JPWO2006028112A1 - メタルハライドランプおよびそれを用いた照明装置 - Google Patents
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Abstract
この発明のメタルハライドランプは、本管部(16)とこの本管部(16)の両端部にそれぞれ形成された第一の細管部(17a)および第二の細管部(17b)とを有する透光性セラミックからなる外囲器(18)と、それぞれの先端部に第一の電極部(25a)、第二の電極部(25b)が形成された第一の電極導入体(21)および第二の電極導入体(22)とを有する発光管(3)を備えている。各電極導入体(21,22)は各細管部(17a,17b)内に挿入されており、各細管部(17a,17b)との間で隙間(23)を形成している。発光管(3)の外面には近接導体(19)が設置され、第一の細管部(17a)のうち、本管部(16)側の端部に近接導体(19)の一部が少なくとも2ターン螺旋状に巻き付けられている。近接導体(19)は第二の電極部(25b)と電気的に接続されている。発光管(3)内の水銀の封入量は2.5mg/cm3以下である。再始動特性が大幅に改善される。
Description
本発明はメタルハライドランプおよびそれを用いた照明装置に関するものである。
従来から、例えば店舗やスポーツ競技場等の屋内および屋外の照明用として用いられているメタルハライドランプ、特に発光管の外囲器を構成している材料が透光性セラミックからなるメタルハライドランプ(以下、「セラミックメタルハライドランプ」という)において、始動および再始動に要する時間を短縮するために、その発光管に近接導体を近接または接触するように配置したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特に、この近接導体の端部を発光管の細管部に巻き付けることにより、始動時、近接導体が細管部を介して電極導入体と容量結合し、細管部と電極導入体との間に形成された隙間内で絶縁破壊が起きて初期電子を発生させることができる。また、その絶縁破壊によって紫外線が発生し、その紫外線放射に起因して本管部内に存在する分子が励起されることによっても初期電子を発生させることができる。そして、これらの初期電子によって電極間で電子なだれが起こり放電が始まる。このようにして電極間での絶縁破壊が促進され、最大パルス電圧(ピーク電圧)が2.5kVという低いパスル電圧であっても点灯を可能にすることができ、しかも再始動に要する時間を5分以内に短縮することができるとされている。
ところで、この種のセラミックメタルハライドランプでは、安定点灯時のランプ電圧が90V前後になるように緩衝ガスとしての水銀が通常10mg/cm3以上封入されている。
なお、近時、セラミックメタルハライドランプにおいて、高効率化を図るために、発光管内にヨウ化セリウム(CeI3)とヨウ化ナトリウム(NaI)とを封入し、発光管の形状を細長く(発光管の内径をD、電極間の距離をLとしたとき、L/D>5)したものが提案されている(例えば特許文献2参照)。このセラミックメタルハライドランプでは、111〜177LPW(=lm/W)という極めて高い発光効率が得られるとされている。しかも、このセラミックメタルハライドランプでは、発光管の形状が細長いために封入する水銀量が通常より少量、例えば定格ランプ電力150Wの場合で0.7mg(<1.6mg/cm3)でも、80V〜100Vのランプ電圧を得ることができ、環境にやさしいという利点も有している。
特開平10−294085号公報 特表2000−501563号公報
以上のように従来のセラミックメタルハライドランプにおいて、発光管の細管部に始動補助用の近接導体を配置することによって再始動特性は改善されつつあるものの、再始動時間に5分もかかる場合もある。それにより、次のような不具合が生じる。例えば、従来のセラミックメタルハライドランプを使用しているある施設では、不意の停電が発生した際、主たるランプであるセラミックメタルハライドランプが再始動するまでの間、安全性に関わる不測の事態の発生に備えて補助的に付設したハロゲン電球等を安全灯として点灯させている例がある。
そこで、市場からはさらなる再始動特性の改善が望まれているものの、現時点では再始動時間を大幅に短縮できる実用的な技術は見出されておらず、その実現は難しいとされてきた。
本発明は、このような現状を打破するものであり、再始動特性を大幅に改善することができるメタルハライドランプおよびそれを用いた照明装置を提供することを目的とするものである。
本発明のメタルハライドランプは、本管部とこの本管部の両端部にそれぞれ形成された第一の細管部および第二の細管部とを有する透光性セラミックからなる外囲器と、先端部に第一の電極部が形成された第一の電極導入体と、先端部に第二の電極部が形成された第二の電極導入体とを有する発光管を備え、前記第一の電極導入体は前記第一の電極部の先端部が前記本管部内に位置するように前記第一の細管部内に挿入されるとともに、前記第一の細管部の端部のうちの前記本管部とは反対側の端部で封着され、前記第二の電極導入体は前記第二の電極部の先端部が前記本管部内に位置するように前記第二の細管部内に挿入されるとともに、前記第二の細管部の端部のうちの前記本管部とは反対側の端部で封着され、かつ前記各細管部と前記各電極導入体との間には隙間がそれぞれ形成されており、前記発光管の外面には近接導体が設置され、かつ前記第一の細管部のうち、前記本管部側の端部に前記近接導体の一部が少なくとも2ターン螺旋状に巻き付けられているとともに、前記近接導体は前記第二の電極部と電気的に接続されており、前記発光管内の水銀の封入量は2.5mg/cm3以下である構成を有している。
本発明のメタルハライドランプによれば、第二の電極部と電気的に接続された近接導体の一部が、第一の細管部の端部に少なくとも2ターン螺旋状に巻き付けられるとともに、発光管内の水銀の封入量が2.5mg/cm3以下とされることにより、再始動特性が大幅に改善される。
1 メタルハライドランプ
2 外管
3 発光管
4 口金
5 フレア
6,7 ステム線
8 電力供給線
9,10 外部リード線
11 アイレット部
12 シェル部
13 バリウムゲッター
14 円筒部
15 半球状部
16 本管部
17a 第一の細管部
17b 第二の細管部
18 外囲器
19 近接導体
19a 第一の螺旋状部分
20 抵抗体
21 第一の電極導入体
22 第二の電極導入体
23 隙間
24 ガラスフリット
25a 第一の電極部
25b 第二の電極部
26a,26b 内部リード線
27a,27b 電極軸部
28a,28b コイル
29a,29b 電極コイル部
30 天井
31 反射灯具
32 ベース部
33 ソケット部
34 照明器具
35 電子安定器
2 外管
3 発光管
4 口金
5 フレア
6,7 ステム線
8 電力供給線
9,10 外部リード線
11 アイレット部
12 シェル部
13 バリウムゲッター
14 円筒部
15 半球状部
16 本管部
17a 第一の細管部
17b 第二の細管部
18 外囲器
19 近接導体
19a 第一の螺旋状部分
20 抵抗体
21 第一の電極導入体
22 第二の電極導入体
23 隙間
24 ガラスフリット
25a 第一の電極部
25b 第二の電極部
26a,26b 内部リード線
27a,27b 電極軸部
28a,28b コイル
29a,29b 電極コイル部
30 天井
31 反射灯具
32 ベース部
33 ソケット部
34 照明器具
35 電子安定器
本発明のメタルハライドランプにおいて好ましくは、前記第一の電極部の先端を含み、かつ前記発光管の長手方向の中心軸に対して垂直な面を第一の平面と定義し、前記第一の平面に平行で、前記第一の平面から前記第二の電極部側へ5mmの間隔を有する面を第二の平面と定義し、前記発光管を前記中心軸を含む平面で切断した切断面において、前記第一の細管部の両端のうち、前記本管部とは反対側の端から前記本管部側に向かって延びる前記第一の細管部の内面の直線部が、別の直線または曲線へと移行する変化点を含み、かつ前記第一の平面に平行な面を第三の平面と定義したとき、前記本管部における前記第二の平面と前記第三の平面とに挟まれた端部領域全体に亘って、前記近接導体は前記本管部の外面に少なくとも0.5ターン螺旋状に巻き付けられている構成とする。
本発明の照明装置は、照明器具と、前記照明器具に組み込まれた上記いずれかの構成のメタルハライドランプとを備える。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態におけるメタルハライドランプの断面図を、図1に示す。このメタルハライドランプ1は、定格ランプ電力150Wのセラミックメタルハライドランプであり、全長T1が175mm〜185mm、例えば180mmであり、外管2と、この外管2内に配置された発光管3と、外管2の端部に固着されたねじ込み式(E形)の口金4とを備えている。
本発明の第1の実施の形態におけるメタルハライドランプの断面図を、図1に示す。このメタルハライドランプ1は、定格ランプ電力150Wのセラミックメタルハライドランプであり、全長T1が175mm〜185mm、例えば180mmであり、外管2と、この外管2内に配置された発光管3と、外管2の端部に固着されたねじ込み式(E形)の口金4とを備えている。
発光管3の長手方向の中心軸(図1中、Xで示す)は、外管2の長手方向の中心軸(図1中、Yで示す)と略一致している。
外管2は、外径R1が25mm〜55mm、例えば40mmの略円筒状の例えば硬質ガラス等からなり、一端部が半球状に閉塞され、かつ他端部に例えばホウケイ酸ガラスからなるフレア5が封着されている。
外管2内、すなわち発光管3が配置された密閉空間内は、300Kでの気圧が1×101Pa以下、例えば1×10−1Paの真空状態になっている。このように外管2内の真空度を300Kで1×101Pa以下に規定することにより、発光管3の熱がその空間内のガスを介して外管2に伝わり、外部へ放出されるのを抑制することができる。それにより、熱ロスによって発光効率が低下するのを防止することができる。これに対して、外管2内の真空度が300Kで1×101Paを超える場合、発光管3の熱がその空間内のガスを介して外管2に伝わり、外部へ放出されやすくなる。そのため、熱ロスによって発光効率が低下するおそれがある。
フレア5には、例えばニッケルまたは軟鋼からなる二本のステム線6,7の一部がそれぞれ封止されている。二本のステム線6,7の一端部はそれぞれ外管2内に引き込まれている。一方のステム線6は、電力供給線8を介して、発光管3から導出した一方の外部リード線9に電気的に接続されている。他方のステム線7は直接、他方の外部リード線10に電気的に接続されている。発光管3は、これら二本のステム線6,7および電力供給線8によって外管2内で支持されている。また、ステム線6の他端部は口金4のアイレット部11に、ステム線7の他端部は口金4のシェル部12にそれぞれ電気的に接続されている。ステム線6,7は、複数の金属線をそれぞれ溶接して一体化された一本の金属線からなる。
電力供給線8は、フレア5の近傍から外管2の閉塞部側まで外管2の内面形状に沿って直線状に延びた後、外管2の閉塞部の内面形状に沿って略半円状に曲げられ、さらに外部リード線9と略直角に交差するように外管2の長手方向の中心軸Yへ向かって折り曲げられ、真っ直ぐ延びている。また、電力供給線8のうち、外管2の閉塞部側に位置する部分には、バリウムゲッター13が取り付けられている。
発光管3は、図2に示すように、円筒部14とこの円筒部14の両端部に連接された半球状部15とからなる本管部16と、半球状部15に連接された第一の細管部17aおよび第二の細管部17bとからなる多結晶アルミナ製の外囲器18とを有している。発光管3の全長T2(本管部16、第一の細管部17aおよび第二の細管部17bを合わせた長さ)は60mm〜85mm、例えば71mmである。円筒部14の外径R2は4.5mm〜8.0mm、例えば6.4mmであり、内径r1(図3参照)は2.5mm〜6.0mm、例えば4.0mmである。第一の細管部17aおよび第二の細管部17bの外径R3は2.5mm〜4.0mm、例えば3.2mmであって、内径r2(図3参照)は0.8mm〜1.2mm、例えば1.0mmである。外囲器18の内容積(各細管部17a,17bを除く)は、0.16cm3〜0.85cm3、例えば0.435cm3である。
なお、発光管3の外囲器18を構成する材料としては、多結晶アルミナ以外にイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、窒化アルミ、イットリア、またはジルコニア等の透光性セラミックを用いることができる。また、外囲器18としては、図2に示した例では、外囲器18を構成する各部分がそれぞれ一体成形され、繋ぎ目がないものが用いられている。これに限らず、例えば本管部16の半球状部15に、別工程で成型された各細管部17a,17bを焼きばめることによって各部材を一体化させたものを用いてもよい。
また、発光管3内には、発光物質としての例えばヨウ化プラセオジウム(PrI3)とヨウ化ナトリウム(NaI)とからなる金属ハロゲン化物、緩衝ガスとしての水銀、および始動補助ガスとしてのキセノンガス(Xe)がそれぞれ封入されている。金属ハロゲン化物は、総量で5.5〜19mg、例えば9mgであり、各成分のモル比が例えば1:8となるように封入されている。水銀は、2.5mg/cm3以下になるように封入されている。水銀の封入量は2.5mg/cm3以下の範囲において、点灯時、所望のランプ電圧が得られるように適宜調整されるが、場合によっては封入物を調整するなどして公知の手段を用いて無水銀(0.0mg/cm3)としてもよい。キセノンガスは、300Kで25kPaとなるように封入されている。
なお、水銀の封入量が2.5mg/cm3以下の範囲内において、初期(点灯経過時間が100時間以内)のランプ電圧として80V〜100Vを得るためには、定格電力に関係なく、r1(図3参照)とL(図3参照)とが、6≦r1/L≦10なる関係式を満たすことが好ましい。
なお、発光物質としては、ヨウ化プラセオジウムとヨウ化ナトリウムとの組み合わせに代えて、ヨウ化セリウム(CeI3)とヨウ化ナトリウムとを組み合わせたものや、高演色タイプのセラミックメタルハライドランプによく用いられているヨウ化ディスプロシウム(DyI3)、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化ホルミウム(HoI3)等の希土類金属のヨウ化物とヨウ化タリウム(TlI)およびヨウ化ナトリウムとを組み合わせたもの等、所望の色特性に応じて公知の種々の金属ヨウ化物を用いることができる。もっとも、ヨウ化物の全部または一部を臭化物に代えて用いることもできる。始動補助ガスとしては、キセノンガスに代えて、アルゴンガス(Ar)やクリプトンガス(Kr)、またはこれらの混合ガスを用いることができる。
また、発光管3の外面には、例えば0.2mmのモリブデン線からなる始動補助用の近接導体19が接触するように配置されている。すなわち、近接導体19は、まず第一の細管部17aの外面のうち、本管部16側の端部に少なくとも2ターン密着させて螺旋状に巻き付けられている。図2に示す例では、第一の細管部17aの外面のうち、本管部16側の端から2mmまでの領域全体に亘って2ターン巻き付けられている。さらに、本管部16を縦断するように発光管3の長手方向に沿わせて、つまり本管部16に対してほとんど巻き付けられることなく本管部16の外面に密着させて配置されている。さらに、第二の細管部17bの外面のうち、本管部16側の端部に0.8ターンほど螺旋状に巻き付けられ、最終的に抵抗体20を介して外部リード線9に電気的に接続されている。したがって、この近接導体19は、後述する図3に示される第二の電極部25b(電極導入体22)と同電位となる。また、近接導体19のうち、第一の細管部17aに巻き付けられている第一の螺旋状部分19aは、この近接導体19とは異極となる後述する第一の電極部25aに近接されている。
近接導体19として使用しているモリブデン線の線径は、螺旋形状に加工しやすく、しかもその螺旋形状を安定的に保つとともに、線の陰によって光束が低下したり配光特性が悪化したりするのを抑えるために、0.1mm〜0.3mmであることが好ましい。その線径が0.1mm未満では、螺旋形状に加工しにくく、その形状を安定させることができないおそれがある。一方、線径が0.3mmを越えると、点灯時、近接導体19の線の影が目視でも顕著に現れ始め、光束が低下したり配光特性が悪化したりするおそれがある。
次に、第一の螺旋状部分19aの「巻きピッチ」について説明する。「巻きピッチ」とは、近接導体19であるモリブデン線の線径(直径)に対して、コイルの各ターンのうちの隣接する一対のターンの中心間の距離の比率を%で表わした値である。したがって、巻きピッチが100%とは、隣接するターン同士が接触していることを表わしている。第一の螺旋状部分19aにおいて、少なくとも隣接するターン同士が接触していなければ、つまり巻きピッチが100%でなければ問題ないが、点灯と消灯とのヒートサイクルによってその形状が変化し、隣接するターン同士が接触するのを確実に防止するために、巻きピッチは150%以上であることが好ましい。巻きピッチが150%未満では、点灯と消灯とのヒートサイクルによってその形状が徐々に変化していき、隣接するターン同士が接触するおそれがある。一方、巻きピッチが大きすぎると、第一の螺旋状部分19aを第一の細管部17aのうち、本管部16側の端部に局所的に配置することができなくなる。そこで、その巻きピッチは1000%以下であることが好ましい。
なお、上記した例では、モリブデン線は裸線を用いているので、隣接するターン同士が接触しないようにしているが、このモリブデン線を公知の絶縁部材で被覆していれば、隣接するターン同士が接触していてもよい。
近接導体19の一部を第二の細管部17bに巻き付けているのは、近接導体19が発光管3に対して外れないように密着させつつ保持するためである。したがって、再始動特性の観点からは、近接導体19を第二の細管部17bに必ずしも巻き付ける必要はないが、確実に保持するという観点からは複数ターン巻き付けた方がよい。また、近接導体19は、上述したとおり、本管部16に対して実質的にほとんど巻き付けられていない。つまり、意図的に巻き付けられているのではないが、実際には第一の細管部17aに巻き付けられた後、近接導体19に特別な加工を施すことなく第二の細管部17bに巻き付けるために、本管部16全体に亘って0.1ターンほど巻き付けられることになる。
なお、近接導体19の材質としては、モリブデン以外にタングステン(W)、白金(Pt)、金(Au)またはこれらの合金等も用いることができる。
また、ここで言う「密着」とは、厳密な意味で近接導体19が発光管3の外面に完全に密着している場合はもちろんのこと、近接導体19が発光管3の外面に対して部分的に、かつ不可避的に浮き上がってしまっている場合も含むものとする。
抵抗体20は、ランプの不点時に近接導体19とこれと異極の部材、例えば外部リード線10との間で異常放電が起きるのを防止するためのものであり、その抵抗値は10kΩ〜100kΩ、例えば20kΩに設定されている。
図3に示すように、第一の細管部17a内には第一の電極導入体21が、第二の細管部17b内には第二の電極導入体22がそれぞれ挿入されている。各電極導入体21,22は、本管部16とは反対側の端部において各々の細管部17a,17bと各々の電極導入体21,22との間の隙間23に流し込まれたガラスフリット24によってそれぞれ封着されている。この部分の構造の詳細は、第2の実施の形態を示す図5に図示されている。
第一の電極導入体21は、先端部に形成された第一の電極部25aと、一端部がこの電極部25aに接続された内部リード線26aと、一端部が内部リード線26aに接続された外部リード線10と、コイル28aとを有している。内部リード線26aは、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)とモリブデン(Mo)とを焼結した導電性サーメットからなり、直径が例えば0.9mmである。外部リード線10は、例えばニオビウムからなる。コイル28aは、第一の電極部25aのうち後述する電極軸部27aの一部に巻き付けられ、線径が例えば0.2mmのモリブデンからなる。
一方、第二の電極導入体22も同様に、先端部に形成された第一の電極部25bと、一端部がこの電極部25bに接続された内部リード線26bと、一端部が内部リード線26bに接続された外部リード線9と、コイル28bとを有している。内部リード線26bは、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)とモリブデン(Mo)とを焼結した導電性サーメットからなり、直径が例えば0.9mmである。外部リード線9は、例えばニオビウムからなる。コイル28bは、第一の電極部25bのうち後述する電極軸部27bの一部に巻き付けられ、線径が例えば0.2mmのモリブデンからなる。
したがって、各細管部17a,17bの内径r2が例えば1.0mmの場合、各電極導入体21,22の最大外径(コイル28a,28bを含む)は1.3mmとなるので、各々の細管部17a,17bと電極導入体21,22との間には、平均で0.1mmの隙間が形成される。この隙間の大きさは、各電極導入体21,22をそれぞれの細管部17a,17bに挿入する際、裕度を持って挿入することを可能とする。もっとも、プロセス上、各電極導入体21,22は、それぞれの細管部17a,17bの長手方向の中心軸(中心軸Xと同一軸上にある)に対して偏心した位置で封着されていることが多い。
各電極部25a,25bは、直径が例えば0.5mmのタングステンからなる電極軸部27a,27bと、電極軸部27a,27bの先端部に取り付けられた電極コイル部29a,29bとを有している。これら二つの電極部25a,25bは、先端同士が互いに略対向するような状態になっている。電極部25a,25b間の距離Lは、24mm〜40mm、例えば32mmに設定されている。
内部リード線26a,26bの端部のうち、電極軸部27a,27bとは反対側の端部は、各々の細管部17a,17bの端部から外部に導出されており、上述したとおりそれぞれ外部リード線10,9を介してステム線7または電力供給線8に電気的に接続されている。
コイル28a,28bは、各細管部17a,17bと電極軸部27a,27bとの間に形成される隙間を極力埋めて、その隙間に液状の金属ハロゲン化物が沈み込むのを抑制する。
なお、電極導入体21,22として、タングステンからなる電極部25a,25b、導電性サーメットからなる内部リード線26a,26b、ニオビウムからなる外部リード線10,9およびモリブデンからなるコイル28a,28bから構成されたもの以外に、その材質や構造において既知の電極導入体を用いることができる。
そして、このようなメタルハライドランプ1は、例えば次のような電子安定器(図示せず)によって点灯される。
すなわち、一例として使用する電子安定器は、定常点灯には周波数165Hzの矩形波電圧を印加し、一方、始動時および再始動時には、LC共振によって周波数約100kHzで最大値3.5kVの高周波電圧をON(0.1秒)、OFF(0.9秒)のサイクルで30秒間に亘って印加する。メタルハライドランプ1が30秒間で始動しない場合は、2分間の休止期間を経て、前記30秒間の高周波電圧の印加を2分間隔で30分間繰り返す。30分経過した後でも始動しない場合は、電子安定器は出力を停止する。
ここで、始動時および再始動時における近接導体19の機能について説明する。
近接導体19の第一の螺旋状部分19aは、始動時および再始動時において、その反対側の端部が外部リード線9に電気的に接続されているために第二の電極部25bと同電位になるので、第一の電極部25aに対しては異極となる。また、第一の細管部17aの構成材料である多結晶アルミナは、誘電体としても機能する。したがって、近接導体19のうちの第一の螺旋状部分19aは、始動時および再始動時において、第一の細管部17aを介して第一の電極導入体21と容量結合する。つまり、近接導体19が例えばプラス電位のとき、電極軸部27aやコイル28aはマイナス電位であり、第一の細管部17aの外面側にはマイナス電荷が帯電し、その反対側の第一の細管部17aの内面側にはプラス電荷が帯電する。その結果、始動時および再始動時において、まず第一の細管部17aの内面と電極軸部27aやコイル28aとの間に形成された隙間で絶縁破壊が起きて、微小放電が発生する。それによって初期電子が発生したり紫外線が放射されたりする。また、この紫外線放射に起因して本管部16内に存在する分子が励起されることによっても、初期電子が発生する。一方、近接導体19のうち、本管部16の第一の細管部17a側の端部に位置する部分も、本管部16を介して第一の電極部25aと容量結合している。したがって、本管部16の第一の細管部17a側の端部内において、前記初期電子によって近接導体19と第一の電極部25aとの間で本管部16を介して絶縁破壊が誘発され、アーク放電が発生する。これによって各電極部25a,25b間での絶縁破壊に向けた電離過程が促進され、低い始動電圧または再始動電圧であっても短時間で始動させることができる。
次に、本実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1の構成による作用効果を確認するために行われた実験の結果について説明する。
上記構成のメタルハライドランプ1において、表1に示すように、水銀の封入量および近接導体19のうちの第一の螺旋状部分19aのターン数を変化させたランプを作製した。すなわち、水銀の封入量を1.0mg/cm3〜5.0mg/cm3の範囲で変化させるとともに、第一の螺旋状部分19aのターン数を1ターン、2ターン、4ターンと変化させて、各条件のランプを、それぞれ10本ずつ作製した。そして、作製した各々のランプを上記した電子安定器を用いて通常どおりの方法で1時間連続点灯させた後に、一旦消灯させて再始動を行い、消灯直後(電源オフ後)から再始動するまでの再始動時間を測定した。なお、ここで言う「再始動」とは、電源ON後からアーク放電が始まった時の状態を言う。
得られた結果は、表1および図4に示すとおりである。図4は片対数で示されている。図4中、「実線a」は第一の螺旋状部分19aのターン数が1ターンの場合、「実線b」は第一の螺旋状部分19aのターン数が2ターンの場合、「実線c」は第一の螺旋状部分19aのターン数が4ターンの場合をそれぞれ示す。「再始動時間」は、10本のサンプルの平均値である。
表1および図4から明らかなように、第一の螺旋状部分19aのターン数が2ターン以上、例えば2ターンおよび4ターンの場合、1ターンの場合に比して、水銀の封入量が小さくなればなるほど平均再始動時間が著しく短くなる。水銀の封入量が2.5mg/cm3以下の場合には、30秒以下という驚くべき結果(従来のセラミックメタルハライドランプ[特許文献1参照]に比して1/10以下)が得られた。
なお、水銀の封入量が2.5mg/cm3、第一の螺旋状部分19aのターン数が2ターンのサンプルの中で最も再始動時間が短かったのは、1.0秒であった。
以上のとおり、本発明の第1の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1の構成によれば、再始動特性を大幅に改善することができることが確認された。なお、表1に示した結果は、例えば最大値3.0kVの高周波電圧を印加した場合であっても得られることを確認した。従って、少なくとも最大値3.0kVの高周波電圧を印加することにより、上記したような効果を確実に得ることができる考えられる。もっとも、印加する高周波電圧を大きくすればするほど、再始動特性は一層向上するものと考えられる。
これは、次のような理由によるものであると考えられる。つまり、第一の螺旋状部分19aのターン数を少なくとも2ターンとしているので、再始動時において、第一の細管部17aの内面と電極軸部27aやコイル28aとの間に形成された隙間で発生する微小放電の強度を高めることができるとともに、微小放電が発生する領域を拡大することができるので、本管部16内に供給される初期電子の数や紫外線の放射量を増大させることができる。しかも、これに加えて、再始動時、水銀の蒸気圧を低下させることができるので、再始動電圧の印加によって本管部16内の初期電子や2次電子のエネルギーを高めることができる。つまり、本管部16内の水銀原子が少ないので、各電子が加速される前に水銀原子と衝突する確率が低くなり、十分な運動エネルギーを得ることができる。これらの結果、各電極部25a,25b間での絶縁破壊に向けた電離過程が一層促進され、再始動時間を30秒以下にすることができるものと考えられる。
ここで、各電極部25a,25b間の距離Lが長すぎると、ランプ電圧が等しい場合、電界が弱まるので、初期電子を十分に加速させることができず、その結果、初期電子が水銀原子と衝突して二次電子を放出するのに必要なエネルギーが得られなくなり、前記電離過程を十分に促進することができなくなるおそれがある。したがって、距離L(mm)は、定格電力とは無関係にL≦55なる関係式を満たすことが好ましい。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態におけるメタルハライドランプについて、図5および図6を参照して説明する。本実施形態における定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1は、近接導体19が本管部16の外面に2ターン密着して螺旋状に巻き付けられ、特に本管部16の外面の所定の端部領域に亘って少なくとも0.5ターン以上密着して螺旋状に巻き付けられている。その他の構成は、上述の第1の実施の形態における定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1と同様である。
本発明の第2の実施の形態におけるメタルハライドランプについて、図5および図6を参照して説明する。本実施形態における定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1は、近接導体19が本管部16の外面に2ターン密着して螺旋状に巻き付けられ、特に本管部16の外面の所定の端部領域に亘って少なくとも0.5ターン以上密着して螺旋状に巻き付けられている。その他の構成は、上述の第1の実施の形態における定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1と同様である。
「本管部16の所定の端部領域」とは、平面Q(第二の平面)と平面R(第三の平面)とで挟まれた領域を示す。平面Qと平面Rは、以下のように定義される。
まず、第一の螺旋状部分19aが位置している第一の細管部17a側に位置する第一の電極部25aの先端を含み、かつ発光管3の長手方向の中心軸Xに対して垂直な面を、平面P(第一の平面)と定義する。平面Qは、平面Pに平行で、かつこの平面Pに対して第二の電極部25b側へ5mmの間隔を有する平面として定義される。平面Rは、発光管3を前記中心軸Xを含む平面で切断した切断面(図5参照)において、第一の細管部17aの両端のうち、本管部16とは反対側の端から本管部16へ向かって延びる第一の細管部17aの内面の直線部から半球状部15の内面の曲線部へ移行する変化点A(図5参照)を含み、かつ平面Pに平行な平面として定義される。
この変化点Aの位置は、本管部16の内面形状によって種々変化する。通常、発光管3を前記中心軸Xを含む平面で切断した切断面において、第一の細管部17aの内面は実質的に直線的であるので、この直線が本管部16へ向かって真っ直ぐ延びて別の直線または曲線へと変化し始める点がこれに該当する。例えば、半球状部15の内面と第一の細管部17aの内面とが所定の曲率rを有する曲線で繋がっているとき、変化点Aは第一の細管部17aの内面の直線と曲率rを有する曲線との境界点がこれに該当する。
図5に示す例では、近接導体19は、本管部16の端部領域において、平面Rと交差する箇所を始点とし、平面Qと交差する箇所を終点とする1ターン巻きのコイルになっている。
なお、このコイルが1ターン以上ある場合、その巻きピッチは100%を越えていればよい。
また、本管部16に巻き付けられている近接導体19のうち、本管部16の端部領域を除く部分については、再始動特性の観点からはそのターン数は特に限定されるものではない。必ずしも巻き付けられる必要はなく、また複数ターン巻き付けてもよい。しかし、ターン数が多くなると、発光管3から放射される光を遮ってしまうために、そのターン数は少ないほどよい。図6に示す例では、近接導体19を他方の細管部17bに巻き付けるにあたり、近接導体19を特別な加工を施すことなく自然に巻き付けるために、端部領域を除く部分に1ターン巻き付けられている。
次に、本実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプの構成による作用効果を確認するために行われた実験の結果について説明する。
このメタルハライドランプにおいて、水銀の封入量を1.84mg/cm3(全量で0.8mg)とし、第一の螺旋状部分19aのターン数を2ターンとしたものを10本作製した。そして、作製した各々のランプを上記した電子安定器を用いて通常どおりの方法で1時間連続点灯させた後に一旦消灯させて再始動を行い、消灯直後(電源オフ後)から再始動するまでの再始動時間を測定した。実験の結果は、以下のとおりである。
平均再始動時間は、本発明の第1の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1に比して1/3以下である8.2秒であった。
なお、サンプルの中で最も短かった再始動時間は、1.0秒であった。
再始動時、ランプを目視によって観察すると、第2の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプについては、第1の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプとは異なる現象が見られた。
すなわち、第1の実施の形態に係るメタルハライドランプの場合、第一の電極部25aと、例えば近接導体19のうち、平面Pと平面Qとの間に存在する任意の点(点a)との間で、本管部16を介してアーク放電の発光が見られた後、瞬間的(0.5秒)に電極部25a,25b間の絶縁破壊に移行した。これに対して、第2の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプの場合、以下のことがわかった。すなわち、第1の実施の形態のランプと同様に、第一の電極部25aと、例えば近接導体19のうち、平面Pと平面Qとの間に存在する任意の点(点a、図示せず)との間で、本管部16を介してアーク放電の発光が見られた後、そのアーク放電が第一の電極部25aと、近接導体19のうちの前記点aに対して第二の電極部25b寄りの点b(図示せず)に連続的に移行した。さらにこれが近接導体19のうちの電極部25b付近まで連続的に移行し続けて、電極部25a,25b間の絶縁破壊に移行した。この間、0.2秒〜0.5秒であった。
言い換えれば、本発明の第1の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1の場合、第一の電極部25aと点aとの間で本管部16を介してアーク放電が発生したものの、それがそのまま各々の電極部25a,25b間の絶縁破壊へと移行しない場合があった。これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプの場合、第一の電極部25aと点aとの間で本管部16を介して発生したアーク放電は、近接導体19によって第二の電極部25b付近へと誘導され、高い確率で電極部25a,25b間の絶縁破壊に移行しているものと考えられる。
したがって、第2の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1の構成によれば、第1の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1に比して再始動の確実性が増し、その結果、再始動特性を一層大幅に改善することができる。
また、上記した結果は、例えば最大値3.0kVの高周波電圧を印加した場合であっても得られることを確認した。したがって、少なくとも最大値3.0kVの高周波電圧を印加することにより、上記したような効果を確実に得ることができる。もっとも、印加する電圧を大きくすればするほど、再始動特性は一層向上するものと考えられる。
なお、第2の実施の形態では、水銀の封入量を1.84mg/cm3とし、第一の螺旋状部分19aのターン数を2ターンとした場合について説明したが、水銀の封入量が2.5mg/cm3以下、第一の螺旋状部分19aのターン数が2ターン以上であればいずれの場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
なお、第1および第2の実施の形態では、第一の螺旋状部分19aが第一の細管部17a側に巻き付けられているとともに、近接導体19が第二の細管部17b側に位置している第二の電極部25bと電気的に接続されている場合について説明したが、近接導体19の取付け方が逆であってもよい。すなわち、第一の螺旋状部分19aが第二の細管部17b側に巻き付けられているとともに、近接導体19が第一の細管部17a側に位置している第一の電極部25aと電気的に接続されている場合についても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
また、第1および第2の実施の形態では、定格電力150Wのメタルハライドランプを例示して説明したが、これに限らず、定格電力100Wや250W等の、さらに35W〜400Wのメタルハライドランプについても、本発明を同様に適用することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態における照明装置について、図7を参照して説明する。この照明装置は、例えば天井用照明等に使用されるものであり、照明器具34と、本発明の第1の実施の形態における定格電力150Wのメタルハライドランプ1と、電子安定器35とを備えている。照明器具34は、天井30に組み込まれた傘状の反射灯具31と、この反射灯具31の底部に取り付けられた板状のベース部32と、反射灯具31内に底部に設けられたソケット部33とを有する。この照明器具34内のソケット部33に、メタルハライドランプ1が取り付けられている。電子安定器35は、ベース部32の反射灯具31から離間した位置に取り付けられている。
本発明の第3の実施の形態における照明装置について、図7を参照して説明する。この照明装置は、例えば天井用照明等に使用されるものであり、照明器具34と、本発明の第1の実施の形態における定格電力150Wのメタルハライドランプ1と、電子安定器35とを備えている。照明器具34は、天井30に組み込まれた傘状の反射灯具31と、この反射灯具31の底部に取り付けられた板状のベース部32と、反射灯具31内に底部に設けられたソケット部33とを有する。この照明器具34内のソケット部33に、メタルハライドランプ1が取り付けられている。電子安定器35は、ベース部32の反射灯具31から離間した位置に取り付けられている。
電子安定器35としては、公知の電子安定器が用いられる。安定器として、一般的な磁性安定器を用いた場合では、電源電圧の変動の影響を受けてランプ電力が変動してしまう。そのため、電源電圧が高くなった場合、ランプ電力が定格電力を越えてしまい、発光管(図示せず)の外面温度が上昇し、発光管の外囲器を構成材料であるセラミックが飛散するおそれがある。これに対して、電子安定器35を用いた場合では、ランプ電力を広い電圧範囲で一定に保つことができるので、発光管の外面温度を一定にコントロールすることができ、発光管の外囲器を構成材料であるセラミックが飛散するおそれを低減することができる。
以上のとおり、本発明の第3の実施の形態における照明装置の構成によれば、第1の実施の形態におけるメタルハライドランプを用いているので、再始動特性を大幅に改善することができる。
なお、第3の実施の形態では、その照明装置の用途が天井用照明である場合を例として説明したが、その他の屋内照明や、店舗照明、街路灯照明等にも用いることができ、その用途は限定されるものでない。また、その用途に応じて種々の公知の照明器具や電子安定器を用いることができる。
また、第3の実施の形態では、第1の実施の形態におけるメタルハライドランプを用いた場合について説明したが、本発明にかかるいずれのメタルハライドランプを用いた場合でも、上記と同様の作用効果を得ることができる。
本発明のメタルハライドランプは、高い再始動特性を要求される照明用に有用である。
本発明はメタルハライドランプおよびそれを用いた照明装置に関するものである。
従来から、例えば店舗やスポーツ競技場等の屋内および屋外の照明用として用いられているメタルハライドランプ、特に発光管の外囲器を構成している材料が透光性セラミックからなるメタルハライドランプ(以下、「セラミックメタルハライドランプ」という)において、始動および再始動に要する時間を短縮するために、その発光管に近接導体を近接または接触するように配置したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特に、この近接導体の端部を発光管の細管部に巻き付けることにより、始動時、近接導体が細管部を介して電極導入体と容量結合し、細管部と電極導入体との間に形成された隙間内で絶縁破壊が起きて初期電子を発生させることができる。また、その絶縁破壊によって紫外線が発生し、その紫外線放射に起因して本管部内に存在する分子が励起されることによっても初期電子を発生させることができる。そして、これらの初期電子によって電極間で電子なだれが起こり放電が始まる。このようにして電極間での絶縁破壊が促進され、最大パルス電圧(ピーク電圧)が2.5kVという低いパスル電圧であっても点灯を可能にすることができ、しかも再始動に要する時間を5分以内に短縮することができるとされている。
ところで、この種のセラミックメタルハライドランプでは、安定点灯時のランプ電圧が90V前後になるように緩衝ガスとしての水銀が通常10mg/cm3以上封入されている。
なお、近時、セラミックメタルハライドランプにおいて、高効率化を図るために、発光管内にヨウ化セリウム(CeI3)とヨウ化ナトリウム(NaI)とを封入し、発光管の形状を細長く(発光管の内径をD、電極間の距離をLとしたとき、L/D>5)したものが提案されている(例えば特許文献2参照)。このセラミックメタルハライドランプでは、111〜177LPW(=lm/W)という極めて高い発光効率が得られるとされている。しかも、このセラミックメタルハライドランプでは、発光管の形状が細長いために封入する水銀量が通常より少量、例えば定格ランプ電力150Wの場合で0.7mg(<1.6mg/cm3)でも、80V〜100Vのランプ電圧を得ることができ、環境にやさしいという利点も有している。
特開平10−294085号公報
特表2000−501563号公報
以上のように従来のセラミックメタルハライドランプにおいて、発光管の細管部に始動補助用の近接導体を配置することによって再始動特性は改善されつつあるものの、再始動時間に5分もかかる場合もある。それにより、次のような不具合が生じる。例えば、従来のセラミックメタルハライドランプを使用しているある施設では、不意の停電が発生した際、主たるランプであるセラミックメタルハライドランプが再始動するまでの間、安全性に関わる不測の事態の発生に備えて補助的に付設したハロゲン電球等を安全灯として点灯させている例がある。
そこで、市場からはさらなる再始動特性の改善が望まれているものの、現時点では再始動時間を大幅に短縮できる実用的な技術は見出されておらず、その実現は難しいとされてきた。
本発明は、このような現状を打破するものであり、再始動特性を大幅に改善することができるメタルハライドランプおよびそれを用いた照明装置を提供することを目的とするものである。
本発明のメタルハライドランプは、本管部とこの本管部の両端部にそれぞれ形成された第一の細管部および第二の細管部とを有する透光性セラミックからなる外囲器と、先端部に第一の電極部が形成された第一の電極導入体と、先端部に第二の電極部が形成された第二の電極導入体とを有する発光管を備え、前記第一の電極導入体は前記第一の電極部の先端部が前記本管部内に位置するように前記第一の細管部内に挿入されるとともに、前記第一の細管部の端部のうちの前記本管部とは反対側の端部で封着され、前記第二の電極導入体は前記第二の電極部の先端部が前記本管部内に位置するように前記第二の細管部内に挿入されるとともに、前記第二の細管部の端部のうちの前記本管部とは反対側の端部で封着され、かつ前記各細管部と前記各電極導入体との間には隙間がそれぞれ形成されており、前記発光管の外面には近接導体が設置され、かつ前記第一の細管部のうち、前記本管部側の端部に前記近接導体の一部が少なくとも2ターン螺旋状に巻き付けられているとともに、前記近接導体は前記第二の電極部と電気的に接続されており、前記発光管内の水銀の封入量は2.5mg/cm3以下である構成を有している。
本発明のメタルハライドランプによれば、第二の電極部と電気的に接続された近接導体の一部が、第一の細管部の端部に少なくとも2ターン螺旋状に巻き付けられるとともに、発光管内の水銀の封入量が2.5mg/cm3以下とされることにより、再始動特性が大幅に改善される。
本発明のメタルハライドランプにおいて好ましくは、前記第一の電極部の先端を含み、かつ前記発光管の長手方向の中心軸に対して垂直な面を第一の平面と定義し、前記第一の平面に平行で、前記第一の平面から前記第二の電極部側へ5mmの間隔を有する面を第二の平面と定義し、前記発光管を前記中心軸を含む平面で切断した切断面において、前記第一の細管部の両端のうち、前記本管部とは反対側の端から前記本管部側に向かって延びる前記第一の細管部の内面の直線部が、別の直線または曲線へと移行する変化点を含み、かつ前記第一の平面に平行な面を第三の平面と定義したとき、前記本管部における前記第二の平面と前記第三の平面とに挟まれた端部領域全体に亘って、前記近接導体は前記本管部の外面に少なくとも0.5ターン螺旋状に巻き付けられている構成とする。
本発明の照明装置は、照明器具と、前記照明器具に組み込まれた上記いずれかの構成のメタルハライドランプとを備える。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態におけるメタルハライドランプの断面図を、図1に示す。このメタルハライドランプ1は、定格ランプ電力150Wのセラミックメタルハライドランプであり、全長T1が175mm〜185mm、例えば180mmであり、外管2と、この外管2内に配置された発光管3と、外管2の端部に固着されたねじ込み式(E形)の口金4とを備えている。
本発明の第1の実施の形態におけるメタルハライドランプの断面図を、図1に示す。このメタルハライドランプ1は、定格ランプ電力150Wのセラミックメタルハライドランプであり、全長T1が175mm〜185mm、例えば180mmであり、外管2と、この外管2内に配置された発光管3と、外管2の端部に固着されたねじ込み式(E形)の口金4とを備えている。
発光管3の長手方向の中心軸(図1中、Xで示す)は、外管2の長手方向の中心軸(図1中、Yで示す)と略一致している。
外管2は、外径R1が25mm〜55mm、例えば40mmの略円筒状の例えば硬質ガラス等からなり、一端部が半球状に閉塞され、かつ他端部に例えばホウケイ酸ガラスからなるフレア5が封着されている。
外管2内、すなわち発光管3が配置された密閉空間内は、300Kでの気圧が1×101Pa以下、例えば1×10-1Paの真空状態になっている。このように外管2内の真空度を300Kで1×101Pa以下に規定することにより、発光管3の熱がその空間内のガスを介して外管2に伝わり、外部へ放出されるのを抑制することができる。それにより、熱ロスによって発光効率が低下するのを防止することができる。これに対して、外管2内の真空度が300Kで1×101Paを超える場合、発光管3の熱がその空間内のガスを介して外管2に伝わり、外部へ放出されやすくなる。そのため、熱ロスによって発光効率が低下するおそれがある。
フレア5には、例えばニッケルまたは軟鋼からなる二本のステム線6,7の一部がそれぞれ封止されている。二本のステム線6,7の一端部はそれぞれ外管2内に引き込まれている。一方のステム線6は、電力供給線8を介して、発光管3から導出した一方の外部リード線9に電気的に接続されている。他方のステム線7は直接、他方の外部リード線10に電気的に接続されている。発光管3は、これら二本のステム線6,7および電力供給線8によって外管2内で支持されている。また、ステム線6の他端部は口金4のアイレット部11に、ステム線7の他端部は口金4のシェル部12にそれぞれ電気的に接続されている。ステム線6,7は、複数の金属線をそれぞれ溶接して一体化された一本の金属線からなる。
電力供給線8は、フレア5の近傍から外管2の閉塞部側まで外管2の内面形状に沿って直線状に延びた後、外管2の閉塞部の内面形状に沿って略半円状に曲げられ、さらに外部リード線9と略直角に交差するように外管2の長手方向の中心軸Yへ向かって折り曲げられ、真っ直ぐ延びている。また、電力供給線8のうち、外管2の閉塞部側に位置する部分には、バリウムゲッター13が取り付けられている。
発光管3は、図2に示すように、円筒部14とこの円筒部14の両端部に連接された半球状部15とからなる本管部16と、半球状部15に連接された第一の細管部17aおよび第二の細管部17bとからなる多結晶アルミナ製の外囲器18とを有している。発光管3の全長T2(本管部16、第一の細管部17aおよび第二の細管部17bを合わせた長さ)は60mm〜85mm、例えば71mmである。円筒部14の外径R2は4.5mm〜8.0mm、例えば6.4mmであり、内径r1(図3参照)は2.5mm〜6.0mm、例えば4.0mmである。第一の細管部17aおよび第二の細管部17bの外径R3は2.5mm〜4.0mm、例えば3.2mmであって、内径r2(図3参照)は0.8mm〜1.2mm、例えば1.0mmである。外囲器18の内容積(各細管部17a,17bを除く)は、0.16cm3〜0.85cm3、例えば0.435cm3である。
なお、発光管3の外囲器18を構成する材料としては、多結晶アルミナ以外にイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、窒化アルミ、イットリア、またはジルコニア等の透光性セラミックを用いることができる。また、外囲器18としては、図2に示した例では、外囲器18を構成する各部分がそれぞれ一体成形され、繋ぎ目がないものが用いられている。これに限らず、例えば本管部16の半球状部15に、別工程で成型された各細管部17a,17bを焼きばめることによって各部材を一体化させたものを用いてもよい。
また、発光管3内には、発光物質としての例えばヨウ化プラセオジウム(PrI3)とヨウ化ナトリウム(NaI)とからなる金属ハロゲン化物、緩衝ガスとしての水銀、および始動補助ガスとしてのキセノンガス(Xe)がそれぞれ封入されている。金属ハロゲン化物は、総量で5.5〜19mg、例えば9mgであり、各成分のモル比が例えば1:8となるように封入されている。水銀は、2.5mg/cm3以下になるように封入されている。水銀の封入量は2.5mg/cm3以下の範囲において、点灯時、所望のランプ電圧が得られるように適宜調整されるが、場合によっては封入物を調整するなどして公知の手段を用いて無水銀(0.0mg/cm3)としてもよい。キセノンガスは、300Kで25kPaとなるように封入されている。
なお、水銀の封入量が2.5mg/cm3以下の範囲内において、初期(点灯経過時間が100時間以内)のランプ電圧として80V〜100Vを得るためには、定格電力に関係なく、r1(図3参照)とL(図3参照)とが、6≦r1/L≦10なる関係式を満たすことが好ましい。
なお、発光物質としては、ヨウ化プラセオジウムとヨウ化ナトリウムとの組み合わせに代えて、ヨウ化セリウム(CeI3)とヨウ化ナトリウムとを組み合わせたものや、高演色タイプのセラミックメタルハライドランプによく用いられているヨウ化ディスプロシウム(DyI3)、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化ホルミウム(HoI3)等の希土類金属のヨウ化物とヨウ化タリウム(TlI)およびヨウ化ナトリウムとを組み合わせたもの等、所望の色特性に応じて公知の種々の金属ヨウ化物を用いることができる。もっとも、ヨウ化物の全部または一部を臭化物に代えて用いることもできる。始動補助ガスとしては、キセノンガスに代えて、アルゴンガス(Ar)やクリプトンガス(Kr)、またはこれらの混合ガスを用いることができる。
また、発光管3の外面には、例えば0.2mmのモリブデン線からなる始動補助用の近接導体19が接触するように配置されている。すなわち、近接導体19は、まず第一の細管部17aの外面のうち、本管部16側の端部に少なくとも2ターン密着させて螺旋状に巻き付けられている。図2に示す例では、第一の細管部17aの外面のうち、本管部16側の端から2mmまでの領域全体に亘って2ターン巻き付けられている。さらに、本管部16を縦断するように発光管3の長手方向に沿わせて、つまり本管部16に対してほとんど巻き付けられることなく本管部16の外面に密着させて配置されている。さらに、第二の細管部17bの外面のうち、本管部16側の端部に0.8ターンほど螺旋状に巻き付けられ、最終的に抵抗体20を介して外部リード線9に電気的に接続されている。したがって、この近接導体19は、後述する図3に示される第二の電極部25b(電極導入体22)と同電位となる。また、近接導体19のうち、第一の細管部17aに巻き付けられている第一の螺旋状部分19aは、この近接導体19とは異極となる後述する第一の電極部25aに近接されている。
近接導体19として使用しているモリブデン線の線径は、螺旋形状に加工しやすく、しかもその螺旋形状を安定的に保つとともに、線の陰によって光束が低下したり配光特性が悪化したりするのを抑えるために、0.1mm〜0.3mmであることが好ましい。その線径が0.1mm未満では、螺旋形状に加工しにくく、その形状を安定させることができないおそれがある。一方、線径が0.3mmを越えると、点灯時、近接導体19の線の影が目視でも顕著に現れ始め、光束が低下したり配光特性が悪化したりするおそれがある。
次に、第一の螺旋状部分19aの「巻きピッチ」について説明する。「巻きピッチ」とは、近接導体19であるモリブデン線の線径(直径)に対して、コイルの各ターンのうちの隣接する一対のターンの中心間の距離の比率を%で表わした値である。したがって、巻きピッチが100%とは、隣接するターン同士が接触していることを表わしている。第一の螺旋状部分19aにおいて、少なくとも隣接するターン同士が接触していなければ、つまり巻きピッチが100%でなければ問題ないが、点灯と消灯とのヒートサイクルによってその形状が変化し、隣接するターン同士が接触するのを確実に防止するために、巻きピッチは150%以上であることが好ましい。巻きピッチが150%未満では、点灯と消灯とのヒートサイクルによってその形状が徐々に変化していき、隣接するターン同士が接触するおそれがある。一方、巻きピッチが大きすぎると、第一の螺旋状部分19aを第一の細管部17aのうち、本管部16側の端部に局所的に配置することができなくなる。そこで、その巻きピッチは1000%以下であることが好ましい。
なお、上記した例では、モリブデン線は裸線を用いているので、隣接するターン同士が接触しないようにしているが、このモリブデン線を公知の絶縁部材で被覆していれば、隣接するターン同士が接触していてもよい。
近接導体19の一部を第二の細管部17bに巻き付けているのは、近接導体19が発光管3に対して外れないように密着させつつ保持するためである。したがって、再始動特性の観点からは、近接導体19を第二の細管部17bに必ずしも巻き付ける必要はないが、確実に保持するという観点からは複数ターン巻き付けた方がよい。また、近接導体19は、上述したとおり、本管部16に対して実質的にほとんど巻き付けられていない。つまり、意図的に巻き付けられているのではないが、実際には第一の細管部17aに巻き付けられた後、近接導体19に特別な加工を施すことなく第二の細管部17bに巻き付けるために、本管部16全体に亘って0.1ターンほど巻き付けられることになる。
なお、近接導体19の材質としては、モリブデン以外にタングステン(W)、白金(Pt)、金(Au)またはこれらの合金等も用いることができる。
また、ここで言う「密着」とは、厳密な意味で近接導体19が発光管3の外面に完全に密着している場合はもちろんのこと、近接導体19が発光管3の外面に対して部分的に、かつ不可避的に浮き上がってしまっている場合も含むものとする。
抵抗体20は、ランプの不点時に近接導体19とこれと異極の部材、例えば外部リード線10との間で異常放電が起きるのを防止するためのものであり、その抵抗値は10kΩ〜100kΩ、例えば20kΩに設定されている。
図3に示すように、第一の細管部17a内には第一の電極導入体21が、第二の細管部17b内には第二の電極導入体22がそれぞれ挿入されている。各電極導入体21,22は、本管部16とは反対側の端部において各々の細管部17a,17bと各々の電極導入体21,22との間の隙間23に流し込まれたガラスフリット24によってそれぞれ封着されている。この部分の構造の詳細は、第2の実施の形態を示す図5に図示されている。
第一の電極導入体21は、先端部に形成された第一の電極部25aと、一端部がこの電極部25aに接続された内部リード線26aと、一端部が内部リード線26aに接続された外部リード線10と、コイル28aとを有している。内部リード線26aは、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)とモリブデン(Mo)とを焼結した導電性サーメットからなり、直径が例えば0.9mmである。外部リード線10は、例えばニオビウムからなる。コイル28aは、第一の電極部25aのうち後述する電極軸部27aの一部に巻き付けられ、線径が例えば0.2mmのモリブデンからなる。
一方、第二の電極導入体22も同様に、先端部に形成された第一の電極部25bと、一端部がこの電極部25bに接続された内部リード線26bと、一端部が内部リード線26bに接続された外部リード線9と、コイル28bとを有している。内部リード線26bは、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)とモリブデン(Mo)とを焼結した導電性サーメットからなり、直径が例えば0.9mmである。外部リード線9は、例えばニオビウムからなる。コイル28bは、第一の電極部25bのうち後述する電極軸部27bの一部に巻き付けられ、線径が例えば0.2mmのモリブデンからなる。
したがって、各細管部17a,17bの内径r2が例えば1.0mmの場合、各電極導入体21,22の最大外径(コイル28a,28bを含む)は1.3mmとなるので、各々の細管部17a,17bと電極導入体21,22との間には、平均で0.1mmの隙間が形成される。この隙間の大きさは、各電極導入体21,22をそれぞれの細管部17a,17bに挿入する際、裕度を持って挿入することを可能とする。もっとも、プロセス上、各電極導入体21,22は、それぞれの細管部17a,17bの長手方向の中心軸(中心軸Xと同一軸上にある)に対して偏心した位置で封着されていることが多い。
各電極部25a,25bは、直径が例えば0.5mmのタングステンからなる電極軸部27a,27bと、電極軸部27a,27bの先端部に取り付けられた電極コイル部29a,29bとを有している。これら二つの電極部25a,25bは、先端同士が互いに略対向するような状態になっている。電極部25a,25b間の距離Lは、24mm〜40mm、例えば32mmに設定されている。
内部リード線26a,26bの端部のうち、電極軸部27a,27bとは反対側の端部は、各々の細管部17a,17bの端部から外部に導出されており、上述したとおりそれぞれ外部リード線10,9を介してステム線7または電力供給線8に電気的に接続されている。
コイル28a,28bは、各細管部17a,17bと電極軸部27a,27bとの間に形成される隙間を極力埋めて、その隙間に液状の金属ハロゲン化物が沈み込むのを抑制する。
なお、電極導入体21,22として、タングステンからなる電極部25a,25b、導電性サーメットからなる内部リード線26a,26b、ニオビウムからなる外部リード線10,9およびモリブデンからなるコイル28a,28bから構成されたもの以外に、その材質や構造において既知の電極導入体を用いることができる。
そして、このようなメタルハライドランプ1は、例えば次のような電子安定器(図示せず)によって点灯される。
すなわち、一例として使用する電子安定器は、定常点灯には周波数165Hzの矩形波電圧を印加し、一方、始動時および再始動時には、LC共振によって周波数約100kHzで最大値3.5kVの高周波電圧をON(0.1秒)、OFF(0.9秒)のサイクルで30秒間に亘って印加する。メタルハライドランプ1が30秒間で始動しない場合は、2分間の休止期間を経て、前記30秒間の高周波電圧の印加を2分間隔で30分間繰り返す。30分経過した後でも始動しない場合は、電子安定器は出力を停止する。
ここで、始動時および再始動時における近接導体19の機能について説明する。
近接導体19の第一の螺旋状部分19aは、始動時および再始動時において、その反対側の端部が外部リード線9に電気的に接続されているために第二の電極部25bと同電位になるので、第一の電極部25aに対しては異極となる。また、第一の細管部17aの構成材料である多結晶アルミナは、誘電体としても機能する。したがって、近接導体19のうちの第一の螺旋状部分19aは、始動時および再始動時において、第一の細管部17aを介して第一の電極導入体21と容量結合する。つまり、近接導体19が例えばプラス電位のとき、電極軸部27aやコイル28aはマイナス電位であり、第一の細管部17aの外面側にはマイナス電荷が帯電し、その反対側の第一の細管部17aの内面側にはプラス電荷が帯電する。その結果、始動時および再始動時において、まず第一の細管部17aの内面と電極軸部27aやコイル28aとの間に形成された隙間で絶縁破壊が起きて、微小放電が発生する。それによって初期電子が発生したり紫外線が放射されたりする。また、この紫外線放射に起因して本管部16内に存在する分子が励起されることによっても、初期電子が発生する。一方、近接導体19のうち、本管部16の第一の細管部17a側の端部に位置する部分も、本管部16を介して第一の電極部25aと容量結合している。したがって、本管部16の第一の細管部17a側の端部内において、前記初期電子によって近接導体19と第一の電極部25aとの間で本管部16を介して絶縁破壊が誘発され、アーク放電が発生する。これによって各電極部25a,25b間での絶縁破壊に向けた電離過程が促進され、低い始動電圧または再始動電圧であっても短時間で始動させることができる。
次に、本実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1の構成による作用効果を確認するために行われた実験の結果について説明する。
上記構成のメタルハライドランプ1において、表1に示すように、水銀の封入量および近接導体19のうちの第一の螺旋状部分19aのターン数を変化させたランプを作製した。すなわち、水銀の封入量を1.0mg/cm3〜5.0mg/cm3の範囲で変化させるとともに、第一の螺旋状部分19aのターン数を1ターン、2ターン、4ターンと変化させて、各条件のランプを、それぞれ10本ずつ作製した。そして、作製した各々のランプを上記した電子安定器を用いて通常どおりの方法で1時間連続点灯させた後に、一旦消灯させて再始動を行い、消灯直後(電源オフ後)から再始動するまでの再始動時間を測定した。なお、ここで言う「再始動」とは、電源ON後からアーク放電が始まった時の状態を言う。
得られた結果は、表1および図4に示すとおりである。図4は片対数で示されている。図4中、「実線a」は第一の螺旋状部分19aのターン数が1ターンの場合、「実線b」は第一の螺旋状部分19aのターン数が2ターンの場合、「実線c」は第一の螺旋状部分19aのターン数が4ターンの場合をそれぞれ示す。「再始動時間」は、10本のサンプルの平均値である。
表1および図4から明らかなように、第一の螺旋状部分19aのターン数が2ターン以上、例えば2ターンおよび4ターンの場合、1ターンの場合に比して、水銀の封入量が小さくなればなるほど平均再始動時間が著しく短くなる。水銀の封入量が2.5mg/cm3以下の場合には、30秒以下という驚くべき結果(従来のセラミックメタルハライドランプ[特許文献1参照]に比して1/10以下)が得られた。
なお、水銀の封入量が2.5mg/cm3、第一の螺旋状部分19aのターン数が2ターンのサンプルの中で最も再始動時間が短かったのは、1.0秒であった。
以上のとおり、本発明の第1の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1の構成によれば、再始動特性を大幅に改善することができることが確認された。なお、表1に示した結果は、例えば最大値3.0kVの高周波電圧を印加した場合であっても得られることを確認した。従って、少なくとも最大値3.0kVの高周波電圧を印加することにより、上記したような効果を確実に得ることができる考えられる。もっとも、印加する高周波電圧を大きくすればするほど、再始動特性は一層向上するものと考えられる。
これは、次のような理由によるものであると考えられる。つまり、第一の螺旋状部分19aのターン数を少なくとも2ターンとしているので、再始動時において、第一の細管部17aの内面と電極軸部27aやコイル28aとの間に形成された隙間で発生する微小放電の強度を高めることができるとともに、微小放電が発生する領域を拡大することができるので、本管部16内に供給される初期電子の数や紫外線の放射量を増大させることができる。しかも、これに加えて、再始動時、水銀の蒸気圧を低下させることができるので、再始動電圧の印加によって本管部16内の初期電子や2次電子のエネルギーを高めることができる。つまり、本管部16内の水銀原子が少ないので、各電子が加速される前に水銀原子と衝突する確率が低くなり、十分な運動エネルギーを得ることができる。これらの結果、各電極部25a,25b間での絶縁破壊に向けた電離過程が一層促進され、再始動時間を30秒以下にすることができるものと考えられる。
ここで、各電極部25a,25b間の距離Lが長すぎると、ランプ電圧が等しい場合、電界が弱まるので、初期電子を十分に加速させることができず、その結果、初期電子が水銀原子と衝突して二次電子を放出するのに必要なエネルギーが得られなくなり、前記電離過程を十分に促進することができなくなるおそれがある。したがって、距離L(mm)は、定格電力とは無関係にL≦55なる関係式を満たすことが好ましい。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態におけるメタルハライドランプについて、図5および図6を参照して説明する。本実施形態における定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1は、近接導体19が本管部16の外面に2ターン密着して螺旋状に巻き付けられ、特に本管部16の外面の所定の端部領域に亘って少なくとも0.5ターン以上密着して螺旋状に巻き付けられている。その他の構成は、上述の第1の実施の形態における定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1と同様である。
本発明の第2の実施の形態におけるメタルハライドランプについて、図5および図6を参照して説明する。本実施形態における定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1は、近接導体19が本管部16の外面に2ターン密着して螺旋状に巻き付けられ、特に本管部16の外面の所定の端部領域に亘って少なくとも0.5ターン以上密着して螺旋状に巻き付けられている。その他の構成は、上述の第1の実施の形態における定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1と同様である。
「本管部16の所定の端部領域」とは、平面Q(第二の平面)と平面R(第三の平面)とで挟まれた領域を示す。平面Qと平面Rは、以下のように定義される。
まず、第一の螺旋状部分19aが位置している第一の細管部17a側に位置する第一の電極部25aの先端を含み、かつ発光管3の長手方向の中心軸Xに対して垂直な面を、平面P(第一の平面)と定義する。平面Qは、平面Pに平行で、かつこの平面Pに対して第二の電極部25b側へ5mmの間隔を有する平面として定義される。平面Rは、発光管3を前記中心軸Xを含む平面で切断した切断面(図5参照)において、第一の細管部17aの両端のうち、本管部16とは反対側の端から本管部16へ向かって延びる第一の細管部17aの内面の直線部から半球状部15の内面の曲線部へ移行する変化点A(図5参照)を含み、かつ平面Pに平行な平面として定義される。
この変化点Aの位置は、本管部16の内面形状によって種々変化する。通常、発光管3を前記中心軸Xを含む平面で切断した切断面において、第一の細管部17aの内面は実質的に直線的であるので、この直線が本管部16へ向かって真っ直ぐ延びて別の直線または曲線へと変化し始める点がこれに該当する。例えば、半球状部15の内面と第一の細管部17aの内面とが所定の曲率rを有する曲線で繋がっているとき、変化点Aは第一の細管部17aの内面の直線と曲率rを有する曲線との境界点がこれに該当する。
図5に示す例では、近接導体19は、本管部16の端部領域において、平面Rと交差する箇所を始点とし、平面Qと交差する箇所を終点とする1ターン巻きのコイルになっている。
なお、このコイルが1ターン以上ある場合、その巻きピッチは100%を越えていればよい。
また、本管部16に巻き付けられている近接導体19のうち、本管部16の端部領域を除く部分については、再始動特性の観点からはそのターン数は特に限定されるものではない。必ずしも巻き付けられる必要はなく、また複数ターン巻き付けてもよい。しかし、ターン数が多くなると、発光管3から放射される光を遮ってしまうために、そのターン数は少ないほどよい。図6に示す例では、近接導体19を他方の細管部17bに巻き付けるにあたり、近接導体19を特別な加工を施すことなく自然に巻き付けるために、端部領域を除く部分に1ターン巻き付けられている。
次に、本実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプの構成による作用効果を確認するために行われた実験の結果について説明する。
このメタルハライドランプにおいて、水銀の封入量を1.84mg/cm3(全量で0.8mg)とし、第一の螺旋状部分19aのターン数を2ターンとしたものを10本作製した。そして、作製した各々のランプを上記した電子安定器を用いて通常どおりの方法で1時間連続点灯させた後に一旦消灯させて再始動を行い、消灯直後(電源オフ後)から再始動するまでの再始動時間を測定した。実験の結果は、以下のとおりである。
平均再始動時間は、本発明の第1の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1に比して1/3以下である8.2秒であった。
なお、サンプルの中で最も短かった再始動時間は、1.0秒であった。
再始動時、ランプを目視によって観察すると、第2の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプについては、第1の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプとは異なる現象が見られた。
すなわち、第1の実施の形態に係るメタルハライドランプの場合、第一の電極部25aと、例えば近接導体19のうち、平面Pと平面Qとの間に存在する任意の点(点a)との間で、本管部16を介してアーク放電の発光が見られた後、瞬間的(0.5秒)に電極部25a,25b間の絶縁破壊に移行した。これに対して、第2の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプの場合、以下のことがわかった。すなわち、第1の実施の形態のランプと同様に、第一の電極部25aと、例えば近接導体19のうち、平面Pと平面Qとの間に存在する任意の点(点a、図示せず)との間で、本管部16を介してアーク放電の発光が見られた後、そのアーク放電が第一の電極部25aと、近接導体19のうちの前記点aに対して第二の電極部25b寄りの点b(図示せず)に連続的に移行した。さらにこれが近接導体19のうちの電極部25b付近まで連続的に移行し続けて、電極部25a,25b間の絶縁破壊に移行した。この間、0.2秒〜0.5秒であった。
言い換えれば、本発明の第1の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1の場合、第一の電極部25aと点aとの間で本管部16を介してアーク放電が発生したものの、それがそのまま各々の電極部25a,25b間の絶縁破壊へと移行しない場合があった。これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプの場合、第一の電極部25aと点aとの間で本管部16を介して発生したアーク放電は、近接導体19によって第二の電極部25b付近へと誘導され、高い確率で電極部25a,25b間の絶縁破壊に移行しているものと考えられる。
したがって、第2の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1の構成によれば、第1の実施の形態に係る定格ランプ電力150Wのメタルハライドランプ1に比して再始動の確実性が増し、その結果、再始動特性を一層大幅に改善することができる。
また、上記した結果は、例えば最大値3.0kVの高周波電圧を印加した場合であっても得られることを確認した。したがって、少なくとも最大値3.0kVの高周波電圧を印加することにより、上記したような効果を確実に得ることができる。もっとも、印加する電圧を大きくすればするほど、再始動特性は一層向上するものと考えられる。
なお、第2の実施の形態では、水銀の封入量を1.84mg/cm3とし、第一の螺旋状部分19aのターン数を2ターンとした場合について説明したが、水銀の封入量が2.5mg/cm3以下、第一の螺旋状部分19aのターン数が2ターン以上であればいずれの場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
なお、第1および第2の実施の形態では、第一の螺旋状部分19aが第一の細管部17a側に巻き付けられているとともに、近接導体19が第二の細管部17b側に位置している第二の電極部25bと電気的に接続されている場合について説明したが、近接導体19の取付け方が逆であってもよい。すなわち、第一の螺旋状部分19aが第二の細管部17b側に巻き付けられているとともに、近接導体19が第一の細管部17a側に位置している第一の電極部25aと電気的に接続されている場合についても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
また、第1および第2の実施の形態では、定格電力150Wのメタルハライドランプを例示して説明したが、これに限らず、定格電力100Wや250W等の、さらに35W〜400Wのメタルハライドランプについても、本発明を同様に適用することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態における照明装置について、図7を参照して説明する。この照明装置は、例えば天井用照明等に使用されるものであり、照明器具34と、本発明の第1の実施の形態における定格電力150Wのメタルハライドランプ1と、電子安定器35とを備えている。照明器具34は、天井30に組み込まれた傘状の反射灯具31と、この反射灯具31の底部に取り付けられた板状のベース部32と、反射灯具31内に底部に設けられたソケット部33とを有する。この照明器具34内のソケット部33に、メタルハライドランプ1が取り付けられている。電子安定器35は、ベース部32の反射灯具31から離間した位置に取り付けられている。
本発明の第3の実施の形態における照明装置について、図7を参照して説明する。この照明装置は、例えば天井用照明等に使用されるものであり、照明器具34と、本発明の第1の実施の形態における定格電力150Wのメタルハライドランプ1と、電子安定器35とを備えている。照明器具34は、天井30に組み込まれた傘状の反射灯具31と、この反射灯具31の底部に取り付けられた板状のベース部32と、反射灯具31内に底部に設けられたソケット部33とを有する。この照明器具34内のソケット部33に、メタルハライドランプ1が取り付けられている。電子安定器35は、ベース部32の反射灯具31から離間した位置に取り付けられている。
電子安定器35としては、公知の電子安定器が用いられる。安定器として、一般的な磁性安定器を用いた場合では、電源電圧の変動の影響を受けてランプ電力が変動してしまう。そのため、電源電圧が高くなった場合、ランプ電力が定格電力を越えてしまい、発光管(図示せず)の外面温度が上昇し、発光管の外囲器を構成材料であるセラミックが飛散するおそれがある。これに対して、電子安定器35を用いた場合では、ランプ電力を広い電圧範囲で一定に保つことができるので、発光管の外面温度を一定にコントロールすることができ、発光管の外囲器を構成材料であるセラミックが飛散するおそれを低減することができる。
以上のとおり、本発明の第3の実施の形態における照明装置の構成によれば、第1の実施の形態におけるメタルハライドランプを用いているので、再始動特性を大幅に改善することができる。
なお、第3の実施の形態では、その照明装置の用途が天井用照明である場合を例として説明したが、その他の屋内照明や、店舗照明、街路灯照明等にも用いることができ、その用途は限定されるものでない。また、その用途に応じて種々の公知の照明器具や電子安定器を用いることができる。
また、第3の実施の形態では、第1の実施の形態におけるメタルハライドランプを用いた場合について説明したが、本発明にかかるいずれのメタルハライドランプを用いた場合でも、上記と同様の作用効果を得ることができる。
本発明のメタルハライドランプは、高い再始動特性を要求される照明用に有用である。
1 メタルハライドランプ
2 外管
3 発光管
4 口金
5 フレア
6,7 ステム線
8 電力供給線
9,10 外部リード線
11 アイレット部
12 シェル部
13 バリウムゲッター
14 円筒部
15 半球状部
16 本管部
17a 第一の細管部
17b 第二の細管部
18 外囲器
19 近接導体
19a 第一の螺旋状部分
20 抵抗体
21 第一の電極導入体
22 第二の電極導入体
23 隙間
24 ガラスフリット
25a 第一の電極部
25b 第二の電極部
26a,26b 内部リード線
27a,27b 電極軸部
28a,28b コイル
29a,29b 電極コイル部
30 天井
31 反射灯具
32 ベース部
33 ソケット部
34 照明器具
35 電子安定器
2 外管
3 発光管
4 口金
5 フレア
6,7 ステム線
8 電力供給線
9,10 外部リード線
11 アイレット部
12 シェル部
13 バリウムゲッター
14 円筒部
15 半球状部
16 本管部
17a 第一の細管部
17b 第二の細管部
18 外囲器
19 近接導体
19a 第一の螺旋状部分
20 抵抗体
21 第一の電極導入体
22 第二の電極導入体
23 隙間
24 ガラスフリット
25a 第一の電極部
25b 第二の電極部
26a,26b 内部リード線
27a,27b 電極軸部
28a,28b コイル
29a,29b 電極コイル部
30 天井
31 反射灯具
32 ベース部
33 ソケット部
34 照明器具
35 電子安定器
Claims (3)
- 本管部と前記本管部の両端部にそれぞれ形成された第一の細管部および第二の細管部とを有する透光性セラミックからなる外囲器と、先端部に第一の電極部が形成された第一の電極導入体と、先端部に第二の電極部が形成された第二の電極導入体とを有する発光管を備え、
前記第一の電極導入体は前記第一の電極部の先端部が前記本管部内に位置するように前記第一の細管部内に挿入されるとともに、前記第一の細管部の端部のうちの前記本管部とは反対側の端部で封着され、
前記第二の電極導入体は前記第二の電極部の先端部が前記本管部内に位置するように前記第二の細管部内に挿入されるとともに、前記第二の細管部の端部のうちの前記本管部とは反対側の端部で封着され、
前記各細管部と前記各電極導入体との間には隙間がそれぞれ形成されており、
前記発光管の外面には近接導体が設置され、前記第一の細管部における前記本管部側の端部に前記近接導体の一部が少なくとも2ターン螺旋状に巻き付けられているとともに、前記近接導体は前記第二の電極部と電気的に接続されており、
前記発光管内の水銀の封入量は2.5mg/cm3以下であることを特徴とするメタルハライドランプ。 - 前記第一の電極部の先端を含み、かつ前記発光管の長手方向の中心軸に対して垂直な面を第一の平面と定義し、
前記第一の平面に平行で、前記第一の平面から前記第二の電極部側へ5mmの間隔を有する面を第二の平面と定義し、
前記発光管を前記中心軸を含む平面で切断した切断面において、前記第一の細管部の両端のうち、前記本管部とは反対側の端から前記本管部側に向かって延びる前記第一の細管部の内面の直線部が、別の直線または曲線へと移行する変化点を含み、かつ前記第一の平面に平行な面を第三の平面と定義したとき、
前記本管部における前記第二の平面と前記第三の平面とに挟まれた端部領域全体に亘って、前記近接導体は前記本管部の外面に少なくとも0.5ターン螺旋状に巻き付けられている請求項1記載のメタルハライドランプ。 - 照明器具と、前記照明器具に組み込まれた請求項1または請求項2に記載されたメタルハライドランプとを備えた照明装置。
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