レシピ情報を記憶する記憶部を更に備え、
　前記入力信号は、前記レシピ情報を特定する情報を含み、
　前記制御部は、特定される前記レシピ情報に基づいて前記出力部の制御を行う、
食品生成装置。
［項目３］
　項目１に記載の食品生成装置であって、
　レシピ情報を記憶する記憶部を更に備え、
　前記制御部は、前記入力信号の入力に応じて、前記レシピ情報の中から１のレシピ情報を特定し、特定したレシピ情報に基づいて前記出力部の制御を行う、
食品生成装置。
［項目４］
　項目１ないし３のいずれか１項に記載の食品生成装置であって、
　前記出力部により出力された前記素材の履歴を記憶する履歴記憶部を更に備え、
　前記制御部は、前記入力信号の入力に応じて、前記履歴記憶部に記憶されている前記履歴のうち、事前に設定された回数前のものに基づいて前記出力部の制御を行う、
食品生成装置。
［項目５］
　項目１ないし４に記載の食品生成装置であって、
　前記制御部は、少なくとも前記素材の残量情報を取得し、当該残量情報を報知する、
食品生成装置。
［項目６］
　項目１ないし５のいずれか１項に記載の食品生成装置であって、
　一の前記食品生成装置において入力された前記入力信号を他の食品生成装置に送信する送信部を備える、
食品生成装置。
［項目７］
　ネットワークを介して互いに通信可能に接続されたユーザ端末と食品生成装置とを備える食品生成システムであって、
　前記食品生成装置は、
　複数の素材格納部と、
　前記素材格納部の夫々に設けられた出力部であって、前記素材格納部に格納される素材の出力を行う出力部と、
　入力信号に応じて前記出力部の制御を行う制御部とを備え、
　前記ユーザ端末は、前記ネットワークを介して前記入力信号を送信する、
食品生成システム。
［項目８］
　項目７に記載の食品生成システムであって、
　前記ユーザ端末に提供可能なレシピ情報を記憶する記憶部を更に備えており、
　前記ユーザ端末は、前記サーバ装置の記憶する前記レシピ情報からひとつを選択し、選択された前記レシピ情報に基づいて前記入力信号を生成する、
食品生成システム。
［項目９］
　項目８に記載の食品生成システムであって、
　前記ユーザ端末から提供された料理の写真情報を分析して当該料理に含まれるメニューを特定し、前記特定したメニューから前記レシピ情報を推定する推定部を更に備える、
食品生成システム。
［項目１０］
　項目７乃至９のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記食品生成装置は、生成した前記食品の情報を含む生成情報を収集する収集部と、
　収集した生成情報を分析する分析部と、
　当該分析の結果に基づいてアドバイス情報を生成する生成部とを更に備える、
食品生成システム。
［項目１１］
　項目１０に記載の食品生成システムであつて、
　過去の前記食品の生成の履歴を記憶する記憶部を更に有しており、
　前記分析部は、当該履歴の栄養学的分析を更に行う、
食品生成システム。
［項目１２］
　項目１０乃至１１のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記ユーザ端末はユーザの嗜好に関する情報を取得する取得部を備え、
　前記ユーザ端末は、当該嗜好に関する情報に基づいて、前記入力信号を生成する、
食品生成システム。
［項目１３］
　項目１０乃至１２のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　ユーザの健康管理情報を取得する取得部と、
　前記分析部は、当該健康管理情報の分析を更に行う、
食品生成システム。
［項目１４］
　項目７乃至１３のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　複数のモードと、当該モードに関連付けられたレシピ情報とを管理する管理部を更に備える、
食品生成システム。
［項目１５］
　項目７乃至１４のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記ユーザ端末は、
　味に関する情報の入力をユーザから受け付け、
　前記味に関する情報に基づいて前記入力信号を生成する
食品生成システム。
［項目１６］
　項目７乃至１４いずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記食品生成装置は、少なくとも前記素材の残量情報を取得し、当該残量情報を少なくとも前記ユーザ端末に送信する、
食品生成システム。
［項目１７］
　項目７乃至１６のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記食品生成装置は、入力された前記入力信号を他の食品生成装置に送信する送信部を備える、
食品生成システム。
［項目１８］
　項目７乃至１７のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記レシピ情報の中から１のレシピ情報を特定し、特定したレシピ情報を提案する、レシピ提案部を更に備える、
食品生成システム。

＜概要＞
　以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図１は、本実施形態に係る食品生成システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の食品生成システムは、調味料生成装置２およびレシピサーバ３を含んで構成される。調味料生成装置２とレシピサーバ３とは通信ネットワーク４を介して、互いにおよびユーザ端末１と通信可能に接続されている。通信ネットワーク４は、たとえばインターネットやＬＡＮ（Local Area Network）などであり、たとえば携帯電話回線網、公衆電話回線網、無線通信路、イーサネット（登録商標）などにより構築される。

　本実施形態の調味料生成装置２は、料理を支援する装置であり、料理を構成する火加減（調理）と味付け（調味）のうち、調味を支援するものである。調味料生成装置２は、たとえばタレ、つゆ、ドレッシングなどの、調理用の調味料（以下、完成調味料という。）を作成する。調味料生成装置２は、素材となる調味料（以下、素材調味料という。）を格納した調味料ボトルを内部に複数備えており、レシピに応じて、これらの調味料ボトルから自動的に適量の素材調味料を取り出して混ぜ合わせ、完成調味料を作成することができる。

　ユーザは、調味料生成装置２が作成した完成調味料を用いることで味付けを行うことができる。たとえば、ユーザはカットした食材と調味料生成装置２が作成した完成調味料とを混ぜるだけで、あるいは、カットした食材に完成調味料をかけて電子レンジにかけることにより、料理を作ることができたりする。また、たとえば、ユーザはカットした食材と完成調味料とを合わせて鍋に入れて火にかけたり、カットした食材と完成調味料とを合わせて炊飯器で炊飯したりすることで、料理を作ることができる。

　レシピはユーザ端末１から指定される。調味料生成装置２には複数のレシピが予め登録されており、ユーザはユーザ端末１を操作してレシピを指定することができる。ユーザ端末１は、たとえば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどのコンピュータである。

　レシピサーバ３は、各種のレシピを管理しており、ユーザはレシピサーバ３にアクセスして好みのレシピを取得することもできる。また、ユーザは自身で考案したレシピを調味料生成装置２に登録することもできるし、自身で考案したレシピをレシピサーバ３に登録して他人と共有することもできる。レシピサーバ３は、たとえば、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータや、クラウドコンピューティングによる仮想的なコンピュータである。レシピサーバ３は、たとえばＷｅｂサーバとして機能し、ＨＴＴＰによりユーザ端末１や調味料生成装置２との間の通信を行うこともできる。

　さらに、レシピサーバ３には、ユーザの食事データが蓄積され、レシピサーバ３は、蓄積された食事データに基づいてメニュー（料理や調味料）の提案を行う。レシピサーバ３は、ユーザの嗜好に合わせた提案を行うことも、特定の目的のための提案（たとえば、不足栄養素を摂取するため、ダイエットをするため、身体作りをするためなど）を行うこともできる。

＜調味料生成装置２＞
　図２ないし図８は調味料生成装置２を説明する図である。図２は、調味料生成装置２の正面図である。図３は、図２のＡ－Ａ断面図である。図４は、調味料生成装置２の上面図である。図５は、図４のＢ－Ｂ断面図である。図６は、図４のＣ－Ｃ断面図である。図７は、調味料生成装置２の左側面図である。図８は、調味料生成装置２の右側面図である。

　調味料生成装置２の前面２０１には出し入れ口２０２としての開口部が形成され、筐体内のカップ置き場２０４に調味料を受けるカップ（皿などであってもよい。）を載置することができる。カップ置き場２０４には、受け皿天板２０９と、受け皿２１６とが設けられ、受け皿天板２０９の上にカップが載置される。受け皿２１６はカップから溢れた調味料を受け止める。調味料生成装置２内の上部には調味料排出口２０３が配され、調味料排出口２０３から完成調味料が排出されてカップ置き場２０４に載置されたカップに注がれる。

　調味料生成装置２の内部には、液状の素材調味料を格納する調味料ボトル２０７が複数（本実施形態では８個）設けられ、調味料ボトル２０７のそれぞれには、食品用チューブ２０８が、その端部が調味料ボトル２０７の底面近傍まで到達するように、上部から挿入される。各食品用チューブ２０８は、筐体内部の上側に設けられた調味料排出口２０３で合流する。食品用チューブ２０８はローラーポンプ２１３を通る。ローラーポンプ２１３が駆動することにより食品用チューブ２０８内部に負圧を生じさせ、これにより調味料ボトル２０７内の素材調味料が抽出されて調味料排出口２０３まで運ばれる。調味料排出口２０３から排出された各調味料ボトル２０７からの素材調味料が、最終的にカップ置き場２０４上に載置されたカップに注がれ、そこで混合されて完成調味料となる。なお、調味料排出口２０３において素材調味料を混合し、完成調味料が完成したところで調味料排出口２０３から完成調味料が排出されるような制御を行っても良い。

　ローラーポンプ２１３は、ステッピングモーター２１４により駆動される。ステッピングモーター２１４はモータードライバー２１２により制御され、モータードライバー２１２はアクチュエータ２１１により制御され、アクチュエータ２１１は制御装置２１により制御される。制御装置２１は、たとえばＣＰＵを備えるコンピュータとして実装することができる。

　調味料生成装置２の上面２１９には量り２０６が設けられ、量り２０６の内面側には、セルセンサー２１０が配される。セルセンサー２１０により量り２０６上に載せられたものの重さを量ることができる。本実施形態では、量り２０６上に調理対象（たとえばカット済みの具材）を載せ、（容器の重量を減じるなどにより）調理対象の重さを量ることができる。制御装置２１は、調理対象の重さに応じて完成調味料の量を決定し、レシピと完成調味料の量とに応じて各素材調味料の量を決定し、各素材調味料について、決定した量が抽出されるようにローラーポンプ２１３を作動させることにより、調理対象の量に応じて調整した完成調味料を作成することができる。

　各調味料ボトル２０７はセルセンサー２１５の上に載置され、セルセンサー２１５によって重さが量られる。セルセンサー２１５により測定した調味料ボトル２０７の重量を示す信号は制御装置２１に伝達される。制御装置２１は、セルセンサー２１５からの信号に基づいて素材調味料が調味料ボトル２０７から抽出された量を計算し、レシピと抽出量とに応じてローラーポンプ２１３の動作を終了するようにアクチュエータ２１１を制御することができる。

　調味料生成装置２の右側面２２０および左側面２２１には、各調味料ボトル２０７について調味料ゲージ窓２１７が設けられる。調味料ゲージ窓２１７は、開口部として右側面２２０および左側面２２１に形成するようにしてもよいし、調味料ゲージ窓２１７を透明部材で構成してもよい。調味料ボトル２０７にも透明または外部から内部を視認可能な色の素材を採用するものとする。これにより調味料ゲージ窓２１７から調味料ボトル２０７の中に格納されている素材調味料２１８が視認可能となり、調味料ゲージ窓２１７は調味料ボトル２０７内の素材調味料の残量を示すゲージとして機能する。本実施形態の調味料生成装置２では、調味料ゲージ窓２１７をカトラリー形状としてデザインしている。

　左側面２２１には、ランダムスイッチ２２２および履歴スイッチ２２３の２つのボタンが設けられる。ランダムスイッチ２２２が押下されると、調味料生成装置２に記憶されているレシピの中から、ユーザ端末１からの指定なしにランダムに１つのレシピが選択される。履歴スイッチ２２３が押下されると、前回と同じレシピで調味料が作成される。

　図９は、制御装置２１のハードウェア構成例を示す図である。制御装置２１は、ＣＰＵ２３１、メモリ２３２、記憶装置２３３、通信インタフェース２３４、入力装置２３５、出力装置２３６を備える。記憶装置２３３は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース２３４は、通信ネットワーク４に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット（登録商標）に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのＵＳＢ（Universal Serial Bus）コネクタやＲＳ２３２Ｃコネクタなどである。入力装置２３５は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置２３６は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、本実施形態の調味料生成装置２において、制御装置２１は入力装置２３５および出力装置２３６を省略している。

　図１０は、制御装置２１のソフトウェア構成例を示す図である。制御装置２１は、作成指示受信部２４１、レシピ取得部２４２、ボタン処理部２４３、調味料作成制御部２４４、残容量警告部２４６、作成指示送信部２４７、およびレシピ送信部２４８の各機能部と、レシピ記憶部２５１、および履歴記憶部２５２の各記憶部とを備える。

　なお、制御装置２１が備える上記各機能部は、制御装置２１が備えるＣＰＵ２３１が記憶装置２３３に記憶されたプログラムをメモリ２３２に読み出して実行することにより実現され、制御装置２１が備える上記各記憶部は、制御装置２１が備えるメモリ２３２および記憶装置２３３が提供する記憶領域の一部として実現される。

　レシピ記憶部２５１は、レシピに関する情報（以下、レシピ情報という。）を記憶する。図１１は、レシピ記憶部２５１の構成例を示す図である。同図に示すように、レシピ記憶部２５１にはレシピ情報が記憶され、レシピ情報には、料理レシピ情報と調味レシピ情報とが含まれる。料理レシピ情報は料理についてのレシピであり、調味レシピ情報は料理に用いる調味料のレシピである。

　料理レシピ情報には、料理のレシピを特定するレシピＩＤに対応付けて、料理のタイトル、料理のカテゴリ、料理の写真、料理の説明、料理の規定量、料理に使う材料、調理法、料理に合う季節、栄養情報、健康目的情報、塩味の度合、甘みの度合、酸味の度合、辛みの度合、うま味の度合、香りの強さ、および作成者が含まれている。料理のカテゴリには、たとえば、「主菜」「副菜」「デザート」「朝食」「昼食」「おやつ」「夕食」「夜食」などを設定することができる。料理の規定量とは、料理に用いる食材の量（材料に含まれている各食材データの総量）である。料理に使う材料は、テキスト情報としてもよいし、材料ごとの食材データを複数含めるようにしてもよい。調理法には、テキスト情報だけでなく、画像や動画像などを含めるようにしてもよい。季節は、たとえば月などによって指定してもよいし、気温などの気象条件などを指定してもよい。栄養情報は、料理に含まれる栄養を示す。栄養情報は、たとえば、単位量（たとえば１００ｇ）あたり、完成した料理に含まれる熱量（カロリー）と、各栄養素（ビタミン、タンパク質など）の量とを含めることができる。健康目的情報には、当該料理が適する健康に関する目的が含まれる。健康目的情報には、たとえば、「ダイエット」や「高血圧予防」、「塩分控えめ」、「筋肉増強」、「いらいら防止」など、ユーザの身体や精神の健康に関する達成目的を設定することができる。塩味の度合、甘みの度合、酸味の度合、辛みの度合、うま味の度合、および香りの強さは、たとえば、５段階や１０段階などのランク値とすることができる。これらの味成分の度合については、レシピの作成者が設定するものとする。作成者は、料理のレシピの作成者を示す。

　調味レシピ情報には、料理レシピ情報を特定するレシピＩＤと、完成調味料を特定する調味ＩＤとに対応付けて、素材調味料が格納されている調味料ボトル２０７を特定するカートリッジＩＤ、および完成調味料に加える素材調味料の量が含まれている。なお、本実施形態では、説明を簡単にするため、レシピ情報には、料理レシピ情報と、調味レシピ情報とが１対１で対応付けられていることを想定する。しかしながら、同一の料理に対して、味の異なる調味が可能な場合には、１つの料理レシピ情報に対して、複数の調味レシピ情報を紐付けるようにしてもよい。

　履歴記憶部２５２は、ユーザが作成した（ユーザに提案された）料理の履歴を記憶する。図１２は、履歴記憶部２５２の構成例を示す図である。履歴記憶部２５２には履歴情報が記憶され、履歴情報には、レシピＩＤ、調味ＩＤおよび調理量が含まれる。なお、本実施形態では、制御装置２１には最後に作成された（提案された）料理に関する履歴が記憶されるものとする。

　作成指示受信部２４１は、完成調味料の作成を指示するコマンド（以下、単に作成指示という。）を受け付ける。本実施形態では、作成指示受信部２４１は、ユーザ端末１から作成指示を受信することを想定しているが、たとえばレシピサーバ３なお、ユーザ端末１以外の外部装置から受信指示を受け付けるようにしてもよい。作成指示には、レシピＩＤが設定される。なお、レシピ情報に複数の調味レシピＩＤに対応する調味レシピ情報が含まれる場合には、作成指示にはレシピＩＤと調味ＩＤとを指定するようにする。

　レシピ取得部２４２は、作成指示が指示するレシピ情報がレシピ記憶部２５１に登録されていない場合に、そのレシピ情報を取得する。本実施形態では、レシピ取得部２４２はユーザ端末１からレシピ情報を取得するものとするが、レシピ取得部２４２がレシピサーバ３にアクセスしてレシピ情報を取得するようにしてもよい。

　ボタン処理部２４３は、ランダムスイッチ２２２および履歴スイッチ２２３が押下された場合の処理を行う。ボタン処理部２４３は、ランダムスイッチ２２２が押下された場合には、レシピ記憶部２５１に記憶されているレシピ情報からランダムに１つを特定し、作成指示により特定したレシピ情報が指定された状態とすることができる。また、ボタン処理部２４３は、履歴スイッチ２２３が押下された場合には、履歴記憶部２５２に記憶されている履歴情報のレシピＩＤ（および調味ＩＤ）が作成指示により指示された状態とすることができる。

　調味料作成制御部２４４は、指定されたレシピ（レシピ情報の調味レシピ情報）に従って完成調味料の作成に係る制御を行う。具体的には、調味料作成制御部２４４は、レシピＩＤに対応する調味レシピ情報を読み出し、読み出した調味レシピ情報のそれぞれについて、調味レシピ情報のカートリッジＩＤが示す調味料ボトル２０７から、調味レシピ情報の量だけの素材調味料が抽出されるように、アクチュエータ２１１を制御し、モータードライバー２１２がステッピングモーター２１４を駆動してローラーポンプ２１３により調味料ボトル２０７から素材調味料が食品用チューブ２０８を通じて調味料排出口２０３まで抽出されるようにすることができる。なお、調味料作成制御部２４４は、量り２０６で食材の重さが量られた場合には、食材の重さ（量）と調味レシピ情報の量とに応じて、調味料ボトル２０７から抽出する素材調味料の量を変更することができる。また、調味料作成制御部２４４は、測定した食材の量をユーザ端末１に応答することができる。

　残容量警告部２４６は、素材調味料の残量が所定の閾値以下となった場合に、ユーザに警告を報知する。残容量警告部２４６は、セルセンサー２１５からの信号に基づいて調味料ボトル２０７内の素材調味料の残量を計算することができる。残容量警告部２４６は、計算した残量が所定の閾値以下となった場合に、その旨を示すメッセージをユーザ端末１に送信することができる。なお、調味料生成装置２にディスプレイや警告ランプなどをも受けるようにして、ディスプレイに警告メッセージを表示したり、警告ランプを点灯させたりするようにしてもよい。

　作成指示送信部２４７は、２台の調味料生成装置２を連結させた場合に、連結された他の調味料生成装置２に対して、作成指示を送信する。

　レシピ送信部２４８は、レシピ記憶部２５１に登録されているレシピ情報を送信する。本実施形態では、レシピ送信部２４８は、ユーザ端末１からのリクエストに応じて、レシピ記憶部２５１にどのようなレシピ情報が登録されているのかを応答する。

＜レシピサーバ３＞
　図１３は、レシピサーバ３のハードウェア構成例を示す図である。レシピサーバ３は、ＣＰＵ３０１、メモリ３０２、記憶装置３０３、通信インタフェース３０４、入力装置３０５、出力装置３０６を備える。記憶装置３０３は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース３０４は、通信ネットワーク４に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット（登録商標）に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのＵＳＢ（Universal Serial Bus）コネクタやＲＳ２３２Ｃコネクタなどである。入力装置３０５は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置３０６は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。

　図１４は、レシピサーバ３のソフトウェア構成例を示す図である。レシピサーバ３は、レシピ検索リクエスト受信部３１１、レシピ検索部３１２、レシピ登録リクエスト受信部３１３、アドバイス情報提供部３１４、健康情報取得部３１５、履歴解析部３１６、レシピ提供部３１７、およびレシピ履歴登録部３１８の各機能部と、レシピ記憶部３３１、履歴記憶部３３２、およびアドバイス記憶部３３３の各記憶部を備える。

　レシピ記憶部３３１は、レシピ情報を記憶する。レシピ記憶部３３１が記憶するレシピ情報は、図１１に示したレシピ情報と同様であり、ここでは説明を省略する。

　履歴記憶部３３２は、履歴情報を記憶する。図１５は、履歴記憶部３３２の構成例を示す図である。履歴記憶部３３２は、上述した図１２の履歴記憶部２５２に記憶される履歴情報から調理量を省略し、日時およびユーザＩＤを追加している。すなわち、履歴記憶部３３２は、複数のユーザからの履歴情報を集約して管理することができる。また、調味料生成装置２の履歴記憶部２５２とは異なり、過去の複数の履歴情報を蓄積することもできる。

　アドバイス記憶部３３３は、料理に関するアドバイスを含む情報（以下、アドバイス情報という。）を記憶する。図１６は、アドバイス記憶部３３３の構成例を示す図である。同図に示すように、アドバイス情報には、アドバイスを特定するＩＤ、条件、およびアドバイスが対応付けて含まれている。条件には各種の条件を設定することができる。本実施形態では、条件には、ユーザの栄養状況（過去所定期間においてユーザが摂取した栄養、すなわち、調味料生成装置２を用いて作成した料理に含まれる栄養の量）に対する条件、ユーザから指定された健康関連の目的（たとえば、「ダイエット」や「高血圧予防」、「塩分控えめ」、「筋肉増強」、「いらいら防止」など、レシピ情報の健康目的情報に設定される内容のうち、ユーザが指定したもの）に対する条件、ユーザが作成した料理（調味料生成装置２から提案した料理）の味（レシピ情報の塩味、甘み、酸味、辛み、うま味、香りのいずれか、複数の組み合わせ）の傾向に対する条件、ユーザの健康情報（ＢＭＩ、既往症、血圧など）に対する条件などが設定されることを想定している。

　ユーザ分析情報記憶部３３４は、ユーザについての分析結果を含む情報（以下、ユーザ分析情報という。）を記憶する。図１７は、ユーザ分析情報記憶部３３４の構成例を示す図である。同図に示すように、ユーザ分析情報には、ユーザを特定するユーザＩＤに対応付けて、塩味、甘み、酸味、辛み、うま味、香り、栄養情報、健康情報、身体作り情報などが含まれる。塩味、甘み、酸味、辛み、うま味、および香りは、ユーザの味の嗜好を示す情報である。栄養情報は、ユーザの栄養状態を示す情報である。健康情報は、ユーザの健康状態を示す情報である。

　レシピ検索リクエスト受信部３１１は、レシピ情報のリクエスト（以下、レシピ検索リクエストという。）を受信する。レシピ検索リクエストには、ユーザＩＤとモードの指定とが含まれる。本実施形態において、モードには、指定モード、画像モード、ダイエットモード、栄養補給モード、健康増進モード、および身体作りモードがあるものとする。指定モードの場合、レシピ検索リクエストには、レシピＩＤも設定される。画像モードの場合、レシピ検索リクエストには、料理の画像も含まれる。健康増進モードの場合、レシピ検索リクエストには、健康目的情報も含めることができる。また、レシピ検索リクエストには、料理のカテゴリを指定することもできる。

　レシピ検索部３１２は、レシピを検索する。具体的には、レシピ検索部３１２は、レシピ検索リクエストに応じてレシピ記憶部３３１に記憶されているレシピ情報を検索する。

　指定モードの場合、レシピ検索部３１２は、レシピ検索リクエストに設定されているレシピＩＤに対応するレシピ情報をレシピ記憶部３３１から検索する。

　画像モードの場合、レシピ検索部３１２は、レシピ検索リクエストに設定されている画像と類似する画像を含むレシピ情報を検索することができる。画像の類似については、たとえば、ニューラルネットワークを用いて判定するようにしてもよいし、画像に含まれている料理の特徴量を抽出して比較するようにしてもよい。

　ダイエットモードの場合、レシピ検索部３１２は、レシピ情報の料理レシピ情報に含まれている栄養情報内のカロリーが所定の閾値より低いものを検索することができる。レシピ検索部３１２は、たとえば、カテゴリごとに閾値を事前に設定しておくことができる。

　栄養補給モードの場合、レシピ検索部３１２は、ユーザに足りていない栄養素を含むレシピ情報を検索する。レシピ検索部３１２は、ユーザ分析情報の栄養情報に含まれている各栄養素の量のうち規定値に足りていないもの（または規定値を超えていても、超えた度合いが少ないもの）を多く含むレシピ情報を検索することができる。この場合、レシピ検索部３１２は、各栄養素について規定値からユーザ分析情報の栄養情報に含まれる栄養素の量を引いた値を正規化したものに応じて栄養素の不足度合を決定し、レシピ記憶部３３１に登録されている各レシピ情報について、不足度合の高い順に所定数の栄養素が含まれている量を正規化し、正規化した量の合計が多い順に所定数を検索することができる。

　健康増進モードの場合、レシピ検索部３１２は、レシピ検索リクエストに含まれている健康目的情報を含む料理レシピ情報をレシピ記憶部３３１から検索することができる。また、健康増進モードの場合で、健康目的情報がレシピ検索リクエストに含まれていなかったときには、レシピ検索部３１２は、ユーザ分析情報に含まれる健康情報に基づいて、健康目的情報を特定する。たとえば、レシピ検索部３１２は、ユーザの血圧が所定の閾値よりも高い場合には、「高血圧予防」および「塩分控えめ」を健康目的情報として特定することができ、ＢＭＩが所定の基準値を超えている場合には「ダイエット」を健康目的情報として特定することができる。

　身体作りモードの場合、レシピ検索部３１２は、筋肉増強に有効なタンパク質やビタミン等を豊富に含むレシピ情報を検索することができる。たとえば、レシピ検索部３１２は、レシピ情報に含まれているタンパク質やビタミン等の栄養素の単位量あたりの含有量の多いものから順に所定数を抽出することができる。

　なお、指定モード以外のときに、レシピ検索部３１２は、履歴情報に含まれているレシピＩＤに対応するレシピ情報の優先度を低く設定し、たとえば、季節などレシピ情報に含まれている各項目の当該ユーザについての充足度合に応じた優先度を設定して、優先度の高い順に所定数のレシピ情報に絞り込むことができる。また、指定モード以外のとき、レシピ検索部３１２は、過去所定期間（たとえば、過去３日間や過去１週間など）の履歴情報に含まれているレシピＩＤに対応するレシピ情報は選択しない（他のレシピ情報が存在しないときにのみ選択する）ようにしてもよい。

　レシピ登録リクエスト受信部３１３は、ユーザ端末１からユーザが作成したレシピを登録するためのリクエスト（以下、レシピ登録リクエストという。）を受け付ける。レシピ登録リクエストには、レシピを作成したユーザを示すユーザＩＤとレシピ情報とが含まれる。レシピ登録リクエスト受信部３１３は、レシピ登録リクエストに含まれているレシピ情報に、ユーザＩＤを設定してレシピ記憶部３３１に登録する。なお、本実施形態では、レシピ登録リクエスト受信部３１３は、ユーザ端末１からレシピ登録リクエストを受信するものとするが、レシピサーバ３の入力装置３０５からレシピの入力を受け付けるようにしてもよいし、他のＷｅｂサーバなどの通信装置にアクセスして、当該通信装置が提供しているレシピを取得するようにしてもよい。

　アドバイス情報提供部３１４は、レシピ検索部３１２が検索したレシピ情報に対応するアドバイス情報をアドバイス記憶部３３３から検索する。アドバイス情報提供部３１４は、検索されたレシピ情報またはユーザに対応するユーザ分析情報がアドバイス情報の条件を満たすか否かを判定し、条件を満たすアドバイス情報を取得することができる。複数の
アドバイス情報の条件が満たされる場合には、アドバイス情報提供部３１４はランダムにアドバイス情報を選択するようにしてもよいし、複数のアドバイス情報を最終的に提供するアドバイス情報として決定してもよいし、条件が満たされる度合を決定して、度合の大きい順に所定数を選択するようにしてもよい。アドバイス情報提供部３１４は、取得したアドバイス情報をユーザ端末１に送信する。アドバイス情報提供部３１４は、レシピ検索リクエストへの応答として、レシピ情報とともにアドバイス情報を送信することができるが、たとえば、アドバイス情報を取得するためのリクエストに応じて、レシピ検索部３１２に、当該リクエストに指定されているモードに応じた検索を行わせ、その結果に応じたアドバイス情報を応答するようにしてもよい。

　健康情報取得部３１５は、ユーザに関する健康情報を取得する。健康情報は、たとえば、体重、ＢＭＩ、血圧、体温などの測定値（家庭用の測定器具で測定した値であってもよいし、健康診断で測定した値であってもよい。）や、高血圧等の既往症を含むことができる。健康情報取得部３１５は、ユーザ端末１から健康情報を受信するようにしてもよいし、電子カルテを管理するサーバから各種の健康情報を受信するようにしてもよいし、ユーザの健康情報を管理するサーバから健康情報を取得するようにしてもよい。

　履歴分析部３１６は、履歴記憶部３３２に蓄積されている履歴情報を分析する。履歴分析部３１６は、ユーザごとに履歴情報を分析し、その結果をユーザ分析情報としてアドバイス情報提供部３１４に登録する。履歴分析部３１６は、嗜好分析部３１６１、栄養分析部３１６２、健康分析部３１６３、身体作り分析部３１６４を備える。

　嗜好分析部３１６１は、ユーザの味の嗜好を分析する。本実施形態では、嗜好分析部３１６１は、過去の履歴情報に基づいて、ユーザが作成した料理の味を構成する塩味、甘み、酸味、辛み、うま味、および香りのそれぞれの集計値（平均値や中央値、最頻値など。以下同じ。）を設定することができる。

　栄養分析部３１６２は、ユーザの栄養状態を分析する。本実施形態では、栄養分析部３１６２は、過去の履歴情報に基づいて、ユーザが作成した料理に含まれる各栄養素の集計値を算出することができる。

　健康分析部３１６３は、ユーザの健康状況を分析する。健康分析部３１６３は、健康情報取得部３１５が取得した健康情報に基づいて、たとえば事前に設定した値と比較することなどにより、ユーザの健康状況を判定することができる。

　レシピ提供部３１７は、ユーザにレシピを提供する。レシピ提供部３１７は、レシピ検索部３１２が検索したレシピを提供することができる。また、レシピ提供部３１７は、履歴分析部３１６により分析された、ユーザの嗜好、栄養状態、健康状態に応じて、レシピ検索部３１２にレシピ情報を検索させ、検索したレシピ情報をユーザ端末１に自動的に提供するようにすることもできる。

　レシピ履歴登録部３１８は、ユーザが作成した料理の履歴を登録する。レシピ履歴登録部３１８は、ユーザ端末１から履歴情報を受信して、履歴記憶部３３２に登録することができる。なお、レシピ履歴登録部３１８は、レシピ提供部３１７が提供したレシピ情報を示すレシピＩＤと、ユーザを示すユーザＩＤと、日時とを含む履歴情報を作成して履歴記憶部３３２に登録するようにしてもよい。

＜ユーザ端末１＞
　図１８は、ユーザ端末１のハードウェア構成例を示す図である。ユーザ端末１は、たとえばスマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどのコンピュータであり、ＣＰＵ１０１、メモリ１０２、記憶装置１０３、通信インタフェース１０４、入力装置１０５、出力装置１０６を備える。記憶装置１０３は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース１０４は、通信ネットワーク４に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット（登録商標）に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのＵＳＢ（Universal Serial Bus）コネクタやＲＳ２３２Ｃコネクタなどである。入力装置１０５は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置１０６は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。

　図１４は、ユーザ端末１のソフトウェア構成例を示す図である。ユーザ端末１は、レシピ検索部１１１、写真検索部１１２、レシピ登録部１１３、作成指示部１１４、利用履歴登録部１１５、健康情報送信部１１６、および機器レシピ取得部１１７の各機能部と、レシピ記憶部１３１の記憶部とを備える。

　なお、上記各機能部は、ユーザ端末１が備えるＣＰＵ１０１が記憶装置１０３に記憶されているプログラムをメモリ１０２に読み出して実行することにより実現される。また、レシピ記憶部１３１は、ユーザ端末１が備えるメモリ１０２および記憶装置１０３が提供する記憶領域の一部として実現される。

　レシピ検索部１１１は、レシピの検索を行う。レシピ検索部１１１は、たとえば、素材の指定や季節の指定を受け付けて、レシピサーバ３にアクセスし、後述するレシピサーバ３が管理するレシピ情報を検索することができる。また、レシピ検索部１１１は、レシピサーバ３が管理するレシピ情報から、公知の手法を用いて、任意のレシピ情報を検索し、取得することができる。レシピ検索部１１１は、取得したレシピ情報を出力することができる。また、レシピ検索部１１１は、レシピサーバ３からアドバイス情報が応答された場合には、受信したアドバイス情報を出力するようにすることもできる。

　写真検索部１１２は、写真を用いてレシピ情報を検索する。ユーザ端末１がカメラを備え、カメラを制御して写真を撮影してもよいし、ユーザがユーザ端末１を用いてインターネット等で検索した画像を取得するようにしてもよい。写真検索部１１２は、取得した写真を含むレシピ検索リクエストをレシピサーバ３に送信する。

　レシピ登録部１１３は、レシピをレシピサーバ３に登録する。レシピ登録部１１３は、ユーザからレシピの入力を受け付ける。レシピ登録部１１３は、たとえば、基礎となるレシピ情報を提示した後に、レシピ情報の調味レシピ情報に含まれている各調味料の量をユーザに変更させて、レシピ情報を更新してもよい。レシピ登録部１１３は、受け付けたレシピ情報を含むレシピ登録リクエストをレシピサーバ３に送信して、レシピ情報をレシピサーバ３に登録することができる。また、レシピ登録部１１３は、レシピサーバ３に登録したレシピ情報は、レシピ記憶部１３１に登録するとともに、調味料生成装置２にも送信して、調味料生成装置２のレシピ記憶部２５１にも登録させる。

　作成指示部１１４は、調味料生成装置２に対して作成指示を送信する。作成指示部１１４は、レシピ検索部１１１が取得したレシピ情報のうちの一つの選択を受け付け、選択されたレシピ情報を示すレシピＩＤを設定した作成指示を調味料生成装置２に送信することができる。

　利用履歴登録部１１５は、ユーザが作成した料理の履歴をレシピサーバ３に登録する。利用履歴登録部１１５は、作成指示を行ったレシピ（すなわち、ユーザが作った料理のレシピ）を示すレシピＩＤと、作成指示の前に選択したレシピ情報の調味レシピ情報に含まれる調味ＩＤと、ユーザを示すユーザＩＤと、調味料生成装置２が計測した食材の重さ（調理量）とを設定した履歴情報を作成し、作成した履歴情報をレシピサーバ３に送信することができる。

　健康情報送信部１１６は、ユーザの健康情報を送信する。健康管理情報送信部１１６は、たとえば、ユーザ端末１に記録されている、体重や心拍数、歩数などの健康情報を取得することができる。また、健康管理情報送信部１１６は、たとえば、電子カルテ情報から健康診断に係る各種項目の値を取得することができる。また、健康管理情報送信部１１６は、各種の健康情報の入力をユーザから受け付けるようにしてもよい。健康管理情報送信部１１６は、取得した健康情報をレシピサーバ３に送信することができる。

　機器レシピ取得部１１７は、調味料生成装置２に登録されているレシピを取得する。機器レシピ取得部１１７は、調味料生成装置２に対して、レシピ情報を取得するためのリクエストを送信し、調味料生成装置２から応答されるレシピ情報をレシピ記憶部１３１に登録する。すなわち、機器レシピ取得部１１７は、ユーザ端末１のレシピ記憶部１３１を、調味料生成装置２のレシピ記憶部２５１と同期させる。

＜動作＞
　以下、本実施形態の食品生成システムにおける各機器の動作について説明する。

　図２０は、レシピの選択に係る動作を説明する図である。なお、ユーザは、例えば、レシピ記憶部１３１に登録されているレシピ（すなわち、調味料生成装置２に登録されているレシピ）の中から選択する場合には、図２０の処理を行わずに、ユーザ端末１は、レシピ記憶部１３１に登録されているレシピ情報の一覧を出力し、出力した一覧の中からレシピ情報を選択することができる。

　レシピサーバ３にあるレシピから選択する場合、ユーザ端末１のレシピ検索部１１１からレシピ検索リクエストがレシピサーバ３に送信される（Ｓ４０１）。レシピ検索リクエストには、ユーザＩＤとモードの指定が含まれる。
　レシピ検索部１１１は、レシピ検索リクエストに対して、画像モードの場合には、ユーザ端末１で撮影した写真または他の装置から取得した画像を設定し、健康モードである場合には、健康目的情報（ユーザから入力を受け付けるものとする。）を設定する。レシピ検索部１１１は、ユーザから料理のカテゴリの指定を受け付けて、レシピ検索リクエストに設定してもよい。レシピサーバ３のレシピ検索リクエスト受信部３１１がレシピ検索リクエストを受信し、レシピ検索部３１２がレシピ検索リクエストに応じてレシピ情報をレシピ記憶部３３１から検索する（Ｓ４０２）。また、アドバイス情報提供部３１４は、検索されたレシピ情報が条件を満たすアドバイス情報をアドバイス記憶部３３３から検索する（Ｓ４０３）。

　レシピ提供部３１７は、検索されたレシピ情報とアドバイス情報とをユーザ端末１に返信する（Ｓ４０４）。ユーザ端末１のレシピ検索部１１１は、応答されたレシピ情報とアドバイス情報とを表示し（Ｓ４０５）、ユーザからの選択を受け付ける（Ｓ４０６）。

　以上の処理を、ユーザがレシピを選択するまで繰り返す。

　図２１は、料理の作成に係る動作を説明する図である。

　図２２に示される通り、ユーザ端末１においてレシピ情報がレシピ記憶部１３１に登録されていない場合、すなわち、レシピ情報をレシピサーバ３から検索した場合には、ユーザ端末１のレシピ検索部１１１は、ユーザが選択したレシピを示すレシピＩＤを設定したレシピ検索リクエストをレシピサーバ３に送信する（Ｓ４２１）。レシピサーバ３のレシピ検索リクエスト受信部３１１がレシピ検索リクエストを受信して、レシピ検索部３１２のＩＤ検索処理部３１２１が、レシピ検索リクエストに設定されているレシピＩＤに対応するレシピ情報をレシピ記憶部３３１から読み出して（Ｓ４２２）、レシピ提供部３１７は、読み出されたレシピ情報をユーザ端末１に応答する（Ｓ４２３）。

　ユーザ端末１の作成指示部１１４は、選択されたレシピ情報を示すレシピＩＤを設定した作成指示を調味料生成装置２に送信する（Ｓ４２４）。

　レシピ情報がレシピ記憶部１３１に登録されていなかった場合には、作成指示部１１４は、作成指示とともにレシピ情報も調味料生成装置２に送信し（Ｓ４２５）、調味料生成装置２のレシピ取得部２４２は、ユーザ端末１から受信したレシピ情報をレシピ記憶部２５１に登録する（Ｓ４２６）。

　調味料生成装置２では、調味料作成制御部２４４が作成指示に応じて、レシピ情報の調味レシピ情報に従って、調味料ボトル２０７から規定量の素材調味料を抽出して完成調味料を作成する（Ｓ４２７）。なお、調味料作成制御部２４４は、量り２０６で食材の重さが量られた場合には、調味レシピ情報の規定量と食材の重さに応じて抽出量を決定し、決定した抽出量の素材調味料を調味料ボトル２０７から抽出するように制御を行う。

　ユーザ端末１の利用履歴登録部１１５は、作成指示に設定したレシピＩＤと、レシピＩＤに対応する調味ＩＤと、規定量とを設定した履歴情報を作成する。なお、利用履歴登録部１１５は、調味料生成装置２が測定した食材の重さが応答された場合には、応答された重さを履歴情報に設定する。利用履歴登録部１１５は、作成した履歴情報をレシピサーバ３に送信し（Ｓ４２８）、レシピサーバ３のレシピ履歴登録部３１８は、受信した履歴情報を、ユーザ端末１に対応するユーザＩＤに対応付けて履歴記憶部３３２に登録する（Ｓ４２９）。

　以上説明したように、本実施形態の食品生成システムでは、調味料生成装置２ではレシピにしたがった完成調味料が自動的に作成される。したがって、料理の中でも調味については調味料生成装置２に委譲することが可能となり、料理の手間が半分になる。また、調味を自動化することができるので、料理の苦手なユーザであっても、確実に美味しい料理を作成することができる。調理については、従来の電子レンジや炊飯器などの支援装置を利用することによってユーザの手間を軽減することができる。たとえば、ユーザは、調味料生成装置２で作成された完成調味料を用いて、混ぜたり、電子レンジに入れたり、鍋で炊いたり、炊飯器で炊いたりするだけで、簡単に調理を行うことができる。よって、調理も調味も手間を軽減することができるので、料理の手間を大幅に軽減することができる。

　また、本実施形態の食品生成システムでは、レシピサーバ３によって大量のレシピを提供することができる。これまで調味についてはユーザの手間を軽減する手段としては、調味済みの食材（いわゆるレトルト食品）は提供されていたものの、その自由度は低かったところ、本実施形態の食品生成システムによれば、調味料を大量のレシピの中から選択して自動的に調合することができるので、料理の手間を大幅に軽減するとともに、調味の自由度を拡げることができる。

　また、本実施形態の食品生成システムでは、ユーザの考案したレシピをレシピサーバ３に登録し、他人に利用してもらうことも可能である。したがって、たとえば、単身赴任や下宿で一人暮らしをしている家族が、離れた場所で家庭の味を再現することができる。また、料理人がテレビで実演していた味をレシピサーバ３に登録することで、テレビで見た味を家庭で再現することができる。また、手動の調味作業を行わずに調味料生成装置２により自動的に調味を行うことができるので、レシピの再現性を高めることができ、美味しさの感動を共有することが可能となる。

　上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。

　たとえば、本実施形態では、調味料を混合することを前提としていたが、調味料に限らず、各種の食品を混合することができる。実施の形態においては、主に味を変更する例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、栄養成分、見た目、匂い等と言った食品の特徴を変更することとしてもよい。

　また、本実施形態では、調味料ボトル２０７に格納された液状の調味料をチューブ２０８を通じて吸い出すようにしたが、これに限らず、たとえば、容器に格納された粉末状の食品（砂糖や塩などの調味料であってもよいし、小麦粉等の食材であってもよい。）をスプーン等の道具ですくうようにしたり、カプセル内に格納した任意の形態の食品についてカプセルを開放するようにしたり、キューブ状に固められた食材（たとえば、カレールウ等）を割り入れるようにしたりしてもよい。

　また、本実施形態では、制御装置２１が調味料ボトル２０７から素材調味料を抽出する機構として、ローラーポンプ２１３、ステッピングモーター２１４およびアクチュエータ２１１を採用し、アクチュエータ２１１を制御するものとしたが、これに限らず、調味料ボトル２０７から素材調味料を制御可能に抽出できる機構であれば、任意の公知のものを採用することができる。

　本実施形態では、健康増進モードの場合に、レシピ検索部３１２は、健康目的情報をキーとしてレシピを検索するようにしたが、レシピ情報に、健康情報（たとえば、体重や血圧、健康診断項目など）に対する条件を設定し、ユーザの健康情報が条件を満たすレシピ情報を検索するようにしてもよい。

　また、本実施形態では、ユーザが登録したレシピ情報は他のユーザからも取得できるものとしたが、ユーザが開示範囲を指定するようにしてもよい。たとえば、ユーザは自分だけあるいは家族だけがアクセス可能なアクセス権をレシピ情報に指定することができる。この場合、レシピ情報には、アクセス権を示す情報を設定するようにし、レシピ検索部３１２による検索時にアクセス権を参照しながら検索を行うようにすることができる。

　　１　　　ユーザ端末
　　２　　　調味料生成装置
　　３　　　レシピサーバ
　　４　　　通信ネットワーク
　　２１　　制御装置
　　２０１　前面
　　２０２　出し入れ口
　　２０３　調味料排出口
　　２０４　カップ置き場
　　２０５　電源スイッチ
　　２０６　量り
　　２０７　調味料ボトル
　　２０８　食品用チューブ
　　２０９　受け皿天板
　　２１０　セルセンサー
　　２１１　アクチュエータ
　　２１２　モータードライバー
　　２１３　ローラーポンプ
　　２１４　ステッピングモーター
　　２１５　セルセンサー
　　２１６　受け皿
　　２１７　調味料ゲージ窓
　　２１８　調味料
　　２１９　上面
　　２２０　右側面
　　２２１　左側面
　　２２２　ランダムスイッチ
　　２２３　履歴スイッチ

Claims

　複数の素材格納部と、
　前記素材格納部の夫々に設けられた出力部であって、前記素材格納部に格納される素材の出力を行う出力部と、
　ネットワークを介して入力される入力信号に応じて前記出力部の制御を行う制御部と、
　を備える食品生成装置。
　請求項１に記載の食品生成装置であって、
　レシピ情報を記憶する記憶部を更に備え、
　前記入力信号は、前記レシピ情報を特定する情報を含み、
　前記制御部は、特定される前記レシピ情報に基づいて前記出力部の制御を行う、
食品生成装置。
　請求項１に記載の食品生成装置であって、
　レシピ情報を記憶する記憶部を更に備え、
　前記制御部は、前記入力信号の入力に応じて、前記レシピ情報の中から１のレシピ情報を特定し、特定したレシピ情報に基づいて前記出力部の制御を行う、
食品生成装置。
　請求項１ないし３のいずれか１項に記載の食品生成装置であって、
　前記出力部により出力された前記素材の履歴を記憶する履歴記憶部を更に備え、
　前記制御部は、前記入力信号の入力に応じて、前記履歴記憶部に記憶されている前記履歴のうち、事前に設定された回数前のものに基づいて前記出力部の制御を行う、
食品生成装置。
　請求項１ないし４に記載の食品生成装置であって、
　前記制御部は、少なくとも前記素材の残量情報を取得し、当該残量情報を報知する、
食品生成装置。
　請求項１ないし５のいずれか１項に記載の食品生成装置であって、
　一の前記食品生成装置において入力された前記入力信号を他の食品生成装置に送信する送信部を備える、
食品生成装置。
　ネットワークを介して互いに通信可能に接続されたユーザ端末と食品生成装置とを備える食品生成システムであって、
　前記食品生成装置は、
　複数の素材格納部と、
　前記素材格納部の夫々に設けられた出力部であって、前記素材格納部に格納される素材の出力を行う出力部と、
　入力信号に応じて前記出力部の制御を行う制御部とを備え、
　前記ユーザ端末は、前記ネットワークを介して前記入力信号を送信する、
食品生成システム。
　請求項７に記載の食品生成システムであって、
　前記ユーザ端末に提供可能なレシピ情報を記憶する記憶部を更に備えており、
　前記ユーザ端末は、前記サーバ装置の記憶する前記レシピ情報からひとつを選択し、選択された前記レシピ情報に基づいて前記入力信号を生成する、
食品生成システム。
　請求項８に記載の食品生成システムであって、
　前記ユーザ端末から提供された料理の写真情報を分析して当該料理に含まれるメニューを特定し、前記特定したメニューから前記レシピ情報を推定する推定部を更に備える、
食品生成システム。
　請求項７乃至９のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記食品生成装置は、生成した前記食品の情報を含む生成情報を収集する収集部と、
　収集した生成情報を分析する分析部と、
　当該分析の結果に基づいてアドバイス情報を生成する生成部とを更に備える、
食品生成システム。
　請求項１０に記載の食品生成システムであつて、
　過去の前記食品の生成の履歴を記憶する記憶部を更に有しており、
　前記分析部は、当該履歴の栄養学的分析を更に行う、
食品生成システム。
　請求項１０乃至１１のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記ユーザ端末はユーザの嗜好に関する情報を取得する取得部を備え、
　前記ユーザ端末は、当該嗜好に関する情報に基づいて、前記入力信号を生成する、
食品生成システム。
　請求項１０乃至１２のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　ユーザの健康管理情報を取得する取得部と、
　前記分析部は、当該健康管理情報の分析を更に行う、
食品生成システム。
　請求項７乃至１３のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　複数のモードと、当該モードに関連付けられたレシピ情報とを管理する管理部を更に備える、
食品生成システム。
　請求項７乃至１４のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記ユーザ端末は、
　味に関する情報の入力をユーザから受け付け、
　前記味に関する情報に基づいて前記入力信号を生成する
食品生成システム。
　請求項７乃至１４いずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記食品生成装置は、少なくとも前記素材の残量情報を取得し、当該残量情報を少なくとも前記ユーザ端末に送信する、
食品生成システム。
　請求項７乃至１６のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記食品生成装置は、入力された前記入力信号を他の食品生成装置に送信する送信部を備える、
食品生成システム。
　請求項７乃至１７のいずれかに記載の食品生成システムであって、
　前記レシピ情報の中から１のレシピ情報を特定し、特定したレシピ情報を提案する、レシピ提案部を更に備える、
食品生成システム。