JPWO2016158939A1 - 非水電解質二次電池電極合剤層用組成物及びその製造方法、並びに、その用途 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、近年、上記電極合剤層用組成物については、環境保全及びコストダウン等の観点から水系化の要望が高まっている。この点に関してリチウムイオン二次電池では、活物質として黒鉛等の炭素系材料を用いる負極向け電極合剤層用組成物のバインダーとして、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いた水系バインダーが使用されている。しかし、車載用途に求められる高度なハイレート特性及びサイクル特性に対応すべく、さらなる改善が望まれている。また、リチウムイオン二次電池の正極に関しては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶剤を用いたポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の溶剤系バインダーが主流であり、上記要求を十分満足する水系バインダーは未だ提案されていない。
特許文献1では、リチウムイオン二次電池の負極塗膜を形成する結着剤としてポリアルケニルエーテルにより架橋したアクリル酸重合体が開示されている。また、特許文献2には、特定の架橋剤によりポリアクリル酸を架橋したポリマーを結着剤として用いることにより、シリコンを含む活物質を用いた場合であっても電極構造が破壊されることなく、優れた容量維持率が得られることが記載されている。
特許文献2の実施例には、架橋剤の種類及び架橋剤量の異なる架橋型ポリアクリル酸からなる結着剤が開示され、0.6rpm又は60rpmにおける上記架橋型ポリアクリル酸の1wt%スラリーの粘度が記載されている([表3]他)。しかし、60rpmの粘度値が具体的に示された架橋型ポリアクリル酸を含む結着剤組成物は、粘度が低く、活物質等の分散安定性及び結着性が懸念されるものであった。一方、0.6rpmの粘度値が具体的に示された架橋型ポリアクリル酸を含む結着剤組成物は、粘度が高く、合剤層用組成物を混練調製する際の均一性が低下して電極特性に悪影響を及ぼす虞があった。
また、特許文献1及び2ともに、ハイレート特性に関しては何ら記載されていない。
さらに、バインダーに対しては、活物質表面に存在していてもリチウムイオンの侵入や脱出を妨げないようなものであることが要求される。すなわち、リチウムイオンの脱溶媒和効果やリチウムイオン伝導度に優れることにより、リチウムイオンの活物質への侵入、もしくは活物質からの脱出に伴う抵抗(=界面抵抗)が小さくなるようなバインダーが好ましい。
〔1〕活物質、水及びバインダーを含む非水電解質二次電池電極合剤層用組成物であって、
前記バインダーが、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を含む単量体成分の架橋重合体及びその塩を含有し、
中和度90モル%における前記架橋重合体の0.5重量%水分散液の粘度が5,000〜40,000mPa・sであり、
前記架橋重合体及びその塩の含有量が、前記活物質に対して0.5〜5.0重量%である非水電解質二次電池電極合剤層用組成物。
〔2〕上記架橋重合体は架橋性単量体により架橋されたものであり、該架橋性単量体の使用量が架橋性単量体以外の単量体の総量に対して0.05〜1.0モル%である上記〔1〕に記載の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物。
〔3〕上記架橋性単量体が、(メタ)アクリロイル基及びアルケニル基の両方を有するものである上記〔1〕又は〔2〕に記載の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物。
〔4〕上記架橋重合体の中和度が20〜100モル%である上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物。
〔5〕非水電解質二次電池電極合剤層用組成物の製造方法であって、
水性媒体中でエチレン性不飽和カルボン酸単量体及び架橋性単量体を含む単量体成分を沈殿重合し、中和度90モル%における0.5重量%水分散液の粘度が5,000〜40,000mPa・sである架橋重合体を得た後、
活物質及び水と混合することにより非水電解質二次電池電極合剤層用組成物を製造する方法。
〔6〕集電体表面に、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物から形成される合剤層を備えた非水電解質二次電池電極。
〔1〕上記〔6〕に記載の非水電解質二次電池電極、セパレータ及び非水電解質液を備えた非水電解質二次電池。
以下に、本発明の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物及びその製造方法、並びに、該組成物を用いて得られる非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池の各構成成分等について詳細に説明する。
本発明のバインダーは、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を含む単量体成分の架橋重合体及びその塩を含有する。上記エチレン性不飽和カルボン酸単量体の具体的な化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、シクロヘキサンジカルボン酸などのカルボキシル基を有するビニル系単量体またはそれらの(部分)アルカリ中和物が挙げられ、これらの内の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記の中でも、得られる重合体の一次鎖長が長く、バインダーの結着力が良好となる点で、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸及びフマル酸等の炭素数3〜5個のエチレン性不飽和カルボン酸単量体及びその塩が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
また、塩の種類としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム塩及びバリウム塩等のアルカリ土類金属塩;マグネシウム塩、アルミニウム塩等のその他の金属塩;アンモニウム塩及び有機アミン塩等が挙げられる。これらの中でも電池特性への悪影響が生じにくい点からアルカリ金属塩及びマグネシウム塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましい。
上記多官能重合性単量体は、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基等の重合性官能基を分子内に2つ以上有する化合物であり、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能アルケニル化合物、(メタ)アクリロイル基及びアルケニル基の両方を有する化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの内でも、均一な架橋構造を得やすい点で多官能アルケニル化合物、並びに、(メタ)アクリロイル基及びアルケニル基の両方を有する化合物等の分子内にアルケニル基を1つ以上有する化合物が好ましい。また、反応性が良好であり、未反応物が残り難いことから、(メタ)アクリロイル基及びアルケニル基の両方を有する化合物がより好ましい。さらに、架橋性単量体として分子内に複数のアリルエーテル基を有する化合物、並びに、(メタ)アクリロイル基及びアルケニル基の両方を有する化合物を併用した場合、合剤層組成物の塗工性及び結着性、並びに、得られる電極の耐屈曲性がより優れたものとなることから特に好ましい。
その他の多官能重合性単量体としては、メチレンビスアクリルアミド、ヒドロキシエチレンビスアクリルアミド等のビスアミド類を挙げることができる。
ここで、架橋性単量体として(メタ)アクリロイル基及びアルケニル基の両方を有する架橋性単量体を用いた場合、架橋性単量体の使用量は、0.05〜0.5モル%であることが好ましく、0.2〜0.5モル%であることがより好ましい。また、架橋性単量体として多官能アリル化合物を用いた場合、架橋性単量体の使用量は、0.1〜1.0モル%であることが好ましく、0.3〜0.8モル%であることがより好ましい。
カルボキシル基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物としては、以下のような化合物を挙げることができる。
i)エポキシ基、カルボジイミド基及びオキサゾリン基等のカルボキシル基と共有結合を形成する化合物。
ii)Ca2+、Mg2+等を有し、カルボキシル基とイオン結合を形成する化合物。
iii)Zn2+、Al3+、Fe3+等を有し、カルボキシル基と配位結合を形成する化合物。
架橋重合体が未中和若しくは中和度90モル%未満の場合は、水媒体中でアルカリ化合物により中和度90モル%に中和し、0.5重量%水分散液とした後に粘度を測定する。架橋重合体の中和度が90モル%を超えている場合、当該中和度のまま、若しくは硫酸等の適当な酸を加えて中和度を90モル%に調製した後の0.5重量%水分散液の粘度を測定する。
上記の通り、本発明の架橋重合体の架橋度は比較的低いものの、0.5重量%という低濃度の水分散液であってもミクロゲルのパッキングにより5,000mPa・s以上の粘度を示す。よって、その一次鎖長は十分に長く、適切な架橋度であると推察される。このような架橋重合体からなるバインダーは優れた結着性を発揮するため、バインダーの使用量を低減することが可能となり、電極のハイレート特性を向上することができる。
架橋重合体及びその塩の使用量が上記範囲内であれば、分散安定性に優れた組成物が得られるとともに、集電体への密着性が極めて高い合剤層を得ることができ、結果として電池の耐久性が向上する。さらに、上記使用量が活物質に対して0.5〜5.0重量%と少なく、かつ、上記重合体はカルボキシアニオンを有することから、界面抵抗が小さく、ハイレート特性に優れた電極が得られる。
本発明の架橋重合体は、溶液重合、沈殿重合、懸濁重合、逆相乳化重合等の公知の重合方法を使用することが可能であるが、一次鎖長が長く、かつ適度に架橋された重合体を効率よく製造できる点で、沈殿重合が好ましい。
沈殿重合は、原料である不飽和単量体を溶解するが、生成する重合体を実質溶解しない溶媒中で重合反応を行うことにより重合体を製造する方法である。重合の進行とともにポリマー粒子は凝集及び成長により大きくなり、数十nm〜数百nmの一次粒子が数μm〜数十μmに凝集したポリマー粒子の分散液が得られる。ポリマーの粒子サイズを制御するために分散安定剤を使用することもできる。また、重合後に反応液に濾過又は遠心分離等の処理を施すことによりポリマー粒子を溶媒から分離してもよい。
具体的な重合溶媒として、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を未中和の状態で重合する場合は、ベンゼン、酢酸エチル、ジクロロエタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン及びn−ヘプタン等が挙げられ、これらの1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の(部分)中和物を重合する場合は、メタノール、t−ブチルアルコール、アセトン及びテトラヒドロフラン等の水溶性溶剤が挙げられ、これらの1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。又は、これらと水との混合溶媒として用いてもよい。本発明において水溶性溶剤とは、20℃における水への溶解度が10g/100mlより大きいものを指す。
これらの内、活物質の分散安定性に優れた重合体が得られる点から、水及び水溶性溶剤を含む水性媒体中でエチレン性不飽和カルボン酸単量体の(部分)中和物を沈殿重合する方法が好ましい。この際、使用するモノマーの種類及び量に応じて水の量を調整することにより、ポリマーの析出及び凝集を制御し、析出粒子の分散安定性を確保することにより安定に重合を完結することができる。上記水性媒体に含まれる水溶性溶剤の割合は、水性媒体全量に対して50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましく、90〜100重量%がさらに好ましい。
また、レドックス開始の場合、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、アスコルビン酸、亜硫酸ガス(SO2)、硫酸第一鉄等を還元剤として用いることができる。
重合温度は、使用する単量体の種類及び濃度等の条件にもよるが、0〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。重合温度は一定であってもよいし、重合反応の期間において変化するものであってもよい。また、重合時間は1分間〜10時間が好ましく、10分間〜5時間がより好ましく、30分間〜2時間がさらに好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用合剤層組成物は、上記架橋重合体及びその塩からなるバインダー、活物質及び水を含む。
上記活物質の内、正極活物質としては主に遷移金属酸化物のリチウム塩が用いられ、例えば、層状岩塩型及びスピネル型のリチウム含有金属酸化物を使用することができる。層状岩塩型の正極活物質の具体的な化合物としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、並びに、三元系と呼ばれるNCM{Li(Nix,Coy,Mnz)、x+y+x=1}及びNCA{Li(Ni1-a-bCoaAlb)}等が挙げられる。また、スピネル型の正極活物質としてはマンガン酸リチウム等が挙げられる。酸化物以外にもリン酸塩、ケイ酸塩及び硫黄等が使用され、リン酸塩としては、オリビン型のリン酸鉄リチウム等が挙げられる。正極活物質としては、上記のうちの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて混合物又は複合物として使用してもよい。
尚、層状岩塩型の正極活物質を水に分散させた場合、活物質表面のリチウムイオンと水中の水素イオンとが交換されることにより、分散液がアルカリ性を示す。このため、一般的な正極用集電体材料であるアルミ箔(Al)等が腐食される虞がある。このような場合には、バインダーとして未中和又は部分中和された架橋重合体を用いることにより、活物質から溶出するアルカリ分を中和することが好ましい。また、未中和又は部分中和された架橋重合体の使用量は、架橋重合体の中和されていないカルボキシル基量が活物質から溶出するアルカリ量に対して等量以上となるように用いることが好ましい。
また正極活物質は導電性を有する炭素系材料で表面コーティングしたものを使用してもよい。
また、エネルギー密度を高くするために、ケイ素やスズなどのリチウムを吸蔵できる金属又は金属酸化物等を負極活物質として使用することも好ましい。その中でも、ケイ素は黒鉛に比べて高容量であり、ケイ素、ケイ素合金及び一酸化ケイ素(SiO)等のケイ素酸化物のようなケイ素系材料からなる活物質(以下、「ケイ素系活物質」ともいう)を用いることができる。しかし、上記ケイ素系活物質は高容量である反面充放電に伴う体積変化が大きい。このため、上記炭素系活物質と併用するのが好ましい。この場合、ケイ素系活物質の配合量が多いと電極材料の崩壊を招き、サイクル特性(耐久性)が大きく低下する場合がある。このような観点から、ケイ素系活物質を併用する場合、その使用量は炭素系活物質に対して60質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
また、湿粉状態で電極合剤層用組成物を調製する場合、活物質の使用量は、組成物全量に対して60〜97重量%の範囲であることが好ましく、70〜90重量%の範囲であることがより好ましい。
また、エネルギー密度の観点から、バインダーや導電助剤等の活物質以外の不揮発成分は、必要な結着性や導電性が担保される範囲内で出来る限り少ない方がよい。
本発明の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物は、媒体として水を使用する。また、組成物の性状及び乾燥性等を調整する目的で、メタノール及びエタノール等の低級アルコール類、エチレンカーボネート等のカーボネート類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等の水溶性有機溶剤との混合溶媒としてもよい。混合媒体中の水の割合は50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましい。
電極合剤層用組成物を塗工可能なスラリー状態とする場合、組成物全体に占める水を含む媒体の含有量は、スラリーの塗工性、および乾燥に必要なエネルギーコスト、生産性の観点から25〜90重量%の範囲が好ましく、35〜70重量%の範囲がより好ましい。また、プレス可能な湿粉状態とする場合、上記媒体の含有量はプレス後の合剤層の均一性の観点から3〜40重量%の範囲が好ましく、10〜30重量%の範囲がより好ましい。
本発明の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物は、上記の活物質、水及びバインダーを必須の構成成分とするものであり、公知の手段を用いて各成分を混合することにより得られる。各成分の混合方法は特段制限されるものではなく、公知の方法を採用することができるが、活物質、導電助剤及びバインダーである架橋重合体粒子等の粉末成分をドライブレンドした後、水等の分散媒と混合し、分散混練する方法が好ましい。
電極合剤層用組成物をスラリー状態で得る場合、分散不良や凝集のないスラリーに仕上げることが好ましい。混合手段としては、プラネタリーミキサー、薄膜旋回式ミキサー及び自公転式ミキサー等の公知のミキサーを使用することができるが、短時間で良好な分散状態が得られる点で薄膜旋回式ミキサーを使用して行うことが好ましい。また、薄膜旋回式ミキサーを用いる場合は、予めディスパー等の攪拌機で予備分散を行うことが好ましい。
また、上記スラリーの粘度は、60rpmにおけるB型粘度として500〜100,000mPa・sの範囲が好ましく、1,000〜50,000mPa・sの範囲がより好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用電極は、銅又はアルミニウム等の集電体表面に上記電極合剤層用組成物から形成される合剤層を備えてなるものである。合剤層は、集電体の表面に本発明の電極合剤層用組成物を塗工した後、水等の媒体を乾燥除去することにより形成される。合剤層組成物を塗工する方法は特に限定されず、ドクターブレード法、ディップ法、ロールコート法、コンマコート法、カーテンコート法、グラビアコート法及びエクストルージョン法などの公知の方法を採用することができる。また、上記乾燥は、温風吹付け、減圧、(遠)赤外線、マイクロ波照射等の公知の方法により行うことができる。
通常、乾燥後に得られた合剤層には、金型プレス及びロールプレス等による圧縮処理が施される。圧縮することにより活物質及びバインダーを密着させ、合剤層の強度及び集電体への密着性を向上させることができる。圧縮により合剤層の厚みを圧縮前の30〜80%程度に調整することが好ましく、圧縮後の合剤層の厚みは4〜200μm程度が一般的である。
本発明の非水電解質二次電池について説明する。本発明の非水電解質二次電池は、本発明による非水電解質二次電池用電極、セパレータ及び非水電解質液を備えてなる。
セパレータは電池の正極及び負極間に配され、両極の接触による短絡の防止や電解液を保持してイオン導電性を確保する役割を担う。セパレータにはフィルム状の絶縁性微多孔膜であって、良好なイオン透過性及び機械的強度を有するものが好ましい。具体的な素材としては、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン等を使用することができる。
本発明の非水電解質二次電池は、セパレータで仕切られた正極板及び負極板を渦巻き状又は積層構造にしてケース等に収納することにより得られる。
重合には、攪拌翼、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応器を用いた。
反応器内にメタノール295部、アクリル酸(以下「AA」という)100部、及びメタクリル酸アリル(三菱ガス化学社製、以下「AMA」という)0.42部を仕込んだ。次いで、撹拌下、苛性ソーダフレーク18部、及びイオン交換水10部を内温が40℃以下に維持されるようゆっくりと添加した。
反応器内を十分に窒素置換した後、加温して内温を68℃まで昇温した。内温が68℃で安定したことを確認した後、重合開始剤として4,4’−アゾビスシアノ吉草酸(大塚化学社製、商品名「ACVA」)0.08部を添加したところ、反応液に白濁が認められたため、この点を重合開始点とした。溶媒が穏やかに還流するように外温(水バス温度)を調整しながら重合反応を継続し、重合開始点から4時間経過した時点でACVA0.07部を追加で添加するとともに、引き続き溶媒の還流を維持した。重合開始点から8時間を経過したところで反応液の冷却を開始し、内温が30℃まで低下した後、苛性ソーダフレーク32部を内温が50℃を超えないようにゆっくりと添加した。苛性ソーダフレークの添加を完了し、内温を30℃以下に冷却した後、吸引濾過により重合反応液(重合体スラリー)の濾過を行った。濾別した重合体を重合反応液の2倍量のメタノールで洗浄した後、濾過ケーキを回収し、100℃で6時間真空乾燥することにより粉末状の架橋重合体R−1を得た。架橋重合体R−1の中和度は90モル%である。架橋重合体R−1は吸湿性を有するため、水蒸気バリア性を有する容器に密封保管した。
各原料の仕込み量を表1に記載の通りとした以外は製造例1と同様の操作を行い、粉末状の架橋重合体R−2〜R−10を得た。
また、各架橋重合体について製造例1と同様の操作により0.5重量%水分散液の粘度を測定した。ただし、架橋重合体R−8の中和度は32.4モル%であるため、苛性ソーダを添加して中和度を90モル%とした水分散液を調製し、粘度を測定した。結果を表1に示す。
重合には、攪拌翼、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応器を用いた。
反応器内にn−ヘキサン300部、酢酸エチル140部、AA100部、及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー社製、商品名「ネオアリルP−30」)0.70部を仕込んだ。
反応器内を十分に窒素置換した後、加温して内温を60℃まで昇温した。内温が60℃で安定したことを確認した後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製、商品名「V−65」)0.01部を添加したところ、反応液に白濁が認められたため、この点を重合開始点とした。内温を60℃に維持しながら重合反応を継続し、重合開始点から3時間、6時間、9時間、及び12時間経過した時点でV−65を各0.01部づつ添加した。重合開始点から20時間を経過したところで反応液の冷却を開始して重合を完了した。内温30℃以下に冷却した後、吸引濾過により重合反応液(重合体スラリー)の濾過を行った。濾別した重合体を重合反応液の2倍量の酢酸エチルで洗浄した後、濾過ケーキを回収し、100℃で6時間真空乾燥することにより粉末状の架橋重合体R−11を得た。架橋重合体R−11は吸湿性を有するため、水蒸気バリア性を有する容器に密封保管した。
また、架橋重合体R−11の中和度は0モル%であるため、苛性ソーダを添加して中和度を90モル%とした水分散液を調製し、粘度を測定した。結果を表1に示す。
AA:アクリル酸
AAM:アクリルアミド
AMA:メタクリル酸アリル
P−30:ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー社製、商品名「ネオアリルP−30」)
T−20:トリメチロールプロパンジアリルエーテル(ダイソー社製、商品名「ネオアリルT−20」)
ACVA:4,4’−アゾビスシアノ吉草酸(大塚化学社製)
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製)
実施例1−1
負極活物質として黒鉛、バインダーとして架橋重合体R−1を用いた合剤層用組成物について、その塗工性及び形成された合剤層/集電体間の剥離強度(すなわちバインダーの結着性)を測定した。
人造黒鉛(日本黒鉛社製、商品名「CGB−10」)100部、及び粉末状の架橋重合体R−1を3部採り、予めよく混合した後、イオン交換水126部を加えてディスパーで予備分散を行った後、薄膜旋回式ミキサー(プライミクス社製、FM−56−30)を用いて周速度20m/秒の条件で本分散を15秒間行うことにより、スラリー状の負極用合剤層用組成物を得た。
可変式アプリケーターを用いて、厚さ20μmの銅箔(日本製箔社製)上に上記合剤層用組成物を乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗工した後、直ちに通風乾燥機内で100℃×10分間の乾燥を行うことにより合剤層を形成した。得られた合剤層の外観を目視により観察し、以下の基準に基づいて塗工性を評価した結果、「○」と判断された。
<塗工性判定基準>
○:表面に筋ムラ、ブツ等の外観異常がまったく認められない。
△:表面に筋ムラ、ブツ等の外観異常がわずかに認められる。
×:表面に筋ムラ、ブツ等の外観異常が顕著に認められる。
さらに、ロールプレス機にて合剤層密度を1.7±0.05g/cm3に調整して電極を作成した後、25mm幅の短冊状に裁断して剥離試験用試料を作成した。水平面に固定された両面テープに上記試料の合剤層面を貼付け、引張速度50mm/分における90°剥離を行い、合剤層と銅箔間の剥離強度を測定した。剥離強度は4.5N/mと高く、良好であった。
一般に、電極を裁断、加工して電池セルの組み立てを行う際、合剤層が集電体(銅箔)から剥がれ落ちるという不具合を避けるためには、1.0N/m以上の剥離強度が必要とされる。剥離強度が高いということは、使用したバインダーが活物質間及び活物質と電極間の結着性に優れているということを意味するものであり、充放電サイクル試験時の容量低下が小さく、耐久性に優れた電池が得られるということが示唆された。
バインダーとして使用する架橋重合体を表2及び表3の通り用いた以外は実施例1−1と同様の操作を行うことにより合剤層用組成物を調製し、塗工性及び90°剥離強度を評価した。結果を表2及び表3に示す。
なお、実施例1−9及び比較例1−4については架橋重合体の中和度が90モル%となるように48%NaOH水溶液を添加し、架橋重合体は90モル%中和物として3部に相当する量を使用した。
これに対し、0.5重量%粘度が低い架橋重合体を使用した比較例1−1及び1−2では、十分な結着性が得られなかった。また、上記粘度の高い架橋重合体R−11を含む合剤層用組成物は、中和度を調整しても塗工性が不良となった(比較例1−3及び1−4)。さらに、活物質に対する架橋重合体の配合量が少ない比較例1−5は、合剤層の結着性が殆どなく、電極を裁断して剥離試験用のサンプルを作成する際に合剤層が剥がれ落ちたため、剥離強度を測定することができなかった。
負極物質としてハードカーボン、導電助剤としてアセチレンブラック、バインダーとして架橋重合体R−1を含む合剤層組成物を用いてリチウムイオン二次電池を作製し、その電池特性を評価した。
ハードカーボン(住友ベークライト社製、商品名「LBV−1001」)100部、アセチレンブラック(電気化学工業社製、商品名「HS−100」)2部、及び粉末状の架橋重合体R−1を3部採り、予めよく混合した後、イオン交換水132部を加えてディスパーで予備分散を行った後、薄膜旋回式ミキサー(プライミクス社製、FM−56−30)を用いて周速度20m/秒の条件で本分散を15秒間行うことにより、スラリー状の負極用合剤層組成物を得た。
乾燥炉を有するダイレクトコート方式の塗工機を用いて、集電体となる厚さ20μmの銅箔(日本製箔社製)に上記合剤層組成物を塗工幅120mmで両面塗工し、乾燥後、ロールプレス処理を行い、集電体の両面に合剤層を有する負極を作製した。合剤層の付着量は4.96mg/cm2(片面分)、密度は1.0g/cm3であった。
なお、正極には、活物質としてNCM(日本化学工業社製)、導電助剤としてHS−100、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、商品名「KF#1000」)を85.5/4.5/10(重量比)の比率で含む合剤層組成物から形成された合剤層を、集電体となる厚さ15μmのアルミ箔(日本製箔社製)の両面に有するものを使用した。正極の合剤層の付着量は6.80mg/cm2(片面分)、密度は2.78g/cm3であった。
上記で作製したラミネートセルについて、以下の電池特性評価を実施した。
充放電装置SD8(北斗電工社製)を用い、以下の条件にて初期充放電容量を測定した。
測定に際し、電池状態を安定化させるために1サイクル充放電した後、2サイクル目の充放電を行い、充放電容量が設計容量(700〜800mAh)内で安定していることを確認した。
測定温度:25℃
充電:0.1C−CC/Cut−off4.2V ⇒ CV/終止レート0.01C
放電:0.1C−CC/Cut−off3.0V
2サイクル
1サイクル目の充電容量は1142mAh、放電容量は769mAh、2サイクル目の充電容量は778mAh、放電容量は755mAhであった。
初期充放電試験を行ったセルについて、以下の条件、順序にて低温レート試験及び交流インピーダンス測定を行った。尚、測定には充放電装置SD8(北斗電工社製)及び交流インピーダンス測定装置VSP(Bio−Logic社製)を使用した。
測定温度:−15℃
(1)0.1C充放電(低温初期充放電)
充電:0.1C−CC/Cut−off4.2V
(休止時間10分)
放電:0.1C−CC/Cut−off3.0V
(2)交流インピーダンス測定
充電:0.1C、2時間
印加電圧:10mV
周波数:1000kHz〜10mHz
(残放電処理 3Vまで0.1C)
(3)0.5C充放電
充電:0.5C−CC/Cut−off4.2V
(休止時間10分)
放電:0.5C−CC/Cut−off3.0V
(残放電処理 3Vまで0.1C)
(4)1C充放電
充電:1C−CC/Cut−off4.2V
(休止時間10分)
放電:1C−CC/Cut−off3.0V
(残放電処理 3Vまで0.1C)
(5)2C充放電
充電:2C−CC/Cut−off4.2V
(休止時間10分)
放電:2C−CC/Cut−off3.0V
(残放電処理 3Vまで0.1C)
(6)3C充放電
充電:3C−CC/Cut−off4.2V
(休止時間10分)
放電:3C−CC/Cut−off3.0V
(残放電処理 3Vまで0.1C)
(7)4C充放電
充電:4C−CC/Cut−off4.2V
(休止時間10分)
放電:4C−CC/Cut−off3.0V
(残放電処理 3Vまで0.1C)
上記(1)の測定結果は、低温初期充放電容量605mAh、放電容量598mAhであった。
上記(2)の測定結果より、ナイキストプロットを作成し、その円弧の大きさより界面抵抗値を見積った結果、0.38Ωであった。
上記(3)〜上記(7)の測定により得られた放電容量を、上記(1)の測定で得られた放電容量で除することにより、各Cレートでの放電容量維持率を計算した結果、0.5C:67%、1C:44%、2C:15%、3C:3%、4C:0%であった。なお0%とは過電圧による電圧降下により放電開始直後にCut−off電圧(3.0V)に到達したことを意味する。
初期充放電試験を行ったセルについて、下記条件にてサイクル試験を行った。
測定温度:25℃
充電:1C−CC/Cut−off4.2V
放電:1C−CC/Cut−off3.0V
200サイクル
200サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除することで、200サイクル放電容量維持率を計算した結果、93%であった。
バインダーとして使用する架橋重合体を表4の通り用いた以外は実施例2−1と同様の操作を行うことによりラミネートセルを組み立て、電池特性評価を行った。結果を表4に示す。
なお、比較例2−3については、架橋重合体の中和度が90モル%となるように48%NaOH水溶液を添加し、架橋重合体は90モル%中和物として3部に相当する量を使用した。また、比較例2−4については、バインダーとして以下のスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)を使用した。
SBR:JSR社製、商品名「TRD2001」、固形分として1.5部使用
CMC:ダイセルファインケム社製、商品名「CMC2200」、固形分として1.5部使用
LBV−1001:ハードカーボン(住友ベークライト社製)
HS−100:アセチレンブラック(電気化学工業社製)
これに対し、0.5重量%水分散液の粘度が本発明で規定する範囲外である架橋重合体R−9及びR−11を用いた比較例2−2及び2−3のサイクル特性は、82%及び88%と低いものであった。また、比較例2−3及びバインダーとしてSBR及びCMCを使用した比較例2−4は、実施例に比較してハイレート特性に劣るものであることが分かる。比較例2−3では活物質及び導電助剤の分散が不十分であり、電子抵抗が大きくなったことによるものと思われる。また、比較例2−4では、バインダーが十分なカルボキシル基を持たないことから界面抵抗が増加し、その結果ハイレート特性が低下したものと推察される。架橋重合体の含有量が多い比較例2−1も同様に、ハイレート特性が不十分なものであった。
Claims (7)
- 活物質、水及びバインダーを含む非水電解質二次電池電極合剤層用組成物であって、
前記バインダーが、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を含む単量体成分の架橋重合体及びその塩を含有し、
中和度90モル%における前記架橋重合体の0.5重量%水分散液の粘度が5,000〜40,000mPa・sであり、
前記架橋重合体及びその塩の含有量が、前記活物質に対して0.5〜5.0重量%である非水電解質二次電池電極合剤層用組成物。 - 前記架橋重合体は架橋性単量体により架橋されたものであり、該架橋性単量体の使用量が架橋性単量体以外の単量体の総量に対して0.05〜1.0モル%である請求項1に記載の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物。
- 前記架橋性単量体が、(メタ)アクリロイル基及びアルケニル基の両方を有するものである請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物。
- 前記架橋重合体の中和度が20〜100モル%である請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物。
- 非水電解質二次電池電極合剤層用組成物の製造方法であって、
水性媒体中でエチレン性不飽和カルボン酸単量体及び架橋性単量体を含む単量体成分を沈殿重合し、中和度90モル%における0.5重量%水分散液の粘度が5,000〜40,000mPa・sである架橋重合体を得た後、
活物質及び水と混合することにより非水電解質二次電池電極合剤層用組成物を製造する方法。 - 集電体表面に、請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池電極合剤層用組成物から形成される合剤層を備えた非水電解質二次電池電極。
- 請求項6に記載の非水電解質二次電池電極、セパレータ及び非水電解質液を備えた非水電解質二次電池。
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