JPS634727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ALCパネルからなる壁板を取付
けるに際して実施される壁挿入鉄筋支持部の構造
に関するものである。

従来ALCパネル等からなる壁板を梁に取付け
た壁支持プレートに取付けるに際し、隣接するパ
ネル目地間に鉄筋を挿入するが、その目地鉄筋を
位置決めするため壁支持プレートのモルタル充填
穴に凸状の突起部を設け、この突起部先端に目地
鉄筋を溶接し固定していた。（第４図参照） しかしながら、こうした従来の構造ではこの凸
状突起がモルタル充填時に充填穴をふさぐ結果と
なつていた。

さらに、従来の構造では目地鉄筋の位置を確保
するため溶接作業が加わるので効率的ではなかつ
た。

そこで、この考案の目的は前記従来の問題点を
改善して溶接の必要もなく、簡単に壁支持プレー
トに目地鉄筋を支持させ、かつその位置を決めて
係止することができる鉄筋支持部の構造を提案す
るものである。

以下、図示するこの考案の実施例により説明す
る。図において１はALCパネルからなる壁板で
あり、２は床板である。梁３には下地アングル４
が固定されている。

壁支持プレート５は下地アングル４に溶接によ
つて固定されている。壁支持プレート５の水平部
にはモルタル充填穴６が形成され、この壁支持プ
レート５は上下壁板１の接合部間に位置してい
る。

この壁支持プレート５のモルタル充填穴６を挿
通して鉛直方向に延在するよう目地鉄筋９が配設
され、クリツプ７で挟持されて壁支持プレート５
に対して前後左右を調整し、落下しないように壁
支持プレート５上に重ね位置決めして係止する。

クリツプ７は、鋭角な略Ｖ字状となるように弾
性部材例えば、鋼線を折曲して形成され、前記モ
ルタル充填穴６の差し渡しよりも長尺であり、長
手方向中央部に外側に湾曲した略環状挟持部８が
形成されている。

施工に際しては、下側の壁板１をセツトした後
隣接する壁板１間の目地にモルタル充填を行う。
その後、モルタルが未硬化の間に目地鉄筋９を目
地中央部までモルタル充填穴に挿入し、次いでク
リツプ７で目地鉄筋９を挟持し、そのクリツプ７
を壁支持プレート５上に重ね位置決めして係止す
る。クリツプ７の開放端は外側に折曲したフツク
部１０，１０により両側に容易に開くことがで
き、かつ付勢力があるので目地鉄筋９の挟持が簡
単になる。

目地鉄筋９は異形鉄筋であれぱ、クリツプ７に
よる支持はより確実になる。このようにして、目
地鉄筋９の配置を終了して上側の壁板１をセツト
する。

この考案は以上の構造であり、壁支持プレート
のモルタル充填穴は、溶接点となる突起部がない
ためモルタル充填がし易く、スプリング式の環状
挟持部を有するクリツプにより挿入筋を挟持し前
後左右に位置を調整し、そのクリツプを壁支持プ
レート重ねることにより鉄筋を落下しないようモ
ルタル充填穴内の所定の位置に係止して支持する
ため溶接の必要がない。それ故、短時間で目地鉄
筋を容易に位置決めして係止することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のALCたて壁挿入工法にお
ける鉄筋支持装置の実施例を示す斜視図、第２図
は第１図のＡ部拡大図、第３図はクリツプの平面
図、第４図は従来例の斜視図である。 １……壁板、２……床板、３……梁、４……下
地アングル、５……壁支持プレート、６……モル
タル充填穴、７……クリツプ、８……挿入筋挟持
部、９……目地鉄筋、１０……フツク部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平部にモルタル充填穴が形成された壁支持プ
   レート上に、前記モルタル充填穴の差し渡しより
   も長い略Ｖ字状にかつ長手方向中央部に環状挟持
   部を有するように弾性部材を折曲して形成したク
   リツプを重ね、前記モルタル充填穴に挿入した鉄
   筋を前記環状挟持部で支持してなることを特徴と
   する壁挿入鉄筋支持部の構造。