JPWO2016052193A1 - 光電変換素子、色素増感太陽電池、金属錯体色素、色素溶液、およびターピリジン化合物またはそのエステル化物 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、末端ピリジン環の金属イオンに配位する環構成窒素原子に対して3位に、アミノ基を含むベンゼン環基またはチオフェン環基が結合したターピリジン配位子と3個の単座の配位子とを有する金属錯体色素が記載されている。また、この金属錯体色素を用いた光電気化学電池が、高光電変換効率を達成し、しかも耐久性に優れていたことも記載されている。
特許文献2には、α−ピリジン環の金属イオンに配位する環構成窒素原子に対して3位に、ジフェニルアミノフェニル基を有するチオフェン環基が結合した3座の配位子、および、この配位子と3個のイソチオシアネートアニオンを有する金属錯体が記載されている。
特許文献3には、炭素数15のアルキル基で置換されたチオフェン環基が結合した末端ピリジン環を有するターピリジン配位子を持つ金属錯体色素が記載されている。また、この金属錯体色素を用いた光電気化学電池が、光電変換効率が高く、耐久性に優れていたことも記載されている。
特許文献4には、末端ピリジン環の金属イオンに配位する環構成窒素原子に対して3位に、アルキル基で置換されたチオフェン環基等が結合したターピリジン配位子と、特定の置換基で置換された環状の基を持つドナー配位子とを有する金属錯体色素が記載されている。また、この金属錯体色素を用いた光電気化学電池が、性能のバラツキの低減と、光電変換効率および耐久性の向上とを両立できたことも記載されている。
<1>導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極とを有する光電変換素子であって、感光体層が、下記式(I)で表される金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
LAは、下記式(LA−1)で表される3座の配位子を表す。
LDは2座もしくは3座の配位子を表す。pは0または1を表す。
LXは単座の配位子を表す。qは、pが0であるとき3を表し、pが1でLDが3座の配位子であるとき0を表し、pが1でLDが2座の配位子であるとき1を表す。
CIは金属錯体色素の電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。zは0〜3の整数を表す。
LWは各々独立に窒素原子またはCRWを表し、RWは水素原子または置換基を表す。
L1は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環および含窒素芳香族環からなる群より選ばれる単環またはこの単環を縮合環として含む多環であって、この単環を形成する環構成炭素原子でLWを含む環に結合する芳香族環基を表す。
L2は、芳香族環基を表す。mは0〜5の整数を表す。
R1およびR2は、各々独立に、アルキル基または芳香族環基を表す。
Zbが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
LWを含む環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環およびキノリン環からなる群より選ばれる少なくとも一種である<1>に記載の光電変換素子。
<3>Mが、Ru2+またはOs2+である<1>または<2>に記載の光電変換素子。
<4>LAが、下記式(LA−2)で表される<1>〜<3>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<6>上記単環が、ベンゼン環、フラン環またはピロール環である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<7>LAが、下記式(LA−3)で表される<1>〜<6>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<12>下記式(I)で表される金属錯体色素。
LAは、下記式(LA−1)で表される3座の配位子を表す。
LDは2座もしくは3座の配位子を表す。pは0または1を表す。
LXは単座の配位子を表す。qは、pが0であるとき3を表し、pが1でLDが3座の配位子であるとき0を表し、pが1でLDが2座の配位子であるとき1を表す。
CIは金属錯体色素の電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。zは0〜3の整数を表す。
L1は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環および含窒素芳香族環からなる群より選ばれる単環またはこの単環を縮合環として含む多環であって、この単環を形成する環構成炭素原子でLWを含む環に結合する芳香族環基を表す。
L2は、芳香族環基を表す。mは0〜5の整数を表す。
R1およびR2は、各々独立に、アルキル基または芳香族環基を表す。
<14>下記式(LA−2)で表されるターピリジン化合物またはそのエステル化物。
L2は、芳香族環基を表す。mは0〜5の整数を表す。
R1およびR2は各々独立にアルキル基または芳香族環基を表す。
Anc1およびAnc2は各々独立に酸性基を表す。
特定の符号で表示された置換基や連結基、配位子等(以下、置換基等という)が複数あるとき、または複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するとき(特に、隣接するとき)には、特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成してもよい。
本発明において、環の員環数は、特に限定されないが、4〜8員が好ましく、5または6員がより好ましい。また、環は、縮合環であってもよい。すなわち、環は、単環と、複数の環が縮環してなる多環(縮合環)とを包含する。多環を形成する環数(縮環数)は、特に限定されず、例えば、2〜5環であることが好ましい。
芳香族環は、芳香族炭化水素環および芳香族ヘテロ環を含む。芳香族炭化水素環は、芳香族性を示す炭化水素環をいう。特に限定されないが、例えば、単環の芳香族炭化水素環としてベンゼン環が挙げられ、多環の芳香族炭化水素環としてナフタレン環、フルオレン環が挙げられる。芳香族ヘテロ環は芳香族性を示すヘテロ環をいい、単環の芳香族ヘテロ環および多環の芳香族ヘテロ環を含む。芳香族炭化水素環基は価数によりアリール基またはアリーレン基ともいい、同様に芳香族ヘテロ環基はヘテロアリール基またはヘテロアリーレン基ともいう。
脂肪族環は、芳香族環以外の環をいい、脂肪族炭化水素環および脂肪族ヘテロ環を含む。脂肪族炭化水素環としては、飽和炭化水素環、および、芳香族性を示さない不飽和炭化水素環が挙げられる。例えば、単環の飽和炭化水素環(シクロアルカン)、多環の飽和炭化水素環、単環の不飽和炭化水素環(シクロアルケン、シクロアルキン)および多環の不飽和炭化水素環等が挙げられる。
また、芳香族ヘテロ環および脂肪族ヘテロ環を合わせてヘテロ環ということがある。ヘテロ環は、炭素原子とヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、セレン原子またはリン原子)とを環構成原子とする環をいう。
本発明の上記および他の特徴および利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
本発明の光電変換素子は、導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極(対向電極)とを有する。感光体層と電荷移動体層と対極とがこの順で導電性支持体上に設けられている。
半導体微粒子は、後述する式(I)の金属錯体色素と併せて、他の金属錯体色素を担持していてもよい。
半導体微粒子は、上記金属錯体色素とともに後述する共吸着剤を担持していることが好ましい。
以下、本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池の好ましい実施形態について説明する。
光電変換素子10は、導電性支持体1と、色素(金属錯体色素)21が担持されることにより増感された半導体微粒子22、および、半導体微粒子22間に電解質を含む感光体層2と、正孔輸送層である電荷移動体層3と、対極4とからなる。
光電変換素子10において、受光電極5は、導電性支持体1および感光体層2を有し、作用電極として機能する。
色素増感太陽電池20となる光電変換素子は、図1に示す光電変換素子に対して、導電性支持体41および感光体層42の構成、および、スペーサーSを有する点で異なるが、それらの点以外は図1に示す光電変換素子10と同様に構成されている。すなわち、導電性支持体41は、基板44と、基板44の表面に成膜された透明導電膜43とからなる2層構造を有している。また、感光体層42は、半導体層45と、半導体層45に隣接して成膜された光散乱層46とからなる2層構造を有している。導電性支持体41と対極48との間にはスペーサーSが設けられている。色素増感太陽電池20において、40は受光電極であり、47は電荷移動体層である。
本発明の金属錯体色素は、下記式(I)で表される。本発明の金属錯体色素は、下記式(LA−1)で表される配位子LAを有することにより、光電変換素子および色素増感太陽電池に、半導体層の膜厚変化の影響が小さく、高い光電変換効率と、優れた熱安定性とを付与できる。したがって、本発明の金属錯体色素は増感色素として色素増感太陽電池に好ましく用いられる。
LAは下記式(LA−1)で表される3座の配位子を表す。
L1は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環および含窒素芳香族環からなる群より選ばれる単環またはこの単環を縮合環として含む多環であって、この単環を形成する環構成炭素原子でLWを含む環に結合する芳香族環基を表す。
L2は、芳香族環基を表す。mは0〜5の整数であり、好ましくは0〜2の整数であり、さらに好ましくは0または1である。
R1およびR2は各々独立にアルキル基または芳香族環基を表す。
式(LA−1)で表される3座の配位子において、「−L1−(L2)m−NR1R2」基を「アミノ基含有芳香族環基」という。
LXは、単座の配位子を表す。qは、pが0であるとき3を表し、pが1でLDが3座の配位子であるとき0を表し、pが1でLDが2座の配位子であるとき1を表す。
Mは、金属錯体色素の中心金属であり、長周期律表上6〜12族の各元素のイオンが挙げられる。このような金属イオンとしては、例えば、Ru、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、MnおよびZnの各イオンが挙げられる。金属イオンMは、1種のイオンであっても2種以上のイオンであってもよい。
本発明においては、金属イオンMは、Os2+、Ru2+またはFe2+が好ましく、Os2+またはRu2+がより好ましく、Ru2+が特に好ましい。
光電変換素子中に組み込まれた状態においては、Mの価数は、周囲の材料との酸化還元反応により変化することがある。
配位子LAは、式(LA−1)で表され、3つの窒素原子で金属イオンMに配位する3座の配位子(化合物)である。
この配位子LAは、Zaが形成する環およびZbが形成する環の少なくとも1つが有する酸性基(吸着基ともいう)により、本発明の金属錯体色素を半導体微粒子に担持させる機能を有する。
ZaおよびZbが形成する環は、5員環の芳香族ヘテロ環および6員環の芳香族ヘテロ環が好ましい。これらの環は、単環に加えて、この単環に芳香族環および脂肪族環の少なくとも1つが縮環した縮合環を包含する。また、Zaが形成する環およびZbが形成する環は、好ましくは後述する置換基群Tから選ばれる置換基を有していてもよい。この置換基を介してZaおよびZbが形成する環が互いに結合した縮合環を形成してもよい。このような縮合環としては、例えば、1,10−フェナントロリン環が挙げられる。
ZaおよびZbが形成する環は、それぞれ、上記5員環の芳香族ヘテロ環の群および6員環の芳香族ヘテロ環の群からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、式(LA−1)で示される各環の構造に適合する芳香族ヘテロ環が好ましく選択される。
ZaおよびZbが形成する環は、それぞれ、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。具体的には、Zaが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。また、Zbが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
なかでも、ZaおよびZbが形成する環は、それぞれ、イミダゾール環、ピリジン環またはピリミジン環であることがより好ましく、ともにピリジン環であることが特に好ましい。
酸性基としては、好ましくは、カルボキシ基、ホスホニル基、スルホ基またはカルボキシ基を有する基であり、より好ましくはカルボキシ基である。
また、酸性基は、後述するようにエステル化されていてもよい。
LWを含む環は、ZaおよびZbが形成する環として説明した6員環の芳香族ヘテロ環の群より、式(LA−1)中の上記環構造に適合する芳香族ヘテロ環が好ましく選択される。より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環およびキノリン環の少なくとも1種であり、ピリジン環またはピリミジン環であることがさらに好ましく、ピリジン環であることが特に好ましい。
シロール環において、環構成ケイ素原子は置換基を有していてもよい。置換基としては、特に限定されず、後述する置換基群Tから選ばれる基が挙げられ、好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等である。
含窒素芳香族環は、単環の含窒素芳香族環であれば特に限定されず、好ましくは、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環等の5員環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、トリアジン環またはテトラジン環等の6員環の各単環が挙げられる。
上記群から選ばれる単環は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環または含窒素芳香族環が好ましく、光電変換効率の点で、フラン環、セレノフェン環または5員環の含窒素芳香族環がより好ましく、一方、コストおよび生産性の点で、ベンゼン環がより好ましい。さらに好ましくは、ベンゼン環、フラン環またはピロール環であり、光電変換効率の点で、フラン環またはピロール環が特に好ましい。
ここで、多環を形成する環数は、特に限定されず、例えば2〜5環であることが好ましく、2環または3環であることがより好ましい。
多環の芳香族環基としては、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、インデン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾイソチオフェン環、ベンゾフラン環、チエノピリジン環、シクロペンタジチオフェン環、チエノ[3,2−b]チオフェン環、チエノ[3,4−b]チオフェン環、トリチオフェン環、ベンゾジチオフェン環、ベンゾジフラン環、ジベンゾフラン環、ジチエノピロール環、ジチエノシロール環、ジベンゾシロール環、カルバゾール環、ベンゾピラゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、キノリン環等の各環基が挙げられる。
なかでも、フルオレン環基、ベンゾフラン環、インドール環が好ましい。
また、L1は、後述するR1およびR2の一方と結合して環を形成していてもよい。L1、N原子ならびにR1およびR2の一方が結合して形成する環としては、特に限定されず、芳香族環でも脂肪族環でもよい。このような環としては、例えば、後述する「含窒素環基」の構造を有する芳香族ヘテロ環等が挙げられ、カルバゾール環、アクリダン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環等が好ましい。
芳香族炭化水素環基は、特に限定されず、単環でも縮合環でもよい。好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環の各基が挙げられる。
芳香族ヘテロ環基は、特に限定されず、上記L1で説明した芳香族環基、上記L1で説明した芳香族環基以外の芳香族環基が挙げられる。L2がL1で説明した芳香族環基である場合、L2とL1とは同一でも異なる環基でもよい。
また、L2は、後述するR1およびR2の一方と結合して環を形成していてもよい。L2、N原子ならびにR1およびR2の一方が結合して形成する環としては、特に限定されず、L1が形成する上記環と同義であり、好ましいものも同じである。
アルキル基は、炭素数が1〜24であることが好ましく、1〜12であることがより好ましい。また、アルキル基は直鎖、分岐および環状のいずれでもよいが、直鎖および分岐のアルキル基が好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3,7−ジメチルオクチル、2−ブチルオクチル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、2−ヘキシルデシルが挙げられ、t−ブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシルまたはn−オクチルが好ましい。
芳香族環基は、アリール基またはヘテロアリール基を含む。
アリール基は、炭素数が6〜24であることが好ましく、6〜18であることがより好ましい。本発明において、アリール基は、芳香族炭化水素環からなる基であればよく、他の芳香族炭化水素環および脂肪族炭化水素環の少なくとも1つが縮環した縮合環基でもよい。アリール基としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、ビフェニル、アントラセニルが挙げられる。R1およびR2としてのアリール基は、フェニル、ナフチルまたはフルオレニルが好ましく、フェニルがさらに好ましい。
ヘテロアリール基は、炭素数は0〜24であることが好ましく、1〜18であることがより好ましい。ヘテロアリール基を形成するヘテロ環としては、特に限定されず、上記L1で説明した各環および上記L2で説明した各環が挙げられる。
上記の各含窒素環基は、ぞれぞれ、置換基を有していてもよい。これらの環が有していてもよい置換基としては、後述する置換基群Tから選ばれる置換基が挙げられる。また、置換基数も特に限定されない。複数の置換基を有する場合、同一の置換基でも異なる置換基でもよい。
R1およびR2がともにアリール基であるN,N−ジアリールアミノ基としては、特に限定されないが、例えば、N,N−ジフェニルアミノ、N,N−ジ(4−メチルフェニル)アミノ、N,N−ジ(4−(t−ブチル)フェニル)アミノ、N,N−ジ(4−(n−ヘキシル)フェニル)アミノ、N,N−ジ(4−メトキシフェニル)アミノ、N,N−ジ(4−(n−オクチルオキシ)フェニル)アミノ、N,N−ジ(4−トリメチルシリルフェニル)アミノ、N,N−ジ(3,5−ジメチルフェニル)アミノ、N,N−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)アミノ、N,N−ジ(4−メチルチオフェニル)アミノ、N,N−ジ(4−ビフェニル)アミノ、N,N−ジナフチルアミノ、N,N−ジフルオレニルアミノ、N,N−ジ(4−ジフェニルアミノフェニル)アミノ、N,N−ジ(4−フルオロフェニル)アミノ、N,N−ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ、N,N−ジ(4−クロロフェニル)アミノ、N−メトキシフェニル−N−ナフチルアミノ、4,7−ジ(t−ブチルカルバゾイル)アミノ等が挙げられる。
R1およびR2がともにヘテロアリール基であるN,N−ジヘテロアリールアミノ基としては、N,N−ジチエニルアミノ、N,N−ジ(4−アルキルチエニル)アミノ、N,N−ジ(4−(n−ヘキシル)チエニル)アミノ、N,N−ジ(3−ピリジル)アミノ等が挙げられる。
Anc1およびAnc2は、各々独立に、酸性基を表す。酸性基は、式(LA−1)の酸性基と同義であり、好ましいものも同じである。
このエステル化物は、上記酸性基が保護された化合物であって、加水分解等により酸性基に再生できるエステルであり、特に限定されない。例えば、上記酸性基のアルキルエステル化物、アリールエステル化物、ヘテロアリールエステル化物等が挙げられる。これらのなかでも、アルキルエステル化物が好ましい。アルキルエステル化物を形成するアルキル基は、特に限定されないが、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましい。アリールエステル化物を形成するアリール基およびヘテロアリールエステル化物を形成するヘテロアリール基は、それぞれ、特に限定されず、後述する置換基群Tで例示したものが挙げられる。これらの基は、後述する置換基群Tより選択される1種以上の置換基を有していてもよい。
エステル化される酸性基は、Anc1およびAncの2つが好ましい。この場合、2つのエステルは同じでも異なっていてもよい。
R11〜R23は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。R11〜R23がとり得る置換基は、R1およびR2がとり得る置換基と同義であり、好ましいものも同じである。R11〜R22のうち隣接する2つが互いに連結して環を形成してもよい。
Anc1およびAnc2は各々独立に酸性基を表す。酸性基は、式(LA−1)の酸性基と同義であり、好ましいものも同じである。
L2は式(LA−1)のL2と同義である。nは0または1を表す。
式(LA−3)で表されるターピリジン化合物のエステル化物は、(LA−2)で表されるターピリジン化合物のエステル化物と同義であり、好ましいものも同じである。
このときのカップリング反応は、例えば、日本化学会編、「実験化学講座 第5版」、丸善株式会社、13巻、p92−117に記載の「鈴木カップリング反応」や「Stilleカップリング反応」等またはこれらに準じて、行うことができる。また、加水分解は、例えば、日本化学会編、「実験化学講座 第5版」、丸善株式会社、16巻、p10−15に記載の方法に準じて、行うことができる。例えば、後述する実施例で合成した方法が挙げられる。
本発明においては、前駆体化合物を加水分解して合成した配位子LAを用いて、本発明の金属錯体色素を合成することができる。また、後述する実施例1のように、前駆体化合物を用いて金属錯体色素化した後に、上記方法に準じてエステル基を加水分解して、本発明の金属錯体色素を合成することもできる。
式(L1−2)において、Y2は、式(L1−1)のY1がトリアルキルスズ基、ボロン酸基またはボロン酸エステル基の場合、ハロゲン原子またはパーフルオロアルキルスルホニルオキシ基を表し、式(L1−1)のY1がハロゲン原子またはパーフルオロアルキルスルホニルオキシ基の場合、トリアルキルスズ基、ボロン酸基またはボロン酸エステル基を示す。
式(L1−2)および式(L1−3)において、Rはアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を示す。
LDは、2座の配位子、または上記配位子LAとは異なる3座の配位子である。
この配位子LDは、半導体微粒子の表面に吸着する酸性基を有さないことが好ましい。配位子LD中に、酸性基に相当する基を含んだとしても、半導体微粒子表面に吸着しないものが好ましい。
例えば、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、例えば上記群から選ばれた2または3つの基が互いに連結してなる基で配位する配位子が挙げられる。
他にも、例えば、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド、チオ尿素、キノリノールまたはビピリジン等の配位子も挙げられる。1,3−ジケトンとしては、特に限定されないが、好ましくは、炭素原子数3〜20の1,3−ジケトン、例えば、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、トリフルオロアセチルトリフルオロアセトン、4−フルオロベンゾイルトリフルオロアセトン、ジピバロイルメタン、ジベンゾイルメタン、3−クロロアセチルアセトン等が挙げられる。
上記配位子のなかでも、下記式(DL)で表される配位子が好ましい。
ma1およびma4は各々独立に0〜3の整数を表す。maはmbが0のとき、0〜4の整数を表し、mbが1のとき、0〜3の整数を表す。
ここで、ma、ma1およびma4の各々が2以上の整数であるとき、複数のRa、複数のRa1および複数のRa4は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。また、RaとRa1、RaとRa4が連結して環を形成してもよい。
環DDL、環EDLおよび環Fが芳香族炭化水素環である場合、ベンゼン環が好ましい。
芳香族ヘテロ環は、環構成原子として上記ヘテロ原子を含む芳香環であればよく、例えば、非縮環の6員環、5員環が縮環した6員環、ベンゼン環が縮環した5員環またはベンゼン環が縮環した6員環が好ましく、非縮環の6員環、5員環が縮環した6員環がより好ましく、非縮環の6員環がさらに好ましい。
環DDLおよび環EDLは、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピラジン環またはベンゼン環が好ましく、ピラゾール環、トリアゾール環またはベンゼン環がより好ましい。
環Fは、窒素原子を含む芳香族ヘテロ環が好ましく、ピリジン環およびピリミジン環、トリアジン環がより好ましく、ピリジン環およびピリミジン環がさらに好ましく、ピリジン環が特に好ましい。
金属イオンMと結合するアニオンとしては、特に限定されないが、=C−−イオンのような炭素アニオン、>N−イオンのような窒素アニオンが好ましく挙げられる。
Raは、なかでも、芳香族ヘテロ環基、芳香族炭化水素環基、エテニル基、エチニル基、ハロゲン原子、アルキル基、アミノ基(アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基等を含む)、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基が好ましく、芳香族ヘテロ環基、芳香族炭化水素環基、エテニル基、エチニル基、アルキル基、アルコキシ基もしくはアミノ基(アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基等を含む)がより好ましい。また、上記各基を組み合わせてなる基も好ましい。
式(VU−2)中、RBA〜RBEは各々独立に水素原子または置換基を表し、RBA、RBB、RBDおよびRBEの少なくとも1つは置換基を表す。
RAAとして採りうる置換基は、上記各基のなかでも、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基またはアリールアミノ基であることがより好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基またはアリールアミノ基であることがさらに好ましく、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルアミノ基であることが特に好ましく、アルキル基またはアルコキシ基であることが最も好ましい。
上記RAAとして採りうる置換基は、いずれも、光電変換効率の点で、チオフェン環(Tが硫黄原子である場合)に結合するのが好ましい。
RAAとして採りうる上記置換基はさらに後述する置換基群Tから選ばれる基で置換されていてもよい。
アリールアミノ基の炭素数は、3〜30が好ましく、3〜25がより好ましく、3〜20がさらに好ましく、3〜16が特に好ましい。アリールアミノ基としては、例えば、フェニルアミノ、N−フェニル−N−エチルアミノ、ナフチルアミノ、イミダゾリルアミノ、ベンズイミダゾリルアミノ、ピリジン−4−イルアミノ、ピリミジニルアミノ、キナゾリニルアミノ、プリニルアミノまたはチオフェン−3−イルアミノ等が挙げられる。
RACは、水素原子または置換基を表す。
RABおよびRACとして採りうる置換基は、上記RAAと同義であり、好ましいものも同じである。RABまたはRACが置換基である場合、この置換基はRAAと同一でも異なってもよい。
ただし、RBA、RBB、RBDおよびRBEの少なくとも1つは置換基である。RBAおよびRBEの少なくとも一方または両方が置換基であり、RBB、RBCおよびRBDはいずれも水素原子であるか、RBBおよびRBDの少なくとも一方または両方が置換基であり、RBA、RBCおよびRBEはいずれも水素原子であることが特に好ましい。
RBA〜RBEのうちの2つ以上が置換基である場合、2つ以上の置換基は互いに同一でも異なってもよい。
また、環DDLおよび環EDLがそれぞれRa1またはRa4を有する場合、環DDLおよび環EDLそれぞれにおいてRa1またはRa4が結合する位置は特に限定されない。
X1およびX2は、各々独立に、CRa5または窒素原子を表す。Ra5は、式(DL)におけるRaと同義であり、好ましい範囲も同じである。X1およびX2を含む環(環Fともいう)としては、上記式(DL)における環Fと同義であり、好ましい範囲も同じである。
Ra1、Ra4、ma1およびma4は、上記式(DL)におけるRa1、Ra4、ma1およびma4と同義であり、好ましい範囲も同じである。
Ra2およびRa3で表される置換基は、上記式(DL)におけるRaと同義であり、好ましい範囲も同じである。
ma1、ma3およびma4の各々が2以上の整数であるとき、複数のRa1、Ra3およびRa4は、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。
環Dおよび環E中のD1およびD2と、F環に結合する炭素原子との間の結合は、単結合でも二重結合でもよい。
D1およびD2は、各々独立に、炭素原子のアニオンまたは窒素原子のアニオンを表す。
芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられ、ベンゼン環が好ましく、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、もしくはハロゲン化アリール基で置換されたベンゼン環がより好ましい。ハロゲン化アルキル基は、ハロゲン原子が置換したアルキル基であり、フッ化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル基)が好ましい。ハロゲン化アリール基としては、1〜5個のハロゲン原子が置換したフェニル基が好ましい。
酸素を含む芳香族へテロ環としてはフラン環が好ましく、硫黄を含む芳香族へテロ環としてはチオフェン環が好ましい。窒素を含む芳香族ヘテロ環としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環が好ましい。
環D2Lは、例えば、ベンゼン環、チオフェン環もしくはフラン環の環構成原子の1つがアニオンとなった各環、または、下記式(a−1)〜(a−5)、(a−1a)、(a−2a)、(a−1b)および(a−4a)で表される各環等が好ましく挙げられる。
R111〜R114の少なくとも1つ、R121〜R123の少なくとも1つ、R131〜R133の少なくとも1つ、R141〜R143の少なくとも1つは置換基であることが好ましく、一つまたは二つが置換基であることがより好ましい。
式(3L−1)〜(3L−4)における環D2Lは、上記式(2L―1)〜(2L−4)の環D2Lと同義であり、好ましい範囲も同じである。環D2Lは、A211〜A242のいずれか1つと炭素原子または2つの炭素原子を含む芳香族環がより好ましい。このとき、各式において2つの環D2Lは同一でも異なってもよい。
R211〜R241で表される置換基としては、それぞれ、上記式(DL)におけるRaと同義であり、好ましい範囲も同じである。
R211〜R213の少なくとも1つ、R221およびR222の少なくとも1つ、R231およびR232の少なくとも1つ、ならびに、R241は、置換基であることが好ましい。
具体的には、上記の好ましい配位子は、金属イオンMに配位する原子の少なくとも1つが窒素アニオンまたは炭素アニオンであって、かつ下記式(SA)を部分構造に有する配位子である。
上記式(SA)で表される基のうち、RDA1およびRDA2の少なくとも一方がアリール基またはヘテロアリール基であることが好ましく、ともにアリール基であることがさらに好ましい。アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基は置換基を有してもよく、このような置換基としては、後述する置換基群Tより選ばれる基が挙げられる。
アリール基としては特に限定されないが、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、フラニル基、チエニル基が好ましい。
LLにおけるアリーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、ヘテロアリーレン基としては、2価の5または6員環で、環構成原子として、酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含むものが好ましく、ベンゼン環やヘテロ環で縮環していてもよい。
ヘテロアリーレン基のヘテロ環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環が挙げられ、フラン環、チオフェン環が好ましい。
形成する環としては、5または6員環が好ましく、RDA1とRDA2がともにアリール基である場合に結合したものが、より好ましい。
RDA1とRDA2が互いに結合して形成された環としては、以下の環が好ましい。
上記環は、置換基を有してもよく、このような置換基としては後述する置換基群Tより選ばれる基が挙げられる。
配位子LXは、単座の配位子であればよく、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる基もしくは原子またはこれらのアニオンが好ましい。
配位子LXがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基等を含む場合、それらは置換基を有していてもいなくてもよい。また、アリール基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を含む場合、それらは置換基を有していてもいなくてもよく、単環でも縮環していてもよい。
CIは金属錯体色素の電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。一般に、金属錯体色素が陽イオンもしくは陰イオンであるか、または、正味のイオン電荷を有するかどうかは、金属錯体色素中の金属、配位子および置換基に依存する。
置換基が解離性基を有すること等により、金属錯体色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、金属錯体色素全体の電荷はCIにより電気的に中性とされる。
、ホスホニウムイオン(例えばテトラアルキルホスホニウムイオン、アルキルトリフェニルホスホニウムイオン等)、アルカリ金属イオン(Liイオン、Naイオン、Kイオン等)、アルカリ土類金属イオン、金属錯体イオンまたはプロトンである。正の対イオンとしては、無機もしくは有機のアンモニウムイオン(テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、テトラオクチルアンモニウムイオン、テトラデシルアンモニウムイオン等)、アルカリ金属イオン、プロトンが好ましい。
本発明の金属錯体色素は、下記式(I)で表される。
式中、M、LA、LD、p、LX、q、CIおよびzは、上記した通りであり、好ましいものも同じである。
L1、L2、m、R1およびR2は、上記式(LA−1)のL1、L2、m、R1およびR2と同義である。
Anc1およびAnc2は各々独立に酸性基を表す。酸性基は、式(LA−1)の酸性基と同義であり、好ましいものも同じである。
環Dおよび環Eは各々独立に5員もしくは6員の芳香族環を表す。D1およびD2は各々独立に炭素原子のアニオンまたは窒素原子のアニオンを表す。ここで、環Dおよび環E中のD1およびD2と、ピリジン環に結合する炭素原子との間の結合は単結合または二重結合である。環Dおよび環Eは、上記式(DL−1)および(DL−2)の環Dおよび環Eと同義であり、好ましいものも同じである。
Ra1〜Ra4は各々独立に置換基を表す。Ra1〜Ra4は、それぞれ、上記式(DL−1)および(DL−2)のRa1〜Ra4と同義であり、好ましいものも同じである。
ma1、ma2およびma4は各々独立に0〜3の整数を表す。ma3は0〜4の整数を表す。ma1およびma4は、それぞれ、上記式(DL−1)および(DL−2)のma1およびma4と同義であり、好ましいものも同じである。ma2およびma3の好ましい範囲は上記式(DL)のmaの好ましい範囲と同じである。ma1〜ma4の各々が2以上の整数を表すとき、複数のRa1〜Ra4はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
下記具体例および実施例で示す具体例は、各具体例における配位子LA、LDおよびLXの具体的な組み合わせに関わらず、配位子LA、LDおよびLXそれぞれの具体例をも各々独立に示すものである。なお、具体例中のMeはメチルを表し、Etはエチルを表し、TBAはテトラブチルアンモニウムを表す。
本発明において、好ましい置換基としては、下記置換基群Tから選ばれる基が挙げられる。置換基群Tは、上記酸性基を含まない置換基群である。
また、本明細書において、単に置換基としてしか記載されていない場合は、この置換基群Tを参照するものであり、また、各々の基、例えば、アルキル基、が記載されているのみの場合は、この置換基群Tの対応する基における好ましい範囲、具体例が適用される。
さらに、本明細書において、アルキル基をシクロアルキル基と区別して記載している場合(例えば、RAAとして採りうる置換基の記載)、アルキル基は、直鎖アルキル基および分岐アルキル基を包含する意味で用いる。一方、アルキル基をシクロアルキル基と区別して記載していない場合(単に、アルキル基と記載されている場合)、および、特段の断りがない場合、アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびシクロアルキル基を包含する意味で用いる。このことは、環状構造を採りうる基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等)を含む基(アルコキシ基、アルキルチオ基、アルケニルオキシ基等)、環状構造を採りうる基を含む化合物(上記アルキルエステル化物等)についても同様である。下記置換基群Tの説明においては、例えば、アルキル基とシクロアルキル基のように、直鎖または分岐構造の基と環状構造の基とを明確に説明するため、これらを分けて記載していることもある。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチルまたはトリフルオロメチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニル、アリルまたはオレイル)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エチニル、ブチニルまたはフェニルエチニル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたは4−メチルシクロヘキシル)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜20で、例えばシクロペンテニルまたはシクロヘキセニル)、アリール基(芳香族炭化水素環基、好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル、ジフルオロフェニルまたはテトラフルオロフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜20で、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5員環または6員環のヘテロ環基がより好ましい。ヘテロ環には芳香族環および脂肪族環を含む。芳香族ヘテロ環基(例えばヘテロアリール基)として次の基が挙げられる。例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリルまたは2−オキサゾリル)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシまたはベンジルオキシ)、アルケニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニルオキシまたはアリルオキシ)、アルキニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、2−プロピニルオキシまたは4−ブチニルオキシ)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシまたは4−メチルシクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシまたは4−メトキシフェノキシ)、ヘテロ環オキシ基(例えば、イミダゾリルオキシ、ベンゾイミダゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、ベンゾチアゾリルオキシ、トリアジニルオキシまたはプリニルオキシ)、
導電性支持体は、導電性を有し、感光体層2等を支持できるものであれば特に限定されない。導電性支持体は、導電性を有する材料、例えば金属で形成された導電性支持体1、または、ガラスもしくはプラスチックの基板44とこの基板44の表面に成膜された透明導電膜43とを有する導電性支持体41が好ましい。
導電性支持体1および41の厚みは、特に限定されないが、0.05μm〜10mmであることが好ましく、0.1μm〜5mmであることがさらに好ましく、0.3μm〜4mmであることが特に好ましい。
透明導電膜43を設ける場合、透明導電膜43の厚みは、0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることがさらに好ましく、0.05〜20μmであることが特に好ましい。
感光体層は、上記色素21が担持された半導体微粒子22および電解質を有していれば、その他の構成は特に限定されない。好ましくは、上記感光体層2および上記感光体層42が挙げられる。
半導体微粒子22は、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)またはペロブスカイト型結晶構造を有する化合物の微粒子である。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブもしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物としては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン(チタニア)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
本発明においては、上記式(I)で表される金属錯体色素を用いることから、半導体層45の厚みを薄くすることができる。例えば、上記好ましい範囲のなかでも、8μm以下、さらには6μm以下とすることができる。
また、受光電極5または40と対極4または48の接触を防ぐために、スペーサーS(図2参照)やセパレータを用いることが好ましい。
光電変換素子10および色素増感太陽電池20においては、増感色素として少なくとも1種の上記式(I)で表される金属錯体色素を使用する。式(I)で表される金属錯体色素は上記の通りである。
本発明においては、式(I)で表される金属錯体色素または必要により併用する色素とともに共吸着剤を使用することが好ましい。このような共吸着剤としては酸性基(好ましくは、カルボキシ基またはその塩)を1つ以上有する共吸着剤が好ましく、脂肪酸やステロイド骨格を有する化合物が挙げられる。
脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、例えば、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
ステロイド骨格を有する化合物として、コール酸、グリココール酸、ケノデオキシコール酸、ヒオコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸等が挙げられる。好ましくはコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸であり、さらに好ましくはコール酸である。
酸性基は、上記式(LA−1)中の酸性基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
RA1は、これらのなかでも、カルボキシ基もしくはスルホ基またはこれらの塩が置換したアルキル基が好ましく、−CH(CH3)CH2CH2CO2H、−CH(CH3)CH2CH2CONHCH2CH2SO3Hがさらに好ましい。
nAは2〜4が好ましい。
本発明において、光散乱層は、入射光を散乱させる機能を有する点で、半導体層と異なる。
色素増感太陽電池20において、光散乱層46は、好ましくは、棒状または板状の金属酸化物粒子を含有する。光散乱層46に用いられる金属酸化物粒子は、例えば、上記金属のカルコゲニド(酸化物)の粒子が挙げられる。光散乱層46を設ける場合、光散乱層の厚みは感光体層42の厚みの10〜50%とすることが好ましい。
光散乱層46は、特開2002−289274号公報に記載されている光散乱層が好ましく、特開2002−289274号公報の記載が、そのまま本明細書に好ましく取り込まれる。
本発明の光電変換素子に用いられる電荷移動体層3および47は、色素21の酸化体に電子を補充する機能を有する層であり、受光電極5または40と対極4または48との間に設けられる。
電荷移動体層3および47は電解質を含む。ここで、「電荷移動体層が電解質を含む」とは、電荷移動体層が電解質のみからなる態様、および、電解質と電解質以外の物質を含有する態様の、両態様を含む意味である。
電荷移動体層3および47は、固体状、液体状、ゲル状またはこれら混合状態のいずれであってもよい。
電解質の例としては、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体電解質、酸化還元対を含有する溶融塩および酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質等が挙げられる。なかでも、液体電解質が光電変換効率の点で好ましい。
特に、液体電解質に用いる有機溶媒としては、ニトリル化合物、エーテル化合物、エステル化合物等が好ましく、ニトリル化合物がより好ましく、アセトニトリル、メトキシプロピオニトリルが特に好ましい。
ポリマーマトリクスとして好ましくは、含窒素複素環を主鎖または側鎖の繰り返し単位中に持つ高分子およびこれらを求電子性化合物と反応させた架橋体、トリアジン構造を持つ高分子、ウレイド構造を持つ高分子、液晶性化合物を含むもの、エーテル結合を有する高分子、ポリフッ化ビニリデン、メタクリレート、アクリレート、熱硬化性樹脂、架橋ポリシロキサン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアルキレングリコールとデキストリン等の包接化合物、含酸素または含硫黄高分子を添加した系、天然高分子等が挙げられる。これらにアルカリ膨潤型高分子、一つの高分子内にカチオン部位とヨウ素との電荷移動錯体を形成できる化合物を持った高分子等を添加してもよい。
ヨウ素は、ヨウ素とシクロデキストリンとの包接化合物として使用することもできる。また環状アミジンを用いてもよく、酸化防止剤、加水分解防止剤、分解防止剤、ヨウ化亜鉛を加えてもよい。
対極4および48は、色素増感太陽電池の正極として働くものであることが好ましい。対極4および48は、通常、上記導電性支持体1または41と同じ構成とすることもできるが、強度が十分に保たれるような構成では基板44は必ずしも必要でない。対極4および48の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。感光体層2および42に光が到達するためには、上記導電性支持体1または41と対極4または48との少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の色素増感太陽電池においては、導電性支持体1または41が透明であって太陽光を導電性支持体1または41側から入射させるのが好ましい。この場合、対極4および48は光を反射する性質を有することがさらに好ましい。色素増感太陽電池の対極4および48としては、金属もしくは導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチックが好ましく、白金を蒸着したガラスが特に好ましい。色素増感太陽電池では、構成物の蒸散を防止するために、電池の側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。
本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池は、本発明の金属錯体色素および溶媒を含有する色素溶液(本発明の色素溶液)を用いて、製造することが好ましい。
ここで、本発明の色素溶液は、光電変換素子や色素増感太陽電池を製造する際に、この溶液をこのまま使用できるように、金属錯体色素や共吸着剤の濃度が調整されている色素溶液が好ましい。本発明においては、本発明の色素溶液は、本発明の金属錯体色素を0.001〜0.1質量%含有することが好ましい。共吸着剤の使用量は上記した通りである。
このようにして作製した感光体層を備えた受光電極に、さらに電荷移動体層や対極等を設けることで、本発明の光電変換素子または色素増感太陽電池を得ることができる。
本明細書において、室温とは25℃を意味する。また、Meはメチルを表し、TBAはテトラブチルアンモニウムを示す。
実施例1において合成した金属錯体色素および合成中間体を、MS(マススペクトル)測定により、同定した。
合成した金属錯体色素のTBA塩は、MS測定において、プロトン化されて電気的に中性な金属錯体色素と同じ質量になるので、TBA塩についてはMS測定の結果を省略する。
本例で合成した金属錯体色素(D−1)〜(D−16)を下記に示す。
以下のスキームに従って、金属錯体色素(D−1)および金属錯体色素(D−1TBA)を合成した。
化合物(1−1)、ジフェニルアミン、t−ブトキシナトリウムをトルエン(300mL)に加え、減圧(真空)および窒素ガス置換を繰り返して脱気した。そこに、酢酸パラジウム、トリ(t−ブチル)ホスフィンを加え、得られた混合物を昇温して、還流下で2時間反応させた。その後、反応混合物を放冷し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、反応生成物を抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過し、ろ液を濃縮して、粗体を得た。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(1−2)を得た。
化合物(1−2)をTHF(テトラヒドロフラン、30mL)に溶解させた溶液を−78℃に冷却し、そこにn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、8.1mL)を滴下した。その後、0℃まで昇温し、化合物(1−2)とn−ブチルリチウムとを0℃で1時間反応させた後、0℃で反応溶液に化合物(1−3)を滴下した。得られた液を0℃でさらに1時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。酢酸エチルで反応生成物を抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過し、ろ液を濃縮して、化合物(1−4)を得た。
次いで、得られた化合物(1−4)、2−クロロ−4−ヨードピリジン、炭酸カリウムをTHF/H2O(9:1)に加え、窒素ガスをバブリングして脱気した。そこに酢酸パラジウム、SPhos(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメチトキシビフェニル)を加え、混合物を昇温して、還流下で10時間反応させた。その後、反応混合物を放冷し、水および酢酸エチルを加えて、反応生成物を抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過し、ろ液を濃縮して、粗体を得た。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(1−5)を得た。
化合物(1−5)は以下のデータから確認された。
MS(ESI+)m/z:349([M+H]+)
化合物(1−5)、ヘキサメチル二スズをトルエンに加え、減圧(真空)および窒素ガス置換を繰り返して脱気した。そこにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加え、混合物を昇温して、還流下で8時間反応させた。得られた液に化合物(1−6)を加え、さらに還流下3時間反応させた。得られた反応混合物を放冷した後に濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ターピリジン化合物のジエチルエステル化物である化合物(1−7)を得た。
化合物(1−7)は以下のデータから確認された。
MS(ESI+)m/z:611([M+H]+)
化合物(1−7)、三塩化ルテニウム三水和物をエタノールに加え、混合物を還流下で4時間反応させた。反応混合物を放冷し、析出物をろ取し、エタノールで洗浄して、化合物(1−8)を得た。得られた化合物(1−8)は、精製することなく、次の反応に用いた。
化合物(1−8)、化合物(1−9)をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)に加え、混合物を還流下で3時間反応させた。反応混合物を放冷した後に濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)で精製して、化合物(1−10)を得た。
化合物(1−10)は以下のデータから確認された。
MS(ESI+)m/z:1126([M+H]+)
化合物(1−10)、チオシアン酸アンモニウムをDMFに加え、混合物を120℃で6時間反応させた。反応混合物を放冷した後に濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(1−11)を得た。
化合物(1−11)は以下のデータから確認された。
MS(ESI+)m/z:1149([M+H]+)
化合物(1−11)をDMFに加え、そこに3M水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。混合物を室温で30分反応させた後、混合物に1M(モル/L)トリフルオロメタンスルホン酸メタノール溶液を加えて、酸性(pH=2.5)に調整した。得られた液に水を加え、析出した固体をろ取し、水で洗浄した後に、真空乾燥して、金属錯体色素(D−1)を得た。
金属錯体色素(D−1)は以下のデータから確認された。
MS(ESI+)m/z:1093([M+H]+)
ナスフラスコに、金属錯体色素(D−1、109mg、0.10mmol)と、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAOH)の10%MeOH溶液(25.9mg、0.10mmol)とを投入し、室温で反応させた。得られた反応液を濃縮し、金属錯体色素(D−1TBA、133mg)を得た。
金属錯体色素(D−2)〜(D−16)は、それぞれ、用いる化合物を変更したこと以外は金属錯体色素(D−1)と同様にして、合成した。すなわち、金属錯体色素の上記合成方法(上記スキーム)において、化合物(1−1)、化合物(1−2)、ジフェニルアミンおよび化合物(1−9)それぞれを、合成目的の金属錯体色素と適合する化合物に変更したこと以外は金属錯体色素(D−1)と同様にして、金属錯体色素(D−2)〜(D−16)を合成した。
また、金属錯体色素(D−8)および(D−9)は、NCS基を導入する反応を行わずに合成した。さらに金属錯体色素(D−15)は、化合物(1−8)に対応する化合物を直接NCS化して合成した。
金属錯体色素(D−2TBA)〜(D−16TBA)は、ぞれぞれ、金属錯体色素(D−2)〜(D−16)とTBAOHのモル比が1:1になる量のTBAOHの10%MeOH溶液を用いて金属錯体色素(D−1TBA)と同様にして、合成した。
合成した金属錯体色素(D−2)〜(D−16)は以下のデータから確認された。
金属錯体色素(D−2) MS(ESI+)m/z:1106([M+H]+)
金属錯体色素(D−3) MS(ESI+)m/z:1103([M+H]+)
金属錯体色素(D−4) MS(ESI+)m/z:1219([M+H]+)
金属錯体色素(D−5) MS(ESI+)m/z:1153([M+H]+)
金属錯体色素(D−6) MS(ESI+)m/z:1310([M+H]+)
金属錯体色素(D−7) MS(ESI+)m/z:1055([M+H]+)
金属錯体色素(D−8) MS(ESI+)m/z:1278([M+H]+)
金属錯体色素(D−9) MS(ESI+)m/z:1262([M+H]+)
金属錯体色素(D−10) MS(ESI+)m/z:1123([M+H]+)
金属錯体色素(D−11) MS(ESI+)m/z:1171([M+H]+)
金属錯体色素(D−12) MS(ESI+)m/z:1172([M+H]+)
金属錯体色素(D−13) MS(ESI+)m/z:1197([M+H]+)
金属錯体色素(D−14) MS(ESI+)m/z:1009([M+H]+)
金属錯体色素(D−15) MS(ESI+)m/z: 841([M+H]+)
金属錯体色素(D−16) MS(ESI+)m/z:1143([M+H]+)
実施例1で合成した金属錯体色素(D−1)〜(D−16)および(D−1TBA)〜(D−16TBA)または下記比較化合物(C−1)〜(C−3)それぞれを用いて、図2に示す色素増感太陽電池20(5mm×5mmのスケール)を製造した。製造は、以下に示す手順により、行った。製造した色素増感太陽電池20それぞれの下記性能を評価した。その結果を表1に示した。
ガラス基板(基板44、厚み4mm)上にフッ素ドープされたSnO2導電膜(透明導電膜43、膜厚;500nm)を形成し、導電性支持体41を作製した。そして、このSnO2導電膜上に、チタニアペースト「18NR−T」(DyeSol社製)をスクリーン印刷し、120℃で乾燥させた。次いで、チタニアペースト「18NR−T」を再度スクリーン印刷し、120℃で1時間乾燥させた。その後、乾燥させたチタニアペーストを、空気中、500℃で焼成し、半導体層45(層厚;10μm)を成膜した。さらに、この半導体層45上に、チタニアペースト「18NR−AO」(DyeSol社製)をスクリーン印刷し、120℃で1時間乾燥させた。その後、乾燥させたチタニアペーストを500℃で焼成し、半導体層45上に光散乱層46(層厚;5μm)を成膜した。
このようにして、SnO2導電膜上に、感光体層42(受光面の面積;5mm×5mm、層厚;15μm、金属錯体色素は未担持)を形成し、金属錯体色素を担持していない受光電極前駆体[A]を作製した。
ガラス基板(基板44、厚み4mm)上にフッ素ドープされたSnO2導電膜(透明導電膜43、膜厚;500nm)を形成し、導電性支持体41を作製した。そして、このSnO2導電膜上に、チタニアペースト「18NR−T」(DyeSol社製)をスクリーン印刷し、120℃で乾燥させた。その後、乾燥させたチタニアペーストを、空気中、500℃で焼成し、半導体層45(受光面の面積;5mm×5mm、層厚;6μm)を成膜した。
このようにして、SnO2導電膜上に、光散乱層46を設けていない感光体層42(受光面の面積;5mm×5mm、層厚;6μm、金属錯体色素は未担持)を形成し、金属錯体色素を担持していない受光電極前駆体[B]を作製した。
次に、金属錯体色素を担持していない感光体層42に実施例1で合成した各金属錯体色素((D−1)〜(D−16)および(D−1TBA)〜(D−16TBA))を以下のようにして担持させた。先ず、t−ブタノールとアセトニトリルとの1:1(体積比)の混合溶媒に、上記金属錯体色素それぞれを濃度が2×10−4モル/Lとなるように溶解し、さらにそこへ共吸着剤としてコール酸を上記金属錯体色素1モルに対して30モル加え、各色素溶液を調製した。次に、各色素溶液に受光電極前駆体[A]を25℃で20時間浸漬し、色素溶液から引き上げた後に乾燥させた。
このようにして、受光電極前駆体[A]に各金属錯体色素が担持した受光電極40をそれぞれ作製した。
対極48として、上記の導電性支持体41と同様の形状と大きさを有する白金電極(Pt薄膜の厚み;100nm)を作製した。また、電解液として、ヨウ素0.1M(モル/L)、ヨウ化リチウム0.1M、4−t−ブチルピリジン0.5Mおよび1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド0.6Mをアセトニトリルに溶解して、液体電解質を調製した。さらに、感光体層42の大きさに合わせた形状を有するスペーサーS「サーリン」(商品名、デュポン社製)を準備した。
上記のようにして作製した受光電極40それぞれと対極48とを、上記スペーサーSを介して、対向させて熱圧着させた後に、感光体層42と対極48との間に電解液注入口から上記液体電解質を充填して電荷移動体層47を形成した。このようにして作製した電池の外周および電解液注入口を、レジンXNR−5516(ナガセケムテック製)を用いて、封止、硬化し、各色素増感太陽電池(試料番号1〜16)を製造した。
また、各試料番号の色素増感太陽電池において、電気的に中性な金属錯体色素を用いた色素増感太陽電池は、受光電極前駆体[A]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号に「A」を付すことがある)と、受光電極前駆体[B]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号に「B」を付すことがある)との2種類を含む。
同様に、TBA塩の金属錯体色素を用いた色素増感太陽電池は、受光電極前駆体[A]を用いて製造した色素増感太陽電池と、受光電極前駆体[B]を用いて製造した色素増感太陽電池との2種類を含む。
金属錯体色素(C−1)は特許文献1に記載の化合物「Dye108」である。金属錯体色素(C−2)は特許文献3に記載の化合物「A−4」の電気的に中性な金属錯体色素である。金属錯体色素(C−3)は特許文献4に記載の化合物「D−40」である。
製造した色素増感太陽電池それぞれを用いて電池特性試験を行った。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター(WXS−85H、WACOM社製)を用い、AM1.5フィルタを通したキセノンランプから1000W/m2の擬似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、光電変換効率を求めた。
各試料番号の色素増感太陽電池のうち受光電極前駆体[A]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号1A〜16Aおよびc1A〜c3A)それぞれについて、上記のようにして、光電変換効率を測定した(変換効率(A)という)。測定した変換効率(A)を評価した。評価は、受光電極前駆体[A]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号c1A)の変換効率(SA)を、基準とした。
変換効率(A)の評価基準において、「A」および「B」が本試験の合格レベルであり、好ましくは「A」である。一方、「C」および「D」は変換効率が不十分であり、本発明の合格レベル(要求レベル)に到達しない。
(変換効率(A)の評価基準)
変換効率(A)が変換効率(SA)に対して、
A:1.2倍より大きいもの
B:1.1倍より大きく、1.2倍以下のもの
C:1.0倍より大きく、1.1倍以下のもの
D:1.0倍以下のもの
各試料番号の色素増感太陽電池のうち受光電極前駆体[B]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号1B〜16Bおよびc1B〜c3B)それぞれについても、上記のようにして、光電変換効率を測定した(変換効率(B)という)。測定した変換効率
(B)を評価した。評価は、受光電極前駆体[A]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号c1A)の変換効率(SA)を、基準とした。
変換効率(B)の評価基準において、「A」および「B」が本試験の合格レベルであり、好ましくは「A」である。一方、「C」および「D」は変換効率が不十分であり、本発明の合格レベル(要求レベル)に到達しない。
(変換効率(B)の評価基準)
変換効率(B)が変換効率(SA)に対して、
A:1.1倍より大きいもの
B:1.0倍より大きく、1.1倍以下のもの
C:0.9倍より大きく、1.0倍以下のもの
D:0.9倍以下のもの
各試料番号の色素増感太陽電池のうち受光電極前駆体[A]を用いて製造した色素増感太陽電池(試料番号1A〜16Aおよびc1A〜c3A)それぞれを用いて、耐久性(熱劣化)評価としてヒートサイクル試験を行った。
各色素増感太陽電池を−10℃の冷凍庫と50℃の恒温槽とに12時間毎に交互に入れて、冷却と加温を繰り返した(ヒートサイクル試験)。ヒートサイクル試験前の色素増感太陽電池およびヒートサイクル試験72時間後の色素増感太陽電池それぞれについて、電流を測定した。ヒートサイクル試験72時間後の色素増感太陽電池において電流−電圧特性測定から求めた電流値(短絡電流密度)をヒートサイクル試験前の色素増感太陽電池において測定された電流値(短絡電流密度)で除算した。この値を電流保持率とした。このようにして得られた電流保持率により、以下の基準で、耐久性を評価した。
耐久性の評価基準において、「A」および「B」が本試験の合格レベルであり、好ましくは「A」である。一方、「C」および「D」は電流保持率が不十分であり、本発明の合格(要求レベル)に到達しない。
A:0.9倍以上のもの
B:0.9倍未満、0.8倍以上のもの
C:0.8倍未満、0.7倍以上のもの
D:0.7倍未満のもの
試料番号1〜16(本発明)においては、いずれも、上記アミノ基含有芳香族環基をターピリジンの末端ピリジン環の4位に導入した上記3座の配位子LAを有する金属錯体色素(D−1〜D−16)を用いた。このような金属錯体色素(D−1〜D−16)が半導体微粒子に担持された本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池(試料番号1〜16)においては、いずれも、変換効率(A)および変換効率(B)がともに高く、しかも電流保持率も高かった。
また、本発明の金属錯体色素は、電気的に中性であってもTBA塩であっても、表1に示されるように、光電変換素子および色素増感太陽電池に優れた上記特性を付与できた。
具体的には、試料番号c1およびc3の光電変換素子および色素増感太陽電池においては、ターピリジンの末端ピリジン環の環構成窒素原子に対して3位にアリールアミノ基を含む置換基またはアルコキシフェニル基を導入した3座の配位子を有する金属錯体色素(C−1およびC−3)を用いた。これらの光電変換素子および色素増感太陽電池(試料番号c1およびc3)は、配位子LA以外の配位子が単座配位子LXであっても3座配位子LDであっても、少なくとも変換効率(A)および変換効率(B)が合格レベルに到達しなかった。
また、試料番号c2の光電変換素子および色素増感太陽電池においては、ターピリジンの末端ピリジン環の環構成窒素原子に対して4位にアルキルチオフェン環基を導入した3座の配位子を有する金属錯体色素(C−2)を用いた。しかし、この光電変換素子および色素増感太陽電池(試料番号c2)は、変換効率(A)、変換効率(B)および電流保持率のいずれも合格レベルに到達しなかった。
2、42 感光体層
21 色素
22 半導体微粒子
3、47 電荷移動体層
4、48 対極
5、40 受光電極
6 外部回路
10 光電変換素子
100 光電変換素子を電池用途に応用したシステム
M 動作手段(例えば電動モーター)
20 色素増感太陽電池
43 透明導電膜
44 基板
45 半導体層
46 光散乱層
S スペーサー
表される金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
[0012]
式(I) M(LA)(LD)p(LX)q・(CI)z
[0013]
式中、Mは金属イオンを表す。
LAは、下記式(LA−1)で表される3座の配位子を表す。
LDは2座もしくは3座の配位子を表す。pは0または1を表す。
LXは単座の配位子を表す。qは、pが0であるとき3を表し、pが1でLDが3座の配位子であるとき0を表し、pが1でLDが2座の配位子であるとき1を表す。
CIは金属錯体色素の電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。zは0〜3の整数を表す。
[0014]
[化1]
[0015]
式中、ZaおよびZbは各々独立に5員または6員の環を完成するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、ZaおよびZbがそれぞれ形成する環は酸性基を1つずつ有する。
LWは各々独立に窒素原子またはCRWを表し、RWは水素原子または置換基を表す。
L1は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環および含窒素芳香族環からなる群より選ばれる単環またはこの単環を縮合環として含む多環であって、この単環を形成する環構成炭素原子でLWを含む環に結合する芳香族環基を表す。
L2は、芳香族環基を表す。mは0〜5の整数を表す。
R1およびR2は、各々独立に、アルキル基または芳香族環基を表す。
[0016]
<2>Zaが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリ
は0〜3の整数を表す。
[0032]
[化6]
[0033]
式中、ZaおよびZbは各々独立に5員または6負の環を完成するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、ZaおよびZbがそれぞれ形成する環は酸性基を1つずつ有する。LWは各々独立に窒素原子またはCRWを表し、RWは水素原子または置換基を表す。
L1は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環および含窒素芳香族環からなる群より選ばれる単環またはこの単環を縮合環として含む多環であって、この単環を形成する環構成炭素原子でLWを含む環に結合する芳香族環基を表す。
L2は、芳香族環基を表す。mは0〜5の整数を表す。
R1およびR2は、各々独立に、アルキル基または芳香族環基を表す。
[0034]
<13>上記<12>に記載の金属錯体色素と溶媒とを含有する色素溶液。
<14>下記式(LA−2)で表されるターピリジン化合物またはそのエステル化物。
[0035]
[化7]
[0036]
式中、L1は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環および含窒素芳香族環からなる群より選ばれる単環または
LWは各々独立に窒素原子またはCRWを表し、RWは水素原子または置換基を表す。
L1は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環および含窒素芳香族環からなる群より選ばれる単環またはこの単環を縮合環として含む多環であって、この単環を形成する環構成炭素原子でLWを含む環に結合する芳香族環基を表す。
L2は、芳香族環基を表す。mは0〜5の整数を表す。
R1およびR2は、各々独立に、アルキル基または芳香族環基を表す。
L1は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環および含窒素芳香族環からなる群より選ばれる単環またはこの単環を縮合環として含む多環であって、この単環を形成する環構成炭素原子でLWを含む環に結合する芳香族環基を表す。
L2は、芳香族環基を表す。mは0〜5の整数を表す。
R1およびR2は、各々独立に、アルキル基または芳香族環基を表す。
Claims (14)
- 導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極とを有する光電変換素子であって、該感光体層が、下記式(I)で表される金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
式(I) M(LA)(LD)p(LX)q・(CI)z
式中、Mは金属イオンを表す。
LAは、下記式(LA−1)で表される3座の配位子を表す。
LDは2座もしくは3座の配位子を表す。pは0または1を表す。
LXは単座の配位子を表す。qは、pが0であるとき3を表し、pが1でLDが3座の配位子であるとき0を表し、pが1でLDが2座の配位子であるとき1を表す。
CIは金属錯体色素の電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。zは0〜3の整数を表す。
LWは各々独立に窒素原子またはCRWを表し、RWは水素原子または置換基を表す。
L1は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環および含窒素芳香族環からなる群より選ばれる単環または該単環を縮合環として含む多環であって、前記単環を形成する環構成炭素原子で前記LWを含む環に結合する芳香族環基を表す。
L2は芳香族環基を表す。mは0〜5の整数を表す。
R1およびR2は、各々独立に、アルキル基または芳香族環基を表す。 - 前記Zaが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
前記Zbが形成する環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびベンゾチアゾール環からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
前記LWを含む環が、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、テトラジン環およびキノリン環からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記Mが、Ru2+またはOs2+である請求項1または2に記載の光電変換素子。
- 前記R1およびR2が、いずれも、芳香族環基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記単環が、ベンゼン環、フラン環またはピロール環である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記酸性基が、カルボキシ基またはその塩である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えた色素増感太陽電池。
- 下記式(I)で表される金属錯体色素。
式(I) M(LA)(LD)p(LX)q・(CI)z
式(I)中、Mは金属イオンを表す。
LAは、下記式(LA−1)で表される3座の配位子を表す。
LDは2座もしくは3座の配位子を表す。pは0または1を表す。
LXは単座の配位子を表す。qは、pが0であるとき3を表し、pが1でLDが3座の配位子であるとき0を表し、pが1でLDが2座の配位子であるとき1を表す。
CIは金属錯体色素の電荷を中和させるために必要な対イオンを表す。zは0〜3の整数を表す。
LWは各々独立に窒素原子またはCRWを表し、RWは水素原子または置換基を表す。
L1は、ベンゼン環、フラン環、セレノフェン環、シクロペンタジエン環、シロール環および含窒素芳香族環からなる群より選ばれる単環または該単環を縮合環として含む多環であって、前記単環を形成する環構成炭素原子で前記LWを含む環に結合する芳香族環基を表す。
L2は、芳香族環基を表す。mは0〜5の整数を表す。
R1およびR2は、各々独立に、アルキル基または芳香族環基を表す。 - 請求項12に記載の金属錯体色素と溶媒とを含有する色素溶液。
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