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JPWO2014064786A1 - アンテナ装置及び携帯情報端末 - Google Patents

アンテナ装置及び携帯情報端末 Download PDF

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Abstract

【課題】 携帯情報端末への搭載に適した小型のアンテナ装置を提供する。【解決手段】両端部を有するアンテナエレメント11の一方端部に、第1高周波信号を給電するための給電端子12、他方端部に第2高周波信号を第1高周波信号と同時期に給電可能な給電端子14、略中央部に、接地点に接続するための接地端子16とを備え、一つのアンテナエレメント11で複数の周波数帯の信号を同時期に共用できるようにした。【選択図】 図4

Description

本発明は、複数の周波数の同時期使用が可能なアンテナ装置及びこのアンテナ装置を搭載した携帯情報端末に関する。
携帯情報端末で使用される多周波共用アンテナが多数提案されている。例えば、特許文献1には、それぞれ異なる周波数f1,f2(f2>f1)の電波を放射する一対のアンテナエレメントと、これらのアンテナエレメントに給電する給電線路とを有する多周波共用アンテナが開示されている。この多周波共用アンテナには、一対のアンテナ素子エレメント間に、高い方の周波数f2において給電線路を高周波的に接地する先端開放線路が設けられる。この多周波共用アンテナによれば、所定の周波数が他の周波数のアンテナエレメントで励振されるのを防止し、所望の水平面内指向特性を得ることができる。
また、特許文献2には、一対のλa(使用周波数の波長)/4のアンテナエレメントを上下方向の同一直線上に配置してλa付近のダイポールアンテナを構成するとともに、下側のアンテナエレメントを短冊状に形成し、これを上側のアンテナエレメントの地板としてλb(λaよりも短い波長)付近の逆Fアンテナを構成したデュアルバンドアンテナが開示されている。λaに相当する使用周波数帯域は900〜930[MHz]であり、λbに相当する使用周波数帯域
は1.85〜1.99[GHz]とされている。
このデュアルバンドアンテナでは、λaのアンテナエレメント及びλbのアンテナエレメントのそれぞれに同軸ケーブルが接続されるので、λaの電波とλbの電波とは相互に独立した高周波信号として送受信される。また、下側のダイポールアンテナエレメントが地板として兼用されるので、構成部品点数が節減される。さらに、λbの高周波信号を給電する同軸ケーブルの芯線とλbのアンテナエレメントとの接続点の真近に、λbで共振するトラップを設け、λbの高周波信号がλaの高周波回路に漏洩することを防止している。これにより、ダイポールアンテナによるλaの電波の送受信と、逆Fアンテナによるλbの電波の送受信とを、それぞれ独立に行なわせることができる。
特開2004−159202号公報 特開2001−345625号公報
特許文献1に開示された多周波共用アンテナは、複数の周波数の高周波信号を共用できる利点はあるが、複数の周波数の高周波信号を同時に給電することはできない。これに対し、特許文献2に開示されたデュアルバンドアンテナは、同時給電はできるが、接地用の地板、逆Fアンテナ、設定点、トラップを設ける必要があり、アンテナ構造が複雑なものとなる。
近年は、WLAN(Wireless Local Area Network)及びBT(Bluetooth(登録商標))を搭載した携帯情報端末も登場している。WLANの使用周波数は、2400〜2483.5[MHz]である。また、BTの使用周波数は、2402〜2480[MHz]である。そのため、これらを別々に動作させる限り、1つのアンテナを共用することができる。しかし、WLAN及びBTを同時動作させる場合には、それぞれにアンテナを設ける必要がある。あるいは、特許文献2に開示されたデュアルバンドアンテナのような構造のものを採用する必要がある。
しかし、WLAN用のアンテナとBT用のアンテナとを別々に設けると、アンテナ間の干渉が問題となる。そのため、アンテナの距離をできるだけ離すように設計される。特許文献2に開示されたデュアルバンドアンテナでも、十分なアンテナ体積が大きくなり、これを組み込んだ携帯情報端末のデザインへの影響が大きくなる。
本発明の課題は、複数の周波数の高周波信号を同時に給電しても干渉せず、かつサイズを小型化することができるアンテナ装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、アンテナ設置領域を節約することができる携帯情報端末を提供することにある。
本発明のアンテナ装置は、両端部を有するアンテナエレメントと、前記アンテナエレメントの一方端部に設けられ、第1高周波信号を給電するための第1給電端子と、前記アンテナエレメントの他方端部に設けられ、前記第1高周波信号と異なる第2高周波信号を、当該第1高周波信号と同時期に給電可能な第2給電端子と、前記アンテナエレメントの略中央部に設けられ、接地点に接続するための接地端子と、を有するものである。
前記第1高周波信号と前記第2高周波信号とは、同一周波数帯の高周波信号であっても良い。前記アンテナエレメントは、例えばメアンダ状に成形されている。
ある実施の態様では、前記アンテナエレメントは、例えば、携帯情報端末に内蔵される、グランド面と電子部品搭載面とを有する回路基板の所定部位に設置される。そして、前記接地端子が前記グランド面と導通し、前記第1給電端子が前記電子部品搭載面上の第1部位と導通し、前記第2給電端子が前記電子部品搭載面上で前記アンテナエレメントの長尺方向のサイズだけ前記第1部位から離れた第2部位と導通する。
他の実施の態様では、アンテナ装置は、前記第1給電端子から、前記アンテナエレメントと同一面上で、前記第2給電端子と反対方向に、前記グランド面と導通する接地エレメントが形成されている。あるいは、前記第1給電端子から、前記アンテナエレメントと同一面上で、前記第2給電端子と反対方向に、他の周波数に共振する他周波数用エレメントが形成されている。
他の実施の態様では、前記アンテナエレメントは、前記回路基板に対して所定の角度で設置される。例えば、前記アンテナエレメントが、前記回路基板と同一平面上に設置される。前記グランド面は、前記回路基板上に形成されており、前記アンテナエレメントは、前記グランド面と同一平面上に前記回路基板上に形成された膜状のパターンアンテナである。前記接地端子と前記グランド面との間に、前記第1給電端子又は前記第2給電端子との電気長を変えるためのリアクタンス素子が介在するようにしても良い。この場合、前記リアクタンス素子のリアクタンスが可変であるようにしても良い。
本発明の携帯情報端末は、操作者が片手で把持可能な携帯型の筐体と、それぞれ異なる通信形態で通信を行うための第1通信回路及び第2通信回路を含む電子回路を搭載し、且つ、グランド面が形成された回路基板と、前記第1通信回路からの第1高周波信号と前記第2通信回路からの第2高周波信号とを同時に給電可能なアンテナ装置とを備えており、
前記アンテナ装置は、両端部を有するアンテナエレメントと、前記アンテナエレメントの一方端部に設けられ、第1高周波信号を給電するための第1給電端子と、前記アンテナエレメントの他方端部に設けられ、前記第1高周波信号と異なる第2高周波信号を、当該第1高周波信号と同時期に給電可能な第2給電端子と、前記アンテナエレメントの略中央部に設けられ、接地点に接続するための接地端子とを有するものである。
本発明によれば、一つのアンテナエレメントを複数の高周波信号の送受信用アンテナとして共用できるので、アンテナサイズを小型化することができるとともに、このアンテナ装置を搭載することにより、携帯情報端末のアンテナ設置領域を節約することができる。
第1実施形態に係る携帯情報端末の外観図で、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は上面図。 携帯情報端末の分解斜視図。 (a)は回路基板の電子部品搭載面における電子部品の実装例の説明図、(b)は回路基板の裏面側の実装例の説明図。 アンテナ装置が有するアンテナエレメントの形状例を示す図。 アンテナエレメントのサイズを表す図。 第1実施形態に係るアンテナ装置のリターン・ロス(反射損失)とアイソレーション特性図。 (a)は第2実施形態に係るアンテナ装置の構造説明図、(b)は部分拡大図。 (a)は第2実施形態に係るアンテナ装置のリターン・ロスとアイソレーション特性図、(b)はこのアンテナ装置の放射効率を示す特性図。 第3実施形態に係るアンテナ装置の構造説明図。 (a)は第3実施形態に係るアンテナ装置のリターン・ロスとアイソレーション特性図、(b)はこのアンテナ装置の放射効率を示す特性図。 第4実施形態に係るアンテナ装置の構造説明図。 (a)は第4実施形態に係るアンテナ装置のリターン・ロスとアイソレーション特性図、(b)は、このアンテナ装置の放射効率を示す特性図。 第5実施形態に係るアンテナ装置の構造説明図 (a)は、第5実施形態に係るアンテナ装置において、追加した1.5[GHz]帯のリターン・ロスとアイソレーション特性図、(b)は、2.4[GHz]付近の拡大図、(c)は2.5[GHz]付近の拡大図。 (a)は1.5[GHz]を追加した場合の2.4[GHz]付近の放射効率を示す特性図、(b)は、2.5[GHz]を追加した場合の5[GHz]付近の放射効率を示す特性図。 第6実施形態に係るアンテナ装置の模式図。 第6実施形態に係る他のアンテナ装置の模式図。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態例を説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る携帯情報端末の外観図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は上面図である。
この携帯情報端末100は、操作者が片手で把持可能な筐体を有する。この筐体は、表側の筐体101と裏側の筐体102とで構成される。表側の筐体101の略中央部には、表示パネル110が設けられている。表示パネル110は、液晶ディスプレイの上層にタッチスクリーンを積層したものである。表側の筐体101には、また、操作者が左手で把持するときの右手での操作ボタン111,112、右手で把持するときの左手での操作ボタン113,114が設けられている。操作者は、表示パネル110を見ながら、片方の手で筐体を把持するとともに、もう片方の手の指で、表示パネル110をタッチ操作するとともに、各操作ボタン111〜114を操作するのが一般的な操作態様である。
図2は、この携帯情報端末100の分解斜視図である。携帯情報端末100は、表側の筐体101と裏側の筐体102との間に、回路基板103が内蔵されている。この回路基板103は、表側が電子部品搭載面、裏側がグランド面を含むものとなっている。
この回路基板103の電子部品搭載面における電子部品の実装例を図3(a)に示す。この図を参照すると、回路基板103の電子部品搭載面の所定部位には、アンテナ装置10、このアンテナ装置10に付随する一対の給電端子12,14及び接地端子16が設けられている。アンテナ装置10は、所定形状の筐体を有している。この筐体の内部には、矩形状の樹脂が設けられており、この樹脂上に、両端部を有する一つのアンテナエレメントが形成されている。樹脂の誘電率は、所望の電気長サイズを得る上で任意であるが、例えば「4.3」程度のものである。
一方の給電端子12は、このアンテナエレメントの一方端部と接続されている。他方の給電端子14は、アンテナエレメントの他方端部と接続されている。接地端子16は、アンテナエレメントのほぼ中央部と接続されている。
給電端子12には、WLAN用の通信回路121が接続される。給電端子14には、BT用の通信回路141が接続される。これらの給電端子12,14は、各通信回路121,141から同時期に供給可能な端子である。各通信回路121,141は、インピーダンス整合用の整合回路を含んで構成される。各通信回路121,141には、それぞれ、対応するRF(高周波)モジュール122,142を介して、制御部180が接続されている。
RFモジュール122,142は、送信時は高周波信号を変調し、これにより得られる変調信号を給電端子12,14へ導く。受信時は、給電端子12,14から高周波信号を受け取る。制御部180は、RFモジュール122,142の上記の動作を制御する。
なお、高周波信号の回り込みを防止するため、RFモジュール122は、RFモジュール142の設置部位とアンテナエレメントのサイズ以上離れた部位に設置されている。
回路基板103の裏面側の実装例を図3(b)に示す。この図を参照すると、回路基板103の裏面には、グランド面(GND)161が形成されており、このグランド面161の接地点と上記の接地端子16とがスプリングコンタクト1036を介して導通するようになっている。回路基板103のグランド面161を除く上端部には、一対のスプリングコンタクト1032,1034が設けられている。一方のスプリングコンタクト1032は、給電端子12と導通する。他方のスプリングコンタクト1034は、給電端子14と導通する。
このように、アンテナ装置10の各端子12,14,16を、スプリングコンタクト1032,1034,1036を介して、回路基板103に接続することで、実装が容易になるとともに、実装後に衝撃が加わったときの接触不良等が防止される。
アンテナ装置10が有するアンテナエレメントの形状例を図4に示す。図4では、上記の筐体及び樹脂を省略してある。本実施形態のアンテナエレメント11は、メアンダ状のものであり、その主面が、回路基板103に対して所定の角度で設置される。図示の例では、回路基板103に対して、ほぼ90度の角度で設置される。上記の給電端子12は、このアンテナエレメント11の一方端部から回路基板103と平行に延びる。また、上記の給電端子14は、このアンテナエレメント11の他方端部から回路基板103と平行に延びる。接地端子16は、アンテナエレメント11のほぼ中央部から回路基板103と平行に延びる。実装時には、回路基板103の背面側から、各端子12,14,16を各スプリングコンタクト1032,1034,1036へ装着する。
図5は、アンテナエレメント11のサイズを表す図である。アンテナエレメントの電気長は、給電端子12,14間で、使用周波数の約2λ[mm]である。「λ」は波長を表す。WLANとBTの使用周波数帯が2.4[GHz]〜2.5[GHz]で、波長λは125[mm]なので、アンテナエレメントの電気長は250[mm]となるが、メアンダ状とすることにより、物理的な長尺方向の長さは、約50[mm]に短縮される。接地端子16は、アンテナエレメントの中央部(λ[mm])付近に接続される。
なお、アンテナエレメントの電気長は、自由空間内では2λ[mm]となるが、上記樹脂として、比較的高い誘電率を有するABS樹脂(アクリロニトリル (Acrylonitrile)、ブタジエン (Butadiene)、スチレン (Styrene)共重合合成樹脂)などを用いることにより、波長短縮効果で、自由空間のときよりも、短い電気長のアンテナエレメントを構成することができる。
上記のように構成されるアンテナ装置10のリターン・ロス(反射損失)とアイソレーション特性図を図6に示す。図6において、縦軸はSパラメータ(dB)、横軸は周波数[GHz]である。
Sパラメータのうち、S11は、給電端子14から電磁波を送信するときに、送信されずに戻ってきた電力/アンテナエレメント11へ送信した電力の対数関数(10log[10])であり、S22は、給電端子12から電磁波を送信するときに、送信されずに戻ってきた電力/アンテナエレメント11へ送信した電力の対数関数(10log[10])である。つまり、それぞれの給電端子12,14からのリターン・ロスを表す。
また、S12は、給電端子14からの信号をゼロとしたときの、給電端子14で検知される信号/給電端子12からエレメント11へ送信した電力であり、S21は、給電端子12からの信号をゼロとしたときの、給電端子12で検知される信号/給電端子14からエレメント11へ送信した電力である。つまり、アイソレーションを表す。
使用周波数帯である2.4[GHz]〜2.5[GHz]では、リターン・ロス(S11,S22)は、いずれも−10[dB]以下であり、アイソレーション(S12,S21)も、−10[dB]以下が確保されている。そのため、実用的には、十分な範囲であることを確認することができた。
このように、アンテナエレメント11の中央(λ/2付近)で接地端子16(グランド面161)に接続することで、接地端子16と接続されている部位を中央にして、アンテナエレメント11の右半分と左半分とで、それぞれ独立動作していることがわかる。
なお、図示を省略したが、給電端子12から給電したときの電流が、給電端子14側には殆ど流れていないことが確認されている。同様に、給電端子14から給電したときの電流が、給電端子12側には殆ど流れていないことも確認された。
また、アンテナエレメント11の中央部を接地しない場合は、給電端子12から給電した電流がアンテナエレメント11を介して給電端子14側に流れるため、アイソレーションは−3[dB]程度と大幅に劣化した。逆も同様であった。
このように第1実施形態のアンテナ装置10では、両端部を有する一つのアンテナエレメント11の略中央部を接地するとともに、その両端部から高周波信号を同時期に給電可能にしたので、アンテナ性能を確保しつつ、アンテナサイズを小型化することができる。このアンテナ装置10を搭載することにより、携帯情報端末100のアンテナ設置領域も50[mm]前後となり、使用する周波数に応じた数のアンテナ装置を設置したり、従来の多周波共用アンテナを用いる場合に比べて格段に節約することができる。
第1実施形態のようにアンテナ装置10を小型化することにより、携帯情報端末100のデザイン上の貢献も可能となる。
また、両端部に給電する同一周波数帯の高周波信号を相互干渉なく給電することができるので、相互に異なる周波数帯の高周波信号を用いる場合に比べて、その活用用途を拡げることができる。
さらに、アンテナエレメント11を、携帯情報端末100に内蔵される、グランド面161と電子部品搭載面とを有する回路基板103の所定部位に設置されるようにし、接地端子16がグランド面161と導通し、給電端子12が電子部品搭載面上の搭載部位(第1部位)と導通し、給電端子14が電子部品搭載面上でアンテナエレメント11の長尺方向のサイズだけ第1部位から離れた第2部位と導通するようにしたので、同時期使用時の干渉を防止することができる。
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態に係るアンテナ装置の構造説明図である。第1実施形態と同じ構成要素については、同一符号を付してある。
この実施形態では、図7(a)に示すように、アンテナエレメント11を、回路基板103と同一平面上に設置した点が、第1実施形態のアンテナ装置と異なる。図7(a)におけるアンテナエレメント11と回路基板103との近接部分11Aの部分拡大図である図7(b)に示されるように、アンテナエレメント11と回路基板103とは接触しておらず、一定の間隔Δtをおいて配置される。この間隔Δtは、グランド面161との距離が0.3[mm]以上離れていれば、実用上は問題がないことが、本発明者により確認されている。
この第2実施形態に係るアンテナ装置のリターン・ロスとアイソレーション特性図を図8(a)に示す。縦軸及び横軸、並びに、Sパラメータについては、図6と同じである。また、このアンテナ装置の放射効率の特性図を図8(b)に示す。図8(b)において、縦軸は放射効率(dB)、横軸は周波数[GHz]である。ANT1は給電端子14からアンテナエレメント11をみたときのアンテナ(第1アンテナ)、ANT2は給電端子12からアンテナエレメント11をみたときのアンテナ(第2アンテナ)である。
使用周波数帯である2.4[GHz]〜2.5[GHz]では、リターン・ロス(S11,S22)は、いずれも−3〜−4[dB]以下であり、アイソレーション(S12,S21)も、−16[dB]程度と良好である。また、第1アンテナ(ANT1),第2アンテナ(ANT2)共に、放射効率が−3[dB]前後であり、アンテナ性能として、実用的な範囲であることが確認された。
この実施形態のアンテナ装置は、実用的なアンテナ性能を確保しつつ、回路基板103と同一面上にアンテナエレメント11を配置したので、回路基板103上に、アンテナエレメント11を導電パターンで形成することができる利点がある。そのため、アンテナ装置を底背化、さらなる小型化に貢献することができる。また、アンテナエレメント11が突起しないので、デザイン上も整理されたものとなる。
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態に係るアンテナ装置の構造説明図である。第1実施形態において説明した図4と同じ構成要素については、同一符号を付してある。
第1実施形態との相違点は、破線で示した第1実施形態のアンテナ装置の接地端子16の位置を給電端子12よりにオフセットした点である。これにより、違う周波数の電磁波を一つのアンテナエレメント11で共有することができる。
オフセット量は、例えば、給電端子14と接地端子16との間の電気的サイズで構成される第1アンテナ(ANT1)のエレメント長をUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)のバンド1(2.1[GHz]帯)で共振させることができる量にする。すなわち、相対的にエレメント長を長くする。また、給電端子12と接地端子16との間の電気的サイズで構成される第2アンテナ(ANT2)では、WLAN及びBTの2.4〜2.5[GHz]帯で共振するエレメント長となる。
図10(a)は、この実施形態に係るアンテナ装置のリターン・ロスとアイソレーション特性図である。また、図10(b)は、このアンテナ装置の放射効率を示す特性図である。それぞれ縦軸及び横軸、Sパラメータ、ANT1,2については、図8(a),(b)と同じである。
図10(a)のS11は、第1アンテナ(ANT1)のリターン・ロス、S22は、第2アンテナ(ANT2)のリターン・ロスである。図示されるように、ANT1では、2.2[GHz]前後で共振し、ANT2では、2.47[GHz]前後で共振している。また、これらの使用周波数帯におけるアイソレーション(S12,S21)は−10[dB]以下であり、放射効率は−1[dB]以上なので、アンテナ性能として、実用的な範囲であることが確認された。
[第4実施形態]
図11は、第4実施形態に係るアンテナ装置の構造説明図である。第2実施形態において説明した図4と同じ構成要素については、同一符号を付してある。この実施形態のアンテナ装置は、給電端子14(12)から、アンテナエレメント11と同一面上で、給電端子12(14)と反対方向に、グランド面161と導通する接地エレメント11A(11B)を形成したものである。これにより、このアンテナ装置を、平面状でありながら、2つの逆F型アンテナとして機能させることができる。
図12(a)は、この実施形態に係るアンテナ装置のリターン・ロスとアイソレーション特性である。また、図12(b)は、このアンテナ装置の放射効率を示す図である。それぞれ縦軸及び横軸、Sパラメータ、ANT1,2については、図8(a),(b)と同じである。
これらの特性図から明らかなように、アイソレーションが約−14[dB]であり、放射効率も−1〜−2[dB]なので、多周波共用のアンテナ装置として十分な性能を確保することができることが確認された。
また、この実施形態のアンテナ装置は、逆Fアンテナとして機能するので、多周波共用アンテナとしたときの小型化が可能となり、携帯情報端末100への設置領域も節約される。
[第5実施形態]
図13は、第5実施形態に係るアンテナ装置の構造説明図である。第2実施形態において説明した図4と同じ構成要素については、同一符号を付してある。
このアンテナ装置は、給電端子14(12)から、アンテナエレメント11と同一面上で、給電端子12(14)と反対方向に、アンテナエレメント11で共振する周波数以外の周波数に共振する他周波数用エレメント11C(11D)を形成したものである。
他周波用エレメント11Cには、給電端子14Cが接続される。また、他周波用エレメント11Dには、給電端子14Dが接続される。これらの給電端子14C,14Dには、当該周波数帯の高周波信号を出力する通信回路(図示省略)が設けられる。
図示の例では、他周波用エレメント11Cに給電される高周波信号は1,5[GHz]帯の信号であり、他周波用エレメント11Dに給電される高周波信号は5[GHz]帯の信号である。5[GHz]帯の他周波用エレメント11Dは、2.4[GHz]帯とは別規格のWLANアンテナとして使用することができる。
図14(a)は、この実施形態に係るアンテナ装置において、他周波用エレメント11Cで使用する周波数として追加した1.5[GHz]帯のリターン・ロスとアイソレーション特性図である。また、図14(b)は2.4[GHz]付近の拡大図、図14(c)は、2.5[GHz]付近の拡大図である。それぞれ縦軸及び横軸、Sパラメータについては、図8(a),(b)と同じである。41.4[GHz]帯のアイソレーションは、−15[dB]以下となっており、アンテナ性能として、実用的な範囲であることが確認された。
図15(a)は、このアンテナ装置において、1.5[GHz]帯を追加した場合の2.4[GHz]付近の放射効率を示す特性図である。また、図15(b)は、2.5[GHz]を追加した場合の5[GHz]付近の放射効率を示す特性図である。それぞれ縦軸及び横軸、ANT1,2については、図8(a),(b)と同じである。
多用されることが予想される43.4[GHz]帯の放射効率は−1〜−2[dB]であり、第1アンテナ(ANT1)の5[GHz]帯も−4[dB]以上であった。つまり、第1アンテナ(ANT1)に5[GHz]帯のエレメント(WLANアンテナ)を追加しても、アンテナ性能として、実用的な範囲であることが確認された。
このように、アンテナエレメント11に、さらに、他周波用エレメント11C,11Dを追加することにより、小型でありながら、例えばMIMO(Multiple Input Multiple Output)用のアンテナ装置として使用することができる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態のアンテナ装置について説明する。このアンテナ装置は、グランド面との間に、様々な値のインピーダンスを挿入することにより、使用周波数帯を変化させることができるようにしたものである。
図16は、給電端子22、24及び接地端子26が、それぞれ単極双投(Single Pole Double Throw:以下、SPDT)スイッチになっており、単極部分にアンテナエレメント11が接続されている。給電端子22,24の双投部分は、通信回路221,241に接続されており、例えば、LTE(Long
Term Evolution)のバンド1(2.1[GHz])の送受信用(TRx)と、バンド7(2.6[GHz])の送受信用(TRx)とを選択できるようになっている。
また、接地端子26の双投部分の一方は、インピーダンス(Z)261を介してグランド面161に接続されている。インピーダンス(Z)261が介在することにより、アンテナエレメント11の電気長が実質的に変化する。
他方、接地端子26の双投部分の他方は、直接グランド面161に接続されている。
バンド1のLTE時は、インピーダンス(Z)261を選択し、他方、バンド7のLTE時は、直接グランド面161への接続を選択することで、アンテナエレメント11の電気長は同じであっても、2つの周波数帯でLTEアンテナとして使用することができる。
図17は、図16の変形例であり、接地端子26の双投部分が、それぞれインピーダンス(Z1)262及びインピーダンス(Z2)263を介してグランド面161に接続されている。バンド1のLTE時は、インピーダンス(Z1)261を選択し、他方、バンド7のLTE時は、インピーダンス(Z2)を選択できるようにしている。なお、接地端子26をSPnT(3以上の自然数)にすることで、n周波数帯まで対応周波数を増やすことができる。
このように、接地端子26とグランド面161との間に、様々な値のインピーダンスを挿入することで、アンテナエレメントのサイズが同じであっても、また、接地端子26のアンテナエレメント11への接続部位を固定したとしても、アンテナエレメント11を給電端子22,24から給電される所望の周波数の高周波信号に容易に共振させることができる。これにより、このアンテナ装置の利用範囲を飛躍的に拡張させることができる。
なお、上記各実施形態では、メアンダ状のアンテナエレメント11を用いる場合の例を示したが、アンテナエレメント11は、モノポールアンテナ、あるいは、アンテナ装置10の筐体に内蔵される樹脂の形状に沿った任意の形状のものであっても良い。
10・・・アンテナ装置、
11・・・アンテナエレメント
11A,11B・・・接地エレメント、
11C,11D・・・他周波用エレメント、
12,14,21,24・・・給電端子、
16,26・・・接地端子
100・・・携帯情報端末、
101・・・表側の筐体、
102・・・裏側の筐体、
103・・・回路基板、
110・・・表示パネル、
111,112,113,114・・・操作ボタン、
121,141,221,241・・・通信回路、
122,142・・・RF(高周波)モジュール、
161・・・グランド面(GND)、
180・・・制御部、
1032,1034,1036・・・スプリングコンタクト。

Claims (12)

  1. 両端部を有するアンテナエレメントと、
    前記アンテナエレメントの一方端部に設けられ、第1高周波信号を給電するための第1給電端子と、
    前記アンテナエレメントの他方端部に設けられ、前記第1高周波信号と異なる第2高周波信号を、当該第1高周波信号と同時期に給電可能な第2給電端子と、
    前記アンテナエレメントの略中央部に設けられ、接地点に接続するための接地端子と、を有する、アンテナ装置。
  2. 前記第1高周波信号と前記第2高周波信号とが同一周波数帯の高周波信号である、
    請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記アンテナエレメントは、携帯情報端末に内蔵される、グランド面と電子部品搭載面とを有する回路基板の所定部位に設置され、
    前記接地端子が前記グランド面と導通し、前記第1給電端子が前記電子部品搭載面上の第1部位と導通し、前記第2給電端子が前記電子部品搭載面上で前記アンテナエレメントの長尺方向のサイズだけ前記第1部位から離れた第2部位と導通する、
    請求項1又は2記載のアンテナ装置。
  4. 前記アンテナエレメントがメアンダ状に成形されている、
    請求項3記載のアンテナ装置。
  5. 前記第1給電端子から、前記アンテナエレメントと同一面上で、前記第2給電端子と反対方向に、前記グランド面と導通する接地エレメントが形成されている、
    請求項3又は4記載のアンテナ装置。
  6. 前記第1給電端子から、前記アンテナエレメントと同一面上で、前記第2給電端子と反対方向に、前記アンテナエレメントで共振する周波数以外の周波数に共振する他周波数用エレメントが形成されている、
    請求項3又は4記載のアンテナ装置。
  7. 前記アンテナエレメントが、前記回路基板に対して所定の角度で設置される、
    請求項5又は6記載のアンテナ装置。
  8. 前記アンテナエレメントが、前記回路基板と同一平面上に設置される、
    請求項7記載のアンテナ装置。
  9. 前記グランド面は、前記回路基板上に形成されており、
    前記アンテナエレメントは、前記グランド面と同一平面上に前記回路基板上に形成された膜状のパターンアンテナである、
    請求項8記載のアンテナ装置。
  10. 前記接地端子と前記グランド面との間に、前記第1給電端子又は前記第2給電端子との電気長を変えるためのリアクタンス素子が介在する、
    請求項3ないし9のいずれかの項記載のアンテナ装置。
  11. 前記リアクタンス素子のリアクタンスが可変である、
    請求項10記載のアンテナ装置。
  12. 操作者が片手で把持可能な携帯型の筐体と、
    それぞれ異なる通信形態で通信を行うための第1通信回路及び第2通信回路を含む電子回路を搭載し、且つ、グランド面が形成された回路基板と、
    前記第1通信回路からの第1高周波信号と前記第2通信回路からの第2高周波信号とを同時に給電可能なアンテナ装置とを備えており、
    前記アンテナ装置は、
    両端部を有するアンテナエレメントと、
    前記アンテナエレメントの一方端部に設けられ、第1高周波信号を給電するための第1給電端子と、
    前記アンテナエレメントの他方端部に設けられ、前記第1高周波信号と異なる第2高周波信号を、当該第1高周波信号と同時期に給電可能な第2給電端子と、
    前記アンテナエレメントの略中央部に設けられ、接地点に接続するための接地端子と、を有する、
    携帯情報端末。
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