JPS6233748Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は台車部と断熱容器部が一体に折畳み可
能な輸送用断熱容器に関する。

水産製品、加工冷凍食品、アイスクリーム、冷
凍肉などの冷凍食品類、ハム、ソーセージ、バタ
ー、チーズ、水産練製品あるいはケーキ、パンな
どの低温食品を食品工場から各店舗に移送する際
に、配送の省力化、迅速化を実現する方法として
コールドロールボツクスを利用する方法すなわち
スウエーデン方式がある。コールドロールボツク
スは、車輪をつけて荷役に便利なようにしてある
保冷容器であつて、食品類を容器内に詰め込ん
で、保冷車、冷凍庫により目的地まで輸送し、目
的地では食品類を詰め込んだままころがして店内
に運び込むものである。しかしながら、コールド
ロールボツクスは高価であつて、かつ使用後、空
になつてもコンパクトに折り畳んで収納できなお
という問題がある。すなわち高価であるというこ
とは、稼動率を上げて有効に利用しなければなら
ず、従つて予備のコールドロールボツクスも多数
設けられず、緊急の輸送に間に合わなかつたり、
コールドロールボツクスの使用計画を事前に綿密
に用意しなければならないため輸送管理が複雑に
なるという問題がある。またコンパクトに折り畳
んで収納できないということは、空になつたコー
ルドロールボツクスをトラツクなどで回収したり
倉庫に保管するときに、大きなスペースを設けね
ばならなず、トラツクの回送回数の増加などを招
く。

このような観点から、廉価で収納し易い簡易タ
イプのコールドロールボツクス、たとえば台車と
断熱シートからなる簡易タイプが最近注目を浴び
ている。しかし従来の簡易タイプは、台車と断熱
シートからなる断熱容器を別々にしたのち折畳ん
で収納するため、収納作業が繁雑であるという問
題があつた。

本考案者らは、このような現実を踏まえたう
え、台車と断熱容器を一体的に折畳むことができ
て、コンパクトに収納できる簡易タイプのコール
ドロールボツクスを提供せんものと鋭意研究を重
ねた結果、本考案に到達したものである。

而して本考案は、係脱自在の結合手段からなる
対角線方向の切れ込み部を有する天井面および側
面に接する少なくとも３辺が係脱自在である床面
を有したか可撓性断熱シートからなる断熱容器
と、床面および側枠の少なくとも一面が折曲自在
である台車とからなり、天井面の対角線方向切れ
込み部の結合手段を開放することによつて、断熱
容器が台車の床面および側枠と一対に折曲収納可
能であることを特徴とする一体に折畳み可能な輸
送用断熱容器を提供することにある。

以下本考案の輸送用断熱容器について図面を参
照しながら説明する。

第１図は本考案に使用する断熱容器の一例であ
る。断熱容器１は、天井面２に係脱自在な結合手
段からなる対角線方向の切れ込み部２ａを有して
いる。床面７は側面３，４，５，６に接する少な
くとも３辺が係脱自在となつており、残る１辺を
中心に折曲自在になつている。もちろん残りの１
辺にも係脱自在な結合手段が講じられていてもよ
い。係脱自在の結合手段としては、フアスナー、
マジツクテープ（登録商標名）、ボタン、ホツク
あるいは紐による結合などが例示できる。また床
面と側面の結合は、床面または側面に本図の如く
折り返しを設けてマジツクテープ（登録商標名）
などで結合したり、折り返しを設けないで直接両
面をフアスナーや紐で結合してもよい。

本図の如く床面に折り返しをつける場合には、
床面の折り返し部８が側面の内側に来るように結
合することが、後述の台車床面と一体的に折曲す
る際、簡単に側面と係脱できるので好ましい。ま
た側面のうち一面は、容器内に物品を出し入れす
る際の便を考えて全面的に開放できるような手段
を講じるのが好ましい。

断熱容器を構成する可撓性の断熱シートの好適
例としては、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレ
ン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリ塩化ビニル
発泡体、ポリウレタン発泡体などの合成樹脂発泡
体を主体として、たとえばアルミ箔、鉄箔、アル
ミ蒸着フイルムなどを遮光層として積層したもの
が例示できる。

本考案に使用する台車は、第２図に示すよう
に、床面２２と側枠２１ａ，２１ｂ，２１ｃから
基本的に構成されるものである。床面２２は一方
向に折曲できるようになつており、側枠２１ａも
同様に折曲できるようになつていて、未使用時な
どには床面および側枠を折曲してコンパクトに折
畳み収納する。この際台車の上部から見た平面形
状は状より〓状に折畳まれることになる。

第３図は本考案の輸送用断熱容器の例であり、
前述で説明した断熱容器と台車を一体化したもの
である。断熱容器３１は、必要に応じて台車側枠
３２および／または床面と紐やテープなど３３に
より係合されている。使用時は天井面対角線方向
の切れ込み部３１ａの結合手段を係止し、さらに
床面、側面などの結合手段を係止して密閉状態に
して用いる。

第４図は折畳み収納している状態を示す図であ
る。台車の床面を上方に折曲することにより、断
熱容器の床面も一体的に上方に折曲される。この
際、断熱容器の床面と側面の結合手段は、必要に
応じて事前にはずしておく。つぎに天井面の切れ
込み部の結合手段を開放したのち、台車の側枠４
２を内側に折曲すると、断熱容器の天井面４３は
下方（または上方）に折曲されて断熱容器も側枠
と一体的に折畳み込まれる。この結果、輸送用断
熱容器は、使用時に上方から見た平面形状□状の
ものが、折畳むことによつて〓状となり、保管ス
ペースが小さくでき、互に重ね合わせて収納する
ことができる。

また収納した本考案の輸送用断熱容器を使用す
る場合には、前記と逆の操作を行えばよい。すな
わち、折曲された側枠を外側にもどして断熱容器
の側面部および天井面をもとの形状にもどし、上
方に折曲された台車の床面を下方に落とすことに
より、断熱容器の床面ももとの形状にもどし、各
接続部を係合すればよい。

本考案の輸送用断熱容器は、台車と容器を別々
にすることなく、一体的に折畳みができるので、
保管作業などの迅速化、省力化に継がるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の容器部を示す図、第２図は本
考案の台車部を示す図、第３図、第４図は本考案
の輸送用断熱容器を示す図である。 ２……天井面、２ａ……切れ込み部、３，４，
５，６……側面、７……床面、８……床面折り返
し部、５ａ，６ａ，６ｂ，８ａ……接続部、２１
ａ，２１ｂ，２１ｃ……側枠、２２……床面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 係脱自在の結合手段からなる対角線方向の切れ
   込み部を有する天井面および側面に接する少なく
   とも３辺が係脱自在である床面を有した可撓性断
   熱シートからなる断熱容器と、床面および側枠の
   少なくとも一面が折曲自在である台車とからな
   り、天井面の対角線方向切れ込み部の結合手段を
   開放することによつて、断熱容器が台車の床面お
   よび側枠と一対に折曲収納可能であることを特徴
   とする一体に折畳み可能な輸送用断熱容器。