WO2017077819A1 - 乗物用シート - Google Patents
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- B60N2/90—Details or parts not otherwise provided for
Definitions
- the seat pad may include a seat cushion pad, and the extension portion may be provided at a front portion of the seat cushion pad.
- FIG. 1 is a perspective view of a vehicle seat as a vehicle seat according to an embodiment. It is a side view of a vehicle seat. It is a side view which shows the state which accommodated the vehicle seat under the floor. It is a perspective view which shows a seat cushion pad and a seat cushion frame. It is the perspective view which looked at the seat cushion pad from the back side. It is II sectional drawing of FIG. FIG. 5 is a diagram (a) to (c) illustrating a method for manufacturing a seat cushion pad. It is a perspective view which shows a modification.
- the right side frame 11 includes an upper wall portion 11a, a side wall portion 11b extending downward from an end portion on the outer side in the left-right direction of the upper wall portion 11a, and a left and right portion from the lower end portion of the side wall portion 11b. And a lower wall portion 11c extending inward in the direction.
- the substantially center part in the up-down direction is dented in the left-right direction inner side.
- the relationship between the right side portion 21b and the right side frame 11 is shown.
- the lower end of the side portion 21 b is disposed at a position slightly below the lower surface of the lower wall portion 11 c of the right side frame 11.
- the distance from the lower end of the side portion 21b to the lower surface of the lower wall portion 11c is desirably 10 mm or less, preferably 5 mm or less is desirable, more preferably 0 mm.
- the extended portion 23 is pulled and wound around the edge of the lower wall portion 11c of the right side frame 11 while being kept in tension.
- the first engagement member 31 is engaged with the lower wall portion 11 c of the right side frame 11 while pulling the right end portion of the skin material 30 to apply tension.
- the extension part 23 is fixed to the right side frame 11 together with the right end part of the skin material 30.
- the extension member 23 and the like are covered with the skin material 30 by engaging the second engagement member 32 with the wire member 16.
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Abstract
乗物用シート(S)は、クッション材(21)と、クッション材(21)に一体に設けられ、クッション材(21)から延出するシート状の延出部(23;43)とを有するシートパッド(20;40)と、シートパッド(20;40)を支持するシートフレーム(10;50)と、シートパッド(20;40)に被せられた表皮材(30)と、延出部(23;43)をシートフレーム(10;50)に固定する固定部材(31)と、を備える。
Description
本発明は、シートパッドと、シートパッドを支持するシートフレームと、シートパッドに被せられた表皮材と、を備える乗物用シートに関する。
従来、車両の床下に折り畳まれた状態で収納されるシートが知られている(特開2014-208499号公報参照)。このような乗物用シートでは、シートの収納や引き起こしの際の操作性向上やコンパクトな空間で収納することが求められているため、シートの厚さを小さくする傾向にある。
詳しくは、通常は、シートパッドをシートフレームの裏側まで回り込むような形状に形成しているところを、折り畳み型の乗物用シートでは、シートパッドをシートフレームの裏側まで回り込ませずに、シートパッドの側部の端部をシートフレームの裏面付近の位置に留めており、これにより、シートの厚さを小さくしている。また、このように厚さを小さくしたシートパッドは、シートパッドを覆う表皮材を十分張った状態で表皮材の端部をシートフレームに固定することで、表皮材の張力によってシートフレームに保持されている。
しかしながら、従来技術では、表皮材の張力でシートパッドをシートフレームに保持させているので、例えば乗物用シートを収納状態から起立状態に切り替えたときの衝撃によりシートパッドがシートフレームから離れて浮き上がることがあった。そして、このようにシートパッドが浮き上がると、例えばシートパッドがシートクッションパッドである場合には、該シートクッションの座面と、左右に隣接した他のシートのシートクッションの座面との間に段差ができ、外観上見栄えが悪くなるおそれがあった。
そこで、本発明者らは、シートパッドがシートフレームから離れにくい乗物用シートを提供するための研究の過程で、本発明を創案するに至った。
本発明の一態様に係る乗物用シートは、シートパッドと、前記シートパッドを支持するシートフレームと、前記シートパッドに被せられた表皮材と、固定部材と、を備える。そして、前記シートパッドは、クッション材と、当該クッション材に一体に設けられ、前記クッション材から延出するシート状の延出部とを有し、前記固定部材は、前記延出部を前記シートフレームに固定する。
この構成によれば、表皮材とは別にシートパッドに一体に設けられた延出部をシートフレームに固定するので、クッション材がシートフレームに固定され、シートパッドがシートフレームから離れるのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記クッション材は、前記シートフレームの表側に配置されるベース部と、当該ベース部の外側の端部から前記シートフレームの側面に沿って延びる側部と、を有し、前記クッション材は、前記側部の端部を終端とし、前記シートフレームの裏側に回り込まない形状とすることができる。ここで、「外側」とは、シートの厚み方向に直交する方向における「内側」に対比して用いられている用語であり、「表側」とは、乗物用シートに乗員が着座する側、そして「裏側」はその反対側をいう。また、表側の面と裏側の面をそれらの周縁(外側の端縁)において接続する面が「側面」である。
シートパッド(クッション材)をシートフレームの裏側まで回り込ませる構造では、シート全体の厚さが大きくなり、乗物用シートが大型化してしまうが、前記した構成によれば、シート全体の厚さを小さくすることができるので、乗物用シートの小型化を図ることができる。
また、前記した構成において、前記シートパッドは、前記クッション材の裏面に一体に設けられる裏布をさらに有し、前記延出部は、前記裏布に一体に設けられていてもよい。
これによれば、延出部を裏布に一体に設けることで、延出部がシートフレームの近くに配置されるので、延出部をシートフレームに密着させて強固に固定することができる。
また、前記した構成において、前記延出部は、前記裏布の一部であってもよい。
これによれば、延出部を裏布に取り付ける工程が不要となるので、シートパッドの製造コストを低減することができる。
また、前記した構成において、前記延出部は、前記側部の外側に向けて展開したときに前記側部の外側の面よりも外側に延出するように構成されていてもよい。
これによれば、延出部を、側部の外側に向けて展開したときにシートパッドの側部の外側の面よりも外側に延出するような、ある程度大きな長さとすることで、延出部を引っ張りながらシートフレームに取り付ける作業を容易に行うことができる。
また、前記した構成において、前記固定部材は、前記表皮材に設けられ、前記シートフレームに係合可能な第1係合部材を含み、前記延出部は、前記シートフレームと前記第1係合部材との間で挟持されていてもよい。
これによれば、延出部を第1係合部材でシートフレームに固定すると、表皮材も同時にシートフレームに固定されるので、延出部および表皮材の固定作業を容易に行うことができる。
また、前記した構成において、前記延出部は、前記シートフレームの縁部に巻き掛けられた状態で、前記シートフレームと前記第1係合部材との間で挟持されていてもよい。
これによれば、延出部をシートフレームの縁部に巻き掛けた状態で第1係合部材をシートフレームの縁部に係合させることで、延出部をシートフレームに強固に固定することができるので、シートパッドがシートフレームから離れるのをより抑えることができる。
また、前記した構成において、前記表皮材に設けられ、前記シートフレームに係合可能な第2係合部材をさらに備え、当該第2係合部材は、前記第1係合部材よりも表皮材の端部側に配置され、前記第2係合部材が前記シートフレームに取り付けられた状態において、前記延出部が前記表皮材で覆われていてもよい。
これによれば、延出部が表皮材によって隠されるので、乗物用シートの美観を向上させることができる。
また、前記した構成において、前記シートパッドは、シートクッションパッドを含み、前記延出部は、前記シートクッションパッドの前部に設けられていてもよい。
これによれば、シートクッションパッドの前部がシートフレームから離れるのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記シートクッションパッドは、別の乗物用シートのシートクッションパッドに左右方向で隣接し、前記延出部は、前記シートクッションパッドの前記別の乗物用シート側に設けられていてもよい。
これによれば、シートクッションパッドの上面と、隣のシートクッションパッドの上面との間に段差が生じるのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記シートパッドは、シートバックパッドを含み、前記延出部は、前記シートバックパッドの上部に設けられていてもよい。
これによれば、シートバックパッドの上部がシートフレームから離れるのを抑えることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、乗物用シートの一例としての車両用シートSは、車両の後部座席を構成するものであり、左右方向において2つ並んで配置されている。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、車両用シートSに座る乗員を基準とする。
図1に示すように、乗物用シートの一例としての車両用シートSは、車両の後部座席を構成するものであり、左右方向において2つ並んで配置されている。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、車両用シートSに座る乗員を基準とする。
左右方向に2つ並んだ車両用シートSについては、その横幅(左右方向における長さ)が異なっており、本実施形態では横幅の比が約4:6に設定されている。なお、横幅の比は任意に設定可能であり、例えば5:5であってもよい。
左右方向に2つ並んだ車両用シートSは、それぞれ、乗員が着座するシートクッションS1と、乗員の背中を(上体を背面側から)支えるシートバックS2と、乗員の頭部を支えるヘッドレストS3とを有している。また、図2および図3に示すように、各車両用シートSの後方には車体フロアTに形成された凹型の収納スペースT1が設けられている。各車両用シートSは、収納スペースT1に収納可能となるように構成されている。
車両用シートSの収納動作について概説すると、車両用シートSが収納前の状態、すなわち、図2のような着座可能状態にあるときに乗員が図1の操作ストラップStを引っ張ると、対応するロック機構(図示省略)が解除される。これにより、乗員は、シートバックS2を前傾させて折り畳んだ後、折り畳まれた車両用シートSを後斜め下方に移動させて、図3に示すように、収納スペースT1内に車両用シートSを収納することができる。
このような車両用シートSは、床下の収納スペースT1に収納する関係上、シートクッションS1やシートバックS2の厚さを小さくする必要がある。本実施形態では、以下に詳述するように、シートクッションS1が、一般的なシートクッションの厚さよりも小さな厚さで構成されている。なお、以下の説明では、左側の車両用シートSのシートクッションS1について詳細に説明する。
図4に示すように、シートクッションS1は、シートフレームの一例としてのシートクッションフレーム10と、シートパッドの一例としてのシートクッションパッド20と、表皮材30(図6参照)とを備えている。
シートクッションフレーム10は、シートクッションパッド20を下側から支持する部材であり、主に、右側サイドフレーム11と、左側サイドフレーム12と、各サイドフレーム11,12の前端部を連結する前側フレーム13と、各サイドフレーム11,12の後端部を連結する後側フレーム14とを有している。各サイドフレーム11,12は、左右方向内側に開口する断面視U形状に形成されている。
詳しくは、図6に示すように、右側サイドフレーム11は、上壁部11aと、上壁部11aの左右方向外側の端部から下方へ延びる側壁部11bと、側壁部11bの下端部から左右方向内側に延びる下壁部11cとを有している。側壁部11bは、上下方向における略中央部が左右方向内側に凹んでいる。
図4に戻って、前側フレーム13および後側フレーム14は、パイプ材からなり、互いに前後方向に間隔を空けて配置されている。前側フレーム13と後側フレーム14との間には、3つのSバネ15と、2つのワイヤ部材16とが設けられている。
Sバネ15は、左右方向に複数回屈曲しながら前後方向に延びるSバネであり、前端部が前側フレーム13に係合し、後端部が後側フレーム14に係合している。ワイヤ部材16は、Sバネ15よりも剛性の高い棒状の部材であり、前端部が前側フレーム13に溶接等により固定され、後端部が後側フレーム14に溶接等により固定されている。
図4および図5に示すように、シートクッションパッド20は、クッション材21と、クッション材21の裏面に一体に設けられる裏布22と、裏布22に一体に設けられる延出部23とを有している。クッション材21は、ウレタンフォームなどからなり、主に、シートクッションフレーム10と乗員との間(すなわち、シートクッションフレーム10の表側)に配置される平面視略矩形のベース部21aと、ベース部21aの前後左右(外側)の端部から下方に延びる4つの側部21bとを有している。
図6に示すように、各側部21bは、シートクッションフレーム10の外側の側面に沿って延びている。クッション材21は、側部21bの下の端部を終端とし、シートクッションフレーム10の裏側(下面)に回り込まない形状となっている。これにより、例えばシートクッションパッドの側部がシートクッションフレームの裏側に回り込む構成と比べ、シートクッションS1の厚さを小さくすることが可能となっている。
ここで、図6では、右側の側部21bと右側サイドフレーム11との関係を示している。側部21bの下端は、右側サイドフレーム11の下壁部11cの下面に対して僅かに下方の位置に配置されている。側部21bが右側サイドフレーム11の下壁部11cの下面よりも下方に突出している構成においては、側部21bの下端から下壁部11cの下面までの距離は、10mm以下が望ましく、好ましくは5mm以下が望ましく、より好ましくは0mmが望ましい。
なお、本実施形態では、側部21bを右側サイドフレーム11の下壁部11cの下面よりも下方に突出させているが、本発明はこれに限定されず、側部21bの下面と下壁部11cの下面を略面一としてもよいし、側部21bの下面を下壁部11cよりも上に配置してもよい。
裏布22は、不織布などからなり、クッション材21のベース部21aの下面、各側部21bの内面および下面にわたって、クッション材21に一体に設けられている。
図4に示すように、延出部23は、長方形の不織布等からなる、表皮材30とは別の部材であり、シートクッションパッド20の前部における右側に設けられている。ここで、シートクッションパッド20は、左側の車両用シートSを構成するものであるため、当該シートクッションパッド20の右側には、図6に示すように、右側の車両用シートSのシートクッションパッド20Rが隣接して配置されている。そのため、言い換えると、延出部23は、シートクッションパッド20のうち、右側の車両用シートSのシートクッションパッド20R(図6参照)側に配置されている。
図5に示すように、延出部23は、長手方向における一端部が裏布22に縫合により固定され、他端部がフリーな状態となってシートクッションパッド20のクッション材21から延出している。詳しくは、延出部23は、裏布22のうち、クッション材21の右側の側部21bの内面に配置された部分に固定され、側部21bの左右方向外側に向けて展開したときに側部21bの外面B1(外側の面)よりも外側に延出する長さとなっている(図5の2点鎖線参照)。
図6に示すように、表皮材30は、合成皮革や布地などからなり、シートクッションパッド20に上側から被せられている。表皮材30の裏面には、固定部材の一例としての第1係合部材31と、第2係合部材32とが設けられている。
第1係合部材31は、表皮材30を右側サイドフレーム11に固定するための断面視J形状の部材であり、表皮材30の端部から離れた位置に設けられ、右側サイドフレーム11の下壁部11cの左右方向内側の縁部に係合可能となっている。詳しくは、第1係合部材31は、延出部23を下壁部11cの縁部に巻き掛けた状態において下壁部11cの縁部に係合している。これにより、延出部23は、下壁部11cと第1係合部材31との間で挟持されて、右側サイドフレーム11に固定されている。
第2係合部材32は、断面視J形状の部材であり、表皮材30の端部に設けられ、シートクッションフレーム10のワイヤ部材16に係合可能となっている。そして、第2係合部材32をワイヤ部材16に取り付けた状態においては、延出部23が表皮材30で覆われている。
次に、シートクッションフレーム10へのシートクッションパッド20の組付方法について説明する。
図4に示すように、まず、シートクッションフレーム10に対してシートクッションパッド20を上側から嵌め込むようにして取り付ける。その後、図6に示すように、表皮材30をシートクッションパッド20の上方から被せ、表皮材30の右側の端部(第2係合部材32が設けられた端部)以外の端部を適宜図示せぬ係合部材によってシートクッションフレーム10に係合させておく。
図4に示すように、まず、シートクッションフレーム10に対してシートクッションパッド20を上側から嵌め込むようにして取り付ける。その後、図6に示すように、表皮材30をシートクッションパッド20の上方から被せ、表皮材30の右側の端部(第2係合部材32が設けられた端部)以外の端部を適宜図示せぬ係合部材によってシートクッションフレーム10に係合させておく。
その後、延出部23を引っ張ってテンションをかけた状態にしつつ、右側サイドフレーム11の下壁部11cの縁部に巻き掛け、その状態に維持する。次いで、表皮材30の右端部を引っ張ってテンションをかけた状態にしつつ、第1係合部材31を右側サイドフレーム11の下壁部11cに係合させる。これにより、表皮材30の右端部とともに延出部23が右側サイドフレーム11に固定される。その後は、第2係合部材32をワイヤ部材16に係合させることで、表皮材30で延出部23等が覆われる。
次に、シートクッションパッド20の製造方法について説明する。
図7(a)に示すように、まず、裏布22に延出部23を縫合により固定する。その後、図7(b)に示すように、シートクッションパッド20を成形するための第1金型M1の成形面上に、裏布22をセットする。この際、延出部23は、裏布22と第1金型M1の成形面との間で折り畳むように配置しておく。
図7(a)に示すように、まず、裏布22に延出部23を縫合により固定する。その後、図7(b)に示すように、シートクッションパッド20を成形するための第1金型M1の成形面上に、裏布22をセットする。この際、延出部23は、裏布22と第1金型M1の成形面との間で折り畳むように配置しておく。
次に、図7(c)に示すように、第1金型M1に対して第2金型M2をセットした後、クッション材21の材料を金型M1,M2に注入して固めることで、クッション材21と裏布22が一体に接合される。この際、裏布22と第1金型M1との間に配置された延出部23には材料が流れ込まないので、金型M1,M2から完成したシートクッションパッド20を取り外すと、延出部23の縫合されていない方の端部は、裏布22から分離可能なフリーな状態となる。
以上のような本実施形態の車両用シートにおいて、次の各効果を奏することができる。
クッション材21に一体に設けた延出部23を右側サイドフレーム11に固定するので、シートクッションパッド20が、右側サイドフレーム11に堅固に固定され、車両用シートSを床下に収納したり、床下から引き起こしたりする際の衝撃でシートクッションパッド20が右側サイドフレーム11からずれて浮いてしまうのを抑えることができる。
クッション材21に一体に設けた延出部23を右側サイドフレーム11に固定するので、シートクッションパッド20が、右側サイドフレーム11に堅固に固定され、車両用シートSを床下に収納したり、床下から引き起こしたりする際の衝撃でシートクッションパッド20が右側サイドフレーム11からずれて浮いてしまうのを抑えることができる。
シートクッションパッド20をシートクッションフレーム10の裏側に回り込まない形状とすることで、シートクッションパッド20の厚さを小さくすることができるので、車両用シートSの小型化を図ることができ、車両用シートSを床面から突出させることなく、良好に床下に収納することができる。
延出部23を裏布22に一体に設けることで、延出部23が右側サイドフレーム11の近くに配置されるので、延出部23を右側サイドフレーム11に密着させて強固に固定することができる。
延出部23を、クッション材21の側部21bの外側に向けて展開したときに側部21bの外面よりも外側に延出するような、ある程度大きな長さとすることで、延出部23を引っ張りながら右側サイドフレーム11に取り付ける作業を容易に行うことができる。
延出部23を右側サイドフレーム11に固定させるための第1係合部材31を表皮材30に設けることで、延出部23を第1係合部材31で右側サイドフレーム11に固定すると、表皮材30も同時に右側サイドフレーム11に固定されるので、延出部23および表皮材30の固定作業を容易に行うことができる。
延出部23を右側サイドフレーム11の下壁部11cの縁部に巻き掛けた状態で第1係合部材31を下壁部11cの縁部に係合させることで、延出部23を右側サイドフレーム11に強固に固定することができるので、シートクッションパッド20が右側サイドフレーム11から浮くのをより抑えることができる。
第2係合部材32を右側サイドフレーム11に取り付けた状態において、延出部23が表皮材30で覆われるので、乗員が外部から延出部23を視認することができなくなり、車両用シートSの美観を向上させることができる。
延出部23をシートクッションパッド20の前部(前側の部分)に設けたので、シートクッションパッド20の前部がシートクッションフレーム10から浮くのを抑えることができる。
延出部23をシートクッションパッド20の右側に設けたので、シートクッションパッド20の上面と、右隣のシートクッションパッド20Rの上面との間に段差が生じるのを抑えることができる。
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以下の他の形態に示すように、適宜変形して実施することが可能である。
前記実施形態では、延出部23を右側サイドフレーム11に固定するための固定部材を、表皮材30を右側サイドフレーム11に固定するための第1係合部材31としたが、本発明はこれに限定されず、表皮材30に設けられていない別の係合部材であってもよい。また、固定部材としては、前記実施形態のような断面視J形状の係合部材でなくてもよく、例えばボルトおよびナットなどであってもよい。
前記実施形態では、第2係合部材32を表皮材30の端部に設けたが、本発明はこれに限定されず、第2係合部材は、第1係合部材よりも表皮材の端部側であれば、表皮材の端部から離れた位置に設けられていてもよい。
前記実施形態では、左側の車両用シートSに本発明を適用したが、本発明はこれに限定されない。代替的に、あるいは、追加的に、例えば右側の車両用シートSに本発明を適用してもよい。この場合において、右側のシートクッションパッド20Rに一体に設ける延出部は、シートクッションパッド20Rの前部における左側(隣の車両用シートS側)に設ければよい。
また、代替的に、あるいは、追加的に、図8に示すように、シートバックパッド40に延出部43を設けてもよい。詳しくは、図8に示すシートバックパッド40は、左側の車両用シートSのパッドであり、ウレタンフォームなどからなるクッション材41と、クッション材41の裏面に設けられる裏布42とを有している。延出部43は、シートバックパッド40の上部における右側(隣の車両用シートS側)に設けられ、裏布42に一体に形成されている。
なお、この変形例において、延出部43は、裏布42の一部である。したがって、シートバックパッド40の製造時に、延出部43を有する形状の裏布42を用意することで、前記実施形態において必要とされた、延出部23を裏布22に縫合する工程が不要である。
図8に示すように、シートバックパッド40を支持するシートフレームの一例としてのシートバックフレーム50は、略矩形枠状のパイプフレーム53と、右側サイドフレーム51と、左側サイドフレーム52と、パンフレーム55とを有し、これらは、溶接で一体に接合されている。シートバックフレーム50のその他の構成については、ここで詳細な図解と説明は省略するが、たとえば、米国特許出願公開第2015/0329019(A1)号(この文献の内容は、ここに本明細書の一部を構成するものとしてその全体を引用により補充する)に開示されている。
そして、シートバックパッド40の延出部43は、シートバックフレーム50に、前記実施形態と同様の方法で(すなわち、右側サイドフレーム51の縁部に巻き掛けられた状態で、何らかの固定部材によって)固定される。そして、延出部43を覆う図示せぬ表皮材がパンフレーム55に溶接で固定されたワイヤ部材56に係止される。
この形態によれば、シートバックパッド40の上部に延出部43が設けられているので、シートバックパッド40の上部がシートバックフレームから離れるのを抑えることができる。また、延出部43が、右側(隣の車両用シートS側)に設けられているので、シートバックパッド40の前面と、隣の車両用シートSの図示せぬシートバックパッドの前面との間に段差が生じるのを抑えることができる。さらに、シートバックパッド40の製造時に延出部43の縫合作業が不要なので、シートバックパッド40の製造コストを低減することができる。
なお、前記実施形態において、シートクッションパッドに、図8の変形例のように、延出部を裏布の一部として一体に成形してもよいし、変形例の延出部を縫製によってシートバックパッドの裏布に一体に設けることもできる。
前記実施形態および図8の変形例では、延出部23,43を裏布22,42に一体に設けたが、本発明はこれに限定されず、例えば裏布とは別のシート状の延出部を、クッション材に一体に設けてもよい。
前記実施形態では、乗物用シートとして、自動車で使用される車両用シートSを例示したが、本発明はこれに限定されず、その他の乗物用シート、例えば、船舶や航空機などで使用されるシートに適用することもできる。
Claims (11)
- クッション材と、当該クッション材に一体に設けられ、前記クッション材から延出するシート状の延出部とを有するシートパッドと、
前記シートパッドを支持するシートフレームと、
前記シートパッドに被せられた表皮材と、
前記延出部を前記シートフレームに固定する固定部材と、を備えたことを特徴とする乗物用シート。 - 前記クッション材は、前記シートフレームの表側に配置されるベース部と、当該ベース部の外側の端部から前記シートフレームの側面に沿って延びる側部と、を有し、前記クッション材は、前記側部の端部を終端とし、前記シートフレームの裏側に回り込まないことを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
- 前記シートパッドは、前記クッション材の裏面に一体に設けられる裏布をさらに有し、
前記延出部は、前記裏布に一体に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。 - 前記延出部は、前記裏布の一部であることを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート。
- 前記延出部は、前記側部の外側に向けて展開したときに前記側部の外側の面よりも外側に延出することを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
- 前記固定部材は、前記表皮材に設けられ、前記シートフレームに係合可能な第1係合部材を含み、
前記延出部は、前記シートフレームと前記第1係合部材との間で挟持されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の乗物用シート。 - 前記延出部は、前記シートフレームの縁部に巻き掛けられた状態で、前記シートフレームと前記第1係合部材との間で挟持されていることを特徴とする請求項6に記載の乗物用シート。
- 前記表皮材に設けられ、前記シートフレームに係合可能な第2係合部材をさらに備え、
当該第2係合部材は、前記第1係合部材よりも表皮材の端部側に配置され、前記第2係合部材が前記シートフレームに取り付けられた状態において、前記延出部が前記表皮材で覆われていることを特徴とする請求項6に記載の乗物用シート。 - 前記シートパッドは、シートクッションパッドを含み、
前記延出部は、前記シートクッションパッドの前部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。 - 前記シートクッションパッドは、別の乗物用シートのシートクッションパッドに左右方向で隣接し、
前記延出部は、前記シートクッションパッドの前記別の乗物用シート側に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の乗物用シート。 - 前記シートパッドは、シートバックパッドを含み、
前記延出部は、前記シートバックパッドの上部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
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