JPS6110110Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、室内の汚濁した空気と新鮮な外気
との間で熱交換させつつ換気を行なう同時吸排気
式の換気装置に関するものである。

室の冷暖房では、汚濁した室内の空気を排気
し、新鮮な外気を室内に取り入れること、すなわ
ち換気を実施することが快適な雰囲気を維持する
うえで大切である。そして、この換気を室の冷暖
房雰囲気を大きく変動させることなく実施するた
めに、熱交換器を内蔵した換気装置が開発されて
いる。しかし、従来のこの種の換気装置は、排気
と給気とが対等に行なわれるようになつているた
め、換気運転によつて室内の温度及び湿温がかな
り変動するもので、換気とともに冷暖房雰囲気が
損われ易い問題がある。

本考案は、上記した従来の問題点を解消するこ
とを目的とした、冷暖房雰囲気を極力損わずに室
の換気が可能な小型の換気装置を提供するもので
ある。

次に本考案の構成を図面に示す実施例に基づい
て具体的に説明する。

図面に示す本考案の適用例としての換気装置
は、室の内外を仕切る側壁構造Ｗにあけた取付孔
に嵌め装置される小型のもので、角筒形の外箱１
に主要構成部材が組込まれている。外箱１には仕
切壁２などによつて仕切られた排気のための排気
路と給気のための給気路とが形成されている。排
気路は、室内の空気を屋外に排気するための経路
で、外箱１の室内側（第１図における左側）の中
央にほぼ幅いつぱいに開口した吸込口３から外箱
１の屋外側（第１図における右側）の上部に開口
した排気口４に至る一連のカギ形に曲がつた通路
である。また給気路は外気を室内へ取り入れるた
めの経路で、外箱１の屋外側の中央に開口した吸
込口５から外箱１の室内側の上部に開口した給気
口６に至る一連のカギ形に曲がつた通路である。
外箱１内の屋外寄りの中心部分には回転軸７を外
箱１の中心にほぼ一致させて両側から突き出させ
たモータ８が取付けられている。このモータ８の
回転軸７の各々の突出端にはそれぞれ羽根車９，
１０が、排気路の一部を構成するケーシング１１
内と給気路の一部を構成するケーシング１２内と
においてそれぞれ回転するように取付けられてい
る。すなわち、排気路には吸気口３から排気口４
に至る空気流を形成する、モータ８と羽根車９お
よびケーシング１１を主体とする排気用送風機
が、又給気路には吸気口５から給気口６に至る空
気流を形成する、モータ８と羽根車１０およびケ
ーシング１２を主体とする給気用送風機がそれぞ
れ備え付けられているのである。給気用送風機の
吸込口は、外箱１の屋外側に開口した吸気口５に
臨み、排気用送風機の吸込口は、外箱１の室内側
における給気路と排気路との交合部分における吸
込口３に対応する位置に臨んでいる。給気路と排
気路との交合部分には長方形の直方体状の熱交換
器１３が組込まれ、これにより給気路と排気路と
はその全長にわたつて隔絶される。熱交換器１３
はその長辺に沿う通路が給気路に、短辺に沿う通
路が排気路にそれぞれ連絡されている。そして、
排気路の熱交換器１３の出入口側に臨む双方には
それぞれ空気室Ｓが形成されている。二つの空気
室Ｓは出口側のものについては熱交換器１３と排
気用送風機のケーシング１１及び熱交換器１３を
支持する支持部材１４で囲まれる空間であり、入
口側のものについては、外箱１の室内側に装着さ
れる化粧カバー１５に形成された熱交換器支持部
１６と熱交換器１３で囲まれる空間である。化粧
カバー１５には外箱１の吸込口３及び給気口６に
対応する開口部がそれぞれ上下に隣接して形成さ
れている。ただし、吸込口３は熱交換器１３の組
付けで熱交換器１３の通路の入口側と重合する。
従つて実際には化粧カバー１５の各開口部が吸込
口あるいは給気口としてそれぞれ機能することに
なる。

この換気装置における排気流量は給気流量より
も大きくなつているのである。すなわち、排気路
に対し、空気室Ｓが設けられかつその吸込口３の
開口面積が給気路の吸込口５のそれよりも大きく
構成されているのである。そして、さらに熱交換
器１３自体が排気路に対する通路と給気路に対す
る通路に差が生じる立体に構成されていることに
より、排気流量を給気流量より大きくして室内の
外気の過度の導入による冷暖房雰囲気の悪化を防
止し、かつ排気流と給気流との熱交換及び湿度交
換を排気流の主導の基に行なわせることができ、
室内の温度や湿度の換気に伴う変動を極力抑制す
ることができるのである。

以上、実施例による説明からも明らかなように
本考案の換気装置は、吸込口が室内側に排気口が
屋外側にそれぞれ臨んで開口し、吸込口から排気
口に至る排気流を形成する排気用送風機を備え持
つ一連の排気路と吸込口が屋外側に給気口が室内
側にそれぞれ臨んで開口し、吸込口から給気口に
至る給気流を形成する給気用送風機を備え持つ一
連の給気路と、前記排気路と給気路との室内側寄
りの交差部に組付けられた熱交換器とを備え、前
記排気路における熱交換器への入口部分と排気用
送風機への入口部分とに空気室を形成して給気路
における通風量より排気路の通風量のほうが大き
くなるようにしたものであるから、送風機の能力
に差を持たせるような面倒な構成をとらずに排気
主導の空調換気を実現しうる。つまり、室内へ導
入する外気を十分な量の排気によつて熱交換させ
ることができ、室内の状態量の変動を極力抑えた
換気を実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の適用例としての換気装置を
取付状態で示す縦断面図、第２図は、その拡大正
面図である。なお、図中同一符号は同一又は相当
部分を示す。 １……外箱、３……吸込口（排気路の）、４…
…排気口、５……吸込口（給気路の）、６……給
気口、８……モータ、９，１０……羽根車、１
１，１２……ケーシング（送風機の）、１３……
熱交換器、Ｓ……空気室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 吸込口が室内側に排出口が屋外側にそれぞれ
   臨んで開口し、吸込口から排出口に至る排気流
   を形成する排気用送風機を備え持つ一連の排気
   路と吸込口が屋外側に給気口が室内側にそれぞ
   れ臨んで開口し、吸込口から給気口に至る給気
   流を形成する給気用送風機を備え持つ一連の給
   気路と、前記排気路と給気路との室内側寄りの
   交差部に組付けられた熱交換器とを備え、前記
   排気路における熱交換器への入口部分と排気用
   送風機への入口部分とに空気室を形成して給気
   路における通風量より排気路の通風量のほうが
   大きくなるようにしたことを特徴とする換気装
   置。 (2) 熱交換器が直方体で、その長辺に沿う通路が
   給気路に、短辺に沿う通路が排気路にそれぞれ
   連絡している構成の実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の換気装置。