JPS6231813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は集中給湯用の瞬間式給湯装置に関す
る。家庭における温水用途には様式入浴・和式入
浴（浴槽に落し込みによつて湯を満して入欲した
後、浴槽の浴水を加熱してその浴水で入浴するこ
と）・シヤワー浴・洗面・手洗い・食器洗い・拭
き掃除・洗濯などがあり、それぞれの適温と所望
の流出率とが相違するとともに、これらの給湯が
２ないし３個所で同時に行なわれることがあるの
が実態である。

従来の集中給湯装置は、瞬間式・貯湯式のいず
れであつても、大能力の湯沸器で高温の一定流出
率の給湯を行ない、使途に応じて冷水を混合させ
て使う方式が多い。このような給湯法では、上記
の使用実態を満足させるためにすべての給湯栓を
混合水栓にしなければならないばかりでなく、比
較的低温でしかも小量で十分な用途の場合、例え
ば洗面や手洗いではガスと水とが不経済になる。

本考案は、必要湯量の異なる複数の給湯栓のう
ちの或る栓を開いたとき、他の給湯栓の操作に影
響されることなく、換言すれば同時使用をした場
合であつても単独使用の場合であつても、任意所
望の湯量をその給湯栓から得られ、さらに上記和
式入浴における浴水加熱を行なうことができるよ
うな給湯装置を提供するものである。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第４図は１個の匡体内に２組の水加
熱器を収容させた給湯装置の例を示し、第１図は
同上装置の概要構成図、第２図乃至第４図は同上
装置の作用を説明するための給湯および蒸気送出
系路図である。

これらの図において、１は給湯装置の匡体で、
その内部に吸熱部２，６とバーナ３，７を備えた
２組の瞬間式の水加熱器Ａ，Ｂと、所要のガス供
給機構・給水給湯機構・蒸気送出機構および電気
的制御機構を収容している。前記バーナ３および
７は同一のガス供給源からガス供給管１０により
匡体１内に導入され、それぞれがガスガバナ５，
９および自動ガス弁４，８を介装した分岐管によ
りガスを送給される。なお、このガス供給機構は
通常の瞬間式湯沸器と同一であつて、図示しない
がバーナの点火装置ならびに火炎監視装置を包含
している。給水給湯機構は、給水管１１、該給水
管１１から分岐された分岐水管１３，１４、吸熱
部２，６から導出された給湯管１７，１８および
その給湯管１８の下流側の給湯管１９、給湯管１
７，１８を連絡する連絡管２２、および前記給水
管１１に介装させた流水スイツチ１２、前記分岐
水管１３，１４にそれぞれ介装された流量センサ
１５，１６、ならびに前記給湯管１７，１８にそ
れぞれ介装させた湯温センサ２０，２１からな
り、これらの機構も通常の瞬間式湯沸器に採られ
ているものである。Ｅは前記連絡管２２に介在さ
せた電磁開閉弁、Ｆは前記給湯管１７と１９との
間に介在させた電磁開閉弁、Ｇは前記給湯管１８
に介在させた電磁開閉弁（以下、単に開閉弁とい
う）で、異なる湯の使用場所の給湯栓ａ，ｂの操
作に連動し、あるいは遠隔操作により自動制御器
２５を介して後述の如く開閉される。蒸気送出機
構は、給湯管１７の連絡管２２との接続部の下流
で給湯管１９から分岐させた蒸気送出管２３、こ
れに介装させた電磁開閉弁Ｈ（以下、単に開閉弁
という）とからなり、浴槽Ｄに取付けた蒸気吐出
管２４に接続される。

２５は前記開閉弁Ｅ〜Ｈの開閉と、流水スイツ
チ１２、流量センサ１５，１６ならびに湯温セン
サ２０，２１の検出信号に基づき自動ガス弁４，
８の開閉および選択設定値に従つて自動ガス弁
４，８のガス通過量の調整を行なわせる自動制御
器である。

次に、上述した構成よりなる実施例の作用につ
いて説明するが、説明の便宜上、水加熱器Ａの能
力を13号、水加熱器Ｂの能力を５号と仮定し、給
湯栓ａは浴室内にあつてこれへの給湯を浴槽内落
し込みとシヤワーとに出湯部で切り替えることが
でき、また給湯栓ｂは台所にあるものとする。

先ず、入浴またはシヤワー浴をしたい場合に
は、浴室にある遠隔操作部で湯温を設定すると共
に、開閉弁Ｅ，ＧおよびＨを閉じ、開閉弁Ｆを開
く操作を行なつてから給湯栓ａを開く。すると、
給水管１１、分岐水管１３、給湯管１７，１９に
水の流動が生じ、それによつて流水スイツチ１２
が動作して自動ガス弁４が開いてガスがバーナ３
に送られ、図示しない点火手段によつてバーナ３
が燃焼を開始し、水加熱器Ａのみが作動して13号
の能力の出湯が給湯栓ａで得られる。このとき、
流量センサ１５が給湯栓ａによる出湯量を検出
し、また湯温センサ２０が湯温を検出して所望の
出湯量で所望の温度の給湯が行なわれるように制
御器２５がバーナ３の燃焼量を調整する。この場
合の給水給湯系路は第２図において実線矢印で示
すようになる。

次に、食器の洗滌をしたい場合には、台所にあ
る遠隔操作部で湯温を設定すると共に、開閉弁Ｅ
およびＦを閉じ、開閉弁Ｇを開く操作を行なつた
後、給湯栓ｂを開く。すると、上述の場合と同様
に諸構成要素が動作して水加熱器Ｂのみが作動し
て給湯栓ｂから５号の能力の出湯がある。この場
合の給水給湯系路は第２図において破線矢印に示
すようになる。

以上に説明したとおり、開閉弁Ｅを閉じること
により、独立した水加熱器ＡとＢの作動に基づく
給湯が水加熱器が属する系路のみを経て行なわれ
るから、給湯栓ａとｂを同時に開栓すれば両給湯
栓からの同時使用が可能である。

次に、洋式入浴のごとく、短時間に浴槽に湯を
満たしたい場合には、浴室内の遠隔操作部で所望
湯温を設定すると共に、開閉弁Ｇ，Ｈを閉じ、開
閉弁Ｅ，Ｆを開く操作をした後、給湯栓ａを開
く。すると、流水スイツチ１２が動作して、上述
の始動経過をとつて水加熱器ＡとＢの両方が作動
し、合算した能力すなわち18号の能力の出湯で湯
を浴槽に落し込めることになる。この場合の給水
給湯系路は第３図に、実線矢印で示したようにな
る。

和式入浴において浴水加熱をしたい場合には、
浴室内の遠隔操作部で「蒸気」に設定する（これ
により給水は最小流量となる）と共に、他のすべ
ての開閉弁を閉じて開閉弁Ｈのみを開く操作を行
なう。すると、給湯の場合と全く同じ始動経過を
とつて水加熱器Ａが作動し、給水を13号の能力で
加熱して蒸気にし、これが蒸気吐出管２４から吐
出して浴槽Ｄ内の温度の下つた浴水を加熱するよ
うになる。この場合の蒸気送出系路は第４図にお
いて実線矢印で示すとおりである。また蒸気送出
管２３を水加熱器Ａの給湯管１７から分岐させな
いで、水加熱器Ｂの給湯管１８から分岐させるな
らば、上記と同様にして５号の能力で浴水を蒸気
加熱するようになる。これによれば能力は小にな
るが加熱作用は静粛である。

以上述べたとおり、本考案の給湯装置は、複数
の給湯栓のうちの或る栓を開くと、他の給湯栓の
操作に無関係に任意所望の湯量の給湯が得られる
ので、異なる必要湯量の給湯の単独または同時使
用が可能であるのみならず、複数の水加熱器のそ
れぞれの能力を合算した出湯を単一給湯栓から得
ることができ、さらに蒸気による浴水の加熱も可
能であり、集中給湯における実用性が極めて大で
あると同時に、省エネルギーに資するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による給湯装置一実施例を示す
概要構成図、第２図ないし第４図は同上の作用を
説明する給湯・蒸気送出系路図である。 １……匡体、２，６……吸熱部、３，７……バ
ーナ、４，８……自動ガス弁、５，９……ガスガ
バナ、１０……ガス供給管、１１……給水管、１
２……流水スイツチ、１３，１４……分岐水管、
１５，１６……流量センサ、１７，１８，１９…
…給湯管、２０，２１……湯温センサ、２２……
連絡管、２３……蒸気送出管、２４……蒸気吐出
管、２５……自動制御器、Ａ，Ｂ……水加熱器、
Ｄ……浴槽、Ｅ，Ｆ，Ｇ，Ｈ……電磁開閉弁、
ａ，ｂ……給湯栓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 共通の給水管から給水される能力の異なる複数
   の水加熱器を匡体内に併設し、その各水加熱器か
   ら給湯管をそれぞれ導出させると共に、それぞれ
   の給湯管どうしを連絡管で連絡し、前記それぞれ
   の給湯管と前記連絡管とにそれぞれ電磁開閉弁を
   介設させ、かつ一方の前記給湯管に前記連絡管と
   の分岐点とその給湯管路の電磁開閉弁との間に別
   の電磁開閉弁を備えた蒸気送出管を接続させ、さ
   らに前記水加熱器の作動を自動制御させるための
   流水スイツチ、流量センサ、湯温センサよりなる
   検知素子を給水給湯系路に介装させ、前記各給湯
   配管先からの給湯系路の指定、または蒸気加熱の
   指令に基づく前記電磁開閉弁の開閉と、各水加熱
   器のバーナへのガスの給停とを遠隔制御し得る自
   動制御器を具備させたことを特徴とする集中給湯
   装置。