JPS6347878Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は静電像又は粉像の転写を目的とし、多
数の転写ローラ上を搬送される可動エンドレスベ
ルトを有する電子写真複写装置に係る。

このような装置の公知例は極めて多い。適用さ
れる複写方法によつて使用されるベルトは光導電
性又は絶縁性、弾性又は非弾性の上層から成り、
下層又は中間層をも有する場合には、それらと共
に十分な機械的強度を獲得すべく紙、金属又は合
成樹脂等の適当な可撓性支持材料上に被覆されて
いる。

上層はその種類によつて像形成用に100〜1000
回程度使用され得るが、この回数以上ではベルト
を交換する必要がある。このベルトを長期間使用
し、結果的に多数のコピーを得ることを目的とす
る場合、長いエンドレスベルトを使用し、マガジ
ン内に収容することは公知である。複写中、該ベ
ルトは連続的にマガジン内へ供給され、且つマガ
ジン外へ牽引される。オランダ国特許第71.02167
号は像転写用ベルト用のマガジンを開示してい
る。この装置に於いては、ベルトは多数の折り目
を有しており、その為ベルトはジグザグ状にマガ
ジン内へと導入され得る。しかしながら、ベルト
に常時多数の鮮明な折り目を備えることは必ずし
も好ましくなく、問題も生じ得る。このような公
知のマガジンは、ベルトがあまり長くない場合等
にはベルトがマガジンの多数のローラ上を搬送さ
れ難いことから必ずしも必要とされない。

このようなベルトがローラ上を搬送されると
き、ローラのいくつかはベルトの背面に接触し、
又他のローラはベルトの上層と接触する。この
為、該上層は損傷を受け易く、加速的に摩耗する
という欠点がある。この結果、ベルトは複写方法
の特性に基づいて予想される時期より早い時点で
交換が必要となる。

像形成用の面の損傷、摩耗等を減少させる技術
として、特公昭46−27040号公報に開示のものが
ある。この技術は、外面が光導電性材料で被覆さ
れている板、紙等から成るドラムに接するローラ
をそのドラム外面の側縁部でのみこの外面と接す
る一対の細い幅のローラで構成するものである。
この種の技術は、像形成面の損傷、摩耗を減少さ
せることを可能としているが次の如き問題点を有
している。即ち、この種の一対のローラをベルト
状の像形成面を支持するために用いた場合、その
ベルトを正しく送るためには第１に対のローラの
半径を高精度で互いに一致させなければならず、
また第２にベルトとローラ対との位置関係さらに
は両者の方向を正確に設定しなければならない点
である。

本考案は上述の如き不都合を解決するものであ
り、その目的は、ベルト状の像形成面をその損
傷、摩耗ができるだけ少くなるように一対のロー
ラで側縁部を支持するようにした場合に、そのロ
ーラ自体が容易に形成でき、また、ローラとベル
トとの設置が簡単となる電子写真複写装置を提供
することにある。

上述の目的は、本考案によれば、一方の面に形
成した光導電層を有する可動エンドレスベルト
と、複写形成ステーシヨンを通過するように前記
可動エンドレスベルトを案内する手段と、該可動
エンドレスベルトの一部を支持し、該可動エンド
レスベルトが蛇行して送られるように配置された
複数の反転ローラの第１及び第２の平行な列を有
するマガジンであつて、該第１の列の反転ローラ
が前記可動エンドレスベルトの光導電層の形成さ
れた前記一方の面と接触し、該第２の列の反転ロ
ーラが前記可動エンドレスベルトの他方の面と接
触し、前記第１の列の各反転ローラが共通軸に回
転自在に取り付けられかつ前記可動エンドレスベ
ルトの側縁部にそれぞれ配置された一対のローラ
から成る前記マガジンと、前記可動エンドレスベ
ルトを前記マガジンから出て前記複写形成ステー
シヨンを介し前記マガジンに送り返すための駆動
手段とを備え、前記第１の列の前記各一対のロー
ラが互いに独立して回転自在とした電子写真複写
装置によつて達成される。

ベルトの側縁部のみを支持する一対のローラか
ら成る反転ローラを使用すると、ベルト駆動の場
合、ベルトはその内部に発生する張力のためにロ
ーラ間でたわむことが予想される。実用に適する
多くの状態でこのたわみをある程度防止すること
が可能である。

例えば、厚さ100μ、幅42cmのメリネツクス
（Melinex）をベースとするベルトは駆動力約20
Kgで締め付けられ、ベルトの側縁部は長さ２cm、
直径３cmのローラによつて支持されると、ローラ
上に載置されているベルト部分は180゜の湾曲部を
カバーしそこでたわみは認められない。更にベル
トに於ける張力と、支持ローラの直径及び上記の
如く形成される湾曲部の少くとも一方とを変更す
ることによつて作動状態をベルトの性質に適合し
得ることが判明した。厚さ100μの紙をベースと
しているベルトは、例えばメリネツクスをベース
とするベルトに関する前記の作動状態ではたわみ
の生ずる傾向があつた。しかし乍らベルト幅を25
cm程度に狭くする、駆動力を例えば10Kgにして締
付け力を弱くする、支持ローラを1.5cm程度の小
直径とするという三つの条件のうちから、少くと
も１つの条件を選択することによつてこのたわみ
を防止することが可能である。

以下、本考案の実施例について添附図面を参照
して説明する。

第１図の実施例において、コロナ装置７、吸引
ボツクス５及び磁気ブラシ８とによつて複写形成
ステーシヨンが構成されており、可撓性支持材料
層とこの可塑性支持材料層に被覆された光電性上
層とを有する可動エンドレスベルト６は、図示し
ない駆動装置によつて駆動される駆動ローラ９と
この駆動ローラ９を加圧するローラ１０との協働
で移動せしめられる。従つて、この図示しない駆
動装置、駆動ローラ９及びローラ１０はベルト６
の駆動手段を構成する。

ベルト６を案内する手段はローラ１１，１２及
び１３、加圧ローラ１４、及び湾曲面１５からな
り、ベルト６の一部を支持する支持手段はローラ
２０とローラ２１とからなる。

複写すべき原稿はガラスプレート１上に載置さ
れ、該原稿は圧力クツシヨン２によつて下方向に
押圧されている。

原稿は下方向よりフラツシユランプ（図示せ
ず）を使用して露光される。レンズ３とミラー４
とを介して原稿の像はベルト６上に投射される。
該ベルト６はローラ９によつて駆動されるが、こ
の目的の為、ローラ９は高い摩擦係数の被覆物を
有していてもよい。

マガジンの部分より順に説明すると、ベルト６
はコロナ装置７を経て搬送される。コロナ装置７
によりベルト６上には均一の静電気が帯電され
る。その後ベルトは平坦な吸引ボツクス５に沿つ
て搬送される。この位置でベルト６は、原稿をフ
ラツシユ露光することによつて得られた静電潜像
としての像を受像する。これは露光された部分で
ベルト６上の光導電性上層が放電されているから
である。

この電荷パターンは従来方法により磁気ブラシ
８を介して粉像に現像される。ベルト６と共にこ
の粉像はローラ９を通過し、転写ステーシヨン
（ローラ１１，１２から成る）に到達する。この
ステーシヨンではこれらローラ１１，１２間の圧
力の影響下で、ローラ１２の表面を適切に選択す
ることにより公知の方法で粉像をローラ１２に転
写し得る。ローラ１２は例えば粉像をこのローラ
１２によつて搬送される複写用紙に転写し得る
が、この段階は十分開示されており、又本考案に
はこれ以上関連しない為、詳述しない。ローラ１
２はシリコンゴム等の軟質且つ弾性である材質の
層を有することが好ましい。

ベルト６上に残留する粉像はブラシ３３によつ
て除去される。ベルト６は加圧ローラ１４を備え
ているローラ１３を経て固定されている湾曲面１
５へと搬送されることによつて整列され、湾曲面
１５はベルト６の横方向の動きを制御すべく突出
している側縁部１７を有しており、ばね１９によ
つて固着され且つ締め付けられているクロス１８
は湾曲面１５の方向にベルト６を押圧する。この
位置でローラ１３と湾曲面１５との間のベルト６
の部分は自由に懸下している。このような整列シ
ステムはオランダ国特許第71.14725号に記載され
ている。クロス１８はベルト６の幅全体を覆うフ
エルト片からなつていてもよい。しかし本考案に
従い、幅の狭いフエルト片から成るクロス１８が
湾曲面１５の側縁部に近い部分に於いてのみ適用
されることが好ましい。ブラツシ３３を通過した
後、ベルト６は多数のローラ２０及びローラ２１
によつて形成されているマガジンへと移動する。
ベルトが蛇行状態でこのマガジン内を移動する
為、例えば全長５〜20ｍの非常に長いベルトも積
重され得る。

ローラ２０は像を有しないベルト６の面すなわ
ち像形成には使用されない可撓性支持材料層に接
触することから、ベルト６の全幅に亘つてベルト
６と接触する普通のガイドローラでもよい。しか
し乍ら、ローラ２１はベルト６の光導性上層を有
する側すなわち像形成い使用される一方の面と接
触する為、第３図で示されているように形成され
ている。従つて２個のローラ２１はベルト６の側
縁部とのみそれぞれ接触し、これら２個のローラ
２１それぞれの幅は通常複写に使用されないベル
ト６の側縁部より狭く共通の軸２５を枢軸しとて
回転自在である。第３図に於いてローラ２１はボ
ールベアリングでそれぞれ支承されたローラとし
て示されている。勿論ローラ２１は分離されたジ
ヤーナル上に載置されてもよい。この結果、軸２
５の長さは余り長くなくてもよいが、長い軸であ
るとローラ２１の相互調整がし易いという利点が
ある。

ローラ２１は、ベルト６を簡単且つ効果的に整
列させるようにするために互いに回転自在となる
ように設置する。

第２図は摩擦被覆物を有する駆動用のローラ９
と、２個の押圧するローラ１０との協働状態を示
している。ローラ１０は軸２４上に設置されてお
り、軸２４はばね２３とシユー２２とによつてロ
ーラ９の方向に押圧される。この位置でもローラ
１０，１０は互いに回転自在であり、像形成に使
用されないベルト６の側縁部とのみ接触する。

第１図の構成に於いて、更に互いに回転自在で
あり且つベルト６の側縁部とのみ接触するこのよ
うなローラ２個を、滑性ローラ１３と協働してい
るローラ１４に使用してもよい。このとき、ロー
ラ１４はローラ１０の場合と同様には押圧されな
くてもよい。

転写ローラ１２の代りに公知の転写ベルトが使
用される場合、この転写ベルトがその搬送方向を
反転され且つ粉末を運ぶ面とを接触すべく押圧さ
れるべき位置でこの転写ベルトに本考案に応用す
ることは可能である。

複写用紙への転写を改良すべくこの種のベルト
は整列され、普通粉末に粘着性を与える加熱ステ
ーシヨンを経て搬送されなければならないことか
ら、この場合に於ける本考案の応用は大変便利で
ある。更に装置等で利用し得るスペースとの関連
で、この種のベルトが有しなければならない軌道
の選択にあたり、より大きな空間的余裕が得られ
るという利点もある。

このように、本考案になる電子写真複写装置で
は可動エンドレスベルトの光導電層の形成された
一方の面と接触する第１列の反転ローラの各々が
共通軸に回転自在に取り付けられかつ可動エンド
レスベルトの側縁部にそれぞれ配置された一対の
ローラから構成され、この各一対のローラが互い
に独立して回転自在であるため、対のローラの半
径を高精度で互いに等しくさせなくともある程度
等しければローラの互いの独立の回転でその差を
吸収することが可能である。また、対のローラに
ベルトを張架する場合、ベルトとローラとの位置
関係を正確に規定せずとも、例えばベルトの横方
向にローラが多少ずれていても、対の各ローラ間
の自由回転でベルトを正しく搬送することが可能
である。特にベルトに多少のたわみが残つている
場合等には、左右のローラの異なる回転量により
これを吸収できるので非常に有効である。また、
ベルトとローラとの方向のずれも吸収することが
可能である。従つて、本考案によれば、ローラ対
の製造が容易であり、また、ローラ対の設置さら
にはベルトの張架が簡単になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の好ましい実施例である複写装
置に於いて本考案中の重要部分の概略側面図、第
２図は第１図の−線に沿う断面図、第３図は
第１図の−線に沿う断面図である。 １……ガラスプレート、２……圧力クツシヨ
ン、３……レンズ、４……ミラー、６……ベル
ト、７……コロナ装置、８……磁気ブラシ、９〜
１４，２１，２２……ローラ、１８……クロス、
２４，２５……軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の面に形成した光導電層を有する可動エン
   ドレスベルトと、複写形成ステーシヨンを通過す
   るように前記可動エンドレスベルトを案内する手
   段と、該可動エンドレスベルトの一部を支持し、
   該可動エンドレスベルトが蛇行して送られるよう
   に配置された複数の反転ローラの第１及び第２の
   平行な列を有するマガジンであつて、該第１の列
   の反転ローラが前記可動エンドレスベルトの光導
   電層の形成された前記一方の面と接触し、該第２
   の列の反転ローラが前記可動エンドレスベルトの
   他方の面と接触し、前記第１の列の各反転ローラ
   が共通軸に回転自在に取り付けられかつ前記可動
   エンドレスベルトの側縁部にそれぞれ配置された
   一対のローラから成る前記マガジンと、前記可動
   エンドレスベルトを前記マガジンから出て前記複
   写形成ステーシヨンを介し前記マガジンに送り返
   すための駆動手段とを備え、前記第１の列の前記
   各一対のローラが互いに独立して回転自在である
   ことを特徴とする電子写真複写装置。