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JPWO2005075211A1 - インクジェット記録材料の製造方法 - Google Patents

インクジェット記録材料の製造方法 Download PDF

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JPWO2005075211A1
JPWO2005075211A1 JP2005517629A JP2005517629A JPWO2005075211A1 JP WO2005075211 A1 JPWO2005075211 A1 JP WO2005075211A1 JP 2005517629 A JP2005517629 A JP 2005517629A JP 2005517629 A JP2005517629 A JP 2005517629A JP WO2005075211 A1 JPWO2005075211 A1 JP WO2005075211A1
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Abstract

本発明は、支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子とケト基を有する樹脂バインダーを含有するインク受容層(A)を有するインクジェット記録材料の製造方法であって、前記支持体上に、(1)予め前記ケト基を有する樹脂バインダーの架橋剤を含有する塗布液(B)を 塗布した後に、前記塗布液(B)の塗布膜上に、前記インク受容層(A)の塗布液 を塗布するか、又は(2)前記インク受容層(A)の塗布液に更にほう素化合物を含有する塗布液を塗布した 後に、前記塗布液の塗布膜上に、前記ケト基を有する樹脂バインダーの架橋剤を含 有する塗布液(B)を塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法を開示する。

Description

本発明は、インクジェット記録材料の製造方法に関し、更に詳しくは、フォトライクな高い光沢と高いインク吸収性を実現するために、極微細な無機微粒子を含有する空隙タイプのインク受容層を支持体上に塗布する際に重大な問題となる、インク受容層のひび割れや風紋等の塗布欠陥の発生を防止し、更に生産効率よく製造することができるインクジェット記録材料の製造方法に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、紙やプラスチック樹脂フィルム等の支持体上にインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。インク受容層は、2つのタイプに大別される。1つのタイプは、水溶性ポリマーを主成分とするインク受容層であり、もう一つのタイプは無機顔料と樹脂バインダーを主成分とするインク受容層である。
前者のタイプのインク受容層は、水溶性ポリマーが膨潤することによってインクを吸収する。後者のタイプのインク受容層は、無機顔料によって形成された空隙にインクを吸収する。このようなインク吸収のメカニズムの違いから前者のタイプは膨潤タイプ(あるいはポリマータイプ)、後者のタイプは空隙タイプと呼ばれている。
前者のポリマータイプのインク受容層は、連続的な均一な被膜となるので光沢に優れるが、インク吸収性(インク吸収速度;印字後の乾燥速度)が劣る。一方、後者の空隙タイプは、インク吸収性は優れるが光沢が劣る。
しかしながら、上述したような従来から知られている記録材料は、高い光沢、高いインク吸収性、ひび割れや折り割れが生じないという品質面に加えて、生産性の向上と言う面で充分に満足するまでには至っていなかった。
近年、インク吸収性と光沢の両方に優れる記録材料が要望されており、顔料として極微細な無機微粒子を使用した空隙タイプの記録材料が提案されている。例えば、500nm以下まで粉砕・分散した気相法シリカや湿式法シリカ等の無機超微粒子をインク受容層の顔料成分として用いることが提案されている。例えば、特公平3−56552号、特開平10−119423号、同2000−211235号、同2000−309157号公報に気相法シリカの使用例が、特開平9−286165号、同平10−181190号公報に粉砕沈降法シリカの使用例が、特開2001−277712号公報に粉砕ゲル法シリカの使用例が開示されている。また、特開昭62−174183号、同平2−276670号、同平5−32037号、同平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。
しかし、上記したような極微細な無機微粒子を使用すると高い光沢が得られる反面、塗布乾燥時に風紋(乾燥ムラ)やひび割れ等の表面欠陥が発生しやすくなる。特に、高い光沢や良好な質感を得るためにポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の非吸水性支持体を使用した場合、支持体がインクを吸収できないため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸収性が重要である。従って、インク受容層の空隙率及び空隙容量を高めるために、インク受容層は多量の顔料と低比率のバインダーで構成する必要があり、その結果、インク受容層の塗布・乾燥時に風紋及びひび割れが益々発生しやすくなった。また、上記の製造時の表面欠陥に加えて、記録材料を取り扱う時に起こる折り割れ(折れ曲がったところに亀裂が発生する現象)も問題となった。
また、支持体としてコート紙やキャストコート紙を用いた場合も、一般の紙支持体に比べて上述したひび割れが発生しやすくなった。
このような表面欠陥を防止するため、架橋剤を含むインク受容層の塗布液を支持体に塗布した後、乾燥を比較的穏やかな条件で行う方法が知られている。例えば、特開平10−119423号、同2000−27093号、同2001−96900号公報等では、ポリビニルアルコールの架橋剤としてほう酸、ほう酸塩、ほう砂等のほう素化合物を用い、塗布液を塗布し一度冷却して塗布液の粘度を上昇させた後、比較的低温で乾燥する方法が開示されている。また、架橋剤としてアルデヒド系化合物やエポキシ化合物、イソシアネート類等も知られている。しかし、このような従来技術は、塗布・乾燥条件が制約を受け、その結果生産性の低下を招いていた。また、少しの乾燥温度変化で表面欠陥が顕著になる場合があった。
一方、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールとその架橋剤を含有するインクジェット記録材料が知られている。例えば、特許文献1〜7等に記載されている。
しかしながら、上述の先行技術ではアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールとその架橋剤を同一塗布液に含有せしめるために、凝集物が発生しやすく、塗布を継続して行うと塗布装置に凝集物が付着して、塗布安定性に欠けるという問題があった。これはアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールとその架橋剤との反応性が高いために生じる問題である。塗布装置の壁面近傍の塗液の流速は極めて遅いために、その部分から架橋反応による凝集物が生じ、該凝集物が更に新たな凝集物の核となり成長していく。その結果、塗布液が内側に縮流して塗布幅が狭くなったり、塗布面に筋やハジキといった塗布欠陥が生じる。
特許文献8には、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを含有するインク受容層を塗布した後に、架橋剤を含有する塗布液を塗布する方法が記載されている。この方法は、支持体上に塗布されたインク受容層が湿潤状態(未乾燥の状態)のときに、架橋剤を含有する塗布液を塗布する必要がある。従って、架橋剤を含有する塗布液を塗布するときの、インク受容層の状態が塗布性に影響する。即ち、塗布されたインク受容層の粘度があまり上昇していない状態のときに、架橋剤を含有する塗布液を塗布すると、筋やハジキ等の塗布欠陥が発生しやすくなる。逆に、塗布されたインク受容層の固形分濃度が充分に上昇するまで乾燥すると乾燥時間が長くなり、生産性が低下する。特に、非吸水性支持体を用いた場合に上記問題は起こりやすかった。従って、この方法では、塗布安定性と生産性を同時に満足できなかった。
特開昭63−176173号公報 特開平10−157283号公報 特開2000−52646号公報 特公平4−15746号公報特開 特開2000−280600号公報 特開2001−72711号公報 特開2001−213045号公報 特開2003−335043号公報
本発明の目的は、フォトライクな高い光沢と高いインク吸収性を実現するために、極微細な無機微粒子を含有する空隙タイプのインク受容層を支持体上に塗布する際に重大な問題となる、インク受容層のひび割れや風紋等の塗布欠陥の発生を防止し、更に生産効率よく製造することができるインクジェット記録材料の製造方法を提供することにある。本発明は、更にインク受容層の耐水性、耐折り割れ性を改良することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
(1)支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子とケト基を有する樹脂バインダーを含有するインク受容層(A)を有するインクジェット記録材料の製造方法であって、前記支持体上に、予め前記ケト基を有する樹脂バインダーの架橋剤を含有する塗布液(B)を塗布した後に、前記塗布液(B)の塗布膜上に、前記インク受容層(A)の塗布液を塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
(2)支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子とケト基を有する樹脂バインダーを含有するインク受容層(A)を有するインクジェット記録材料の製造方法であって、前記支持体上に、前記インク受容層(A)の塗布液に更にほう素化合物を含有する塗布液を塗布した後に、前記塗布液の塗布膜上に、前記ケト基を有する樹脂バインダーの架橋剤を含有する塗布液(B)を塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
本発明の製造方法によれば、フォトライクな高い光沢と高いインク吸収性を実現するために、極微細な無機微粒子を含有する空隙タイプのインク受容層を支持体上に塗布する際に重大な問題となる、インク受容層のひび割れや風紋等の塗布欠陥の発生を防止することができ、かつ生産効率よく製造することができる。更に、本発明によってインク受容層の耐水性、耐折り割れ性を改良される。
本発明のインク受容層に用いられる無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、インク吸収性と生産性の点で非晶質合成シリカ、アルミナ又はアルミナ水和物が好ましい。本発明のインク受容層は、無機微粒子を主体に含有する空隙タイプであり、無機微粒子の含有比率はインク受容層の全固形分に対して50質量%以上であり、60〜95質量%の範囲が好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソ・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソ・シリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販さている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明には、特に気相法シリカが好ましく使用できる。本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m/g以上(好ましくは250〜500m/g)のものを用いることである。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均粒子径を求めたものであり、本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
本発明のインク受容層には、気相法シリカをカチオン性化合物の存在下で、該気相法シリカの平均二次粒子径が500nm以下、好ましくは10〜300nm、更に好ましくは20〜200nmに分散したものが使用するのが好ましい。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡で観察することにより、観察される分散された凝集粒子の粒子径の平均値を求めたものである。
本発明では、平均二次粒子径500nm以下に粉砕した湿式法シリカも好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカとしては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均凝集粒子径が5〜50μmである湿式法シリカが好ましく、これをカチオン性化合物の存在下で平均二次粒子径500nm以下、好ましくは20〜200nm程度まで微粉砕した湿式法シリカを使用することが好ましい。
通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均凝集粒子径を有するため、これを微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。この際、分散液の初期粘度上昇が抑制され、高濃度分散が可能となり、粉砕・分散効率が上昇してより微粒子に粉砕することができることから、吸油量が210ml/100g以下、平均凝集粒子径5μm以上の沈降法シリカを使用することが好ましい。高濃度分散液を使用することによって、記録用紙の生産性も向上する。吸油量は、JIS K−5101の記載に基づき測定される。
本発明における平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカを得る具体的な方法としては、まず、シリカ粒子とカチオン性化合物を混合した予備分散液を作製する。予備分散液は、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて、シリカ粒子とカチオン性化合物を混合・分散する。必要であれば更に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、より強い機械的手段を与えることによって平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカの分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーが好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同昭59−33176号、同昭59−33177号、同昭59−155088号、同昭60−11389号、同昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭60−109894号、同昭62−198493号、同昭63−49478号、同昭63−115780号、同昭63−280681号、同平1−40371号、同平6−234268号、同平7−125411号、同平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。カチオン性ポリマーの添加量は、シリカに対して1〜10質量%の範囲が好ましい。
本発明に使用するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで粉砕したものが使用できる。
本発明のアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明のインク受容層は、無機微粒子のバインダーとしてケト基を有する樹脂を含有する。ケト基を有する樹脂バインダーはケト基を有するモノマーと他のモノマーを共重合する方法等によって合成することができる。ケト基を有するモノマーの具体例としては、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクレート、4−ビニルアセトアセトアニリド、アセトアセチルアリルアミド等が挙げられる。また、ポリマー反応でケト基を導入してもよく、例えばヒドロキシ基とジケテンとの反応等によってアセトアセチル基を導入することができる。ケト基を有する樹脂バインダーの具体例としては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性セルロース誘導体、アセトアセチル変性澱粉、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、特開平10−157283号公報に記載の樹脂バインダー等が挙げられる。本発明では、特にケト基を有する変性ポリビニルアルコールが好ましい。ケト基を有する変性ポリビニルアルコールとしては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとジケテンの反応等の公知の方法によって製造することができる。アセトアセチル化度は0.1〜20モル%が好ましく、更に1〜15モル%が好ましい。ケン化度は80モル%以上が好ましく、更に85モル%以上が好ましい。重合度としては、500〜5000のものが好ましく、特に2000〜4500のものが更に好ましい。
ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールは、ジアセトンアクリルアミド−酢酸ビニル共重合体をケン化する等公知の方法によって製造することができる。ジアセトンアクリルアミド単位の含有量としては、0.1〜15モル%の範囲が好ましく、更に0.5〜10モル%の範囲が好ましい。ケン化度としては85モル%以上、重合度としては500〜5000のものが好ましい。
本発明ではケト基を有する樹脂バインダーに加えて、更に他の公知の樹脂バインダーを併用してもよい。例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、澱粉や各種変性澱粉、ゼラチンや各種変性ゼラチン、キトサン、カラギーナン、カゼイン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールや各種変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を必要に応じて併用することができる。更に、バインダー樹脂として各種ラテックスを併用してもよい。
この際光沢性の点で、ケト基を有する樹脂バインダーと相溶性の高い樹脂バインダーを併用することが好ましい。ケト基を有する変性ポリビニルアルコールを使用する場合、完全または部分ケン化ポリビニルアルコール、またはカチオン変性ポリビニルアルコールが好ましく併用できる。特に、ケン化度が80%以上で、平均重合度200〜5000のポリビニルアルコールが好ましく使用できる。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
他の樹脂バインダーを併用する場合、他の樹脂バインダーの使用量は、ケト基を有する樹脂バインダーに対して、50質量%以下が好ましい。
樹脂バインダーの総含有量は、少ないほどインク受容層中の空隙容積が大きくなりインク吸収性が高くなる面で好ましいが、少なすぎるとインク受容層が脆弱となりひび割れ等の表面欠陥が多くなったり、光沢が低下するため、無機微粒子に対して5〜40質量%の範囲が好ましく、特に10〜30質量%が好ましい。
次に、ケト基を有する樹脂バインダーの架橋剤について説明する。かかる架橋剤としては以下の化合物が挙げられる。
(1)一級アミノ基を分子内に2個以上含有する化合物;
ここで一級アミノ基とは、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基の炭素原子に結合した一級アミノ基、及び窒素原子に結合した一級アミノ基(すなわちヒドラジンの末端アミノ基)である。混合後の増粘効果の点で、ヒドラジン型のアミノ基が好ましく、特にヒドラジド、セミカルバジド、又はカルボヒドラジド構造であるものが好ましい。炭素原子に結合した一級アミノ基を2個以上有する化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、メタキシレンジアミン、ノルボルナンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられ、ヒドラジン型のアミノ基を2個以上有する化合物の具体例としては、ヒドラジン及びその塩、カルボヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のポリカルボン酸ヒドラジド類、4,4’−エチレンジセミカルバジド、4,4’−ヘキサメチレンジセミカルバジド等のポリイソシアネートとヒドラジンの反応物、ポリアクリル酸ヒドラジド等のポリマー型ヒドラジド等が挙げられる。特に、水溶性及び反応性の点で、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドが好ましい。
(2)多価金属塩;
ジルコニウム塩(硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、フッ化ジルコニウム等)、チタン塩(4塩化チタン、乳酸チタン、テトライソプロピルチタネート等)、アルミニウム塩(塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム等)、カルシウム塩(塩化カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム等)、マグネシウム塩(塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等)、亜鉛塩(塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等)等が挙げられる。好ましくはジルコニウム塩である。
(3)アルデヒド類;
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のモノアルデヒド類、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、1,8−オクタンジアール、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、両末端アルデヒド化PVA等のジアルデヒド類、アリリデン酢酸ビニルジアセテート共重合体をケン化して得られる側鎖アルデヒド含有共重合体、ジアルデヒド澱粉、ポリアクロレイン等が挙げられる。
(4)メチロール化合物;
メチロールホスフィン、ジメチロール尿素、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、尿素樹脂初期重合物、メラミン樹脂初期重合物等が挙げられる。
(5)活性化ビニル化合物;
ジビニルスルホン系化合物、β−ヒドロキシエチルスルホン系化合物等が挙げられる。
(6)エポキシ化合物;
エピクロルヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジ又はトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、ポリエポキシ化合物等が挙げられる。
(7)イソシアネート系化合物;
トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン−トリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス−4−フェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック物、ポリイソシアネート等が挙げられる。
(8)フェノール系化合物;
フェノール系樹脂初期縮合物、レゾルシノール系樹脂等が挙げられる。
上記した架橋剤の中でも、(1)一級アミノ基を分子内に2個以上含有する化合物、及び(2)多価金属塩が好ましく、特に(1)一級アミノ基を分子内に2個以上含有する化合物が好ましい。
架橋剤の含有量は、ケト基を有する樹脂バインダーに対して0.1〜50質量%の範囲が好ましく、特に1〜20質量%の範囲が好ましい。
本発明の製造方法の一つは、無機微粒子とケト基を有する樹脂バインダーを含有するインク受容層(A)を塗布する前に、予め、支持体にケト基を有する樹脂バインダーの架橋剤を含有する塗布液(B)を塗布する。インク受容層(A)の塗布時期は、予め支持体に塗布された塗布液(B)が未乾燥の状態であっても、完全に乾燥した状態であってもよい。
支持体が、ポリオレフィン樹脂被覆紙やプラスチック樹脂フィルムのような非吸水性支持体の場合は、支持体とインク受容層との間の接着性を強化するためのプライマー層(下引き層ともいう)が設けられることが多い。塗布液(B)は、このプライマー層を兼ねることができる。また、このプライマー層の上に塗布液(B)を塗布しても良い。
支持体が、コート紙やキャストコート紙のような吸水性支持体の場合は、塗布液(B)がコート層やキャストコート層を兼ねることができる。また、このコート層やキャストコート層の上に塗布液(B)を塗布しても良い。
塗布液(B)は、架橋剤のみを含有する溶液(少量の有機溶剤を含んでも良い)であってもよく、更に適当な界面活性剤あるいはバインダーを含有してもよい。塗布液(B)が、前述したプライマー層、コート層、あるいはキャストコート層を兼ねる場合は、該プライマー層、コート層、あるいはキャストコート層を構成する成分に架橋剤を加えるのみであってもよい。
前述したように、非吸水性支持体を用いる場合は、塗布液(B)はプライマー層を兼ねることができる。即ち、プライマー層の塗布液に架橋剤を含有させる。プライマー層は、バインダーを主成分とする。かかるバインダーとしては、ゼラチン、カゼイン等の天然高分子化合物、あるいはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルビキシメチルセルロース、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の合成樹脂が挙げられる。好ましいバインダーは、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルビキシメチルセルロース等の水溶性バインダーである。プライマー層の乾燥厚みは、0.01〜5μmが適当であり、好ましくは0.01〜2μmの範囲であり、より好ましくは、0.02〜1μmである。
本発明において、コート紙やキャストコート紙のような吸水性支持体を用いる場合は、コート層あるいはキャストコート層の上に、架橋剤を含有する塗布液(B)を塗布するのが好ましい。この場合、塗布液(B)中の架橋剤が、コート層や紙の中に浸透しないように、塗布液(B)には、ポリビニルアルコールのような水溶性バインダーを含有させるのが好ましい。特に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールやジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールを用いることによって、架橋剤がコート層や紙層中へ浸透するのを効果的に抑制する。この場合、上記変性ポリビニルアルコールの官能基に対して架橋剤の添加量を過剰にし、かつ塗布液(B)の固形分濃度を5質量%以下程度に低くすることによって、塗布液中での架橋剤と上記変性ポリビニルアルコールとの反応の進行を抑えることができ、その結果、塗布液を安定に保つことができる。
プライマー層、コート層あるいはキャストコート層は、一般に支持体の製造工程で塗布される。架橋剤を含有する塗布液(B)をこれらの層の上に塗布する場合は、支持体の製造工程で行っても良いし、または、インク受容層(A)の塗布工程でオンライン上で連続的に塗布しても良い。後者は、タンデム塗布方式と呼ばれている。即ち、本発明は、支持体上に、先ず塗布液(B)を塗布し、オンライン上で連続してインク受容層(A)を塗布する、タンデム塗布方式を採用することができる。この場合、インク受容層(A)の塗布時期は、支持体上に塗布された塗布液(B)が未乾燥の時点であっても、完全に乾燥した時点であっても良い。
本発明においては、支持体上に予め架橋剤を含有する塗布液(B)が塗布され、その後、インク受容層(A)の塗布液が塗布される。インク受容層(A)の塗布液が塗布されると、支持体上に予め塗布された架橋剤はインク受容層中に拡散して、インク受容層中のケト基を有する樹脂バインダーと反応する。ケト基を有する樹脂バインダーとその架橋剤がインク受容層中で反応することによって、インク受容層はゲル化する。その結果、インク受容層のひび割れを発生させずに高温乾燥が可能になる。上記の反応は高温下で速くなるので、インク受容層(A)の塗布液が塗布された後は、直ぐに高温で加熱するのが好ましい。例えば、50℃以上、好ましくは60℃以上に加熱した空気を、1秒以上、好ましくは5秒以上吹き付けてインク受容層を一旦ゲル化させ、その後は50℃以上の熱風を吹き付けて乾燥することによって、乾燥効率が向上する。
また、ケト基を有する樹脂バインダーとして、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールのような変性ポリビニルアルコールを用い、更にほう素化合物を併用した場合、塗布後に一旦冷却ゲル化して高温乾燥する方法も採用することができる。この方法は、上記の高温でゲル化する方法に比べて乾燥効率は劣るが、従来の方法に比べてはかなり向上する。また、この方法は50℃以上の高温で乾燥してもひび割れの発生はない。
本発明において、架橋剤を含有する塗布液(B)を塗布した後、インク受容層(A)の塗布液が塗布されるが、更にその上に架橋剤を含有する塗布液(B’)を塗布することができる。この場合、塗布液(B)と塗布液(B’)の架橋剤は同じであっても異なっていても良い。
本発明の製造方法の別の態様は、前記インク受容層(A)に更にほう素化合物を含有させた塗布液を支持体上に塗布した後に、前記ケト基を有する樹脂バインダーの架橋剤を含有する塗布液(B)を塗布する。この方法は、インク受容層(A)と塗布液(B)は、タンデム方式で塗布される。塗布液(B)は、支持体に塗布されたインク受容層(A)が乾燥終了までに塗布されなければならない。好ましくは、インク受容層(A)を塗布した後、減率乾燥域に入るまでに塗布液(B)を塗布することである。生産性向上の観点からは、インク受容層(A)を塗布後、短時間の内に塗布液(B)を塗布するのが好ましい。
一般に、塗布液の乾燥は、恒率乾燥域から減率乾燥域を経て乾燥が終了する。恒率乾燥域は、塗層中の自由水(もしくは溶剤)をその蒸発潜熱で蒸発させていく工程であり、塗布紙の表面温度はほぼ一定である。インク受容層の空隙構造などはこの工程でほぼ形成される。減率乾燥域では、塗層中の無機微粒子や親水性バインダーと相互作用により吸着している水や溶剤が蒸発する工程で、蒸発潜熱以外にそれら相互作用を解きほぐすためのエネルギーが必要となる。この減率乾燥領域では塗布紙の表面温度は徐々に上昇し始める。塗布紙の表面温度とドライヤー内の温度とが一致するところが乾燥終了点である。
上述したように、塗布液(B)の塗布時期は、支持体上に塗布されたインク受容層(A)が、減率乾燥域に入る前に塗布するのが好ましい。更に、好ましくは、インク受容層(A)の塗布液が塗布された後、一旦冷却して、塗布液を増粘させた後、短時間(例えば20秒以内)のうちに、塗布液(B)を塗布することである。
インク受容層(A)に更にほう素化合物を含有させることによって、低温でインク受容層の塗布液の粘度が増大する。支持体上に塗布されたインク受容層(A)を25℃以下、好ましくは15℃以下に冷却し、増粘させることによって、塗布液(B)の塗布が安定的に行われる。また、インク受容層(A)が未乾燥の状態で塗布液(B)を塗布することによって、ひび割れを起こさずに50℃以上の高温乾燥が可能になる。これによって、従来の製造方法に比べて、塗布欠陥を発生させずに生産性を向上させることができる。塗布液(B)の塗布には、カーテン塗布方式のような前計量方式で、かつ支持体に接触しない塗布方式を用いることが好ましい。
本発明に用いられるほう素化合物としては、ほう酸、ほう酸塩、ほう砂から選ばれる少なくとも1つ以上の化合物であることが好ましい。ほう素化合物の含有量は、ケト基を有する樹脂バインダーに対して0.01〜40質量%の範囲が好ましく、特に0.5〜40質量%の範囲が好ましい。
本発明のインク受容層の乾燥塗布量としては、インク吸収性、インク受容層の強度、及び生産性の面で、無機微粒子の固形分として8〜40g/mの範囲、特に10〜30g/mの範囲が好ましい。
本発明では、インク染料の耐水性改良目的等でインク受容層に更にカチオン性化合物を含有することが好ましい。カチオン性化合物の例としては、シリカの分散の説明で挙げたカチオン性ポリマーが好ましく用いられる。
本発明において、上述したインク受容層に加え、更に他の構成のインク吸収層、あるいは保護層等の別の機能を有する層を設けてもよい。
本発明において、インク受容層及び他の層には、更に、界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク色剤の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明に用いられる支持体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチック樹脂フィルム、あるいはポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸水性支持体、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の吸水性支持体が用いられる。好ましくい非吸水性支持体はポリオレフィン樹脂被覆紙であり、好ましい吸水性支持体は、キャストコート紙である。これらの支持体の厚みは、約50〜250μm程度のものが好ましく使用される。
特に非吸水性支持体であるプラスチック樹脂フィルムやポリオレフィン樹脂被覆紙を使用する場合には、インク受容層を設ける面上には前述したプライマー層を設けるのが好ましい。
本発明における支持体には、筆記性、帯電防止性、搬送性、耐カール性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、顔料、硬化剤、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
プラスチック樹脂フィルムや樹脂被覆紙にインク受容層の塗布液を塗布する場合には、塗布に先立ってコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等が行われることが好ましい。
本発明に用いられる塗布方法としては、例えばスライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、ファウンテン方式、ダイレクトファウンテン方式等がある。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は質量部、質量%を示す。
非吸水性支持体のプライマー層に、ケト基を有する樹脂バインダーの架橋剤を含有させる場合の実施例を以下に示す。
《本発明1の記録シートの作製》
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100部の樹脂に対して、10部のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、表面とした。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成のプライマー層をゼラチンが50mg/m(約0.05μm)となるように塗布乾燥して支持体を作製した。このプライマー層は、架橋剤を含有する塗布液(B)を兼ねる。
<プライマー層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 912部
<シリカ分散液1の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液1を作製した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ノニオン性界面活性剤 0.4部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
シリカ分散液1と水に溶解した他の薬品を40℃で混合して、固形分濃度が14%のインク受容層塗布液を作製した。
このインク受容層塗布液をシリカ微粒子の塗布量が20g/mになるように上記支持体上にスライドビード塗布方式により塗布した。インク受容層塗布液を塗布後、直ぐに、80℃で15秒間加熱して塗布液をゲル化させ、次いで50℃、及び70℃の空気を順次吹き付けて乾燥した。
《本発明2の記録シートの作製》
下記組成のプライマー層に変更した以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。
<プライマー層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 183部
《本発明3の記録シートの作製》
下記組成のプライマー層に変更した以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。
<プライマー層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
コハク酸ジヒドラジド(架橋剤) 912部
《本発明4の記録シートの作製》
下記組成のインク受容層塗布液に変更し、かつ塗布後直ぐに0℃で15秒間冷却し、次いで50℃、及び70℃の空気を順次吹き付けて乾燥する以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
ほう酸 2部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ノニオン性界面活性剤 0.4部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
《本発明5の記録シートの作製》
下記組成のインク受容層塗布液に変更した以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度1200)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ノニオン性界面活性剤 0.4部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
《比較1の記録シートの作製》
下記組成のプライマー層に変更した以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。
<プライマー層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
《比較2の記録シートの作製》
下記組成のインク受容層に変更する以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 5部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
《比較3の記録シートの作製》
比較1の記録シートの作製に使用したプライマー層と同一組成のプライマー層、及び下記組成のインク受容層にそれぞれ変更する以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 5部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
《比較4の記録シートの作製》
比較1の記録シートの作製に使用したプライマー層と同一組成のプライマー層、及び下記組成のインク受容層にそれぞれ変更する以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 2.3部
《比較5の記録シートの作製》
比較1の記録シートの作製に使用したプライマー層と同一組成のプライマー層、及び下記組成のインク受容層にそれぞれ変更する以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。但し、インク受容層塗布液を塗布後、直ぐに0℃にて15秒間冷却し塗布液を増粘させ、ついで40℃の空気を吹き付けて乾燥した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 5部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
《比較6の記録シートの作製》
下記組成のプライマー層に変更する以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。
<プライマー層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
プロピオン酸ヒドラジド 912部
《比較7の記録シートの作製》
下記組成のインク受容層に変更する以外は、上記本発明1の記録シートと同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
下記のシリカ分散液2 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ノニオン性界面活性剤 0.4部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
<シリカ分散液2の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した。但し、高圧ホモジナイザーでの二次分散は実施しなかった。固形分濃度20%のシリカ分散液2を作製した。
得られた各々のインクジェット記録シートについて下記の評価を行った。その結果を表1に示す。尚、インク受容層のシリカ微粒子の平均二次粒子径は、シリカ分散液1を用いたものはいずれも80nmであった。シリカ分散液2を用いた比較7は2.4μmであった。
<ひび割れの評価>
インク受容層の表面を観察し、以下の基準で評価した。
○:ひび割れが全くなく、均一な塗布面である。
△:目視では判別し難いくらいの小さいひび割れが発生している。
×:目視で明らかに判別できる大きなひび割れが発生している。
<白紙部の光沢性>
記録シートの印字前の白紙部光沢感を斜光で観察し、下記の基準で評価した。
○:カラー写真印画紙並の高い光沢感がある。
△:少し光沢感がある。
×:光沢感がない。
<インク吸収性>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PM−880C)にて、レッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:全く転写しない。
△:印字部全体に薄い転写が観察される。
×:印字部全体に濃い転写が観察される。
<インク受容層の耐水性>
記録シート表面に水滴を落とし、1分間放置後表面を擦り表面状態を観察した。なお、記録シート表面に元々ひび割れが発生しているものに関しては測定を行わなかった(表には−で示す)。
○:変化なし。
△:インク受容層の一部が削り取られ、光沢が低下した状態となる。
×:インク受容層の大部分が削り取られた状態となる。
<折り割れ性>
記録シートを印字面を上にして直径1インチの筒に巻き付けたときに、表面に割れが生じるかどうかを観察した。なお、記録シート表面に元々ひび割れが発生しているものについては評価しなかった(表には−で示す)。
○:割れが生じない。
×:割れが生じる。
<塗布欠陥>
記録シートを100m作製した時に、3mm以上の部分欠陥及び塗布ムラの発生状況を目視にて観察し、下記基準にて比較した。なお、記録シート表面に元々ひび割れが発生しているものについては評価しなかった(表には−で示す)。
○:部分欠陥が1個以下であり、塗布ムラも全くないか、あるいは塗布幅方向に対して5%未満のごくわずかなレベルである。
△:部分欠陥が2〜10個の範囲であるか、または塗布ムラが塗布幅方向に対して5%以上20%未満の幅で確認される。
×:部分欠陥が11個以上であるか、または塗布ムラが塗布幅方向に対して20%以上の幅で確認される。
Figure 2005075211
上記結果より、本発明の製造方法により、ひび割れが無くや折り割れの発生がなく、かつ光沢、インク吸収性、耐水性に優れたインクジェット記録材料が得られることがわかる。
生産性については、インク受容層塗布液を塗布してから乾燥が完了するまでの時間によって評価した。比較5の記録シートを基準にして評価した。即ち、比較5は、インク受容層にポリビニルアルコールとホウ酸を含有する、従来の一般的な製造方法であり、ひび割れの発生を防止するためには、塗布後一旦冷却し、40℃程度の比較的低い温度で乾燥する必要がある。このため、比較5は乾燥効率が低いものであった。これに対して、本発明はいずれも、50℃以上で乾燥してもひび割れの発生がなく、乾燥効率が大幅に向上した。本発明4は、インク受容層塗布液を塗布後、一旦冷却するので、本発明1に比べて乾燥効率は若干低下したが、比較5に比べると乾燥効率はかなり向上していた。本発明の乾燥時間は、比較5に対して、1/2〜1/2.5であった。
また、比較5は、インク受容層の耐水性が不十分であり、折り割れが発生した。
比較3は、ポリビニルアルコールとほう酸を用いた従来の方法で、50℃以上の高温で乾燥したものであるが、全面にひび割れが発生した。
比較4は、無機微粒子、ケト基を有する樹脂バインダー、及び架橋剤とを同一塗布液に含有させたものであるが、架橋反応に起因する凝集物が塗布装置に付着し、塗布欠陥が発生した。比較7は、シリカ微粒子の平均二次粒子径が500nmより大きいので、光沢が著しく低下した。
次に、架橋剤を含有する塗布液(B)とインク受容層(A)をタンデム方式で塗布する場合の実施例を以下に示す。
《本発明6の記録シートの作製》
実施例1の本発明1のポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、比較1の記録シートの作製に使用したプライマー層と同一組成のプライマー層をゼラチンが50mg/m(約0.05μm)となるように塗布乾燥して支持体を作製した。
上記支持体上に、下記組成の架橋剤を含有する塗布液をアジピン酸ジヒドラジドの塗布量が0.46g/mになるように、ファウンテンバーとエアーナイフを用いた塗布方式にて塗布後、該塗布液が乾燥しない内に、実施例1の本発明1のインク受容層塗布液をスライドカーテン方式にて塗布し、同様に乾燥した。
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 100部
ベタイン性界面活性剤 0.1部
水で固形分濃度が3%になるように調整した
《本発明7の記録シートの作製》
下記組成のインク受容層塗布液に変更し、かつ、インク受容層塗布液を塗布後、直ぐに0℃で15秒間冷却し、次いで50℃、及び70℃の空気を順次吹き付けて乾燥する以外は、本発明6と同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
ほう酸 2部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ノニオン性界面活性剤 0.4部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
《本発明8の記録シートの作製》
下記組成の架橋剤を含有する塗布液に変更する以外は、本発明6と同様にして作製した。
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 100部
ポリビニルアルコール 100部
(ケン化度80%、平均重合度500)
ベタイン性界面活性剤 0.1部
水で固形分濃度が5%になるように調整した。
得られた各々のインクジェット記録シートについて、実施例1と同様に評価したところ、いずれの性能も、実施例1の本発明と同様に優れた結果が得られた。また、50℃以上の高温で乾燥してもひび割れの発生がなく、生産性が向上した。尚、シリカ微粒子の平均二次粒子径は、いずれも80nmであった
次に、インク受容層(A)に更にホウ素化合物を含有させた塗布液を塗布した後に、架橋剤を含有する塗布液(B)をタンデム方式で塗布する場合の実施例を以下に示す。
《本発明9の記録シートの作製》
実施例1の本発明1のポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、比較1の記録シートの作製に使用したプライマー層と同一組成のプライマー層をゼラチンが50mg/m(約0.05μm)となるように塗布乾燥して支持体を作製した。
上記支持体上に、下記組成のインク受容層塗布液をシリカ微粒子の塗布量が20g/mになるように、スライドビード方式により塗布した。塗布後直ぐに、0℃にて15秒間冷却し塗布液を増粘させ、次いで、下記組成の架橋剤を含有する塗布液をアジピン酸ジヒドラジドの塗布量が0.46g/mになるようにダイレクトファウンテン方式により塗布し、次いで80℃で15秒間加熱し、その後50℃、70℃の空気を順次吹き付けて乾燥した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
ほう酸 2部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 100部
ノニオン性界面活性剤 0.1部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
水で固形分濃度が3%になるように調整した。
《本発明10の記録シートの作製》
アジピン酸ジヒドラジドの塗布量を0.1g/mに変更する以外は、本発明9と同様にして作製した。
《比較8の記録シートの作製》
下記組成のインク受容層塗布液に変更した以外は、本発明9と同様にして作製した。但し、架橋剤を含有する塗布液を塗布する時期を遅らした。即ち、インク受容層塗布液を塗布し冷却した後、インク受容層の固形分濃度が35%になるまで乾燥させた時点で、架橋剤を含有する塗布液を塗布した。尚、上記の固形分濃度35%の状態は恒率乾燥領域である。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 23部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
《比較9の記録シートの作製》
下記組成のインク受容層塗布液に変更した以外は、本発明9と同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として)100部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 5部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
得られた各々のインクジェット記録シートについて、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。尚、シリカ微粒子の平均二次粒子径は、いずれも80nmであった。
Figure 2005075211
本発明は、50℃以上で乾燥してもひび割れや塗布欠陥の発生がなく、乾燥効率が向上した。また、本発明は、光沢性、インク吸収性、及び耐水性に優れ、折り割れの発生もなかった。比較8は、インク受容層塗布液を塗布後、恒率乾燥段階で、架橋剤を含有する塗布液を塗布した場合であるが、後の塗布液の塗布時点で、インク受容層の粘度が十分に上昇していないので、塗布ムラ等の塗布欠陥が発生した。
無機微粒子として、気相法シリカに代えて微粉砕した湿式法シリカを用いた実施例を以下に示す。
《本発明11の記録シートの作製》
実施例1の本発明1のポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成のプライマー層をゼラチンが50mg/m(約0.05μm)となるように塗布乾燥して支持体を作製した。
<プライマー層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 700部
上記支持体上に、下記組成のインク受容層塗布液をシリカ微粒子の塗布量が22g/mになるようにスライドビード方式にて塗布した、乾燥条件は実施例1の本発明1と同じである。
<シリカ分散液3の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と沈降法シリカ(吸油量200ml/100g、平均一次粒子径16nm、平均凝集粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散液をビーズミルで処理して、固形分濃度30%のシリカ分散液3を得た。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液3 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 16部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ノニオン性界面活性剤 0.4部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
シリカ分散液3と水に溶解した他の薬品を40℃で混合して、固形分濃度が20%のインク受容層塗布液を作製した。
《本発明12の記録シートの作製》
本発明11の支持体のプライマー層を比較1の記録シートの作製に使用したプライマー層と同一組成のプライマー層に変更した。
上記支持体上に、先ず、下記組成の架橋剤を含有する塗布液をアジピン酸ジヒドラジドの塗布量が0.35g/mになるようにファウンテンバーとエアーナイフを用いた塗布方式にて塗布し、乾燥しないうちに、本発明11のインク受容層塗布液をスライドカーテン方式にて塗布した。その他の条件は、本発明11に準じた。
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド 100部
ベタイン性界面活性剤 0.1部
水で固形分濃度が3%になるように調整した。
《本発明13の記録シートの作製》
本発明12と同様にして支持体を作製した。該支持体上に下記組成のインク受容層塗布液をシリカ微粒子の塗布量が22g/mになるように、スライドビード方式により塗布し、まず0℃にて15秒間冷却し塗液を増粘させたのちに、下記組成の架橋剤を含有する塗布液をアジピン酸ジヒドラジドの塗布量が0.35g/mになるようにダイレクトファウンテン方式にて塗布した。次いで80℃で15秒間加熱し、その後50℃、70℃の空気を順次吹き付けて乾燥した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液3 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 16部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
ほう酸 0.6部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 100部
ノニオン性界面活性剤 0.1部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
水で固形分濃度が3%になるように調整した。
《本発明14の記録シートの作製》
アジピン酸ジヒドラジドの塗布量を0.07g/mに変更した以外は、本発明13と同様にして作製した。
《比較10の記録シートの作製》
比較1の記録シートの作製に使用したプライマー層と同一組成のプライマー層に変更した以外は、本発明11と同様にして作製した。
《比較11の記録シートの作製》
下記組成のインク受容層塗布液に変更する以外は、本発明11と同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液3 (シリカ固形分として)100部
ポリビニルアルコール 16部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 2部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
《比較12の記録シートの作製》
比較10のプライマー層、及び比較11のインク受容層塗布液を用いる以外は、本発明11と同様にして作製した。
《比較13の記録シートの作製》
本発明12と同様にして支持体を作製した。該支持体上に下記組成のインク受容層塗布液をシリカ微粒子の塗布量が22g/mになるように、スライドビード方式により塗布した。該インク受容層塗布液の固形分濃度が40%になるまで乾燥させた後に下記組成の架橋剤を含有する塗布液をアジピン酸ジヒドラジドの塗布量が0.35g/mになるようにダイレクトファウンテン方式により塗布した。次いで80℃で15秒間加熱し、その後50℃、70℃の空気を順次吹き付けて乾燥した。尚、上記の固形分濃度40%の状態は恒率乾燥領域である。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液3 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 16部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 100部
ノニオン性界面活性剤 0.1部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
水で固形分濃度が3%になるように調整した。
《比較14の記録シートの作製》
本発明13に準じて作製した。但し、インク受容層塗布液を比較11のインク受容層塗布液に変更した。
《比較15の記録シートの作製》
本発明12と同様にして支持体を作製した。該支持体上に下記組成のインク受容層塗布液を塗布する以外は、本発明11と同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
シリカ分散液3 (シリカ固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 16部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 1.6部
得られた各々のインクジェット記録シートについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。尚、シリカ微粒子の平均二次粒子径は、いずれも100nmであった。
Figure 2005075211
本発明は、50℃以上で乾燥してもひび割れや塗布欠陥の発生がなく、乾燥効率が向上した。また、本発明は、光沢性、インク吸収性、及び耐水性に優れ、折り割れの発生もなかった。
無機微粒子として、シリカ微粒子に代えてアルミナ水和物を用いた実施例を以下に示す。
《本発明15の記録シートの作製》
実施例1の本発明1のポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成のプライマー層をゼラチンが50mg/m(約0.05μm)となるように塗布乾燥して支持体を作製した。
<プライマー層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 960部
上記支持体上に、下記組成のインク受容層塗布液をアルミナ水和物微粒子の塗布量が40g/mになるように、スライドビード方式にて塗布した、乾燥条件は実施例1の本発明1と同じである。
<アルミナ水和物の分散液の作製>
水に硝酸(2部)と擬ベーマイト(平均一次粒子径14nm)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を使用して、固形分濃度30%のアルミナ水和物分散液を作製した。
<インク受容層塗布液>
アルミナ水和物分散液 (アルミナ水和物固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 12部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部
アルミナ水和物分散液と水に溶解した他の薬品を40℃で混合して、固形分濃度が22%のインク受容層用塗布液を作製した。
《本発明16の記録シートの作製》
本発明15の支持体のプライマー層を比較1の記録シートの作製に使用したプライマー層と同一組成のプライマー層に変更した。
上記支持体上に、先ず、下記組成の架橋剤を含有する塗布液をアジピン酸ジヒドラジドの塗布量が0.48g/mになるようにファウンテンバーとエアーナイフを用いた塗布方式にて塗布し、乾燥しないうちに、本発明15のインク受容層塗布液をスライドカーテン方式にて塗布した。その他の条件は、本発明15に準じた。
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 100部
ベタイン性界面活性剤 0.1部
水で固形分濃度が3%になるように調整した。
《本発明17の記録シートの作製》
本発明16と同様にして支持体を作製した。該支持体上に下記組成のインク受容層塗布液をアルミナ水和物微粒子の塗布量が40g/mになるように、スライドビード方式にて塗布し、まず0℃にて15秒間冷却し塗液を増粘させたのちに、下記組成の架橋剤を含有する塗布液をアジピン酸ジヒドラジドの塗布量が0.48g/mになるようにダイレクトファウンテン方式にて塗布した。次いで80℃で15秒間加熱し、その後50℃、70℃の空気を順次吹き付けて乾燥した。
<インク受容層塗布液>
アルミナ水和物分散液 (アルミナ水和物固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 12部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
ほう酸 0.4部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 100部
ノニオン性界面活性剤 0.1部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
水で固形分濃度が3%になるように調整した。
《本発明18の記録シートの作製》
アジピン酸ジヒドラジドの塗布量を0.1g/mに変更した以外は、本発明17と同様にして作製した。
《比較16の記録シートの作製》
比較1の記録シートの作製に使用したプライマー層と同一組成のプライマー層に変更した以外は、本発明15と同様にして作製した。
《比較17の記録シートの作製》
下記組成のインク受容層塗布液に変更する以外は、本発明15と同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
アルミナ水和物分散液 (アルミナ水和物固形分として)100部
ポリビニルアルコール 12部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 0.4部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部
《比較18の記録シートの作製》
比較16のプライマー層、及び比較17のインク受容層塗布液を用いる以外は、本発明15と同様にして作製した。
《比較19の記録シートの作製》
本発明16と同様にして支持体を作製した。該支持体上に下記組成のインク受容層塗布液をアルミナ水和物微粒子の塗布量が40g/mになるように、スライドビード方式により塗布した。該インク受容層塗布液の固形分濃度が40%になるまで乾燥させた後に下記組成の架橋剤を含有する塗布液をアジピン酸ジヒドラジドの塗布量が0.48g/mになるようにダイレクトファウンテン方式により塗布した。次いで80℃で15秒間加熱し、その後50℃、70℃の空気を順次吹き付けて乾燥した。上記の固形分濃度40%の状態は恒率乾燥領域である。
<インク受容層塗布液>
アルミナ水和物分散液 (アルミナ水和物固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 12部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 100部
ノニオン性界面活性剤 0.1部
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
水で固形分濃度が3%になるように調整した。
《比較20の記録シートの作製》
本発明17に準じて作製した。但し、インク受容層塗布液を比較17のインク受容層塗布液に変更した。
《比較21の記録シートの作製》
本発明16と同様にして支持体を作製した。該支持体上に下記組成のインク受容層塗布液を塗布する以外は、本発明15と同様にして作製した。
<インク受容層塗布液>
アルミナ水和物分散液 (アルミナ水和物固形分として)100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 12部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 1.2部
得られた各々のインクジェット記録シートについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2005075211
本発明は、50℃以上で乾燥してもひび割れや塗布欠陥の発生がなく、乾燥効率が向上した。また、本発明は、光沢性、インク吸収性、及び耐水性に優れ、折り割れの発生もなかった。
支持体として、吸水性支持体であるキャストコート紙を用いた実施例を以下に示す。
《本発明19の記録シートの作製》
<キャストコート紙の作製>
カオリン50部、炭酸カルシウム50部、ポリアクリル酸ナトリウム0.5部を水中で分散し固形分濃度が65%の顔料スラリーを作製した。このスラリーに、トリブチルフォスフェート(消泡剤)0.5部、ステアリン酸アンモニウム(離型剤)1.0部、15%カゼイン水溶液を固形分で5部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを固形分で18部加えて、固形分濃度が45%のキャストコート層の塗布液を作製した。この塗布液を坪量150g/mの原紙上に、エアーナイフコーターで乾燥塗布量が20g/mになるように塗布し、次いで表面温度が105℃のキャストドラムに圧接し乾燥してキャストコート紙を作製した。
このキャストコート紙上に、下記組成の架橋剤を含有する塗布液と、実施例5の本発明15のインク受容層塗布液をタンデム方式で塗布した。架橋剤を含有する塗布液を塗布した後、該塗布液が乾燥しないうちにインク受容層塗布液を塗布し、120℃で15秒間加熱して塗布液をゲル化させ、次いで100℃の空気を吹き付けて乾燥した。
アジピン酸ジヒドラジドの塗布量は0.3g/mで、アルミナ水和物の塗布量は30g/mである。
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 100部
ポリビニルアルコール 100部
(ケン化度80%、平均重合度500)
水で固形分濃度が5%になるように調整した。
《本発明20の記録シートの作製》
本発明19に準じて作製した。但し、架橋剤を含有する塗布液を塗布し、乾燥させた後にインク受容層を塗布した。
《本発明21の記録シートの作製》
架橋剤を含有する塗布液を以下の組成の塗布液に変更する以外は、本発明19と同様にして作製した。
<架橋剤を含有する塗布液>
アジピン酸ジヒドラジド(架橋剤) 100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 100部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
水で固形分濃度が2%になるように調整した。
《本発明22の記録シートの作製》
本発明21に準じて作製した。但し、架橋剤を含有する塗布液を塗布し、乾燥させた後にインク受容層を塗布した。
《本発明23の記録シートの作製》
架橋剤を含有する塗布液を下記組成の塗布液に変更する以外は、本発明19と同様にして作製した。ジルコニウム塩の塗布量は0.3g/mである。
<架橋剤を含有する塗布液>
炭酸ジルコニウムアンモニウム(架橋剤) 100部
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 100部
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
水で固形分濃度が2%になるように調整した。
《比較22の記録シートの作製》
架橋剤を含有する塗布液を塗布しない以外は、本発明19と同様にして作製した。
得られた各々のインクジェット記録シートについて、実施例1と同様に評価したところ、本発明の記録シートはいずれの性能も優れていた。一方、比較22は、ひび割れが著しく発生して実用に供することはできなかった。

Claims (15)

  1. 支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子とケト基を有する樹脂バインダーを含有するインク受容層(A)を有するインクジェット記録材料の製造方法であって、前記支持体上に、予め前記ケト基を有する樹脂バインダーの架橋剤を含有する塗布液(B)を塗布した後に、前記塗布液(B)の塗布膜上に、前記インク受容層(A)の塗布液を塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
  2. 前記ケト基を有する樹脂バインダーが、ケト基を有する変性ポリビニルアルコールである請求の範囲第1項に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  3. 前記ケト基を有する樹脂バインダーが、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールもしくはジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールである請求の範囲第1項または第2項に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  4. 前記架橋剤が、一級アミノ基を分子内に2個以上有する化合物または多価金属塩である請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  5. 前記一級アミノ基を分子内に2個以上有する化合物がヒドラジド基を分子内に2個以上有する化合物である請求の範囲第4項に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  6. 前記支持体が、ポリオレフィン樹脂被覆紙である請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  7. 前記支持体が、キャストコート紙である請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  8. 支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子とケト基を有する樹脂バインダーを含有するインク受容層(A)を有するインクジェット記録材料の製造方法であって、前記支持体上に、前記インク受容層(A)の塗布液に更にほう素化合物を含有する塗布液を塗布した後に、前記塗布液の塗布膜上に、前記ケト基を有する樹脂バインダーの架橋剤を含有する塗布液(B)を塗布することを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
  9. 前記ケト基を有する樹脂バインダーが、ケト基を有する変性ポリビニルアルコールである請求の範囲第8項に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  10. 前記ケト基を有する樹脂バインダーが、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールもしくはジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールであるの範囲第8項または第9項に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  11. 前記架橋剤が、一級アミノ基を分子内に2個以上有する化合物または多価金属塩である請求の範囲第8項〜第10項のいずれかに記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  12. 前記一級アミノ基を分子内に2個以上有する化合物がヒドラジド基を分子内に2個以上有する化合物である請求の範囲第11項に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  13. 前記ほう素化合物がほう酸、ほう酸塩、ほう砂から選ばれる少なくとも1つ以上の化合物である請求の範囲第8項〜第12項のいずれかに記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  14. 前記支持体が、ポリオレフィン樹脂被覆紙である請求の範囲第8項〜第13項のいずれかに記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  15. 前記支持体が、キャストコート紙である請求の範囲第8項〜第13項のいずれかに記載のインクジェット記録材料の製造方法。
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