JPS6137545B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、炉装甲板の内側に設けられかつ冷却
媒体管が板冷却器に鋳込まれた複数の保護管を介
して炉装甲板にある開口を貫通し、これらの保護
管が装甲板貫通部の範囲において冷却媒体管を間
隔をおいて包囲し、炉装甲板にある開口がガスが
漏洩しないように密封されている、高炉のような
冶金炉における板冷却器の取付け装置に関する。

高炉冷却装置の板冷却器は従来種々のやり方で
炉装甲板の内面に取付けられている。或る公知の
取付け装置では、冷却管の周りにある保護管を保
持板あるいは密封フードに固定的に溶接すること
により板のほぼ固定的な結合が行なわれ、この保
持板あるいは密封フードは炉装甲板に溶接され
る。炉の内部からの熱量が異なる場合板冷却器の
膨張が変化するため、上述の溶接個所が繰返し応
力を受けて、ついに溶接個所が破損し、それによ
つて炉が気密でなくなつてしまう。

別の取付け態様では、板冷却器がボルトにより
取付けられ、このボルトは板冷却器に差し込まれ
て炉装甲板に堅く締めつけられる。ねじ頭は内側
の切欠きの中にはめ込まれている。外部に対して
ナツトが密封フードにより密封されている（ドイ
ツ連邦共和国特許出願公開第2743380号明細書）。

板冷却器の熱負荷が高い場合は、締付けねじが
許容できないほどに膨張しあるいはねじ頭がすつ
かり溶けてしまう。それによつて板が炉の中心の
方向に移動することがある。高温の反応ガス板冷
却器と炉装甲板との間の間隙を通つて流れ、炉装
甲板を許容できないほど加熱する。保護管は炉装
甲板の開口に接触して圧縮を行なう。これらの欠
点を取り除くために、本発明の課題は、次のよう
にすることにある。すなわち、板冷却器の熱膨張
が、取付け個所に許容できない圧縮を生ぜしめ
ず、板冷却器が、陵接する板の膨張によりあるい
は炉内に存在する材料により生ぜしめられる外力
が作用する際、その位置に固定的に拘束されたま
まであり、板冷却器の鋳造体が持続する温度変化
のために破損する場合にも炉装甲板に対する冷却
媒体管の位置がもとのままであり、板冷却器と炉
装甲板との間にガス流が生ぜず、外側管における
板の移動ができるだけ僅かであり、炉装甲板にあ
る開口の確実な密封が保証されるようにすること
にある。

この課題は、板冷却器の水平面内に少なくとも
１つの保護管が固定支持片として用いられ、同じ
面内にある他の保護管が、水平方向に移動可能な
支持装置として構成され、固定支持片に対向して
少なくとも１つの保護管が、垂直方向に移動可能
な支持装置として構成され、この面内にある他の
保護管が可動支持片として構成されていることに
よつて解決される。

本発明の別の構成においては、固定支持片とし
て用いられる保護管が炉装甲板を貫通後保持板に
より炉装甲板に固定的に溶接されている。横に並
んでいる複数の保護管も固定支持片として構成す
ることができる。なぜならば、相互の間隔が比較
的小さい場合に予想される僅かな熱膨張が、保護
管により吸収されるからである。水平方向に移動
可能な支持装置または垂直方向に移動可能な支持
装置のために、炉装甲板を通される保護管が保持
板を備え、この保持板が、炉装甲板に溶接された
水平または垂直遊隙付き案内部に支持され、可動
支持片が水平および垂直方向に移動可能であり、
炉装甲板に間隔板が溶接され、この間隔板が、炉
装甲板を通される保護管を周囲にわたつて遊隙を
もつて包囲し、この保護管が保持板により炉の中
心の方向へ軸線方向移動しないようになつている
場合、板冷却器の生ずる膨張は取付け位置におけ
る圧縮なしに相殺される。

固定支持片の両側において同じ面内に水平方向
に移動可能な支持装置を設けることにより、板冷
却器の全幅にわたつて生ずる膨張が相殺される
が、しかし上方あるいは下方から板冷却器に作用
しかつ大きすぎて固定支持片だけでは吸収できな
い力が、案内部により共に負担されるので、垂直
方向の板の移動は起こらない。固定支持片に対向
する面内に設けられた１つあるいは複数の保護管
は、垂直方向に移動可能な支持装置により、板縦
方向の熱膨張が圧縮を行なわず、しかし隣接する
板の膨張のため生ずる側方力が、保護管にある保
持板を介して案内部へ伝達されるように作用す
る。この面内において垂直方向に移動可能な支持
装置のそばに鋳込まれた他の保護管は、水平およ
び垂直方向に、これらの保護管を包囲する間隔板
に対する遊隙を持つている。したがつて板冷却器
のこの範囲においても、板冷却器の熱膨張から圧
縮が起こることはない。すべての保護管に固定的
に溶接された保持板は、板冷却器が炉の中心の方
向に移動するのを防止する。したがつて板冷却器
と炉装甲板との間に高温の炉ガスの流れが生ずる
ことはない。

保護管の上述の支持装置により、鋳込まれた冷
却媒体管の入口および出口範囲は、持続する温度
変化のために板冷却器の鋳造体に亀裂が生じた場
合にも炉装甲板に対する冷却媒体管の位置がもと
のままであるように保護されている。炉装甲板に
おける板冷却器の取付け位置をガスが漏洩しない
ように密封するために、保持板、案内部および間
隔板にそれぞれ１つの接続管片が溶接されてお
り、この接続管片は、保護ハウジングにより包囲
されかつ冷却媒体管と結合された金属補償片をそ
れぞれ１つずつ保持している。

図面に示された実施列例について本発明を以下
に詳細に説明する。

板冷却器１は、互いに平行に鋳込まれた４つの
冷却媒体管２を持つており、これらの冷却媒体管
は水平面３および４において鋳造体から出てい
る。出口範囲において冷却媒体管は、鋳造体の接
触面に対して突出している鋳込まれた複数の保護
管５により包囲されている。板冷却器を炉装甲板
６の内側に取付ける際、冷却媒体管２および突出
している保護管５は炉装甲板６の開口７を通され
る。保護管５は板冷却器を取付けるのに役立つ。
水平面３において、第２図による両方の中間保護
管５が固定支持平片８として構成されている。こ
のために、開口７を覆う保持板９が保護管５およ
び炉装甲板６に固定的に溶接されている。同じ水
平面３において固定支持片８と並んで、水平方向
に移動可能な支持装置１０が設けられている（第
３図）。このために、保持円板１１は保護管５に
固定的に溶接されかつこの保持円板は水平方向の
膨張しか起こらないように案内部１２に支持され
ている。保持板１１は炉装甲板６上を摺動する。
固定支持片に対向して、水平面４内に垂直方向に
移動可能な２つの支持装置１３が設けられている
（第４図）。この場合においても、保持板１１は保
護管５に固定的に溶接されかつ90゜ずらした案内
部１２に支持されている。板冷却器が縦軸線上に
熱膨張する際、保持板１１は炉装甲板６上を垂直
方向に摺動する。面４内において垂直方向に移動
可能な支持装置１３の両側に設けられた可動支持
片１４の場合は、鋳造体が水平および垂直方向に
膨張することがある（第５図）。この場合、炉装
甲板６に溶接された間隔板１５は保護管５の周面
を遊隙をもつて包囲している。保護管５に溶接さ
れた保持板１１は、間隔板１５に接触しかつ保護
管が炉の中心の方向へ軸線方向移特動しないよう
にしている。

第６図は可動支持片１４ａの別の構成を示す。
この場合、保護管５に溶接された円形の保持板１
１ａは、この保持板を包囲する接続管片１９内
に、板冷却器１の熱膨張が自由に行なえるだけの
遊隙２０しか持つていない。外力が板冷却器に作
用する場合、この板冷却器の移動は、保持板１１
ａを接続管片１９の内壁に接触させることにより
防止される。

炉装甲板６にある開口７および保護管５の所に
ある環状間隙を通つて炉ガスが漏洩することがあ
るから、板冷却器の取付け個所は密封されてい
る。このために各冷却媒体管２は板１６を介して
金属補償片１７と結合されており、この金属補償
片は保護ハウジング１８により包囲されかつ接続
管片１９により保持板９、案内部１２および間隔
板１５あるいは直接炉装甲板６に気密に溶接され
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、種々の取付け装置を概略的に示した
板冷却器の正面図、第２図は、第１図の―線
に沿う固定支持片の断面図、第３図は、第１図の
―線に沿う、水平方向に移動可能な支持装置
の断面図、第４図は、第１図の―線に沿う、
垂直方向に移動可能な支持装置の断面図、第５図
は、第１図の―線に沿う可動支持片の断面
図、第６図は、第１図の―線に沿う、別の構
成の可動支持片の断面図である。 １……板冷却器、３，４……水平面、５……保
護管、８……固定支持片、１０，１３……支持装
置、１４……可動支持片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炉装甲板の内側に設けられかつ冷却媒体管が
   板冷却器に鋳込まれた複数の保護管を介して炉装
   甲板にある開口を貫通し、これらの保護管が装甲
   板貫通部の範囲において冷却媒体管を間隔をおい
   て包囲し、炉装甲板にある開口がガスが漏洩しな
   いように密封されている、高炉のような冶金炉に
   おける板冷却器の取付け装置において、板冷却器
   １の水平面３内に少なくとも１つの保護管５が固
   定支持片８として用いられ、同じ面内にある他の
   保護管が、水平方向に移動可能な支持装置１０と
   して構成され、固定支持片８に対向して少なくと
   も１つの保護管が、垂直方向に移動可能な支持装
   置１３として構成され、この面４内にある他の保
   護管が可動支持片１４として構成されていること
   を特徴とする、冶金炉における板冷却器の取付け
   装置。 ２ 固定支持片８として用いられる保護管５が炉
   装甲板６を貫通後保持板９により炉装甲板に固定
   的に溶接されていることを特徴とする、特許請求
   の範囲第１項記載の板冷却器の取付け装置。 ３ 水平方向に移動可能な支持装置１０または垂
   直方向に移動可能な支持装置１３のために、炉装
   甲板６を通される保護管５が保持板１１を備え、
   この保持板が炉装甲板６に溶接された水平または
   垂直遊隙付き案内部１２に支持されていることを
   特徴とする、特許請求の範囲第１項および第２項
   のうち１つに記載の板冷却器の取付け装置。 ４ 可動支持片１４が水平および垂直方向に移動
   可能であり、炉装甲板６に間隔板１５が溶接さ
   れ、この間隔板が、炉装甲板６を通される保護管
   ５を周囲にわたつて遊隙をもつて包囲し、この保
   護管が保持板１１により炉の中心の方向に軸線方
   向移動しないようになつていることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項ないし第３項のうち１
   つに記載の板冷却器の取付け装置。 ５ ガスが漏洩しないように取付け個所を密封す
   るために保持板９、案内部１２および間隔板１５
   にそれぞれ１つの接続管片１９が溶接され、この
   接続管片が、保護ハウジング１８により包囲され
   かつ冷却媒体管２と結合された金属補償片１７を
   それぞれ１つずつ保持していることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項ないし第４項のうち１
   つに記載の板冷却器の取付け装置。