JPS6257798A - 溶接用鋼ワイヤの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の技術分野） 本発明は送給性のすぐれた全自動および半自動溶接用鋼
ワイヤの製造方法に関する。

（従来の技術と問題点） 一般にＣＯ２ガスシールド溶接、ＭＩＧ溶接等にはＯ１
８〜２，４鶴φの溶接用鋼ワイヤが使用されている。溶
接用ワイヤは通常スプールや？ビンに巻装された状態で
、あるＩＡＦｉ−！！イルパックに装填され、た状態で
溶接に供せられる。このワイヤが使用されるときは、溶
接機の付属装置である送給機に設置され、送給ローラを
通りフレキシブルコンジットチューブ、溶接トーチ、コ
ンタクトチップを通じ、溶接が行われる例が多−。

フレキシブルコンジットチューブを用いる溶接ワイヤの
送給方式としてはブツシュ式、プル式、ブツシュデル式
の３種類あるが、取扱し１の部属な、ブツシュ式の使用
比率が高い。しかしデノン一式の送給機のコングツトチ
１−ブは通常３ｍ、広領域の溶接を行う場合には２０ｍ
穆度の長さのものが使用され、この時ワイヤ送給性の問
題が生じる。

溶接ワイヤには一定速度で供給されることが求められる
。しかしワイヤはフレキシブルコンジットの案内管であ
るライナー、トーチ、チップとの間の接触抵抗およびフ
レキシブルコンジットチューブの屈曲部とを通りぬける
ための抵抗力などが作用する。フレキシブルコンジット
チューブカ直線状態である現場作業はほとんどなく、屈
曲状態下で使用されるのが普通であシ、屈曲部が多いほ
どまた屈曲半径が小さいほど屈曲部通りぬけの抵抗力は
大きい。しかして、前記の如き溶接ワイヤとの接触抵抗
力に打克つカでワイヤ（ｄ押進せしめられ送給されるも
のであるが、接触抵抗が大きくなると溶接ワイヤの送給
速度が不均一になり、ついＫは送給停止の事態が生じる
ようになる。このため、溶接アークの不安定、ビード形
状の不揃、融合不良、アンダーカットの発生など種々の
溶接欠陥を生ずるようだなる。

最近、溶接作業の複雑化、高速化、広範囲化に伴ないフ
レキシブルコンジットライナーとの摩擦抵抗力が小さく
、送給が円滑でかつ安定し、常に定速送給されうる溶接
用ワイヤ、すなわち送給性が安定な溶接用ワイヤが強く
要求されるようＫなった。従来例えば特公昭５０−’３
２５６号公報に開示されたワイヤのようにワイヤ自体の
送給性の向上をはかるべく、表面が充分ミクロ的に緻密
平滑なワイヤ表面に液状の潤滑油を塗布し、ワイヤ表面
の潤滑能を上げ、送給抵抗の軽減を計る方法が知られて
いるが必ずしも安定した送給性を示すものは得られなか
った。その理由はワイヤ表面が緻密平滑であることから
液状の潤滑剤をワイヤの表面に均一にかつ安定した状態
で塗布することは困難であり、所定の性能を得るため潤
滑油を多量に塗布せざるを得々かったからである。また
必要以上に多量に塗布されたワイヤ表面の潤滑油は溶接
部の材質変化を生ぜしめたりあるいは溶接作業性に悪影
響をおよぼすのみであった。第３図は表面が緻密平滑な
従来ワイヤの表面状態を示す金属顕微鏡写真（倍率Ｘ４
００）である。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記従来技術の問題点を解消するためになされ
念ものであって、送給性のすぐれた溶接用鋼ワイヤの製
造方法を提供すること全目的とする。

この目的を達成する本発明の要旨とするところは、鋼ワ
イヤを酸素量２ＶｏＬ、’ｌｒ以下、露点０〜３０℃の
非酸化性ガス雰囲気中で焼鈍し、続すてめっき処理、伸
縮加工を施すことにある。

以下本発明の詳細な説明する。

本発明では焼鈍工程において酸素量、Ｈ２０濃度を上記
範囲に規定した非酸化性ガス雰囲気中で鋼ワイヤを軟化
焼鈍することにより鋼ワイヤ表面層に所定厚さく１０μ
ｍ程度）の内部酸化層を生成させろ。非酸化性ガスとし
てはアルゴン等の不活性ガスあるいは窒素、ＣＯ等の中
性、還元性ガスを使用すればよいがランニングコスト、
安全性を考慮ｌ〜でｇＪ　９を使用することが好ましい
。この炉内の非酸化性がス中の酸素量を２Ｖｏｔ、’１
以下、好１しくはＩＶｏｔ、４以下に抑え、Ｈ２０濃度
すなわち露点を０〜３０℃の範囲に設定することにより
適量のＨ２Ｏを炉内に存在させる。この炉内のＨ２Ｏか
らもたらされる酸素が高温状態で鋼ワイヤ中の鉄よりも
親和力の強いケイ素、マンガン、チタン等の合金元素と
反応してワイヤ表面からほぼ１０μｍ以内にＦｅ　８１
０　　＋　ＦｅＭｎＯ２１’ｒｔｏ２等の酸化物からな
る硬い内部酸化層を生成する。このとき窒素ガス雰囲気
中での焼鈍ならば、該窒素およびワイヤに付着した潤滑
剤中の炭素により不可避的に生成する若干の窒化物、炭
化物も内部酸化層中に含有される。又ワイヤ表面に鉄の
酸化物（ＦｅＯ、Ｆ’ｅ３０４゜Ｆｅ２Ｏ３等）からな
る外部酸化層も生成するが、上記の炉内雰囲気条件（酸
素量２Ｖｏｔ、％以下、露点０〜３０℃）であれば、内
部酸化層に比べて薄い被膜の状態にとどまる。この外部
酸化層の存在は鋼ワイヤ表面のめっき密着性を劣化させ
る原因となるのでその生成をできるだけ抑制することが
好ましい。

第１図は炉内雰囲気ガスの露点と内部および外部酸化層
の厚さとの関係を示す図である。該図は鋼ワイヤ成分：
ｃ：ｏ、ｏｓ優、Ｓｉ：０．８４係。

Ｍｎ　：　１．５５　％　、　Ｔｉ　：　０．２０　’
Ｚ　。

残Ｆｅ 鋼ワイヤ径＝２．０龍 焼鈍条件二８００℃×６分 雰囲気ガス二Ｎ２がス、酸素量１．５　Ｖｏｔ、壬の条
件下で鋼ワイヤを焼鈍することにより得た。

第１図から雰囲気ガスの露点が０〜３０℃であれば効果
的に内部酸化層（厚さ１０μｍ８度）が生成するととも
に外部酸化層の生成を抑制できることがわかる。

焼鈍工程に次いでめっき前処理工程の酸洗処理でめっき
密着性を悪くするワイヤ表面上層部の外部酸化層を除去
するとともに、最終の仕上伸線工程で亀甲状の溝が良好
に形成されるように前記硬い内部酸化層の厚さを調整し
た上で銅めっき等のめっきを行なう。こうして外周部に
軟かく伸びのあるめっき層、中間部は焼鈍で生成し調整
された硬込内部酸化層、内部は軟化焼鈍された伸びのあ
る鋼素地の３重構造のワイヤ断面を呈する鋼ワイヤが得
られる。次に鋼ワイヤを仕上伸線工程で伸線すると、そ
れぞれの層間の密着性が損われず、厚さ調整した中間の
内部酸化層の最も薄く伸びの少ない箇所を基点にして、
横溝がワイヤ表面の円周方向に発達し、ワイヤ表面に亀
甲状の溝が生成する（第２図参照）。

溶接用鋼ワイヤ表面にはワイヤ送給性、耐錆性のための
潤滑剤が付着されるが、この潤滑剤は油脂、鉱物油、湿
式伸線用潤滑剤等の液状潤滑剤であシ、これら潤滑剤中
に添加される界面活性剤を含む。上記本発明の製造方法
によればできるだけ少な−液状潤滑剤を安定した状態で
ワイヤ長手方向に均一に付着させることが可能となる。

すなわちワイヤ表面の亀裂内に液状潤滑剤を保持しワイ
ヤの表面はミクロ的な含油状態に々るのでワイヤ表面の
潤滑能が極めて良好となりコンジットライナーとの接触
抵抗が軽減される。この結果送給抵抗そのものも低く、
変動範囲が狭くなりワイヤ送給性が安定する。ワイヤ送
給性の安定・均一化によりアークは安定し、ピード形状
の不揃、融合不良などの溶接欠陥が生じない。さらにメ
ッキ亀裂内に液状潤滑剤が安定した状態で保持されるた
め液状潤滑剤は最小限のワイヤ付着量で安定した送給性
が得られるので過剰な潤滑剤によるピット、ブローホー
ルなどの溶接欠陥の発生がなく、すぐれた溶接作業性が
達成される。以下本発明の製造方法の実施例を述べる。

原線径５．５朋φ、化学成分Ｃ：０．０８％、　Ｓｉ　
：０．８４４．Ｍｎ　：　１．５５％。

Ｔｉ：０．２０４の熱延鋼線材を原線として、製品径１
．２朋φの溶接用鋼ワイヤ全第１表に示す工程を経て製
造した。

第１表 （注）（ａ）伸線工程から（ｃ）めっき工程までを連続
工程とした。

すなわち（ａ）伸線後コイラーによシワイヤを直径８ｏ
。

朋φのループ状にしてコンベアで横置搬送して各工程を
通過させて連続処理を行なった。

第２図は第１表に基づいて製造された溶接用鋼ワイヤの
表面状態を示す金属顕微境写真（倍率×４００）であり
、この写真から明らかなように亀甲状の亀裂がワイヤ表
面上に形成されてｂる。

第４図はワイヤ表面に付着し念液状潤滑剤の付着量と送
給抵抗との関係を示す図である。なお送給性は第２表に
示す条件により行なった。

第２表 ワイヤの送給性は送給モータ電機子電流で等価的に示す
ことができ、この電機子電流値が大きい程送給抵抗が大
きくて送給性の悪いことを意味し、逆に値が小さい程送
給性は良好である。図から明らかなように表面が緻密平
滑な従来ワイヤ（Ｂ）に比べて表面に亀甲状の亀裂を有
する本発明の製造方法によるワイヤ（Ａ）は送給抵抗が
低く、ワイヤの送給性が良好である。

（発明の効果） 以上説明したように本発明によればワイヤ表面　医に亀
甲状の＃を形成した送給性の良好な溶接用鋼ワ　エ第１
図は炉内雰囲気ガスの露点と内部および外部酸化層の厚
さとの関係を示す図、第２図、第３図は溶接用鋼ワイヤ
の表面状態を示す金属顕微鏡写真（倍率Ｘ４００　）で
第２図は本発明の震造方法によるワイヤ、第３図は表面
が緻密平滑な従来ワイヤである。第４図は液状潤滑剤の
付着量と送給抵抗との関係を示す図である。

Ｃ層３−褐纏トｅ毎と喫雫Ｙノ　ミ稟、第２図 第３図 第４図 聾（ 狩

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 鋼ワイヤを酸素量２Ｖｏｌ．％以下、露点０〜３０℃の
   非酸化性ガス雰囲気中で焼鈍し、続いてめっき処理及び
   伸線加工を施すことを特徴とする溶接用鋼ワイヤの製造
   方法。