JPS607565B2 - 管の圧延方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は管の圧延方法に関するものである。

継目無金属管（例えば継目無鋼管）は適宜方法によって
穿孔したのち、管内にマンドレルを挿入しロール組によ
って構成されるカリバー列によって連続圧延されている
。管の連続圧延法は圧延中のマンドレルの拘束状態によ
ってフルフローティングマンドレルミル法とセミフロー
ティングマンドレルミル法に大別され、前者は圧延中の
マンドレルがその進行を外力によって拘束されず、後者
ではマンドレルは圧延中に後様を支持されて所望の速度
に拘束される。従来の管とマンドレルの分離法はフルフ
ローテイングマンドレルミル法ではマンドレルと管は該
圧延機の出側へ一体的に進み、管端をストッパーで支え
、場合によっては挟持装置によって管体を挟持してマン
ドレル後端をストリッパーブロックにより把持して圧延
方向と逆方向にマンドレルを抜取る（この方法を以下Ａ
法と呼ぶ）。セミフローティングマンドレルミル法では
フローティングマンドレルミル法と同じＡ法か、又は前
記連続圧延機の次に管の外径をわずかに縮小圧延するェ
クストラクターを設け、マンドレルの後端は前記連続圧
延機の入側においてスラストブロックにより把持し、管
のみをェクストラクターにより前進させてマンドレルと
管を分離する（この方法を以下Ｂ法と呼ぶ）。マンドレ
ルはこの後、スラストブロックで把持したまま圧延開始
位置まで後退されるか（ＢＩ法と呼ぶ）、スラストブロ
ックから解放されてェクストラクターを貫通して出側装
置へ移される（Ｂ２夫と呼ぶ）。この様な従来法ではそ
れぞれ次の問題を残している。Ａ法では■ストッパーで
支えた管の後端部がマンドレルを貫通したストッパー孔
壁とマンドレル間に喰い込み、マンドレルの抜取りが困
難となる、■マンドレル抜取時の管とマンドレル間の摩
擦力により管の長さが縮められ管は蛇腹状となり、マン
ドレルが管により締付けられてその抜取が困難となる、
■ストリッパーが圧延ライン上に直けず、連続圧延機か
ら離れているため、圧延完了後マンドレル抜取開始まで
の時間がかかり、管はマンドレルにより冷却されて収縮
しマンドレルの抜取が困難となる。ＢＩ法では■管の連
続圧延完了後も管がマンドレルから抜取られるまでスラ
ストブロックを前進位置に置くのでスラストブロックが
圧延待機位置へ後退するまでの時間が長くなり、圧延能
率が低下する。Ｂ２夫では■ェクストラクター内をマン
ドレルが通過するので、ェクストラクターのカリバー寸
法はマンドレル直径より大きくなければならず、ェクス
トラクタ−により管抜取に必要な十分な力を発生させる
ことが出来ない場合があるのみならず、ＢＩ法を同様に
圧延能率の低下はさげられない。本発明は以上の従来法
の問題点を克服したものであって、フルフローティング
マンドレルミル法およびセミフローティングマンドレル
ミル法のマンドレルの抜取りを能率良くかつミスなく行
なうことができる管の圧延方法を提供するものである。

以下、本発明の実施態様について述べる。

第１図は本発明を実施する場合の設備配置例を示し、連
続圧延機１とその出側にサィジングミル２を直線状に延
在せしめ、両者の間にマンドレル把持装置３を配設する
。ここで、サィジングミル２はサイジングミルに類似の
レデューサ、ストレッチレデューサ等の管圧延機を含む
ものとする。管は連続圧延機１の入側テーブル４又は５
においてマンドレルを装入され、連続圧延機１によって
連続圧延される。この時の圧延方式はフルフローティン
グマンドレル法又はセミフローティングマンドレルミル
法のいづれでも良い。マンドレルはフルフローティング
マンドレルミル法では圧延中にその動きを外力によって
拘束されていないため、管と一体的に連続圧延機１の出
側へ移り、セミフローティングマンドレルミル法ではそ
の動きがマンドレル移動装置６により拘束され、圧延完
了後又は圧延中にこれより解放されて管と一体的に連続
圧延機１の出側へ移る。この様な圧延法ではマンドレル
の前端は管の前端より例えば２ｈ以上引込んでおり、そ
の後端部が管から露出している状態となる。本発明法で
はマンドレルの存在しない管の前端部をサィジングミル
で縮小圧延を開始したのちマンドレル後端部をマンドレ
ル把持装置により把持してマンドレルの前進を拘束し、
サィジングミルの圧延力によって管を引続き前進させて
マンドレルから分離する。その後、管は出側テーフル７
を通って次工程へ移動し、マンドレルはマンドレル回送
テーブル８，９を通って連続圧延機１の入側へ移動する
。以上の方法により従来法の欠点は克服できる。従釆法
の■〜■の欠点はストリッパーを使わず、サィジングミ
ルを使用することによって解決し、、欠点■は管とマン
ドレルを一体的に連続圧延機１の出側へ送ることによっ
て解決し、欠点■はサィジングミル２の前でマンドレル
を除去し、サイジングミルのカリバー直径をマンドレル
直径より小さくすることによりサィジングミルによる管
の前進力を大きくすることによって解決した。本発明の
第２の特徴はサィジングミル２で圧延中にマンドレルＭ
を管の入側前進速度、すなわちサィジングミルの最初の
ロール周速度より遅い速度で前進させることにある。

こうすることによって管とマンドレル間の摩擦力が急激
に上昇した場合に発生しやすいロールと管のスリップを
防止する。すなわち、マンドレルの移動を停止している
場合には、一旦ロールスリップが発生すると、管の前進
は停止し、管の変形が停止するため管には圧延による前
進力は鰯らかなくなり、管が再び前進するチャンスは失
なわれてしまう。マンドレルが前進している場合にはロ
ールスリップが発生しても管はマンドレルの速度以上で
前進することが出来、管に働らく前進力はわずかに低下
するだけで、管は再び定常速度で前進することができる
。この様なマンドレル把持装置はマンドレル後端近傍の
小径部ＭＩを適宜機構によって挟持する挟持装置３′と
これを圧延進行方向に移動させる例えば液圧シリンダ１
１によって構成することが出来る。本発明法においては
マンドレルＭを連続圧延機１とサィジングミル２の間で
横送りして圧延ラインから抽出するので、マンドレルの
長さｍは両圧延機の間隔ｎより短かくする。

マンドレルを前進させながらサイジングミルで圧延する
場合にはマンドレルの前進限でのマンドレルの先端とサ
ィジングミル２との間にマンドレルをそのまま積送り出
来る余裕長さｋが残っていることが能率よくマンドレル
を抽出するために望ましい。マンドレルの先端部がサィ
ジングミル圧延に支障をきたさない範囲でミル内に進入
し、圧延完了後マンドレルを例えば液圧シリンダ１１に
よって後退させた後横送りして抽出することも可能であ
るが、圧延能率上好ましくない。第２図ａは本発明のサ
ィジングミル圧延時のマンドレルとサイジングミルの位
置関係とその移動方向を示す。

すなわち、管Ｐはサィジングミル２によって圧延されて
おり矢印１２の方向に前進している。マンドレルはマン
ドレル把持装置３によって把持され矢印１３の方向に前
進しており破線部Ｍ′はマンドレルの前進限を示しサィ
ジングミル２との間に余裕ｋを残している。第２図ｂは
管Ｐの前端Ｐ′がサィジングミルの最初のロール軸心２
１に達した図であり、少なくともここまでは管とマンド
レルは同一の速度で進む。

このあとマンドレルＭはマンドレル把持装置により把持
される。第２図ｃはマンドレルが把持されていることを
示し、第２図ｄはサィジングミルの圧延が完了し、マン
ドレルは前進限にあり横送りによって圧延ラインに抽出
可能な余裕ｋが残っていることを示している。以上、詳
細に説明したように、本発明では連続圧延機とサィジン
グミルとの間においてマンドレルの後端を把持した状態
で、管をサィジングミルにより圧延前進せしめるように
しているので、マンドレルの管から抜取りが連続圧延に
引き続いて容易かつ確実に行なわれ、高い作業能率で管
を圧延することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施態様の設備配置例、第２図は本発明
のマンドレルとサィジングミルの位置関係を示し、ａは
管をサィジングミルで圧延中にマンドレルを把持して前
進している場合、ｂは管を圧延開始せんとする場合、ｃ
はａと同様の場合であるが管の前端位置の別の例、ｄは
サィジングミル圧延完了後の状態を示す。 １・・・管連続圧延機、２・・・サィジングミル、３・
・・マンドレル把持装置、４，５・・・入側テーフル、
６・・・マンドレル移動装置、７・・・出側テーフル、
８，９・・・マンドレル回送テーフル、１１・・・液圧
シリンダ、Ｍ…マンドレル、Ｐ…管。 第１図 第２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 管にマンドレルを挿入して連続圧延機により管を圧
   延したのち、管とマンドレルを一体的に連続圧延機の出
   側へ送り、前記連続圧延機と該連続圧延機の出側に延在
   せしめたサイジングミルとの間に配設したマンドレル把
   持装置によりマンドレル後端部を把持した状態でマンド
   レル把持装置をサイジングミルの最初のロール周速度よ
   り遅い速度で前進させながら前記サイジングミルによる
   圧延によって管とマンドレルを分離することを特徴とす
   る管の圧延方法。 ２ サイジングミルのカリバー直径がマンドレルの直径
   より小さいことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の方法。