WO2017033739A1

WO2017033739A1 - パレット搬送装置及びそれを用いたパレット搬送方法

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Publication number: WO2017033739A1
Application number: PCT/JP2016/073443
Authority: WO
Inventors: 関　秀樹; 和伯宍野
Original assignee: 日特エンジニアリング株式会社
Priority date: 2015-08-25
Filing date: 2016-08-09
Publication date: 2017-03-02
Also published as: TWI686262B; CN107848085A; CN107848085B; JP2017042849A; DE112016003868T5; JP6650651B2; TW201713452A

Abstract

パレット搬送装置（１０）は、パレット（２１）をパレットレール（１６）に沿って搬送させるパレット送り機構（４０）と、昇降レール（１６ｂ）を第一位置と第二位置との間で移動させるレール昇降機構（３０）と、パレットを第二位置に位置する昇降レールに沿って移動させるパレット移動機構（５０）と、を備え、パレット送り機構は、固定レール及び第一位置に位置する昇降レールに搭載されたパレットを固定レール及び第一位置に位置する昇降レールに沿って搬送するとともに、第二位置に位置する昇降レールに搭載されたパレットは搬送しないように構成される。

Description

パレット搬送装置及びそれを用いたパレット搬送方法

　本発明は、ワークが搭載されたパレットを搬送するパレット搬送装置及びそれを用いたパレット搬送方法に関するものである。

　従来、製造ラインにおいて、ワークをコンベアにて搬送し、搬送先の工作機がワークに対して所定の加工を行う搬送装置がある。そして、このようなワークを搭載するパレットの搬送ピッチを容易に変更し得るパレット搬送装置を本出願人は提案した（例えば、ＪＰ２０１１－９３０３２Ａ参照）。

　この搬送装置は、ワークを搭載可能に構成されたパレットと、パレットを移動可能に搭載するパレットレールと、パレットをパレットレールに沿って搬送させるパレット送り機構と、を備えている。この搬送装置は、ワークの搬送速度と位置決め精度を高めることが期待できるものである。

　しかし、上記パレット搬送装置におけるパレット移動機構は、単一のパレットレールに複数のパレットが搭載されている場合、その全てのパレットを同一の速度で同一の方向に搬送するものであり、その一部のパレットを他のパレットと独立させて搬送させることはできない。

　ワークを搭載したパレットを比較的間隔を開けて設置された工作機間において搬送する場合には、比較的長い距離を搬送することになる。単一のパレットに複数のワークを載せている場合、各工作機においてそれらワークの加工を行う場合には、その工作機において一のワークの加工が終了すると、隣接するワークをその工作機における加工位置まで移動させて、その隣接するワークの加工を行うことになる。このため、単一のパレットに複数のワークを載せている場合において、各工作機におけるワークの加工時におけるパレットの搬送距離は、工作機間においてパレットを搬送する場合に比較して、短いものとなる。

　従って、単一のパレットレールに搭載されている複数のパレットの全てを同一の速度で同一の方向に搬送する従来の搬送装置では、各工作機におけるワークの加工時に工作機間の比較的長い距離の搬送を行うことができず、工作機間の比較的長い距離の搬送時に各工作機におけるワークの加工を行うことができない不具合がある。

　よって、単一のパレットに複数のワークを載せて、各工作機における加工を行わせる場合の搬送装置にあっては、工作機間の比較的長い距離のパレットの搬送と、各工作機におけるワークの加工時における比較的短い距離のパレットの搬送を別々に行わせることが便利である。

　本発明の目的は、比較的長い距離のパレットの搬送と、比較的短い距離のパレットの搬送を別々に行わせ得るパレット搬送装置及びパレット搬送方法を提供することにある。

　本発明のある態様によれば、パレット搬送装置は、ワークを搭載可能に構成されたパレットと、パレットを移動可能に搭載し、昇降不能な固定レールと昇降可能な昇降レールとを有するパレットレールと、パレットをパレットレールに沿って搬送させるパレット送り機構と、昇降レールを固定レールに連続する第一位置と第一位置から上昇した第二位置との間で移動させるレール昇降機構と、第二位置に位置する昇降レールに搭載されたパレットを第二位置に位置する昇降レールに沿って移動させるパレット移動機構と、を備え、昇降レールは、第一位置において固定レールから移動したパレットを搭載可能に構成され、パレット送り機構は、固定レール及び第一位置に位置する昇降レールに搭載されたパレットを固定レール及び第一位置に位置する昇降レールに沿って搬送するとともに、第二位置に位置する昇降レールに搭載されたパレットは搬送しないように構成される。

図１は、本発明の実施形態に係るパレット搬送装置を示す図１１のＡ部拡大図である。図２は、昇降レールが上昇した状態を示す図１に対応する拡大図である。図３は、図１のＢ－Ｂ線断面図である。図４は、昇降レールがパレットとともに上昇した状態を示す図３に対応する断面図である。図５は、図３のＥ－Ｅ線断面図である。図６は、パレット搬送装置においてパレットが固定レールから昇降レールに移動した状態を示す図３のＦ－Ｆ線断面図である。図７は、昇降レールがパレット共に上昇した状態を示す図６に対応する断面図である。図８は、上昇した昇降レールに沿ってパレットが搬送された状態を示す図７に対応する断面図である。図９は、パレットを図１のＣ方向から観た上面図である。図１０は、図１のＤ－Ｄ線断面図である。図１１は、本発明の実施形態に係るパレット搬送装置を示す正面図である。

　次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。各図において、互いに直交するＸ，Ｙ，Ｚの３軸を設定し、Ｘ軸が略水平横方向、Ｙ軸が略水平前後方向、Ｚ軸が鉛直方向に延びるものとし、パレット搬送装置１０の構成について説明する。

　図１１に、本実施形態におけるパレット搬送装置１０を示す。

　パレット搬送装置１０は、製造ラインに設けられるものを例示している。この製造ラインは複数の加工ステーション１１，１２がＸ軸方向に所定の間隔で一列に並ぶものを示している（図１１では２台のみ示す。）。各加工ステーション１１，１２は箱形形状を成し、内部には図示しない工作機が設置される。そして、各加工ステーション１１，１２における工作機は、パレット搬送装置１０によって搬送される図示しないワークに対して各種加工を順に行い、図示しない製品を自動的に製造するものとする。

　パレット搬送装置１０は、始点と終点、及びその間に点在して設置された複数の加工ステーション１１，１２を連結するパレットレール１６と、パレットレール１６に搭載された１又は２以上のパレット２１と、を備える。複数の加工ステーション１１，１２はＸ軸方向に直線的に配置され、そのＸ軸の延長線上の両側に始点と終点となる待機テーブル１３，１４がそれぞれ設置される。待機テーブル１３，１４と複数の加工ステーション１１，１２には、パレットレール１６が固定される架台１５がＸ軸方向に連続するように掛け渡される。

　この実施形態におけるパレットレール１６は、市販の直線運動ガイドレールであって、図１０に示すように、架台１５上に支持板１７を介して直接固定された固定レール１６ａと、図３に示すように、架台１５上にレール昇降機構３０を介して昇降可能に設けられた昇降レール１６ｂと、を備える。

　図１１に示すように、レール昇降機構３０は、各加工ステーション１１，１２に対応して設けられる。加工ステーション１１，１２に対応して設けられたレール昇降機構３０は、図６に示すように、その昇降レール１６ｂを固定レール１６ａに連続する第一位置と、図７及び図８に示すように、第一位置から上昇した第二位置と、の間で昇降させるものである。

　固定レール１６ａと昇降レール１６ｂは同一の直線運動ガイドレールである。昇降レール１６ｂは、図６に示すように、固定レール１６ａに連続する第一位置にあっては、その固定レール１６ａから移動したパレット２１を搭載可能に、後述するパレット２１のレール長手方向の長さよりも長い長さのものが用いられる。

　図９及び図１０に示すように、パレット２１は、直線運動ガイドレールであるパレットレール１６を跨いでパレットレール１６上を移動可能に構成された直線運動ブロック２２と、直線運動ブロック２２にねじ止めされた台座２３と、台座２３の下側にパレットレール１６に沿って設けられた第一及び第二係止部材２４，２５と、を有する。パレット２１における台座２３の上部には、ワークを収めるワーク支持部２６がパレットレール１６に沿って複数形成される。なお、第一及び第二係止部材２４，２５の詳細は後述する。

　直線運動ブロック２２は、直線運動ガイドレール（パレットレール１６）と対に販売される市販のものであって、図示しないローラリテーナを備えるものが好ましい。ローラリテーナを備える直線運動ブロック２２を用いることにより、その幅方向（Ｙ軸方向）の移動を禁止しつつパレット２１がパレットレール１６上を移動する抵抗を著しく軽減することができる。このようにしてパレット２１はパレットレール１６に移動可能に搭載される。

　昇降レール１６ｂを昇降させるレール昇降機構３０は、図１～図５に示すように、昇降レール１６ｂが上部に設けられた昇降台３１と、架台１５に設けられて昇降台３１を昇降可能に支持する支持台３２と、昇降台３１を昇降させるカム板３３と、カム板３３を移動させるアクチュエータ３４と、を備える。

　図３及び図４に示すように、支持台３２は、パレットレール１６に沿うように架台１５に立設された板材である。支持台３２には、パレットレール１６に臨む片側に鉛直方向に延びるガイドレール３６がパレットレール１６の長手方向に所定の間隔を開けて複数設けられる（図５参照）。

　図５に示すように、昇降台３１は上面視においてパレットレール１６の長手方向に延びる方形状を成す枠により形成される。具体的には、昇降台３１は、支持台３２に沿う平板状の支持枠３１ａと、支持枠３１ａのＸ軸方向の両側から支持台３２から離れる方向に互いに平行に突出して設けられた短辺枠３１ｂ，３１ｃと、短辺枠３１ｂ，３１ｃのＺ軸方向上方の突出端を連結する上連結片３１ｄと、短辺枠３１ｂ，３１ｃのＺ軸方向下方のＹ軸方向の略中央を連結する下連結片３１ｅ（図３及び図４）と、を備える。

　昇降レール１６ｂは、昇降台３１における互いに平行に設けられた短辺枠３１ｂ，３１ｃの上部に架設される。昇降台３１における支持枠３１ａの支持台３２に臨む主面には、ガイドレール３６に移動可能に係合する直線運動ガイドブロック３７が取付けられる。これにより、昇降台３１は昇降可能に架台１５に取付けられる。

　図１及び図２に示すように、カム板３３は、パレットレール１６に沿うようにＸ軸方向に延びて、昇降台３１の下方の架台１５にその長手方向に移動可能に設けられる。具体的には、架台１５上に設けられた支持台３２にはＸ軸方向に延びるレール３９ａが設けられ、レール３９ａに移動可能な直線運動ブロック３９ｂがカム板３３に取付けられる。レール３９ａ及び直線運動ブロック３９ｂによりカム板３３の滑らかな移動が確保される。

　カム板３３の上方に位置する昇降台３１の下連結片３１ｅには、カム板３３の上面を転動するローラ３８が設けられる。カム板３３の上面には、ローラ３８とともに昇降台３１を低位に位置させる低位面３３ａと、ローラ３８とともに昇降台３１を高位に位置させる高位面３３ｂと、低位面３３ａと高位面３３ｂとを滑らかに連続させる傾斜面３３ｃと、が形成される。

　カム板３３を長手方向に移動させるアクチュエータ３４として、本実施形態では、流体圧シリンダ３４が用いられる。流体圧シリンダ３４の出没ロッド３４ａは、カム板３３の長手方向に連続するようにして支持台３２に取付けられる。出没ロッド３４ａはカム板３３に連結される。図１及び図６に示すように、出没ロッド３４ａを本体３４ｂに没入させると、ローラ３８が低位面３３ａに接触し、昇降台３１を低位に位置させる。これにより、昇降台３１に設けられた昇降レール１６ｂは、固定レール１６ａに連続させる第一位置に位置するようになる。

　逆に、図２，図７及び図８に示すように、本体３４ｂから出没ロッド３４ａを突出させると、ローラ３８は低位面３３ａから傾斜面３３ｃを介して高位面３３ｂにまで達する。これにより、昇降台３１も上昇するローラ３８とともに上昇して、昇降第３１に設けられた昇降レール１６ｂを第一位置より上昇した第二位置まで上昇させる。

　図１１に戻って、パレット搬送装置１０は、パレット２１をパレットレール１６に沿って搬送させるパレット送り機構４０を備える。パレット送り機構４０は、パレット２１と係合可能に構成されパレットレール１６に沿って無端で設けられて循環するベルト４１と、ベルト４１を循環させる循環機構４２，４３と、を備える。

　パレットレール１６が設けられた架台１５のＸ軸方向の両側における待機テーブル１３，１４には、取付板１３ａ，１４ａがそれぞれ取付けられ、それらの取付板１３ａ，１４ａに循環機構４２，４３が取付けられる。本実施形態における循環機構４２，４３は、回転軸４２ａ，４３ａを任意の速度で回転させると共に、その回転軸４２ａ，４３ａを任意の回転位置で停止可能なサーボモータ４２，４３である。サーボモータ４２，４３は、回転軸４２ａ，４３ａをＹ軸方向に向けて取付板１３ａ，１４ａにそれぞれ取付けられる。回転軸４２ａ，４３ａには、同形同大の駆動プーリ４２ｂと従動プーリ４３ｂが取付けられる。

　ベルト４１の両端は、駆動プーリ４２ｂと従動プーリ４３ｂに掛け回されてそれらに架設される。コントローラ４８からの指令によりサーボモータ４２，４３が同期して駆動すると、回転軸４２ａ，４３ａが駆動プーリ４２ｂと従動プーリ４３ｂとともに同一方向に同一速度で回転し、駆動プーリ４２ｂと従動プーリ４３ｂに掛け回されたベルト４１が駆動プーリ４２ｂと従動プーリ４３ｂとの間で循環する。

　なお、図では循環機構としてサーボモータ４２，４３を用い、サーボモータ４２，４３が待機テーブル１３，１４における取付板１３ａ，１４ａに設けられる場合を例示するが、サーボモータ４２，４３をいずれか一方にのみ設け、他方に従動プーリを空転可能に設けるようにしても良い。また、駆動プーリ４２ｂと従動プーリ４３ｂは取付板１３ａ，１４ａ以外の部分に設けても良く、サーボモータに代えて、エア又は油圧モータ等を循環機構として用いても良い。

　図１及び図２に示すように、ベルト４１はいわゆる歯付きベルトである。ベルト４１は、幅方向に延びる凹凸４１ａ，４１ｂが長手方向に交互に連続する歯付きベルトである。ベルト４１は、その凹凸４１ａ，４１ｂが外側を向くようにして、駆動プーリ４２ｂと従動プーリ４３ｂに掛け回されてそれらに架設される。

　一方、パレット２１には、ベルト４１の凹凸４１ａ，４１ｂに係合可能な被凹凸部２４ａ，２４ｂが形成される。被凹凸部２４ａ，２４ｂはパレット２１を構成する第一係止部材２４に形成される。第一係止部材２４は、被凹凸部２４ａ，２４ｂを下側を向けて台座２３の下側にパレットレール１６に沿って設けられる。

　図１に示すように、第一係止部材２４は、第一位置の昇降レール１６ｂにパレット２１が搭載されると、駆動プーリ４２ｂと従動プーリ４３ｂに架設された上側のベルト４１の凹凸４１ａ，４１ｂが形成された上側に重合する。これにより、第一係止部材２４の被凹凸部２４ａ，２４ｂがベルト４１に形成された凹凸４１ａ，４１ｂに係合する。

　パレット２１における被凹凸部２４ａ，２４ｂがベルト４１の凹凸４１ａ，４１ｂに係合すると、ベルト４１と独立したパレット２１のパレットレール１６に沿ったＸ軸方向の移動は禁止される。このため、パレット２１が係止されたベルト４１を循環機構４２，４３を用いて循環させると、パレット２１はベルト４１とともに移動し、ベルト４１が沿うパレットレール１６に沿ってパレット２１は搬送される。

　また、第一係止部材２４は、パレット２１が第一位置で上側のベルト４１の凹凸４１ａ，４１ｂが形成された上側に重合するので、図１に実線矢印で示すように、昇降レール１６ｂとともにパレット２１がＺ軸方向上方に移動して図２に示す第二位置にまで移動すると、パレット２１の第一係止部材２４における被凹凸部２４ａ，２４ｂは、Ｚ軸方向上方へずれて、パレット２１はベルト４１の凹凸４１ａ，４１ｂに係止した状態から離脱して、ベルト４１から外れる。これにより、パレット２１は、ベルト４１を循環させても、ベルト４１とともに移動することがない。

　即ち、パレット搬送装置１０におけるパレット送り機構４０は、図１に示すように、固定レール１６ａ及びその固定レール１６ａに連続する第一位置の昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１の固定レール１６ａ及び第一位置の昇降レール１６ｂに沿う搬送を可能にするとともに、固定レール１６ａに連続する第一位置から上昇して、図２に示すような第二位置に達した昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１の搬送は不能に構成されるものである。

　なお、図１～図４における符号４４は、駆動プーリ４２ｂと従動プーリ４３ｂに掛け回されて架設された上側におけるベルト４１が撓むことを防止するためにパレットレール１６に沿って設けられた支持部材４４である。また、符号４５は、支持部材４４を支持板１７に取付ける第一取付部材４５である。

　また、図１～図４における符号４６は、駆動プーリ４２ｂと従動プーリ４３ｂに掛け回されたベルト４１の下側におけるベルト４１を支持してベルト４１の弛みを抑制するベルトレール４６である。さらに、図１～図４における符号４７は、ベルトレール４６にその長手方向に所定の間隔を空けて設けられて、ベルトレール４６を支持板１７に取付ける第二取付部材４７である。

　また、本実施形態のパレット搬送装置１０は、上昇してベルト４１との係合が解除された第二位置に位置する昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１を、第二位置に位置する昇降レール１６ｂに沿って移動させるパレット移動機構５０を備える。

　図３～図８に示すように、この実施形態におけるパレット移動機構５０は、昇降レール１６ｂに沿って設けられたボールネジ５１と、ボールネジ５１に螺合する移動体５２と、移動体５２に設けられ昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１と係脱自在のアクチュエータ５３と、ボールネジ５１を回転駆動させてアクチュエータ５３を移動体５２と共に任意の位置にまで移動させるサーボモータ５４と、を備える。

　図６～図８に示すように、ボールネジ５１は、昇降台３１における短辺枠３１ｂ，３１ｃに昇降レール１６ｂに平行になるように架設され、このボールネジ５１を回転させるサーボモータ５４は，その内の一方の短辺枠３１ｂに取付けられる。サーボモータ５４は、回転軸５４ａがボールネジ５１と同軸になるように短辺枠３１ｂに取付けられる。回転軸５４ａとボールネジ５１は、ジョイント５５により接続される。

　昇降台３１における上連結片３１ｄには、昇降レール１６ｂに平行なレール５６が取付けられ、このレール５６に移動可能に嵌入された直線運動ブロック５７が移動体５２に取付けられる。この状態で移動体５２はボールネジ５１に螺合される。移動体５２は、ボールネジ５１の回転により、昇降レール１６ｂに沿って滑らかに移動可能に構成される。

　移動体５２に設けられるアクチュエータ５３は、直方体から成る本体部５３ａと、本体部５３ａに設けられ流体圧により往復移動可能な移動片５３ｂと、を有する。アクチュエータ５３は、移動片５３ｂをパレット２１における第二係止部材２５に臨むように上側に向けた状態で、本体部５３ａが移動体５２に取付けられる。

　パレット２１における第二係止部材２５には、移動片５３ｂの上端が進入可能な凹部２５ａが形成される。図７及び図８に示すように、この凹部２５ａに移動片５３ｂの上部が進入すると、移動体５２とパレット２１とが係合し、移動体５２と別に独立したパレット２１の昇降レール１６ｂに沿った移動が禁止される。図６に示すように、凹部２５ａから移動片５３ｂが抜け出して離脱すると、移動体５２とパレット２１との係合は解消されて、移動体５２と別にパレット２１の昇降レール１６ｂに沿った自由な移動が可能となる。

　移動体５２とパレット２１とが係合し、移動体５２と別に独立したパレット２１の移動が禁止された状態でサーボモータ５４を駆動させてボールネジ５１を回転させると、移動体５２はパレット２１と共に昇降レール１６ｂに沿って移動する。パレット移動機構５０は、移動体５２とパレット２１とをサーボモータ５４を制御することによって任意の位置に移動できるように構成される。

　次に、パレット搬送装置１０を用いた本実施形態におけるパレット搬送方法を説明する。

　本実施形態におけるパレット搬送方法は、固定レール１６ａに搭載されたパレット２１を固定レール１６ａに沿って搬送して第一位置に位置する昇降レール１６ｂに移動させる第一パレット搬送工程と、固定レール１６ａから移動したパレット２１が搭載された第一位置に位置する昇降レール１６ｂを固定レール１６ａから分離して上昇させて第二位置まで移動させる第一パレット移動工程と、昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１を第二位置に位置する昇降レール１６ｂに沿って搬送する第二パレット搬送工程と、パレット２１が搭載された昇降レール１６ｂを下降させて第一位置まで戻して固定レール１６ａに連続させる第二パレット移動工程と、を備える。以下に各工程を詳説する。

　＜第一パレット搬送工程＞
　この工程では、固定レール１６ａに搭載されたパレット２１又は第一位置に位置する昇降レール１６ｂから移動して固定レール１６ａに搭載されたパレット２１をその固定レール１６ａに沿って搬送する。即ち、図１に示すように、固定レール１６ａ又は第一位置に位置する昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１は、そのパレット２１における第一係止部材２４に形成された被凹凸部２４ａ，２４ｂがパレットレール１６に沿って設けられたベルト４１の凹凸４１ａ，４１ｂに係合する。このため、パレット送り機構４０であるサーボモータ４２，４３（図１１）を同期して駆動させてベルト４１を循環させることにより、固定レール１６ａ及び昇降レール１６ｂから成るパレットレール１６に沿ってパレット２１を搬送することができる。

　図１１に示すように、このパレット２１の搬送は、待機テーブル１３から加工ステーション１１の工作機までの間、又は各加工ステーション１１，１２の工作機（以下、加工ステーション１１，１２の工作機をそれぞれ工作機１１，１２ともいう。）の間、又は工作機１２から待機テーブル１４までの間の比較的長い距離を搬送するものである。そして、搬送されるパレット２１が工作機１１，１２に対峙して、レール昇降機構３０を介して設けられた昇降レール１６ｂにパレット２１が移動して搭載された状態になったときに、サーボモータ４２，４３を停止してベルト４１の循環を停止させ、パレット２１の搬送を停止する。

　なお、工作機１２から待機テーブル１４まで搬送されたパレット２１は、そこに搭載された図示しないワークに対する各工作機１１，１２における加工が終了したものとして搬送されることになる。

　＜第一パレット移動工程＞
　この工程では、昇降レール１６ｂに搭載され工作機１１，１２に対峙したパレット２１とともに、その昇降レール１６ｂを固定レール１６ａから分離して上昇させ、第二位置まで移動させる。

　具体的な手順としては、先ず、ベルト４１の循環を停止させて、パレット２１の搬送を停止した状態で、図６に示すように、パレット２１における第二係止部材２５の下方に移動体５２を移動させる。次に、図４の破線矢印で示すように、アクチュエータ５３における移動片５３ｂを上方に突出させて、移動片５３ｂの上端を第二係止部材２５における凹部２５ａに進入させる。これにより、アクチュエータ５３はパレット２１と係合し、移動体５２と別に独立したパレット２１の昇降レール１６ｂに沿った移動を禁止する。

　このようにパレット２１の自由な移動を禁止させた状態で、図４及び図７の実線矢印で示すように、パレット２１とともに昇降レール１６ｂを上昇させる。この上昇は、レール昇降機構３０により行われ、図７の破線矢印で示すように、流体圧シリンダ３４の本体３４ｂから出没ロッド３４ａを突出させる。すると、ローラ３８が低位面３３ａから傾斜面３３ｃを介して高位面３３ｂにまで達し、上昇するローラ３８とともに昇降台３１も上昇して、そこに設けられた昇降レール１６ｂを第一位置より上昇した第二位置まで上昇させる。

　このように、昇降レール１６ｂとともにパレット２１がＺ軸方向上方に移動して第二位置にまで移動すると、図２に示すように、Ｚ軸方向に移動しないベルト４１の凹凸４１ａ，４１ｂから移動するパレット２１における第一係止部材２４における被凹凸部２４ａ，２４ｂはＺ軸方向上方へずれてベルト４１から外れ、パレット２１はベルト４１に係止した状態から離脱する。これにより、ベルト４１を循環させても、パレット２１を移動させることはできないことになる。

　＜第二パレット搬送工程＞
　この工程では、第二位置に移動した昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１を第二位置に位置する昇降レール１６ｂに沿って搬送する。前の工程において、パレット２１とベルト４１との係合は解除されるけれども、図７に示すように、アクチュエータ５３における移動片５３ｂの上端を第二係止部材２５における凹部２５ａに進入させる。

　このため、アクチュエータ５３とパレット２１との係合状態は持続される。したがって、移動体５２と別に独立したパレット２１の昇降レール１６ｂに沿った移動は禁止される。

　この状態からパレット移動機構５０であるサーボモータ５４を駆動してボールネジ５１を回転させると、ボールネジ５１に螺合された移動体５２はパレット２１と共に昇降レール１６ｂに沿って移動する。パレット移動機構５０は、移動体５２とパレット２１とをサーボモータ５４を制御して任意の位置に移動させる。

　パレット２１には複数のワーク支持部２６が設けられる。例えば、複数のワーク支持部２６にそれぞれワークを載せられ、各工作機１１，１２（図１１）においてそれら複数のワークを順次加工する場合に、パレット２１の搬送が行われる。

　具体的に説明すると、工作機１１，１２において一のワークの加工が終了すると、隣接するワークをその工作機１１，１２における加工位置まで比較的短い距離搬送し加工を行う。このようにして、隣接するワークを順次搬送し、順次加工する。サーボモータ５４によってボールネジ５１を所定の回転数回転させることにより、このような比較的短い距離の搬送を比較的速やかであってかつ正確に行うことができる。

　この工程は、各工作機１１，１２（図１１）においてそれら複数のワークの全ての加工が終了して、パレット２１が昇降レール１６ｂの端部にまで移動した状態（図８）で終了する。

　＜第二パレット移動工程＞
　この工程では、パレット２１が搭載された昇降レール１６ｂを下降させて第一位置まで戻して固定レール１６ａに連続させる。

　具体的な手順としては、図２の一点鎖線で示すパレット２１とともに昇降レール１６ｂを図１の破線矢印で示すように下降させる。この下降は、レール昇降機構３０により行われる。このとき、流体圧シリンダ３４の本体３４ｂに出没ロッド３４ａを没入させる。これにより、ローラ３８が高位面３３ｂから傾斜面３３ｃを介して低位面３３ａに達し、下降するローラ３８とともに昇降台３１も下降する。したがって、昇降台３１に設けられた昇降レール１６ｂが第二位置から固定レール１６ａに連続する第一位置まで下降する。

　このように、昇降レール１６ｂとともにパレット２１がＺ軸方向下方に移動して第一位置にまで移動すると、ベルト４１の循環が停止された状態では、Ｚ軸方向に移動しないベルト４１にパレット２１における第一係止部材２４が重合することになる。すると、ベルト４１の凹凸４１ａ，４１ｂにパレット２１における第一係止部材２４の被凹凸部２４ａ，２４ｂが係合し、パレット２１はベルト４１に再び係止される。これにより、ベルト４１と別のパレット２１の独立した移動は禁止されることになる。

　そして、その後のパレット２１の搬送のために、図３に示すパレット移動機構５０のアクチュエータ５３における移動片５３ｂを下方に移動させて、移動片５３ｂを第二係止部材２５における凹部２５ａから離脱させる。これにより、アクチュエータ５３とパレット２１との係合は解消され、移動体５２と別に独立したパレット２１の移動が可能となる。

　なお、上記第二パレット搬送工程の間に、始端側の待機テーブル１３にあっては、加工を必要とするワークが搭載されたパレット２１が固定レール１６ａに新たに搭載され、終端側の待機テーブル１４にあっては、加工が終了したワークが搭載されたパレット２１の搬出が行われる。

　以上のように、本実施形態におけるパレット搬送装置１０及びパレット搬送方法では、単一のパレット２１に複数のワークを載せて、各工作機１１，１２における加工を行わせる場合にあって、工作機１１，１２間の比較的長い距離のパレット２１の搬送と、各工作機１１，１２におけるワークの加工時における比較的短い距離のパレット２１の搬送と、を別々に行わせることが可能になる。

　また、このようなパレット搬送装置１０及びパレット搬送方法では、パレット２１を無端で設けられて循環するベルト４１に係合することにより、パレットレール１６に沿ってパレット２１の搬送を行う。このため、パレット２１のベルト４１に係合する位置を変化させることにより、先にそのベルト４１に係合してパレットレール１６に沿って搬送された先のパレット２１との間隔、即ち、先のパレット２１との搬送ピッチを容易に変更することができる。よって、第二パレット搬送工程においてワークを搬送するパレット２１間のピッチが変更されても、パレット２１自体を変更することなく速やかにそのピッチの変更に対応させることが可能となる。

　また、パレット移動機構５０が、サーボモータ５４によるボールネジ５１の回転によりパレット２１と係合させたアクチュエータ５３を移動体５２と共に任意の位置に移動させることができる。このため、パレット２１の比較的短い距離の搬送をサーボモータ５４によってボールネジ５１を所定の回転数回転させることで行うことになる。つまり、サーボモータ５４によってボールネジ５１を所定の回転数回転させることで、このような短い距離の搬送を比較的速やかであってかつ正確に搬送することが可能となる。

　以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。

　パレット搬送装置１０は、ワークを搭載可能に構成されたパレット２１と、パレット２１を移動可能に搭載し、昇降不能な固定レール１６ａと昇降可能な昇降レール１６ｂとを有するパレットレール１６と、パレット２１をパレットレール１６に沿って搬送させるパレット送り機構４０と、昇降レール１６ｂを固定レール１６ａに連続する第一位置と第一位置から上昇した第二位置との間で移動させるレール昇降機構３０と、第二位置に位置する昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１を第二位置に位置する昇降レール１６ｂに沿って移動させるパレット移動機構５０と、を備え、昇降レール１６ｂは、第一位置において固定レール１６ａから移動したパレット２１を搭載可能に構成され、パレット送り機構４０は、固定レール１６ａ及び第一位置に位置する昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１を固定レール１６ａ及び第一位置に位置する昇降レール１６ｂに沿って搬送するとともに、第二位置に位置する昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１は搬送しないように構成される。

　この構成によれば、パレット搬送装置１０は、パレット２１をパレットレール１６に沿って搬送させるパレット送り機構４０と別に、第二位置の昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１を第二位置の昇降レール１６ｂに沿って移動させるパレット移動機構５０を備えるので、単一のパレット２１に複数のワークを載せて、各工作機１１，１２における加工を行わせる場合にあって、パレット送り機構４０による工作機間の比較的長い距離のパレット２１の搬送と別に、各工作機１１，１２におけるワークの加工時における比較的短い距離のパレット２１の搬送をパレット移動機構５０により行わせることが可能になる。

　また、パレット搬送装置１０では、パレット送り機構４０は、長手方向に交互に連続し、幅方向に延びる凹凸４１ａ，４１ｂが形成されるとともに、パレットレール１６に沿って循環するように設けられるベルト４１と、ベルト４１を循環させる循環機構４２，４３と、を有し、パレット２１には、固定レール１６ａ又は第一位置に位置する昇降レール１６ｂに搭載された状態で凹凸４１ａ，４１ｂに上方から係合可能な被凹凸部２４ａ，２４ｂが形成される。

　この構成によれば、パレット２１を無端で設けられて循環するベルト４１に係合することにより、パレットレール１６に沿ってそのパレット２１の搬送を行うことができる。これにより、パレット２１のベルト４１に係合する位置を変化させることで、先にベルト４１に係合してパレットレール１６に沿って搬送された先のパレット２１との間隔、即ち先のパレット２１との搬送ピッチを容易に変更することができる。よって、第二パレット搬送工程においてワークを搬送するパレット２１間のピッチが変更されても、パレット２１自体を変更することなく速やかにそのピッチの変更に対応させることが可能となる。

　また、パレット搬送装置１０では、パレット移動機構５０は、昇降レール１６ｂに沿って設けられたボールネジ５１と、ボールネジ５１に螺合する移動体５２と、移動体５２に設けられ昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１と係脱自在のアクチュエータ５３と、ボールネジ５１を回転駆動させてアクチュエータ５３を移動体５２と共に任意の位置に移動させるサーボモータ５４と、を備える。

　この構成によれば、パレット移動機構５０が、サーボモータ５４によるボールネジ５１の回転によりパレット２１と係合させたアクチュエータ５３を移動体５２と共に任意の位置に移動させるよう。したがって、パレット２１の比較的短い距離の搬送をサーボモータ５４が行うボールネジ５１の所定の回数の回転により行うことになり、そのような短い距離の搬送を比較的速やかであってかつ正確に搬送することが可能となる。

　また、パレット搬送装置１０を用いたパレット搬送方法は、固定レール１６ａに搭載されたパレット２１を固定レール１６ａに沿って搬送して第一位置に位置する昇降レール１６ｂに移動させる第一パレット搬送工程と、固定レール１６ａから移動したパレット２１が搭載された第一位置に位置する昇降レール１６ｂを上昇させて第二位置まで移動させる第一パレット移動工程と、昇降レール１６ｂに搭載されたパレット２１を第二位置に位置する昇降レール１６ｂに沿って搬送する第二パレット搬送工程と、パレット２１が搭載された昇降レール１６ｂを下降させて第一位置まで戻して固定レール１６ａに連続させる第二パレット移動工程と、を備える。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。

　本願は、２０１５年８月２５日に日本国特許庁に出願された特願２０１５－１６５４０９号に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

Claims

　パレット搬送装置であって、
　ワークを搭載可能に構成されたパレットと、
　前記パレットを移動可能に搭載し、昇降不能な固定レールと昇降可能な昇降レールとを有するパレットレールと、
　前記パレットを前記パレットレールに沿って搬送させるパレット送り機構と、
　前記昇降レールを前記固定レールに連続する第一位置と前記第一位置から上昇した第二位置との間で移動させるレール昇降機構と、
　前記第二位置に位置する前記昇降レールに搭載された前記パレットを前記第二位置に位置する前記昇降レールに沿って移動させるパレット移動機構と、を備え、
　前記昇降レールは、前記第一位置において前記固定レールから移動した前記パレットを搭載可能に構成され、
　前記パレット送り機構は、
　前記固定レール及び前記第一位置に位置する前記昇降レールに搭載された前記パレットを前記固定レール及び前記第一位置に位置する前記昇降レールに沿って搬送するとともに、前記第二位置に位置する前記昇降レールに搭載された前記パレットは搬送しないように構成されるパレット搬送装置。
　請求項１に記載のパレット搬送装置であって、
　前記パレット送り機構は、
　長手方向に交互に連続し、幅方向に延びる凹凸が形成されるとともに、前記パレットレールに沿って循環するように設けられるベルトと、
　前記ベルトを循環させる循環機構と、を有し、
　前記パレットには、前記固定レール又は前記第一位置に位置する前記昇降レールに搭載された状態で前記凹凸に上方から係合可能な被凹凸部が形成されたパレット搬送装置。
　請求項１に記載のパレット搬送装置であって、
　前記パレット移動機構は、
　前記昇降レールに沿って設けられたボールネジと、
　前記ボールネジに螺合する移動体と、
　前記移動体に設けられ前記昇降レールに搭載された前記パレットと係脱自在のアクチュエータと、
　前記ボールネジを回転駆動させて前記アクチュエータを前記移動体と共に任意の位置に移動させるサーボモータと、
　を備えるパレット搬送装置。
　請求項１に記載のパレット搬送装置を用いたパレット搬送方法であって、
　前記固定レールに搭載された前記パレットを前記固定レールに沿って搬送して前記第一位置に位置する前記昇降レールに移動させる第一パレット搬送工程と、
　前記固定レールから移動した前記パレットが搭載された前記第一位置に位置する前記昇降レールを上昇させて前記第二位置まで移動させる第一パレット移動工程と、
　前記昇降レールに搭載された前記パレットを前記第二位置に位置する前記昇降レールに沿って搬送する第二パレット搬送工程と、
　前記パレットが搭載された前記昇降レールを下降させて前記第一位置まで戻して前記固定レールに連続させる第二パレット移動工程と、
　を備えるパレット搬送方法。