JPS62110021A - アルミニウム系すべり軸受 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はアルミニウム系すべり軸受に関し、より詳しく
は内燃機関のすベリ軸受に用いて好適なアルミニウム系
すべり軸受に関する。

「従来の技術」 従来、アルミニウム系すべり軸受としては既に種／７の
ものが知られている。一般にアルミニウム系すべり軸受
は、裏金の表面にＡｌ−Ｓｎ系軸受合金層を形成したも
のからなるが、その他、裏金の表面に形成したＡｌ−Ｓ
ｎ系軸受合金層−Ｌにオーバレイ層を形成したもの、裏
金の表面に純ＡＩ層を介してＡｌ−Ｓｎ系軸受合金層を
形成したもの等が知られている。

「発明が解決しようとする問題点」 ところで、最近の自動車用エンジンにおいては高出力化
や高回転化が図られ、また高燃費化に伴なって高温度で
低粘度オイルが使用されることから、軸受にとってはよ
り厳しい条件となってきており、一層の性能向上が望ま
れている。

［問題点を解決するための手段］ 本発明はそのような事情に鑑み、アルミニウム系すべり
軸受の構造および成分についての種々の研究を行なった
結果、優れた性能が得られるアルミニウム系すべり軸受
を見出したものである。

すなわち本発明のアルミニウム系すべり軸受は、裏金の
表面に、Ａｌ層、Ａｌ−Ｓｎ系軸受合金層、およびオー
バレイ層を順次形成したアルミニウム系すべり軸受であ
って、上記Ａｌ層を純ＡＩ、又はこれに２ｗｔ％以下の
Ｃｕ及び／又はＭｇを添加した材料から、上記Ａｌ−Ｓ
ｎ系軸受合金層をＡＩに３〜２０ｗｔ％のＳｎと、総量
で０．１−１ｖｔ％のＣｒ、　Ｍ！１．　Ｚｒ、　Ｖ、
Ｎｏ、　Ｇｏ、　Ｎｂのうちの１種以上とを添加した材
料から、上記オーバレイ層をＰｂ系合金からそれぞれ形
成したものである。

「作用」 そのような構造および成分を有するアルミニウム系すべ
り軸受は、従来のアルミニウム系すべり軸受に比較して
、高温下において良好な耐疲労性が得られ名ようになる
。

「実施例」 以下図示実施例について本発明の詳細な説明すると、第
１図において、ｌは裏金、２はＡｌ層、３はＡｌ−Ｓｎ
系軸受合金層、４はオーバレイ層で、それらＡｌ層２、
Ａｌ−Ｓｎ系軸受合金層３、オーバレイ層４は裏金１の
表面側にその順に順次形成してあり、また裏金１の裏面
にはコーティング層５を形成している。

上記裏金１としては通常の裏金鋼板、例えば５ｐｃｃを
用いている。

Ａｌ−Ｓｎ系軸受合金層３としては、特に軸受使用雰囲
気温度（１５０〜２００℃）で強度の高いものが惑星テ
アリ、　ＡＩニ３〜２０ｗｔ％ノＳｎト、ＷａＮテｏ、
ｔ　〜１ｗｔ％のＣｒ、Ｍｎ、Ｚｒ、ｖ、Ｍｏ、ｃｏ、
Ｎｂのうちの１種以トとを添加した材料から形成してい
る。

そのような成分のＡｌ−Ｓｎ系軸受合金層３は、これだ
けでもすべり軸受として使用できるだけの耐焼付性と耐
疲労性とを有しており、しかも　１５０〜２００°Ｃと
いう高温下で硬さの低下が少なくしかも強度も高く耐荷
重性もあるので、仮に表層のオーバレイ層４が摩耗して
なくなっても充分使用に耐えられる。

上記Ａｌ−８ｎ系軸受合金層３の材料としては、上述し
た成分に、さらに５ｗｔ％以下のＰｂ、　１０ｗｔ％以
下のＳｉ、　２．５ｗｔ％以下のＣｕ及び／又はＭｇの
うちの１種以上を含有させてもよい。上記Ｐｂはなじみ
性を向上させるとともにＳｎの潤滑性を改看し、Ｓｉは
それ自体の硬さおよびＳｉと他の元素との金属間化合物
の硬さが高いので、耐摩耗性を向上させる。

さらにＣｕ及び／又はＭｇは材料の延びをあまり低下さ
せずに強度をあげる効果がある。

また、上記表金１とＡｌ−Ｓｎ系軸受合金層３との間の
Ａｌ層２は、純Ａｌ、又はこれに２ｗｔ％以下のＣｕ及
び／又はＭｇを添加した材料からなっている。なお、純
Ａｌとは工業用純ＡＩの意味で、ＪＩＳ　１０５０等を
使用することができる。上記Ａｌ層２は裏金ｌとＡｌ−
Ｓｎ系軸受合金層３との密着強度を増大させるとともに
、疲労強度を増大させる。

すなわち、裏金１と、高温硬さの大きい上述の材ネ１か
らなるＡｌ−Ｓｎ系軸受合金層３との間に、高温硬さの
小さい上述の材料からなるＡｌ層２を介在させると、高
温状態において、高温硬さの小さいＡｌ層２が高温硬さ
の大きいＡｌ−Ｓｎ系軸受合金層３に対するクッシゴン
材として作用するようになるので、疲労強度が向上する
。また、そのようなＡｌ層２は片当りを１．１１（、ｊ
ｉｇするとともに、Ａｌ−Ｓｎ系軸受合金層３の放熱性
を向上させるので、それにょっても疲労強度が向上する
。

上記Ａｌ層２の厚さは５ｕ、ｍからＡｌ−Ｓｎ系軸受合
金層３と同程度の厚さまで、すなわちＡｌ層２とＡｌ−
Ｓｎ系軸受合金層３との合計厚さの約１／２までが望ま
しい、薄すぎると衝撃吸収性、片当り吸収性が劣り、他
方、Ａｌ−Ｓｎ系軸受台金Ｍ３よりも厚くなると耐荷重
性が低下し、結果として耐焼付性、耐疲労性が低下する
。

さらに上記オーバレイ層４はＰｂ系合金からなるもので
、このＰｂ系合金としては、Ｐｂに、１５ｗｔ％以下の
Ｓｎ、　１５ｗｔ％以下のＩｎ、５ｗｔ％以下のＣｕ、
５ｗｔ％以下のＳｂのうちの１種以上を添加した材料を
用いることが望ましい、このオーバレイ層４は、化学メ
ッキ、電気メッキ或いは乾式ノー２キ（スパッタリング
等）によって形成することができ、必要であればＡｌ−
Ｓｎ系軸受合金層３上に下地処理として４〜５ｇｍ厚以
下の旧メッキ又はＣｕメッキを形成し、そのメッキ上に
形成してもよい。

上記オーバレイ層４は、軸粗さ、うねり等に対する初期
なじみ性にすぐれ、片当りに対しても容易に変形、流動
、摩耗してなじむようになる。また耐焼付性に富むとと
もに、異物の埋収性も良好である。さらに比較的早期に
流体油潤滑条件を確保し、片ちり等による応力集中を緩
和させるため、下地であるＡｌ−Ｓｎ系軸受合金層３の
耐疲労性も向上し、軸受としての総合的な焼付、疲労特
性が改善される。

上記オーバレイ層４の厚さは１〜３０ｇｍが望ましく、
３〜１０４ｍの範囲がより好ましい。薄すぎると上述し
た効果が少なくなり、厚すぎるとオーバレイＲ４自体の
疲労強度が劣り、早期に疲労して油膜切れを起こし、や
がては焼付に至るようになる。

次に、上記裏金１の裏面に形成したコーティング層５は
、裏金１とこれを支持する図示しないハウジングとの間
で生ずるフレッチング摩耗およびその結果による摩耗粉
の堆積、或いは潤滑油の炭化によるスラッジの堆積等を
低減させるためのものであり、このコーティング層５は
、上記堆積物が成長すると部分的に盛り上りを生じて軸
受面内で強い片当り状態となり、その部分で集中荷重が
発生して早期に疲労破壊することを防止する効果がある
。

上記コーティング層５は硬さがＨｖ１５〜８０である、
具体的にはＣｕ、　Ｎｉ、ＡＩやそれらの合金、或いは
ＰＴＦＥ、ポリアミド、ポリエチレン等の合成樹脂を用
いることができる。モしてＣｕ、Ｎｉについては電気メ
ッキ又はクラッドにより、またＡｌについてはフラッシ
ュメッキ、クラッド若しくはスパッタにより形成するこ
とができる。

」；記コーティング層５は、その硬さがＨｖ１５未満で
は効果が少なくなり、他方、Ｈｖ８０を越えるとコーテ
ィング層５と上記ハウジングとの間に介在された異物を
充分に埋収できなくなり、局部的な盛り上りが発生する
ようになるので、Ｈｖ１５〜８０の範囲が望ましい。ま
た、厚さは、所定の効果を得るためには０．３１ｔｍ以
上が望ましく、厚すぎると軸受の耐久性が低下するので
、　１１００ｐ以下、望ましくは３０ｐｍ以下がよい。

なお、このコーティング層５は、必要に応じて省略して
もよい。

次に、本発明の効果を実験結果について説明する。この
実験は回転荷重試験機を用いて疲労強度を測定したもの
で、　１３０００ｒｐｍ＋で軸を回転させ、測定すべき
試料に面圧３０ＱＫｇ／　ｃ　ｍ″の回転荷重を与えて
その試料に疲労が生じるまでの時間を測定したものであ
る。このとき、潤滑油はＳＡＥ　ｌ０Ｗ−３０を使用し
、軸受背面温度が所定の温度となるように油温を制御し
た。

第２図は上記実験結果を示したもので、同図において、
試料ｌ、２が本発明品、試料３〜８が比較材である。そ
れら試料１〜８の成分は下記のとおりである。

（試料ｌ） オーバレイ層：　Ｐｂ−１０％Ｓｎ−２％Ｃｕ　５　ｐ
−ｍ厚Ａｌ−Ｓｎ系軸受合金層：　ＡＩ−１２＄Ｓｎ−
１，５Ｈ’ｂ−２，５％５ｉ−１＄Ｃ：ｕ−０，２＄Ｇ
ｒ Ａｌ層：　ＪＩＳ　１０５０　５０ｇｍ厚裏金：　５ｐ
ｃｃ （試料２） 試料ｌのものにコーティング層として０．８ｐｍ厚のＣ
ｕメッキを施したもの。

（試＃４３） オーバレイ層：　Ｐｂ−１０＄Ｓｎ−２％Ｃｕ　５　ｇ
　ｍ厚Ａｌ−Ｓｎ系軸受合金層：　Ａｌ−２０％Ｓｎ−
１％ｃｕＡｌ層：　ＪＩＳ　１０５０　５０ｇｍ厚裏金
：　５ｐｃｃ （試料４） 試料３のものにコーティング層として０．６ｇｍ厚のＣ
ｕメッキを施したもの。

（試料５） ＡＩ−Ｓｎ系軸受合金層：　Ａｌ−１２ＸＳｎ−１，５
％Ｐｂ−２，５ＸＳｉ−１ｌｃｕ−０，２％Ｃｒ Ａｌ層：　ＪＩＳ　１０５０　５０ｇｍ厚裏金：　ＳＰ
Ｃ：［； （試料６） 試料５のものにコーティング層として０．８１Ｌｍ厚の
Ｃｕメッキを施したもの。

（試料７） ＡＩ−Ｓｎ系軸受合金層：　Ａｌ−１２＄Ｓｎ−１，５
％Ｐｂ−２，５ＸＳｉ−１％Ｃｕ−０，２％（、ｒ 裏金：　５ＰＣＧ （試料８） ＡＩ−Ｓｎ系軸受合金層：　Ａｌ−２０！Ｓｎ−１＄Ｃ
ｕ裏金：　５ｐｃｃ 第２図の実験結果から理解されるように、本発明に係る
試料１，２においては比較材３〜８に比べて高い疲労強
度が得られており、特に軸受背面温度が高温となっても
疲労強度の低下が少ないことが理解される。

「発明の効果」 以上のように、本発明によれば、高温下でも耐疲労性に
優れたアルミニウム系すべり軸受を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２図は疲労
強度を測定した実験結果を示す図である。 ｌ・・・裏金　　　　　　　　　２・・・Ａｌ層３・・
・Ａｌ−Ｓｎ系軸受合金層　４・・・オーバレイ層５・
・・コーティング層

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）裏金の表面に、Ａｌ層、Ａｌ−Ｓｎ系軸受合金層
   、およびオーバレイ層を順次形成したすべり軸受であっ
   て、上記Ａｌ層を純Ａｌ、又はこれに２ｗｔ％以下のＣ
   ｕ及び／又はＭｇを添加した材料から、上記Ａｌ−Ｓｎ
   系軸受合金層をＡｌに３〜２０ｗｔ％のＳｎと、総量で
   ０．１〜１ｗｔ％のＣｒ、Ｍｎ、Ｚｒ、Ｖ、Ｍｏ、Ｃｏ
   、Ｎｂのうちの１種以上とを添加した材料から、上記オ
   ーバレイ層をＰｂ系合金からそれぞれ形成したことを特
   徴とするアルミニウム系すべり軸受。
2. （２）上記裏金の裏面に、硬さがＨｖ１５〜８０のコー
   ティング層を形成したことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項に記載のアルミニウム系すべり軸受。
3. （３）上記Ａｌ−Ｓｎ系軸受合金層が、さらに５ｗｔ％
   以下のＰｂ、１０ｗｔ％以下のＳｉ、２．５ｗｔ％以下
   のＣｕ及び／又はＭｇのうちの１種以上を含むことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項又は第２項に記載のアル
   ミニウム系すべり軸受。
4. （４）上記オーバレイ層のＰｂ系合金が、Ｐｂに、１５
   ｗｔ％以下のＳｎ、１５ｗｔ％以下のＩｎ、５ｗｔ％以
   下のＣｕ、５ｗｔ％以下のＳｂのうちの１種以上を添加
   した材料であることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   ないし第３項のいずれかに記載のアルミニウム系すべり
   軸受。
5. （５）上記オーバレイ層が、下地処理としてＡｌ−Ｓｎ
   系軸受合金層上に施されたＮｉメッキ又はＣｕメッキ上
   に形成されていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項ないし第４項のいずれかに記載のアルミニウム系すべ
   り軸受。