JPWO2005108446A1 - 含フッ素共重合体とその製造方法およびそれを含むレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
下記式(1)で表される含フッ素ジエンが環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、特定の構造を有する官能基含有含フッ素ジエンが環化重合してなるモノマー単位または特定の構造を有するアクリル系単量体が重合してなるモノマー単位に由来する単位と、を有する含フッ素共重合体、その製造方法、ならびに該含フッ素ポリマーを用いたレジスト組成物。CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OR3))CH2CR1=CHR2・・・(1)ただし、式(1)中R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R3は水素原子、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH2R4(R4は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R3を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR4は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。含フッ素共重合体は、官能基濃度が高く、幅広い波長領域で高い透明性を有する。また、該含フッ素共重合体を用いて製造されたレジスト組成物は、化学増幅型レジストとして特にKrF、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線やF2エキシマレーザー等の真空紫外線に対する透明性、ドライエッチング性に優れ、さらに感度、解像度、溶解速度、平坦性、耐熱性などに優れる。
Description
本発明は、新規な含フッ素共重合体とその製造方法、およびレジスト組成物に関する。
官能基を有する含フッ素ポリマーとして、フッ素系イオン交換膜や硬化性フッ素樹脂塗料などに使用されている官能基含有含フッ素ポリマーが知られている。これらはすべて基本骨格が直鎖状ポリマーであり、テトラフルオロエチレンに代表されるフルオロオレフィンと官能基を有するモノマーとの共重合により得られる。
また、官能基を含有しかつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーも知られている。特開平4−189880号公報、特開平4−226177号公報、特開平6−220232号公報及び国際公開第02/064648号パンフレットには、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーに官能基を導入する方法として、重合で得られたポリマーの末端基を利用する方法、ポリマーを高温処理してポリマーの側鎖、または末端を酸化分解せしめて官能基を形成する方法、官能基を有するモノマーを共重合させ、必要に応じて加水分解などの処理を加えることによって導入する方法などが開示されている。
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーに官能基を導入する方法としては前述した方法があるが、ポリマーの末端基を処理することにより官能基を導入する方法では官能基濃度が低く、充分な官能基の特性が得られないという欠点がある。また、官能基を有するモノマーを共重合させてポリマーに官能基を導入する方法では、官能基濃度を高くするため該モノマーの共集合割合を高くするとガラス転移温度(Tg)が低下し、ポリマーの機械特性の低下などの問題が生じる。
本発明が解決しようとする課題は、官能基の濃度が高く充分な官能基の特性を得ることができ、幅広い波長領域において高い透明性を有する含フッ素共重合体およびその製造方法を提供することである。また、該含フッ素共重合体から得られる、化学増幅型レジストとして特にKrF、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線やF2エキシマレーザー等の真空紫外線に対する透明性、ドライエッチング性に優れ、感度、解像度、溶解速度、平坦性、耐熱性などに優れたレジストパターンを与えるレジスト組成物を提供することである。
前述の課題を解決するために、本発明は、下記の要旨を有する。
1.下記式(1)で表される含フッ素ジエンが環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(2)で表される官能基含有含フッ素ジエン(但し、式(1)で表される含フッ素ジエンを除く。)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、を有する含フッ素共重合体(A)を提供する。
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OR3))CH2CR1=CHR2・・・(1)
ただし、式(1)中R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R3は水素原子、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH2R4(R4は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R3を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR4は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。
CF2=CR6−Q−CR7=CH2・・・(2)
ただし、式(2)中R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のフルオロアルキル基、または環状脂肪族炭化水素基であり、Qは官能基もしくは官能基含有側鎖基を有するアルキレン基、オキシアルキレン基、フルオロアルキレン基、またはフルオロオキシアルキレン基を表す。
1.下記式(1)で表される含フッ素ジエンが環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(2)で表される官能基含有含フッ素ジエン(但し、式(1)で表される含フッ素ジエンを除く。)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、を有する含フッ素共重合体(A)を提供する。
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OR3))CH2CR1=CHR2・・・(1)
ただし、式(1)中R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R3は水素原子、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH2R4(R4は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R3を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR4は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。
CF2=CR6−Q−CR7=CH2・・・(2)
ただし、式(2)中R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のフルオロアルキル基、または環状脂肪族炭化水素基であり、Qは官能基もしくは官能基含有側鎖基を有するアルキレン基、オキシアルキレン基、フルオロアルキレン基、またはフルオロオキシアルキレン基を表す。
2.上記式(1)で表される含フッ素ジエンが環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(3)で表されるアクリル系単量体が重合してなるモノマー単位に由来する単位と、を有する含フッ素共重合体(B)を提供する。
CH2=CR8C(O)OR9・・・(3)
ただし、式(3)中R8は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表し、R9は炭素数20以下のアルキル基を表し、R9を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、エーテル性の酸素原子やエステル結合を含んでもよい。
CH2=CR8C(O)OR9・・・(3)
ただし、式(3)中R8は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表し、R9は炭素数20以下のアルキル基を表し、R9を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、エーテル性の酸素原子やエステル結合を含んでもよい。
3.上記式(1)で表される含フッ素ジエンと、上記式(2)で表される官能基含有含フッ素ジエンまたは上記式(3)で表されるアクリル系単量体と、をラジカル共重合させることを特徴とする上記含フッ素共重合体(A)または上記含フッ素共重合体(B)の製造方法を提供する。
但し、本発明の含フッ素共重合体の製造方法において、上記式(2)で表される官能基含有含フッ素ジエンは、上記式(1)で表される含フッ素ジエンを除いたものである。
但し、本発明の含フッ素共重合体の製造方法において、上記式(2)で表される官能基含有含フッ素ジエンは、上記式(1)で表される含フッ素ジエンを除いたものである。
4.上記含フッ素共重合体(A)または上記含フッ素共重合体(B)、光照射を受けて酸を発生する酸発生化合物、および有機溶媒を含むことを特徴とするレジスト組成物を提供する。
本発明によれば、主鎖に脂肪族環構造を有し、側鎖に官能基を有する含フッ素共重合体が製造できる。本発明の含フッ素共重合体は、高い化学安定性や耐熱性を備えている。しかも環側鎖に官能基が導入されているため、従来の含フッ素ポリマーでは達成困難であった、Tgの低下をおこさずに、充分な官能基特性の発現が可能である。さらに幅広い波長領域において高い透明性を有するものである。本発明のレジスト組成物は、化学増幅型レジストとして用いることができ、特にKrF、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線やF2エキシマレーザー等の真空紫外線に対する透明性、ドライエッチング性に優れ、さらに感度、解像度、平坦性、耐熱性等に優れたレジストパターンを容易に形成できる。
本発明により、下記式(1)で表される含フッ素ジエン(以下、含フッ素ジエン(1)という。)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と下記式(2)で表される官能基含有含フッ素ジエン(但し、式(1)で表される含フッ素ジエンを除く。以下、含フッ素ジエン(2)という。)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、を有する含フッ素共重合体(A)を得ることができる。
本明細書において、「モノマー単位に由来する単位」とは、モノマー単位そのもの、および重合後にモノマー単位中の官能基が官能基変換等により化学的に変換された単位を意味する。
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OR3))CH2CR1=CHR2・・・(1)
式(1)において、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。前記炭素数12以下のアルキル基は、直鎖状、分岐状の脂肪族炭化水素基のみでなく、環状炭化水素基または環状炭化水素基を有する炭化水素基であってもよい。本明細書において、環状炭化水素基とは、該環状炭化水素基が式(1)の残りの部分に直接結合するものを指す。一方、環状炭化水素基を有する炭化水素基とは、環状炭化水素基がアルキル基等の他の炭化水素基を介して式(1)の残りの部分に結合するものを指す。
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OR3))CH2CR1=CHR2・・・(1)
式(1)において、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。前記炭素数12以下のアルキル基は、直鎖状、分岐状の脂肪族炭化水素基のみでなく、環状炭化水素基または環状炭化水素基を有する炭化水素基であってもよい。本明細書において、環状炭化水素基とは、該環状炭化水素基が式(1)の残りの部分に直接結合するものを指す。一方、環状炭化水素基を有する炭化水素基とは、環状炭化水素基がアルキル基等の他の炭化水素基を介して式(1)の残りの部分に結合するものを指す。
環状炭化水素基としては、環状構造を少なくとも1つ有する炭化水素基であることが好ましく、以下に示すようなシクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基、4−シクロヘキシルシクロヘキシル基等の複環式飽和炭化水素基、1−デカヒドロナフチル基又は2−デカヒドロナフチル基等の多環式飽和炭化水素基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基等の架橋環式飽和炭化水素基、スピロ[3.4]オクチル基等のスピロ炭化水素基等が含まれる。
前記R1、R2としては、水素原子、メチル基または炭素数6以下の環状脂肪族炭化水素基であることが好ましく、特に、水素原子あるいはメチル基であることが好ましい。R1、R2が同時に水素原子であることが最も好ましい。
R3は、水素原子、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH2R4(R4は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)を表す。R3を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR4は、その水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。
前記水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換していてもよく、エーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数20以下のアルキル基は、直鎖状、分岐状の脂肪族炭化水素基のみでなく、環状炭化水素基または環状炭化水素基を有する炭化水素基であってもよい。環状炭化水素基としては、前述したものと同様の基を用いることができるし、環構造中にエーテル性酸素原子を有していてもよい。具体例としてはメチル基、トリフルオロメチル基、t−C4H9、CH2OCH3、CH2OC2H5、CH2OCH2CF3、CH2OC2H4OCH3、2−テトラヒドロピラニル基、および下記の[1]に示す基(結合位置を明確にするために、−OR3の形で示す)が挙げられる。
前記炭素数15以下のアルコキシカルボニル基、CH2R4は、それぞれCOOR10、CH2COOR10で表され、R10は炭素数14以下のアルキル基である。具体的にはCOO(t−C4H9)、CH2COO(t−C4H9)、COO(2−AdM)、CH2COO(2−AdM)などが挙げられる。ここで、2−AdMは、2−メチルアダマンチル−2−イル基を表す。
R3は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、t−C4H9、CH2OCH3、CH2OC2H5、CH2OCH2CF3、CH2OC2H4OCH3、2−テトラヒドロピラニル基、COO(t−C4H9)、CH2COO(t−C4H9)、COO(2−AdM)、CH2COO(2−AdM)、および上記[1]に示した基(結合位置を明確にするために、−OR3の形で示す)からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
CF2=CR6−Q−CR7=CH2・・・(2)
式(2)において、R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のフルオロアルキル基、または環状脂肪族炭化水素基、Qは官能基もしくは官能基含有側鎖を有するアルキレン基、オキシアルキレン基、フルオロアルキレン基、またはオキシフルオロアルキレン基を表す。特にR6がフッ素原子かつR7が水素原子であることが好ましい。
式(2)において、R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のフルオロアルキル基、または環状脂肪族炭化水素基、Qは官能基もしくは官能基含有側鎖を有するアルキレン基、オキシアルキレン基、フルオロアルキレン基、またはオキシフルオロアルキレン基を表す。特にR6がフッ素原子かつR7が水素原子であることが好ましい。
Qは、官能基あるいは官能基含有側鎖を有する基であり、本発明における官能基とは目的とする機能を付与する基を表し、イオン交換基、接着性基、架橋基、現像性基などが例示される。官能基としては、OR11(R11は、水素原子、エーテル性酸素原子を有してもよい炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH2R12で、R12は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)、またはCOOR13(R13は水素原子または炭素数10以下のアルキル基)、スルホン酸基、アミノ基、エポキシ基、トリアルコキシシリル基、シアノ基などが例示される。R11の具体的な例としては、前記R3と同様のものが挙げられる。該官能基としては、OR11またはCOOR13が好ましく、その場合は、含フッ素重合体(A)における官能基置換率((式1)におけるOR3とOR11との合計、またはOR3とCOOR13との合計に対する、これらR3、R11およびR13が水素原子以外である場合の割合)は5〜100モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、特に10〜50モル%が好ましい。
官能基含有側鎖を有する基としては、官能基含有アルキル基、官能基含有フルオロアルキル基、官能基含有アルコキシ基、官能基含有フルオロアルコキシ基、などの1価有機基が例示される。官能基含有側鎖を有する基の官能基を除いた部分の炭素数は8以下、特に6以下が好ましい。
Qにおける官能基が、水酸基、SO3H、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、Ot−C4H9、CH2OCH3、OCH2OCH3、CH2OC2H5、OCH2OC2H5、CH2OCH2CF3、CH2OC2H4OCH3、2−テトラヒドロピラニル基、COOH、COO(t−C4H9)、CH2COOH、OCH2COOH、CH2COO(t−C4H9)、OCH2COO(t−C4H9)、COO(2−メチルアダマンチル−2−イル)、CH2COO(2−メチルアダマンチル−2−イル)及びOCH2COO(2−メチルアダマンチル−2−イル)、および上記[1]に示した基(結合位置を明確にするために、−OR3の形で示す)からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。より好ましくは、水酸基、OCH2OCH3、COOH、COO(t−C4H9)、OCH2COO(t−C4H9)及びOCH2COO(2−メチルアダマンチル−2−イル)からなる群から選ばれる1種以上である。
前記式(1)において、R3が水素原子である場合のように、OR3が酸性基である場合、式(1)で表されるモノマー、式(1)で表される環化重合してなる含フッ素共重合体の反応前駆体、または式(1)で表される含フッ素ジエンを環化重合してなるモノマー単位を含有する含フッ素共重合体は、ウィリアムソン合成法等の公知の方法によって、該酸性基をブロック化して、ブロック化酸性基とすることで、該含フッ素共重合体のドライエッチング性、耐熱性、現像処理液ヘの溶解性等の機能を向上または調整することが可能である。ここでブロック化酸性基は、酸との反応において酸性基に変換されうる基である。
ブロック化酸性基は酸性水酸基の水素原子をアルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環状脂肪族炭化水素基を有するエーテル基などにより置換して得られるブロック化酸性基が好ましい。酸性基がカルボン酸基やスルホン酸基の場合、アルカノールなどのブロック化剤を反応させて、酸性基の水素原子をアルキル基などに置換しブロック化酸性基とすることができる。
ブロック化酸性基としてのR3の具体例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、COO(t−C4H9)、CH(CH3)OC2H5、2−テトラヒドロピラニル基の他、以下に示す基などが挙げられる。
本発明における含フッ素ジエン(1)の具体例としては下記が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
含フッ素ジエン(1)と、含フッ素ジエン(2)とを共重合してなる本発明の含フッ素共重合体(A)において、含フッ素ジエン(1)は環化重合されて、下記式(a)〜(c)に示すモノマー単位として存在していると考えられる。なお、後述するように、これらのモノマー単位中の酸性基はブロック化されて、ブロック化酸性基となっていてもよい。
別の言い方をすると、本発明の含フッ素共重合体(A)は、モノマー単位(a)、モノマー単位(b)およびモノマー単位(c)からなる群から選ばれる1種以上のモノマー単位に由来する単位を含む構造を有する共重合体と考えられる。なお、この環化重合体の主鎖とは重合性不飽和二重結合を構成する4個の炭素原子から構成される炭素連鎖をいう。
一方、含フッ素ジエン(1)と、含フッ素ジエン(2)とを共重合してなる本発明の含フッ素共重合体(A)において、含フッ素ジエン(2)は環化重合されて、下記式(d)〜(f)に示すモノマー単位のいずれかとして存在していると考えられる。なお、モノマー単位中の基は修飾されていてもよい。別の言い方をすると、本発明の含フッ素共重合体(A)は、モノマー単位(d)、モノマー単位(e)およびモノマー単位(f)からなる群から選ばれる1種以上のモノマー単位に由来する単位を含む構造を有する共重合体と考えられる。
なお、この環化重合体の主鎖とは重合性不飽和二重結合を構成する4個の炭素原子から構成される炭素連鎖をいう。
なお、この環化重合体の主鎖とは重合性不飽和二重結合を構成する4個の炭素原子から構成される炭素連鎖をいう。
本発明において、含フッ素共重合体(A)中における含フッ素ジエン(1)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位の割合は、5モル%〜95モル%が好ましく、10モル%〜90モル%がより好ましい。また該含フッ素共重合体(A)中における含フッ素ジエン(2)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位の割合は、5モル%〜95モル%が好ましく、10モル%〜90モル%がより好ましい。
また、本発明により、上記した含フッ素ジエン(1)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と下記式(3)で表されるアクリル系単量体(以下、アクリル系単量体(3)という。)が重合してなるモノマー単位に由来する単位とを有する含フッ素共重合体(B)を得ることができる。
CH2=CR8C(O)OR9・・・(3)
式(3)において、R8は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表し、特に入手が容易であることから、水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であることが好ましい。
式(3)において、R8は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表し、特に入手が容易であることから、水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であることが好ましい。
R9は炭素数20以下のアルキル基を表し、R9を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、エーテル性の酸素原子やエステル結合を含んでもよい。R9は特に炭素数6以下のアルキル基であることが好ましい。
したがって、アクリル系単量体(3)としては特に、R8が水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり、かつR9が炭素数6以下のアルキル基であることが好ましい。
アクリル系単量体(3)の具体例としては以下のアクリル酸エステル類が挙げられる。
CH2=CH−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=CH−CO2CH(CF3)2、
CH2=CH−CO2C(CF3)(CH3)2、
CH2=CH−CO2C(CF3)2(CH3)、
CH2=CH−CO2C(CF3)3、
CH2=CH−CO2CH3、
CH2=CF−CO2CH(CH3)2、
CH2=CF−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=CF−CO2CH(CF3)2、
CH2=CF−CO2C(CH3)3、
CH2=CF−CO2C(CF3)(CH3)2、
CH2=CF−CO2C(CF3)2(CH3)、
CH2=CF−CO2C(CF3)3、
CH2=CF−CO2CH3、
CH2=C(CH3)−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=C(CH3)−CO2CH(CF3)2、
CH2=C(CH3)−CO2C(CF3)(CH3)2、
CH2=C(CH3)−CO2C(CF3)2(CH3)、
CH2=C(CH3)−CO2C(CF3)3、
CH2=C(CH3)−CO2CH3、
CH2=C(CF3)−CO2CH(CH3)2、
CH2=C(CF3)−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=C(CF3)−CO2CH(CF3)2、
CH2=C(CF3)−CO2C(CH3)3、
CH2=C(CF3)−CO2C(CF3)(CH3)2、
CH2=C(CF3)−CO2C(CF3)2(CH3)、
CH2=C(CF3)−CO2C(CF3)3、
CH2=C(CF3)−CO2CH3、
CH2=C(CH3)−CO2CH2CH(CH3)CH2CH2CH2CH3、
CH2=C(CH3)−CO2CH2(CH(CH3))3H、
CH2=CH−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=CH−CO2CH(CF3)2、
CH2=CH−CO2C(CF3)(CH3)2、
CH2=CH−CO2C(CF3)2(CH3)、
CH2=CH−CO2C(CF3)3、
CH2=CH−CO2CH3、
CH2=CF−CO2CH(CH3)2、
CH2=CF−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=CF−CO2CH(CF3)2、
CH2=CF−CO2C(CH3)3、
CH2=CF−CO2C(CF3)(CH3)2、
CH2=CF−CO2C(CF3)2(CH3)、
CH2=CF−CO2C(CF3)3、
CH2=CF−CO2CH3、
CH2=C(CH3)−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=C(CH3)−CO2CH(CF3)2、
CH2=C(CH3)−CO2C(CF3)(CH3)2、
CH2=C(CH3)−CO2C(CF3)2(CH3)、
CH2=C(CH3)−CO2C(CF3)3、
CH2=C(CH3)−CO2CH3、
CH2=C(CF3)−CO2CH(CH3)2、
CH2=C(CF3)−CO2CH(CF3)(CH3)、
CH2=C(CF3)−CO2CH(CF3)2、
CH2=C(CF3)−CO2C(CH3)3、
CH2=C(CF3)−CO2C(CF3)(CH3)2、
CH2=C(CF3)−CO2C(CF3)2(CH3)、
CH2=C(CF3)−CO2C(CF3)3、
CH2=C(CF3)−CO2CH3、
CH2=C(CH3)−CO2CH2CH(CH3)CH2CH2CH2CH3、
CH2=C(CH3)−CO2CH2(CH(CH3))3H、
また、アクリル系単量体(3)はCH2=CR8C(O)OHとR9OHとをエステル化で結合することにより得られる。従って、容易にさまざまな構造のアクリル系単量体(3)を合成可能である。
本発明における含フッ素共重合体(B)においても、含フッ素ジエン(1)は環化重合されて、上記式(a)〜(c)に示すモノマー単位のいずれかとして存在していると考えられる。なお、後述するように、これらのモノマー単位中の酸性基はブロック化されて、ブロック化酸性基となっていてもよい。別の言い方をすると、本発明の含フッ素共重合体(B)は、モノマー単位(a)、モノマー単位(b)およびモノマー単位(c)からなる群から選ばれる1種以上のモノマー単位に由来する単位を含む構造を有する共重合体と考えられる。
本発明において、含フッ素共重合体(B)中における含フッ素ジエン(1)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位の割合は、5モル%〜95モル%が好ましく、10モル%〜95モル%がより好ましい。
一方、含フッ素共重合体(B)において、アクリル系単量体(3)が重合してなるモノマー単位中の基は修飾されていてもよい。また、含フッ素共重合体(B)中において、アクリル系単量体(3)が重合してなるモノマー単位は、R8またはR9のどちらか一方または両方が異なる複数種類のモノマー単位が存在してもよい。
本発明において、含フッ素共重合体(B)中におけるアクリル系単量体(3)が重合してなるモノマー単位に由来する単位の割合は、5モル%〜95モル%が好ましく、10モル%〜80モル%がより好ましく、特に15モル%〜60モル%が好ましい。
含フッ素共重合体(A)または含フッ素共重合体(B)は、それぞれ含フッ素ジエン(1)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位および含フッ素ジエン(2)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位、または含フッ素ジエン(1)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位およびアクリル系単量体(3)が重合してなるモノマー単位に由来する単位を必須成分として含む。ここで、上記の3種のモノマー単位に由来する単位をすべて含んでいてもよい。また、その特性を損なわない範囲で、それ以外のラジカル重合性モノマー(以下、他のモノマーという。)に由来するモノマー単位を含んでもよい。この場合、他のモノマー単位の割合は50モル%以下が好ましく、特に15モル%以下が好ましい。
例示しうる他のモノマーとして、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン類、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等の含フッ素オレフィン類、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素環状モノマー類、パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの環化重合しうるパーフルオロジエン類、1,1,2,3,3-ペンタフルオロフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-1,6-ヘプタジエンや1,1,2−トリフルオロ−4−[3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルプロピル]−1,6−ヘプタジエンなどのハイドロフルオロジエン類、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のアクリルエステル類、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、アダマンチル酸ビニル等のビニルエステル類、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、シクロヘキセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状オレフィン類、無水マレイン酸、塩化ビニルなどが挙げられる。
他のモノマーとしては、α−オレフィン類、含フッ素環状モノマー類、ハイドロフルオロジエン類、アクリルエステル類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類および環状オレフィン類からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。より好ましくは、含フッ素環状モノマー類、ハイドロフルオロジエン類、アクリルエステル類、ビニルエステル類、環状オレフィン類からなる群から選ばれる1種以上である。
本発明の含フッ素共重合体(A)または含フッ素共重合体(B)(以下、総称して含フッ素共重合体ともいう。)は、含フッ素ジエン(1)を重合開始源の下で含フッ素ジエン(2)またはアクリル系単量体(3)とラジカル共重合させることにより得られる。重合開始源としては、重合反応をラジカル的に進行させるものであればなんら限定されないが、例えばラジカル発生剤、光、電離放射線などが挙げられる。特にラジカル発生剤が好ましく、過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩などが例示され、分子内にフッ素原子を含有するラジカル発生剤がより好ましい。ラジカル発生剤の具体例としては、アゾイソビスブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジt−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、パーフルオロブチリルパーオキシド、パーフルオロベンゾイルパーオキシドなどが好ましい。
ラジカル重合の方法もまた特に限定されるものではなく、モノマーをそのまま重合に供するいわゆるバルク重合、モノマーを溶解するフッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素、その他の有機溶剤中で行う溶液重合、水性媒体中で適当な有機溶剤存在下あるいは非存在下に行う懸濁重合、水性媒体に乳化剤を添加して行う乳化重合などが例示される。溶液重合の場合、モノマーや開始剤などを溶解する溶剤であれば、溶剤の種類は問わず、目的とする含フッ素共重合体の分子量や重合温度等を考慮して選択すれば良い。
重合の際に溶媒として使用する有機溶剤は1種類とは限らず、複数種類の有機溶剤による混合溶媒としても良い。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の炭化水素系アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の炭化水素系ケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の炭化水素系エーテル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状脂肪族炭化水素系エーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の炭化水素系エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化炭化水素類、R−113、R−113a、R−141b、R−225ca、R−225cb等のフッ化塩化炭化水素類、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフロロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフロロヘキサンなどのフッ化炭化水素類、メチル2,2,3,3−テトラフロロプロピルエーテル、メチル(パーフルオロブチル)エーテル等のフッ化炭化水素系エーテル類、2,2,2−トリフロロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロイソプロパノール、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフロロペンタノール等のフッ化炭化水素系アルコール類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
重合の際に溶媒として使用する有機溶剤としては、炭化水素系アルコール類、炭化水素系ケトン類、炭化水素系エーテル類、環状脂肪族炭化水素系エーテル類、ニトリル類、炭化水素系エステル類、芳香族炭化水素類、塩化炭化水素類、フッ化塩化炭化水素類、フッ化炭化水素類、フッ化炭化水素系エーテル類およびフッ化炭化水素系アルコール類からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
重合を行う温度や圧力も特に限定されるものではないが、モノマーの沸点、所用加熱源、重合熱の除去などの諸因子を考慮して適宜設定することが望ましい。例えば、0℃〜200℃の間で好適な温度の設定をおこなうことができ、室温〜100℃程度ならば実用的にも好適な温度設定をおこなうことができる。また重合圧力としては減圧下でも加圧下でも良く、実用的には1kPa〜100MPa程度、さらには10kPa〜10MPa程度でも好適な重合を実施できる。
本発明は、含フッ素共重合体(A)または含フッ素共重合体(B)、光照射を受けて酸を発生する酸発生化合物、および有機溶媒を含むことを特徴とするレジスト組成物をも提供する。
本発明における光照射を受けて酸を発生する酸発生化合物は、光照射、より具体的には活性光線の照射により分解して酸を発生する化合物である。この活性光線の照射により発生する酸によって、含フッ素共重合体中に存在するブロック化酸性基の一部または全てが開裂(脱ブロック化)される。その結果レジスト膜の露光部がアルカリ性現像液に易溶性となり、アルカリ性現像液によってポジ型のレジストパターンが形成される。
本発明のレジスト組成物に用いる酸発生化合物としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、または、紫外線、KrFエキシマレーザー光やArFエキシマレーザー光のような遠紫外線、F2エキシマレーザー光のような真空紫外線、電子線、X線、分子線、イオンビーム等の活性光線により酸を発生するマイクロフォトレジストに用いられる酸発生剤等に使用される酸発生化合物が挙げられる。
本発明においては、微細なレジストパターンを形成させるため、波長が250nm以下、より好ましくは波長が200nm以下の活性光線の照射により酸を発生する酸発生化合物であることが好ましい。
本発明において、活性光線は放射線を包含する広い概念で用いられる。
本発明において、活性光線は放射線を包含する広い概念で用いられる。
酸発生化合物としては、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物およびスルホン酸化合物からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。これらの酸発生化合物の例としては、下記のものを挙げることができる。
オニウム塩としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。好ましいオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムノナネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホニウム、1−(ナフチルアセトメチル)チオラニウムトリフレート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムトシレート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等を挙げられる。
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。具体例としては、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等を挙げられる。
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。具体例としては、ベンゾイントシレート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフレート等を挙げることができる。
また、ジアゾジスルホン類、ジアゾケトスルホン類、イミノスルホネート類およびジスルホン類等も上記酸発生化合物として好適に挙げられる。
更に、酸発生化合物として、活性光線の照射により酸を発生する基を、ポリマーの主鎖もしくは側鎖に有する高分子化合物も好適に挙げられる。
更に、酸発生化合物として、活性光線の照射により酸を発生する基を、ポリマーの主鎖もしくは側鎖に有する高分子化合物も好適に挙げられる。
該高分子化合物としては、例えば、活性光線の照射により酸を発生する基として、2−オキソシクロヘキシル基を有する脂肪族アルキルスルホニウム基またはN−ヒドロキシスクシンイミドスルホネート基等を有する高分子化合物が好適に挙げられる。
これらの酸発生化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。また、適当な増感剤と組み合わせて用いてもよい。
これらの酸発生化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。また、適当な増感剤と組み合わせて用いてもよい。
本発明のレジスト組成物において、有機溶媒は含フッ素共重合体および酸発生化合物を充分に溶解するものであり、かつその溶液を回転塗布、流し塗布、ロール塗布等の方法で塗布して均一な塗布膜を形成可能な有機溶媒であれば、特に限定されない。
このような有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノまたはジアルキルエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
有機溶媒は、上記例示したものを単独で使用してもよく、または2種以上組み合わせて使用してもよい。有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素、グリコールモノまたはジアルキルエーテル類およびアミド類からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。より好ましくは、アルコール類、ケトン類、エステル類、およびグリコールモノまたはジアルキルエーテル類からなる群から選ばれる1種以上である。有機溶媒に含まれる水分はレジスト組成物の各成分の溶解性や、被加工基板への塗布性、保存安定性等に影響するため、該水分量は少ない方が好ましい。
本発明のレジスト組成物における各成分の割合は、通常含フッ素共重合体の100質量部に対し酸発生化合物0.1〜20質量部および有機溶媒50〜2000質量部が適当である。好ましくは、含フッ素共重合体の100質量部に対し酸発生化合物0.1〜10質量部および有機溶媒100〜1000質量部である。酸発生化合物の使用量を0.1質量部以上とすることで、充分な感度および現像性を与えることができ、また10質量部以下とすることで、放射線に対する透明性が充分に保たれ、より正確なレジストパターンを得ることができる。
本発明のレジスト組成物にはパターンコントラスト向上のための酸開裂性添加剤、塗布性の改善のために界面活性剤、酸発生パターンの調整のために含窒素塩基性化合物、基材との密着性を向上させるために接着助剤、組成物の保存性を高めるために保存安定剤等を目的に応じ適宜配合できる。また本発明のレジスト組成物は、各成分を均一に混合した後0.1〜2μmのフィルターによってろ過して用いることが好ましい。
本発明のレジスト組成物をシリコーンウエハなどの基板上に塗布乾燥することによりレジスト膜が形成される。塗布方法には回転塗布、流し塗布、ロール塗布等が採用される。 形成されたレジスト膜上にパターンが描かれたマスクを介して活性光線照射が行われ、その後現像処理がなされパターンが形成される。
照射される活性光線としては、波長436nmのg線、波長365nmのi線等の紫外線、波長248nmのKrFエキシマレーザー光、波長193nmのArFエキシマレーザー光等の遠紫外線、波長157nmのF2エキシマレーザー光等の真空紫外線が挙げられる。本発明のレジスト組成物は、波長250nm以下の紫外線、特に波長200nm以下の遠紫外線(ArFエキシマレーザー光)または真空紫外線(F2エキシマレーザー光)が光源として使用される用途に有用なレジスト組成物である。加えて、水、その他フッ素原子を含有する有機化合物等の屈折率の大きさを利用して解像度の向上を図る、いわゆる液浸技術を用いた露光に対しても利用可能なレジスト組成物である。本発明のレジスト組成物は、より微細なパターン形成を行うことができるF2エキシマレーザー光を光源とした用途、ArFエキシマレーザー光を光源とする場合は液浸技術を用いた露光と組み合わせた用途に特に好ましい。
現像処理液としては、各種アルカリ水溶液が適用される。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアミン等が例示可能である。
次に、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
下記例に用いられた略称は以下のとおりである。
THF;テトラヒドロフラン、AIBN;アゾビスイソブチロニトリル、BPO;ベンゾイルパーオキシド、PSt;ポリスチレン、R225;ジクロロペンタフルオロプロパン(溶媒)、PFB;パーフルオロブチリルパーオキシド、PFBPO;パーフルオロベンゾイルパーオキシド。
(合成例1)[CF2=CFCH2CH(C(CF3)2OH)CH2CH=CH2]の合成 1Lのガラス反応器にCF2ClCFClIの500g、CH2=CHC(CF3) 2OHの344gとBPOの32.6gを入れ、95℃で71時間加熱した。反応粗液を減圧蒸留して、544gのCF2ClCFClCH2CHI(C(CF3)2OH)(55−58℃/0.2kPa)を得た。
下記例に用いられた略称は以下のとおりである。
THF;テトラヒドロフラン、AIBN;アゾビスイソブチロニトリル、BPO;ベンゾイルパーオキシド、PSt;ポリスチレン、R225;ジクロロペンタフルオロプロパン(溶媒)、PFB;パーフルオロブチリルパーオキシド、PFBPO;パーフルオロベンゾイルパーオキシド。
(合成例1)[CF2=CFCH2CH(C(CF3)2OH)CH2CH=CH2]の合成 1Lのガラス反応器にCF2ClCFClIの500g、CH2=CHC(CF3) 2OHの344gとBPOの32.6gを入れ、95℃で71時間加熱した。反応粗液を減圧蒸留して、544gのCF2ClCFClCH2CHI(C(CF3)2OH)(55−58℃/0.2kPa)を得た。
5Lのガラス反応器に上記で合成したCF2ClCFClCH2CHI(C(CF3) 2OH)の344gと脱水THFの1.7Lを入れ、−70℃に冷却した。そこにCH2=CHCH2MgClの2M−THF溶液1.8Lを4時間かけて滴下した。
0℃まで昇温し、16時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1.6Lを添加して室温まで昇温した。反応液を分液し、有機層をエバポレーターで濃縮し、次いで減圧蒸留して287gのCF2ClCFClCH2CH(C(CF3)2OH)CH2CH=CH2(62−66℃/0.2kPa)を得た。1Lのガラス反応器に亜鉛97gと水300gを入れ、90℃に加熱した。そこに上記で合成したCF2ClCFClCH2CH(C(CF3)2OH)CH2CH=CH2の287gを滴下し、24時間攪拌した。反応液に塩酸70mLを滴下して2時間攪拌した後、ろ過して分液し、減圧蒸留して115gのCF2=CFCH2CH(C(CF3)2OH)CH2CH=CH2(53−54℃/1kPa、以下モノマ−1という。)を得た。
モノマー1のNMRスペクトル
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン) δ(ppm):2.53(m, 5H), 3.49(m, 1H), 5.15(m, 2H) ,5.79(m, 2H)
19F−NMR(376.2MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)
δ(ppm):−73.6(m,6F),−104.1(m,1F),−123.1(m,1F),−175.4(m,1F)。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン) δ(ppm):2.53(m, 5H), 3.49(m, 1H), 5.15(m, 2H) ,5.79(m, 2H)
19F−NMR(376.2MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)
δ(ppm):−73.6(m,6F),−104.1(m,1F),−123.1(m,1F),−175.4(m,1F)。
(実施例1)
合成例1で得たモノマー1の1.50g、CF2=CFCH2C(C(=O)OC(CH3)3)CH2CH=CH2(以下、モノマー2−1という。)の0.40gおよび酢酸エチルの0.104gを内容積50mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてPFBの3質量%R225溶液の2.49gを添加した。系内を凍結脱気した後、封管し、恒温振とう槽内(20℃)で18時間ラジカル重合させた。重合後、反応溶液を大過剰のヘキサン中に滴下して、ポリマーを析出させた後、100℃で40時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性の含フッ素共重合体1の1.75gを得た。含フッ素共重合体1は、THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)13300、重量平均分子量(Mw)25600であり、Mw/Mn=1.93であった。示差走査熱分析(DSC)により測定したTgは123℃であり、室温で白色粉末状であった。含フッ素共重合体1は、19F−NMRおよび1H−NMR測定により計算されるポリマー組成が、モノマー1からなる繰り返し単位/モノマー2−1からなる繰り返し単位=72/28モル%であった。含フッ素共重合体1はアセトン、THF、メタノール、R225には可溶であった。
合成例1で得たモノマー1の1.50g、CF2=CFCH2C(C(=O)OC(CH3)3)CH2CH=CH2(以下、モノマー2−1という。)の0.40gおよび酢酸エチルの0.104gを内容積50mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてPFBの3質量%R225溶液の2.49gを添加した。系内を凍結脱気した後、封管し、恒温振とう槽内(20℃)で18時間ラジカル重合させた。重合後、反応溶液を大過剰のヘキサン中に滴下して、ポリマーを析出させた後、100℃で40時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性の含フッ素共重合体1の1.75gを得た。含フッ素共重合体1は、THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)13300、重量平均分子量(Mw)25600であり、Mw/Mn=1.93であった。示差走査熱分析(DSC)により測定したTgは123℃であり、室温で白色粉末状であった。含フッ素共重合体1は、19F−NMRおよび1H−NMR測定により計算されるポリマー組成が、モノマー1からなる繰り返し単位/モノマー2−1からなる繰り返し単位=72/28モル%であった。含フッ素共重合体1はアセトン、THF、メタノール、R225には可溶であった。
含フッ素共重合体1の0.11gおよび酸発生化合物としてトリフェニルスルホニウムトリフレートの0.0056gを2−ヘプタノンの1.45gに溶解させた後、孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いてろ過し、レジスト組成物1を作成した。この溶液をシリコン基盤に回転塗布し、塗布後90℃で90秒間加熱処理して、膜厚0.13μmのレジスト膜を形成した。分光計器製極紫外分光測定装置に上記のレジスト膜を形成した基板を設置し、それぞれF2エキシマレーザー光およびArFエキシマレーザー光に対応する波長157nmおよび193nmの光線透過率を測定したところ、67%および68%であった。また、トリフェニルスルホニウムトリフレートを添加せず、その他は上記と全く同様の操作を行い、157nmおよび193nmの光線透過率を測定したところ、それぞれ81%および96%であった。
(実施例2)
モノマー1の2.00gおよびt−ブチル−2−フロロメチルアクリレート(以下、モノマー3−1という。)の0.106g、酢酸エチルの0.39g、R225の4.73gを内容積20mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてPFBの3質量%R225溶液の7.028gを添加した。系内を凍結脱気した後、封管し、恒温振とう槽内(20℃)で18時間ラジカル重合させた。重合後、反応溶液を大過剰のヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で50時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性の含フッ素共重合体2の1.71gを得た。含フッ素共重合体2は、THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)16400、重量平均分子量(Mw)42000であり、Mw/Mn=2.56であった。示差走査熱分析(DSC)により測定を行ったところ、Tgは119℃であり、室温で白色粉末状であった。含フッ素共重合体2は、19F−NMRおよび1H−NMR測定により計算されたポリマー組成がモノマー1からなる繰り返し単位/モノマー3−1からなる繰り返し単位=88/12モル%であった。含フッ素共重合体2はアセトン、THF、酢酸エチル、メタノール、R225には可溶であり、パーフルオロ−n−オクタンには不溶であった。
モノマー1の2.00gおよびt−ブチル−2−フロロメチルアクリレート(以下、モノマー3−1という。)の0.106g、酢酸エチルの0.39g、R225の4.73gを内容積20mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてPFBの3質量%R225溶液の7.028gを添加した。系内を凍結脱気した後、封管し、恒温振とう槽内(20℃)で18時間ラジカル重合させた。重合後、反応溶液を大過剰のヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で50時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性の含フッ素共重合体2の1.71gを得た。含フッ素共重合体2は、THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)16400、重量平均分子量(Mw)42000であり、Mw/Mn=2.56であった。示差走査熱分析(DSC)により測定を行ったところ、Tgは119℃であり、室温で白色粉末状であった。含フッ素共重合体2は、19F−NMRおよび1H−NMR測定により計算されたポリマー組成がモノマー1からなる繰り返し単位/モノマー3−1からなる繰り返し単位=88/12モル%であった。含フッ素共重合体2はアセトン、THF、酢酸エチル、メタノール、R225には可溶であり、パーフルオロ−n−オクタンには不溶であった。
含フッ素共重合体2の0.11gおよび酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフレートの0.0056gを2−ヘプタノンの1.45gに溶解させた後、孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いてろ過し、レジスト組成物2を作成した。この溶液をシリコン基盤に回転塗布し、塗布後90℃で90秒間加熱処理して、膜厚0.13μmのレジスト膜を形成した。分光計器製極紫外分光測定装置に上記のレジスト膜を形成した基板を設置し、157nmおよび193nmにおける透過率を測定したところ、それぞれ70%および69%であった。また、トリフェニルスルホニウムトリフレートを添加せず、その他は上記と全く同様の操作を行い、157nmおよび193nmにおける光線透過率を測定したところ、それぞれ84%および97%であった。
(実施例3)
実施例1において、モノマー2−1の代わりに、CF2=CFCF2C(CF3)(OCH2OCH3)CH2CH=CH2(以下、モノマー2−2という。)の0.85gを用い、モノマー1を2.0g、酢酸エチルを0.50g、PFBの3質量%R225溶液6.32gとし、内容積20mLのガラス製耐圧反応器を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行なうことにより、モノマー1からなる繰り返し単位とモノマー2−2からなる繰り返し単位とを有する含フッ素共重合体3が得られる。
実施例1において、モノマー2−1の代わりに、CF2=CFCF2C(CF3)(OCH2OCH3)CH2CH=CH2(以下、モノマー2−2という。)の0.85gを用い、モノマー1を2.0g、酢酸エチルを0.50g、PFBの3質量%R225溶液6.32gとし、内容積20mLのガラス製耐圧反応器を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行なうことにより、モノマー1からなる繰り返し単位とモノマー2−2からなる繰り返し単位とを有する含フッ素共重合体3が得られる。
(実施例4)
実施例1において、モノマー2−1の代わりに、CF2=CFCH2CH(CH2C(CF3)2OCH2OCH3)CH2CH=CH2(以下、モノマー2−3という。)の0.76gを用い、モノマー1を3.00g、酢酸エチルを0.60g、PFBの3質量%R225溶液12.53gとし、さらに溶媒としてR225を8.54g加え、内容積30mLのガラス製耐圧反応器を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行なうことにより、モノマー1からなる繰り返し単位とモノマー2−3からなる繰り返し単位とを有する含フッ素共重合体4が得られる。
実施例1において、モノマー2−1の代わりに、CF2=CFCH2CH(CH2C(CF3)2OCH2OCH3)CH2CH=CH2(以下、モノマー2−3という。)の0.76gを用い、モノマー1を3.00g、酢酸エチルを0.60g、PFBの3質量%R225溶液12.53gとし、さらに溶媒としてR225を8.54g加え、内容積30mLのガラス製耐圧反応器を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行なうことにより、モノマー1からなる繰り返し単位とモノマー2−3からなる繰り返し単位とを有する含フッ素共重合体4が得られる。
(実施例5)
実施例2において、モノマー3−1の代わりに、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート(以下、モノマー3−2という。)の0.26gを用い、モノマー1を4.00g、酢酸エチルを6.39g、重合開始剤としてPFBの3質量%R225溶液の代わりにPFBPOの0.160gを用い、恒温振とう槽内の温度を70℃とすること以外は、実施例2と同様の操作を行なうことにより、モノマー1からなる繰り返し単位とモノマー3−2からなる繰り返し単位とを有する含フッ素共重合体5が得られる。
実施例2において、モノマー3−1の代わりに、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート(以下、モノマー3−2という。)の0.26gを用い、モノマー1を4.00g、酢酸エチルを6.39g、重合開始剤としてPFBの3質量%R225溶液の代わりにPFBPOの0.160gを用い、恒温振とう槽内の温度を70℃とすること以外は、実施例2と同様の操作を行なうことにより、モノマー1からなる繰り返し単位とモノマー3−2からなる繰り返し単位とを有する含フッ素共重合体5が得られる。
(実施例6)
実施例2において、モノマー3−1の代わりに、t−ブチル−2−トリフロロメチルアクリレート(以下、モノマー3−3という。)の0.138gを用いること以外は、実施例2と同様の操作を行なうことにより、モノマー1からなる繰り返し単位とモノマー3−3からなる繰り返し単位とを有する含フッ素共重合体6が得られる。
実施例2において、モノマー3−1の代わりに、t−ブチル−2−トリフロロメチルアクリレート(以下、モノマー3−3という。)の0.138gを用いること以外は、実施例2と同様の操作を行なうことにより、モノマー1からなる繰り返し単位とモノマー3−3からなる繰り返し単位とを有する含フッ素共重合体6が得られる。
本発明の含フッ素共重合体は、ArFエキシマレーザー光またはF2エキシマレーザー光を光源として、微細パターンを形成する用途に有用である。具体例としては、フォトレジストの他に、イオン交換樹脂、イオン交換膜、燃料電池、各種電池材料、光ファイバー、電子用部材、透明フィルム材、農ビ用フィルム、接着剤、繊維材、耐候性塗料などに利用可能である。
Claims (13)
- 下記式(1)で表される含フッ素ジエンが環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(2)で表される官能基含有含フッ素ジエン(但し、式(1)で表される含フッ素ジエンを除く。)が環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、を有する含フッ素共重合体(A)。
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OR3))CH2CR1=CHR2・・・(1)
(ただし、式(1)中R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R3は水素原子、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH2R4(R4は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R3を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR4は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。)
CF2=CR6−Q−CR7=CH2・・・(2)
(ただし、式(2)中R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のフルオロアルキル基、または環状脂肪族炭化水素基であり、Qは官能基もしくは官能基含有側鎖基を有するアルキレン基、オキシアルキレン基、フルオロアルキレン基、またはフルオロオキシアルキレン基を表す。) - 下記式(1)で表される含フッ素ジエンが環化重合してなるモノマー単位に由来する単位と、下記式(3)で表されるアクリル系単量体が重合してなるモノマー単位に由来する単位と、を有する含フッ素共重合体(B)。
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OR3))CH2CR1=CHR2・・・(1)
(ただし、式(1)中R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R3は水素原子、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH2R4(R4は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R3を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR4は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。)
CH2=CR8C(O)OR9・・・(3)
(ただし、式(3)中R8は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表し、R9は炭素数20以下のアルキル基を表し、R9を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、エーテル性の酸素原子やエステル結合を含んでもよい。) - 前記式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に水素原子またはメチル基である請求項1に記載の含フッ素共重合体(A)。
- 前記式(1)におけるR1およびR2が、それぞれ独立に水素原子またはメチル基である請求項2に記載の含フッ素共重合体(B)。
- 前記式(2)におけるR6およびR7が、水素原子であり、Qにおける官能基が、水酸基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、CH2OCH3、OCH2OCH3、Ot−C4H9、CH2OC2H5、OCH2OC2H5、CH2OCH2CF3、CH2OC2H4OCH3、2−テトラヒドロピラニル基、COOH、COO(t−C4H9)、CH2COOH、OCH2COOH、CH2COO(t−C4H9)、OCH2COO(t−C4H9)、COO(2−メチルアダマンチル−2−イル)、CH2COO(2−メチルアダマンチル−2−イル)、OCH2COO(2−メチルアダマンチル−2−イル)、および下記に示す基(結合位置を明確にするために、−OR3の形で示す)からなる群から選ばれる1種以上である請求項1、3または5のいずれかに記載の含フッ素共重合体(A)。
- 前記式(3)におけるR8が水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり、かつR9が炭素数20以下のアルキル基であり、そのR9を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、R9を構成するアルキル基中のCH2基の一部は、酸素原子やカルボニル基で置換されていてもよい、請求項2、4または6のいずれかに記載の含フッ素共重合体(B)。
- 下記式(1)で表される含フッ素ジエンと、下記式(2)で表される官能基含有含フッ素ジエン(但し、式(1)で表される含フッ素ジエンを除く。)と、をラジカル共重合させることを特徴とする請求項1に記載の含フッ素共重合体(A)の製造方法。
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OR3))CH2CR1=CHR2・・・(1)
(ただし、式(1)中R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R3は水素原子、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH2R4(R4は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R3を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR4は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。)
CF2=CR6−Q−CR7=CH2・・・(2)
(ただし、式(2)中R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のフルオロアルキル基、または環状脂肪族炭化水素基であり、Qは官能基もしくは官能基含有側鎖基を有するアルキレン基、オキシアルキレン基、フルオロアルキレン基、またはフルオロオキシアルキレン基を表す。) - 下記式(1)で表される含フッ素ジエンと、下記式(3)で表されるアクリル系単量体と、をラジカル共重合させることを特徴とする請求項2に記載の含フッ素共重合体(B)の製造方法。
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2(OR3))CH2CR1=CHR2・・・(1)
(ただし、式(1)中R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数12以下のアルキル基を表す。R3は水素原子、炭素数20以下のアルキル基、炭素数15以下のアルコキシカルボニル基またはCH2R4(R4は炭素数15以下のアルコキシカルボニル基)であり、R3を構成するアルキル基、アルコキシカルボニル基およびR4は、その水素原子の一部または全てがフッ素原子に置換されていてもよく、エーテル性酸素原子を有してもよい。)
CH2=CR8C(O)OR9・・・(3)
(ただし、式(3)中R8は水素原子、フッ素原子、炭素数3以下のアルキル基、または炭素数3以下のフルオロアルキル基を表し、R9は炭素数20以下のアルキル基を表し、R9を構成するアルキル基中の水素原子の一部はフッ素原子や水酸基で置換されていてもよく、R9を構成するアルキル基中のCH2基の一部は、酸素原子やカルボニル基で置換されていてもよい。) - 請求項1、3、5、7または11のいずれかに記載の含フッ素共重合体(A)、または請求項2、4、6、8または12のいずれかに記載の含フッ素共重合体(B)、光照射を受けて酸を発生する酸発生化合物、および有機溶媒を含むことを特徴とするレジスト組成物。
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