JPWO2005035571A1 - 新規の糖タンパク質及びそれを含有する医薬組成物 - Google Patents
新規の糖タンパク質及びそれを含有する医薬組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2005035571A1 JPWO2005035571A1 JP2005514633A JP2005514633A JPWO2005035571A1 JP WO2005035571 A1 JPWO2005035571 A1 JP WO2005035571A1 JP 2005514633 A JP2005514633 A JP 2005514633A JP 2005514633 A JP2005514633 A JP 2005514633A JP WO2005035571 A1 JPWO2005035571 A1 JP WO2005035571A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glycoprotein
- fraction
- activity
- stress load
- recovery
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/37—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from fungi
- C07K14/375—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from fungi from Basidiomycetes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K36/00—Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
- A61K36/06—Fungi, e.g. yeasts
- A61K36/07—Basidiomycota, e.g. Cryptococcus
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
- A61P25/22—Anxiolytics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
- A61P37/02—Immunomodulators
- A61P37/04—Immunostimulants
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Natural Medicines & Medicinal Plants (AREA)
- Mycology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Immunology (AREA)
- Alternative & Traditional Medicine (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Botany (AREA)
- Medical Informatics (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Neurosurgery (AREA)
- Neurology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Abstract
Description
更に、本発明者らは、特定のマツタケ株を特定の培養方法により培養して得られた菌糸体由来の部分精製画分に、免疫増強作用及びストレス負荷回復促進作用があることも既に見出している(特許文献4)。なお、前記特許文献4に記載の前記部分精製画分は、理化学的性質の点で、公知の画分(例えば、前記特許文献3に記載の陰イオン交換樹脂吸着画分)とは異なる画分である。
(a)分子量:約60kDa(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による)
(b)糖質とタンパク質との含有比率:(糖質:タンパク質)16.4:1.0
により解決することができる。
また、本発明は、(1)マツタケをアルカリ溶液又は熱水で抽出する工程、
(2)得られた抽出液を陰イオン交換樹脂に吸着させる工程、
(3)前記陰イオン交換樹脂から、適当な溶離液により吸着画分を溶出する工程、及び
(4)前記溶出工程で得られた溶出画分を、ゲル濾過により分画し、分子量50〜70kDaの画分を取得する工程
を含む製造方法により調製することのできる、糖タンパク質に関する。
また、本発明は、前記糖タンパク質と、薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる担体又は希釈剤とを含有する、医薬組成物に関する。
また、本発明は、前記糖タンパク質を有効成分として含有することを特徴とする、免疫増強剤、ストレス負荷回復促進剤、又は抗腫瘍剤に関する。
また、本発明は、前記糖タンパク質を、免疫増強が必要な対象に、有効量で投与することを含む、免疫増強方法に関する。
また、本発明は、前記糖タンパク質を、ストレス負荷回復促進が必要な対象に、有効量で投与することを含む、ストレス負荷回復促進方法に関する。
また、本発明は、前記糖タンパク質を、腫瘍の治療又は予防が必要な対象に、有効量で投与することを含む、腫瘍の治療又は予防する方法に関する。
また、本発明は、前記糖タンパク質の、免疫増強剤若しくは免疫増強用医薬組成物、ストレス負荷回復促進剤若しくはストレス負荷回復促進用医薬組成物、又は抗腫瘍剤若しくは抗腫瘍用医薬組成物を製造するための使用に関する。
本発明の糖タンパク質は、以下の性質を有する。
(1)分子量:ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により決定される分子量が約60kDa(50〜70kDa)である。
(2)タンパク質含量及び糖質含量:本発明の糖タンパク質の加水分解により得られるアミノ酸量を基に算出したところ、38.42μg/mgである。また、本発明の糖タンパク質の加水分解により得られる単糖量を基に算出したところ、628.72μg/mgである。糖質とタンパク質との比率(糖質:タンパク質)は、16.4:1.0である。
(3)脂肪酸含量:ステアリン酸(C18:0)1.86μg/mg、パルミチン酸(C16:0)1.84μg/mg、オレイン酸[C18:1(9)]1.52μg/mg、リノール酸[C18:2(9,12)]0.94μg/mg、及びミリスチン酸(C14:0)0.55μg/mgである。
(4)アミノ酸組成:アスパラギン酸及びアスパラギン9.65mol%、トレオニン6.15mol%、セリン6.83mol%、グルタミン酸及びグルタミン10.19mol%、グリシン8.74mol%、アラニン9.84mol%、バリン6.94mol%、1/2−シスチン0.15mol%、メチオニン1.31mol%、イソロイシン5.47mol%、ロイシン9.55mol%、チロシン2.64mol%、フェニルアラニン4.09mol%、リシン4.99mol%、ヒスチジン1.97mol%、アルギニン5.00mol%、トリプトファン1.17mol%、及びプロリン5.33mol%である。
(5)中性糖組成:グルコース561.45μg/mg、マンノース16.68μg/mg、ガラクト−ス42.65μg/mg、及びフコース9.57μg/mgである。なお、キシロースは検出限界以下である。
(6)アミノ糖組成:グルコサミン0.36μg/mgである。なお、マンノサミンは検出限界以下である。
(7)円偏光二色性分析(CD):図7に示すスペクトルを示す。
(8)核磁気共鳴(NMR)分析
(i)1H一次元NMR分析:本発明の糖タンパク質は、図8に示すスペクトルを示す。
ヒドラジン処理により本発明のタンパク質からタンパク質を除いた場合には、図9に示すスペクトルを示す。
(ii)13C一次元NMR分析:本発明の糖タンパク質は、図10に示すスペクトルを示
す。ヒドラジン処理により本発明のタンパク質からタンパク質を除いた場合には、図11に示すスペクトルを示す。
(9)糖質部の糖結合位置:本発明の糖タンパク質における糖質部は、表6に示す各結合様式を、表6に示す割合で含む。1→4結合のグルコースが主要な結合である。
(10)赤外分光分析(IR):図12に示すスペクトルを示す。
(11)紫外分光分析(UV):図13に示すスペクトルを示す。
前記マツタケとしては、例えば、天然のマツタケの子実体若しくは菌糸体、又は培養により得られるマツタケの菌糸体若しくは培養物(Broth)を挙げることができる。培養に用いる前記マツタケとしては、例えば、国際公開第WO02/30440号パンフレットに記載のマツタケFERM BP−7304株を挙げることができる。前記マツタケFERM BP−7304株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター[(旧)工業技術院生命工学工業技術研究所(あて名:〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)]に平成12年9月14日より寄託しているものである。このマツタケFERM BP−7304株は、京都府亀岡市で採取したマツタケCM6271株から子実体組織を切り出し、試験管内で培養することにより、菌糸体継代株を得たものであり、呉羽化学工業株式会社生物医学研究所で維持している。
マツタケをアルカリ溶液又は熱水で抽出する工程(以下、抽出工程と称する)、
得られた抽出液を陰イオン交換樹脂に吸着させる工程(以下、陰イオン交換樹脂吸着工程と称する)、
前記陰イオン交換樹脂から、適当な溶離液により吸着画分を溶出する工程(以下、溶出工程と称する)、
前記溶出工程において、以下に示す溶出条件で溶出された所定画分を、ゲル濾過により分画し、分子量50〜70kDaの画分を取得する工程(以下、ゲル濾過分画工程と称する)
を含む製造方法により、調製することができる。なお、本発明の糖タンパク質には、前記製造方法により調製された糖タンパク質が含まれるだけでなく、前記製造方法により調製された糖タンパク質と同じ性質を示す糖タンパク質である限り、前記製造方法以外の製法で調製された糖タンパク質も含まれる。
抽出工程で熱水を用いる場合には、その熱水の温度は、60〜100℃であることが好ましく、80〜98℃であることがより好ましい。また、抽出の際には、抽出効率が向上するように、撹拌又は振盪しながら実施することが好ましい。抽出時間は、例えば、マツタケの状態(すなわち、子実体、菌糸体、又は培養物のいずれの状態であるか、あるいは、破砕物又は粉体の状態に加工した場合にはその加工状態)、熱水の温度、又は撹拌若しくは振盪の有無若しくは条件に応じて、適宜決定することができるが、通常、1〜6時間であり、2〜3時間であることが好ましい。
前記脱脂工程に用いる有機溶媒としては、例えば、脂溶性有機溶媒(例えば、クロロホルム、メタノール、エーテル、エタノール、酢酸エチル、又はヘキサン等)又はそれらの混合物(例えば、クロロホルムとメタノールとの混合液)を用いることができ、クロロホルムとメタノールとの混合液が好ましい。前記有機溶媒としてクロロホルムとメタノールとの混合液を使用する場合には、その混合比[クロロホルム:メタノール(v/v)]は、例えば、10:1〜1:10であることができる。脱脂工程は、15〜30℃の温度で実施することが好ましい。
例えば、前記吸着工程において、陰イオン交換樹脂として、例えば、DEAE TOYOPEARL PAK 650M充填カラム(φ22mm,h20cm)]を使用し、吸着させるサンプルを50mmol/L−Tris−HCl緩衝液(pH7.2)に溶解させてアプライした場合、溶出工程において、溶出液A(50mmol/L−Tris−HCl緩衝液)及び溶出液B(1mol/L塩化ナトリウム含有50mmol/L−Tris−HCl緩衝液)のリニアグラジエント溶出を流速5mL/minで行い、12分〜15分(液量15mL)に溶出される画分を、次のゲル濾過分画工程に使用することができる。
本発明の医薬組成物、特には、本発明の免疫増強剤、ストレス負荷回復促進剤、又は抗腫瘍剤は、有効成分として、本発明の糖タンパク質を含有する。
本発明の免疫増強剤、ストレス負荷回復促進剤、又は抗腫瘍剤は、有効成分としての本発明の糖タンパク質を、薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる通常の担体又は希釈剤と共に、動物、好ましくは哺乳動物(特にはヒト)に投与することができる。すなわち、本発明の組成物(好ましくは医薬組成物)、例えば、本発明の免疫増強組成物(好ましくは免疫増強医薬組成物)、ストレス負荷回復促進組成物(好ましくはストレス負荷回復促進医薬組成物)、又は抗腫瘍組成物(好ましくは抗腫瘍医薬組成物)は、有効成分としての本発明の糖タンパク質と、薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる担体又は希釈剤とを含有する。
本発明の免疫増強剤による治療又は予防の対象となる疾病としては、例えば、癌、感染症、自己免疫疾患、慢性疲労症候群、又は生活習慣症などを挙げることができる。
また、本発明における有効成分である、本発明の糖タンパク質は、免疫増強組成物(好ましくは免疫増強医薬組成物)、免疫増強健康食品(好ましくは免疫増強機能性食品)、あるいは、免疫増強用のオーラル衛生用組成物を製造するために使用することができる。
本発明における有効成分である、本発明の糖タンパク質は、それ単独で、あるいは、好ましくは薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる通常の担体又は希釈剤と共に、ストレス負荷に対する回復促進が必要な対象に、有効量で投与することができる。
また、本発明における有効成分である、本発明の糖タンパク質は、ストレス負荷に対する回復促進組成物(好ましくは、ストレス負荷に対する回復促進医薬組成物)、ストレス負荷に対する回復促進健康食品(好ましくは、ストレス負荷に対する回復促進機能性食品)、あるいは、ストレス負荷に対する回復促進用のオーラル衛生用組成物を製造するために使用することができる。
本発明のストレス負荷回復促進剤の投与時期は、ストレス負荷により一時的に低下した免疫力を、その投与により回復促進可能である限り、特に限定されるものではなく、例えば、ストレス負荷の前、ストレス負荷中、及び/又はストレス負荷から開放した後の免疫力回復期に投与することができる。
また、本発明における有効成分である、本発明の糖タンパク質は、抗腫瘍組成物(好ましくは抗腫瘍医薬組成物)、抗腫瘍健康食品(好ましくは抗腫瘍機能性食品)、あるいは、抗腫瘍用のオーラル衛生用組成物を製造するために使用することができる。
例えば、注射剤の調製においては、有効成分の他に、例えば、生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶剤、植物油若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤などを任意に用いることができる。
また、本発明の医薬組成物は、徐放性ポリマーなどを用いた徐放性製剤の手法を用いて投与してもよい。例えば、本発明の医薬組成物をエチレンビニル酢酸ポリマーのペレットに取り込ませて、このペレットを治療又は予防すべき組織中に外科的に移植することができる。
本発明の医薬組成物を用いる場合の投与量は、病気の種類、患者の年齢、性別、体重、症状の程度、又は投与方法などに応じて適宜決定することができ、経口的に又は非経口的に投与することが可能である。
食品には、(1)栄養素としての働き(第一次機能)、(2)人間の五感に訴える働き(第2次機能)の他に、(3)人間の健康、身体能力、又は心理状態に好ましい影響を与える働き(第3次機能)、例えば、消化器系、循環器系、内分泌系、免疫系、又は神経系などの生理系統を調節して、健康の維持や健康の回復に好ましい効果を及ぼす働きがあることが知られている。本明細書において「健康食品」とは、健康に何らかの効果を与えるか、あるいは、効果を期待することができる食品を意味し、「機能性食品」とは、前記「健康食品」の中でも、前記の種々の生体調節機能(すなわち、消化器系、循環器系、内分泌系、免疫系、又は神経系などの生理系統の調節機能)を充分に発現することができるように設計及び加工された食品を意味する。
後述の実施例2で実施したマツタケFERM BP−7304株菌糸体及びそれに由来する各画分の活性の評価方法として、(1)ストレス負荷に対するナチュラルキラー[Natural Killer(以下、NKと称する)]細胞の回復促進活性、及び(2)ヒト遺伝子組み替えトランスフォーミング増殖因子[Transforming
Growth Factor-β1(以下、TGF−β1と称する)]結合活性を用いた。
ストレス負荷に対するNK細胞活性回復促進活性は、評価用サンプルをマウスに10日間経口投与した後、拘束ストレスを18時間負荷し、ストレス解放後のNK細胞活性を測定することにより、評価した。
具体的には、日本チャールズリバーから購入した8週齢雄性C57BL/6マウス(各群=5匹)に、評価用サンプルの水溶液を10日間に亘って、通常の飼育ケージ中で経口投与(マツタケ菌糸体の300mg/kg/日相当量)した。続いて、マウスを前記飼育ケージから取り出し、空気抜けの穴を開けた50mL容のキャップ付きポリプロピレン製遠心用チューブ(カタログ番号2341-050;テクノグラス社)にマウスを1匹ずつ閉じ込めた。このチューブ中に閉じ込められたマウスは、身動きができない状態となった。次に、それらのチューブを飼育用ケージに戻し、18時間その状態で放置することにより、拘束ストレスを与えた。18時間のストレスの後、チューブからマウスを取り出し、飼育用ケージに戻し、普通の環境下で飼育した。
すなわち、マウスから脾臓を無菌的に取り出し、ハンクス平衡塩類溶液(Hanks
Balanced Salt Solution)を入れた無菌シャーレに移した。はさみとピンセットとでリンパ節をほぐした後、メッシュを通してリンパ球の単細胞液を調製した。10%牛胎児血清(56℃で30分間の熱処理を実施)添加RPMI1640培地で細胞を3回洗浄した後、20mmol/Lの4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルフォン酸、及び20μg/mLゲンタマイシンをそれぞれ添加したRPMI1640培地で、細胞濃度を5x106個/mLに調整して得た細胞懸濁液をエフェクター細胞として用いた。
[S.L.]={(B−Bf)/(Bmax−Bf)}x100
[式中、Bは実験群上清の放射活性(単位=Bq)であり、Bfは自然遊離群上清の放射活性(単位=Bq)であり、Bmaxは最大遊離群の放射活性(単位=Bq)である]
から算出し、エフェクター細胞107個当り30%の腫瘍細胞を傷害する細胞数、すなわち、「30%傷害単位(Lytic Units 30%;LU30)」でNK細胞活性を算出した。そして、評価用サンプルのNK細胞活性値が、対照の蒸留水投与群のNK細胞活性値に対し、有意に促進されている場合(p<0.05)に「促進活性あり」、有意差がない場合(p>0.05)に「促進活性なし」と表示した。
TGF−β1結合活性は、TGF−β1標品と評価用サンプルとを試験管内で2時間反応させた後、酵素免疫測定法により、結合TGF−β1を定量することにより、評価した。
具体的には、タンパク質吸着の少ないポリプロピレンチューブ(マルチシリコナイズチューブ,Safe Seal Microcentrifuge Tube;フナコシ)中で、TGF−β1標品(フナコシ)を2%アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.2)に溶解し、100ng/mL溶液に調整した。一方、評価用サンプルを2%アルブミン含有リン酸緩衝液に溶解させ、2mg/mL濃度に調整した。前記TGF−β1溶液と評価用サンプル溶液の段階希釈溶液とを0.5mLずつ、タンパク質吸着の少ないチューブに入れ、22℃で3時間反応させた。反応終了後、反応液中のTGF−β1含量を市販の測定キット(Quantikine
human TGF-β1 ELISA kit;フナコシ)を用いて測定した。
[結合率(%)]={(Tc−T)/Tc}x100
[式中、Tは評価用サンプル添加群のTGF−β1実測値(単位=ng/mL)であり、Tcは2%アルブミン含有リン酸緩衝液添加群のTGF−β1実測値(単位=ng/mL)である]により算出した。そして、評価用サンプルのTGF−β1結合率が、30%以上の場合に「結合活性あり」、30%以下の場合に「結合活性なし」と表示した。
マツタケFERM BP−7304株菌糸体の乾燥粉末(ロット番号:M65T1Y1)2.0gを、500mL容の三角フラスコに入れ、これに0.2mol/Lの水酸化ナトリウム100mLを添加し、23℃でスターラー攪拌下、1時間抽出した。遠心分離(12000rpm,30分間,4℃)の後、1.0mol/Lの塩酸でpHを7.0に調整し、上清(アルカリ抽出液)と沈殿(アルカリ抽出残渣)を回収した。アルカリ抽出液を、500mL容の分液ロートに入れ、次いでクロロホルムとメタノールとの混合液[1:1(v/v);以下、ChMeと称する]を100mL加え、23℃で抽出した。水層部とChMe層部をそれぞれ回収し、凍結乾燥を実施し、それぞれの粉末0.5gと0.05gを得た。生物活性は水層部にみられた(表1)。
その結果、図1に示すようなパターンを示した。得られたピークを5つに分け、各画分を分画分子量13000の透析膜中(外液は蒸留水)で20時間以上透析した後、各透析膜内画分について、それぞれの生物活性を測定したところ、活性はフラクションBにみられた(表2)。
(1)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析
実施例2で得られたPGの5μgを水10μLに溶解した後、泳動バッファー(0.25mol/L−Tris−HCl,2%SDS,10%メルカプトエタノール,30%グリセロール,0.01%ブロモフェノールブルー)10μLを加え、65℃で15分間熱変性させ、電気泳動を実施した。条件は以下のとおりである。
・ゲル:PAGミニ「第一」15/25(第一化学)
・泳動用緩衝液:トリスグリシン・ランニングバッファー(第一化学)
・泳動条件:35mAで60分間泳動を行った。
・MWマーカー:各バンド(MW=97400,66300,42400)(第一化学)
・染色:銀染色
その結果、図6に示すように、分子量が約60kDa付近に1本のスポットが検出された。
酸加水分解は、以下の手順で実施した。すなわち、PG6.30mgを秤量し、純水3.15mLに溶解した後、0.22μmのフィルターで濾過し、2mg/mLの溶液を得た。この溶液200μLをガラス試験管に採取し、エバポレーターで減圧乾固した。次いで、6mol/L塩酸200μLを添加し、110℃で22時間加水分解の後、エバポレーターで減圧乾固して残渣を得た。残渣を純水100μLに溶解し、その50μLをアミノ酸分析に用いた。
アミノ酸分析の装置として日立L−8500型アミノ酸分析計(日立製作所)を使用し、ニンヒドリン発色により定量した。
PGをPVDF(polyvinylidene difluoride)膜にブロッティング後、電気泳動後のゲルをPVDF膜に載せ、50mAで2時間、ブロッティングした。なお、ブロッティングバッファーには、電気泳動バッファーに10%容量のメタノールを加えた溶液を用いた。ブロッティング後、クーマシーブリリアントブルー(CBB)染色液[2.5%(w/v)CBB R−250,25%(w/v)エタノール,10%(w/v)酢酸]中で15分間振盪後、脱色液[25%(w/v)エタノール,10%(w/v)酢酸]で余分な染色が取れるまで脱色を行った。そして、目的のバンドを切り出し、アミノ酸シーケンス分析に用いた。
・プロテインシーケンサー:Procise cLC 492cLC(アプライドバイオシステムズ)
・PTHアナライザー:140D(アプライドバイオシステムズ)
・UV検出器:S200(アプライドバイオシステムズ)
・分析プログラム:Pulsed-liquid ProSorb cLC
検体(PG約3mg)に精製水を添加して2mg/mLとし、測定に使用した。
測定装置として、JASCOJ−500Aを使用し、溶媒として水を使用した。波長範囲200〜250nm、セル長1mm、温度は室温(23℃)であり、積算回数は8回である条件で測定した。
得られたCDスペクトルを図7に示す。2次構造解析の結果、αへリックス21%、βシート34%であり、残りは不規則構造と推定された。
PG6.30mgを秤量し、純水3.15mLに溶解した後、0.22μmのフィルターで濾過し、2mg/mLの溶液を得た。この溶液500μLをガラス試験管に採取し、エバポレーターで減圧乾固した。次いで、2mol/Lのトリフルオロ酢酸200μLを添加し、100℃で6時間加水分解した後、エバポレーターで減圧乾固して残渣を得た。残渣を純水200μLに溶解し、更に、純水で20倍又は200倍希釈した。この溶液50μLに内部標準物質ヘプトース500ngを添加し、カラムTSK−gel Sugar AXG 15cmx4.6mm ID(東ソー)と検出器分光光度計RF−535(島津製作所)とを装着した高速液体クロマト装置LC−9A(島津製作所)にアプライした。カラム温度は70℃であり、移動相及びその流速は0.5mol/Lホウ酸カリウム緩衝液(pH8.7)及び0.4mL/分であった。ポストカラム標識の条件は、反応試薬として1%アルギニン/3%ホウ酸を用い、流速は0.5mL/分であり、反応温度は150℃であり、検出波長はEx320nm及びEM430nmであった。
PGの中性糖組成は、多い方から順に、グルコース561.45μg/mg、マンノース16.68μg/mg、ガラクト−ス42.65μg/mg、及びフコース9.57μg/mgであった。なお、キシロースは検出限界以下であった。
PGのアミノ糖組成は、グルコサミン0.36μg/mgであった。なお、マンノサミンは検出限界(0.2μg/mg)以下であった。
前記実施例3(2)のPG加水分解により得られたアミノ酸量を基に、タンパク質含有量を算出すると、38.42μg/mgの値になった。
前記実施例3(5)のPGの加水分解により得られた単糖量を基に、糖質含有量を算出すると、628.72μg/mgの値になった。
(i)PGの1H一次元NMR分析
PG11.6mgにD2O2.5mLを加え、超音波で約5分間処理した。サンプル溶液には少し濁りがあった。1H NMRの測定条件は以下のとおりとした。すなわち、測定装置としては、Unity plus 500型(Varian社)を使用し、観測周波数は500.2MHz(1H核)である。溶媒としてD2O溶液を使用し、濃度は飽和溶液である。標準としてアセトン2.225ppmを用い、温度は25℃と45℃、観測幅8kHz、データ点64K、パルス幅約45°、パルス繰り返し時間5.5秒、積算回数を128回とした。
PG糖質部の構造解析のため、タンパク質部をヒドラジン処理により除いたサンプル(以下、ヒドラジン処理PGと称する)を調製した。すなわち、PGを試験管(φ5mmxh50mm)に入れ、ヒドラグラフ(生化学工業)内にセットし、50℃で5時間真空乾燥した。次いで、無水ヒドラジン2mLを添加して100℃で2時間加熱することにより、気相ヒドラジン分解を行った。ヒドラジンを留去し、残渣を純水0.5mLに溶解し、純水を外液にして一晩透析した。透析内液をエバポレーターにて減圧乾固し、NMR測定用試料とした。サンプル濃度が7.7mg/2.5mLであること以外は、測定条件は実施例3(8)(i)と同じである。
グルコースの1位のプロトンに特徴的な4.5ppm〜5.5ppmに着目すると、5.4ppm付近がグルコースのα1位と考えられる。また、4.7ppm〜5.2ppm付近のピーク(45℃での4.78ppmのピークも含む)はβ1位またはグルコース以外の糖由来と推定される。
PGを、約11.6mg/2.5mLになるように、D2Oに溶解した。サンプル溶液には少し濁りがあった。13C NMRの測定条件は以下のとおりである。すなわち、観測周波数は125.8MHzであり、基準はアセトン(30.5ppm)、温度は25℃、観測幅は31.4KHz、データ点は128K、パルス幅は約45°、パルス繰り返し時間は4.0秒、積算回数40000、1H完全デカップリングである条件で測定を実施した。
100.1ppmのピークは、グルコースの1位の炭素で、α型でグルシド結合したものと考えられ、1H NMRの結果を支持している。
1位以外については、60〜80ppmのピークの化学シフトを解析した。グルコース単糖又は2糖の化学シフトを解析すると、グルコースのα2位及び4位の炭素がグルシド結合していると考えられ、結合様式は、α1−2又はα1−4と推定された。
得られたスペクトルを図11に示す。13C NMRについては、実施例3(8)(iii)よりもS/N比がやや改善したスペクトルが観測され、化学シフト値はほぼ同様であった。実施例3(8)(iii)にあった60.7ppmの大きなピークはなくなった。
65ppm〜80ppmのピークは均一でないことから、糖の結合様式は不均一であると推定された。100.0ppmのピークは、グルコースの1位の炭素で、α型でグルシド結合したものと考えられ、1H NMRの結果を支持している。
1位以外については、60ppm〜80ppmのピークの化学シフトを解析した。グルコース単糖又は2糖の化学シフトと比較すると、グルコースのα2位及び4位の炭素がグルシド結合している可能性が実施例3(8)(iii)と同様考えられ、結合様式はα1−2又はα1−4と推定された。
PG糖質部を、粉末水酸化ナトリウム存在下、ヨウ化メチルで完全メチル化し、生成したメチル化多糖を単糖に分解し、得られたメチル化単糖を還元アセチル化し、部分メチル化糖アルコールのアセチル誘導体(部分メチル化アルジトールアセテート)の形にしてガスクロマトグラフィー(GC)及びガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)測定により誘導体の同定を行い、組成比を求めた。
Glc 1 →;1→6結合のグルコース、→4,6 Glc 1→; 1→4結合と→6結合のグルコース、→2,4 Glc1→;1→2結合と→4結合のグルコース
PG6.65mgを1.5mL容ポリチューブに秤量後、メタノール0.2mLを加えた。Speed Vacを用い、これを減圧乾燥し、乾燥物試料6.22mgをガラス製ネジ付き試験管内に移した。これに、5%塩酸・メタノール溶液1mLを加え、オーブン内で90℃、16時間加熱反応させることにより、PG中に存在する脂肪酸のトリグリセライドを脂肪酸メチルエステルに変換した。メタノリシス終了後、ヘキサン1mLを加えて激しく振り混ぜ、静置した後にヘキサン層を回収し、窒素パージで乾固後、クロロホルム(内部標準としてペンタデカン酸メチルを約0.01%含む)1.0mLに再溶解した。この溶液を、以下に記載する通り、GC法により測定した。
一方、定性用標準品として、以下の2種類の標準溶液(溶媒:クロロホルム)を用いた。(1)C14〜C18の飽和脂肪酸、及び1〜3価不飽和脂肪酸のメチルエステル混合溶液。(2)C20〜C26の飽和脂肪酸、及び1価不飽和脂肪酸のメチルエステル混合溶液。
[脂肪酸量]=[脂肪酸メチルとして得られた定量結果]x[遊離脂肪酸分子量/脂肪酸
メチル分子量]
その結果、PGの脂肪酸組成は、多い方から順に、ステアリン酸(C18:0)1.86μg/mg、パルミチン酸(C16:0)1.84μg/mg、オレイン酸[C18:1(9)]1.52μg/mg、リノール酸[C18:2(9,12)]0.94μg/mg、及びミリスチン酸(C14:0)0.55μg/mgであった。
赤外分光分析は、KBr法により実施した。より具体的には、PG1mgとKBr粉末10mgとを均質に混合した後、プレスして円盤状に成型し、FTIR VAKOR−III型[日本分光(株)]を用いて測定を実施した。得られたIRスペクトルを図12に示す。
PGを純水に溶解し、50mg/mL濃度で測定した。装置として、Bio Spec 1600(島津製作所)を使用した。得られたUVスペクトルを図13に示す。
日本チャールズリバー(神奈川)から購入した6週齢の雄性C57BL/6Nマウスの腋窩部皮下に、メラノーマB16を1×106個/0.2mLハンクス平衡塩溶液/匹移植した(1群6匹)。なお、メラノーマB16は、C57BL/6マウスの皮膚に発生した腫瘍に由来する腫瘍細胞株(An NY Acad. Sci 100: 762-790, 1963)であり、本実施例では、東北大学・加齢医学研究所付属医用細胞資源センター(保管番号:TKG0144)から入手し、呉羽化学工業株式会社・生物医学研究所において、C57BL/6Nマウスの腋窩部皮下で継代・維持している細胞を使用した。
移植24時間後から、実施例2で得られたPG(生理食塩水に溶解)を125mg/kg又は250mg/kg量、隔日に10回、腹腔内注射した。対照として、検体溶液の代わりに、生理食塩水0.2mLを用いた。
移植後、毎日生死を観察した。結果を図14に示す。平均生存期間を求めたところ、対照群の平均生存日数(平均値±SE):15.5±1.2日に対し、検体125mg/kg及び250mg/kg投与群のそれは、それぞれ、19.0±2.6日及び20.5±1.9日であり、検体投与により生存期間は延長された。
チャールズリバー(神奈川)から購入した6週齢の雌性C3H/HeNマウスの腋窩部皮下に、形質細胞腫X5563を1×106個/0.2mLハンクス平衡塩溶液/匹移植した(1群6匹)。なお、形質細胞腫X5563は、C3H/Heマウス回盲部に発生した腫瘍に由来する腫瘍細胞株(JNCI 24: 1153-1165, 1960)であり、本実施例では、東北大学・加齢医学研究所付属医用細胞資源センター(保管番号:TKG0174)から入手し、呉羽化学工業株式会社・生物医学研究所において、C3H/HeNマウスの腹腔内で継代・維持している細胞を使用した。
移植24時間後から、実施例2で得られたPG(生理食塩水に溶解)を125mg/kg又は250mg/kg量、隔日に10回、腹腔内注射した。対照として、検体溶液の代わりに、生理食塩水0.2mLを用いた。
移植後、60日間毎日生死を観察したところ、対照群の60日生存率50%(3/6)に対し、検体125mg/kg及び250mg/kg投与群のそれは、それぞれ、100%(6/6)及び67%(4/6)であり、検体投与により生存率の向上がみられた。更に、生存個体においても、図15に示すとおり、腫瘍サイズは、検体投与により明らかに抑制された。
日本クレア(東京)から購入した5週齢の雌性ICRマウスの腋窩部皮下に、サルコーマ180[Sarcoma 180 (S180)]を1×106個/0.2mLハンクス平衡塩溶液/匹移植した(1群10匹)。なお、サルコーマ180は、アルビノマウス由来の肉腫に由来する腫瘍細胞株(Cancer
Res 20: 930-939, 1969)であり、本実施例では、東北大学・加齢医学研究所付属医用細胞資源センター(保管番号:TKG0173)から入手し、呉羽化学工業株式会社・生物医学研究所において、ICRマウスの腹腔内で継代・維持している細胞を使用した。
移植24時間後から、実施例2で得られたPG(生理食塩水に溶解)を125mg/kg又は250mg/kg量、隔日に10回、腹腔内注射した。対照として、検体溶液の代わりに、生理食塩水0.2mLを用いた。
移植後25日目に、マウスをと殺し、腫瘍結節を取り出して重量を測定したところ、対照群の腫瘍結節重量[平均値±標準誤差(SE)]:1.05±0.22gに対し、検体125mg/kg及び250mg/kg投与群のそれは、それぞれ、0.01±0.01g及び0.00±0.00gであり、検体投与により、腫瘍増殖は明らかに抑制された。
日本クレア(東京)から購入した5週齢の雌性ICRマウスの腋窩部皮下に、エールリッヒ癌(Ehrlich)を1×106個/0.2mLハンクス平衡塩溶液/匹移植した(1群10匹)。なお、エールリッヒ癌は、ddYマウスに発生した乳腺腫瘍に由来する腫瘍細胞株(JNCI
13: 1299-1377, 1953)であり、本実施例では、東北大学・加齢医学研究所付属医用細胞資源センター(保管番号:TKG0147)から入手し、呉羽化学工業株式会社・生物医学研究所において、ICRマウスの腹腔内で継代・維持している細胞を使用した。
移植24時間後から、実施例2で得られたPG(生理食塩水に溶解)を125mg/kg又は250mg/kg量、隔日に10回、腹腔内注射した。対照として、検体溶液の代わりに、生理食塩水0.2mLを用いた。
移植後25日目に、マウスをと殺し、腫瘍結節を取り出して重量を測定したところ、対照群の腫瘍結節重量(平均値±SE):1.96±0.50gに対し、検体125mg/kg及び250mg/kg投与群のそれは、それぞれ、0.01±0.01g及び0.48±0.33gであり、検体投与により、腫瘍増殖は明らかに抑制された。
日本チャールズリバー(神奈川)から購入した6週齢の雄性Donryuラットの腹腔内に、吉田肉腫(YS)を1×106個/0.2mLハンクス平衡塩溶液/匹移植した(1群6匹)。なお、吉田肉腫は、o−アミノアゾトルエンを3箇月間与え、亜ヒ素酸アルコールを塗布することにより発生した腫瘍に由来する腫瘍細胞株(Proc Imp Acad Tokyo 20: 611-618, 1944)であり、本実施例では、東北大学・加齢医学研究所付属医用細胞資源センター(保管番号:TKG0088)から入手し、呉羽化学工業株式会社・生物医学研究所において、Donryuラットの腹腔内で継代・維持している細胞を使用した。
移植24時間後から、実施例2で得られたPG(生理食塩水に溶解)を125mg/kg又は250mg/kg量、隔日に4回、腹腔内注射した。対照として、検体溶液の代わりに、生理食塩水0.2mLを用いた。
移植後、毎日生死を観察し、平均生存期間を求めたところ、対照群の平均生存日数(平均値±SE):8.3±0.3日に対し、検体125mg/kg及び250mg/kg投与群のそれは、それぞれ、9.0±0.4日及び7.5±1.1日であり、検体125mg/kg投与により、生存期間は延長される傾向にあった。
日本チャールズリバー(神奈川)から購入した6週齢のCDF1マウスの腋窩部皮下に、白血病P388を1×106個/0.2mLハンクス平衡塩溶液/匹移植した(1群6匹)。なお、白血病P388は、DBA/2マウスをメチルコランスレン処置することにより発生した白血病に由来する腫瘍細胞株(Am J Pathol 33: 603, 1957)であり、本実施例では、東北大学・加齢医学研究所付属医用細胞資源センター(保管番号:TKG0326)から入手し、呉羽化学工業株式会社・生物医学研究所において、CDF1マウスの腹腔内で継代・維持している細胞を使用した。
移植24時間後から、実施例2で得られたPG(生理食塩水に溶解)を125mg/kg又は250mg/kg量、隔日に4回、腹腔内注射した。対照として、検体溶液の代わりに、生理食塩水0.2mLを用いた。
移植後、毎日生死を観察し、平均生存期間を求めたところ、対照群の平均生存日数(平均値±SE):17.3±2.2日に対し、検体125mg/kg及び250mg/kg投与群のそれは、それぞれ、18.3±2.4日及び19.6±1.7日であり、検体投与により、生存期間は延長傾向にあった。
日本チャールズリバー(神奈川)から購入した6週齢のC57BL/6N雄マウスの腋窩部皮下に、白血病EL4を1×106個/0.2mLハンクス平衡塩溶液/匹移植した(1群6匹)。なお、白血病EL4は、マウスをジメチルベンズアントラセン(DMBA)処置することにより膵臓に発生したリンホーマに由来する腫瘍細胞株(Cancer Res 16: 338-343, 1956)であり、本実施例では、東北大学・加齢医学研究所付属医用細胞資源センター(保管番号:TKG0150)から入手し、呉羽化学工業株式会社・生物医学研究所において、C57BL/6Nマウスの腹腔内で継代・維持している細胞を使用した。
移植24時間後から、実施例2で得られたPG(生理食塩水に溶解)を125mg/kg又は250mg/kg量、隔日に4回、腹腔内注射した。対照として、検体溶液の代わりに、生理食塩水0.2mLを用いた。
移植後、毎日生死を観察し、平均生存期間を求めたところ、対照群の平均生存日数(平均値±SE):12.0±0.4日に対し、検体125mg/kg及び250mg/kg投与群のそれは、それぞれ、13.0±0.0日及び11.8±0.3日であり、検体125mg/kg投与により、生存期間は延長傾向にあった。
日本チャールズリバー(神奈川)から購入した6週齢の雄性Donryuラットの腹腔内に、肝癌AH13を1×106個/0.2mLハンクス平衡塩溶液/匹移植した(1群6匹)。なお、肝癌AH13は、ラットをジメチルアミノアゾベンゼン(DAB)処置することにより肝臓に発生した腫瘍に由来する腫瘍細胞株(病理学会誌 11: 147-168, 1967)であり、本実施例では、東北大学・加齢医学研究所付属医用細胞資源センター(保管番号:TKG0011)から入手し、呉羽化学工業株式会社・生物医学研究所において、Donryuラットの腹腔内で継代・維持している細胞を使用した。
移植24時間後から、実施例2で得られたPG(生理食塩水に溶解)を125mg/kg又は250mg/kg量、隔日に4回、腹腔内注射した。対照として、検体溶液の代わりに、生理食塩水0.2mLを用いた。
移植後、毎日生死を観察したところ、対照群の12日生存率17%(1/6)に対し、検体125mg/kg及び250mg/kg投与群のそれは、いずれも67%(4/6)であり、検体投与により生存期間は延長された。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
PG糖質部の構造解析のため、タンパク質部をヒドラジン処理により除いたサンプル(以下、ヒドラジン処理PGと称する)を調製した。すなわち、PGを試験管(φ5mmxh50mm)に入れ、ヒドラクラブ(生化学工業)内にセットし、50℃で5時間真空乾燥した。次いで、無水ヒドラジン2mLを添加して100℃で2時間加熱することにより、気相ヒドラジン分解を行った。ヒドラジンを留去し、残渣を純水0.5mLに溶解し、純水を外液にして一晩透析した。透析内液をエバポレーターにて減圧乾固し、NMR測定用試料とした。サンプル濃度が7.7mg/2.5mLであること以外は、測定条件は実施例3(8)(i)と同じである。
100.1ppmのピークは、グルコースの1位の炭素で、α型でグルコシド結合したものと考えられ、1H NMRの結果を支持している。
1位以外については、60〜80ppmのピークの化学シフトを解析した。グルコース単糖又は2糖の化学シフトを解析すると、グルコースのα2位及び4位の炭素がグルコシド結合していると考えられ、結合様式は、α1−2又はα1−4と推定された。
得られたスペクトルを図11に示す。13C NMRについては、実施例3(8)(iii)よりもS/N比がやや改善したスペクトルが観測され、化学シフト値はほぼ同様であった。実施例3(8)(iii)にあった60.7ppmの大きなピークはなくなった。
65ppm〜80ppmのピークは均一でないことから、糖の結合様式は不均一であると推定された。100.0ppmのピークは、グルコースの1位の炭素で、α型でグルコシド結合したものと考えられ、1H NMRの結果を支持している。
1位以外については、60ppm〜80ppmのピークの化学シフトを解析した。グルコース単糖又は2糖の化学シフトと比較すると、グルコースのα2位及び4位の炭素がグルコシド結合している可能性が実施例3(8)(iii)と同様考えられ、結合様式はα1−2又はα1−4と推定された。
Claims (12)
- 下記の性質を有する糖タンパク質。
(a)分子量:約60kDa(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による)。
(b)糖質とタンパク質との含有比率:(糖質:タンパク質)16.4:1.0。 - (1)マツタケをアルカリ溶液又は熱水で抽出する工程、
(2)得られた抽出液を陰イオン交換樹脂に吸着させる工程、
(3)前記陰イオン交換樹脂から、溶離液により吸着画分を溶出する工程、及び
(4)前記溶出工程で得られた溶出画分を、ゲル濾過により分画し、分子量50〜70kDaの画分を取得する工程
を含む製造方法により調製することのできる、糖タンパク質。 - 請求項1又は2に記載の糖タンパク質と、薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる担体又は希釈剤とを含有する、医薬組成物。
- 請求項1又は2に記載の糖タンパク質を有効成分として含有することを特徴とする、免疫増強剤。
- 請求項1又は2に記載の糖タンパク質を有効成分として含有することを特徴とする、ストレス負荷回復促進剤。
- 請求項1又は2に記載の糖タンパク質を有効成分として含有することを特徴とする、抗腫瘍剤。
- 請求項1又は2に記載の糖タンパク質を、免疫増強が必要な対象に、有効量で投与することを含む、免疫増強方法。
- 請求項1又は2に記載の糖タンパク質を、ストレス負荷回復促進が必要な対象に、有効量で投与することを含む、ストレス負荷回復促進方法。
- 請求項1又は2に記載の糖タンパク質を、腫瘍の治療又は予防が必要な対象に、有効量で投与することを含む、腫瘍を治療又は予防する方法。
- 請求項1又は2に記載の糖タンパク質の、免疫増強剤又は免疫増強用医薬組成物を製造するための使用。
- 請求項1又は2に記載の糖タンパク質の、ストレス負荷回復促進剤又はストレス負荷回復促進用医薬組成物を製造するための使用。
- 請求項1又は2に記載の糖タンパク質の、抗腫瘍剤又は抗腫瘍用医薬組成物を製造するための使用。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003353419 | 2003-10-14 | ||
JP2003353419 | 2003-10-14 | ||
PCT/JP2004/015057 WO2005035571A1 (ja) | 2003-10-14 | 2004-10-13 | 新規の糖タンパク質及びそれを含有する医薬組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2005035571A1 true JPWO2005035571A1 (ja) | 2007-11-22 |
Family
ID=34431157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005514633A Pending JPWO2005035571A1 (ja) | 2003-10-14 | 2004-10-13 | 新規の糖タンパク質及びそれを含有する医薬組成物 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20070066515A1 (ja) |
EP (1) | EP1686136A4 (ja) |
JP (1) | JPWO2005035571A1 (ja) |
WO (1) | WO2005035571A1 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001049308A1 (fr) * | 2000-01-05 | 2001-07-12 | Kureha Chemical Industry Co., Ltd. | Nouvelles compositions de renforcement de l'immunité |
WO2002030440A1 (fr) * | 2000-10-11 | 2002-04-18 | Kureha Chemical Industry Co., Ltd. | Compositions medicinales favorisant le retablissement d'une surcharge et nouvelle souche de champignon matsutake |
WO2003070264A1 (fr) * | 2002-02-22 | 2003-08-28 | Kureha Chemical Industry Co., Ltd. | Fraction adsorbee sur une resine echangeuse d'anions, immunopotentiateur et promoteur pour sa recuperation a partir du stress applique provenant du champignon matsutake |
JP2004210695A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 癌予防剤および食品 |
JP2004210694A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 感染予防・治療剤および食品 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2767521B2 (ja) * | 1992-09-04 | 1998-06-18 | 農林水産省食品総合研究所長 | 新規抗腫瘍性蛋白質とその製造法および該蛋白質を有効成分として含有する抗腫瘍剤 |
-
2004
- 2004-10-13 WO PCT/JP2004/015057 patent/WO2005035571A1/ja not_active Application Discontinuation
- 2004-10-13 JP JP2005514633A patent/JPWO2005035571A1/ja active Pending
- 2004-10-13 EP EP04817163A patent/EP1686136A4/en not_active Withdrawn
- 2004-10-13 US US10/575,491 patent/US20070066515A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001049308A1 (fr) * | 2000-01-05 | 2001-07-12 | Kureha Chemical Industry Co., Ltd. | Nouvelles compositions de renforcement de l'immunité |
WO2002030440A1 (fr) * | 2000-10-11 | 2002-04-18 | Kureha Chemical Industry Co., Ltd. | Compositions medicinales favorisant le retablissement d'une surcharge et nouvelle souche de champignon matsutake |
WO2003070264A1 (fr) * | 2002-02-22 | 2003-08-28 | Kureha Chemical Industry Co., Ltd. | Fraction adsorbee sur une resine echangeuse d'anions, immunopotentiateur et promoteur pour sa recuperation a partir du stress applique provenant du champignon matsutake |
JP2004210695A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 癌予防剤および食品 |
JP2004210694A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 感染予防・治療剤および食品 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6010037214, 星裕孝, 外5名, "担子菌マツタケ(Tricholoma matsutake)菌糸体からの免疫賦活成分の分離と構造解析", 日本農芸化学会2004年度(平成16年度)大会講演要旨集, 20040305, p.215 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20070066515A1 (en) | 2007-03-22 |
EP1686136A4 (en) | 2006-12-20 |
WO2005035571A1 (ja) | 2005-04-21 |
EP1686136A1 (en) | 2006-08-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009209151A (ja) | 新規免疫増強組成物 | |
Choong et al. | Extraction and fractionation of polysaccharides from a selected mushroom species, Ganoderma lucidum: A critical review | |
EP0058093B1 (en) | Glycoprotein having anti-tumour and lectin-like activity | |
US20240216407A1 (en) | Novel polyphenol compound | |
EP2522356B1 (en) | Bioactive fraction of petiveria alliacea, pharmaceutical composition containing same, and combination with immunostimulants for treating cancer | |
Ye et al. | Biochemical characterization of a proteoglycan complex from an edible mushroom Ganoderma lucidum fruiting bodies and its immunoregulatory activity | |
KR20040059495A (ko) | 아폽토시스를 유발하는 방법 및 그를 위한 조성물 | |
Li et al. | Bioactivity evaluation of crude polysaccharide from rice bran fermented by Preussia aemulans and the changes in its nutritional contents | |
Wu et al. | Bioactive ingredients and medicinal values of Grifola frondosa (Maitake). Foods 2021; 10: 95 | |
JPWO2005035571A1 (ja) | 新規の糖タンパク質及びそれを含有する医薬組成物 | |
Li et al. | Rubinoboletus ballouii polysaccharides exhibited immunostimulatory activities through toll‐like receptor‐4 via NF‐κB pathway | |
US20240254156A1 (en) | Novel isoflavone compound | |
JP2005068112A (ja) | マイタケ由来の抽出物およびグリコプロテイン並びにその製造方法 | |
Qiao et al. | Structural characterization and immune modulation activities of Chinese Angelica polysaccharide (CAP) and selenizing CAP (sCAP) on dendritic cells | |
JP4619352B2 (ja) | 胎児ヘモグロビン、細菌エンドトキシン、および任意でさらなる胎児肝成分を含む組成物 | |
JPWO2003070264A1 (ja) | マツタケ由来陰イオン交換樹脂吸着画分、免疫増強剤、及びストレス負荷回復促進剤 | |
CN106699842B (zh) | 一种新的抗炎小分子多肽及其应用 | |
JP2005526142A (ja) | Coriolusversicolorから取得した、検証可能な経口吸収性を有する免疫調節ペプチド結合グルカンの調製および標定 | |
MXPA01008280A (es) | Extractos, de alto peso molecular, de convolvulus arvensis (enredadera silvestre). | |
JP2006328041A (ja) | 抗腫瘍剤、腫瘍細胞増殖抑制剤、免疫賦活剤及び食品 | |
Bhardwaj et al. | A Comprehensive Review on Ganoderma lucidum derived Bioactive peptide Ling Zhi-8 | |
JP2011168573A (ja) | フコキサンチン由来の免疫賦活剤、活性化酸素阻害剤又は血管新生抑制剤 | |
RU2765270C1 (ru) | Композиция растворимых мономерных и олигомерных фрагментов пептидогликана клеточной стенки грамотрицательных бактерий, способы ее получения и применения | |
JPH0680703A (ja) | キノコに由来する水不溶性多糖類、その製造方法及び該水不溶性多糖類を主剤とする抗腫瘍剤 | |
JP2022187488A (ja) | ヒメマツタケ菌糸体亜臨界水抽出物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070928 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070928 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100629 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100830 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20101102 |