JPS5841810Y2 - コンバインの穀稈供給調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバインの殻稈搬送装置に並設して脱穀部
に対する殻稈の供給深さを調節するところの殻稈供給調
節装置の改良に関する。

コンバインによる刈取り脱穀作業は、機台前部の刈取り
装置によって刈取った殻稈を殻稈搬送装置により脱穀部
へ搬送して脱穀を行うものである。

そしてこの脱穀作業においては、殻稈の扱き胴に対する
位置いわゆる供給深さが重要な要素となる。

すなわち供給深さが浅過ぎると扱き残しを生じ、深過ぎ
ると不要なところｌで扱き刃が作用するので、扱き胴の
頂部を穂の中心が通過するのがもつとも適切な深さとさ
れている。

そこで、圃場の殻稈の長短に応じてこの供給深さを調節
しなければならないが、この調節は殻稈搬送部の根元搬
送装置のさらに殻稈根元側に設けた殻稈供給調節装置に
よって殻稈の根元を挾持して進退させることによって行
われる。

そしてこの供給調節装置の調節に従来運転席にむいて調
節レバーを操作することによって行われてきたが、この
操作には強い力を必要とした。

また最近では自動調節式のものが開発されており、この
種のものは脱穀部に設けたセンサにより扱き胴に対する
殻稈の位置を検出してこれによって油圧モータを正逆転
させ、とのモータに連結された供給調節チェーンを進退
させて調節を行うものである。

しかしながらこの場合は調節チェーンの運動がモータに
よって駆動されるので、運転車は調節チェーンの実際の
位置を知ることができないという欠点があった。

本考案はこのような点に鑑みなされたもので、殻稈供給
調節チェーンの進退勤を油圧シリンダによって駆動させ
ると共に、このチェーンの位置を目盛盤により読取り、
かつその運動の両端において作動するリミットスイッチ
により油圧シリンダを停止させるごとく構成することに
より、操作を軽快にすると共に、運転席におけるチェー
ンの位置の確認を可能にし、かつ限界外の作動による装
置の破損を防止するごとく構成したコンバインノ殻稈供
給調節装置を提供するものである。

以下その構成等を図に示す実施例により詳細に説明する
。

第１図および第２図は本考案に係る殻稈供給調節装置を
示し第１図はこれを実施したコンバインの側面図、第２
図は殻稈搬送の概要を示す説明図である。

図において、機体最前部の分草体１によって掻き分けら
れた殻稈２は引起し装置３により垂直状態に引起される
。

そして機台下部の刈取り装置４によってその根元を刈取
られた後、掻込み装置５および掻込みベルト６により次
の殻稈搬送装置へ移乗される。

この殻稈搬送装置は穂先搬送装置７と根元搬送装置８と
により構成され、このうち穂先搬送装置７はその始端部
下端を前記掻込み装置５に近設し、終端部に向うに従っ
て脱穀部９側に向って傾斜するごとく起立して設けられ
ている。

そして走行する無端チェーンＩａ上のラグ７ｂとその先
端に沿って支架されたガイ トレール１０との間で殻稈
２の穂先を保持して搬送する。

普た殻稈２根元側の根元搬送装置８の無端チェーン８ａ
ばその始端部を前記掻込み装置５と同軸上の鎖車に張架
され、終端部は脱穀部９のフィードチェーン１１の始端
部に臨んでいる。

そしてその機台内側走行端に沿って支架された挾扼ガイ
ド１２は圧縮コイルばねにより無端チェーン８ａ側に押
圧されており、殻稈２はその根元をこの挾扼ガイド１２
と無端チェーン８ａとにより挾持されて搬送される。

このように殻稈２は搬送装置によって搬送される間に垂
直状態より水平状態に姿勢変更されて脱穀部９へ供給さ
れる。

そして殻稈供給調節装置作動部１３は根元搬送装置の中
央部下方に概ねこれと平行して設けられて走行する供給
調節チェーン１３ａと、このチェーン１３ａの機台外側
走行端に沿って支架された挾扼ガイド１４とにより構成
されている。

そして挾扼ガイド１４は圧縮コイルばねによりチェーン
１３ａ側に押圧されており、チェーン１３ａとの間で殻
稈２の根元を挾持して搬送する。

そして前記根元搬送装置８の挾扼ガイド１２は、この供
給調節装置作動部１３に対応する部分は欠如されており
、したがって殻稈２の根元の把持は根元搬送装置８より
一旦供給調節チェーン１３ａに移乗され、その終端部に
おいて再び根元搬送装置ｄに移乗される。

そしてこの供給調節チェーン１３ａは挾扼ガイド１２と
共にその始端部の鎖車軸を中心にして回動自在に設けら
れておシ、その自由端が根元搬送装置８に対して接近し
たり離間したりするごとく回動する。

そしてこの回動により殻稈２の根元を引抜いて供給調節
を行う。

第３図は供給調節装置駆動部の正面図、側面図および一
部の平面図である。

図において油圧シリンダ２１は機台運転席近傍に設けら
れた取付板２２の上端に回動自在に枢支されており、シ
リンダ両端に圧油入口を有する複動型式のものである。

そしてこの油圧シリンダ２１は第１図に符号１５で示す
供給深さセンサの検出によって制御される。

すなわち脱穀部に対する殻稈２の供給が浅過ぎるときは
油圧シリンダ２１を収縮させ、深過ぎるときは伸長させ
る。

またこの油圧シリンダ２１は一方において手動によって
も作動するもので図示しない調節レバーを操作すること
によって伸縮する。

そしてこの油圧シリンダ２１のピストン２１ａの先端部
はナラ）２１ｂによりその長さが調節される。

２３は支軸２４に回動自在に軸装された作動アームで、
その中央部には前記ピストン２１ａの先端が回動自在に
枢着されている。

またその先端には連結杆２５が枢着されており、この連
結杆２５の他端には前記供給調節チェーン１３ａが連結
されている。

すなわち油圧シリンダ２１を伸縮させることにより、作
動アーム２３および連結杆２５を介して供給調節チェー
ン１３ａが回動する。

図には油圧シリンダ２１が収縮した場合を実線で示し、
伸長した位置を鎖線で示している。

そして前記取付板２２の下端には断面り字状に形成され
た円弧状の目盛板２６が固着されている。

この目盛板２６はその平面図を図Ｃに示すごとく、円弧
Ｑ外周面には目盛が刻印されており、この円弧部は油圧
シリンダ２１と干渉しないように図ａにおいて紙面より
手前に浮き出るごとく位置されている。

一方前記作動アーム２３の下端には、その先端が前記目
盛板２６に臨むごとく屈曲された指針２７が固着されて
いる。

そしてこの指針２７の尖鋭端は前記供給調節チェーン１
３ａの進退動の両端においてそれぞれ目盛板の両眼を指
示するごとく位置されており、またその中間部の任意の
箇所において供給調節チェーン１３ａの位置を指示する
。

さらにこの目盛板２６円弧部の両端にはリミットスイッ
チ２８が固着されており、その接点２８ａは指針２７が
目盛板の両眼を指示した位置すなわち供給調節チェーン
１３ａの進退動両端において指針２７の当接により閉成
される。

そしてこのリミットスイッチ２８の閉成により油圧シリ
ンダ２１が停止する。

以上の説明により明らかなように、本考案においては殻
稈供給調節チェーンの進退勤を行う油圧シリンダを設け
ることにより、殻稈の供給調節操作がきわめて軽快に行
われる。

また供給調節チェーンの位置を読取る目盛板を設けるこ
とにより、運転者は運転席に居ながらにして供給調節チ
ェ・−ンの位置を確認することができるので、手動式の
場合においても、またセンサによる自動制御の場合にお
いても供給調整作業がきわめて容易にまた確実になされ
る。

またこの目盛板は油圧シリンダのピストンの長さを調節
する場合にも目安となるので有効的である。

さらに供給調節チェーンの進退勤の両端において作動す
るリミットスイッチを設けて、その作動により油圧シリ
ンダを停止させるごとく構成することにより供給調節チ
ェーンおよび油圧シリンダを作動限度内で破損から保護
することができる。

筐た供給調節チェーン位置を指示する指針を作動アーム
に付設し、さらにこの指針を油圧シリンダを停止させる
リミットスイッチに直接当接させるようにしたから、き
わめて簡単な構造により上記指示装置ならびに保護装置
が形成できるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係るコンバインの殻稈供
給調節装置を示し、第１図はこれを実施し、たコンバイ
ンの側面図、第２図は殻稈搬送の概要を示す説明図、第
３図は殻稈供給調節装置駆動部を示し、図ａは正面図、
図すは側面図、図Ｃは目盛板部分の平面図である。 ２・・・・・・殻稈、８・・・・・・根元搬送装置、９
・・・・・・脱穀部、１３・・・・・・殻稈供給調節装
置作動部、１３ａ・・・・・・供給調節チェーン、２１
・・・・・・油圧シリンダ、２３・・・・・・作動アー
ム、２５・・・・・・連結杆、２６・・−・・・目盛板
、２７・・・・・・指針、２８・・・・・・リミットス
イッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 供給調節チェーンを殻稈の根元搬送装置に対し２て進退
   させることによりこのチェーンに挾持された殻稈を進退
   させて脱穀部に対する殻稈の供給深さを調節するコンバ
   インの殻稈供給調節装置において、前記供給調節チェー
   ンに連結杆を介して連結されこの進退勤に連動して揺動
   する作動アームと、この作動アームを揺動させる油圧シ
   リンダと、前記作動アームに付設され一体となって揺動
   する指針と、この指針に対向して機台に固定された目盛
   板と、前記供給調節チェーンの進退勤に伴なって揺動す
   る前記指針に当接して前記油圧シリンダの作動を停止さ
   せる一対のリミットスイッチとを設けたことを特徴とす
   るコンバインの殻稈供給調節装置。