JPS6019744Y2 - シヤトルコツク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は合成樹脂製シャトルコック、特にそのシャト
ル部（羽根部）の改良に関する。

現在では天然のコルク及び水鳥や陸島の羽根部から作ら
れたシャトルコックに替えて合成樹脂製のシャトルコッ
クが普及しており、この合成樹脂製のものは天然のもの
に比して大量かつ安価に提供でき、壊れにくいところか
ら一般のバドミントン球戯大衆に広く受は入れらでいる
。

しかし乍らこれら合成樹脂製シャトルコックは従来の天
然製のものに比していくつかの点て性能が劣り、そのた
め−線級のプレーヤはこれらを用いないとともに、殊に
公式戦においては天然製のもののみが用いられている。

すなわち、シャトルコックに要求される性能は、シャト
ルコックをラケットで打撃する際の音や打球感覚、その
飛翔軌跡、あるいは打撃した際にコック先端が直ちに打
球方向に向くか否か、飛翔中十分回転するか否か”等に
おいてバランスが取れたものを要求され、また以上の事
柄は全て相関を有し、かっ合成樹脂製シャトルコックが
それらの点で天然製のものに比して劣っていることであ
る。

１列として第１図に天然製のシャトルコックイノ飛翔軌
跡と、従来のプラスチック製のシャトルコツクロの飛翔
軌跡とを比較したグラフを示す。

なお横軸は距離、縦軸は高さである。

同図における天然のものは飛行後急速に落下するが、合
成樹脂製のものは弾道軌跡に近くなる。

そして、この差はバドミントンプレイがより面白くなる
か否かの差異となって表われ、このためにプレイヤーは
前者の方を選ぶことになる。

またこのような差異は天然製のものが軽量で、飛行中の
回転が多く、打撃時の変形からの形状復帰が早いなどの
特性に基づき、これに対し、合成樹脂製のものは一般に
重く、空気抵抗が少いため回転が少く、形状復帰が遅い
などの欠点を有し、また軽量化した場合には変形し易く
、シャトル部が収縮して反ってスピードが出てしまい、
シャトル部の拡開角度を大とすれば打撃感覚が重くなる
等の隘路を生ずるためである。

この考案は以上の如き従来の合成樹脂製シャトルコック
の欠点に鑑みてなされたもので、シャトル部の後端に主
要空気抵抗を生じさせるとともに、最後端部で回転力を
与えるようシャトル部の形状を工夫することにより天然
のシャトルコックの特性に非常に酷似した合成樹脂製シ
ャトルコックを提供するものである。

以下この考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明する
。

第２図はこの考案に係るシャトルコックの全体的構成を
示し、このものは打撃用コック部１と、このコック部１
に基部を嵌合固定され、かつ後部側に拡開する切頭円錐
形のシャトル部２とから概略構成されている。

上記コック部１の材質はコルクまたはこのコルクと相似
する発泡材料、例にばイオン架橋及びまたは化学架橋さ
れたポリオレフィン樹脂発泡体からなり、またシャトル
部２の材質はポリアミド樹脂の射出成形体が好ましい。

そして上記シャトル部２はその基部側を薄肉連接片３，
３・・・により一体に連接され、かつ後部側に向けて放
射状に延びる復数の縦幹軸４，４・・・と、これら縦幹
軸４，４・・・同士を環状に連結補強する第１の補助環
軸、すなわち補強環部５と、この補強環部５の後位側に
設けられた第２の補助環軸６を備え、この第２の補助環
軸６で区画されるシャトル部２の区域のうち後部区域に
一体格子構造のスカート部７が形成されている。

したがってシャトルコックの飛翔時の主要空気抵抗はほ
とんど後部のスカート部７で受けることになる。

また、上軌縦幹軸４は断面菱形をなしかつその先端基部
で太く後部側に延長されるにつれ細く、かつ外側が平坦
となる。

このために第２の補助環軸６の先端側区域は上記補強環
部５と共同して剛性の強い構造となり、風圧によるたわ
みがなく、その結果上記スカート部７のみ飛翔時に変形
を受けるが、この方が安定した回転を得るために有利で
ある。

上記スカート部７は第３図に拡大して示す如く、第３の
補助環軸８によって更に前後のウェスト部９及びスソ部
１０とに分割されている。

なお上記補助環軸８はウェスト部９の格子を構成する横
リブと殆んど区別がつかないが、スソ部１０との境界は
明瞭に表わされているのでそのように定義する。

モしてスソ部１０には上記各縦幹軸４を稜線とし、かつ
隣り合う縦幹軸４同士の中央を谷線１１とする多数のフ
レアが形成されているとともに、この谷線１１は上記第
３の補助環軸８との境界面で明瞭にとぎれ、後位側に至
るにつれて深いフレアとなっている。

また上記ウェスト部９及びスソ部１０とも縦横のリブを
一対に形成して格子構造としであるが、スソ部１０の、
谷線１１を中心として隣り合う稜線で囲まれた区域には
、目の粗い格子部１０Ａと目の細い格子部１０Ｂが形成
され、各区域毎に周方向に規則的に反復して形成しであ
るとともに、ウェスト部９には上記各格子部１０Ａ、Ｉ
ＯＢの何れよりも目の粗い格子部９ｃを形成して、上記
シャトル部２に作用する空気抵抗が上記スカート部７の
先端側から後端側にかけて漸次大きくなるようにしであ
る。

よって、以上の如く構成されたシャトル部２に対する風
圧は主にウェスト部９及びスソ部１０によって受けるが
、格子部９ｃは適度な風圧面積となり、これと風圧抵抗
をバランスするとともに、格子部１０Ａでは風圧面積が
極めて小さく格子部１０Ｂでは風圧面積が極度に大きく
なるためシャトルコックに回転を生じせしめるのである
。

また、上記シャトル部２に作用する空気抵抗が上記スカ
ート部７の先端側から後端側にかけて漸次大きくなるよ
うに上記格子部１０Ａ、ＩＯＢおよび９Ｃの目の粗さを
設定したことにより、シャトルコックの飛翔時にかける
姿勢がか安定化するようになるとともに、その姿勢より
安定な方向へ持って行こうとする、いわゆる姿勢の自己
復元性が一層強く作用するようになって、バドミントン
ラケットで打撃された後の姿勢の反転が従来の天然のシ
ャトルコックど同様に、円滑に行なわれるようになる。

そして、これらによって、従来の天然シャトルコックに
近い理想的な飛行特性が得られるようになる。

以上説明したようにこの考案にあっては、上述の如く、
シャトル部の後端に主要空気抵抗を生じさせるとともに
、最後端部で回転力を発生するようにしたものであるか
ら回転数が天然のシャトルコックに近似し、またシャト
ル部の拡開角度を大きく取らなくてもよいため打撃感覚
も軽く、しかも飛行中風圧による変形も受は難い等天然
のシャトルコックの特性に非常に酷似した合成樹脂製シ
ャトルコックを得ることができる。

さらに、その回転力を発生するスソ部の格子目の粗さお
よびウェスト部の格子目の粗さを、上述したように、飛
翔時に作用する空気抵抗が上記スカート部の先端側から
後端側にかけて大きくなるようにそれぞれ設定したこと
により、一層安定な飛行姿勢が得られ、かつ打撃後の姿
勢反転を円滑に行なわれるようになって、天然のシャト
ルコックに似た理想に近い飛行特性が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は天然のシャトルコックと公知の合成樹脂製シャ
トルコックの飛行特性を比較したグラフ、第２図はこの
考案に係るシャトルコックの全体を示す側面図、第３図
は同部分拡大断面図である。 １・・・・・・コック部、２・・・・・・シャトル部、
４・・曲縦幹軸、５・・・・・・第１の補助環軸、６・
・間第２の補助環軸、７・・・・・・スカート部、訃・
間第３の補助環軸（別の補助環軸）、９・・・・・・ウ
ェスト部、１ｏ・曲・スソ部、１１・・・・・・谷線、
ＩＯＡ・・・・・・格子部（目の粗い）、ＩＯＢ・・・
・・・格子部（目の細い）、９ｃ・・曲格子部（中間の
目の）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 打撃用コック部と、このコック部に嵌合固定され、かつ
   後部側に拡開する切頭円錐形の合成樹脂製シャトル部と
   を備えたシャトルコックにおいて、上記シャトル部は放
   射状に形成された複数の縦幹軸及びこれら縦幹軸同士を
   環状に連結した複数の補助環軸を備え、かつ上記補助環
   軸で区画された環状区域のうち、シャトルコックの後部
   区域に一体格子構造のスカート部を形成するとともに、
   このスカート部を別の補助環軸を境界として先端側に近
   いウェスト部と後部端側のスソ部とに更に分割し、この
   スソ部のみに上記各縦幹軸を稜線とし、かつ隣り合う縦
   幹軸同士の中央を谷線とする多数のフレアを形成して、
   これら各フレアの隣り合う稜線と谷線とで囲まれる区域
   内にそれぞれ周方向に交互に目の粗い格子部と、目の細
   かい格子部を規則的に連続して形成するとともに、上記
   ウェスト部に上記各格子部のいずれよりも目の粗い格子
   部を形成して、上甑シャトル部に作用する空気抵抗が上
   記スカート部の先端側から後端側にかけて漸次大きくな
   るようにしてるシャトルコック。