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JPWO2016098180A1 - 酸素濃縮装置 - Google Patents

酸素濃縮装置 Download PDF

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弘修 長島
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Abstract

広い範囲で酸素濃度を制御することができる酸素濃縮装置を提供することを目的とする。酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填した窒素吸着部(14A、14B)と、窒素吸着部(14A、14B)へ加圧空気を供給する加圧空気供給部(12)と、窒素吸着部(14A、14B)と加圧空気供給部(12)との間を接続する配管(26A、26B、34)と、を有する酸素濃縮装置(10)において、配管(26A、26B、34)を流れる空気の一部を大気へ開放する大気開放部(24)を備えた構成にした。

Description

本発明は、例えば、酸素濃度を制御できる酸素濃縮装置に関する。
従来では、全身ガス麻酔を施す際、麻酔器を用いて、麻酔効果のある亜酸化窒素(以下、適宜「笑気ガス」という)と酸素とを適量混合し、更に気化性麻酔剤を加えて気道内に送入し実施していた。通常、酸素濃度60%程度の笑気ガス・酸素の混合気体により、麻酔中の患者の呼吸を維持していた。
しかしながら、近年、笑気ガスの副作用等が指摘され、笑気ガスの使用頻度が低くなってきた。そして、笑気ガスを使わない場合、患者の呼吸は100%の酸素濃度の酸素で維持される。
ところで、酸素濃度100%の酸素を長時間吸入した場合に、生体に悪影響を及ぼす。また、笑気ガスを用いなければ、肺生理に有効となる笑気ガスに含まれる窒素分がなくなり、適切な麻酔が施せない。
かかる問題点を補う目的で、近年、笑気ガスに替えて、酸素ボンベ又はエアコンプレッサから圧縮空気を送り、酸素と空気との混合ガスで麻酔を施すようになっている。
ここで、エアコンプレッサから供給される圧縮空気は、以下の3つの要件を満たさなければならない。
(1)十分に乾燥されている
(2)油脂分等が含まれていない
(3)無菌である
ところが、これらの要件を満たすエアコンプレッサは高額になり、普及の妨げになっていた。
このため、エアコンプレッサの代用として、酸素濃縮装置が考えられる。酸素濃縮装置を用いることにより、酸素ボンベが不要になり、上記3つの要件を満たし、かつ安価である反面、酸素濃縮装置から送入されるガスの酸素濃度が約90%になり、窒素濃度が10%程度しかならない。
酸素濃度が約90%の高濃度の酸素を長時間吸入すると、所謂「酸素中毒」の症状が発症するおそれがある。このため、酸素濃縮装置には酸素濃度を広い範囲で制御する機能が求められるが、現状の酸素濃縮装置では、酸素濃度を広い範囲で制御することが困難であった。
国際公開2011−052803号 国際公開2014−046297号
これに対して、上記2つの特許文献には、酸素濃度を制御する目的で、酸素濃度を検知しながら、ガスの流路を切り替えるときのタイミングを変化させる方式が開示されている。また、コンプレッサの回転数を変化させる方式も提案されている。
しかしながら、これらの方式では、酸素濃度を広い範囲で制御することが困難である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、広い範囲で酸素濃度を制御することができる酸素濃縮装置を提供することを目的とする。
本発明は、酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填した窒素吸着部と、前記窒素吸着部へ加圧空気を供給する加圧空気供給部と、前記窒素吸着部と前記加圧空気供給部との間を接続する配管と、を有する酸素濃縮装置において、前記配管を流れる空気の一部を大気へ開放する大気開放部を備えたことを特徴とする。
この場合、前記大気開放部は、空気の流れを開閉するための開閉弁で構成されたことが好ましい。
この場合、前記開閉弁の上流側に、前記開閉弁に供給される空気の流量を制限するための空気流量制御部を設けたことが好ましい。
この場合、前記窒素吸着部の下流側を流れる空気の酸素濃度を測定する酸素濃度測定部と、前記開閉弁の開閉を制御する弁駆動制御部と、を有し、前記弁駆動制御部は、前記酸素濃度測定部の測定結果に基づいて前記開閉弁の開閉を制御することが好ましい。
この場合、前記開閉弁が開いている開時間をTD、前記開閉弁が開いている開時間と前記開閉弁が閉じている閉時間との合計時間をTIとした場合、前記弁駆動制御部は、TIを一定として、TDのTIに対する割合を変えることにより前記開閉弁の開閉を制御することが好ましい。
この場合、酸素濃度の基準値を設定するための酸素濃度設定部を有し、前記弁駆動制御部は、前記酸素濃度測定部で測定された酸素濃度が前記酸素濃度設定部で設定された前記基準値よりも大きい場合に、TDのTIに対する割合を増やし、前記酸素濃度測定部で測定された酸素濃度が前記酸素濃度設定部で設定された前記基準値よりも小さい場合に、TDのTIに対する割合を減らす、ように前記開閉弁の開閉を制御することが好ましい。
本発明によれば、窒素吸着部と加圧空気供給部との間を接続する配管に大気開放部を設け、配管を流れる空気の一部を大気へ開放することにより、窒素吸着部に進入する前の空気の酸素濃度が変化する。これにより、適切な酸素濃度の空気を得ることができる。また、酸素濃度のみならず、配管を流れる空気の流量を調整することができる。
大気開放部は、空気の流れを開閉するための開閉弁を有するため、簡易な構成で空気の大気開放が実現できる。
空気流量制御部を開閉弁の上流側に設けることにより、弁駆動制御部による開閉弁の制御が容易になる。
弁駆動制御部は、酸素濃度測定部の測定結果に基づいて開閉弁の開閉を制御することにより、フィードバック制御が実現する。これにより、正確な制御を実行できる。
弁駆動制御部は、TIを一定として、TDのTIに対する割合を変えて開閉弁の開閉を制御することにより、開閉弁の開閉制御が容易になる。
酸素濃度測定部の測定された酸素濃度が酸素濃度設定部で設定された基準値よりも大きい場合に、TDのTIに対する割合を増やすことにより、開閉弁の開時間の割合が増える。これにより、配管を流れる空気の多くは大気へ開放されるため、窒素吸着部の下流側の空気の酸素濃度が小さくなる。
一方、酸素濃度測定部の測定された酸素濃度が酸素濃度設定部で設定された基準値よりも小さい場合に、TDのTIに対する割合を減らすことにより、開閉弁の閉時間の割合が増える。これにより、配管を流れる空気の多くは大気へ開放されず、窒素吸着部の下流側の空気の酸素濃度が大きくなる。
本発明の一実施形態の酸素濃縮装置の回路図である。 本発明の一実施形態の酸素濃縮装置の制御系のブロック図である。 本発明の一実施形態の酸素濃縮装置の弁駆動制御部による制御方式を示した図である。 本発明の一実施形態の酸素濃縮装置の酸素濃度設定部の変形例である。 本発明の一実施形態の酸素濃縮装置の製品タンク内の空気の酸素濃度の測定結果である。
本発明の一実施形態に係る酸素濃縮装置について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、酸素濃縮装置10は、加圧空気供給部12と、複数の窒素吸着部14A、14Bと、製品タンク16と、製品タンク16の内部の空気の酸素濃度を測定する酸素濃度測定部18と、弁駆動制御部20と、酸素濃度設定部22と、を基本構成としている。
酸素濃縮装置10は、製品タンク16内に供給する気体(空気)の酸素濃度を制御するものである。
窒素吸着部14A、14Bの上流側には、配管26A、26Bがそれぞれ接続されている。配管26A、26Bには、開閉弁28A、28Bがそれぞれ設けられている。
配管26Aと配管26Bとの間には、配管30が接続されている。配管30には、開閉弁32A、32Bが設けられている。
加圧空気供給部12の下流側と窒素吸着部14A、14Bの配管26A、26Bとの間には、配管34が接続されている。配管34には別の配管36が分岐し、当該配管36に空気を大気に開放するための大気開放部24が設けられている。
窒素吸着部14A、14Bの下流側には、配管38A、38Bがそれぞれ接続されている。配管38A、38Bには、逆止弁40A、40Bが設けられている。
配管38Aと配管38Bとの間には、配管42が接続されている。配管42には、空気の流量を制限するための空気流量制御部44が設けられている。
配管38A、38Bは、製品タンク16に接続されている。
ここで、大気開放部24は、例えば、空気を大気へ開放するための開閉弁24Aと、開閉弁24Aの上流側に設けられ開閉弁24Aに供給される空気の流量を制限するための空気流量制御部24Bと、で構成されている。
なお、空気流量制御部24Bは、必須の構成ではなく、適宜、配置することが好ましい。開閉弁24Aの上流側に空気流量制御部24Bを設けることにより、開閉弁24Aに供給される空気の流量を減少する。これにより、弁駆動制御部20による開閉弁24Aの制御が容易になる。
加圧空気供給部12は、例えば、コンプレッサが用いられる。
窒素吸着部14A、14Bは、例えば、酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤を収容した吸着塔で構成される。吸着剤とは、例えば、ゼオライト等が用いられる。
PSA方式の酸素濃縮装置10は、吸着工程において、ゼオライトが充填された吸着塔内部で窒素を加圧処理してゼオライトに吸着させる。このため、高い酸素濃度のガスが得られる。一方、窒素を吸着したゼオライトは、脱着工程において、減圧処理することによって窒素を放出する。これにより、吸着工程と脱着工程の繰り返しによって、半永久的に高濃度の酸素を生成することが可能になる。
酸素濃度測定部18は、例えば、製品タンク16の内部の空気中の酸素濃度を測定することができるセンサである。酸素濃度測定部18は、酸素濃度に関する信号を弁駆動制御部20に対して出力する。
酸素濃度設定部22は、製品タンク16の内部の空気中の酸素濃度の規定値を設定するためのO設定器である。酸素濃度設定部22は、酸素濃度の規定値に関する信号を弁駆動制御部に対して出力する。酸素濃度設定部22は、デジタル設定器又はアナログ設定器を用いることができる。
例えば、図4に示すように、酸素濃度設定部22に複数の酸素濃度設定値を実現するための複数のスイッチ部46A、46B、…を設けることにより、酸素濃縮装置10の使用現場において状況に合致した酸素濃度設定値をスイッチ部4646A、46B、…で選択することができるため、非常に便利である。
具体的には、30%の酸素濃度を設定できるスイッチ部46Aと、40%の酸素濃度を設定できるスイッチ部46Bと、50%の酸素濃度を設定できるスイッチ部46Cと、60%の酸素濃度を設定できるスイッチ部46Dと、70%の酸素濃度を設定できるスイッチ部46Eと、80%の酸素濃度を設定できるスイッチ部46Fと、90%の酸素濃度を設定できるスイッチ部46Gと、が酸素濃度設定部22に設けられている。これにより、希望する酸素濃度設定値に対応するスイッチ部を選択することにより、製品タンク16内の空気の酸素濃度を酸素濃度設定値に合致するように容易に制御できる。
弁駆動制御部20は、図2に示すように、CPU等で構成された比較制御部20Aと、弁ドライブ回路20Bと、で構成されている。弁駆動制御部20は、開閉弁24Aの駆動に関する駆動信号を開閉弁24Aに対して出力する。このため、弁駆動制御部20は、酸素濃度測定部18及び酸素濃度設定部22からの各信号に基づいて開閉弁24Aの開閉動作をフィードバック制御する。
ここで、弁駆動制御部20は、開閉弁24AのON/OFFの動作をデューティー比に基づいて制御する。
具体的には、図3に示すように、開閉弁24Aが開いている開時間をTD、開閉弁24Aが閉じている閉時間をTE、開閉弁24Aが開いている開時間TDと開閉弁24Aが閉じている閉時間TEとの合計時間をTIとした場合、弁駆動制御部20は、TIを一定として、TDのTIに対する割合を変えることにより開閉弁24Aの開閉を制御する。
さらに詳細には、弁駆動制御部20は、酸素濃度測定部18で測定された酸素濃度が酸素濃度設定部22で設定された前記基準値よりも大きい場合に、TDのTIに対する割合を増やし、酸素濃度測定部18で測定された酸素濃度が酸素濃度設定部22で設定された前記基準値よりも小さい場合に、TDのTIに対する割合を減らすように開閉弁24Aを駆動制御する。
開閉弁24Aは、例えば、電磁弁が用いられるが、これに限定されるものではない。例えば、電磁弁の代わりに流量調整弁を用いてもよい。
空気流量制御部24Bは、例えば、オリフィスが用いられる。
次に、本実施形態の酸素濃縮装置10の作用について説明する。
図1乃至図3に示すように、弁駆動制御部20が酸素濃度設定部22で設定された酸素濃度設定値と、酸素濃度測定部18で測定された製品タンク16内の空気の酸素濃度測定値と、に基づいて、開閉弁24Aの開時間(TD)の割合を制御する。大気開放部24は、空気の流れを開閉するための開閉弁24Aを有するため、簡易な構成で空気の大気開放が実現できる。
特に、開閉弁24Aが開いている開時間TDと開閉弁24Aが閉じている閉時間TEとの合計時間を一定として、TDのTIに対する割合を変えて開閉弁24Aの開閉を制御することにより、開閉弁24Aの開閉制御が容易になる。
具体的には、酸素濃度測定値が酸素濃度設定値よりも大きい場合には、製品タンク16の内部の空気の酸素濃度が高いため、開閉弁24Aが開いている開時間TDと開閉弁24Aが閉じている閉時間TEとの合計時間TIを一定とした上で、開閉弁24Aの開時間(TD)の割合が大きくなるように開閉弁24Aを制御する。これにより、開閉弁24Aが開いている時間が長くなるため、大気へ開放する空気の流量が多くなり、製品タンク16の内部へ供給される空気の流量が少なくなる。この結果、製品タンク16内の空気の酸素濃度が低下する。
酸素濃度測定値が酸素濃度設定値よりも小さい場合には、製品タンク16の内部の空気の酸素濃度が低いため、開閉弁24Aが開いている開時間TDと開閉弁24Aが閉じている閉時間TEとの合計時間TIを一定とした上で、開閉弁24Aの開時間(TD)の割合が小さくなるように開閉弁24Aを制御する。これにより、開閉弁24Aが開いている時間が短くなるため、大気へ開放する空気の流量が少なくなり、製品タンク16の内部へ供給される空気の流量が多くなる。この結果、製品タンク16内の空気の酸素濃度が上昇する。
このように、弁駆動制御部20が製品タンク16の内部の空気の酸素濃度の酸素濃度測定値と予め設定した酸素濃度設定値とに基づいて、開閉弁24Aをフィードバック制御することにより、製品タンク内の空気の酸素濃度の制御範囲が大きくなる。
具体的には、図5に示すように、製品タンク内の空気の酸素濃度を、約23%以上95%以下の範囲で調整することが可能になる。
特に、吸着剤であるゼオライトの劣化、環境温度の変化、加圧空気供給部12の劣化等で酸素濃度が変化した場合においても、確実かつ正確に酸素濃度の制御を実行することができる。
なお、上記実施形態は、本発明の一例を示したものであり、本発明はこの構成に限定されるべきではない。本実施形態で開示した構成と均等的な構成あるいは設計変更程度の構成は、当然ながら、本発明の範囲に含まれるべきものである。
10 酸素濃縮装置
12 加圧空気供給部
14A 窒素吸着部
14B 窒素吸着部
16 製品タンク
18 酸素濃度測定部
20 弁駆動制御部
22 酸素濃度設定部
24 大気開放部
24A 開閉弁
24B 空気流量制御部

Claims (6)

  1. 酸素よりも窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填した窒素吸着部と、
    前記窒素吸着部へ加圧空気を供給する加圧空気供給部と、
    前記窒素吸着部と前記加圧空気供給部との間を接続する配管と、
    を有する酸素濃縮装置において、
    前記配管を流れる空気の一部を大気へ開放する大気開放部を備えたことを特徴とする酸素濃縮装置。
  2. 前記大気開放部は、空気の流れを開閉するための開閉弁で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の酸素濃縮装置。
  3. 前記開閉弁の上流側に、前記開閉弁に供給される空気の流量を制限するための空気流量制御部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の酸素濃縮装置。
  4. 前記窒素吸着部の下流側を流れる空気の酸素濃度を測定する酸素濃度測定部と、
    前記開閉弁の開閉を制御する弁駆動制御部と、
    を有し、
    前記弁駆動制御部は、前記酸素濃度測定部の測定結果に基づいて前記開閉弁の開閉を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の酸素濃縮装置。
  5. 前記開閉弁が開いている開時間をTD、
    前記開閉弁が開いている開時間と前記開閉弁が閉じている閉時間との合計時間をTIとした場合、
    前記弁駆動制御部は、TIを一定として、TDのTIに対する割合を変えることにより前記開閉弁の開閉を制御することを特徴とする請求項4に記載の酸素濃縮装置。
  6. 酸素濃度の基準値を設定するための酸素濃度設定部を有し、
    前記弁駆動制御部は、
    前記酸素濃度測定部で測定された酸素濃度が前記酸素濃度設定部で設定された前記基準値よりも大きい場合に、TDのTIに対する割合を増やし、
    前記酸素濃度測定部で測定された酸素濃度が前記酸素濃度設定部で設定された前記基準値よりも小さい場合に、TDのTIに対する割合を減らす、
    ように前記開閉弁の開閉を制御することを特徴とする請求項5に記載の酸素濃縮装置。
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