JPS6018700Y2 - 電磁弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電磁弁に関する。

電磁弁において、従来、例えば、実開昭５０−５０４２
峰公報にて、ハウジング内に軸方向へ移動可能に組付け
られて電磁コイルへの通電により原位置から一方向へ移
動する可動コアと、この可動コアと同軸的に位置して前
記可動コアと一体的に軸方向へ移動するシャフトと、こ
のシャフトに組付けられて前記可動コアが原位置にある
とき前記ハウジング内に設けた弁座に着座しまた前記可
動コアが一方向へ移動したとき前記弁座から離れる弁体
と、前記可動コア及びシャフトを他方向へ付勢するスプ
リングを備えてなるものが提案されている。

しかして、同公報にて提案されている電磁弁においては
、弁体がシャフトと一体であり、また弁体が弁座に当接
することにより復帰時（可動コアが原位置にあるとき）
の位置決めがなされている。

このため、同電磁弁においては、■電磁コイルへの通電
により可動コアが原位置から一方向へ移動するときシャ
フト及び弁体が一体に移動し、その間弁作動の応答性は
良い。

■可動コアが原位置にあるとき弁体が弁座に適確に着座
するためそのシール性は良い。

といった作用を得ることができる。

また、同電磁弁においては、スプリングの弾撥力を大き
くすれば、電磁コイルへの通電を遮断したとき可動コア
、シャフト、弁体等を原位置に直ちに復帰させることが
できて良好な閉弁作動底筒性を得ることができるととも
に、電磁コイルが非励磁状態にあるとき可動コア等の原
位置から一方向へ移動を弾撥力に規制することができて
当該電磁弁に作用する振動等に対して可動コア等を原位
置に固定しておくことができ、耐振性を向上させること
ができる。

ところが、スプリングの弾撥力を大きくした場合には、
弁体が弁座に必要以上の力にて押し付けられることにな
り、弁体、弁座の耐久性が早期に損なわれることとなる
。

本考案はかかる問題に対処すべくなされたもので、当該
電磁弁を、ハウジング内に軸方向へ移動可能に組付けら
れて電磁コイルへの通電により原位置から一方向へ移動
する可動コアと、この可動コアと同軸的に位置して前記
可動コアと一体的に軸方向へ移動するシャフトと、この
シャフトに組付けられて前記可動コアが原位置にあると
き前記ハウジング内に設けた弁座に着座しまた前記可動
コアが一方向へ移動したとき前記弁座から離れる弁体と
、前記可動コア及びシャフトを他方向へ付勢する弾撥力
の大きなスプリングと、前記ハウジング内に設けられて
前記可動コアの原位置への復帰時前記可動コア又はシャ
フトと当接して前記可動コアを原位置にて位置決め固定
するストッパとを備えてなり、前記弁体が前記シャフト
上に軸方向へ摺動可能に組付けられかつ前記シャフトに
係止した弾撥力の小さなスプリングにより他方向へ付勢
されて、前記可動コアが原位置にあるとき前記弁体が前
記弾撥力の小さなスプリングの弾撥力により前記弁座に
浮動状態にて着座するようにされ、また前記弁体の前記
弁座側に位置する前記シャフトには前記弁体に近接して
同弁体と当接可能なりリップ等係止部材が一体的に設け
られてなる構成とした。

かかる構成の本考案による電磁弁においては、電磁コイ
ルが非励磁状態にあるとき、可動コア及びシャフトが原
位置にて弾撥力の大きなスプリングにより押圧されてス
トッパにて位置決め固定されているため、当該電磁弁に
振動等が作用して可動コア及びシャフトがその軸方向の
一方向へ移動しようとしても、その動きは前記スプリン
グにより規制される作用が得られ耐振性に優れている。

また、本考案による電磁弁においては、弁体の弁座側に
位置するシャフトには弁体に近接して同弁体と当接可能
なりリップ等係止部材が一体的に設けられているため、
電磁コイルへの通電に伴う可動コア及びシャフトの一方
向への移動時、クリップ等係止部材が可動コア及びシャ
フトの移動開始後直ちに弁体に当接して同弁体を一体的
に移動させる。

したがって、開放時の作動応答性を良好に得ることがで
きる。

更に、本考案による電磁弁においては、電磁コイルへの
通電を遮断すれば、可動コア及びシャフトが弁体を伴っ
て弾撥力の大きなスプリングによって直ちに原位置に復
帰するため、弁体が弁座に敏速に着座し良好な閉弁作動
応答性を得ることとができる。

また、本考案による電磁弁においては、弁体がシャフト
上に軸方向へ摺動可能に組付けられかつシャフトに係止
した弾撥力の小さなスプリングにより他方向へ付勢され
て、可動コアが原位置にあるとき弁体が弾撥力の小さな
スプリングの弾撥力により弁座に浮動状態にて着座する
ようにされているため、ストッパの配設位置が適切でな
い場合にも、弁体が弾撥力の小さなスプリングの弾撥力
により浮動状態にて弁座に着座していて、弁体が必要以
上の力によって弁座に押圧されることはない。

したがって、弁体及び弁座の耐久性が確保され１．また
弁体と弁座間のシール性が良好に確保される。

以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

図に示した電磁弁１００は、自動車用内燃機関の排出ガ
ス浄化システムにおける二次空気供給装置において使用
されるものであり、電磁モータ部１０と、この電磁モー
タ部１０の作動を応答して作動する流量制御弁部２０か
らなる。

電磁モータ部１０は、磁性材料からなるカップ状のモー
タハウジング１１と、このモータハウジング１１内に配
設した電磁コイル１２と、この電磁コイルの左側部に設
けた段付筒状の固定コア１３と、電磁コイル１２の右側
部に設けた環状のヨーク１４と、このヨーク１４と固定
コア１３間に設けた段付筒状の可動コア１５を主たる構
成部材とするものであり、ヨーク１４の右端にはリード
線の導出部１６ａを有するカラー１６が設けられ、また
このカラー１６の右端にはホルダ１７が設けられている
。

しかして、この実施例においては、左端を固定コア１３
の段部にカシメ止めし右端をホルダ１７の段部にカシメ
止めした薄肉の非磁性材料からなるスリーブ１８によっ
て、電磁コイル１２、固定コア１３、ヨーク１４、可動
コア１５、カラー１６及びホルダ１７が一体的に組立て
られていて、固定コア１３とホルダ１７の同心度が高精
度とされるとともに、電磁モータ部１０の組付及び生産
性の向上が計られている。

なお、！磁コイル１２ζ固定コア１３．５ヨーク１４、
可動コア１５、カラー１６、ホルダ１７及びスリーブ１
８等からなる組立体は、カラー１６の導出部１６ａをモ
ータハウジング１１の右端に設けた孔１１ａに嵌挿する
とともに固定コア１３の大径部をモータハウジング１１
の左端に設けた内孔１１ｂ内に嵌合することにより、モ
ータハウジング１１内に組込まれている。

電磁コイル１２は、ボビン１２Ａに巻回されてスリーブ
１８上に組付けられており、ボビン１２Ａの両端に設け
た突起１２ａ、１２ｂを固定コア１３の孔１３ｄ及びヨ
２−り１４の孔１４ａにそれぞれ嵌入することにより固
定コア１３に対して回り止めされるとともにヨーク１４
の回動を規制している。

固定コア１３ば、磁性材料からなり、その内孔には軸受
４１が同軸的に圧入嵌合され、またその右端部には軸方
向に延在する環状の凹部１３Ａが同軸的に設けられてい
る。

凹部１３Ａは、可動コア１５に向けて開口しており、ス
トレートの円筒外壁面１３ａ１テーパ状の内壁面１３ｂ
及び底壁面１３ｃを有している。

ヨーク１４は、磁性材料からなり、スリーブ１８上に同
軸的に組付けられていて、ボビン１２Ａとカラー１６間
にて軸方向への移動を規制されている。

ホルダ１７は、アルミニウムからなり、その内孔には軸
受４２が同軸的に圧入嵌合され、またその左端面には可
動コア１５の右方への移動を規制して可動コア１５を原
位置（図の上半分にて示した位置）にて位置決め固定す
る緩衝作用を有するストッパとしての環状ゴムシート１
９が貼着されている。

可動コアト、５は、磁性材料からなり、固定コア１３と
ゴムシート１９間にてスリーブ１８内に軸方向へ移動可
能かつ同軸的に組付けられていて、その軸心にはシャフ
ト３０が前もって同軸的かつ一体的に組付けられている
。

またこの可動コア１５の右端大径部にはスロット１５ｄ
が軸方向に設けられ、かつ左端部には軸方向に延在する
環状の凸部１５Ａが同軸的に設けら□れている。

スロット１５ｄは、可動コア１５の軸方向移動時、可動
コア１５の移動方向側およびその背側の雨空間を連通ず
るもので、可動コア１５の移動時に背側空間に生ずる負
圧により可動コア１５の変位作動が阻害されるのを防止
する。

凸部１５Ａは、固定コア１３に向けて突出していて、凹
部１３Ａの外壁面１３ａよりわずかに小径の外壁面１５
ａ１凹部１３Ａの内壁面１３ｂと同じ傾斜角のテーパ状
内壁面１５ｂ及び先端面１５ｃを有している。

シャフト３０は、非磁性材料からなり、両軸受４１，４
２によって軸方向へ移動可能に支承されている。

このシャフト３０は、左端部が軸受４１を気密的に貫通
して流量制御部２０にまで延出しており、予備荷重を付
与した弾撥力の大きな圧縮コイルスプリング３１によっ
て右方へ付勢されている。

なお、このスプリング３１の予備荷重は調整ネジ３２に
よって外部から調節し得る。

流量制御部２０は、モータハウジング１１にガスケット
５０を介して同軸的１こ組付けたバルブハウジング２１
と、このバルブハウジング２１の左方部内に同軸的に組
付けたスリーブ２２と、このスリーブ２２とバルブハウ
ジング２１間にてシャフト３０に組付けた弁体２３を主
たる構成部材とするものであり、バルブハウジング２１
の左端にはホルダ２４がガスケット５１を介して同軸的
に組付けられている。

バルブハウジング２１は、アルミニウムからなり、エア
ポンプに接続されるインレットポート２１ ａ、内燃機
関の排気管に接続されるアウトレットポート２１ｂ及び
大気に開放されるドレンポート２１ｃを有しており、イ
ンレットポート２１ａとアウトレットポート２１ｂ間に
は弁孔２１ｄを有する弁座２１ｅが設けられている。

このバルブハウジング２１はモータハウジング１１とに
より固定コア１３を挟持していて、固定コア１３の軸方
向への移動及び回動を規制している。

スリーブ２２は、アルミニウムからなり、ホルダ２４に
よって軸方向への移動を規制され、かつピン２５により
回動を規制されている。

またこのスリーブ２２・には、弁孔２２ａ（インレット
ポート２１ａとドレンポート２１ｃを連通させる）を有
する弁座２２ｂが弁座２１ｅに対向して設けられるとと
もに、通孔２２ｃがドレンポート２１ ’ｃに一致して
設けられている。

しかして、本実施例においては、弁体２３がシャフト３
０上に軸方向へ摺動可能かつ気密的に組付けられている
。

弁体２３はシャフト３０の左方への移動に伴なってシャ
フト３０に固着したクリツブ３３と係合して移動インレ
ットポート２１ａとアウトレットポート２１ｂ間の連通
開度を制御するもののであり、左端をリテーナ３４（シ
ャフト３０上に固定的に設けられている）に係止した弾
撥力の小さな圧縮コイルスプリング３５によって右方へ
付勢されている。

クリップ３３は、可動コア１５が原位置にあるとき弁体
２３がスプリング３５の弾撥力により弁座２１ｅに浮動
状態にて着座する位置に設けられている。

また、本実施例においては、シャフト３０とホルダ２４
間にベローズ３６が気密的に装着されている。

ベローズ３６は、弁体２３の移動時において弁体２３の
左右両側に作用する圧力の差がシャフト３０の円滑な移
動を妨げるのを防止するために設けられていて、その内
部空間はシャフト３０の孔３０ａ、３０ｂを通して弁体
２３の右側に連通している。

次に、本実施例の作動を説明する。

本実施例において、電磁コイル１２が非励磁状態にある
ときは、スプリング３１の弾撥力によりシャフト３０及
び可動コア１５等が図示上半分にて示した原位置にあっ
て、弁体２３はスプリング３５の弾撥力によって弁座２
１ｅに着座し、弁孔２１ｄが全閉状態にあり、また弁孔
２２ａが全開状態にある。

このため、エアポンプから圧送される空気は全て弁孔２
２ａを通ってドレンポート２１ｃから大気中にリリース
される。

ところで、このときには、弁体２３が弾撥力の小さなス
プリング３５の弾撥力により浮動状態にて弁座２１ｅに
着座していて、弁体２３が必要以上の力によって弁座２
１ｅに押圧されることはない。

したがって、弁体２３及び弁座２１ｅの耐久性が確保さ
れ、また弁体２３と弁座２１ｅ間のシール性が確保され
る。

またこのときには、シャフト１５及びシャフト３０等が
スプリング３１によって押圧され、ストッパであるゴム
シート１９にて位置決め固定されているため、当該自動
車の走行に伴って電磁弁１００に振動等が作用してもス
プリング３１の予備荷重に抗する力が作用しないかぎり
可動コア１５及びシャフト３０等は動かず、所定の耐振
性能が確保されている。

なお、弁体２３が上記のごとく浮動状態にて弁座に着座
しているため、仮りに、当該自動車の走行に伴なって電
磁弁１００に振動等が作用し、可動コア１５及びシャフ
ト３０等がスプリング３１に抗してわずかに（クリップ
３３が弁体２３に当接するまで）移動しても、弁体２３
は弁座２１ｅに着座し続け、インレットポート２１ａと
アウトレットポート２１ｂ間の連通を遮断し続ける。

また、直流電源からの電流を電磁コイル１２に付与す
れば、この電磁コイル１２に流れる電流により生じる磁
束が、モータハウジング１１、固定コア１３、可動コア
１５及びヨーク１４を通る。

このため、ヨーク１４の内周面と可動コア１５の右端大
径外周面間、固定コア１３の外壁面１３ａと可動コア１
５の外壁面１５ａ間、及び固定コア１３の内壁面１３ｂ
１底壁面１３ｃと可動コア１５の内壁面１５ｂ１先端面
１５ｃ間に前記電流の値に応じた吸引力がそれぞれ発生
し、この吸引力に比例して可動コア１５及びシャフト３
０等がスプリング３１の弾撥力に抗して左方へ移動する
。

この場合、クリップ３３が可動コア１５及びシャフト３
０の左動開始後直ちに弁体２３に当接するため、弁体２
３はシャフト３０と一体的に左方へ移動して弁座２１ｅ
から直ちに離れインレットポート２１ａとアウトレット
ポート２１ｂ間の連通関度を比例制御する。

このため、エアポンプから圧送される空気は流量を制御
されてアウトレットポート２１ｂから排気管へ供給され
る。

ところで、本実施例においては、弁体２３の右側に作用
している圧力がシャフト３０の孔３０ｂ。

３０ａを通してベローズ３６の内部空間にも付与されて
いて、上記した弁体２３の移動時、弁体２３の左右両側
に作用している圧力の差によりクリップ３３を介してシ
ャフト３０に作用する右方への押圧力が、ベローズ３６
の内外両側に作用している圧力の差によりシャフト３０
に作用する左方への押圧力につって略相殺される。

したがって、シャフト３０は弁体２３の左右両側に作用
する圧力の差にほとんど影響を受けることなく円滑に移
動し、インレットポート２１ａとアウトレットポー）２
１ｂ間の連通開度が正確に比例制御される。

また、電磁コイル１２への通電を遮断すれば、可動コア
１５及びシャフト３０が弁体２３を伴って弾撥力の大き
なスプリング３１によって直ちに原位置に復帰するため
、弁体２３が弁座２１ｅに敏速に着座し良好な閉弁作動
応答性を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す縦断面図である。 符号の説明、１００・・・・・・電磁弁、１０・・・・
・・電磁モータ部、１１・・・・・・モータハウジング
、１２・・・・・・電磁コイル、１５・・・・・・可動
コア、１９・・・・・・ゴムシート（ストッパ）、２ｏ
・・−−−一流量制御弁部、２１・・・・・・バルブハ
ウジング、２−１ｅ・・・・・・弁座、２３・・・・・
・弁体、３０・・・・・・シャフト、３１・・・・・・
弾撥力の大きなスプリング、３３・・・・・・クリップ
（係止部材）、３５・・・・・・弾撥の小さなスプリン
グ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジング内に軸方向へ移動可能に組付けられて電磁コ
   イルへの通電により原位置から一方向へ移動する可動コ
   アと、この可動コアと同軸的に位置して前記可動コアと
   一体的に軸方向へ移動するシャフトと、このシャフトに
   組付けられて前記可動コアが原位置にあるとき前記ハウ
   ジング内に設けた弁座に着座しまた前記可動コアが一方
   向へ移動したとき前記弁座から離れる弁体と、前記可動
   コア及びシャフトを他方向へ付勢する弾撥力の大きなス
   プリングと、前記ハウジング内に設けられて前記可動コ
   アの原位置への゛復帰時前記可動コア又はシャフトと当
   接して前記可動コアを原位置にて位置決め固定するスト
   ッパとを備えてなり、前記弁体が前記シャフト上に軸方
   向へ摺動可能に組み付けられかつ前記シャフトに係止し
   た弾撥力の小さなスプリングにより他方向へ付勢されて
   、前記可動コアが原位置にあるとき前記弁体が前記弾撥
   力の小さなスプリングの弾撥力により前記弁座に浮動状
   態にて着座するようにされ、また前記弁体の前記弁座側
   に位置する前記シャフトには前記弁体に近接して同弁体
   と当接可能なりリップ等係止部材が一体的に設けられて
   いる電磁弁。