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JPWO2004004992A1 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、トルクセンサで検出された操舵トルクに基づいて、電動モータの回転力によって、自動車や車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置に関する。そして、ステアリングシャフトの回転角を検出するための回転角センサに関し、回転角センサの被検出部を前記減速機内に設けるとともに、前記回転角センサの検出部を前記ステアリングシャフトの半径方向で前記減速機の軸受より外側に設けた。

Description

本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特にステアリングシャフトの回転角(操舵角)を検出するための回転角センサに関する。
車両には、通常、運転者の疲労を軽減し、安全に運転するために、電動パワーステアリング装置が搭載される。この電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力により減速機のギアなどの伝達機構を介して、ステアリングシャフトを補助負荷付勢するようになっている。
従来の電動パワーステアリング装置として、ステアリング系の概略構造は、一般に、図1に示される。同図において、先端(図1右側)にステアリングホイールを有するステアリングシャフト1は、同軸のステアリングコラム2内で玉軸受3によって回転自在に支持され、軸方向に延びている。このステアリングシャフト1は、筒状のアウターシャフト4と、該アウターシャフト4内に嵌着されるインナーシャフト5とからなる。また、ステアリングコラム2は、筒状のアウターコラム6と、該アウターコラム6内に圧入固定されるインナーコラム7とを結合してなる。そして、衝突時に、圧縮方向に衝撃荷重が作用すると、アウターシャフト4やアウターコラム6が、基端側(図1左側)に押し込まれて、前長を縮めることによってエネルギを吸収し、ステアリングホイールに衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和するようになっている。
また、前記インナーシャフト5の基端側(図1左側)には、トーションバー8を介して入力軸9と略筒状の出力軸10が連結されている。このトーションバー8は、出力軸10内に挿通されていて、その一端が入力軸9に圧入固定され、他端がピン11によって出力軸10に固定されている。
また、出力軸10の中央部外周には、減速機ユニット12が一対の玉軸受13,13で支持されている。この減速機ユニット12は、出力軸10の外周に圧入により固定的に取り付けられたウォームホイール14と、該ウォームホイール14に噛合するウォーム15と、該ウォーム15を出力軸16に取りつけたモータとからなり、モータの駆動により、ウォーム15およびウォームホイール14を介して、モータの回転を減速してトルクを伝達するようになっている。
また、減速機ユニット12の先端側(図1右側)には、トルクセンサ17が配され、該トルクセンサ17は、トーションバー8と、出力軸10の先端に形成されたスプライン溝18の外周に、コイル巻線19を収納した電磁ヨーク20とを備え、ステアリングシャフト1に生じるトルクに応じて捩れ角を発生させることによって、磁気的な変化を電磁ヨーク20内のコイル巻線19で検出するようになっている。
そして、減速機ユニット12の基端側(図1左側)には、回転角センサ(舵角センサ)21が配され、該回転角センサ21は、出力軸10の外周に配された筒状の中空部材22と、該中空部材22を回転自在に支持するケーシング23とからなる。ここで、中空部材22には、内周面から内側に突起24が延びていて、出力軸10の外周面に設けられた係止孔25と係合して、中空部材22が出力軸10と一体に回転するようになっている。そのため、ケーシング23と中空部材22との相対変位を、ケーシング23に設けられた検出手段26によって検出して、出力軸10の回転角を検出するようになっている。これにより、回転角(操舵角)から、ステアリングホイールの操舵状態を検出するようになっている。
なお、27は、インタミシャフトに連結するためのユニバーサルジョイントであり、28は、ステアリング装置を車体に取り付けるためのブラケットである。
ところで、ステアリングコラム2には、車両の衝突時、乗員を保護するために、法規上若しくは安全上、エネルギ吸収機構を備える必要があった。そのため、上記従来のものでも、ステアリングシャフト1やステアリングコラム2を、それぞれ、2つの部材(アウターシャフト4とインナーシャフト5、並びにアウターコラム6とインナーコラム7)から構成し、衝突時、アウターシャフト4やアウターコラム6を軸方向に、ある範囲(ストロークt)で移動可能になっている。これにより、移動時にステアリングコラム2などを塑性変形させて、その変形エネルギによって乗員がステアリングホイールに衝突する際のエネルギを吸収するようになっている。
ちなみに、エネルギの吸収量は、衝撃によって作用する力とストロークtの積で決まるので、乗員への衝撃力を小さくして、傷害を軽減するには、ストロークtをできるだけ長くすることが重要である。
ところが、コラム型の電動パワーステアリング装置では、ステアリングシャフト1の軸方向には、減速機やトルクセンサ17を設ける必要があるとともに、回転角センサ21を、ユニバーサルジョイント27と減速機ユニット12との間でステアリングシャフト、すなわち出力軸10が露出するスペースを設けなければならない。そのため、ストロークtは、車体のスペースから一定長さに制限されてしまい、限られたスペースの中で、エネルギ吸収機構のストロークtを十分な長さに確保するのが難しいという問題があった。
そこで、本発明の目的は、限られたスペースの中で、乗員を保護するためのエネルギ吸収機能を損なうことなく、ステアリングシャフトに、回転角センサを装着することができるような電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、トルクセンサで検出された操舵トルクに基づいて、電動モータの回転力により減速機のギアなどの伝達機構を介して、ステアリングシャフトの操舵力を補助するようにした電動パワーステアリング装置において、ステアリングホイールの操舵状態を検出する回転角センサを備え、該回転角センサの被検出部を前記減速機内に設けるとともに、前記回転角センサの検出部を前記ステアリングシャフトの半径方向で前記減速機の軸受より外側に設けたことにより、効果的に達成される。
また、上記目的は、被検出部を、減速機内のウォームホイールに配し、前記検出部で該ウォームホイールの回転を検出するようにしたことにより、効果的に達成される。
また、上記目的は、検出部を、減速機内のウォームホイール内でいずれか一方の側に形成された凹溝内に取り付けることにより、効果的に達成される。
また、上記目的は、検出部を、前記被検出部の側面に対向する位置に配し、該被検出部からの磁気的或いは光学的に角度信号を検出するようにしたことにより、効果的に達成される。
また、上記目的は、被検出部を、前記減速機内のウォームホイール内のいずれか一方の側に形成された凹溝で構成し、該凹溝の内周面に設けられた小ギアからなるようにしたことにより、効果的に達成される。
また、上記目的は、回転角センサを、前記減速機内のウォームホイールの側面に設けられた環状の前記被検出部と、該被検出部に対向する位置に設けられた検出部とから構成したことにより、効果的に達成される。
さらに、上記目的は、減速機を、複数の軸受によって支持することにより、より効果的に達成される。
図1は、従来の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す断面図である。
図2は、本発明の第1実施例に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す断面図である。
図3は、上記電動パワーステアリング装置の減速機ユニットに設けられた回転角センサを示す説明図である。
図4は、本発明の第2実施例に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す断面図である。
図5は、第2実施例の出力軸の回転角の検出機構を説明する拡大図である。
図6は、本発明の第3実施例に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す断面図である。
図7は、第3実施例に係るの回転角センサの概略構造を示す図である。
符号の説明
31 ステアリングシャフト
35 ステアリングコラム
39 トーションバー
40 入力軸
41 出力軸
42 減速機ユニット
43 軸受
44 トルクセンサ
46 コイル巻線
47 電磁ヨーク
48 ウォームホイール
49 ウォーム
51 回転角センサ
52 被検出部
53 検出部
61 芯金ボス部
62 ギア基部
63 樹脂ギア
64 被検出部
65 回転角センサ
67 検出部
72 検出ギア
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図2は、本発明の第1実施例を示し、操舵系の概略構成を示す図である。ステアリングホイールの操作に基づいて回転するステアリングシャフト31は、筒状のアウターシャフト32に中実円筒軸状のインナーシャフト33を圧入固定することによって結合されている。また、ステアリングシャフト31は、深溝型の玉軸受などの軸受34によって、ステアリングコラム35の端部で回転自在に支持されている。ステアリングコラム35は、筒状のアウターコラム36にインナーコラム37を圧入固定することによって結合されている。
このステアリングシャフト31およびステアリングコラム35は、軸方向に大きな荷重が作用すると、軸方向にストロークtの範囲内で、アウターシャフト32がインナーシャフト33に沿って、および、アウターコラム36がインナーコラム37に沿って、それぞれ軸方向に移動して塑性変形するようになっている。すなわち、ステアリングシャフト31およびステアリングコラム35は、いずれも、2つの部材32と33,36と37を組み合わせてなり、衝突時に、圧縮方向に衝撃荷重が加わると、ステアリングホイールに衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和するようにしたエネルギ吸収機構を構成している。
なお、上記実施例では、ステアリングシャフト31やステアリングコラム35を、2部材間の相対移動時の塑性変形でエネルギを吸収するが、ステアリングコラム35と、該ステアリングコラム35を車体に固定するためのブラケット75との間の塑性変形でエネルギを吸収することも可能である。
また、ステアリングシャフト31の基端側(図1左側)には、トーションバー39を介して入力軸40と略円筒状の出力軸41が連結されている。このトーションバー39は、出力軸41内に挿通されていて、その一端が入力軸40に圧入固定され、他端がピン41aによって出力軸41に固定されている。
また、出力軸41の外周には、減速機ユニット42が一対の玉軸受43,43で支持されるとともに、該減速機ユニット42の先端側(図1右側)には、トルクセンサ44が配されている。このトルクセンサ44は、トーションバー39と、出力軸41の先端に形成されたスプライン溝45の外周に配され、コイル巻線46を収納した電磁ヨーク47とを備え、ステアリングシャフト31に生じるトルクに応じてトーションバー39に捩れを発生させることによって、磁気的な変化を電磁ヨーク47内のコイル巻線46で検出するようになっている。
さらに、減速機は、出力軸41の外周に圧入によって固定的に取り付けられたウォームホイール48と、該ウォームホイール48に噛合するウォーム49と、該ウォーム49を出力軸50に取り付けたモータとからなり、モータの駆動により、ウォーム49およびウォームホイール48を介して、モータの回転を減速してトルクを伝達するようになっている。
そして、回転角センサ51は、図3に示すように、減速機ユニット42内に設けられたウォームホイール48より小径の薄円盤状の被検出部52と、ステアリングシャフト31、すなわち出力軸41の半径方向で軸受43より外側に設けられた検出部53とからなる。この検出部53は、被検出部52の側面に対向する位置に配され、ウォームホイール48内でいずれか一方の側に形成された凹溝54内で出力軸41に一体に取り付けられる。また、検出部53は、磁気的或いは光学的、若しくは電気抵抗式或いは静電容量式に、被検出部52からの角度信号を検出することにより、出力軸41の回転角を検出するようになっている。
従って、上記第1実施例では、回転角センサ51の被検出部52を減速機ユニット42内に設けるとともに、検出部53を出力軸41の半径方向で玉軸受43より外側に設けた。そのため、従来のように、ステアリングシャフト31上に、回転角センサを取り付けるための専用スペースを設ける必要がない。その結果、エネルギ吸収機構のストロークt、すなわちステアリングコラム35のアウターコラム36がインナーコラム37に沿って移動する軸方向の距離を長くとることができる。その結果、コラム型の電動パワーステアリング装置などのように、ステアリングシャフト31上における軸方向長さが制限される場合でも、ステアリングシャフト31に回転角センサ51を設けても、軸方向に十分なストロークtを確保することができ、衝撃荷重に対するエネルギ吸収能力を犠牲にすることがない。
また、図4は、本発明の第2実施例を示し、第1実施例と同一の部材は同一の符号を付して、その説明を省略する。同図において、ウォームホイール48は、略円環状の芯金ボス部61と、該芯金ボス部61の外周側に一体に樹脂で成形されたギア基部62と、該ギア基部62のさらに外周側に形成され、ウォーム49に噛合する樹脂ギア63とから構成される。また、ウォームホイール48には、同図左側に凹溝が形成され、該凹溝内でギア基部62の内周側に小ギアで構成される被検出部64が形成されている。よって、被検出部64と、出力軸41の回転を検出するための検出部67とから出力軸41の回転角センサ65が構成されている。また、検出部67は、減速機ユニット42の外側に配された本体68から、ハウジングカバー69の挿通孔70を介して減速機ユニット42内に延びる突軸71と、突軸71の先端に取り付けられた検出ギア72とを備える。これにより、回転角センサ65は、図5に拡大して示すように、検出部67の検出ギア72と被検出部64を構成する小ギアとの噛合により、検出ギア72から突軸71を介して本体68で出力軸41の回転を検出するようになっている。
従って、回転角センサ65の被検出部64は、減速機ユニット42内に設けられるとともに、検出部67は、出力軸41の半径方向で減速機ユニット42の軸受43より外側に設けられる。そのため、ステアリングシャフト31に回転角センサ65を設けても、エネルギ吸収機構のストロークtを十分に確保することができ、エネルギ吸収能力を犠牲にすることがない。よって、第2実施例でも、上記第1実施例と同じような作用および効果を奏することができる。
また、図6は、本発明の第3実施例を示し、第1実施例と同一の部材は同一の符合を付して、その説明を省略する。同図において、回転角センサ65は、図7に示すように、ウォームホイール48の先端側(図6右側)の側面に設けられた環状の被検出部64と、該被検出部64に対向する位置に設けられた検出部67とから構成される。
従って、回転角センサ65の被検出部64は、減速機ユニット42内に設けられるとともに、検出部67は、出力軸41の半径方向で減速機ユニット42の軸受43より外側に設けられる。そのため、ステアリングシャフト31に回転角センサ65を設けても、エネルギ吸収機構のストロークtを十分に確保することができ、エネルギ吸収能力を犠牲にすることがない。よって、第3実施例でも、上記第1実施例および第2実施例と同じような作用および効果を奏することができる。
なお、図2,図4,および図6において、74は、インタミシャフトに連結するためのユニバーサルジョイントであり、75は、ステアリング装置を車体に取り付けるためのブラケットである。
以上のように、本発明に係る電動パワーステアリング装置によると、ステアリングホイールの操舵状態を検出する回転角センサを設ける場合、被検出部を減速機内のウォームホイールなどに設けるとともに、検出部をステアリングシャフトの半径方向で減速機の軸受よりも外側に設けるようにした。これにより、減速機のウォームホイールを利用し、磁気的や光学的などの手法を用いてウォームホイールに設けられた被検出部からの角度信号を検出部で検出して、ステアリングシャフトの回転角を検出するようにした。その結果、ステアリングシャフトの軸方向には、回転角センサを設けるための専用のスペースを設ける必要がなくなり、エネルギ吸収機構のストロークを有効に利用することができる。よって、コラム型の電動パワーステアリング装置などのように、ステアリングシャフトの軸方向に限られたスペースの中で回転角センサを設けても、エネルギ吸収能力を犠牲にすることがなく、車両の衝突時などに生じる衝撃荷重に対して安全性を保つことができる。

Claims (7)

  1. トルクセンサで検出された操舵トルクに基づいて、電動モータの回転力により減速機のギアなどの伝達機構を介して、ステアリングシャフトの操舵力を補助するようにした電動パワーステアリング装置において、ステアリングホイールの操舵状態を検出する回転角センサを備え、該回転角センサの被検出部を前記減速機内に設けるとともに、前記回転角センサの検出部を前記ステアリングシャフトの半径方向で前記減速機の軸受より外側に設けたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記被検出部は、前記減速機内のウォームホイールに配され、前記検出部で該ウォームホイールの回転を検出するようにした請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記検出部は、前記減速機内のウォームホイール内でいずれか一方の側に形成された凹溝内に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記検出部は、前記被検出部の側面に対向する位置に配され、該被検出部からの磁気的或いは光学的に角度信号を検出するようにした請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記被検出部は、前記減速機内のウォームホイール内のいずれか一方の側に形成された凹溝であって、該凹溝の内周面に形成された小ギアからなる請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記回転角センサは、前記減速機内のウォームホイールの側面に設けられた環状の前記被検出部と、該被検出部に対向する位置に設けられた検出部とから構成される請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記減速機は、複数の軸受によって支持される請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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