明 細 書
硬化性組成物
技術分野
[0001] 本発明は、瀝青質物質および反応性ケィ素基を有し主鎖がリビングラジカル重合 法により得られるビニル系重合体を含有する硬化性組成物に関する。また、そのよう な硬化性組成物を用いてなるタイル用接着剤、防水材、道路舗装材、土木用止水材 および制振材料に関する。
背景技術
[0002] アスファルトなどの瀝青質物質は粘着性、加工性、防水性に優れ、また安価である ため、使いやすい材料として、道路舗装材、ルーフイング材、シーリング材、接着剤、 水路ライニング材、制振材、防音材などの分野で幅広く使用されている。
[0003] 例えば、アスファルトをルーフイング材として使用する場合に、複数枚積層して防水 層を形成するいわゆるアスファルト防水熱工法が従来より防水工事の主流として盛ん に使用されている。この工法は、非常に防水信頼性が高いが、アスファルトを溶融す る際に、溶融アスファルトの煙や匂いが大量に発生し周辺の環境を著しく汚染すると レ、う欠点があるため住宅密集地域や都心中心部では敬遠され、採用される地域が限 定されている。また、作業者が火傷をおう危険があり、作業者にも敬遠される傾向が ある。
[0004] これらの問題を克服するために、冷工法である自着工法がこの分野に定着しつつ あるが、施工時に剥離された剥離紙が廃材として大量に発生し、この処分が大問題と なる。
[0005] また、性能面で検討すると、ルーフイング材用途には、一般に空気吹き込み処理さ れたブローン系のアスファルトが使用される力 主として周囲温度に由来する材料の 破壊やその固い性質からブローン系のアスファルトは往々にして脆ぐ低温で割れや すレ、。逆に、良好な低温特性を示すアスファルトは夏季の間に許容することのできな い流動又は変形を示すことがある。そのような問題を克服するために、エポキシ樹脂 —アスファルト系などが開発され、強度付与によって夏場のわだち掘れは改善された
ものの冬場のクラックが生じやすレ、とレ、う欠点は、レ、まだ解決されてレ、なレ、。
[0006] 近年、クラックの改善を目的として、天然ゴムやスチレン.ブタジエンゴム、クロロプレ ンゴムなどのゴム系改質剤を添加し、弾性を付与する試みがなされている(例えば、 特許文献 1参照。)。し力、しながら、これらのゴム系改質剤はアスファルトとの相溶性に 劣り均一な組成物を得ることが困難で、分散させる際に高温加熱下での長時間攪拌 を要する。そのためゴム系改質剤によるアスファルトの変性が不十分となりやすぐそ の結果、下地への接着性が不十分となり防水 ·止水性能の面で満足できていない。 特許文献 1 :特開平 10— 279808号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明が解決しょうとする課題は、施工時に煙や臭気を発生させず、溶剤揮散の ない無溶剤常温硬化型アスファルト組成物を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0008] 上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、瀝青質物質に反 応性ケィ素基を有し主鎖がリビングラジカル重合法により得られるビュル系重合体を 含有させることにより、上記課題を解決できる硬化性組成物が得られること見出し、本 発明に至った。
[0009] すなわち本発明は、以下の(1)〜(23)を提供する。
(1)
(A)瀝青質物質および (B)下記一般式( 1 )で表される反応性ケィ素基を有し、主 鎖力 Sリビングラジカル重合法により得られるビュル系重合体を含有する硬化性組成 物。
- SKR1 ) Y
(式中、 R1は炭素数:!〜 20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基、炭素数 7〜2 0のァラルキル基または(R'〇) Si—で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、 R1が 2 個存在する時、それらは同一であってもよぐ異なっていてもよレ、。ここで、 R'は炭素 数 1〜20の 1価の炭化水素基であり 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていても よい。 Yは水酸基または加水分解性基を示し、 Yが 2個以上存在する時、それらは同
一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 1、 2または 3を示す。 )
(2)
(B)成分の主鎖が、 (メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族 ビュル系モノマー、フッ素含有ビュル系モノマー及びケィ素含有ビュル系モノマーか らなる群から選ばれるモノマーを主として重合して得られるものである(1)に記載の硬 化性組成物。
(3)
(B)成分の主鎖が、 (メタ)アクリル系重合体であるひ)〜(2)のいずれかに記載の 硬化性組成物。
(4)
(B)成分の主鎖が、アクリル系重合体であるひ)〜(3)のいずれかに記載の硬化性 組成物。
(5)
(B)成分の主鎖が、アクリル酸エステル系重合体である(4)に記載の硬化性組成物 (6)
(B)ビュル系重合体の主鎖が、原子移動ラジカル重合法で得られるものである(1) 〜(5)のレ、ずれかに記載の硬化性組成物。
(7)
原子移動ラジカル重合法が、周期律表第 7族、 8族、 9族、 10族、または 11族元素 を中心金属とする遷移金属錯体より選ばれる錯体を触媒とする(6)に記載の硬化性 組成物。
(8)
触媒とする錯体が銅、ニッケル、ルテニウム、又は鉄の錯体からなる群より選ばれる 錯体である(7)に記載の硬化性組成物。
(9)
(C)可塑剤を含有する(1)〜(8)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(10)
(c)成分の可塑剤が、芳香族系オリゴマーまたは芳香族系オリゴマーの完全また は部分水添物である(9)に記載の硬化性組成物。
(11)
(C)成分の可塑剤が、スルホン酸エステル系化合物またはスルホンアミド系化合物 である(9)に記載の硬化性組成物。
(12)
(D)エポキシ樹脂を含有する(1)〜(: 11)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(13)
(D)成分のエポキシ樹脂の含有量が、(A)瀝青質物質の 100重量部に対して、 5 〜 120重量部である(12)に記載の硬化性組成物。
(14)
(E) (メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体を含有する(1)〜(: 13)のいずれか に記載の硬化性組成物。
(15)
(E)成分の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体の分子鎖が、(a)炭素数 1 〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と(b)炭素 数 10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とか らなる共重合体である(14)に記載の硬化性組成物。
(16)
(F)粘着付与樹脂を含有する(1)〜(15)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(17)
(F)粘着付与樹脂が、フヱノールおよび Zまたはアルキルフヱノールで変性された 粘着付与樹脂である(16)に記載の硬化性組成物。
(18)
(A)成分の瀝青質物質が、天然アスファルトおよび/または石油アスファルトからな る(1)〜(: 17)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(19)
( 1 )〜(: 18)のレ、ずれかに記載の硬化性組成物を用レ、てなるタイル用接着剤。
(20)
(1)〜(18)のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる防水材。
(21)
(1)〜(: 18)のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる道路舗装材。 (22)
(1)〜(: 18)のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる土木用止水材。
(23)
(1)〜(18)のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる制振材料。 発明の効果
[0010] 本発明の硬化性組成物を用いることにより、耐水性、硬化性、貯蔵安定性に優れ、 施工時に加熱溶融の必要がなく煙や臭気を発生しない硬化性組成物を提供するこ とができる。
発明を実施するための最良の形態
[0011] 本発明の(A)瀝青質物質は、トリニダットェピユレ、ギルソナイト、焦質瀝青などのレ ックアスファルト、石油精製工程により生産されるストレートアスファルトやブローンァス フアルトなどの石油アスファルトや石油ピッチ、およびそれらのカットバックアスファルト 、ピッチビューメンゃアスタールなどの混合瀝青質物、あるいは、重質油接触分解サ イタル油、軽質油接触分解サイクル油、潤滑油およびそれらの留分または他の留分 の抽出、精製、水素添カ卩などの処理を行った石油系プロセスオイルなどであり、また 上記の物質の混合物でもよい。特に、石油精製工程により生産されるストレートァスフ アルトが(B)成分との相溶性または安定な分散性が得られる点からより好ましい。
[0012] 本発明の(B)反応性ケィ素基を有し、主鎖力 Sリビングラジカル重合法により製造さ れたビニル系重合体は、次の方法によって得ることができるものである。
< <主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体 (B)について > >
<主鎖 >
本発明の(B)ビニル系重合体の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限
定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、 (メタ
)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ェチル、 (メタ)アクリル酸—n—プロピル、(メタ) アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸—n—ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、 (メタ)アクリル酸 _t—ブチル、 (メタ)アクリル酸 _n—ペンチル、(メタ)アクリル酸 _n —へキシル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、 (メタ)アクリル酸 _n—ヘプチル、(メタ )アクリル酸— n_オタチル、(メタ)アクリル酸 _ 2—ェチルへキシル、(メタ)アクリル酸 ノニノレ、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、 (メタ)アクリル酸フヱニル 、(メタ)アクリル酸トルィル、 (メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸 _ 2—メトキシ ェチル、(メタ)アクリル酸 _ 3—メトキシブチル、 (メタ)アクリル酸 _ 2—ヒドロキシェチ ル、(メタ)アクリル酸 _ 2—ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)ァク リル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸 2 _アミノエチル、 γ _ (メタクリロイルォキシプロピ ノレ)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸 トリフルォロメチルメチル、(メタ)アクリル酸 2—トリフルォロメチルェチル、(メタ)アタリ ル酸 2—パーフルォロェチルェチル、 (メタ)アクリル酸 2—パーフルォロェチルー 2— パーフルォロブチルェチル、(メタ)アクリル酸 2—パーフルォロェチル、 (メタ)アタリ ル酸パーフルォロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルォロメチルメチル、 (メタ)アタリ ル酸 2—パーフルォロメチルー 2—パーフルォロェチルメチル、 (メタ)アタリノレ酸 2— パーフルォ口へキシルェチル、(メタ)アクリル酸 2—パーフルォロデシルェチル、(メ タ)アクリル酸 2—パーフルォ口へキサデシルェチル等の(メタ)アクリル系モノマー;ス チレン、ビュルトルエン、 α—メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及 びその塩等の芳香族ビエル系モノマー;パーフルォロエチレン、パーフルォロプロピ レン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビュル系モノマー;ビュルトリメトキシシラン、ビ ニルトリエトキシシラン等のケィ素含有ビュル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸
、マレイン酸のモノァノレキノレエステノレ及びジァノレキノレエステノレ;フマノレ酸、フマル酸の マレイミド、プロピノレマレイミド、ブチノレマレイミド、へキシノレマレイミド、ォクチノレマレイ ミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フヱニルマレイミド、シクロへキシルマレ イミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタタリロニトリル等のアクリロニトリル
系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビエル系モノマー;酢酸 ビュル、プロピオン酸ビュル、ビバリン酸ビュル、安息香酸ビュル、桂皮酸ビュル等 のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等 の共役ジェン類;塩ィ匕ビュル、塩化ビニリデン、塩化ァリル、ァリルアルコール等が挙 げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
[0013] (B)ビュル系重合体の主鎖が、 (メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマ 一、芳香族ビュル系モノマー、フッ素含有ビュル系モノマー及びケィ素含有ビュル系 モノマーからなる群より選ばれる少なくとも 1つのモノマーを主として重合して製造さ れるものであることが好ましい。ここで「主として」とは、(B)ビュル系重合体を構成す るモノマー単位のうち 50モル0 /0以上、好ましくは 70モル0 /0以上力 上記モノマーで あることを意味する。
[0014] なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマー及び (メタ)アクリル酸系モノマ 一が好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステル モノマーであり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーであり、更に好ましくは、 アクリル酸ブチルである。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマ 一と共重合、更にはブロック共重合させても構わなぐその際は、これらの好ましいモ ノマーが重量比で 40重量%以上含まれていることが好ましい。なお上記表現形式で 例えば (メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
[0015] なお、限定はされないが、ゴム弾性を要求する用途には本ビニル系重合体のガラス 転移温度が室温なレ、しは使用温度よりも低レ、ことが好ましレ、。
[0016] 本発明の(B)ビニル系重合体の分子量分布、すなわち、ゲルパーミエーシヨンクロ マトグラフィ一で測定した重量平均分子量 (Mw)と数平均分子量 (Mn)との比(Mw /Mn)は、特に限定されないが、好ましくは 1. 8未満であり、より好ましくは 1. 6以下 であり、特に好ましくは 1. 3以下である。本発明での GPC測定においては、通常、移 動相としてクロ口ホルムを用レ、、測定はポリスチレンゲルカラムにておこなレ、、数平均 分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
[0017] 本発明における(B)ビニル系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、ゲル パーミエーシヨンクロマトグラフィーで測定した場合、 500〜1 , 000, 000の範囲が好
ましく、 5, 000〜50, 000力 Sさらに好ましレ、。
<主鎖の合成法 >
本発明における、(B)ビュル系重合体の合成法は、制御ラジカル重合の中でもリビ ングラジカル重合に限定されるが、原子移動ラジカル重合が好ましい。以下にこれら について説明する。
制御ラジカル重合
ラジカル重合法は、重合開始剤としてァゾ系化合物、過酸化物などを用いて、特定 の官能基を有するモノマーとビュル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジ カル重合法(フリーラジカル重合法)」と、末端などの制御された位置に特定の官能基 を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類できる。
[0018] 「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を 有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されなレ、ので、官能化率の高レ、重 合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量 使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題点 力 Sある。またフリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く粘度の高い重合体し か得られないとレ、う問題点もある。
[0019] 「制御ラジカル重合法」は、更に、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合 をおこなうことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤 法」と、重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほぼ設計どおり の分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。
[0020] 「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に 対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて 経済面で問題がある。また上記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカノレ 重合であるため分子量分布が広ぐ粘度の高い重合体しか得られないという問題点 もめる。
[0021] これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高ぐラジカ ル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすレ、ため制御の難しいとされるラ ジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくぐ分子量分布の狭い(Mw/Mnが
1.:!〜 1. 5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって 分子量は自由にコントロールすることができる。
[0022] 従って「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭ぐ粘度が低レ、重合体を得る ことができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導 入することができるため、上記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法と してはより好ましレ、ものである。
[0023] なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が 生長してレ、く重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化さ れたものが平衡状態にありながら生長してレ、く擬リビング重合も含まれる。本発明に おける定義も後者である。
[0024] 「リビングラジカル重合法」は近年様々なグノレープで積極的に研究がなされてレ、る。
その例としては、たとえばジャーナル'ォブ'アメリカン'ケミカルソサエティ一 Ci. Am. Chem. Soc. )、 1994年、 116卷、 7943頁【こ示されるようなコノ ノレ卜ポゾレフイリン錯 体を用レヽるもの、マクロモレキューノレズ(Macromolecules)、 1994年、 27卷、 7228 頁に示されるようなニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロ ゲンィ匕物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Ato m Transfer Radical Polymerization : ATRP)などがあげられる。
[0025] 「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホ ニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビュル系モノマーを重合する「 原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官 能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自 由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはさ らに好ましレ、。この原子移動ラジカル重合法としては例えば Matyjaszewskiら、ジャ 一ナル'ォブ'アメリカン'ケミカルソサエティ一 (J. Am. Chem. Soc. ) 1995年、 11 7卷、 5614頁、マクロモレキューノレズ(Macromolecules) 1995年、 28卷、 7901頁 , サイエンス(Science) 1996年、 272卷、 866頁、 WO96/30421号公報, W097 /18247号公報、 WO98/01480号公報, WO98Z40415号公報、あるレヽは Sa wamotoら、マクロモレキューノレズ(Macromolecules) 1995年、 28卷、 1721頁、特
開平 9— 208616号公報、特開平 8—41117号公報などが挙げられる。
[0026] 本発明において、これらのリビングラジカル重合のうちどの方法を使用するかは特 に制約はなレ、が、原子移動ラジカル重合法が好ましレ、。
[0027] 以下にリビングラジカル重合について詳細に説明していくが、その前に、後に説明 するビュル系重合体の製造に用いることができる制御ラジカル重合のうちの一つ、連 鎖移動剤を用いた重合について説明する。連鎖移動剤(テロマー)を用いたラジカル 重合としては、特に限定されないが、本発明に適した末端構造を有したビニル系重 合体を得る方法としては、次の 2つの方法が例示される。
[0028] 特開平 4—132706号公報に示されているようなハロゲン化炭化水素を連鎖移動 剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法と、特開昭 61— 271306号公報、 特許 2594402号公報、特開昭 54— 47782号公報に示されているような水酸基含 有メルカブタンあるいは水酸基含有ポリスルフイド等を連鎖移動剤として用いて水酸 基末端の重合体を得る方法である。
[0029] 以下に、リビングラジカル重合について説明する。
[0030] そのうち、まず、ニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いる方法について説 明する。この重合では一般に安定なニトロキシフリーラジカル( = Ν— 0 · )をラジカル キヤッビング剤として用いる。このような化合物類としては、限定はされないが、 2, 2, 6, 6 置換 1ーピペリジニルォキシラジカルや 2, 2, 5, 5 置換 1ーピペリジニ ルォキシラジカル等、環状ヒドロキシァミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい 。置換基としてはメチル基やェチル基等の炭素数 4以下のアルキル基が適当である 。具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、 2, 2, 6, 6 —テトラメチル _ 1—ピペリジニルォキシラジカル(TEMPO)、 2, 2, 6, 6—テトラエ チル一 1—ピペリジニルォキシラジカル、 2, 2, 6, 6—テトラメチル _4_ォキソ _ 1 _ ピペリジニルォキシラジカル、 2, 2, 5, 5—テトラメチル _ 1 _ピロリジニルォキシラジ カル、 1 , 1, 3, 3—テトラメチル一 2_イソインドリニルォキシラジカル、 N, N ジ一 t —ブチルァミンォキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、 ガルピノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構 わない。
[0031] 上記ラジカルキヤッビング剤はラジカル発生剤と併用される。ラジカルキヤッビング 剤とラジカル発生剤との反応生成物が重合開始剤となって付加重合性モノマーの重 合が進行すると考えられる。両者の併用割合は特に限定されるものではないが、ラジ カルキャッピング剤 1モルに対し、ラジカル開始剤 0. 1〜: 10モルが適当である。
[0032] ラジカル発生剤としては、種々の化合物を使用することができるが、重合温度条件 下で、ラジカルを発生しうるパーォキシドが好ましい。このパーォキシドとしては、限定 はされないが、ベンゾィルパーォキシド、ラウロイルパーォキシド等のジァシルバーォ キシド類、ジクミルパーォキシド、ジ _t_ブチルバーオキシド等のジアルキルバーオ キシド類、ジイソプロピルパーォキシジカーボネート、ビス(4 _t—ブチルシクロへキ シル)パーォキシジカーボネート等のパーォキシカーボネート類、 t_ブチルパーォ キシォタトエート、 t_ブチルパーォキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等 がある。特にベンゾィルパーォキシドが好ましい。さらに、パーォキシドの代わりにァ ゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル発生性ァゾ化合物等のラジカル発生剤も使 用しうる。
[0033] Macromolecules 1995, 28, 2993で報告されてレ、るように、ラジカルキャッピン グ剤とラジカル発生剤を併用する代わりに、下図のようなアルコキシァミン化合物を開 始剤として用いても構わない。
[0034] [化 1]
[0035] アルコキシアミンィヒ合物を開始剤として用いる場合、それが上図で示されているよう な水酸基等の官能基を有するものを用いると、末端に官能基を有する重合体が得ら れる。これを本発明の方法に利用すると、末端に官能基を有する重合体が得られる。
[0036] 上記のニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いる重合で用いられるモノマ 一、溶媒、重合温度等の重合条件は、限定されないが、次に説明する原子移動ラジ カル重合について用レ、るものと同様で構わない。
原子移動ラジカル重合
次に、本発明のリビングラジカル重合としてより好ましい原子移動ラジカル重合法に ついて説明する。
[0037] この原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素ーハ ロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、 ひ位にハロゲンを有するカルボニル 化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル 化合物等が開始剤として用いられる。
具体的に例示するならば、
C H - CH X、 C H - C (H) (X) CH、 C H—C (X) (CH )
(ただし、上の化学式中、 C Hはフエ二ル基、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
R2— C (H) (X) CO R3、 R2- C (CH ) (X)— CO R3、 R2— C (H) (X)— C (〇) R3、
R2— C (CH ) (X)— C (0) R3、
(式中、 R2、 R3は水素原子または炭素数 1〜20のアルキル基、ァリール基、またはァ ラルキル基、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
R2— C H - SO X
(上記の各式において、 R2は水素原子または炭素数 1〜20のアルキル基、ァリール 基、またはァラルキル基、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
[0038] 原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する官能基以外の官能基を有 する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもできる。このよ うな場合、一方の主鎖末端に官能基を、他方の主鎖末端に原子移動ラジカル重合 の生長末端構造を有するビニル系重合体が製造される。このような官能基としては、
アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が 挙げられる。
[0039] アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては限定されず、例えば、一般式(2) に示す構造を有するものが例示される。
R5R6C (X) - R7 - R8 - C (R4) = CH (2)
(式中、 R4は水素、またはメチル基、 R5、 R6は水素、または、炭素数 1〜20の 1価のァ ルキル基、ァリール基、またはァラルキル、または他端において相互に連結したもの 、: R7は、一 C(〇)〇一(エステル基)、一 C(O)— (ケト基)、または o— , m— , p—フエ 二レン基、 R8は直接結合、または炭素数 1〜20の 2価の有機基で 1個以上のエーテ ル結合を含んでいても良い、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
置換基 R5、 R6の具体例としては、水素、メチル基、ェチル基、 n—プロピル基、イソ プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基等が挙げられる。 R5と R6は他端にお レ、て連結して環状骨格を形成してレ、てもよレ、。
[0040] 一般式(2)で示される、アルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例としては
XCH C(0)0(CH ) CH = CH、 H CC (H) (X)C(0)0(CH ) CH = CH、 (H
C) C(X)C(0)0(CH ) CH = CH、
CH CH C(H) (X)C(0)0(CH ) CH = CH、
[0041] [化 2]
H2)nCH=CH2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数)
XCH C (O)〇 (CH )〇 (CH ) CH = CH , H CC (H) (X) C (O)〇 (CH ) 〇 (CH
) CH = CH、 (H C) C(X)C(0)0(CH ) O (CH ) CH = CH、 CH CH C(H) (
X)C(〇)0(CH) 0(CH ) CH = CHヽ
[0043] [化 3]
v I 、C02(CH2)i70— (CH2) CH=CH2 X
[0044] (上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数、 mは:!〜 2 0の整数)
o, m, p-XCH C H— (CH ) CH = CH、 o, m, p— CH C(H) (X)— C H
2 6 4 2 11 2 3 6 4 (CH ) CH = CH、 o, m, p— CH CH C(H) (X)— C H— (CH ) CH = C
2 n 2 3 2 6 4 2 n
H、
2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数) o, m, p-XCH C H— (CH ) —O (CH ) —CH = CH、 o, m, p— CH C(
2 6 4 2 n 2 m 2 3
H) (X) C H - (CH ) -O- (CH ) -CH = CH、 o, m, p— CH CH C(H) (X
6 4 2 n 2 m 2 3 2
)-C H - (CH ) -O- (CH ) CH = CH、
6 4 2 n 2 m 2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数、 mは:!〜 2 0の整数)
o, m, p-XCH -C H _〇_ (CH ) -CH = CH、 o, m, p-CH C(H) (X) _C
2 6 4 2 n 2 3
H -O- (CH ) -CH = CH、 o, m, p-CH CH C(H) (X) _C H _0_ (CH
6 4 2 n 2 3 2 6 4 2
) -CH=CH、
n 2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数) o, m, p-XCH -C H _〇_ (CH ) _〇_ (CH ) _CH = CH、 o, m, p-CH
2 6 4 2 n 2 m 2 3
C(H) (X) -C H _〇_ (CH ) _〇_ (CH ) -CH = CH、 o, m, p-CH CH C
6 4 2 n 2 m 2 3 2
(H) (X) -C H _〇_ (CH ) -O- (CH ) _CH = CH、
6 4 2 n 2 m 2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数、 mは:!〜 2 0の整数)
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに一般式(3)で示される化合 物が挙げられる。
H C = C(R4) -R8-C(R5) (X) -R9-R6 (3)
(式中、 R4、 R5、 R6、 R8、 Xは上記に同じ、 R9は、直接結合、 C(0)0—(エステル基 )、— C(O) (ケト基)、または、 o— , m— , p フエ二レン基を表す)
R8は直接結合、または炭素数 1〜20の 2価の有機基(1個以上のエーテル結合を 含んでいても良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭素 にビュル基が結合しており、ハロゲン化ァリルイ匕物である。この場合は、 P接ビュル 基によって炭素—ハロゲン結合が活性化されているので、 R9として C(〇)〇基ゃフヱ 二レン基等を有する必要は必ずしもなぐ直接結合であってもよい。 R8が直接結合で ない場合は、炭素—ハロゲン結合を活性化するために、 R9としては C(〇)0基、 C(〇 )基、フエ二レン基が好ましい。
[0045] 一般式(3)の化合物を具体的に例示するならば、
CH =CHCH X、 CH =C(CH )CH X、 CH =CHC(H) (X) CH、 CH =C(C
H )C(H) (X) CH、 CH =CHC(X) (CH ) 、 CH =CHC(H) (X)C H、 CH =C
HC(H) (X)CH(CH ) 、 CH =CHC(H) (X) C H、 CH =CHC(H) (X) CH C
H、 CH =CHCH C(H) (X)— CO R10、 CH =CH(CH ) C(H) (X)— CO R10、
CH = CH (CH ) C (H) (X) - CO R10、 CH = CH (CH ) C (H) (X) - CO R10、 C
H =CHCH C(H) (X) -C H、 CH =CH(CH ) C(H) (X)— CH、 CH =CH(
CH ) C(H) (X) C H、
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 R1Qは炭素数 1〜20のアルキ ノレ基、ァリーノレ基、ァラルキル基)
等を挙げることができる。
[0046] アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物の具体例を挙げるならば、 ο-, m_, p-CH =CH- (CH ) _C H -SO X、 o_, m_, p-CH =CH- (
CH ) -O-C H -SO X、
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数) 等である。
[0047] 上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては特に限定されず、例えば一 般式 (4)に示す構造を有するものが例示される。
R5R6C(X)— R7— R8— C(H) (R4)CH— S R1) (Y) (4)
(式中、 R
4、 R
5、
Xは上記に同じ、 R
1は、いずれも炭素数 1〜20のアルキ ル基、ァリーノレ基、ァラルキル基、または(R,) SiO- (R,は炭素数 1〜20の 1価の 炭化水素基であって、 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていてもよレ、)で示され るトリオルガノシロキシ基を示し、 R
1が 2個以上存在するとき、それらは同一であっても よぐ異なっていてもよい。 Yは水酸基または加水分解性基を示し、 Yが 2個以上存在 するときそれらは同一であってもよぐ異なっていてもよレ、。 aは 1, 2,または 3を示す。 )
一般式 (4)の化合物を具体的に例示するならば、
XCH C(0)0(CH ) Si (OCH ) 、 CH C(H) (X)C(0)0(CH ) Si(OCH ) 、 (C
H ) C(X)C(0)0(CH ) Si (OCH ) 、 XCH C(0)0(CH ) Si(CH ) (OCH ) 、
CH C(H) (X)C(0)0(CH ) Si(CH ) (OCH ) 、 (CH ) C(X)C(0)0(CH ) Si
(CH ) (OCH ) 、
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、ヨウ素、 nは 0〜20の整数、 )
XCH C (O)〇 (CH )〇 (CH ) Si (OCH ) 、 H CC (H) (X) C (O)〇 (CH )〇 (CH
) Si (OCH ) 、 (H C) C(X)C(0)0(CH ) 0(CH ) Si (OCH ) 、CHCH C(
H) (X)C(0)0(CH )〇(CH) Si (OCH ) 、 XCH C (〇) O (CH ) 0(CH ) Si(
CH ) (OCH ) 、 H CC(H) (X)C(0)0(CH ) 0(CH ) Si(CH ) (OCH ) 、 (
H C) C(X)C(0)0(CH ) 0(CH ) —Si(CH ) (OCH ) 、 CH CH C(H) (X)C
(O)O(CH ) 〇(CH ) — Si(CH ) (OCH ) 、
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、ヨウ素、 nは 0〜20の整数、 mは 1〜20の整 数)
o, m, p-XCH -C H - (CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p-CH C(H) (X) _C H _
(CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p-CH CH C(H) (X) _C H _ (CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p-XCH -C H - (CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p-CH C(H) (X) _C H _
(CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p-CH CH C(H) (X) _C H _ (CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p-XCH -C H - (CH ) — O— (CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p-CH C(H
) (X) -C H - (CH ) _〇_ (CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p-CH CH C(H) (X) -
C H - (CH ) — O— (CH ) Si(OCH ) 、 o, m, p— XCH— C H— O— (CH )
Si(OCH ) 、 o, m, p-CH C(H) (X)— C H—〇— (CH ) Si(OCH ) 、 o, m, p
— CH CH C(H) (X)— C H -O- (CH ) — Si(〇CH ) 、 o, m, p-XCH— C
H _〇_ (CH ) -O- (CH ) -Si(OCH ) 、 o, m, p-CH C(H) (X) _C H _
O- (CH ) _〇_ (CH ) Si(OCH ) 、 o, m, p-CH CH C(H) (X) _C H _〇 一(CH) -0-(CH ) Si(OCH ) 、
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
[0048] 上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに、一般式(5)で示さ れる構造を有するものが例示される。
(R1) (Y) Si-CH -C(H) (R4)-R8-C(R5) (X)— R9— R6 (5)
(式中、 R4、 R5、 R6、 R8、 R9、 R1, a、 X、 Yは上記に同じ)
このような化合物を具体的に例示するならば、
(CH O) SiCH CH C (H) (X) C H、 (CH O) (CH ) SiCH CH C (H) (X) C H
、 (CH〇) Si(CH) C(H) (X)—CO R10、 (CH O) (CH)Si(CH) C(H)(X)—
COR10、 (CH O) Si(CH) C (H) (X)— CO R10、 (CH O) (CH)Si(CH) C(H
) (X) CO R10、 (CH O) Si(CH ) C(H) (X) CO R10、 (CH O) (CH )Si(CH
) C(H) (X)—COR10、 (CH〇) Si(CH) C (H) (X)—CO R10、 (CH〇) (CH )
Si(CH ) C(H) (X) CO R10、 (CH O) Si(CH ) C(H) (X)— C H、 (CH〇) (
CH )Si(CH ) C(H) (X)-C H、 (CH O) Si(CH ) C(H) (X)—C H、 (CH O
) (CH )Si(CH ) C(H) (X)— C H、
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 R1Qは炭素数 1〜20のアルキ ノレ基、ァリーノレ基、ァラルキル基)
等が挙げられる。
[0049] 上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物 としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
HO-(CH ) -OC(0)C(H) (R2) (X)
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 R2は水素原子または炭素数
:!〜 20のァノレキル基、ァリール基、ァラルキル基、 mは:!〜 20の整数) 上記アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物として は特に限定されず、下記のようなものが例示される。
H N- (CH ) -OC (0) C (H) (R2) (X)
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 R2は水素原子または炭素 数 1〜20のアルキル基、ァリール基、ァラルキル基、 mは:!〜 20の整数)
上記エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物とし ては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
[0050] [化 4]
[0051] (上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 は水素原子または炭素数 :!〜 20のァノレキノレ基、ァリール基、ァラルキル基、 mは:!〜 20の整数)
成長末端構造を 1分子内に 2つ以上有する重合体を得るためには、 2つ以上の開 始点を持つ有機ハロゲンィヒ物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として 用いるのが好ましい。具体的に例示するならば、
[0052] [化 5]
o,m,p-X— CH2— C6H4-CH2— X
X-CH-(CH2)n-CH-X
(式中、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 nは 0〜2 0の整数) 6]
O
X— CH2-C— 0-(CH2)m-0— C一 CH2— X
CCCII
CH3 H H O 3 O CH3
X— CH-C-o c=0-(CH2)m-0— C-CH— X
CH3 O O CH3
CCCII
X— C一 C-0-(CH2)m O— C-C—— X
CH3 o= CH3
(式中、 mは"!〜 2 0の整数、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
CH3
X— CH2-C- -C— CH2-X I I
II II X— CH— C- -C一 CH— X
o II II
o o
-x
H 3 o,m,p- II i?
X— CH2-C-0-C6H4-0— C-CH2-X
CH3 O O CH3
o,m,p- X— CH-C-0-C6H4-0— C-CH— X
CH3 O O CH3
o,m,p- X— C一 C-0-C6H4-0-C-C—— X
I I
CH3 CH^ o,m,p - x ~ S02-C6H4-S02— X
(式中、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
[0054] 等が挙げられる。
[0055] この重合において用いられるビュル系モノマーとしては特に制約はなぐ既に例示 したものをすベて好適に用いることができる。
[0056] 重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは
周期律表第 7族、 8族、 9族、 10族、または 11族元素を中心金属とする金属錯体錯 体である。更に好ましいものとして、 0価の銅、 1価の銅、 2価のルテニウム、 2価の鉄 又は 2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。 1価の銅 化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シァ ン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒 活性を高めるために 2, 2' —ビピリジル及びその誘導体、 1, 10—フエナント口リン及 びその誘導体、テトラメチルエチレンジァミン、ペンタメチルジェチレントリァミン、へキ サメチルトリス(2—アミノエチル)ァミン等のポリアミン等の配位子が添加される。好ま しい配位子は、含窒素化合物であり、より好ましい配位子は、キレート型含窒素化合 物であり、さらに好ましい配位子は、 N, N, N ', N", N"—ペンタメチルジェチレント リアミンである。また、 2価の塩化ルテニウムのトリストリフエニルホスフィン錯体(RuCl
(PPh ) )も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活 性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。更に、 2価の鉄のビストリフエ ニルホスフィン錯体(FeCl (PPh ) )、 2価のニッケルのビストリフエニルホスフィン錯 体(NiCl (PPh ) )、及び、 2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr (P
Bu ) )も、触媒として好適である。
[0057] 重合は無溶剤または各種の溶剤中で行なうことができる。溶剤の種類としては、ベ ンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジェチルエーテル、テトラヒドロフラン等のェ 一テル系溶媒、塩化メチレン、クロ口ホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ァセト ン、メチルェチルケトン、メチルイソプチルケトン等のケトン系溶媒、メタノーノレ、ェタノ ール、プロパノール、イソプロパノール、 n ブチルアルコール、 t ブチルアルコー ル等のアルコール系溶媒、ァセトニトリル、プロピオ二トリル、ベンゾニトリル等の二トリ ル系溶媒、酢酸ェチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プ ロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられ、単独または 2種以上を 混合して用いることができる。
[0058] また、限定はされないが、重合は 0°C〜200°Cの範囲で行なうことができ、好ましく は 50〜: 150°Cである。
[0059] 本発明の原子移動ラジカル重合には、いわゆるリバース原子移動ラジカル重合も
含まれる。リバース原子移動ラジカル重合とは、通常の原子移動ラジカル重合触媒が ラジカルを発生させた時の高酸化状態、例えば、 Cu (I)を触媒として用いた時の Cu (
ΙΓ )に対し、過酸化物等の一般的なラジカル開始剤を作用させ、その結果として原 子移動ラジカル重合と同様の平衡状態を生み出す方法である(Macromolecules
1999, 32, 2872参照)。
ぐ官能基 >
架橋性シリル基の数
(B)ビニル系重合体は、少なくとも 1個の架橋性シリル基を有するものである。また、 組成物の硬化性及び硬化物の物性の点から、架橋性シリル基の化図は平均して、 好ましくは 1. 1個以上 4. 0以下、さらに好ましくは 1. 2個以上 3. 5以下である。
架橋性シリル基の位置
本発明の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物にゴム的な性質が特に要求される 場合には、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間分子量が大きくとれるため、架橋 性シリル基の少なくとも 1個は分子鎖の末端にあることが好ましい。より好ましくは、全 ての架橋性官能基を分子鎖末端に有するものである。
[0060] 上記架橋性シリル基を分子末端に少なくとも 1個有する(B)ビニル系重合体、中で も(メタ)アクリル系重合体を製造する方法は、特公平 3— 14068号公報、特公平 4 55444号公報、特開平 6— 211922号公報等に開示されている。し力 ながらこれら の方法は上記「連鎖移動剤法」を用いたフリーラジカル重合法であるので、得られる 重合体は、架橋性官能基を比較的高い割合で分子鎖末端に有する一方で、 Mw/ Mnで表される分子量分布の値が一般に 2以上と大きぐ粘度が高くなるという問題を 有している。従って、分子量分布が狭ぐ粘度の低いビニル系重合体であって、高い 割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有するビニル系重合体を得るためには、上記「 リビングラジカル重合法」を用いることが好ましい。
[0061] 以下にこれらの官能基について説明する。
架橋性シリル基
本発明における(B)ビニル系重合体の架橋性シリル基としては、一般式(1);
- SKR1 ) Y
3
(式中、 R1は炭素数:!〜 20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基、炭素数 7〜2 0のァラルキル基または(R'〇) Si—で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、 R1が 2
3
個存在する時、それらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。ここで、 R'は炭素 数 1〜20の 1価の炭化水素基であり 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていても よい。 Yは水酸基または加水分解性基を示し、 Yが 2個以上存在する時、それらは同 一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 1、 2または 3を示す。)で表される基があ げられる。
[0062] 加水分解性基としては、たとえば、水素原子、アルコキシ基、アシノレオキシ基、ケト キシメート基、アミノ基、アミド基、アミノォキシ基、メルカプト基、アルケニルォキシ基 などの一般に使用されている基があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミド 基、アミノォキシ基が好ましいが、加水分解性がマイルドで取り扱い易いという点から 、アルコキシ基がとくに好ましい。
[0063] なお、特に限定はされなレ、が、硬化性を考慮すると aは 2個以上が好ましい。また、 a 力 ¾個のもの(例えばトリメトキシ官能基)は 2個のもの(例えばジメトキシ官能基)よりも 硬化性が早いが、貯蔵安定性や力学物性 (伸び等)に関しては 2個のものの方が優 れている場合がある。硬化性と物性バランスをとるために、 2個のもの(例えばジメトキ シ官能基)と 3個のもの(例えばトリメトキシ官能基)を併用してもよい。
<シリル基導入法 >
以下に、本発明のビュル系重合体 (B)へのシリル基導入法について説明するが、 これに限定されるものではない。
[0064] 架橋性シリル基を少なくとも 1個有するビニル系重合体 (B)の合成方法としては、
(A)アルケニル基を少なくとも 1個有するビニル系重合体に架橋性シリル基を有す るヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下に付加させる方法
(B)水酸基を少なくとも 1個有するビニル系重合体に一分子中に架橋性シリル基と イソシァネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合物を反応させる方法
(C)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、 1分子中に重合性のアル ケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる方法
(D)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、架橋性シリル基を有する
連鎖移動剤を用いる方法
(E)反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体に 1 分子中に架橋性シリル基と安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方法; などが挙げられる。
[0065] (A)の方法で用いるアルケニル基を少なくとも 1個有するビュル系重合体は種々の 方法で得られる。以下に合成方法を例示するが、これらに限定されるわけではない。
[0066] (A— a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式
(6)に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニ ル基を併せ持つ化合物を第 2のモノマーとして反応させる方法。
H C = C (R4) -Rn-R8-C (R12) =CH (6)
(式中、 R4は水素またはメチル基を示し、 R11は一 C (〇)〇一、または ο— , m— , p— フエ二レン基を示し、 R8は直接結合、または炭素数 1〜20の 2価の有機基を示し、 1 個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。 R12は水素、または炭素数 1〜20のアル キル基、炭素数 6〜20のァリール基または炭素数 7〜20のァラルキル基を示す) なお、一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニル基を併せ持つ 化合物を反応させる時期に制限はなレ、が、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性 質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、 第 2のモノマーとして反応させるのが好ましレ、。
[0067] (A— b)リビングラジカル重合によりビュル系重合体を合成する際に、重合反応の 終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば 1, 5—へキサジェン、 1 , 7- ォクタジェン、 1 , 9ーデカジエンなどのような重合性の低いアルケニル基を少なくとも 2個有する化合物を反応させる方法。
[0068] (A_c)反応性の高い炭素—ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、例えばァリルトリブチル錫、ァリルトリオクチル錫などの有機錫のようなアルケニル 基を有する各種の有機金属化合物を反応させてハロゲンを置換する方法。
[0069] (A_d)反応性の高い炭素—ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、一般式(7)に挙げられるようなアルケニル基を有する安定化カルバニオンを反応 させてハロゲンを置換する方法。
M+C— (R13) (R14) -R15-C (R12) =CH (7)
(式中、 R12は上記に同じ、 R13、 R14はともにカルバニオン C—を安定化する電子吸引基 であるか、または一方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数 1〜: 10のアル キル基、またはフエ二ル基を示す。 R15は直接結合、または炭素数 1〜: 10の 2価の有 機基を示し、 1個以上のエーテル結合を含んでいてもよレ、。 M+はアルカリ金属イオン 、または 4級アンモニゥムイオンを示す)
R13、 R14の電子吸引基としては、— C〇 R、— C (〇)Rおよび— CNの構造を有する ものが特に好ましい。
[0070] (A_e)反応性の高い炭素—ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートァ 二オンを調製し、しかる後にハロゲンゃァセチル基のような脱離基を有するアルケニ ル基含有化合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有する イソシァネートィヒ合物、アルケニル基を有する酸ハロゲン化物等の、アルケニル基を 有する求電子化合物と反応させる方法。
[0071] (A— f)反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビュル系重合体 に、例えば一般式(8)あるいは(9)に示されるようなアルケニル基を有するォキシァニ オンあるいはカルボキシレートァニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
H C = C (R12)— R16—〇— M+ (8)
(式中、 R12、 M+は上記に同じ。 R16は炭素数 1〜20の 2価の有機基で 1個以上のエー テル結合を含んでレ、てもよレ、)
H C = C (R12)— R8— C (0)〇— M+ (9)
(式中、 R12、 M+は上記に同じ。 R8は直接結合、または炭素数 1〜20の 2価の有機基 で 1個以上のエーテル結合を含んでレ、てもよレ、)
などが挙げられる。
[0072] 上述の反応性の高い炭素一ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 の合成法は、前述のような有機ハロゲンィ匕物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒と する原子移動ラジカル重合法が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
[0073] またアルケニル基を少なくとも 1個有するビュル系重合体は、水酸基を少なくとも 1
個有するビニル系重合体から得ることも可能であり、以下に例示する方法が利用でき るがこれらに限定されるわけではなレ、。水酸基を少なくとも 1個有するビニル系重合 体の水酸基に、
(A_g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用させ、塩化ァリルのようなアルケニル 基含有ハロゲン化物と反応させる方法。
[0074] (A-h)ァリルイソシァネート等のアルケニル基含有イソシァネートイ匕合物を反応さ せる方法。
[0075] (A-i) (メタ)アクリル酸クロリドのようなアルケニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン 等の塩基存在下に反応させる方法。
[0076] (A-j)アクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させ る方法;等が挙げられる。
[0077] 本発明では(A_a) (A_b)のようなアルケニル基を導入する方法にハロゲンが直 接関与しない場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系重合体を合成す ることが好ましい。制御がより容易である点から (A—b)の方法がさらに好ましい。
[0078] 反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体のハロゲ ンを変換することによりアルケニル基を導入する場合は、反応性の高い炭素 ハロゲ ン結合を少なくとも 1個有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合 物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合すること( 原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭素 ハロゲン結合を 少なくとも 1個有するビュル系重合体を用いるのが好ましい。制御がより容易である点 力 (A—f)の方法がさらに好ましい。
[0079] また、架橋性シリル基を有するヒドロシランィ匕合物としては特に制限はないが、代表 的なものを示すと、一般式(10)で示される化合物が例示される。
H— Si CR1) (Y) (10)
3
{式中、 R1は、いずれも炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基、炭 素数 7〜20のァラルキル基、 Yは水酸基または加水分解性基を示し、 Yが 2個以上 存在するときそれらは同一であってもよぐ異なっていてもよレ、。 aは 1 , 2,または 3を 示す。 }
上記の架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物をアルケニル基に付加させる際 には、遷移金属触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例えば、白金単体、 アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金 酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金—ォレフイン錯体
、白金 (0)—ジビュルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。 白金化合物以外 の触媒の例としては、 RhCKPPh ) , RhCl , RuCl, IrCl, FeCl, A1C1, PdCl ·
H〇, NiCl , TiCl等が挙げられる。
[0080] (B)および (A_g)〜(A_j)の方法で用いる水酸基を少なくとも 1個有するビュル 系重合体の製造方法は以下のような方法が例示されるが、これらの方法に限定され るものではない。
[0081] (B— a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式
(11)に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化 合物を第 2のモノマーとして反応させる方法。
H C = C (R4) -Rn-R8-OH (11)
(式中、 R4、 R"、 R8は上記に同じ)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を反応させる 時期に制限はなレ、が、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合に は重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第 2のモノマーとして 反応させるのが好ましい。
[0082] (B— b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の 終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば 10—ゥンデセノール、 5—へ キセノール、ァリルアルコールのようなアルケニルアルコールを反応させる方法。
[0083] (B_c)例えば特開平 5— 262808に示される水酸基含有ポリスルフイドのような水 酸基含有連鎖移動剤を多量に用いてビュル系モノマーをラジカル重合させる方法。
[0084] (B_d)例えば特開平 6— 239912、特開平 8_ 283310に示されるような過酸化 水素あるいは水酸基含有開始剤を用いてビュル系モノマーをラジカル重合させる方 法。
[0085] (B_e)例えば特開平 6— 116312に示されるようなアルコール類を過剰に用いて
ビュル系モノマーをラジカル重合させる方法。
[0086] (B— f)例えば特開平 4— 132706などに示されるような方法で、反応性の高い炭 素 ハロゲン結合を少なくとも 1個に有するビュル系重合体のハロゲンを加水分解あ るいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
[0087] (B_g)反応性の高い炭素—ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビュル系重合体 に、一般式(12)に挙げられるような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させ てハロゲンを置換する方法。
M+C— (R13) (R14) _R15_〇H (12)
(式中、 R13、 R14、 R15、は上記に同じ)
R13、 R14の電子吸引基としては、— C〇 R、— C (〇)Rおよび— CNの構造を有する ものが特に好ましい。
[0088] (B— h)反応性の高い炭素一ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートァ 二オンを調製し、しかる後にアルデヒド類、又はケトン類を反応させる方法。
[0089] (B— i)反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビュル系重合体 に、例えば一般式(13)あるいは(14)に示されるような水酸基を有するォキシァニォ ンあるいはカルボキシレートァニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
HO - R16 - O— M+ (13)
(式中、 R16および M+は前記に同じ)
HO— R8— C (〇)0— M+ (14)
(式中、 R8および M+は前記に同じ)
(B-j)リビングラジカル重合によりビュル系重合体を合成する際に、重合反応の終 期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第 2のモノマーとして、一分子中に重合 性の低いアルケニル基および水酸基を有する化合物を反応させる方法。
[0090] このような化合物としては特に限定されないが、一般式(15)に示される化合物等が 挙げられる。
H C = C (R4) -R16-OH (15)
(式中、 R4および R16は上述したものと同様である。 )
上記一般式(15)に示される化合物としては特に限定されないが、入手が容易であ るということ力ら、 10—ゥンデセノール、 5—へキセノール、ァリルアルコールのような アルケニルアルコールが好ましレ、。
等が挙げられる。
[0091] 本発明では(B— a)〜(B— e)及び(B— j)のような水酸基を導入する方法にハロゲ ンが直接関与しなレ、場合には、リビングラジカル重合法を用いてビュル系重合体を 合成することが好ましい。制御がより容易である点から(B_b)の方法がさらに好まし レ、。
[0092] 反応性の高い炭素一ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体のハロゲ ンを変換することにより水酸基を導入する場合は、有機ハロゲン化物、またはハロゲ ン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビュル系モノマーをラ ジカル重合すること (原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭 素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体を用いるのが好ましい。制 御がより容易である点から(B— i)の方法がさらに好ましレ、。
[0093] また、一分子中に架橋性シリル基とイソシァネート基のような水酸基と反応し得る基 を有する化合物としては、例えば γ—イソシアナ一トプロピルトリメトキシシラン、 y - イソシアナートプロピルメチルジメトキシシラン、 γ イソシアナートプロピルトリェトキ シシラン等が挙げられ、必要により一般に知られているウレタンィ匕反応の触媒を使用 できる。
[0094] (C)の方法で用いる一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持 つ化合物としては、例えば γ—トリメトキシシリルプロピル (メタ)アタリレート、 y—メチ ルジメトキシシリルプロピル (メタ)アタリレートなどのような、下記一般式(16)で示すも のが挙げられる。
C = C (R4)— — — S R1) (Y) ( 16)
-a a
(式中、 R1, R4、 RU、 Y、 aは上記に同じ。 R17は、直接結合、または炭素数:!〜 20の 2 価の有機基で 1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。 )
一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させ る時期に特に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する
場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第 2のモノマー として反応させるのが好ましレ、。
[0095] (D)の連鎖移動剤法で用いられる、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤としては 例えば特公平 3— 14068、特公平 4一 55444に示される、架橋性シリル基を有する メルカブタン、架橋性シリル基を有するヒドロシランなどが挙げられる。
[0096] (E)の方法で用いられる、上述の反応性の高い炭素—ハロゲン結合を少なくとも 1 個有するビニル系重合体の合成法は、前述のような有機ハロゲン化物等を開始剤と し、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法が挙げられるがこれらに限 定されるわけではない。一分子中に架橋性シリル基と安定化カルバニオンを併せ持 つ化合物としては一般式(17)で示すものが挙げられる。
M+C— (R13) (R14) -R8-C (H) (R18) _CH - S^R1) (Y) (17)
2 3
(式中、 R1, R13 R14 Y aは前記に同じ。 R8は直接結合、または炭素数 1〜: 10の 2価 の有機基で 1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい、 R18は水素、または炭素数 :! 10のァノレキル基、炭素数 6 10のァリール基または炭素数 7 10のァラルキル 基を示す。)
R13 R14の電子吸引基としては、 CO R C (〇)Rおよび一 CNの構造を有する
2
ものが特に好ましい。
[0097] 本発明に使用される(C)可塑剤としては、特に限定されず、公知のものが使用でき る。具体例としては、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2—ェ チルへキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ジー n—ォクチルフタレート、 ジイソノエルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジゥンデシルフタレートなどのフタル 酸エステル類;ジ(2—ェチルへキシル)アジペート、ジ— n—ォクチルアジペート、ジ イソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(2—ェチルへキシル)セバシケー ト、テトラヒドロフタル酸ジ 2 _ェチルへキシルなどの非芳香族 2塩基酸エステル類;パ ラフィン基油、ナフテン基油、ァロマ基油などのプロセスオイル;亜麻仁油、大豆油、 桐油などの脂肪酸油;トリメリット酸トリ 2—ェチルへキシル、トリメリット酸トリイソデシル などの芳香族系エステル類;ォレイン酸ブチル、ァセチルリシノール酸メチル、ペンタ エリスリトールエステルなどの脂肪酸エステル類;ポリブテン、水添ポリブテン、水添ひ
ーォレフインオリゴマーなどのポリビニル系オリゴマー;水添液状ポリブタジエンなどの 水添ポリブタジエン系オリゴマー:パラフィン油、塩化パラフィン油などのパラフィン; ナフテン油などのシクロパラフィン;ビフエニル、トリフエニルなどの芳香族系オリゴマ 一;芳香族系オリゴマーの完全または部分水添物;アルキルスルホン酸フヱニルエス テルなどのスルホン酸エステル系化合物;トルエンスルホンアミド、 N ェチルトルェ ンスルホンアミド、 N—シクロへキシルトルエンスルホンアミドなどのスルホンアミド系化 合物などを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよぐ 2種類以上併用しても よい。
[0098] (C)可塑剤の添カ卩により、組成物の粘度が低下し作業性が良くなる。また、芳香族 系オリゴマーまたは芳香族系オリゴマーの完全または部分水添物、スルホン酸エステ ル系化合物、スルホンアミド系化合物などは、本願発明の (A)成分と(B)成分の分散 安定性を顕著に向上させる傾向があるので好ましい。
[0099] (C)成分を含有させる場合の(C)成分の使用量は、(A)成分 100重量部に対して
5〜300重量部が好ましぐより好ましくは 10〜: 150重量部であり、もっとも好ましくは 30〜120重量部である。 5重量部未満では、組成物の粘度低下効果や、(A)成分と (B)成分の相溶性、分散性改善効果が不十分な場合がある。また、 300重量部を越 えると十分な力学物性が得られない場合がある。
[0100] 本発明の硬化性組成物には必要に応じて (D)エポキシ樹脂を添加しても良い。ェ ポキシ樹脂の添加により硬化物の強度が増し、夏場のわだち掘れ等の改善が期待さ れる。 (D)エポキシ樹脂としては、ェピクロルヒドリン一ビスフエノール A型エポキシ樹 脂、ェピクロルヒドリン ビスフエノール F型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフエノール Aのグリシジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水 添ビスフエノーノレ A型エポキシ樹脂、ビスフエノーノレ Aプロピレンォキシド付加物のグ リシジルエーテル型エポキシ樹脂、 p _ォキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル 型エポキシ樹脂、 m—ァミノフエノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフエ二ルメタン系ェ ポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、 N, N—ジグリシ ジルァ二リン、 N, N—ジグリシジル _ o—トルイジン、トリグリシジルイソシァヌレート、 ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンなどのごとき多価アルコー
ルのグリシジノレエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂などのごとき不飽和 重合体のエポキシ化物などが例示される力 S、これらに限定されるものではなぐ一般 に使用されているエポキシ樹脂が使用されうる。エポキシ基を少なくとも分子中に 2個 含有するものが、硬化に際し反応性が高ぐまた硬化物が 3次元的網目をつくりやす いなどの点から好ましレ、。さらに好ましいものとしてはビスフエノール A型エポキシ樹 脂類またはノボラック型エポキシ樹脂などがあげられる。
[0101] (D)成分を添加する場合は、その使用割合は (A)成分 100重量部に対して、 5〜1 20重量部であるのが好ましレ、。より好ましくは 5〜: 100重量部である。特に 20〜: 100 重量部がもっとも好ましい。 120重量部を超える場合は、貯蔵安定性が不十分となる 傾向がある。また、 5重量部未満では、強度向上の添カ卩目的を果たさない虞がある。
[0102] 本発明の組成物に(D)エポキシ樹脂を添加する場合には、エポキシ樹脂を硬化さ せるための硬化剤を併用しても良い。使用できるエポキシ樹脂硬化剤としては、特に 限定はなぐ公知のエポキシ樹脂硬化剤が使用できる。具体的には、例えば、トリエ チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジェチルァミノプロピルァミン、 N—ァミノ ェチノレビペリジン、 m—キシリレンジァミン、 m—フエ二レンジァミン、ジアミノジフエ二 ノレメタン、ジアミノジフエニルスルホン、イソホロンジァミン、ァミン末端ポリエーテルな どの一級、二級アミン類; 2, 4, 6—トリス(ジメチルアミノメチル)フエノール、トリプロピ ノレアミンなど三級アミン類、及び、これら三級アミン類の塩類;ポリアミド樹脂類;イミダ ゾール類;ジシアンジアミド類;三弗化硼素錯化合物類、無水フタル酸、へキサヒドロ 無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ドデシ二ル無水琥珀酸、無水ピロメリット酸 、無水クロレン酸などの無水カルボン酸類;アルコール類;フエノール類;カルボン酸 類;アルミニウムまたはジルコニウムのジケトン錯化合物などの化合物を例示すること ができるが、これらに限定されるものではない。また、硬化剤は単独でも 2種以上併用 してもよい。
[0103] エポキシ樹脂の硬化剤を使用する場合、その使用量はエポキシ樹脂 100重量部に 対し、 0.:!〜 300重量部の範囲が好ましい。
[0104] エポキシ樹脂の硬化剤としてケチミン化合物を用いることができる。ケチミン化合物 は、水分のない状態では安定に存在し、水分によって一級ァミンとケトンに分解され
、生じた一級ァミンがエポキシ樹脂の室温硬化性の硬化剤となる。ケチミン化合物を 用いると 1液型の組成物を得ることができる。このようなケチミン化合物としては、ァミン 化合物とカルボ二ルイヒ合物との縮合反応により得ることができる。
[0105] ケチミン化合物の合成には公知のァミン化合物、カルボ二ルイヒ合物を用いればよ いが、たとえばァミン化合物としてはエチレンジァミン、プロピレンジァミン、トリメチレ ンジァミン、テトラメチレンジァミン、 1, 3—ジアミノブタン、 2, 3—ジアミノブタン、ペン タメチレンジァミン、 2, 4—ジァミノペンタン、へキサメチレンジァミン、 p—フエ二レン ジァミン、 p, p'—ビフエ二レンジァミンなどのジァミン; 1 , 2, 3 _トリァミノプロパン、ト リアミノベンゼン、トリス(2—アミノエチル)ァミン、テトラ(アミノメチル)メタンなどの多 価ァミン;ジエチレントリァミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミンなどの ポリアノレキレンポリアミン;ポリオキシァノレキレン系ポリアミン; yーァミノプロピノレトリエト キシシラン、 N- ( j3—アミノエチル)一 γ—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ν— ( j3 —アミノエチル) γ—ァミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノシラン;など が使用されうる。また、カルボニル化合物としてはァセトアルデヒド、プロピオンアルデ ヒド、 η ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ジェチルァセトアルデヒド、グリオ キサール、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;シクロペンタノン、トリメチルシクロぺ ンタノン、シクロへキサノン、トリメチルシクロへキサノンなどの環状ケトン類;アセトン、 メチルェチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチ ノレケトン、ジェチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジ イソブチルケトンなどの脂肪族ケトン類;ァセチルアセトン、ァセト酢酸メチル、ァセト 酢酸ェチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジェチル、マロン酸メチルェチル、ジベンゾ ィルメタンなどの β—ジカルボニル化合物;などが使用できる。
[0106] ケチミン化合物中にィミノ基が存在する場合には、イミノ基をスチレンオキサイド;ブ チノレグリシジノレエーテノレ、ァリノレグリシジノレエーテノレなどのグリシジノレエーテノレ;グリ シジノレエステルなどと反応させてもよレ、。これらのケチミン化合物は、単独で用いても よぐ 2種類以上を併用して用いてもよぐ(D)エポキシ樹脂 100重量部に対して、 1 〜100重量部使用され、その使用量はエポキシ樹脂およびケチミンィ匕合物の種類に よって異なる。
[0107] 本発明の硬化性組成物には、(E) (メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体を含 有させても良い。 「(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体」とは、下記一般式(1 8) ;
CH =C (R19) COOR2° · · · (18)
(式中、 R19は水素原子またはメチル基、 R2Qは炭素数 1 30のアルキル基を示す)で 表されるメタクリル酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸アルキルエステルを 主たるモノマー成分とする重合体であり、単独モノマーの重合体あるいは複数モノマ 一の共重合体を意味する用語である。この )(メタ)アクリル酸アルキルエステル系 重合体を本発明の硬化性組成物に含有させることにより、組成物の接着性の改善や 、耐候性の改善が期待される。
[0108] 一般式(18)の R2°としては、例えば、メチノレ基、ェチル基、プロピル基、 n_ブチル 基、 tert—ブチル基、 2_ェチルへキシル基、ノニノレ基、ラウリノレ基、トリデシノレ基、セ チル基、ステアリル基、ベへニル基などがあげられる。なお一般式(18)で表される単 量体は 1種類でもよぐ 2種以上を用いてもよい。
[0109] 2種類以上の単量体を用いる場合、一般式(18)の R2Qの炭素数 1 8である単量体
(a)と炭素数 10以上の単量体 (b)を併用すると、その使用比率により硬化性組成物 の相溶性の調整が行いやすくなり好ましい。
[0110] (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル 酸メチル、(メタ)アクリル酸ェチル、(メタ)アクリル酸 n—プロピル、(メタ)アクリル酸 n —ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、 (メタ)アクリル酸 tert—ブチル、(メタ)アタリ ル酸 n キシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸 2—ェチルへキシル、 (メタ)アクリル酸ノニル、 (メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ゥンデシル、 (メタ) アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、 (メタ)ァク リル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベへニルなどがある。
[0111] (E)成分の分子鎖は、実質的に 1種または 2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルェ ステル単量体単位からなる力 ここでいう実質的に上記の単量体単位からなるとは、 ( E)成分中に存在する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位の割合が 50重 量%を超えること、好ましくは 70重量%以上であることを意味し、(E)成分には (メタ)
アクリル酸アルキルエステル単量体単位のほ力に、これらと共重合性を有する単量体 単位が含有されていてもよい。例えば、(メタ)アクリル酸などのカルボン酸基、(メタ) アタリノレアミド、 N—メチロール (メタ)アクリルアミドなどのアミド基、グリシジノレ (メタ)ァ タリレートなどのエポキシ基、ジェチルアミノエチル(メタ)アタリレート、アミノエチルビ ニルエーテルなどのアミノ基を含む単量体などは、湿分硬化性、内部硬化性の点で 共重合効果が期待できる。その他アクリロニトリル、スチレン、 ひ一メチルスチレン、ァ ルキルビニルエーテル、塩化ビュル、酢酸ビュル、プロピオン酸ビュル、エチレンな どに起因する単量体単位などがあげられる。
[0112] さらに (E)成分の重合体中には下記一般式(1)で表される反応性ケィ素基を含ん でいてもよい。
- SKR1 ) Y
(式中、 R1は炭素数:!〜 20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基、炭素数 7〜2 0のァラルキル基または(R'〇) Si—で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、 R1が 2 個存在する時、それらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。ここで、 R'は炭素 数 1〜20の 1価の炭化水素基であり 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていても よい。 Yは水酸基または加水分解性基を示し、 Yが 2個以上存在する時、それらは同 一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 1、 2または 3を示す。 )
ただし、一般式(1)で表される反応性ケィ素基を含む (E)成分の主鎖力 Sリビングラ ジカル重合法により得られるものである場合、そのものは(B)成分であるので、ここで 言う一般式(1)で表される反応性ケィ素基を含む(E)成分の主鎖は、リビングラジカ ル重合法以外の方法で得られるものに限られる。
[0113] (E)成分の重合体中に反応性ケィ素基を導入する方法としては、例えば、重合性 不飽和結合と反応性ケィ素基とを併せ持つ化合物を (メタ)アクリル酸アルキルエステ ル単量体単位と共重合させる方法があげられる。重合性不飽和結合と反応性ケィ素 基とを併せ持つ化合物としては、一般式(19)および/または一般式 (20)で表され る単量体があげられる。
CH =C (R19) COOR21-Si (R1 ) Y · · · (19)
(式中、 R19は前記に同じ。 R21は炭素数 1〜6の 2価のアルキレン基を示す。 R1, Y, a
は前記に同じ。 )
CH =C (R19)—Si (R1 ) Y · · · (20)
(式中、 R19, R1, Y, aは前記に同じ。 )
一般式(19)および Zまたは一般式(20)で表される単量体としては、公知のものが 使用でき、具体的には、例えば、 —メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、 y—メ タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、 Ί—メタクリロキシプロピルトリエトキシシ ランなどの γ—メタクリロキシプロピルポリアルコキシシラン、 Ί—アタリロキシプロピル プロピルトリエトキシシランなどの γ—アタリロキシプロピルポリアルコキシシラン、ビニ ルトリメトキシシラン、ビュルメチルジメトキシシラン、ビュルトリエトキシシランなどのビ ニルアルキルポリアルコキシシランなどがあげられる。
[0114] (Ε)成分は、通常のビニル重合の方法、例えば、ラジカル反応による溶液重合法に より得ることができる。重合は、通常、前記の単量体およびラジカル開始剤や連鎖移 動剤などを加えて 50〜150°Cで反応させることにより行われる。この場合一般的に分 子量分布は 1. 8より広いものが得られる。
[0115] 前記ラジカル開始剤の例としては、 2, 2'ーァゾビスイソブチロニトリル、 2, 2'—ァ ゾビス(2—メチルブチロニトリル)、 4, 4,一ァゾビス(4—シァノバレリック)アシッド、 1 , 1,ーァゾビス(1ーシクロへキサンカルボ二トリル)、ァゾビスイソ酪酸アミジン塩酸塩 、 2, 2'ーァゾビス(2, 4—ジメチルバレロニトリル)などのァゾ系開始斉 IJ、過酸化ベン ゾィル、過酸化ジー tert—ブチルなどの有機過酸化物系開始剤があげられる力 重 合に使用する溶媒の影響を受けない、爆発などの危険性が低いなどの点から、ァゾ 系開始剤の使用が好ましい。
[0116] 連鎖移動剤の例としては、 n—ドデシルメルカプタン、 tert—ドデシルメルカプタン、 ラウリルメルカプタン、 γ—メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 γ—メルカプトプロピ ルメチルジメトキシシラン、 γ—メルカプトプロピルトリエトキシシラン、 γ—メルカプト プロピルメチルジェトキシシラン等のメルカプタン類や含ハロゲン化合物などがあげら れる。
[0117] 重合は溶剤中で行なってもよい。溶剤の例としては、エーテル類、炭化水素類、ェ
ステル類などの非反応性の溶剤が好ましい。
[0118] (E)成分は、 GPC測定によるポリスチレン換算での数平均分子量が 500〜: 100, 0 00のもの力 S取り扱レヽの容易さの点力 ら好ましレ、。さらに 1 , 500〜30, 000のもの力 S 硬化物の耐候性、作業性が良好であることからより好ましい。
[0119] (E)成分を含有させる場合の(B)成分との使用比率は、(B) / (E)の重量比が 95 /5〜: 10/90カ好ましく、 80/20〜60/40力 Sより好ましレヽ。
[0120] また、 (A)成分に対する(B) + (E)成分の使用割合は、(A)成分 100重量部に対 して(B) + (E)成分が 10〜500重量部であり、より好ましくは 10〜300重量部であり 、特に好ましくは 30〜200重量部である。
[0121] 本発明に使用される (F)粘着付与樹脂としては、特に限定されず、公知のものが使 用できる。具体例としては、脂肪族系石油樹脂 (C一 5樹脂)、芳香族系石油樹脂 (C 一 9樹脂)、脂肪族/芳香族混合型石油樹脂 (C一 5/C— 9樹脂)、フエノール変性 C 5/C— 9樹脂、ジシクロペンダジェン系石油樹脂などの石油系樹脂;ロジン酸、 不均化ロジン酸、水添ロジン酸、重合ロジン酸とグリセリンやペンタエリスリトールとの エステル化合物などのロジンエステル系樹脂;テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、芳 香族変性テルペン樹脂、芳香族変性水添テルペン樹脂、フエノール変性テルペン榭 脂(テルペンフエノール樹脂)、アルキルフエノール変性テルペン樹脂などのテルべ ン系榭脂;スチレン樹脂;キシレン樹脂、フエノール変性キシレン樹脂、アルキルフエ ノール変性キシレン樹脂などのキシレン系樹脂;ノボラック型フエノール樹脂、レゾー ル型フエノール樹脂、アルキルフエノール樹脂、ロジン変性フエノール樹脂、カシュ一 オイル変性フエノール樹脂、トール油変性フエノール樹脂等のフエノール系樹脂;こ れらの樹脂をエポキシ樹脂やアクリルモノマーにより変性した変性樹脂などを挙げる こと力 Sできる。これらは単独で使用しても良ぐ必要に応じて 2種類以上を混合して使 用しても良い。特に、フエノールやアルキルフエノールで変性された各種樹脂を使用 するのが、(A)成分と(B)成分の相溶性や分散安定性を向上させるという点で好まし レ、。
[0122] (F)成分を使用する場合、その使用量は(B)成分 100重量部に対して 3〜50重量 部であり、より好ましくは 5〜30重量部であり、特に好ましくは 5〜20重量部である。
[0123] 本発明の硬化性組成物には、さらに必要に応じて、シラノール縮合触媒、充填材、 揺変剤、老化防止剤、その他各種添加剤などを添加することができる。
[0124] シラノール縮合触媒としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。具体例と しては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネートなどのチタン酸ェ ステル類;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジァセテ ート、ォクチル酸スズ、ナフテン酸スズ、ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルと の反応物、ジブチルスズビスァセチルァセトナートなどの有機スズィ匕合物類;アルミ二 ゥムトリスァセチルァセトナート、アルミニウムトリスェチルァセトアセテート、ジイソプロ ポキシアルミニウムェチルァセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;ジルコ 二ゥムテトラァセチルァセトナート、チタンテトラァセチルァセトナートなどのキレー H匕 合物類;ォクチル酸鉛;ブチルァミン、ォクチルァミン、ジブチルァミン、ラウリルアミン 、モノエタノールァミン、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、ジエチレントリァミン 、トリエチレンテトラミン、ォレイルァミン、シクロへキシルァミン、ベンジルァミン、ジェ チルァミノプロピルァミン、キシリレンジァミン、トリエチレンジァミン、グァニジン、ジフ ェニルダァニジン、 2, 4, 6 トリス(ジメチルアミノメチノレ)フエノール、モルホリン、 N メチルモルホリン、 2 ェチルー 4ーメチルイミダゾール、 1 , 8 ジァザビシクロ [5, 4, 0]ゥンデセン 7などのァミン化合物、あるいはこれらァミン化合物のカルボン酸 などとの塩;酸性リン酸エステル;酸性リン酸エステルとァミンの反応物;飽和若しくは 不飽和の多価カルボン酸又はその酸無水物;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得ら れる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物; γ —ァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ν—( /3—アミノエチル) γ—ァミノプロピルメチ ルジメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;などのシラノール縮 合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒などの公知のシラノール縮合触媒など 力あげられる。これらの触媒は単独で使用してもよぐ 2種類以上併用してもよい。
[0125] シラノール縮合触媒は、(Β)成分 100重量部に対し、 0. 01〜: 15重量部使用するこ と力好ましく、特に 0. 1〜: 10重量部使用することがより好ましい。 0. 01重量部未満 では組成物の硬化性が低下し、 15重量部を超えると貯蔵安定性や接着性の低下な どが起こるため好ましくない。特に硬化速度や貯蔵安定性の点より、 4価のスズ触媒
が好ましい。
[0126] 充填材としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。具体例としては、例え ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、フライアッシュ、硅砂、砕石、砂 禾 IJ、カーボンブラック、溶融シリカ、沈降性シリカ、けいそう土、白土、カオリン、クレー 、タルク、木粉、タルミ殻粉、もみ殻粉、無水ケィ酸、石英粉末、アルミニウム粉末、亜 鉛粉末、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、アルミナ、ガラスバルーン 、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、酸化ケィ素などの無機 充填材ゃ、パルプ、木綿チップなどの木質充填材、粉末ゴム、再生ゴム、熱可塑性あ るいは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレンなどの中空体などが有機充填材として あげられる。これら充填材は単独で使用してもよぐ 2種類以上併用してもよい。
[0127] 充填材は、(B)成分 100重量部に対し、 50〜: 1000重量部使用することが好ましく 、特に 60〜900重量部使用することがより好ましい。充填材の使用量が 50重量部未 満では充填剤を使用する目的を果たさない虞がある。一方、 1000重量部を超えると 粘度が上がり作業性が低下する虞がある。充填材としては、特にフライアッシュバノレ ーンや、炭酸カルシウムがより好ましい。
[0128] 揺変剤としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。具体例としては、例え ば、水添ヒマシ油、有機アミドワックス、有機ベントナイト、ステアリン酸カルシウムなど 力あげられる。これらの揺変剤は、単独で使用してもよぐ 2種類以上併用してもよい
[0129] 揺変剤は、(B)成分 100重量部に対して 0.:!〜 50重量部使用することが好ましぐ 特に 1〜30重量部使用することがより好ましい。揺変剤の使用量が 0. 1重量部未満 の場合は十分な揺変が得られない場合があり、また 50重量部を越える場合はコスト が上昇するなどの点で好ましくない。
[0130] 老化防止剤としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。具体的には、例 えば、フエノール系酸化防止剤、芳香族ァミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リ ン酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、 ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾフエノン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系 光安定剤、ニッケル系光安定剤などが挙げられる。
[0131] 老化防止剤は、(B)成分 100重量部に対して 0. 01〜20重量部使用することが好 ましぐ特に 0.:!〜 10重量部使用することが好ましい。
[0132] 前記フエノール系酸化防止剤の具体例としては、 2, 6 ジー tert ブチルフエノー ノレ、 2, 4 _ジ一 tert—ブチルフエノール、 2, 6—ジ一tert—ブチル _4_メチルフエ ノーノレ、 2, 5 _ジ一 tert—ブチルヒドロキノン、 n—ォクタデシル _ 3 _ (3, 5 _ジ一 te rt_ブチル _4—ヒドロキシフエ二ノレ)プロピオネート、ペンタエリスリチルーテトラキス [3 - (3, 5 _ジ一 tert—ブチル _4—ヒドロキシフエニル)プロピオネート]、 2, 2,_ メチレンビス(4—メチル _ 6 _tert_ブチルフエノール)、 4, 4 '—ブチリデンビス(3 —メチル一 6 _tert_ブチルフエノール)、 4, 4'—チォビス(3—メチル _ 6 _tert_ ブチルフエノール)などが例示できる。
[0133] 前記芳香族ァミン系酸化防止剤の具体例としては、 N, N'—ジフエ二ノレ _p—フエ 二レンジァミン、 6 _エトキシ一 2, 2, 4_トリメチル一1 , 2—ジヒドロキノリンなどが例 示できる。
[0134] 前記硫黄系酸化防止剤の具体例としては、ジラウリル 3, 3 ' チォジプロビオネ ート、ジトリデシルー 3, 3 '—チォジプロピオネート、ジステアリル 3, 3 '—チォジプ 口ピオネート等が例示できる。
[0135] 前記リン系酸化防止剤の具体例としては、ジフヱ二ルイソォクチルホスフアイト、トリ フエニルホスファイト等が例示できる。
[0136] 前記べンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、 2—(3, 5 ジ—tert —ブチルー 2 ヒドロキシフエ二ル)一 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2— (3— tert— ブチル 5—メチル 2 ヒドロキシフエ二ル)一 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2— (3 , 5 _ジ一 tert—ブチル _ 2—ヒドロキシフヱ二ノレ)ベンゾトリアゾール、 2 _ (5—メチ ル一 2—ヒドロキシフヱニル)ベンゾトリアゾールなどが例示できる。
[0137] 前記サリシレート系紫外線吸収剤の具体例としては、 4 _tert_ブチルフエ二ルサリ シレートなどが例示される。
[0138] 前記べンゾエート系紫外線吸収剤の具体例としては、 2, 4—ジ—tert—ブチルフ ェニル _ 3, 5—ジ一tert—ブチル _4—ヒドロキシベンゾエートなどが例示できる。
[0139] 前記ベンゾフヱノン系紫外線吸収剤の具体例としては、 2, 4—ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、 2—ヒドロキ一 4—メトキシベンゾフエノン、 2—ヒドロキ一 4— n—オタトキシベン ゾフエノン、 2—ヒドロキ一 4— n—ドデシルォキシベンゾフエノン、 2—ヒドロキ一 4—ベ ンジロキシベンゾフエノンなどが例示できる。
[0140] 前記ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(2, 2, 6, 6, 一テトラメチ ノレ _4—ピペリジル)セバケート、ビス(1 , 2, 2, 6, 6, —ペンタメチル _4—ピペリジ ノレ)セバケート、 1 - { 2- [3- (3, 5 _ジ一 tert—ブチル _4—ヒドロキシフエニル)プ 口ピオニルォキシ]ェチル } _4_ [3— (3, 5—ジ _tert_ブチル _4—ヒドロキシフ ェニル)プロピオ二ルォキシ]— 2, 2, 6, 6, —テトラメチルピペリジン、 4_ベンゾィル ォキシ _ 2, 2, 6, 6, —テトラメチルピペリジンまどが例示できる。
[0141] 前記ニッケル系光安定剤の具体例としては、ニッケルジブチルジチォカルバメート 、 [2, 2'—チォビス(4_tert—ォクチルフエノレート)]— 2—ェチルへキシルァミン ニッケノレ(11)、 [2, 2'—チォビス(4_tert—ォクチルフエノレート)]— n_ブチルアミ ンニッケノレ (II)などが例示できる。
[0142] これらの老化防止剤は、単独で使用してもよぐ 2種以上併用してもよい。単独で使 用した場合と比較して、併用することによってより有効に機能することがある。
[0143] 本発明の硬化性組成物は、土木、建築、工業用途などの幅広い範囲でシーリング 材、接着剤、粘着剤、注入材、防水材、制振材、防音材などとして使用することがで きる。
[0144] 具体的には、内外壁、床、各種コンクリート、金属などの目地シール、船舶用シーラ ント、プール用目地材、防蟻用シーラント、床材、壁材、屋根材用接着剤、内外壁へ のタイル、石材、化粧パネルなどの接着剤、土管、マンホール、ケーブル等のシール 接着剤、ポッティング材、各種粘着剤、一般道路、高速道路、空港滑走路用の舗装 材、補修材、 目地材、ビル地下防水材ゃ立体駐車場の防水材、屋根用防水材、屋 根用コーティング材、車両、船舶および家電製品の制振材、防音材などの用途が挙 げられる。
[0145] これらの用途の中で、本発明の硬化性組成物は、特に、タイル用接着剤、防水材、 道路舗装材、土木用止水材および制振材の用途に好適である。以下、防水材、タイ ル用接着剤、道路舗装材、土木用止水材および制振材の用途について説明する。
[0146] <防水材>
防水工事の主流は、ブローンアスファルトを施工現場で溶解し、それによつてァスフ アルトルーフイングを貼りつけていく作業を 3〜4回繰り返し行いながら防水層を形成 するいわゆるアスファルト防水熱工法である。この他にも、アスファルトルーフイングシ ートの裏面を専用のトーチバーナーであぶり、裏面のアスファルトを溶融させながら 下地に固定するトーチ工法、アスファルトルーフイングシートの裏面に設けた粘着材 により、下地に固定する常温 (粘着)工法、アスファルトルーフイングシートをァスファ ノレト系の接着剤で下地に固定する接着工法などがあるが、防水信頼性(下地との接 着性)の点でアスファルト防水熱工法が従来から主流の座を占めている。
[0147] しかし、アスファルト防水熱工法は、アスファルトを溶融する際に、溶融アスファルト の煙や匂いが大量に発生し周辺の環境を著しく汚染するという欠点があるため住宅 密集地域や都心中心部では敬遠され、採用される地域が限定されている。また、作 業者が火傷をおう危険があり、作業者にも敬遠される傾向がある。
[0148] これらの問題を克服するために、アスファルトルーフイングシートを貼りつける前に、 アスファルトを溶剤で希釈したカットバックアスファルトをプライマーとして使用し、下 地との接着性を改善させているが、溶剤が揮散するため環境を著しく汚染する。
[0149] このような問題に対して、本発明の硬化性組成物を用いてなる防水材は、作業工程 において、アスファルトの煙や臭気、溶剤臭を発生することなぐ十分な室温硬化性 を示すとともに、良好なモルタルへの耐水接着性を示すことから、防水材、ァスファノレ トルーフイングシート用接着剤およびプライマーとしても有効である。
[0150] <タイル用接着剤 >
タイル用接着剤は、建築物の壁、風呂場、トイレ、台所周辺の壁にタイルを貼る際 に用いられる。その場合の具体的な被着体としては、セメントモルタル、珪カル板、セ メント板、 ALC板、窯業系サイディングボードなどの無機下地板もしくは合板などの 木質下地板に陶器質、磁気質もしくはせっ器質タイルなどが挙げられる。
[0151] 従来、タイルの接着は団子状に練ったセメントモルタルを用いた団子貼り工法が主 流であつたが、最近では、ほとんどの場合有機系接着剤を用レ、た接着工法に変わつ た。このタイル用接着剤は水性型と反応型接着剤に大別され、それぞれ用途に応じ
使レ、分けられてレ、る。水性型は、少なからず界面活性剤が用いられた水性ェマルジ ヨンがベース樹脂となっている関係上、耐水性に欠陥があり、さらに、粘着付与樹脂 などを溶解するのに用いた有機溶剤に起因する臭気、引火性、人体への悪影響が 問題視されている。一方反応型では、ウレタン樹脂系、またはエポキシ樹脂系などが 代表的なタイル接着剤として用いられている力 ウレタン樹脂系においては系中のィ ソシアナートによるカブレ、有機溶剤の危険性および人体への悪影響が、エポキシ樹 脂系においては、アミン硬化剤によるカブレ、有機溶剤の危険性および人体への悪 影響が問題視されている。
[0152] さらに、エポキシ樹脂系では、外力が加えられた場合の歪みを吸収することができ ず、地震などの振動によるタイルの剥がれが問題となっている。これらの問題を解決 するために、ゴム系有機重合体や変性シリコーン化合物を配合することにより、ェポ キシ樹脂硬化物の脆さが改善され、柔軟な硬化物が得られることが報告されている ( 特開平 06— 101319号公報)。し力 ながら、タイルや石材などの意匠材が頻繁に 水に濡れる箇所などにおいては、それらが剥れ落ちることもあり、耐水接着性は必ず しも十分とは言えなかった。
[0153] このような問題に対して、本発明の硬化性組成物を用いてなるタイル用接着剤は、 優れた耐水接着性、特にアルカリ耐水接着性を示し、また、無溶剤でも使用が可能 なこと力ら、臭気、引火性、人体への悪影響の懸念もない。
[0154] <道路用舗装材>
従来、アスファルトを道路舗装材として使用する場合に、加熱アスファルト舗装が一 般的に用いられている力 加熱アスファルトの煙や匂いが大量に発生し周辺の環境 を著しく汚染するという欠点がある。また、加熱アスファルト舗装は、伸縮性および接 着力が不十分であり、夏期には温度の上昇に伴って舗装路面が流動化し、これによ つて亀裂やべとっきなどの問題が生じている。さらに、冬期においては、アスファルト 舗装材中の骨材粘結力の低下によるアスファルト舗装の表層部の劣化並びに寒暖 温度差に伴うひび割れ、剥離が発生する。
[0155] このような問題に対して、本発明の硬化性組成物を用いてなる道路舗装材は、舗装 時に煙や臭気を発生させることなく舗装および補修することができる。
[0156] なお、本発明の硬化性組成物を道路舗装材として用いる場合には、補強性を上げ る目的で骨材を配合することが好ましい。
[0157] 骨材は、アスファルト舗装に使用されている粗骨材、細骨材、フィラーなどである。
粗骨材には砕石が使用されているが、玉砕、砂利、スラグなども使用できる。細骨材 では、川砂、海砂、山砂などの砂が使用される力 鉄砂や砕石のスクリーニングスな ども使用できる。そのほか、明色骨材、硬質骨材を使用することができる。フイラ一は 、石灰石や火成石類を粉砕した石粉が用いられるが、その他の岩石粉、炭酸石灰粉 、石灰、石こう、フライアッシュ、フライアッシュバルーン、セメント、焼却灰なども使用 できる。また、カーボンブラック、顔料などを使用することができる。更にまたフィラー の一部に石綿、ガラス繊維、岩綿、合成繊維、炭素繊維などの短繊維や雲母粉など を使用すること力 Sできる。
[0158] <土木用止水材>
土木'建築、船舶、 自動車などの分野において、水密、気密の目的で目地部や亀 裂部分を充填したり、シールするために各種シーリング材が使用されている力 耐候 性、硬化性および作業性の観点から反応性ケィ素基を含有する有機重合体を用い たシーリング材が一般に広く使用されている(例えば、特開平 08— 003537号公報) 。し力しながら、該シーリング材に用いられる有機重合体は、それ自身の耐水性が十 分ではないことから、長期間水に浸漬された場合等においては、水分の透過や接着 界面力の低下等が起こり、十分な止水性や接着性が得られない等の問題があった。 また、該シーリング材は耐候性も十分とは言えず、屋外で長期間暴露された場合等 においては、表面や内部に亀裂等が生じ、十分な止水性や接着性が確保できない ことも問題であった。
[0159] このような問題に対して、本発明の硬化性組成物を用いてなる土木用止水材は、耐 候性、耐水性、接着性に優れたものである。
[0160] <制振材>
制振材は、車両用、建築物、家電製品などに使用されている。
[0161] 制振材料は、振動発生源に直接又は間接的に貼着され、振動を制御することによ り防音の用に供するものであった。例えば、自動車のエンジンルームと車室内を隔て
るダッシュパネル、フロアー、トランクルームなどの鋼板部位、マンションの各戸の床 などの建築物、エアコン、コンプレッサー、掃除機などの騒音を発生する家電製品な ど使用されている。
[0162] ところ力 アスファルトを自動車の床面などに制振シートとして貼り合わせる場合に、 アスファルトは加熱溶融させる必要があり、熱流動性についての問題、つまりシートを 均一厚みに維持することが難しいという問題があった。その結果、制振効果にばらつ きが生じたり、且つ基材の凹凸部へのなじみ性が悪ぐ基材と均一に密着した熱融着 を達成し難いなどの技術的問題が生じている。これらの問題を克服するために、繊維 充填材をシート基材に混入するなどの方法 (例えば、特開平 07— 323791号公報) がなされている。し力 ながら、このような方法はアスファルトを熱融着する点で、これ らの物性を満足するに至っていない。また、作業工程の効率化および凹凸部分への 密着性を改善するためにも、常温硬化型が切望されてレ、る。
[0163] このような問題に対し、本発明の硬化性組成物を用いてなる制振材は、作業性が 良好で、施工時のふくれがなぐ凹凸部への接着性に優れる。
実施例
[0164] 本発明をより一層明らかにする為に、以下に具体的な実施例を揚げて説明するが 、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例 1)
1Lフラスコに臭化銅(I) 2.84g (19. 8mmol)、ァセトニトリル 39mLを仕込み、窒素 気流下 70°Cで 20分間加熱攪拌した。これに 2, 5 _ジブロモアジピン酸ジェチル 5.9 3g (16. 5mmol)、アクリル酸ブチル 280mL ( 1.95mol)、アクリル酸メチル 49mL (0 . 53mol)、アタリノレ酸ステアリノレ 54mL (0. 16mol)をカロえ、さらに 80。Cで 20分間カロ 熱攪拌した。これにペンタメチルジェチレントリァミン(以後トリァミンと称す) 0. 41mL (1. 98mmol)を加えて反応を開始した。さらにトリアミンを 0. 14mL (0. 66mmol) 追加した。 80°Cで加熱攪拌を続け、この間にトリアミン 0. 14mL (0. 66mmol)を追 カロした。反応開始から 180分後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。反応 開始力ら 240分後、ァセトニトリル 118mLゝ 1, 7—ォクタジェン 49mL (0. 33mol)、 トリアミン 1. 38mL (6. 59mmol)添加し、引き続き 80°Cで加熱攪拌を続け、反応開
始から 620分後加熱を停止した。反応溶液を減圧加熱して揮発分を除去した後、ト ルェンで希釈して濾過し、ろ液を濃縮することで重合体を得た。得られた重合体とキ ョ-ワード 500SH (協和化学製:重合体 100重量部に対して 2重量部)、キヨ-ワード 7 00SL (協和化学製:重合体 100重量部に対して 2重量部)をキシレン (重合体 100重 量部に対して 100重量部)に混合し、 130°Cで攪拌した。 3時間後、珪酸アルミを濾 過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去した。重合体を 180°Cで 12時間加熱脱 揮 (減圧度 lOtorr以下)することにより共重合体中から Br基を脱離させた。重合体と キヨ-ワード 500SH (協和化学製:重合体 100重量部に対して 3重量部)、キヨ-ワード 700SL (協和化学製:重合体 100重量部に対して 3重量部)をキシレン (重合体 100 重量部に対して 100重量部)に混合し、 130°Cで攪拌した。 5時間後、珪酸アルミを ろ過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去しアルケニル末端重合体 A_ 1を得た
[0165] 重合体の数平均分子量は GPC測定により(ポリスチレン換算)により 29000、分子 量分布は 1 · 3であった。また、オリゴマー 1分子当たりに導入されたアルケニル基は、 JH NMR分析より平均 95 %であった。
[0166] 次に、 200mLの耐圧ガラス反応容器に、上記重合体(23. 3g)、ジメトキシメチノレヒ ドロシラン(2· 55mL、 20. 7mmol)、オルトぎ酸ジメチル(0· 38mL、 3. 45mmol) 、および白金触媒を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体のアルケニル 基に対して、モル比で 2 X 10— 4当量とした。反応混合物を 100°Cで 3時間加熱した 。混合物の揮発分を減圧留去することにより、末端にシリル基を有するポリ(アクリル 酸 n ブチル /アクリル酸メチル /アクリル酸ステアリル)の重合体を得た。 (ポリマ 一 A)
(合成例 2)
1Lフラスコに臭化銅(I) 2.84g (19. 8mmol)、ァセトニトリル 39mLを仕込み、窒素 気流下 70°Cで 20分間加熱攪拌した。これに 2, 5 _ジブロモアジピン酸ジェチル 5.9 3g (16. 5mmol)、アクリル酸ブチル 254mL (1.77mol)、アクリル酸ェチル 61mL ( 0. 66mol)、アクリル酸ステアリル 71mL (0. 21mol)をカロえ、さらに 80。Cで 20分間 加熱攪拌した。これにペンタメチルジェチレントリァミン(以後トリァミンと称す) 0. 41
mL (l . 98mmol)を加えて反応を開始した。さらにトリアミンを 0. 14mL (0. 66mmo 1)追力 Pした。 80°Cで加熱攪拌を続け、この間にトリァミン 0. 14mL (0. 66mmol)を 追加した。反応開始から 180分後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。反 応開始から 240分後、ァセトニトリル 118mL、 1, 7—ォクタジェン 49mL (0. 33mol) 、トリァミン 1. 38mL (6. 59mmol)添加し、引き続き 80°Cで加熱攪拌を続け、反応 開始から 620分後加熱を停止した。反応溶液を減圧加熱して揮発分を除去した後、 トルエンで希釈して濾過し、ろ液を濃縮することで重合体を得た。得られた重合体と キヨ-ワード 500SH (協和化学製:重合体 100重量部に対して 2重量部)、キヨ-ワード 700SL (協和化学製:重合体 100重量部に対して 2重量部)をキシレン (重合体 100 重量部に対して 100重量部)に混合し、 130°Cで攪拌した。 3時間後、珪酸アルミを 濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去した。重合体を 180°Cで 12時間加熱 脱揮 (減圧度 lOtorr以下)することにより共重合体中から Br基を脱離させた。重合体 とキヨ-ワード 500SH (協和化学製:重合体 100重量部に対して 3重量部)、キヨ-ヮー ド 700SL (協和化学製:重合体 100重量部に対して 3重量部)をキシレン (重合体 10 0重量部に対して 100重量部)に混合し、 130°Cで攪拌した。 5時間後、珪酸アルミを ろ過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去しアルケニル末端重合体 B— 1を得た
[0167] 重合体の数平均分子量は GPC測定により(ポリスチレン換算)により 27000、分子 量分布は 1 · 3であった。また、オリゴマー 1分子当たりに導入されたアルケニル基は、 ¾一 NMR分析より平均 95 %であった。
[0168] 次に、 200mLの耐圧ガラス反応容器に、上記重合体(23. 3g)、ジメトキシメチノレヒ ドロシラン(2. 55mL、 20. 7mmol)、オルトぎ酸ジメチル(0. 38mL、 3. 45mmol) 、および白金触媒を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体のアルケニル 基に対して、モノレ比で 2 X 10— 4当量とした。反応混合物を 100°Cで 3時間加熱した 。混合物の揮発分を減圧留去することにより、末端にシリル基を有するポリ(アクリル 酸 _n_ブチル /アクリル酸ェチル Zアクリル酸ステアリル)の重合体を得た。 (ポリマ 一 B)
(合成例 3)
数平均分子量 2, 000のポリオキシプロピレンジオールと数平均分子量 3, 000のポ リオキシプロピレントリオールの 1/1 (重量比)混合物を開始剤とし、亜鉛へキサシァ ノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンォキシドの重合することにより数平均 分子量 22, 000 (GPCより求めたポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンォキシド を得た。得られたポリプロピレンォキシドとナトリウムメトキシドを反応させた後、塩化ァ リルを反応させて、末端水酸基を不飽和基に変換した。この不飽和基末端ポリオキシ アルキレンの不飽和基 1モルに対してジメトキシメチルシラン 0. 72モルを塩ィ匕白金 酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を 70% ^H— NMR分 析)有する数平均分子量 22, 200のポリオキシプロピレン系重合体を得た (ポリマー C)。
[0169] (合成例 4)
数平均分子量 2, 000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛へキサシ ァノコバルテートグライム錯体触媒を用いてプロピレンォキシドを重合することにより 数平均分子量 26, 000 (GPCより求めたポリスチレン換算分子量)のポリオキシプロ ピレングリコールを得た。得られたポリオキシプロピレングリコールとナトリウムメトキシ ドを反応させた後、塩化ァリルを反応させて、末端水酸基を不飽和基に変換した。こ の不飽和基末端ポリオキシアルキレン重合体の不飽和基 1モルに対して、 HSi (CH
) (CH ) OSi (CH ) (CH ) CH CH Si (OCH ) で表されるヒドロシラン化合物 0· 77 モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にトリメトキシシリル基を 75%有す る数平均分子量 26, 300のポリオキシプロピレン系重合体を得た(ポリマー D)。
[0170] (合成例 5)
数平均分子量 5, 200のポリオキシプロピレングリコーノレ 800g、イソホロンジイソシァ ネート 50. 2gを攪拌機付耐圧反応容器に入れて混合した後、錫触媒 (ジブチル錫ジ ラウレートの 10%D〇P溶液) 0. 8gを添カ卩した。 80°Cで 4時間攪拌することにより、数 平均分子量 15, 000のイソシァネート基末端重合体を得た(分子量はイソシァネート 基の滴定値(0. 579%)より算出)。 60°Cまで冷却した後、 Ί—ァミノプロピルトリメト キシシラン 1. 0 [eq/NC〇基]を加えて約 30分間攪拌することにより、分子末端にト リメトキシシリル基を有する数平均分子量 17, 000 (GPCより求めたポリスチレン換算
分子量)のポリオキシプロピレン系重合体を得た(ポリマー E)。
以下に実施例で用いた各種材料を記す
(A)成分
'ストレートアスファルト;ストレートアスファルト 150〜200 (コスモ石油(株)製)
.ブローンアスファルト;ブローンァスファノレト 20〜30 (コスモ石油(株)製)
'カットバックアスファルト;ブローンアスファルト 20〜30をトルエンにて希釈したもの( 固形分 : 60%)
(B)成分
•上記合成で得たポリマー Aおよびポリマー B
(C)成分
• Mesamoll II;アルキルスルホン酸フエニルエステル(バイエル製)
•HB-40 ;部分水添ターフェニル(ソルチア製)
• DIDP;ジイソデシルフタレート(新日本理化 (株)製)
'トップサイザ一 3号; N ェチルー o/p—トルエンスルホンアミド(富士アミドケミ 力 ル (株)製)
(D)成分
•ェピコート 828;エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン (株)製)
(F)成分
• PM— 100;フエノール変性 C 5/C— 9系石油樹脂 (東邦化学工業 (株)製)
• HP— 70;アルキルフエノール変性キシレン樹脂(フドー(株)製)
• YSポリスター T— 30;フエノール変性テルペン樹脂(ヤスハラケミカノレ (株)製)
.マイティエース G_ 125;フヱノール変性テルペン樹脂(ヤスハラケミカノレ (株)製) (ブロック共重合体)
•SBS ;スチレン 'ブタジエン 'スチレンブロック共重合体
(ゴム成分)
• SBR;スチレン一ブタジエンゴム
(シランカップリング剤)
•A- 171 ;ビュルトリメトキシシラン (東レダウコーユングシリコーン (株)製)
•A— 187 ; γ—グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコ一二ングシリコーン (株)製)
•A— 1120 ; Ν— ( アミノエチル) γ ァミノプロピルトリメトキシシラン(東レダウ コーユングシリコーン (株)製)
(充填剤)
•ホワイトン SB (炭酸カルシウム、白石カルシウム (株)製)
•フライアッシュバルーン;微小中空球体 (アルミナ珪酸質、東海工業 (株)製)
•セピオライト S;珪酸マグネシウム(日本タルク (株)製)
•珪砂:丸尾カルシウム (株)製
'タルク:ミクロエース P4 (平均粒径 4. 5 x m、 日本タルク(株)製)
•骨材
(硬化触媒)
• SCAT- 1;有機錫化合物 (三共有機合成 (株)製)
(エポキシ樹脂硬化剤)
• H— 30;ケチミン型硬化剤(ジャパンエポキシレジン (株)製)
(酸化防止剤)
'ィルガノックス 245 ;ヒンダードフエノール系酸化防止剤(チノく'スペシェルティ 'ケミカ ルズ (株)製)
(紫外線吸収剤)
•チヌビン 213;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チノく'スペシェルティ'ケミカルズ (株)製)
(光安定剤)
•サノール LS765;ヒンダードアミン系光安定剤(三共 (株)製)
(物性評価)
評価は下に示す項目について実施した。
<臭気 >
組成物を塗布する際に、溶剤臭やアスファルトの煙や臭気が発生するかを判断し た。臭気や煙の発生がなかった場合を〇、煙もしくは臭気の発生があった場合を Xと
した。
<硬化性 >
組成物を塗布した後、経時で表面をスパチュラで触り、組成物がスパチュラに付着 しなくなるまでの時間を測定した。 (23°C、 50 %R. H. )。 30分以内に表面が硬化し た場合を〇、硬化しなかった場合を Xとした。
ぐ貯蔵安定性 >
上記硬化性組成物を密閉し、 50°Cで 30日間放置した時の分離状態を評価した。 分離が見られなかった場合を〇、分離した場合を Xとした。
ぐ耐水接着性 >
モルタル基材へ組成物をビード状に塗布し、 23°C、 50 %R. H.下で 7日間養生し た。その後 23°Cで 7日間水に浸漬させた。水から取り出した後すぐに、硬化物とモル タルの間にナイフで切れ目を入れ、硬化物を引き剥がして接着状態を観察した。モ ルタル側へ接着剤が残った場合を〇、残らなかった場合を Xとした。
モノレタノレ:50 50 15111111、エンジニアリングテストサービス製。
<耐候性試験 >
上記硬化性組成物を充填して厚さ 3mmのシートを作成し、 23°Cで 3日放置した後 、 50°Cで 4日間加熱し、ゴム状シートを得た。このゴム状シートを lmm厚のアルミ板 上に乗せ、サンシャインゥェザォメーター (スガ試験機 (株)製)に設置して耐候性を 評価した。サンシャイン 5000時間までに劣化が生じない場合を〇、劣化が生じた場 合を Xとした。
<作業性 >
BH形粘度計を用いて組成物の粘度を測定した。 (ローター: No. 7、回転数: 10rp m、温度: 23°C)。粘度が 500Pa' s未満の場合を〇、 500Pa' s以上の場合を Xとし た。
<タイル接着試験 >
接着剤を 70 X 70 X 20mmのモルタル板へ塗布し、くし目ゴテで均一にした後、 45 X 45 X 7mmの磁器質タイルを貼り合わせ、 7日間養生した(23°C、 50 %R. H. )。 試験片のタイル表面へ引張り治具をエポキシ系接着剤で取り付けた後、オートグラフ
により引張り試験を行った(引張り速度: 5mm/min)。また、上記試験片を 60°C温 水および 60°C水酸化カルシウム飽和水溶液中に 7日間浸漬し、取り出し後、直ぐに 引張り試験を実施し、耐水接着強度を求めた。なお、このときの常態の接着強度に対 する 60°C温水浸漬後および 60°C水酸化カルシウム飽和水溶液浸漬後の接着強度 の比を、それぞれ耐水保持率、耐アルカリ保持率として求めた。
(実施例:!〜 8、比較例:!〜 2)
表 1に示す組成で各種配合材を、 5Lミキサーにより混練し、実施例:!〜 8、比較例 1 〜 2の硬化性組成物を作製した。
[0172] 評価結果を表 1に示す。
[0173] [表 1]
[0174] 実施例の硬化性組成物は、作業工程にぉレ、て、アスファルトの煙や臭気、溶剤臭 を発生することなぐ十分な室温硬化性を示すとともに、良好なモルタルへの耐水接 着性を示し、貯蔵安定性も問題ないレベルであった。一方、比較例では、これらの特 性をバランス良く示す系は見られなかった。
(実施例 9、 10、比較例 3〜6)タイル用接着剤としての性能比較
表 2に示す組成で各種配合材を 5Lミキサーにより混練し、実施例 9、 10、比較例 3 〜6の接着剤を作製した。
[0175] 評価結果を表 2に示す。
[0176] [表 2]
実施例では常態、水浸漬後、水酸化カルシウム水溶液浸漬後とも良好な接着強さ が発現し、十分な接着性と耐久性をもつことが示された。一方、比較例は常態では十 分な接着強度を示したが、水浸漬により接着強度は大幅に低下した。
(実施例 11、 12、比較例 7 9)防水剤としての性能比較
表 3に示す組成で各種配合材を 5Lミキサーにより混練し、実施例 11、 12、比較例 7 9の防水剤を作製した。
[0178] 評価結果を表 3に示す。
[0179] [表 3]
[0180] 実施例の防水材組成物は、作業工程にぉレ、て、アスファルトの煙や臭気、溶剤臭 を発生することなぐ低粘度で作業性が良好であり、十分な室温硬化性を示すととも に、貯蔵安定性も問題ないレベルであった。一方、比較例では、これらの特性をバラ ンス良く示す系は見られな力 た。
(実施例 13、 14、比較例 10〜: 13)シーリング材組成物としての性能比較 表 4に示す組成で各種配合材を 5Lミキサーにより混練し、実施例 13、 14、比較例 10〜: 13のシーリング材組成物を作製した。
[0181] 評価結果を表 4に示す。
実施例のシーリング材組成物は、良好な耐水接着性と耐候性を示したが、比較例 の組成物はレ、ずれも不十分な結果であった。
(実施例 15、 16、比較例 14、 15)
表 5に示す組成で各種配合材を 5Lミキサーにより混練し、実施例 15、 16、比較例 14、 15の制振材を作製した。
[0184] 評価結果を表 5に示す。
[0185] [表 5]
[0186] 実施例の制振材料は、施工時にアスファルトを加熱溶融することがないため、熱流 動性についての問題がなぐ低粘度で作業性が良好であり、十分な室温硬化性を示 すとともに、貯蔵安定性も問題ないレベルであった。
[0187] (道路舗装材の配合例)
本発明の硬化性組成物を道路舗装材として用レ、る場合の配合例を以下に記す。 ストレートァスファノレト 150〜200 : 140重量部
ポリマー A: 100重量部
メサモール: 70重量部
PM- 100 :
A— 171
A— 1120: 3重量部 骨材: 200重量部
SCAT— 1: 2重量部