Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JPWO2011142224A1 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011142224A1
JPWO2011142224A1 JP2012514746A JP2012514746A JPWO2011142224A1 JP WO2011142224 A1 JPWO2011142224 A1 JP WO2011142224A1 JP 2012514746 A JP2012514746 A JP 2012514746A JP 2012514746 A JP2012514746 A JP 2012514746A JP WO2011142224 A1 JPWO2011142224 A1 JP WO2011142224A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
storage material
ventilation
air conditioner
ventilation channel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2012514746A
Other languages
English (en)
Inventor
長野 秀樹
秀樹 長野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Valeo Japan Co Ltd
Original Assignee
Valeo Japan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Valeo Japan Co Ltd filed Critical Valeo Japan Co Ltd
Publication of JPWO2011142224A1 publication Critical patent/JPWO2011142224A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00492Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices comprising regenerative heating or cooling means, e.g. heat accumulators
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00007Combined heating, ventilating, or cooling devices
    • B60H1/00021Air flow details of HVAC devices
    • B60H1/00028Constructional lay-out of the devices in the vehicle

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

本発明は、蓄冷若しくは蓄温のいずれか一方又は両方を行う蓄熱材を備えた車両用空調装置に関し、車室内の温度調整を優先したいときは温度調整を阻害しないとともに、蓄冷又は蓄温した熱を放冷又は放熱するときには、確実に放冷又は放熱できる構成を提供することを目的とする。本発明に係る車両用空調装置100は、送風空気の通気流路に、ブロワ1と熱交換器3,4とを備えた車両用空調装置において、通気流路は、熱交換器の下流で第1通気流路6eと第2通気流路6f,6gとに分岐し、第1通気流路と第2通気流路とを切り換えることが可能な可変ガイド41,42を備え、第2通気流路は、蓄熱材11,12を備え、蓄熱材を配置した下流にて第1通気流路と第2通気流路とが合流するよう構成したことを特徴とする。

Description

本発明は、蓄熱材を備えた車両用空調装置に関する。
従来、低熱源又は省動力の車両に搭載する空調装置に蓄冷材又は蓄温材(以下、総じて、蓄熱材と称すこともある。)を設け、内燃機関(以下、エンジンと称すこともある。)が停止した時でも一定時間の冷房又は暖房を行い、乗員の快適性を損なわない工夫が行われている(例えば、特許文献1、2又は3を参照。)。
特許文献1は、空調装置のユニットの内部やダクトの途中の送風空気の流れ方向が曲げられる部位に蓄熱ブロックを配置し、近傍にドアを配置して制御することで、蓄熱ブロックに蓄熱を促進する又は放熱を促進する技術を開示したものである。通気性を備えた蓄熱ブロックを利用することで、それまでよりも大容量の熱を貯留することができ、配管や熱交換器などの設置の必要も無いので、安価に省スペースでの蓄熱又は蓄冷を行うことができるとしている。
特許文献2には、冷房用熱交換器の下流に蓄冷器を設け、前記冷房用熱交換器を通過した冷風により蓄冷器を冷却させ、蓄冷器に蓄えられた冷熱を放出して冷房に利用する技術が開示されている。
特許文献3には、冷房装置に加えて、蓄冷器を備え、蓄冷器に蓄えられた冷熱を放出して冷房に利用する技術が開示されている。
特開2008−265700号公報 特開2002−337537号公報 特開平06−211029号公報
しかし、特許文献1に記載された構成では、例えば、車室内を最大能力で暖房しようとした場合でも、温風が蓄熱ブロックに接触してしまうので、熱の一部が蓄熱ブロックに貯留されることになり、早期暖房が阻害されるおそれがある。また、蓄熱ブロックに送風空気が接触するために、騒音が発生するおそれもある。そして、蓄熱ブロックから熱を放出したい場合でも、ユニット内の風が蓄熱ブロックとユニット内との両方を通過するよう構成されているので、通気抵抗の高い蓄熱ブロックに風が通りにくく、所望する放熱性能が得られないおそれがある。
特許文献2に記載された構成では、フルクール時にも蓄冷されるため、冷房能力が阻害される。
特許文献3に記載された構成では、冷房装置の外部に蓄冷器を設けたため、配管など装置が複雑になる。また、装置が高価になり、一般車に適用することが困難である。
本発明は、蓄冷若しくは蓄温のいずれか一方又は両方を行う蓄熱材を備えた車両用空調装置に関し、車室内の温度調整を優先したいときは温度調整を阻害しないとともに、蓄冷又は蓄温した熱を放冷又は放熱するときには、確実に放冷又は放熱できる構成を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明に係る車両用空調装置は、送風空気の通気流路に、ブロワと熱交換器とを備えた車両用空調装置において、前記通気流路は、前記熱交換器の下流で第1通気流路と第2通気流路とに分岐し、前記第1通気流路と前記第2通気流路とを切り換えることが可能な可変ガイドを備え、前記第2通気流路は、蓄熱材を備え、該蓄熱材を配置した下流にて前記第1通気流路と前記第2通気流路とが合流するよう構成したことを特徴とする。
本願発明に係る車両用空調装置は、アイドリングストップ車又はハイブリッド車の車両用空調装置であることが好ましい。アイドリングストップ車の車両用空調装置として使用する場合には、アイドリングストップ時においても車室内の快適性を維持することができる。ハイブリッド車の車両用空調装置として使用する場合には、停車してエンジンが停止した時でも、電力でコンプレッサ、ウォーターポンプなどの熱交換器へ熱媒体を循環させる補機を稼動する必要がなく、車室内の快適性を維持することができる。
本願発明に係る車両用空調装置では、さらに、前記可変ガイドの位置を制御する制御手段を備え、該制御手段は前記ブロワの稼動又は停止の情報と、前記熱交換器への熱媒体を循環させる補機の稼動又は停止の情報と、に基づいて前記可変ガイドを制御することが好ましい。蓄熱材に蓄熱された熱を放熱すべきか、判断することができる。
本願発明に係る車両用空調装置では、前記制御手段は、車室内の空調を優先するときは、前記可変ガイドへ前記第1通気流路を開、前記第2通気流路を閉とする信号を出力することが好ましい。熱交換器で得た冷風又は温風が、蓄冷材又は蓄温材を通過しないため、効率的に温度調整をすることができる。また、低騒音とすることができる。
本願発明に係る車両用空調装置では、前記制御手段は、前記ブロワが稼動状態であるとの情報及び前記補機が停止状態であるとの情報が入力されたときは、前記可変ガイドへ前記第1通気流路を閉、前記第2通気流路を開とする信号を出力することが好ましい。前記補機が停止し、熱交換器への熱媒体の供給が停止しても、蓄熱材に蓄熱された熱を有効に利用して車室内の快適性を維持することができる。また、送風量が少ないときでも、蓄熱材に確実に送風することができるため、より効率的に蓄熱材に蓄熱された熱を利用することができる。
本願発明に係る車両用空調装置では、前記制御手段は、蓄冷又は蓄温するときは、前記可変ガイドへ前記第1通気流路を開、前記第2通気流路を開とする信号を出力することが好ましい。通気流路を、蓄熱材を通過する流路と蓄熱材を通過しない流路との両方とすることで、蓄熱と温度調整とを同時に行うことができ、空調効率を向上させることができる。
本願発明に係る車両用空調装置は、前記熱交換器をエバポレータとし、前記蓄熱材を蓄冷材とし、前記補機をコンプレッサとする冷房用装置である形態を含む。
本願発明に係る車両用空調装置は、前記熱交換器をヒーターコアとし、前記蓄熱材を蓄温材とし、前記補機をウォーターポンプとする暖房用装置である形態を含む。
本願発明に係る車両用空調装置では、前記蓄熱材は、着脱可能に配置されていることが好ましい。地域の気候に応じて、蓄冷材若しくは蓄温材のいずれか一方又は両方を適宜配置したり、様々な車種に転用したり、設計対応力が高くなる。また、大量生産が可能となる。さらに、メンテナンスがしやすくなる。
なお、上記構成は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明は、蓄冷若しくは蓄温のいずれか一方又は両方を行う蓄熱材を備えた車両用空調装置に関し、車室内の温度調整を優先したいときは温度調整を阻害しないとともに、蓄冷又は蓄温した熱を放冷又は放熱するときには、確実に放冷又は放熱できる構成を提供することができる。
本実施形態に係る車両用空調装置の一例の構造概要を説明するための概略断面図である。 車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、冷房時に車室内の空調を優先する場合の形態である。 車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、冷房時に蓄冷材に蓄冷した熱を放冷する場合の形態である。 車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、冷房時に蓄冷材に蓄冷する場合の形態である。 車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、暖房時に車室内の空調を優先する場合の形態である。 車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、暖房時に蓄温材に蓄温した熱を放熱する場合の形態である。 車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、暖房時に蓄温材に蓄温する場合の形態である。 ロータリドア型の可変ガイドを説明するための図であり、(a)は構成物品ごとの分解図を示し、(b)は組み立てた状態を示す図を示す。 ロータリドア型の可変ガイドの構造を説明するための図であり、(a)は車室内の空調を優先する場合の開閉状態、(b)は蓄熱材に蓄熱した熱を放熱する場合の開閉状態、(c)は蓄熱材に蓄熱する場合の開閉状態である。 車両用空調装置の制御法の一例を示したフローチャートである。
以下、添付の図面を参照して本発明の一態様を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
図1は、本実施形態に係る車両用空調装置の一例の構造概要を説明するための概略断面図である。本実施形態に係る車両用空調装置100は、送風空気の通気流路6a,6b,6c,6d,6eに、ブロワ1と熱交換器3,4とを備えた車両用空調装置100において、通気流路6a,6bは、熱交換器3,4の下流6c,6dで第1通気流路6eと第2通気流路6f,6gとに分岐し、第1通気流路6eと第2通気流路6f,6gとを切り換えることが可能な可変ガイド41,42を備え、第2通気流路6f,6gは、蓄熱材11,12を備え、蓄熱材11,12を配置した下流にて第1通気流路6eと第2通気流路6f,6gとが合流するよう構成する。
図1に示す車両用空調装置を用いて、空調装置の構造概要を説明する。車両用空調装置100は、通気流路を形成するケース9に、ブロワ1と、フィルタ2と、熱交換器3,4とを備える。さらに、熱交換器3,4の下流に蓄熱材11,12を備える。
ブロワ1は、ファン(不図示)と、駆動用モータ(不図示)とを備える。ブロワ1は、送風空気の通気流路6a,6b,6c,6d,6e,6fに設けられ、駆動用モータ(不図示)の駆動によってファン(不図示)が回転することで、通気流路中の空気流れ21,22,23,24,25を形成する。駆動用モータ(不図示)の回転数を変化させることによって、風量を調整することができる。本実施形態は、駆動モータの回転数を制御する方式に制限されない。また、ブロワ1の方式は、シロッコファン、ターボファンなどの遠心式、軸流式、貫流式が例示でき、本実施形態では限定されない。
フィルタ2は、空気を浄化する役割をもつ。フィルタ面が覆われないようにフィルタ枠を固定するフィルタ枠に、集塵フィルタと脱臭フィルタとを組み合わせて配置することが好ましい。また、フィルタ2は、ブロワ1の上流に設置してもよい。本実施形態は、フィルタの種類又は位置によって限定されない。
熱交換器3,4は、エバポレータ3とヒーターコア4とがある。
エバポレータ3は、空気流れ22の空気を吸熱して冷却する吸熱器であり、空調の冷凍サイクルを構成する。冷凍サイクルは、少なくとも、気化状態の冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサ(不図示)と、コンプレッサから吐出された冷媒を冷却し冷媒を凝縮するコンデンサ(不図示)と、コンデンサで凝縮した冷媒を絞り作用により気液混合体にする膨張弁(不図示)と、膨張弁で気液混合体となった冷媒の蒸発熱により空気を冷却除湿するエバポレータ3とを備える。エバポレータ3の種類及び構造は、本実施形態では限定されない。また、本実施形態は、冷凍サイクルの方式によって限定されない。
ヒーターコア4は、空気流れ23の空気を加熱する加熱器である。ウォーターポンプ(不図示)によって循環されるエンジン冷却水などの暖められた液状熱媒体と冷たい空気とを熱交換する。なお、ヒーターコア4の種類及び構造は、本実施形態では限定されない。液状熱媒体の成分も本実施形態では限定されない。
蓄熱材は、蓄冷材11と蓄温材12とを包含する。ここで、蓄熱とは、暖かい熱を蓄えることのみならず、冷たい熱を蓄えることも含む。すなわち、本実施形態に係る車両用空調装置100は、蓄温材12に暖かい熱を蓄えて車室内暖房に用いる形態と蓄冷材11に冷たい熱を蓄えて車室内冷房に用いる形態との双方を包含する。蓄熱材、すなわち蓄冷材11及び蓄温材12の種類は、相変化に伴う熱を利用した潜熱蓄熱材、化学反応熱を利用した化学蓄熱材、比熱を利用した顕熱蓄熱材を例示することができる。本実施形態では、蓄熱材の種類は、特に限定されず、所望の蓄熱温度、蓄熱密度などの使用条件に応じて適宜選択することができる。潜熱蓄熱材は、例えば、パラフィン類、塩化カルシウム水和物、硫酸ナトリウム水和物、チオ硫酸ナトリウム水和物、酢酸ナトリウム水和物が挙げられる。化学蓄熱材は、可逆的な化学反応を利用したものであることが好ましい。例えば、酸化カルシウム及び水酸化カルシウムの水和・脱水反応が挙げられる。これは、酸化カルシウムが水和して水酸化カルシウムとなる時の水和発熱反応と水酸化カルシウムが脱水して酸化カルシウムになる時の脱水吸熱反応との可逆反応を利用したものである。顕熱蓄熱材は、例えば、水、煉瓦が挙げられる。
本実施形態に係る車両用空調装置100では、蓄熱材11,12は、着脱可能に配置されていることが好ましい。蓄熱材11,12の形態及び車両用空調装置への取り付け形態は、着脱可能であれば特に限定されない。蓄熱材11,12の形態は、例えば、蓄熱材料を容器に充填する形態、蓄熱材料を多孔質物質に含浸させる形態、蓄熱材料をブロック状に固める形態が例示できる。また、車両用空調装置100のケース9には、蓄熱材11,12を着脱するための開口部(不図示)を設けることが好ましい。このように、蓄熱材11,12を着脱可能に配置することで、温暖な気候の地域で使用する場合には、蓄冷材だけを配置したり、寒冷な気候の地域で使用する場合には、蓄温材だけを配置したり、日本のように温暖な気候と寒冷な気候とを有する地域で使用する場合には、蓄冷材と蓄温材との両方を配置したりすることができ、設計対応力が高くなる。また、様々な車種への転用が可能となり、蓄熱材を大量生産することができ、コストダウンを図ることができる。さらに、定期交換などメンテナンスが容易になる。
図1の車両用空調装置100では、熱交換器としてエバポレータ3とヒーターコア4とを備えているが、本実施形態では、熱交換器としてエバポレータ3又はヒーターコア4のいずれか一方を備えていればよい。
図1を用いて、車両用空調装置100の動作の概要を説明する。
ブロワ1は、車外から外気を取り入れるために車外に設置された外気吸気口(不図示)と車室内の空気を循環させるために車室内に設置された内気循環用吸入口(不図示)とを切り換えるドアであるインクテークドア(不図示)の切り換えによって、内気、外気又は内外気混合空気を通気流路6a内に取り込まれた空気流れ21を吸気した後、下流へ吐出して空気流れ22を形成する。
ブロワ1から吐出された空気流れ22は、フィルタ2及びエバポレータ3を通過し、浄化及び冷却除湿された空気流れ23となり、ミックスドア40の切り換えによって、ヒーターコア4を通過しない空気流れ24とヒーターコア4を通過する空気流れ25とに分けられる。ヒーターコア4を通過しない空気流れ24は、冷風であり、ヒーターコア4を通過する空気流れ25は温風である。ミックスドア40の開閉角度によってヒーターコア4を通過しない空気流れ24とヒーターコア4を通過する空気流れ25との空気量を調整し、後に混合させることで空気の温度を調整することができる。
ヒーターコア4を通過しない空気流れ24は、エバポレータ3の下流6cで、第1通気流路6eと蓄冷材11が配置された第2通気流路6fとに分岐し、蓄冷材11の下流にて合流する。一方ヒーターコア4を通過する空気流れ25は、ヒーターコア4の下流6dで、第1通気流路6eと蓄温材12が配置された第2通気流路6gとに分岐し、蓄温材12の下流にて合流する。第1通気流路6e第2通気流路6f,6gとの切り換えは、可変ガイド41,42の開閉によって行われる。可変ガイド41,42の種類は、本実施形態では限定されず、例えば、板ドア型、フィルムドア型、ロータリドア型、スライドドア型である。可変ガイド41,42は、サーボモータなどの可変ガイド駆動装置(不図示)によって駆動される。
合流した空気流れ24,25は、デフロスタ(不図示)に通じる通気流路801、ベント(不図示)及びサイドベンド(不図示)に通じる通気流路802又はフット(不図示)に通じる通気流路803に送られ、車室内へ送風される。いずれの通気流路801,802,803に空気を送るか否かの切り換えは、例えば、モードドア43,44,45の開閉で行うことができる。なお、いずれの通気流路801,802,803に空気を送るか否かの選択は、乗員の要求、車室内の温度分布など各条件に応じて適宜選択可能である。
次に、図2、図3及び図4を用いて、冷房用装置として使用するときの本実施形態に係る車両用空調装置の動作について、更に具体的に説明する。
図2は、車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、冷房時に車室内の空調を優先する場合の形態である。ここで、本実施形態に係る車両用空調装置100では、冷房用装置として用いる場合は、熱交換器はエバポレータ3であり、蓄熱材は冷たい熱を蓄える蓄冷材11である。
車室内の空調を優先するときは、可変ガイド41を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6fを閉となる位置に移動する。車室内の空調を優先するときは、例えば、車室内が暑い時、乗員が早期冷房を要求しているフルクール時である。エバポレータ3を通過した空気流れ24は、第1通気流路6eだけを通過する。その後、例えば、ベント又はサイドベント(不図示)へ通じる通気流路802へ送られ、車室内のベント(不図示)又はサイドベント(不図示)から送風される。送風空気が蓄冷材11を通過すると、エバポレータ3で得た冷却された空気の熱が、蓄冷材11に貯留され、早期冷房が阻害されるところ、送風空気が、蓄冷材11が配置されていない第1通気流路6eだけを通過することで、効率的に早期冷房をすることができる。また、低騒音とすることができる。
図3は、車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、冷房時に蓄冷材に蓄冷した熱を放冷する場合の形態である。蓄冷材11の熱を放冷するときは、可変ガイド41を、第1通気流路6eを閉、第2通気流路6fを開となる位置に移動する。蓄冷材11の熱の放冷が必要なときは、例えば、コンプレッサ(不図示)が停止してエバポレータ3へ冷媒が循環せず、車室内の空調が快適性を維持できない場合である。エバポレータ3を通過した空気流れ24は、蓄冷材11が配置された第2通気流路6fだけを通過する。蓄冷材11を通過した空気流れ24aは、例えば、ベント又はサイドベント(不図示)へ通じる通気流路802へ送られ、車室内のベント(不図示)又はサイドベント(不図示)から送風される。コンプレッサ(不図示)が停止してエバポレータ3へ冷媒が循環しなくても、蓄冷材11の熱を放冷させることによって、車室内へ吹き出される空調空気の温度が上昇するのを防止し、快適な状態に維持することができる。また、送風空気を蓄冷材11が配置された第2通気流路6fだけを通過させることで、送風量が少ないときでも、蓄冷材11に確実に送風することができるため、より効率的に蓄冷材11に蓄冷された冷たい熱を利用することができる。
図4は、車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、冷房時に蓄冷材に蓄冷する場合の形態である。蓄冷材11へ蓄冷するときは、可変ガイド41を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6fを開となる位置に移動する。蓄冷材11へ蓄冷が可能なときは、例えば、乗員が早期の冷房を要求していない時であって、車室内の温度と空調の目標吹出温度とが近く、冷房能力に余力があるときである。エバポレータ3を通過した空気流れ24は、蓄冷材11が配置されていない第1通気流路6eと蓄冷材11が配置された第2通気流路6fとの両方を通過する。蓄冷材11を通過した空気流れ24aは、蓄冷材11の下流で、第1通気流路6eを通過した空気流れ24と合流する。その後、例えば、ベント又はサイドベント(不図示)へ通じる通気流路802へ送られ、車室内のベント(不図示)又はサイドベント(不図示)から送風される。送風空気を、蓄冷材11を通過しない第1通気流路6eと蓄冷材11を通過する第2通気流路6eとの両方に通過させることで、車室内の温度調整と蓄冷材11の蓄冷とを同時に行うことができる。
次に、図5、図6及び図7を用いて、暖房用装置として使用するときの動作について具体的に説明する。
図5は、車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、暖房時に車室内の空調を優先する場合の形態である。本実施形態に係る車両用空調装置100は、暖房用装置として用いる場合では、熱交換器はヒーターコア4であり、蓄熱材は暖かい熱を蓄える蓄温材12である。
車室内の空調を優先するときは、可変ガイド42を第1通気流路6eを開、第2通気流路6gを閉となる位置に移動する。車室内の空調を優先するときは、例えば、車室内が冷えている時、乗員が早期の暖房を要求しているフルホット時である。ヒーターコア4を通過した空気流れ25は、第1通気流路6eだけを通過する。その後、例えば、フット(不図示)へ通じる通気流路803へ送られ、車室内のフット(不図示)から送風される。送風空気が蓄温材12を通過すると、ヒーターコア4で得た暖かい空気の熱が、蓄温材12に貯留され、早期暖房が阻害されるところ、送風空気が、蓄温材12が配置されていない第1通気流路6eだけを通過することで、効率的に早期暖房をすることができる。また、低騒音とすることができる。
図6は、車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、暖房時に蓄温材に蓄温した熱を放熱する場合の形態である。蓄温材12の熱を放熱するときは、可変ガイド42を、第1通気流路6eを閉、第2通気流路6gを開となる位置に移動する。蓄温材12の熱を放熱するときは、例えば、ウォーターポンプ(不図示)が停止してヒーターコア4へ熱媒体が循環せず、車室内の空調が快適性を維持できない場合である。ヒーターコア4を通過した空気流れ25は、蓄温材12が配置された第2通気流路6gだけを通過する。蓄温材12を通過した空気流れ25aは、例えば、フット(不図示)へ通じる通気流路803へ送られ、車室内のフット(不図示)から送風される。ウォーターポンプ(不図示)が停止してヒーターコア4へ熱媒体が循環しなくても、蓄温材12の熱を放熱させることによって、車室内へ吹き出される空調空気の温度が低下するのを防止し、快適な状態に維持することができる。また、送風空気を蓄温材12が配置された第2通気流路6gだけを通過させることで、送風量が少ないときでも、蓄温材12に確実に送風することができるため、より効率的に蓄温材12に蓄熱された暖かい熱を利用することができる。
図7は、車両用空調装置の構造を説明するための概略断面図であり、暖房時に蓄温材に蓄温する場合の形態である。蓄温材12へ蓄温するときは、可変ガイド42を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6gを開となる位置に移動する。蓄温材12へ蓄温するときは、例えば、乗員が早期の暖房を要求していない時であって、車室内の温度と空調の目標吹出温度とが近く、暖房能力に余力があるときである。ヒーターコア4を通過した空気流れ25は、蓄温材12が配置されていない第1通気流路6eと蓄温材12が配置された第2通気流路6gとの両方を通過する。蓄温材12を通過した空気流れ25aは、蓄温材12の下流で、第1通気流路6eを通過した空気流れ25と合流する。その後、例えば、フット(不図示)へ通じる通気流路803へ送られ、車室内のフット(不図示)から送風される。送風空気を、蓄温材12を通過しない第1通気流路6eと蓄温材12を通過する第2通気流路6gとの両方に通過させることで、車室内の温度調整と蓄温材12への蓄温とを同時に行うことができる。
第1通気流路6eは、通気流路のうち中央部を通るメイン流路とし、第2通気流路6f,6gは、通気流路のうち中央部を避けたサブ流路とすることがより好ましい。このように第1通気流路6eと第2通気流路6f,6gとを形成することで、フルクール時又はフルホット時に送風量が多い場合でも、送風空気が抵抗を受けることなく流れることができ、かつ、蓄熱材11,12に接触しないため、低騒音とすることができる。また、蓄熱材11,12をデットスペースに配置することが可能となり、従来の車両用空調装置の構造を大きく逸脱せずに適用することができる。
以上のように、本実施形態に係る車両用空調装置は、送風空気を蓄熱材11,12に通過させるか否かを可変ガイド41,42の位置によって行うことで、車室内の温度調整を優先したいときは温度調整を阻害しないとともに、蓄熱できるときに蓄熱して放熱が必要なときに向けて備え、蓄冷又は蓄温した熱の放熱が必要なときには、確実に放熱できる構成を有する。
図1〜7では、可変ガイド41,42が、板ドア型の形態を例示しているが、本実施形態では、例えば、図8及び図9に示すロータリドア型の形態とすることができる。図8は、ロータリドア型の可変ガイドを説明するための図であり、(a)は構成物品ごとの分解図を示し、(b)は組み立てた状態を示す図を示す。図8に示すように、通風ガイド50は、略半円筒状であり、通気流路の下流側でケース9の内壁から上方に延びる出口側通風ガイド壁52と、通気流路の上流側に形成される通風入口53と通気流路の下流側に形成される通風出口54と、通風入口53と通風出口54との間に形成された入口側通風ガイド壁51と、を有する。ケース9には、蓄熱材13を着脱するための図示しない開口部が設けられており、蓄熱材13は、ケース9の内壁面上で、かつ、通風ガイド50と可変ガイド60との内側に配置される。蓄熱材13は、蓄冷材又は蓄温材のいずれであってもよい。可変ガイド60は、略半円筒状であり、回動軸63を中心として通風ガイド50の外周に沿って回動可能に配置され、かつ、通風ガイド50の通風入口53と通風出口54とを同時に開閉できる位置に常に一定の間隔を開けて連動する第一のドア壁61と第二のドア壁62とを有する。蓄熱材13は、スペースを有効に利用して蓄熱能力を増加させることができる点で、略半円筒状であることが好ましい。
図9は、ロータリドア型の可変ガイドの構造を説明するための図であり、(a)は車室内の空調を優先する場合の開閉状態、(b)は蓄熱材に蓄熱した熱を放熱する場合の開閉状態、(c)は蓄熱材に蓄熱する場合の開閉状態である。図9では、ケース9の内壁に固定された熱交換器80の下流に、蓄熱材13が配置されている。蓄熱材13は、通風ガイド50と可変ガイド60との内側に配置されている。ここで、熱交換器80は、エバポレータ又はヒーターコアのいずれであってもよい。熱交換器80上下方向の面のうち、ケース9の内壁に固定されていない側の面上からは、下流側の下方に向かって延びる庇部81が設けられている。庇部81は、図9(b)のように蓄熱材13に蓄熱した熱を放熱する場合において、可変ガイド60が全開の位置になるとき、第一のドア壁61のストッパー部61aを係止する。これによって、熱交換器80を通過した空気流れ70を、確実に蓄熱材13が配置された通気流路だけを通過させることができる。
車室内の空調を優先するときは、図9(a)のように、可変ガイド60の第一のドア壁61と第二のドア壁62とを、通風入口53と通風出口54とを閉鎖する位置に移動する。これによって、蓄熱材13は、通風ガイド50の入口側通風ガイド壁51及び出口側通風ガイド壁52と可変ガイド60の第一のドア壁61及び第二のドア壁62とによって完全に覆われるため、熱交換器80を通過した空気流れ70は、蓄熱材13を通過しない。すなわち、熱交換器80を通過して空気流れ70は、蓄熱材13が配置されていない第1通気流路だけを通過する。空気流れ70が、蓄熱材13を通過しないことで、効率的に早期に空調を調整することができる。
蓄熱材に蓄熱した熱を放熱するときは、図9(b)のように、可変ガイド60の第一のドア壁61と第二のドア壁62とを、通風入口53と通風出口54とを全開にする位置に移動する。これによって、熱交換器80を通過した空気流れ70は、通風入口53から入り、蓄熱材13を経由して、通風出口54から出てくる。すなわち、蓄熱材13が配置されている第2通気流路だけを通過する。これによって、送風量が少ないときでも、蓄熱材13に確実に送風することができるため、より効率的に蓄熱材13に蓄熱された熱を利用することができる。
蓄熱材に蓄熱するときは、図9(c)のように、可変ガイド60の第一のドア壁61と第二のドア壁62とを、通風入口53と通風出口54とを一部開放し、一部閉鎖する位置に移動する。これによって、熱交換器80を通過した空気流れ70は、蓄熱材13を通過しない空気流れ70と第1の通気流路と通風入口53から入り、蓄熱材13を経由して、通風出口54から出てくる空気流れ70aとに分岐する。すなわち、蓄熱材13を通過しない第1の通気流路と蓄熱材13を通過する第2の通気流路との両方を通過する。これによって、車室内の温度調整と蓄熱材13の蓄熱とを同時に行うことができる。
なお、図8及び図9において、可変ガイド60は、通風ガイド50の外周に沿って回動可能に配置されているが、本実施形態ではこれに限定されず、可変ガイド60が、通風ガイド50の内周に沿って回動可能に配置されてもよい。
次に、本実施形態に係る車両用空調装置100の制御法について説明する。
本実施形態に係る車両用空調装置では、可変ガイド41,42の切り換えは、ブロワ1の稼動又は停止の情報と熱交換器3,4へ熱媒体を循環させる補機(不図示)の稼動又は停止の情報とに基づいて位置を制御する制御手段(不図示)によって行われることが好ましい。ここで、冷房装置の場合は、熱交換器はエバポレータ3であり、補機は気化状態の冷媒を圧縮して吐出して、エバポレータ3へ冷媒を循環させるコンプレッサ(不図示)である。暖房装置の場合は、熱交換器はヒーターコア4であり、補機はエンジン冷却水をヒーターコア4へ循環させるウォーターポンプ(不図示)である。
本実施形態に係る車両用空調装置100では、制御手段は、車室内の空調を優先するときは、可変ガイド41,42へ第1通気流路6eを開、第2通気流路6f,6gを閉とする信号を出力することが好ましい。熱交換器で得た温風又は冷風が、蓄冷材11又は蓄温材12を通過しないため、効率的に温度調整をすることができる。また、低騒音とすることができる。
本実施形態に係る車両用空調装置では、前記制御手段は、ブロワ1が稼動状態であるとの情報及び熱交換器へ熱媒体を循環させる補機(不図示)が停止状態であるとの情報が入力されたときは、可変ガイド41,42へ第1通気流路6eを閉、第2通気流路6f,6gを開とする信号を出力することが好ましい。熱交換器へ熱媒体を循環させる補機(不図示)が停止し、エバポレータ3又はヒーターコア4への熱媒体の供給が停止しても、蓄冷材11又は蓄温材12に蓄熱された熱を有効に利用して車室内の快適性を維持することができる。また、送風量が少ないときでも、蓄冷材11又は蓄温材12に確実に送風することができるため、より効率的に蓄冷材11又は蓄温材12に蓄熱された熱を利用することができる。
本実施形態に係る車両用空調装置では、制御手段は、蓄冷又は蓄温するときは、可変ガイド41,42へ第1通気流路6eを開、第2通気流路6f,6gと開とする信号を出力することが好ましい。通気流路を、蓄冷材11又は蓄温材12を通過する第2通気流路6f,6gと蓄熱材を通過しない第1通気流路6eとの両方とすることで、蓄熱と温度調整とを同時に行うことができ、空調効率を向上させることができる。
図10を用いて、本実施形態に係る車両用空調装置100の制御法のフローについて説明する。図10は、車両用空調装置の制御法の一例を示したフローチャートである。まず、空調装置の稼動又は停止の情報をブロワ1のファンの回転によって判断する(ステップS101)。ブロワ1のファンの回転は、例えば、駆動モータ(不図示)へ供給される電圧によって判断することができる。ファンが回転していない場合は、乗員は空調を必要としていないため、可変ガイド41,42を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6f,6gを閉とする信号を出力し、ステップS101に戻る。前記信号を入力した可変ガイド制御手段(不図示)は、可変ガイド駆動装置を駆動させて可変ガイド41,42を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6f,6gを閉となる位置に移動させる。ブロワ1が停止しているため、空気は送風されず、意図的に車室内に吹き出される空気は無いが、車両走行に伴うラム圧と呼ばれる空気圧などによって空気流が発生する場合があり、可変ガイドをこのように位置させれば、蓄冷材11又は蓄熱材12に蓄冷又は蓄温された熱の放出を防止することができる。
ファンが回転している場合は、車室内温度と目標吹出温度とを対比し、冷房側モードか暖房側モードかを判断する(ステップS102)。車室内温度が目標吹出温度よりも高い場合は冷房側モードであり、車室内を暖めない状態であるため、次いで、コンプレッサのスイッチがオンされているかを判断する(ステップS103)。コンプレッサのスイッチは空調装置の操作パネルで、例えば「A/C」などと表示されるもので、スイッチがオフである場合は、乗員は冷房を望んでいない状態である。この場合には、可変ガイド41を第1通気流路6eを開、第2通気流路6fを閉とする信号を出力し(ステップS303)、ステップS101に戻る。前記信号を入力した可変ガイド制御手段(不図示)は、可変ガイド駆動装置を駆動させて可変ガイド41を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6fを閉となる位置に移動させる。そして、送風空気は、第1通気流路6eだけを通過する。これにより、送風空気が蓄冷材11に接触しないため、騒音の発生を防止することができる。また、コンプレッサのスイッチがオフである場合は、冷凍サイクルが停止しており、送風空気が冷却されていない状態である。よって、十分に冷やされていない空気が蓄冷材11を通過することを防止し、蓄冷材11に蓄冷された熱の不測の損失を防止することができる。
コンプレッサのスイッチがオンである場合は、車室内の冷房が必要な状態であるため、コンプレッサが稼動しているか否かを判断する(ステップS104)。スイッチがオンされているにも関わらずアイドリング停止によりコンプレッサが稼動していない場合は、エバポレータ3に冷媒が循環されていない状態であるため、蓄冷材11の放冷が必要となる。したがって、可変ガイドを第1通気流路6eを閉、第2通気流路6fを開とする信号を出力する(ステップS301)。前記信号を入力した可変ガイド制御手段(不図示)は、可変ガイド駆動装置を駆動させて可変ガイド41を、第1通気流路6eを閉、第2通気流路6fを開となる位置に移動させる。そして、送風空気は、第2通気流路6fだけを通過する。これにより、蓄冷材11に蓄冷された熱を効率的に利用して、車室内の温度上昇を防止することができる。また、送風量が少ないときでも、蓄冷材11に確実に送風することができる。その後、ステップS101に戻る。
コンプレッサが稼動している場合には、冷凍サイクルが稼動している状態である。次いで、ブロワ1のファンの回転速度がミディアム・ハイ(M/H)以上であるか否かを判断する(ステップS105)。ここで、ミディアム・ハイと(M/H)は、比較的大風量の状態をいう。ミディアム・ハイ(M/H)以上ではない場合は、乗員は早急な冷房を要求していないため蓄冷が可能な状態である。したがって、可変ガイド41を第1通気流路6eを開、第2通気流路6fを開とする信号を出力する(ステップS302)。前記信号を入力した可変ガイド制御手段(不図示)は、可変ガイド駆動装置を駆動させて可変ガイド41を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6fを開となる位置に移動させる。そして、送風空気は、第1通気流路6e及び第2通気流路6fの両方を通過する。これにより、車室内の温度調整と蓄冷材11の蓄冷とを同時に行うことができ、放冷が必要な時に向けて備えることができる。その後、ステップS101に戻る。
ブロワ1のファンの回転速度がミディアム・ハイ(M/H)以上である場合は、車室内の空調を優先するとき、すなわち、乗員が早急な冷房を要求している状態である。したがって、可変ガイド41を第1通気流路6eを開、第2通気流路6fを閉とする信号を出力する(ステップS303)。前記信号を入力した可変ガイド制御手段(不図示)は、可変ガイド駆動装置を駆動させて可変ガイド41を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6fを閉となる位置に移動させる。そして、送風空気は、第1通気流路6eだけを通過する。これにより、送風空気が蓄冷材11を通過しないため、エバポレータ3で冷却された冷風の熱を効率的に冷房に利用でき、車室内を早期に冷やすことができる。また、送風空気が蓄冷材11に接触しないため、騒音の発生を防止することができる。その後、ステップS101に戻る。
なお、コンプレッサのスイッチが無く、乗員による温度設定値や車室内温度などにより自動的にコンプレッサのオン・オフを制御するような空調装置の場合は、ステップS103をスキップし、ステップS104へと移る。
車室内温度が目標吹出温度よりも低い場合は暖房側モードであり、車室内の暖房が必要な状態であるため、次いで、ヒーターコア4に循環する液状熱媒体である温水の温度が所定温度より高いか否かを判断する(ステップS201)。ヒーターコア4に循環する液状熱媒体の温度は、例えば、ヒーターコアに設けた温度センサによって検知することができる。液状熱媒体の温度が所定温度より低い場合は、蓄熱能力がない状態であり、可変ガイド41,42を第1通気流路6eを開、第2通気流路6gを閉とする信号を出力し(ステップS303)、ステップS101に戻る。前記信号を入力した可変ガイド制御手段(不図示)は、可変ガイド駆動装置を駆動させて可変ガイド42を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6gを閉となる位置に移動させる。そして、送風空気は、第1通気流路6eだけを通過する。これにより、十分に暖められていない空気が蓄温材12を通過することがないため、蓄温材12に蓄温された熱の不測の損失を防止することができる。また、送風空気が蓄温材12に接触しないため、騒音の発生を防止することができる。
液状熱媒体の温度が所定温度より高い場合は、ヒーターコア4を通過する空気が十分に暖められ、蓄熱能力がある状態である。次いで、ウォーターポンプ(不図示)が稼動しているか否かを判断する(ステップS202)。アイドリング停止によりウォーターポンプが稼動していない場合は、ヒーターコア4に液状熱媒体が循環していない状態であるため、蓄温材12の放熱が必要となる。したがって、可変ガイド42を第1通気流路6eを閉、第2通気流路6gを開とする信号を出力する(ステップS301)。前記信号を入力した可変ガイド制御手段(不図示)は、可変ガイド駆動装置を駆動させて可変ガイド42を、第1通気流路6eを閉、第2通気流路6gを開となる位置に移動させる。そして、送風空気は、第2通気流路6gだけを通過する。これにより、蓄温材12に蓄温された熱を効率的に利用して、車室内の温度低下を防止することができる。また、送風量が少ないときでも、蓄温材12に確実に送風することができる。その後、ステップS101に戻る。
ウォーターポンプが稼動している場合には、液状熱媒体がヒーターコア4に循環している状態である。次いで、ブロワ1のファンの回転速度がミディアム・ハイ(M/H)以上であるか否かを判断する(ステップS203)。ここで、ミディアム・ハイと(M/H)は、比較的大風量の状態をいう。ミディアム・ハイ(M/H)以上ではない場合は、乗員は早急な暖房を要求していないため蓄温が可能な状態である。したがって、可変ガイド42を第1通気流路6eを開、第2通気流路6gを開とする信号を出力する(ステップS302)。前記信号を入力した可変ガイド制御手段(不図示)は、可変ガイド駆動装置を駆動させて可変ガイド42を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6gを開となる位置に移動させる。そして、送風空気は、第1通気流路6e及び第2通気流路6gの両方を通過する。これにより、車室内の温度調整と蓄温材12の蓄温とを同時に行うことができ、放熱が必要な時に向けて備えることができる。その後、ステップS101に戻る。
ブロワ1のファンの回転速度がミディアム・ハイ(M/H)以上である場合は、車室内の空調を優先するとき、すなわち、乗員が早急な暖房を要求している状態である。したがって、可変ガイド42を第1通気流路6eを開、第2通気流路6gを閉とする信号を出力する(ステップS303)。前記信号を入力した可変ガイド制御手段(不図示)は、可変ガイド駆動装置を駆動させて可変ガイド42を、第1通気流路6eを開、第2通気流路6gを閉となる位置に移動させる。そして、送風空気は、第1通気流路6eだけを通過する。これにより、送風空気が蓄温材12を通過しないため、ヒーターコア4で暖められた温風の熱を効率的に暖房に利用でき、車室内を早期に暖めることができる。また、送風空気が蓄温材12に接触しないため、騒音の発生を防止することができる。その後、ステップS101に戻る。
以上のように、本実施形態に係る車両用空調装置100は、車室内の温度調整を優先したいときは温度調整を阻害しないとともに、蓄熱できるときに蓄熱して放熱が必要なときに向けて備え、蓄冷又は蓄温した熱を放冷又は放熱するときには、確実に放冷又は放熱できる構成を有するため、特に、アイドリングストップ車又はハイブリッド車の車両用空調装置に好適である。アイドリングストップ車では、エンジンが停止すると、コンプレッサ、ウォーターポンプなどの熱交換器へ熱媒体を循環させる補機も停止する。結果として、空調装置の送風空気の温度が変化し始め、快適性が著しく低下してしまう。そこで、蓄熱材11,12の熱を放熱させることによって、車室内の空調温度を快適な状態に維持することができる。なお、ハイブリッド車では、エンジンが停止しても、電力によってコンプレッサ、ウォーターポンプなどの熱交換器へ熱媒体を循環させる補機を稼動することはできるが、本実施形態の車両用空調装置を適用することで、空調のための電力供給を停止することができるため、使用電気量を減少することができる。また、エンジン停止中の補機の駆動停止時間を長くできるため、振動や騒音の低減ができる。
図10のフローチャートでは、ステップS104又はステップS202においてコンプレッサ又はウォーターポンプの稼動状態によって放冷又は放熱が必要か否かを判断したが、アンドリングストップ車などのガソリン車では、エンジンの稼動状態に基づいて、放冷又は放熱が必要か否かを判断してもよい。例えば、エンジンが停止している場合には、放冷又は放熱が必要であると判断し、可変ガイド41,42を第1通気流路6eを閉、第2通気流路6f,6gを開とする信号を出力する(ステップS301)。
ハイブリッド車では、通常、車両が停止してエンジンが停止すると、電動モータが稼動してコンプレッサ又はウォーターポンプを稼動させるが、本実施形態では、車両が停止してエンジンが停止した場合は、蓄冷材11又は蓄温材12の温度を測定する温度検知素子からの温度情報に基づいて、コンプレッサ又はウォーターポンプの稼動又は停止を制御することが好ましい。例えば、冷房運転時について説明すると、蓄冷材11の温度が所定温度より低い場合には、蓄冷材11が十分に蓄冷されて放冷が可能な状態であるため、コンプレッサを停止させる信号を出力する。そして、ステップS104においてコンプレッサが稼動していないと判断し、可変ガイド41,42を第1通気流路6eを閉、第2通気流路6f,6gを開とする信号を出力する(ステップS301)。一方、蓄冷材11の温度が所定温度より高い場合には、蓄冷が不足している状態であるため、コンプレッサを電動で稼動させる信号を出力する。そして、ステップS104においてコンプレッサが稼動していると判断し、その後ステップS105へ進む。これにより、車室内の温度を快適に維持しつつ、使用電気量を削減することができる。結果として燃費をより向上することができる。暖房運転時においても同様に、蓄温材12の温度が所定温度より高い場合には、ウォーターポンプを停止させる信号を出力し、蓄温材12の温度が所定温度より低い場合には、ウォーターポンプを稼動させる信号を出力する。
ステップS202において、液状熱媒体を温水としたがこれに限定されず、例えば、オイルであってもよい。また、ヒーターコア4に循環する液状熱媒体の温度を検知する方法として、ヒーターコアに設けた温度センサを例示したが、これに限定されない。
100 車両用空調装置
1 ブロワ
2 フィルタ
3,4 熱交換器
3 エバポレータ
4 ヒーターコア
6a,6b,6c,6d,6e,801,802,803 送風空気の通気流路
6e 第1通気流路
6f,6g 第2通気流路
9 ケース
11,12 蓄熱材
11 蓄冷材
12 蓄温材
13 蓄熱材
21,22,23,24,24a,25,25a 空気流れ
40 ミックスドア
41,42 可変ガイド
43,44,45 モードドア
50 通風ガイド
51 入口側通風ガイド壁
52 出口側通風ガイド壁
53 通風入口
54 通風出口
60 可変ガイド
61 第一のドア壁
61a ストッパー
62 第二のドア壁
63 回動軸
70,70a 空気流れ
80 熱交換器
81 庇部

Claims (9)

  1. 送風空気の通気流路に、ブロワと熱交換器とを備えた車両用空調装置において、
    前記通気流路は、前記熱交換器の下流で第1通気流路と第2通気流路とに分岐し、前記第1通気流路と前記第2通気流路とを切り換えることが可能な可変ガイドを備え、
    前記第2通気流路は、蓄熱材を備え、
    該蓄熱材を配置した下流にて前記第1通気流路と前記第2通気流路とが合流するよう構成したことを特徴とする車両用空調装置。
  2. アイドリングストップ車又はハイブリッド車の車両用空調装置であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. さらに、前記可変ガイドの位置を制御する制御手段を備え、該制御手段は、前記ブロワの稼動又は停止の情報と、前記熱交換器への熱媒体を循環させる補機の稼動又は停止の情報と、に基づいて前記可変ガイドを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御手段は、車室内の空調を優先するときは、前記可変ガイドへ前記第1通気流路を開、前記第2通気流路を閉とする信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記制御手段は、前記ブロワが稼動状態であるとの情報及び前記補機が停止状態であるとの情報が入力されたときは、前記可変ガイドへ前記第1通気流路を閉、前記第2通気流路を開とする信号を出力することを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記制御手段は、蓄冷又は蓄温するときは、前記可変ガイドへ前記第1通気流路を開、前記第2通気流路を開とする信号を出力することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記熱交換器をエバポレータとし、前記蓄熱材を蓄冷材とし、前記補機をコンプレッサとする冷房用装置であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の車両用空調装置。
  8. 前記熱交換器をヒーターコアとし、前記蓄熱材を蓄温材とし、前記補機をウォーターポンプとする暖房用装置であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の車両用空調装置。
  9. 前記蓄熱材は、着脱可能に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の車両用空調装置。
JP2012514746A 2010-05-14 2011-04-21 車両用空調装置 Withdrawn JPWO2011142224A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010112228 2010-05-14
JP2010112228 2010-05-14
PCT/JP2011/059775 WO2011142224A1 (ja) 2010-05-14 2011-04-21 車両用空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2011142224A1 true JPWO2011142224A1 (ja) 2013-07-22

Family

ID=44914280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012514746A Withdrawn JPWO2011142224A1 (ja) 2010-05-14 2011-04-21 車両用空調装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2011142224A1 (ja)
WO (1) WO2011142224A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3007329B1 (fr) * 2013-06-20 2017-04-21 Valeo Systemes Thermiques Element destine au refroidissement de l'air d'un vehicule automobile

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06255350A (ja) * 1993-03-04 1994-09-13 Toyo Radiator Co Ltd 自動車用空調装置
JP2003211947A (ja) * 2002-01-18 2003-07-30 Denso Corp 車両用空調装置
JP2008155854A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Calsonic Kansei Corp 車両用空気調和装置
JP2010030325A (ja) * 2008-07-24 2010-02-12 Denso Corp 蓄冷器付き冷凍サイクル装置
JP2010042781A (ja) * 2008-08-18 2010-02-25 Valeo Thermal Systems Japan Corp 車両用空調装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011142224A1 (ja) 2011-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5581886B2 (ja) 車両用空調システム
JP5624668B2 (ja) 車両用空調システム
JP5676738B2 (ja) 車両用空調システム
KR101225660B1 (ko) 열전소자 모듈을 이용한 자동차용 보조 냉난방장치 및 그제어방법
JP2008308080A (ja) 自動車の吸放熱システムおよびその制御方法
JP2004142551A (ja) 車両用空調装置
JP2018177219A (ja) 車両用熱管理装置
JP2008185245A (ja) 圧縮式ヒートポンプ装置、圧縮式ヒートポンプ装置の運転方法、及び、コージェネレーションシステム
JP2011143911A (ja) 車両用空調ユニット及び車両用空調システム
JP2004142596A (ja) 車両用空調装置
KR20220037794A (ko) 전기차량용 공조장치 및 이를 이용한 전기차량용 공조시스템
WO2011142224A1 (ja) 車両用空調装置
JP2006321269A (ja) 車両用熱源分配システム
JP2006240573A (ja) 車両用空調装置
JP2016522120A (ja) 自動車両の空気を冷却するための要素
JP7095845B2 (ja) 複合弁及びそれを用いた車両用空気調和装置
WO2021010281A1 (ja) 車両用蓄熱システム
JP7153170B2 (ja) 複合弁及びそれを用いた車両用空気調和装置
JP2017149360A (ja) 車両用空気調和装置
JP2008265700A (ja) 車両用空気調和装置
WO2022270594A1 (ja) 車両用空調装置
JP7245131B2 (ja) 車両用蓄熱システム
WO2023090084A1 (ja) 車両用空調装置
JP2008126730A (ja) 車両用空気調和装置
JP2004211643A (ja) エンジンの冷却構造

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140701