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JPWO2012017922A1 - 細胞観察用デバイス,細胞観察方法および細胞観察用システム - Google Patents

細胞観察用デバイス,細胞観察方法および細胞観察用システム Download PDF

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淳吾 荒木
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Abstract

[課題]本発明は、採取した血液や体液などの検体に含まれるすべての細胞を、細胞同士が重ならないようにかつ簡便に顕微鏡観察できる細胞観察用デバイス,細胞観察方法および細胞観察用システムを提供することを目的とする。[解決手段]少なくとも、超親水性の表面を有することを特徴とする細胞観察用デバイス。

Description

本発明は、超親水性の表面を有する細胞観察用デバイス,細胞観察方法および細胞観察用システムに関する。
悪性腫瘍(がん)の診断の一つとして、または腫瘍が局在性か転移性かを識別するための方法として、血液検査が挙げられる。腫瘍細胞は、顕微鏡下での観察、すなわち検鏡によって形態から鑑別されるが、病期(ステージ)に関わらず、がん患者から採取した血液10mL当りに含まれる腫瘍細胞は10個程度と極めて少ない。
非特許文献1,2には、その器材表面に超親水性のポリマーが共有結合によって固定化されている超低付着性細胞培養器材が開示されている。この器材を用いて足場依存性細胞(具体的には、ヒトES細胞およびマクロファージ)を培養した結果、ES細胞は胚様体を形成し、マクロファージは器材表面に付着せずに凝集体を形成したことが示されている。
ここで超親水性とは、水との接触角が一般的に10度以下〜ゼロに近い表面の性質をいう。
また、特許文献1,2には、分析に用いられる分子や糖鎖化合物が接触する表面に高い親水性ポリマーまたは超親水性材料をコーティングすることによって、分析に用いられる分子(具体的には、アルブミン,トランスフェリン,イムノグロブリン等)や糖鎖化合物(具体的には、糖蛋白質としてエリトロポイエチン,糖鎖としてコンドロイチン硫酸)の、超親水性の表面への吸着が抑制される免疫分析用容器および実験器具がそれぞれ提案されている。特許文献1において、高い親水性ポリマーがコーティングされた表面の水との接触角は、30度以下(高い親水性)、さらに1度以下(超親水性)とすることが好ましい旨記載されており、一方、特許文献2には、超親水性材料がコーティングされた表面の水との接触角として0度が好ましいことが記載されている。
しかしながら、これら先行技術文献にはいずれも、細胞を観察する、特に単一の細胞のプロファイルを詳細に観察するという用途において、超親水性材料でコーティングされたデバイスが好適な物となり得ることは一切記載も示唆もされていない。
特開2005−099040号公報 特開2004−275862号公報
CellSeed(コスモバイオ株式会社),"超低付着性細胞培養器材・ハイドロセル",[online],2006年3月1日,[平成22年1月18日検索],インターネット<URL:http://search.cosmobio.co.jp/cosmo#search#p/search#gate2/docs/CSI#/CS2014.20060906.pdf> CellSeed,"HydroCell(登録商標) 超低付着性細胞培養器材",[online],[平成22年1月18日検索],インターネット<URL:http://www.cellseed.com/product/img/CellSeed#brochure01#14.pdf>
本発明は、採取した血液や体液などの検体に含まれるすべての細胞を、細胞同士が重ならないようにかつ簡便に顕微鏡観察できる細胞観察用デバイス,細胞観察方法および細胞観察用システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、超親水性の表面に細胞懸濁液を添加するだけで、細胞同士が重ならずに単層に展開できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の細胞観察用デバイスは、少なくとも、超親水性の表面を有することを特徴とする。
超親水性の表面に露出している正電荷および負電荷のうち、正電荷の方が多いことが好ましい。
超親水性の表面の少なくとも一部に、直径が1μm以上100μm以下である細胞を内包することができる凸部および/または凹部を1以上有することが好ましい。
超親水性の表面の接触角は、該超親水性の表面以外の接触角より20度以上小さいことが好ましい。
本発明の細胞観察方法は、本発明の細胞観察用デバイスの超親水性の表面上に、細胞懸濁液を添加し、細胞を展開させることを特徴とする。
細胞懸濁液をスプレー噴霧によって添加することが好ましい。
細胞懸濁液は、癌細胞を含んでいてもよい。
また、本発明の細胞観察用システムは、本発明の細胞観察用デバイスと;該デバイスの超親水性の表面上に展開された細胞を検出および/または計数する装置とを含むことを特徴とする。
本発明は、多数の細胞を含む細胞懸濁液を添加(スプレー噴霧,滴下など)するだけで、細胞同士が重ならずにすべての細胞に単層に展開できる細胞観察用デバイス,細胞観察方法および細胞観察用システムを提供することができる。
図1は、本発明の細胞観察用デバイス(10)が有する超親水性の表面(1)上に細胞懸濁液(3)を添加(A)することによって、該表面(1)上に細胞(2)が展開(B)される一態様を模式的に示した図である。 図2は、実施例2の結果を示すものであって、実施例1で製造した細胞観察用デバイスの超親水性処理を施した表面上に定着させた細胞を、位相差顕微鏡を用いて撮影した画像を示す。 図3は、実施例4の結果を示すものであって、実施例3で製造した細胞観察用デバイスの超親水性処理を施した表面上に定着させた細胞を、蛍光顕微鏡を用いて撮影した画像を示す。 図4は、比較例1の結果を示すものであって、実施例2において、細胞観察用デバイスの代わりに細胞スライドガラス(サーモフィッシャー社製の「スーパーフロストプラススライドグラス」を用いた以外は実施例2と同様にして細胞展開し、位相差顕微鏡を用いて撮影した画像を示す。 図5は、比較例2の結果を示すものであって、実施例3で用いた細胞観察用デバイスの表面に対して超親水性処理を施さずに、その表面上に定着させた細胞を、蛍光顕微鏡を用いて撮影した画像を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。
<細胞観察用デバイス>
本発明の細胞観察用デバイスは、少なくとも、超親水性の表面を有することを特徴とし、細胞を観察することに好適である。
(デバイス)
本発明の細胞観察用デバイスに用いるデバイスは、少なくとも平面状に展開できる表面(部位)を有すればよく、その部位はガラス製であっても、またポリスチレン〔PS〕,ポリプロピレン〔PS〕,ポリカーボネート〔PC〕,シクロオレフィンポリマー〔COP〕などのプラスチック製であってもよい。
ガラス製のデバイスは、市販品として、松浪硝子工業(株)製の「大型スライド白縁磨 No.1」,ショット日本(株)製の「BK7」(屈折率〔nd〕1.52)および「LaSFN9」(屈折率〔nd〕1.85),(株)住田光学ガラス製の「K−PSFn3」(屈折率〔nd〕1.84),「K−LaSFn17」(屈折率〔nd〕1.88)および「K−LaSFn22」(屈折率〔nd〕1.90),ならびに(株)オハラ製の「S−LAL10」(屈折率〔nd〕1.72)などが、光学的特性の観点から好ましい。
また、デバイスは、無色透明であっても、光を通さない黒色不透明であってもよいが、顕微鏡下で観察する際、該顕微鏡が明視野顕微鏡である場合、透明かつ自家蛍光が小さいことが好ましく、該顕微鏡が暗視野顕微鏡(例えば、落射式蛍光顕微鏡など)である場合、黒色不透明であることが好ましい。
デバイスの大きさや厚さなども、顕微鏡下で観察できるものであれば特に限定されるものではない。
デバイスの表面(部位)には、顕微鏡で観察する場合に好適なグリッド線,ルーラーなどが付されていてもよい。
本発明で用いるデバイスは、その超親水性の表面の少なくとも一部に、直径が1μm以上100μm以下である細胞を内包することができる凸部および/または凹部を1以上有することが好ましい。凸部は細胞を内包するための区画を生み出すことができる。凸部および凹部ともに、細胞を内包することができれば、その形状は特に限定されるものではない。デバイスが、その表面に、区画を生み出す凸部、および凹部を有すると、1個の細胞または複数個の細胞が凝集したものがそれに嵌り易く、細胞が該表面に接着するための足場となり得るため好適である。
(超親水性処理)
本発明の細胞観察用デバイスの表面の少なくとも一部は、超親水性処理を施されている。
超親水性処理を施された表面の水との接触角は、通常10度以下、好ましくは8度以下、より好ましくは2〜4度である。
また、本発明の細胞観察用デバイスの表面のうち、超親水性処理を施された一部の表面の水との接触角は、該超親水性の表面以外の水との接触角より20度以上、好ましくは25度以上小さいことが好ましい。すなわち、本発明の細胞観察用デバイスの表面は、超親水性部位と疎水性部位とによってパターニングされていることが好ましい。このようなパターニングとしては、例えば、超親水性表面中に疎水性部が均等のピッチで配置されている態様などが挙げられる。この態様において、該疎水性部の形状は特に限定されないが略円状であることが好ましく、その大きさは、白血球細胞wbc(および稀少細胞)1個程度が好ましく、直径10〜35μmがより好ましい。隣接する疎水性部の間隔は0〜20μmが好ましい。超親水性の表面がこのようにパターニングされていることによって、細胞を展開させた際、細胞のバラツキ度がより均等になるため好ましい。
超親水性処理として、例えば、超親水性を有するポリマー(以下「超親水性ポリマー」ともいう。)でデバイス表面を被覆する処理が挙げられる。
このような超親水性ポリマーとしては、例えば、カルボキシル基,水酸基などの親水基を有するポリマーであれば特に限定されないが、ポリメタクリル酸,(メタ)メタクリル酸−アルキルメタアクリレート共重合体,ポリヒドロキシアルキルメタクリレート(例えばポリヒドロキシエチルメタクリレート),ヒドロキシアルキルメタクリレート−アルキルメタクリレート共重合体,ポリオキシアルキレン基含有メタクリレート重合体またはこれを含む共重合体,ポリビニルピロリドン,エチレン−ビニルアルコール共重合体,(2−メタクリロイルオキシエチルホスホコリン)重合体〔MPC〕またはこれを含む共重合体(生体材料,9巻,6号,1991年)またはリン脂質・高分子複合体(特開平5−161491号公報および特開平6−46831号公報)などが挙げられる。
中でも、ポリヒドロキシケイ素含有化合物が好ましく、例えば、テトラエトキシシランまたはテトラメトキシシランを原料として加水分解して得られた化合物などが挙げられる。また、必要に応じて、ポリヒドロキシケイ素含有化合物に無機物または樹脂などを混合して用いることもできる。ポリヒドロキシケイ素含有化合物の市販品としては、例えば、NL110A,SIT8189,SIT8402,SIT8415,SSP060(Gelest),KBM503およびKBM1402(信越化学工業(株)製)、ビストレイター(日本曹達(株)製)、フレッセラR(パナソニック電工(株)製)などが好ましい。
上記超親水性ポリマーのうち、ポリヒドロキシアルキルメタクリレート,ポリオキシC2−C4アルキレン基含有メタクリレート重合体またはこれを含む共重合体,(2−メタクリロイルオキシエチルホスホコリン)重合体またはこれを含む共重合体,リン脂質・高分子複合体,あるいはポリビニルピロリドンを用いると、得られたデバイス表面の水との接触角が4度以下の超親水性となるから好ましい。
他の超親水性処理として、一度ポリスチレン等の成形に適した材料で成形したデバイスの表面に水酸基,カルボキシル基を導入して超親水性を付与することもできる。成形性を重視して、例えば、ポリスチレン,ポリプロピレンのような非特異的吸着しやすい材料を用いる場合には、プラズマ暴露によるカルボキシル基,カルボニル基および/または水酸基を導入する方法;透明性を重視して、ポリメチルメタクリレートなどを用いる場合であれば、アルカリによる表面部分加水分解によってカルボキシル基を導入する方法などの表面改質により、デバイスの表面を超親水性にすることができる。
また、これら超親水性ポリマーでデバイスそのものを成形することもできる。
(正電荷)
本発明の細胞観察用デバイスの表面に露出している正電荷および負電荷のうち、正電荷の方が多いことが好ましい。すなわち、該表面上の電荷が正に偏っていると、細胞が適度に分散した後に吸着し易いため好適である。
該表面上に正電荷を多く付与する方法としては、例えば、下記(a)〜(e)などの方法が挙げられる。
(a)上記超親水性ポリマーのうち正電荷をより多く含む化合物、または該超親水性ポリマーポリマーに正電荷を有する低分子化合物を混入し、該表面を被覆する方法;
(b)超親水性表面に対して、コロナ放電を行う(超親水性を損なうことなく正電荷を容易に付与することができる)方法;
(c)上記超親水性ポリマーとして、正電荷を有する材料を用いる方法;
(d)超親水性表面に、正電荷を有する材料を物理的または化学的に結合させて混在させることにより固定する方法;ならびに
(e)正電荷を有する材料を用いて、超親水性表面の最表面側および/またはデバイス側に正電荷を有する層構造(被膜)を設ける方法。(e)において、最表面側に被膜を形成する場合、該被膜が分子レベルの薄膜であったり、超親水性表面の特性を損なうことのない程度に表面が疎であったりする必要がある。
上記「正電荷を有する材料」のうち、正電荷を付与する無機物材料の例としては、アルミナゾル,チタニアゾルなどを挙げることができ、一方、正電荷を付与する有機物材料として一般的なのは、塩基性の窒素化合物、例えば、アミン系の化合物である。
このアミン系の化合物としては、例えば、3級のアミン化合物であってもよく、または脂肪族アミン(例えば、ジメチルエタノールアミン,ジエチルエタノールアミン,ジエタノールアミン,メチルジエタノールアミン,ジエチルラウリルアミン等)や、ヘテロ環アミン(例えば、N−エチルイミダゾール等)などであってもよい。その他、カチオン性多糖類,塩基性アミノ酸残基(例えば、リジン,アルギニン,アスパラギン,グルタミン)などを挙げることができる。または、これらを高分子化したポリアリールアミン,ポリアミン,ポリイミン,ポリリジン等であってもよい。あるいは、正電荷を有する材料をポリアルキレングリコールのような超親水性材料の一部に修飾してもよい。
上記「3級のアミン化合物」は、中性から酸性でその効果を発揮するpH感受性だが、さらに硫酸ジメチル,硫酸ジエチル,ハロゲン化アルキルなどで4級化した4級カチオン(例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド,テトラメチルグアニジン,ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド等)はpHに関わらず超親水性を有するので性能的には有利となる。しかしながら、4級カチオン構造は、親水性が強すぎるため水溶性、耐水性に劣ることから、被膜または超親水性表面の一部にグラフトして用いることが好ましい。
<細胞観察方法>
本発明の細胞観察方法は、図1に示すように、本発明の細胞観察用デバイス(10)の超親水性の表面(1)上に細胞懸濁液(3)を添加し、細胞を展開させることを特徴とする。該表面(1)上に細胞懸濁液(3)を添加すると、細胞は該表面(1)上で容易に分散し、単層に展開することによって細胞同士が重なりにくい。さらに、該細胞が単層に分散した状態のまま、所定の時間内に該表面(1)上に付着するので、細胞観察に好適である。
(細胞懸濁液)
検体である細胞懸濁液は、本発明の細胞観察方法による検出対象となる種々の試料(サンプル)を指し、細胞を含みかつ該細胞が溶液中に懸濁しているものをいう。
細胞懸濁液としては、例えば、血液(血清・血漿),尿,鼻孔液,唾液,便,体腔液(髄液,腹水,胸水等)などが挙げられ、これらをそのまま用いて細胞懸濁液としてもよく、また所望する溶媒,緩衝液等に適宜希釈して細胞懸濁液としてもよい。
このような細胞懸濁液のうち、血液,血清,血漿,尿,鼻孔液および唾液が好ましく、特に、癌細胞を含むことが好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
(添加方法)
本発明の細胞観察用デバイスの超親水性の表面に細胞懸濁液を添加する方法としては、単に滴下であっても、スプレー噴霧であってもよい。1または複数個の細胞を含有するピコリットルレベルの小さい液滴にでき、細胞をより単層に分散させ易いという観点からは、スプレー噴霧が好ましい。
<細胞観察用システム>
本発明の細胞観察用システムは、本発明の細胞観察用デバイスと;該デバイスの超親水性の表面上に展開された細胞を検出および/または計数する装置とを含むことを特徴とし、好ましくは該デバイスの超親水性の表面上に細胞を添加する装置も含むことができる。
細胞を検出する装置としては、例えば、各種顕微鏡が挙げられ、細胞を計数する装置としては、例えば、ヤマト科学(株)製の「細胞死別判別システム D/Aセルカウンター」,ミリポア社製の「Scepter Handheld Cell Counter」などが挙げられる。
例えば、本発明の細胞観察用システムと、細胞懸濁液として血液検体と、特定の癌細胞に対する抗体(適宜蛍光色素等により標識されている。)とを用いることによって、特定の癌細胞の有無(有の場合はその細胞数)を高感度かつ高精度で検出することができる。この結果から、触診などによって検出することができない前臨床期の非浸潤癌(上皮内癌)の存在も高精度で予測することができる。
このようなシステムとしては、上記のデバイスと装置以外に、具体的に、検体を溶解または希釈するための溶解液または希釈液;特定の細胞を検出するための各種反応試薬および洗浄試薬;抗体に蛍光色素等を固定化するための各種試薬(例えば、水溶性カルボジイミド(EDC等),N−ヒドロキシコハク酸イミド〔NHS〕等)なども含み、本発明の細胞観察方法を実施するために必要とされる各種器材または資材を含めることもできる。
さらに、該システムは、検量線作成用の標準物質,説明書,多数検体の同時処理ができるマイクロタイタープレートなどの必要な器材一式などを含んでもよい。
次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[実施例1](細胞観察用デバイスの製造)
縦76cm×横52cm×厚さ0.8〜1.0mmの大きさを有するガラス板(松浪硝子工業株式会社製の「大型スライド白縁磨 NO.1」)の一方の表面に、超親水性ポリマーである「フレッセラR」(パナソニック電工(株)製)1mL中に1mgのテトラエチルアンモニウムクロライドを混合後スピンコータでコーティングして細胞観察用デバイスを製造した。コーティングの条件は、3000rpmで10秒間であった。超親水性ポリマーがコーティングされたデバイス表面の水との接触角は3〜4度であった。
[実施例2](細胞観察方法の実施)
実施例1で得られた細胞観察用デバイスの超親水性処理を施した表面に細胞懸濁液(PBSにJurkat細胞を懸濁した。)100μLをピペットで滴下した。
該デバイスの超親水性表面により濡れ広がった細胞懸濁液を、空気中のホコリが付かないよう安全キャビネット内にて30分間乾燥させることによって、該デバイス表面上に定着させた。
定着した細胞を位相差顕微鏡下で観察した結果、細胞は単層かつ重ならずに観察された(図2に示す)。
[実施例3](細胞観察用デバイスの製造)
直径が15μmである、Nunc社製の「LiveCell Array(商標)」の微小ウェル構造部分(水との接触角は20〜30度)を取り外し、実施例1で用いたのと同様のガラス板に貼り付け後、「フレッセラR」をスピンコータでコーティングして細胞観察用デバイスを製造した。
[実施例4](細胞観察方法の実施)
実施例3で得られた細胞観察用デバイスに対して、DAPI染色済みJurkat細胞のPBS懸濁液を100μL滴下し、細胞を該デバイス表面上に定着させ、蛍光顕微鏡下で観察した。観察した結果、細胞は単層かつ重ならずに観察された(図3に示す)。
[比較例1](従来のスライドガラスを用いた細胞観察方法の実施)
実施例2において、細胞観察用デバイスの代わりに細胞スライドガラス(サーモフィッシャー社製の「スーパーフロストプラススライドグラス」;水との接触角は20〜30度)を用いた以外は実施例2と同様にして細胞展開し、位相差顕微鏡下で観察した。
その結果、図4に示すように、細胞が単層ではなく、重なって観察された。図4中、細胞は丸で表され、それらのうち輪郭が明確でないものは焦点が合っていない細胞であり、これによって、深さ方向で重なりがあることがわかる。
[比較例2](超親水化未処理の「LiveCell Array」を用いた細胞観察方法の実施)
実施例3において、Nunc社製の「LiveCell Array(商標)」をコーティングしなかった以外は実施例4と同様にして細胞展開し、蛍光顕微鏡下で観察した。
その結果、図5に示すように、細胞が集積し重なった領域と細胞がほとんどない領域とが観察された。
本発明の細胞観察用デバイスを用いて細胞観察方法を実施した場合、細胞懸濁液が、例えば、被験者から採血した血液(10mL)である場合、該血中に含まれる癌細胞が10個未満であっても、本発明の細胞観察用デバイスによって癌細胞を容易に検出することができるため好ましい。
1・・・・・・超親水性の表面
2・・・・・・細胞
3・・・・・・細胞懸濁液
10・・・・・・細胞観察用デバイス
A・・・・・・添加
B・・・・・・展開

Claims (8)

  1. 少なくとも、超親水性の表面を有することを特徴とする細胞観察用デバイス。
  2. 超親水性の表面に露出している正電荷および負電荷のうち、正電荷の方が多い請求項1に記載の細胞観察用デバイス。
  3. 超親水性の表面の少なくとも一部に、直径が1μm以上100μm以下である細胞を内包することができる凸部および/または凹部を1以上有する請求項1または2に記載の細胞観察用デバイス。
  4. 超親水性の表面の接触角が、該超親水性の表面以外の接触角より20度以上小さい請求項1〜3のいずれか一項に記載の細胞観察用デバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞観察用デバイスの超親水性の表面上に、細胞懸濁液を添加し、細胞を展開させることを特徴とする、細胞を観察する方法。
  6. 細胞懸濁液をスプレー噴霧によって添加する請求項5に記載の細胞観察方法。
  7. 細胞懸濁液が、癌細胞を含む請求項5または6に記載の細胞観察方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞観察用デバイスと;
    該デバイスの超親水性の表面上に展開された細胞を検出および/または計数する装置とを含むことを特徴とする細胞観察用システム。
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