JPS599544Y2 - 田植機のフロ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圃場の泥面上に浮上した揺動フロートにより
機体の安定を図るとともに、硬盤上に接地した推進車輪
にて推進走行しながら苗植付作業を行うよう構或した田
植機に用いるフロートに関するものである。

上記田植機においては硬盤深さの増大や車輪推進反力に
基づく機体の傾斜によってフロートの揺動支点側が泥中
に沈み込むことがあり、その結果フロートの上部に載る
泥の重量によって浮力が減少するとともに泥の抵抗によ
り機体操向が重くなって良好な苗植付作業が行ないにく
くなるものであった。

本考案は、簡単な改良により上記欠点を解消できる田植
機のフロートを経済的に構或しようとするものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する。

．図は、歩行型田植機の全体側面を示し、前部にエンジ
ン１を設け、後部に苗植付装置２と後傾斜苗のせ台３及
び操縦ハンドル４を装備した機体を、硬盤に接地する一
軸状に配置された左右一対の推進車輪５，５と、この車
輪５，５の前方中央部に設けられた前部フロー｝６ａ及
び後方に設けられた左右一対の後部フロー｝６ａ，６ｂ
とで支持して、後部フロー｝６ｂ，６ｂの横外側及びフ
ロート間に３条の植付を行いながら推進走行すべく構或
されている。

前記後部フロー｝６ｂは、その前端側を機体に屈折アー
ム９を介して上下動自在に連結されるとともに、後端側
は上方に突出され、且つその上面が前方側に低くなる傾
斜面ａに形或され、この傾斜面ａに取付けた連結金具７
を介して機体に枢支連結されている。

上記構戒によれば、前記推進車輪５，５が局部的に深い
硬盤箇所に達して機体が下降したとき、フロー｝６ｂの
後端側が泥中に沈み込まれて第２図中仮想線で示すよう
にフロー｝６ｂが傾斜するのであるが、前記フロート６
ｂの後端側の上面が突出戒形され、且つこの上面が傾斜
面ａに構或されているために、フロート６ｂの後端側は
その傾斜面ａが略水平状態で泥面上に露出して充分な浮
力を発揮するのである。

又、沈み込みが極めてスきくてフロート上面に泥が流れ
込んだとしても、通常姿勢では傾斜面ａ上の泥はスムー
スに流出して堆積することがないのである。

尚、フロート沈降時の浮力増大を図るためには第３図に
示すように、単にフロー１−６ｂ’の後部を全体的に突
出させるだけでもよいのであるが、フロー｝６ｂ’が沈
降して揺動したとき図中斜線部分は泥面上に露出して浮
力増大には何んら働かない、いわば無駄な部分となるも
のである。

これに対し本考案では、必要最少限度の材料を使って所
期の機能を充分発揮させることができるばかりでなく、
連結金具７を強固に取付ける上にも有利なものである。

つまり、前記傾斜面ａを殻けるためにフロート上面には
二箇所の屈曲部が形或されて補強され、この屈曲部の間
に強固に連結金具７を取付けられるのである。

又、金具取付面である傾斜面ａの面方向での前後長さが
水平方向での前後長さより大であるために、水平のフロ
ート上面に金具７を取付ける場合に比して、同じ前後巾
の金具７を傾斜面ａに沿う大きい前後長さで確実に支持
することができるのである。

以上要するに本考案のフロートは、後方側を機体に枢支
連結し、前方側を機体に対して上下揺動自在とした田植
機のフロートであって、枢支連結部側の端部を上方に突
出し、かつその端部の上面を前方側が低くなる傾斜面と
なし、さらにこの傾斜面に枢支連結金具を取付けてある
ことを特徴とする。

つまり、フロート形状の簡単な改良によって、機体が下
降したときのフロート沈降時の浮力増大を図り、又沈み
込みが極めて大きくてフロート上面に泥が流れ込んでも
その泥を円滑に排除し、さらには連結金具の取付強度を
も増しながら、使用材料を最少限として安価に製作する
ことが可能となった。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機のフロートの実施例を示し、
第１図は歩行型田植機の全体側面図、第２図は作用状態
を示す概略側面図、第３図は比較例を示す概略側面図で
ある。 ７・・・・・・枢支連結金具、ａ・・・・・・傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後方側を機体に枢支連結し、前方側を機体に対して上下
   揺動自在とした田植機のフロートであって、枢支連結部
   側の端部を上方に突出し、かつその端部の上面を前方側
   が低くなる傾斜面ａとなし、さらにこの傾斜面ａに枢支
   連結金具７を取付けてあることを特徴とする田植機のフ
   ローし。