WO2005005857A1 - 動吸振器及びこれを用いた動吸振装置 - Google Patents

Abstract

動吸振器（１）は、重錘（２）と、重錘（２）を取り囲んでいる枠体（３）と、重錘（２）を枠体（３）に対して水平面内の全方向に関して可動に保持する一方、鉛直方向（Ｖ）に不動に保持するように、枠体（３）と重錘（２）との間に介在された二個一組の合計四組の縦置きのＵ字状の板ばね（４、５、６、７）と、重錘（２）の水平面内での振動を減衰させる減衰機構（８）とを具備している。

Description

明細書 動吸振器及びこれを用いた動吸振装置 技術分野

本発明は、 強風、 地震等によ り 構造物に生起する振動を 低減する動吸振器及びこ の動吸振器を複数個用 いた動吸振 装置に関する。 背景技術

動吸振器と しては特開平 9 一 1 1 9 4 7 7 号公報に記載 .されている も のが知 られてお り 、 こ の動吸振器は、 共通の 支持部材か ら複数の板ばね部材を延出 し、 これ ら板ばね部 材の先端に夫々 重 り を取 り 付けて これ ら重 り を揺動自在に 片持ち支持する と共に、 これ ら重 り の揺動を減衰するため の減衰部材を取 り 付けてなる ものである。 発明の開示

と こ ろで、 斯かる動吸振器は、 板ばね部材によ り 重 り を 揺動自在に片持ち支持させるために、 低い固有振動数に同 調させるベく 質量の大きな重 り を用いる と板ばね部材が最 初か ら撓んで し まっ て、 重 り の所定の揺動を行わせるため には構造物 との間に広い空間を必要と して、 構造物にコ ン パク ト に設置し難い一方、 撓みを少な く するため に、 弾性 定数の大きな板ばね部材を用いる と、 質量の大きな重 り を 用 いて も低い固有振動数に同調させる こ とが困難となる。

また上記の動吸振器では、 板ばね部材の揺動方向が動吸 振器の構造物への設置面に対して直交する方向であるため に、 構造物の上下方向の振動にはそれな り に一応効果を発 揮し得るが、 地震、 強風等によ る構造物の水平方向の振動 の減衰には適しない。

本発明は、 前記諸点に鑑みてなされた ものであ っ て、 そ の 目 的とする と こ ろは、 重 り の質量を大き く して も重 り に 所定の揺動を行わせるために特別に構造物との間に広い空 間を設ける必要がないのでコ ンパク 卜 に設置でき、 しか も 質量の大きな重 り を用いてもそれに応じて弾性定数の大き な板ばね部材を用 いる必要がないので容易に低い固有振動 数に同調させる こ とができ、 加えて、 地震、 強風等によ る 構造物の水平方向の振動の減衰に好適に用いる こ とができ る動吸振器及びこ の動吸振器を複数個用 いた動吸振装置を 提供する こ と にあ る。

本発明の第一の態様の動吸振器は、 重錘と、 こ の重錘を 取 り 囲んだ枠体と、 重錘を枠体に対して平面内の全方向に 関 して可動に保持する一方、 平面に直交する縦方向に不動 に保持する よ う に、 枠体と重錘と の間に介在された複数の 縦置きの U字状の板ばねと、 重錘の平面内での振動を減衰 させる減衰機構と を具備 している。

第一の態様の動吸振器によれば、 U字状の板ばねが、 縦 置きであ っ て、 重錘と枠体との間に介在されて重錘を枠体 に対して平面内の全方向に関 して可動に保持する一方、 平 面に直交する縦方向に不動に保持する よ う になっ ている た めに、 質量の大きな重錘を用いても縦方向に殆ど撓む こ と がな く 、 したがっ て重錘の質量を大き く しても重錘に所定 の揺動を行わせるために特別に構造物 と の間に広い空間を 設ける必要がないのでコ ンパク ト に設置でき、 しかも、 質 量の大きな重錘を用 いてもそれに応 じて弾性定数の大きな 板ばね部材を用 い る必要がないので容易 に低い固有振動数 に同調させる こ とができ、 加えて、 平面を水平面に合わせ て設置する こ と によ り 地震、 強風等によ る構造物の水平方 向の振動の減衰に好適に用いる こ とができる。

本発明では、 好ま し く はその第二の態様の動吸振器のよ う に、 重錘は、 平面視において実質的に正三角形を含む正 多角形、 例えば正方形、 正五角形、 正六角形であ り 、 よ り 好ま し い例では正方形、 正六角形であるが、 U字状の板ば ねを所望に縦壁部と重錘との間に介在させる こ とができ る 場合には、 重錘を円柱体か ら構成しても よ く 、 更には、 平 面視において実質的に長方形、 円形、 楕円形等の形状であ つ ても よ く 、 また縦軸に関して非対称の形状であっても よ い 。 本発明では、 好ま し く はその第三の態様の動吸振器のよ う に、 枠体は、 平面視において実質的に正三角形を含む正 多角形、 例えば、 正方形、 正五角形、 正六角形であ り 、 よ り 好ま し い例では、 正方形、 正六角形であるが、 U字状の 板ばねを所望に縦壁部と重錘との間に介在させる こ とがで きる場合には、 枠体を円筒体か ら構成しても よ く 、 更には 平面視において実質的に長方形、 円形、 楕円形等の形状で あっ ても よ く 、 また、 縦軸に関 して非対称の形状であっ て ちょ い。

本発明の第四の態様の動吸振器では、 枠体は、 重錘を間 に して平面内の X方向において互いに対向する一対の X方 向縦壁部と、 重錘を間に して平面内の X方向に交差する Y 方向にお いて互いに対向する一対の Y方向縦壁部と を有 し てお り 、 一対の X方向縦壁部と重錘との夫々 の間に、 縦方 向に伸びる一方の縁部が X方向縦壁部に、 縦方向に伸びる 他方の縁部が重錘に夫々 固着された少な く と も一つの板ば ねが介在されてお り 、 一対の Y方向縦壁部と重錘との夫々 の間に、 縦方向に伸びる一方の縁部が Y方向縦壁部に、 縦 方向に伸びる他方の縁部が重錘に夫々 固着されて少な く と も一つの他の板ばねが介在されている。

本発明の好ま しい例では、 各板ばねは、 縦方向に伸びる 一方の縁部と同 じ く 縦方向に伸びる他方の縁部と の間に湾 曲する U字状部を具備してお り 、 こ の U字状部でもっ て重 錘を枠体に対して平面内の全方向に関して可動に保持して い る。

一対の X方向縦壁部と重錘との夫々 の間及び一対の Y方 向縦壁部と重錘との夫々 の間には、 一つの板ばねが介在さ れていて もよいが、 好ま し く は、 本発明の第五の態様の動 吸振器のよ う に、 並列に配された複数個の板ばねが介在さ れてお り 、 各板ばねは、 一方の縁部で縦壁部に、 他方の縁 部で重錘に夫々 固着されている。

本発明において、 Y方向は、 X方向に対して交差してい ればよいのであ るが、 好ま し く は本発明の第六の態様の動 吸振器のよ う に、 X方向に直交している。

減衰機構は、 粘性体の剪断抵抗を用いた機構であっ ても よいが、 本発明の第七の態様の動吸振器のよ う に、 重錘及 び枠体の一方に固定されている と共に磁界を発生する磁界 発生体と、 重錘及び枠体の他方に固定されている と共に磁 界発生体に対する相対的な移動で渦電流を生じ る板状の導 電体と を具備してお り 、 こ こ で、 本発明の第八の態様の動 吸振器のよ う に、 磁界発生体は、 導電体の中央部において 磁界を発生する よ う にギャ ッ プを も っ て対向する互い に異 なる極性の一対の磁極を生じ させる永久磁石を具備してい ても よい。

本発明の動吸振器は、 振動を減衰させる構造物に設置さ れる のであるが、 一つの動吸振器が斯かる構造物に設置さ れる場合には、 好ま し く は本発明の第九の態様の動吸振器 のよ う に、 設置される構造物の固有振動数に同調されてい る。

本発明の第一の態様の動吸振装置は 、 上記の第一か ら第 九のいずれかの態様の動吸振器を複数個有してお り 、 少な く と も一つの動吸振器の重錘に対する固有振動数は、 他の 動吸振器の重錘に対する 固有振動数と異なつ ている

第一の態様の動吸振装置によれば、 重錘に対する互い に 異なる固有振動数を有するために、 異なる固有振動数を互 いに近接させる こ と によ り 、 設置される構造物の固有振動 数の変化に対応できて、 構造物の固有振動数の変化に拘わ らず好ま し く 構造物の振動を減衰させる こ とができ、 また 異なる固有振動数を設置される構造物の固有振動数の各次 モー ド に合わせる こ と によ り 、 れる構造物の固有振 動数の各次モー ド に対応できて 、 各次の振動モー ド を効果 的に減衰させる こ とができる。

本発明の動吸振装置においては、 その第二の態様のよ う に、 少な く と も一つの動吸^器の重錘の質量は、 他の動吸 振器の重錘の質量と異なっ ていても よ く 、 その第三の態様 のよ う に、 少な く と も一つ の動吸振器のばね定数は、 他の 動吸振器のばね定数と異なっ ていてもよ く 、 そして、 その 第四の態様のよ う に、 少な く と も一つの動吸振器の減衰係 数は、 他の動吸振器の減衰係数と異なつ ていても よい。 .本発明によれば、 重 り の質量を大き く しても重 り に所定 の揺動を行わせるために特別に構造物との間に広い空間を 設ける必要がないのでコ ンパク ト に設置でき、 しかも、 質 量の大きな重 り を用いてもそれに応じて弾性定数の大きな 板ばね部材を用 いる必要がない ので容易 に低い固有振動数 に同調させる こ とができ、 加えて、 地震、 強風等によ る構 造物の水平方向の振動の減衰に好適に用 いる こ とができる 動吸振器及びこ の動吸振器を複数個用いた動吸振装置を提 供する こ とができる。

次に本発明及びその実施の形態を構造物に用いた実施例 について、 図を参照して更に詳細に説明する。 なお、 本発 明はこれ ら実施例に何等限定されないのであ る。 図面の簡単な説明

図 1 は、 本発明の実施の形態の好ま しい例の平面図、 図 2 は、 図 1 に示す例の I I _ I I 線矢視断面図、 図 3 は、 図 1 に示す例の板ばねの斜視図、

図 4 は、 本発明の実施の形態の好ま しい他の例の平面図 図 5 は、 図 4 に示す例の側断面説明図、

図 6 は、 本発明の実施の形態の好ま し い他の例の平面図 そ して、

図 7 は、 本発明の実施の形態の好ま しい他の例の平面図 である。 発明を実施するための最良の形態 図 1 か ら 図 3 において、 本例の動吸振器 1 は、 平面視に おいて実質的に正方形であっ て直方体か ら なる重錘 2 と、 重錘 2 を取 り 囲んでいる と共に平面視において実質的に正 方形であ る枠体 3 と、 重錘 2 を枠体 3 に対して平面内、 本 例では水平面内の全方向に関して可動に保持する一方、 水 平面に直交する縦方向、 本例では鉛直方向 V に不動に保持 する よ う に、 枠体 3 と重錘 2 との間に介在された複数、 本 例では二個一組の合計四組の縦置きの U字状の板ばね 4 、 5 、 6 及び 7 と、 重錘 2 の水平面内での 動を減衰させる 減衰機構 8 と を具備している。

構造物の屋上床等の床部 4 5 に固定される枠体 3 は、 重 錘 2 を間に して しか も重錘 2 との間に隙間 X 1 を も っ て水 平面内の X方向において互いに対向する一対の X方向縦壁 部 2 1 及び 2 2 と、 重錘 2 を間に して しかも重錘 2 との間 に隙間 Y 1 を も っ て水平面内の X方向に交差、 本例では直 交する Y方向において互いに対向する一対の Y方向縦壁部 2 3 及び 2 4 と を有してお り 、 一対の X方向縦壁部 2 1 及 び 2 2 並びに一対の Y方向縦壁部 2 3 及び 2 4 は、 平面視 で正方形の枠体 3 を形成するよ う に一体的に互いに連結さ れている。

一対の X方向縦壁部 2 1 及び 2 2 と重錘 2 の側面 3 3 及 び 3 4 と の夫々 の間に、 鉛直方向 Vに伸びる一方の縁部 3 1 が X方向縦壁部 2 1 及び 2 2 の夫々 に、 鉛直方向 V に伸 びる他方の縁部 3 2 が重錘 2 の側面 3 3 及び 3 4 の夫々 に 夫々 固着されて少な く と も一つ、 本例では二個一組の合計 二組の板ばね 4 及び 5 が介在されてお り 、 一対の Y方向縦 壁部 2 3 及び 2 4 と重錘 2 の側面 3 5 及び 3 6 と の夫々 の 間に、 鉛直方向 V に伸びる一方の縁部 3 2 が Y方向縦壁部 2 3 及び 2 4 の夫々 に、 鉛直方向 V に伸びる他方の縁部 3 2 が重錘 2 の側面 3 5 及び 3 6 の夫々 に夫々 固着されて少 な く と も一つの、 本例では二個一組の合計二組の板ばね 6 及び 7 が介在されてレ る。

X方向縦壁部 2 1 と重錘 2 の側面 3 3 との間には、 並列 に配された複数個、 本例では一対の板ばね 4 が介在さ れて お り 、 X方向縦壁部 2 2 と重錘 2 の側面 3 4 との間には、 並列に配された複数個、 本例では一対の板ばね 5 が介在さ れてお り 、 Y方向縦壁部 2 3 と重錘 2 の側面 3 5 との間に は、 並列に配された複数個、 本例では一対の板ばね 6 が介 在されてお り 、 Y方向縦壁部 2 4 と重錘 2 の側面 3 6 と の 間には、 並列に配された複数個、 本例では一対の板ばね Ί が介在されてお り 、 互い に凹面で対面した各板ばね 4 は、 一方の縁部 3 1 で X方向縦壁部 2 1 に、 他方の縁部 3 2 で 重錘 2 の側面 3 3 に固着されてお り 、 互レ に凹面で対面し た各板ばね 5 は、 一方の縁部 3 1 で X方向縦壁部 2 2 に、 他方の縁部 3 2 で重錘 2 の側面 3 4 に固着されてお り 、 互 いに凹面で対面した各板ばね 6 は、 一方の縁部 3 1 で Y方 向縦壁部 2 3 に、 他方の縁部 3 2 で重錘 2 の側面 3 5 に固 着されてお り 、 互いに凹面で対面した各板ばね 7 は、 一方 の縁部 3 1 で Y方向縦壁部 2 4 に、 他方の縁部 3 2 で重錘 2 の側面 3 6 に固着されている。

板ばね 4 、 5 、 6 及び 7 の夫々 は、 鉛直方向 V に伸びる 一方の縁部 3 1 と鉛直方向 V に伸びる他方の縁部 3 2 と に 加えて、 縁部 3 1 と縁部 3 2 との間に湾曲する U字状部 4 1 を具備 してお り 、 U字状部 4 1 でも っ て重錘 2 を枠体 3 に対して水平面内の全方向に関 して可動に保持している。

減衰機構 8 は、 構造物の屋上床等の床部 4 5 に固定され ている容器 5 1 と、 容器 5 1 に収容された粘性体 5 2 と、 容器 5 1 の底板 5 3 との間に微小隙間を も っ て対面して粘 性体 5 2 内に配された抵抗板 5 4 と、 抵抗板 5 4 を重錘 2 の底面 5 5 に取 り 付ける取り 付け部材 5 6 と を具備してお り 、 減衰機構 8 は、 重錘 2 の床部 4 5 に対する水平面内の 相対的移動で、 底板 5 3 と抵抗板 5 4 との間の粘性体 5 2 に剪断変形を生 じさせて、 こ の剪断変形による剪断抵抗で も っ て重錘 2 の床部 4 5 に対する水平面内の相対的移動を 減衰させる よ う になっ ている。

以上の動吸振器 1 は、 枠体 3 がその下縁で床部 4 5 に固 着されて構造物に設置される。 こ の設置にあたっ ては、 重 錘 2 の固有振動数が構造物の固有振動数に同調される。 斯 かる動吸振器 1 では、 構造物が水平面内で振動しない際に は、 重錘 2 は、 板ばね 4 、 5 、 6 及び 7 によ り 水平面内の 全方向に可動に、 鉛直方向 Vに不動に夫々保持されている そ して動吸振器 1 では、 地震、 強風等で構造物の床部 4

5 が X方向及び Y方向に振動して、 こ の振動に同調 して重 錘 2 が床部 4 5 に対して相対的に X方向及び Y方向に振動 する と、 こ の振動で底板 5 3 と抵抗板 5 4 と の間の粘性体 5 2 に剪断変形を生じさせて、 こ の剪断変形によ る剪斬抵 抗でも つ て重錘 2 の床部 4 5 に対する水平面内の相対的移 動を減衰させ、 斯かる減衰機構 8 の振動ェネルギの吸収に よ り 構造物の X方向及び Y方向の振動を減衰させる よ う に なっ てい る。

と こ ろで、 動吸振器 1 によれば、 U字状の板ばね 4 、 5 6 及び 7 が、 縦置きであ つ：!：、 重錘 2 と枠体 3 と の間に介 在されて重錘 2 を枠体 3 に対して水平面内の全方向に関 し て可動に保持する一方、 水平面に直交する鉛直方向 V に不 動に保持する よ う になつ ているために、 質量の大きな重錘 2 を用 いて も鉛直方向 V に殆ど撓む こ とがな く 、 したがつ て重錘 2 の質量を大き く しても重錘 2 に所定の揺動を行わ せるため に特別に構造物と の間に広い空間を設ける必要が なレ のでコ ンパク ト に設置でき、 しか も、 質量の大きな重 錘 2 を用 いてもそれに応じて弹性定数の大きな板ばね 4 、 5 、 6 及び 7 を用 いる必要がないので容易に低い固有振動 数に同調させる こ とができ、 加えて、 重錘 2 が枠体 3 に対 して可動 となる平面を本例のよ う に水平面に合わせて設置 する こ と によ り 、 地震、 強風等による構造物の水平方向の 振動の減衰に好適に用いる こ とができる。

本例の動吸振器 1 における減衰機構 8 は、 重錘 2 の床部 4 5 に対する水平面内の相対的移動によ り 底板 5 3 と抵抗 板 5 4 と の間の粘性体 5 2 に生じ る剪断変形によ る剪断抵 抗でも っ て重錘 2 の水平面内での振動を減衰させる よ う に してなる粘性体の剪断抵抗を用いた機構を具備しているが これに代えて又は加えて、 例えば図 4及び図 5 に示すよ う に、 磁気減衰機構 1 0 1 を具備していても よ く 、 磁気減衰 機構 1 0 1 は、 重錘 2 及び枠体 3 の一方、 本例では重錘 2 に固定されてい る と共に磁界を発生する複数の磁界発生体 1 0 3 と、 重錘 2 及び枠体 3 の他方、 本例では枠体 3 に固 定されている と共に磁界発生体 1 0 3 に対する相対的な X 方向及び Y方向の移動で渦電流を生じる複数の板状の導電 体 1 0 2 と を具備 している。

複数の導電体 1 0 2 は、 X方向縦壁部 2 1 及び 2 2 並び に Y方向縦壁部 2 3 及び 2 4 の内面に夫々 固定されてお り 複数の磁界発生体 1 0 3 は、 重錘 2 の側面 3 3 、 3 4 、 3 5 及び 3 6 の夫々 に透磁性の L型部材 1 0 5 を介して固定 された互いに異極の一対の永久磁石 1 0 6 及び 1 0 7 を夫 々有 している。 導電体 1 0 2 及び磁界発生体 1 0 3 は、 一 組の板ばね 4 、 5 、 6 及び 7 の夫々 の間に配されてい る。 磁界を発生する永久磁石 1 0 6 及び 1 0 7 は、 鉛直方向 V でギャ ッ プ fc つ て互いに対向 して導電体 1 0 2 を間に し て夫々配されている。 永久磁石 1 0 6 を支持する L型部材 1 0 5 と永久磁石 1 0 7 を支持する L型部材 1 0 5 との間 の磁気抵抗を減 じて良好な磁気回路を形成するために、 両 L型部材 1 0 5 間に透磁性の部材を介在させる とよい。

永久磁石 1 0 6 及び 1 0 7 は、 重錘 2 の静止時に板状の 導電体 1 0 2 の中央部〇 において磁界を発生する よ う にギ ヤ ッ プを も つ て対向する互い に異なる極性の一対の磁極を 生 じ させる よ う になっ ている。

斯かる磁気減衰機構 1 0 1 は、 地震、 強風等で構造物の 床部 4 5 が X方向及び Y方向に振動して、 こ の振動に同調 して重錘 2 が床部 4 5 に対して相対的に X方向及び Y方向 · に振動する と、 X方向縦壁部 2 1 及び 2 2 並びに Y方向縦 壁部 2 3 及び 2 4 に夫々 固定された導電体 1 0 2 が磁界発 生体 1 0 3 に対して相対的に X方向及び Y方向に移動して 導電体 1 0 2 に起電力 を生じる と共に、 こ の起電力 に起因 して導電体 1 0 2 に流れる渦電流の熱ェネルギへの変換 (渦電流損 ) によ り 電力消費がなされ、 導電体 1 0 2 に流 れる渦電流と磁界発生体 1 0 3 の磁界と に Jいて X方向 及び Y方向の移動に抗する電磁力 を生じる結果、 重錘 2 の 枠体 3 に対する X方向及び Y方向の相対的移動を減衰させ る。 尚、 動吸振器 1 が磁気減衰機構 1 0 1 を具備する場合 等の枠体 3 に大きな力が加わる場合には、 導電体 1 0 2 等 を確実に固定する こ とができる程度に枠体 3 を厚く 構成す る と よ い。

以上は動吸振器の例であるが、 図 8 に示すよ う に動吸振 '器 1 を二個有 して動吸振装置 6 1 を構成しても よレ 。 図 8 に示す動吸振装置 6 1 では、 一方の動吸振器 1 の重錘 2 の を他方の動吸振器 1 の重錘 2 の質量と異な らせて、 こ れによ り 、 一方の動吸振器 1 の重錘 2 に対する固有振動数 を構造物の固有振動数の一次モー ド の振動数に同調させ、 他方の動吸振器 1 の重錘 2 に対する固有振動数を構造物の 固有振動数の二次モー ド の振動数に同調させ、 而して、 一 方の動吸振器 1 の重錘 2 に対する固有振動数を他方の動吸 振 ¾F 1 の重錘 2 に対する固有振動数と異な らせている。

8 に示す動吸振装置 6 1 おいて、 一方の動吸振器 1 の 2 に対する固有振動数を他方の動吸振器 1 の重錘 2 に 対する固有振動数と異な らせるために、 一方の動吸振器 1 の板ばね 4、 5 、 6 及び 7 で主に決定される ばね定数を他 方の動吸振器 1 の板ばね 4、 5、 6 及び 7 で主に決定され る ばね定数と異な らせても よい。

た図 8 に示すよ う に複数個の動吸振器 1 を具備して動 吸振装置 6 1 を構成する場合、 一方の動吸振器 1. の減衰機 構 8 で主に決定される減衰係数を他方の動吸振器 1 の減衰 機構 8 で主に決定される減衰係数と異な らせて、 構造物の 振動を効果的に最適に減衰させる こ とができるよ う に して も よい。

動吸振装置 6 1 では、 一方の動吸振器 1 の重錘 2 に対す る固有振動数を構造物の固有振動数の一次モー ド の振動数 に同調させ、 他方の動吸振器 1 の重錘 2 に対する 固有振動 数を構造物の固有振動数の二次モ一 ド の振動数に同調させ る代わ り に、 一方の動吸振器 1 の重錘 2 に対する 固有振動 数と他方の動吸振器 1 の重錘 2 に対する 固有振動数と を近 接させる よ う に してもよ く 、 これによ り 、 設置される構造 物の固有振動数の変化に対応できて、 構造物の固有振動数 の変化に拘わ らず好ま し く 構造物の振動を減衰させる こ と ができる。

上記では、 平面視において正方形の重錘 2 及び枠体 3 を 用 いて動吸振器 1 を構成したが、 これに代えて、 図 9 に示 すよ う に平面視において正六角形の重錘 2 及び枠体 3 を用 いて動吸振器 1 を構成してもよ く 、 図 9 に示す動吸振器 1 のよ う に、 重錘 2 の各側面 7 1 〜 7 6 と枠体 3 の各縦壁部 8 1 〜 8 6 との間に、 夫々 一個の縦置きの U字状の板ばね 9 1 〜 9 6 を介在させてもよい。 また、 平面視において正 方形の重錘 2 及び枠体 3 に代えて、 平面視において実質的 に円形であ っ て円柱体か らなる重錘 （図示せず） 及び平面 視において実質的に円形であっ て円筒体か らなる枠体 （図 示せず） を用 いて動吸振器 1 を構成しても よい。

Claims

請求の範囲

1 . 重錘と、 こ の重錘を取 り 囲んだ枠体と、 重錘を枠体 に対して平面内の全方向に関して可動に保持する一方、 平 面に直交する縦方向に不動に保持する よ う に、 枠体と重錘 と の間に介在された複数の縦置きの U字状の板ばねと、 重 錘の平面内での振動を減衰させる減衰機構と を具備してい る動吸振器。

2 . 重錘は、 平面視において実質的に正三角形を含む正 多角形又は円形であ る請求の範囲 1 に記載の動吸振器。

3 . 枠体は、 平面視において実質的に正三角形を含む正 多角形又は円形であ る請求の範囲 1 又は 2 に記載の動吸振

¾5 。

4 . 枠体は、 重錘を間に して平面内の X方向において互 いに対向する一対の X方向縦壁部と、 重錘を間に して平面 内の X方向に交差する Y方向において互いに対向する一対 の Y方向縦壁部と を有してお り 、 一対の X方向縦壁部 と重 錘と の夫々 の間に、 縦方向に伸びる一方の縁部が X方向縦 壁部に、 縦方向に伸びる他方の縁部が重錘に夫々 固着され た少な く と も一つの板ばねが介在されてお り 、 一対の Y方 向縦壁部と重錘との夫々 の間に、 縦方向に伸びる一方の縁 部が Y方向縦壁部に、 縦方向に伸びる他方の縁部が重錘に 夫々 固着されて少な く と も一つの他の板ばねが介在されて いる請求の範囲 1 か ら 3 のいずれか一つ に記載の動吸振器

5 . 一対の X方向縦壁部と重錘との夫々 の間及び一対の Y方向縦壁部 と重錘との夫々 の間には、 並列に配された複 数個の板ばねが介在されてお り 、 各板ばねは、 一方の縁部 で縦壁部に、 他方の縁部で重錘に夫々 固着されている請求 の範囲 4 に記載の動吸振器。

6 . Y方向は、 X方向に直交している請求の範囲 4 又は

5 に記載の動吸振

7 . 減衰機構は 、 重錘及び枠体の一方に固定されている と共に磁界を発生する磁界発生体と、 重錘及び枠体の他方 に固定されている と共に磁界発生体に対する相対的な移動 で渦電流を生 じ る板状の導電体と を具備 している請求の範 囲 1 力 ら 6 の レ ずれか一つに記載の動吸振器。

8 . 磁界発生体は、 導電体の中央部において磁界を発生 する よ う にギヤ ッ プをも っ て対向する互いに異なる極性の 一対の磁極を生じ させる永久磁石を具備している請求の範 囲 7 に記載の動吸振器。

9 . 設置される構造物の固有振動数に同調されている請 求の範囲 1 か ら 8 のいずれか一つに記載の動吸振器。

1 0 . 請求の範囲 1 か ら 9 のいずれか一つに記載の動吸振 器を複数個有してお り 、 少なく と も一つの動吸振器の重錘 に対する 固有振動数は、 他の動吸振器の重錘に対する固有 振動数と異なっ ている動吸振装置。

11. 少な く と も一つの動吸振器の重錘の質量は、 他の動 吸振器の重錘の質量と異なっ ている請求の範囲 10に記載の 動吸振装置。

12. 少な く と も一つの動吸振器のばね定数は、 他の動吸 振器のばね定数と異なっ ている請求の範囲 10又は 11に記載 の動吸振装置。

13. 少な く と も一つの動吸振器の減衰係数は、 他の動吸 振器の減衰係数と異なっ ている請求の範囲 10か ら 12のいず れか一つ に記載の動吸振装置