JPH11514527A - バキルス エスピー(Bacillus sp.)用の陽性選択ベクター - Google Patents
バキルス エスピー(Bacillus sp.)用の陽性選択ベクターInfo
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- JPH11514527A JPH11514527A JP9517601A JP51760197A JPH11514527A JP H11514527 A JPH11514527 A JP H11514527A JP 9517601 A JP9517601 A JP 9517601A JP 51760197 A JP51760197 A JP 51760197A JP H11514527 A JPH11514527 A JP H11514527A
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Abstract
(57)【要約】
外来性DNAの存在についてグラム(Gram)陽性細菌、および特にバキルス エスピー(Bacillus sp.)の形質転換およびスクリーニングに有用な陽性選択ベクターが提供される。このベクターはシグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする突然変異遺伝子を含む。スクロースを代謝する能力を欠失するバキルス(Bacillus)宿主細胞内での突然変異遺伝子の発現は、その細胞がスクロースの存在下で成長する際には致死的となる。外来性DNAは、その突然変異体遺伝子を不活化するようにベクター内に挿入され、そのことによりスクロースの存在下で細胞が成長することが可能になり、かつ形質転換体の容易な選択が可能になる。
Description
【発明の詳細な説明】
バキルス エスピー(Bacillus sp.)用の陽性選択ベクター
発明の分野
本発明は分子生物学の分野、および異種DNAを含む組換え細菌の同定のため
の選択ベクターの使用に関する。より具体的にはバキルス エスピー(Baci llus
sp.)に致死性を付与し、かつクローン化された外来性DNAを含
む組換えバキルス(Bacillus)宿主細胞の直接選択のための方法に用い
ることができるB.アミロリキファキエンス(B. amyloliquifa ciens
)シグナル配列の突然変異遺伝子を我々は発見した。
背景
クローン化されたDNAを有する細菌を簡易に単離するための方法はいずれか
の源から成功裏にDNAをクローニングするのに必須となる。クローン化された
DNAを含む細菌の同定は、そのクローン化されたDNAが直接的遺伝子選択に
供することができる機能をコードする場合はいつでも、すなわち組換え細菌の生
存がクローン化されるべきDNAによりコードされる機能を取得および発現する
ことに依存する場合にはいつでも最も容易に達成される。クローン化されたDN
Aを有する組換え細菌の同定は、そのクローン化されたDNAが遺伝的に選択可
能な機能をコードしない場合には著しくより困難になる。なぜならクローン化さ
れたDNAを有する組換え細菌を、クローニングベクターは含むがDNAを欠失
する組換え細菌の可能性が高いバックグラウンドから同定する
必要があるためである。
クローン化された挿入断片を有する組換え細菌を同定するための一つのアプロ
ーチは、β−ガラクトシダーゼのための構造遺伝子であるlacZのようなレポ
ーター遺伝子の挿入不活化について細菌コロニーをスクリーニングすることであ
る(Sambrookら、Molecular Cloning、A Labo
ratory Mannual、p.1.85−p.1.86 Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press、Cold Sp
ring Harbor、NY)。lacZのコーディング部分をそのプロモー
ターから分離させる制限部位内にDNAがクローン化される際にはβ−ガラクト
シダーゼは作成され得ない。その結果、再連結されたベクターのみを含む青色の
組換えコロニーのバックグラウンドに対し、色素産生性基質であるX−galを
含む培地上ではクローン化されたDNAを有する組換え体は白色コロニーとして
出現する。lacZの挿入不活化のようなスクリーニング方法は、何らかの方法
で適切なコロニーに目印をつけることによりクローン化されたDNAを有する細
菌の同定を容易にする。しかしながらこれらの方法はクローン化されたDNAを
有する細菌の成長には有利でなく、かつそのような細菌を選択するわけでもない
。そのためスクリーニング法が用いられる場合には通常いつでも、クローン化さ
れたDNAを含む数少ないコロニーを見つけ出すためには多数のコロニーを十分
に調べることが必要となる。バックグラウンドコロニー数を減らすための一般的
な手法はベクター分子から末端5’リン酸を除去する目的でアルカリ性ホスファ
ターゼを用いることによりベクターの自己連結反応を阻止することである。なぜ
ならDNAリガーゼはDNA分子の末
端を連結させるためには末端5’リン酸を必要とするためである(Sambro
okら、上述、p.1.56−p.1.58)。この方法は一般的には、クロー
ン化されたDNAを欠失しているバックグラウンドコロニーを減少させはするが
除去はしない。
クローン化された挿入断片を欠失する細菌数を最低限にするためのアプローチ
は、クローン化されたDNAを有する組換え細菌についての直接選択を可能にす
るベクターを使用する。スクリーニング法に勝る選択法の利点は、クローン化さ
れたDNAを有する細菌の成長はクローン化されたDNAを欠失する細菌をはる
かにしのぐということである。
宿主に致死性を付与する遺伝子を含む直接的もしくは陽性選択ベクターは良く
知られている。例えば、スクロースの存在下でのB. スブチリス(B. su btilis
)もしくはB.アミロリキファキエンス(B. amyloliq uefaciens
)のsacB遺伝子の発現は大腸菌(E. coli)、そ
して多種多様の他のグラム(Gram)−陰性およびグラム(Gram)−陽性
細菌にとって致死的となる[Caiら、J. Bacteriol. 172、
3138、(1990);Gayら、J. Bacteriol. 164、9
18、(1985);Jagerら、FEMS Microbiol.Let.
126、1(1995);Jagerら、J. Bacteriol. 174
、5462(1992);Kamounら、Mol. Microbiol.
6、809、(1992);Kanigaら、Gene 109、137 (1
991);Riedら、Gene 57、239、(1987);Simonら
、J.Bacteriol. 173、1502、(1991)]。このsac B
遺伝子はレバンスクラー
ゼをコードする[Gayら、J.Bacteriol.153、1424 (1
983);Lepesantら、Mol.Gen.Genet. 128、21
3 (1974)]。レバンスクラーゼはスクロースの加水分解とスクロースの
重合化の両方の触媒作用を行ってレバンを形成する。スクロースの存在下でのレ
バンスクラーゼの致死性についての根拠は完全には理解されていない。しかしな
がら大腸菌(E. coli)およびある一定の他の細菌はスクロースの存在下
でsacBが発現される場合には成長することができず、これを用いてsacB
内に挿入されたDNAを含む細菌についての直接選択を行うことができる(Ca
iとWolk、上述;Gayら、上述;Jagerら、上述;Kanigaら、
上述;Riedら、上述]。当然のことながら野生型B. アミロリキファキエ
ンス(B. amyloliquefaciens)のsacB遺伝子の挿入不
活化は、大腸菌(E. coli)内のクローン化DNAについての選択を行う
ために用いられている[Pierceら、Proceed.Natl.Acad
.Sci. USA 89、2056(1992)]。
B. スブチリス(B. subtilis)はDNAのクローニングにとっ
ては大腸菌(E. coli)に対する重要な代用物である。B. スブチリス
(B. subtilis)は細胞壁構成成分としてのリポ多糖を有さず、そし
てその結果エンドトキシンでの細胞外産物の汚染を生じない[Harwoodら
、p.327−390. In C.R.HarwoodとS.M.Cutti
ng(eds.)、Molecular Biological Method s for Bacillus
(1990) John Wiley & S
ons、N
ew York]。B. スブチリス(B. subtilis)から分泌され
る蛋白質は、大腸菌(E. coli)および他のグラム(Gram)陰性細菌
について良く生じる例のようにペリプラスム間隙内に捕獲されるよりはむしろ培
養培地内に放出される(Harwoodら、上述)。バイオテクノロジー用の道
具としての使用に加え、B. スブチリス(B. subtilis)は、胞子
形成を行う能力があるがために細胞分化のためのモデル系としても集中的に研究
されている[(Errington、Microbiol.Reviews.5
7、1(1993)]。多くの胞子形成遺伝子については、大腸菌内にはその相
対物が存在しない。その結果、多くの胞子形成遺伝子の機能はB. スブチリス
(B. subtilis)内でのみ適切に検査することができるに過ぎない。
B. スブチリス(B. subtilis)の遺伝子操作のための系も大腸
菌(E. coli)についてのものとほぼ同様にかなり開発が進んでいるもの
の、B. スブチリス(B. subtilis)の利用はクローニング目的に
ついては大腸菌(E. coli)の使用に遅れをとってしまっている。一つの
問題は、クローン化した挿入断片を有する組換え細菌を同定することが、大腸菌
(E. coli)についてよりもB. スブチリス(B. subtilis
)についてのほうがかなり困難であることである。切れ目を入れたプラスミドは
大腸菌(E. coli)における遺伝子操作にとっては有用であるが、B.
スブチリス(B. subtilis)の形質転換では不活性となる[Born
,S.、p.75−174. In C.R.Harwood and S.M
.Cutting(eds.)、Molecula r Biological Methods for Bacillus
(1
990) John Wiley & Sons、New York]。その結
果、アルカリ性ホスファターゼにより脱リン酸化されそして連結させてあるベク
ター分子ではB. スブチリス(B. subtilis)を形質転換すること
はできない。これは挿入断片を有する分子の豊富化について大腸菌(E. co li
)に関しては一般的に用いられる手法であるが、これをB. スブチリス(B
. subtilis)に適用することはできない。それに加え、B. スブ
チリス(B. subtilis)もしくはB. アミロリキファキエンス(B
. amyloliquifaciens)からのsacBの野生型対立遺伝子
は、その致死性がために大腸菌(E. coli)内では有用であるがB. ス
ブチリス(B. subtilis)内でのクローン化されたDNAについて選
択を行うために用いることはできず、なぜならこれらの対立遺伝子の発現はB.
スブチリス(B. subtilis)にとっては致死的とならないためであ
る[Nagarajanら、Res. Microbiol.142、787 (
1991)]。
バキルス(Bacillus)における遺伝子操作の難題を克服するための試
みでは多種多様のシャトルベクターが大腸菌(E. coli)とB. スブチ
リス(B. subtilis)のために開発されており、そのためまず大腸菌
(E. coli)内にDNAをクローン化し、そしてその後にそれを後続の操
作のためにB. スブチリス(B. subtilis)に転移することができ
る(Bron、上述)。しかしながら所定の遺伝子の機能的コピーはB. スブ
チリス(B. subtilis)内では発現させることができても大腸菌(E
. coli)
内ではできないことは良く知られている。場合によっては、異種遺伝子の発現は
大腸菌(E. coli)にとっては有毒となる[Yudkin、Mol.Ge
n.Genet. 202、55(1986);Ferrariら、Proc.
Natl.Acad.Soc. USA 82、2647(1985);Has
nainら、J.Gen Microbiol. 132、1863 (198
6)]。Youngら[p.63−p.103. In N.P.Minton
とD.J.Clarke(eds.)、Biotechnology Hand books、Vol. 3、Clostridia
(1989) Plenu
m Press、New York.]。それに加え、大腸菌(E. coli
)は一定の異種遺伝子によりコードされる蛋白質の産生にとっては不向きである
ことがあるという多数の事例が存在する。例えば、B. スブチリス(B. s ubtilis
)がクロストリジウム酵素の産生にとって好ましい宿主であるこ
とは明白となり、なぜならクロストリジウム セルモケルム(Clostrid ium
thermocellum)のcelA遺伝子産物の過剰産生は大腸菌
(E. coli)の生存率の迅速な喪失をもたらすが、B. スブチリス(B
. subtilis)についてはそうでないためである[Schwartzら
、Appl.Microbiol.Biotechnol. 27、50、(1
987);Soutschek−Bauerら、Mol.Gen.Genet.
208:537−541 (1987)]。他の事例では、好ましいコドン使
用の違いにより、ある遺伝子はB. スブチリス(B. subtilis)内
では翻訳されるが、大腸菌(E. coli)内ではそうではないことがあって
よい[Garnierら、Pl
asmid 19、134、 (1988)]。
従って、大腸菌(E. coli)に基づく系を頼みとすることなく、B.
スブチリス(B. subtilis)内にクローン化されたDNAを含む組換
え分子を効率的に単離するのに用いることができるベクターおよび方法について
の必要性が存在する。解決すべき課題は、プラスミド内に挿入断片を含む形質転
換体が成長に関して選択され、かつそのプラスミド内に挿入断片を含まない形質
転換体が生存不能となるような方法で、バキルス(Bacillus)をプラス
ミドDNAで直接形質転換する手法を開発することである。出願人はこの問題を
、バキルス(Bacillus)用の陽性選択ベクターの開発を通して解決した
。この選択ベクターは、スクロースの存在下で宿主バキルス(Bacillus
)細胞に致死性を付与する突然変異レバンスクラーゼ遺伝子を利用する。突然変
異レバンスクラーゼ遺伝子内のクローニング部位内への外来性DNAの挿入によ
り遺伝子の不活化がもたらされ、かつ細胞の成長が可能となる。外来性DNA挿
入断片を欠失するベクター分子で形質転換させた細胞は全て成長しないであろう
。この様式では、このベクターにより挿入断片を含むコロニーの選択が可能とな
る一方で、同時にスクリーニングされなければならない非生産性ベクターを含む
細胞数が制限される。
発明の要約
本発明は、
(i) (a)シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする突然変
異遺伝子であって、その遺伝子が追加的にレバンスクラーゼポリメラーゼ活性を
コードしかつ異種DNAの挿入に有用な適合性制限部
位を含む突然変異体遺伝子;
(b)抗生物質耐性をコードする遺伝子;
(c)多重コピーとしてベクターを維持するための宿主特異的複製
起点;および
(d)突然変異遺伝子の調節および発現に適切な調節配列:
を含む陽性選択ベクターを構築すること;
(ii) 前記異種DNAを単離すること;
(iii)単離された異種DNAを、レバンスクラーゼポリメラーゼ活性が破
壊されている突然変異遺伝子の適合性制限部位内にクローニングすること;
(iv) 段階(iii)のベクターでコンピテント宿主細胞を形質転換する
こと(この場合、その宿主細胞はスクロースを代謝する能力を保持しない);
(v) 形質転換させた宿主細胞をスクロースを含む適切な増殖培地の存在
下でインキュベーションすること;ならびに
(vi) スクロースの存在下で増殖することができる形質転換体を単離する
こと、
を含んでなる、異種DNAで形質転換されたバキルス エスピー(Bacill us
sp.)宿主の陽性選択のための方法を提供する。
本発明の更に別の目的は、突然変異レバンスクラーゼ酵素をコードし、かつ配
列番号1に特定される核酸配列を有する陽性選択ベクターに有用なDNA断片を
提供することである。
図面の簡単な説明
図1は、スクロース有りおよび無しの状態でのBE1510(pBE504)
とBE1510(pBE517)の成長のグラフによる説明である。
図2は、pMGB161とpMGB161Δcat1の構築を説明する。
図3は、pMGB161の制限地図である。
図4は、pMGB161Δcat1の制限地図である。
発明の詳細な記述
本明細書に記載される際には以下の用語は請求の範囲および明細書の説明のた
めに用いられることがあってよい。
用語「外来性DNA」もしくは「異種DNA」は、元来発現される細胞以外の
源に由来するDNAを意味する。
用語「断片」は、特別な領域のDNA配列の一部分を意味する。
本明細書に用いられる場合には「形質転換」は、核酸の取り込みによる細胞内
での新規遺伝子の獲得である。
用語「発現」は本明細書で用いられる場合には、その遺伝子産物の配列をコー
ドする遺伝子からの遺伝子産物への転写および翻訳を意味することが意図される
。発現の際には遺伝子産物の配列をコードするDNA鎖はまずメッセンジャーR
NAであることがよくある相補的RNAへと転写され、そしてその転写されたメ
ッセンジャーRNAはその後に遺伝子蛋白質産物へと翻訳される。
本明細書で用いられる際には用語「宿主細胞」は、異種DNAで形質転換して
ある細胞を意味する。本発明に有用な宿主細胞は典型的には、スクロースを代謝
する能力を欠失するバキルス(Bacillus)で
ある。
用語「プラスミド」もしくは「ベクター」は本明細書に用いられる際には細胞
の中心的代謝の部分ではなく、かつ通常は環状二本鎖DNA分子の形態を取る遺
伝子を保持することがよくある染色体外要素を意味する。
本発明で用いられる際には用語「陽性選択ベクター」は、異種DNAを有する
宿主細胞の形質転換および選択に有用なベクターを意味する。本発明の陽性選択
ベクターは、その発現が宿主細胞にとって致死的となる遺伝子を含む。その遺伝
子内のいずれかの地点での外来性もしくは異種DNAの挿入は致死的特性を不活
化させ、そして宿主細胞を増殖させかつ宿主細胞の選択を可能にする。
用語「sacB[BamP]W29」はレバンスクラーゼのシグナルペプチド
内に突然変異を含む遺伝子を意味し、そして宿主細胞内でのその遺伝子の発現は
適切な条件下では致死的となる。
本明細書で用いられる際には用語「挿入断片」もしくは「DNA挿入断片」は
、適切な宿主細胞を形質転換する目的のための陽性選択ベクター内に挿入される
異種DNAの断片を意味する。
「適合性制限部位」は、開裂した際にはいずれかの追加的改変を伴うことなく
連結することができるヌクレオチド末端を提供する異なる制限部位を意味する。
「シャトルベクター」は、通常は二本鎖であり、かつ大腸菌(E. coli
)とB. スブチリス(B. subtilis)のための複製起点および更に
は一本鎖DNAの調製のためのF1遺伝子内領域の両方を含むベクターである。
本明細書で用いられる際には表示「ATCC」は、12301 Parkla
wn Drive、Rockville、MD 20852 U.S.A.にあ
るthe American Type Culture Collectio
nという寄託機関を意味する。「ATCC No.」はATCCにおいてブタペ
スト条約の規定に従う寄託に関する以下の培養物に対する受託番号である:
本発明は、異種DNAを有するバキルス エスピー(Bacillus sp
.)の形質転換および選択に有用な独特な陽性選択ベクターを提供する。この選
択ベクターは、スクロースの存在下で宿主バキルス(Bacillus)細胞に
致死性を付与する突然変異レバンスクラーゼシグナルペプチドをコードする遺伝
子を利用する。構造遺伝子内のクローニング部位内への外来性DNAの挿入によ
り遺伝子の不活化がもたらされ、そしてその細胞が増殖することが可能となる。
そのベクターで形質転換はされてはいるが、その外来性DNA挿入断片を欠失す
る細胞は全て増殖しない。この様式では、このベクターは挿入断片を含むコロニ
ーの選択は可能にする一方で、それと同時に、挿入断片を欠失するベクターを含
むスクリーニングされなければならない細胞の数が制約され
る。
本発明は、バキルス(Bacillus)についての当該技術分野において知
られる唯一の陽性選択ベクターである。このベクターは、いずれかの生物体の外
来性DNAをクローニングするのに有用であり、その生物体内ではそのDNAの
発現はバキルス(Bacillus)の成長に適合性である。本発明は、バキル
ス(Bacillus)内でのゲノムライブラリーの作成か、もしくは特異的で
無傷のまま構造遺伝子を含むクローンのスクリーニングに特に有用である。異種DNA
:
本発明は広域なスペクトラムの外来性DNAのクローニングに有用であるもの
と企図されている。本発明に特に有用な外来性DNAは限定されるものではない
が、例えば:プロテアーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、アミ
ラーゼ、セルラーゼ、レバナーゼ、リパーゼ、リボヌクレアーゼ(rnase)
、ヌクレオチダーゼ、トランスフルクトシラーゼ、ラクターゼ、グルコースイソ
メラーゼ、ホスファターゼのような好熱性細菌および中温細菌からの産業用酵素
;例えば、アビジンおよびストレプトアビジンのようなビオチン結合性蛋白質;
例えばプロテインA、プロテインG、およびプロテインLのような免疫グロブリ
ン結合性蛋白質;免疫グロブリン、レセプター蛋白質、および例えばアクチン、
フィブリン、コラーゲン、シルク蛋白質、およびエラスチンのような構造蛋白質
;ならびに例えばプロテアーゼリバーストランスクリプターゼのようなウイルス
性蛋白質や包膜蛋白質;ならびに例えばスタフィロコッカスのプロテインAのよ
うな微生物や原生動物からの抗原、レバンスクラーゼ、およびバルナーゼを含む
。シグナルペプチド開裂部位:sacB[BamP]W29
シグナルペプチド開裂ほ、巨大アミノ酸がそのシグナルペプチドの−1もしく
は−3の位置で置換される場合には阻害され得る。+1は成熟して分泌された蛋
白質のN−末端アミノ酸を意味する。−1はシグナルペプチドのC−末端アミノ
酸を意味する。開裂は通常は−1と+1との連結部で生じる。
突然変異B. アミロリキファキエンス(B. amyloliquifac iens
) sacB[BamP]W29遺伝子は最初にBorchertとN
agarajan[J.Bacteriol. 173、276、(1991)
]により報告され、そこではその遺伝子はレバンスクラーゼに関連するシグナル
ペプチドのプロセシングを阻害する突然変異を含むということが決定された。こ
の突然変異遺伝子の配列が配列番号1に示されている。
W29突然変異体は野生型B. アミロリキファキエンス(B. amylo liquifaciens
)レバンスクラーゼ遺伝子(sacB[BamP])
によりコードされるシグナルペプチドの−1の位置でアラニンをトリプトファン
に変化させる。B. スブチリス(B. subtilis)内でのw29突然
変異体の発現により、野生型活性と比較してみると細胞外レバンスクラーゼの9
0%の低下がもたらされた。
野生型B. アミロリキファキエンス(B. amyloliquifaci ens
)(sacB[BamP])遺伝子の発現はB. スブチリス(B. s ubtilis
)の成長は阻害しない(Nagarajanら、上述)。それに
加え、W29突然変異体を含むプラスミドを有するB. スブチリス(B. s ubtilis
)株は、レバンスク
ラーゼシグナルペプチドのプロセシングを分析する目的で短期間の間スクロース
の存在下で合成液体培地内で既に培養されている(Borchertら、上述)
。W29突然変異体はこれらの実験条件下では宿主細菌の生存率もしくは成長に
は悪影響を及ぼすことは観察されなかった。しかしながら出願人は、W29突然
変異体で形質転換させたB. スブチリス(B. subtilis)はスクロ
ースの存在下で延長期間成長させた際には有意な成長阻害、そして更には致死性
を呈することを発見した。「延長期間」によっては、2時間を上回る時間が意味
される。W29突然変異によりもたらされた成長阻害によりこの遺伝子は、異種
DNAを有するバキルス(Bacillus)の形質転換のための陽性選択ベク
ター内への取り込み用の優れた候補物となる。
シグナルペプチドプロセシング欠損はsacB[BamP]W29に限定され
ず、かつ以下の突然変異を含む。−1の位置でのプロリン、グルタミン、チロシ
ン、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびヒスチジンの置換がsacB[Ba mP
]W29のものに類似する効果を有することが期待される。−3での置換も
類似の効果を有するであろうし、そしてそのためトリプトファン、プロリン、グ
ルタミン、チロシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびヒスチジンの置換
はシグナルペプチドプロセシング欠損をもたらすことになるであろう。本発明は
全てのシグナルペプチドプロセシング突然変異体を含み、かつレバンスクラーゼ
シグナルペプチドには限定されない。他の有用なシグナルペプチドがNagar
ajanの表1に列挙されている。(Nagarajan、V. 1993 P
rotein Secretion in B. Subtilis. 713
−729. Sonenshein、Hoch
およびLosick (Eds.). In B. subtilis and
other Gram−positive bacteria Physio
logy、Biochemistry and Molecular Gene
tics ASM Washington D.C.)
野生型レバンスクラーゼ酵素内でのアミノ酸置換は酵素活性を破壊しうること
が示されている。具体的にはChambertとPetit−Glatron[
Biochem. J. 279、35、(1991)]が、レバンスクラーゼ
の位置331のアルギニン(Arg331)のロイシン(Leu)への転化はその
酵素のポリメラーゼ活性を不活化することを示している。類似方法を用い、出願
人はsacB[BamP]W29遺伝子を改変して331の位置にロイシンを含
む蛋白質をコードするようにさせ、その遺伝子を用いてコンピテントなバキルス
(Bacillus)宿主細胞を形質転換させた。非改変のW29遺伝子で形質
転換させた細胞はスクロースの存在下では成長することができない一方で、ロイ
シンで改変させた蛋白質を発現する遺伝子で形質転換させた細胞はスクロースが
あっても成長阻害は全く示さなかった。ポリメラーゼ活性を不活化することによ
りW29突然変異の致死性を元に戻す能力により、sac[Bamp]W29遺
伝子は明らかにその致死特性の原因となっていることが示される。それに加え、
そのポリメラーゼ活性の不活化が致死性を元に戻すため、その酵素のポリメラー
ゼ活性を妨害するその遺伝子内のいずれかの破壊が陽性選択ベクターの設計の際
の有用な道具となりうるものとが企図されている。宿主細胞
:
本発明は、外来性もしくは異種DNAの発現に有用な宿主細胞を提供する。本
方法は、レバンスクラーゼシグナルペプチドのプロセシングのための突然変異を
含むsacB[BamP]W29遺伝子の存在下では成長が阻害される宿主細胞
を頼みにする。これらの細胞における成長阻害もしくは致死性はスクロースの代
謝の結果である(Pierceら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 89:205−6)。従ってその結果、スクロースのプロセシングについ
て代理手段を含む宿主細胞は本方法には適さないであろう。
スクロースを代謝するための遺伝子機構を欠失するいずれかの宿主細胞が本発
明に適するであろうことが企図される。好ましい宿主細胞はバキルス(Baci llus
)属に所属し、かつ野生型バキルス(Bacillus)内でのスクロ
ース代謝にとって必須であるsacB遺伝子もしくはsacA遺伝子のいずれか
を欠失するであろう。宿主細胞として適切なバキルス(Bacillus)種は
制約される訳ではないが、B. ケレウス(B. cereus)、B. スブ
チリス(B. subtilis)、B. パステウリイ(B. pasteu rii
)、B. キルクランス(B. circulans)、B. アミロリ
キファキエンス(B. amyloliquifaciens)、B. オレロ
ニウス(B. oleronius)、B. ステアロセルモフィルス(B. stearothermophilus
)、B. スリンギエンシス(B. t huringiensis
)、B. リケニフォルミス(B. licheni formis
)、B. ナット(B. natto)、B. インテルメディウ
ス(B. intermedius)、B. メガテリウム(B. megat erium
)、B.
フィルムス(B. firmus)、B. マケランス(B. maceran s
)、B. クルドラノリティクス(B. curdlanolyticus)
、B. インフェルヌス(B. infernus)、B. アントラキス(B
. anthracis)、B. プミルス(B. pumilus)、および
B. ボルステレンシス(B. borstelensis)を含む。本発明に
おいて好ましいのはB. スブチリス(B. subtilis)(BE151
0: trpC2、metB10、lys−3、ΔaprE66、Δnpr−8 2
、sacB::ermC、sacA::phleo)である。ベクターの構築
:
本発明は、突然変異シグナルペプチドを有するバキルス(Bacillus)
レバンスクラーゼをコードするsacB[BamP]W29構造遺伝子;抗生物
質耐性をコードする遺伝子;多重コピーとして宿主細胞内にそのベクターを保持
するためのバキルス(Bacillus)複製起点;およびsacB[BamP
]W29遺伝子の発現に必要な適切な調節配列;を含む陽性選択ベクターを提供
する。
まず、sacB[BamP]W29遺伝子の単離によりその選択ベクターの構
築に取り掛かった。sacB[BamP]W29遺伝子は大腸菌(E. col i
)宿主、DH5α(pBE517)(Borchertら、上述)から抽出し
たが、この宿主ではW29突然変異遺伝子がプラスミドpBE517内に含まれ
ていた。標準方法によりプラスミドDNAを回収および精製した(Sambro
ok 上述)。プラスミドpBE517は、sacB[BamP]W29遺伝子
、バキルス(Bacillus)と大腸菌(E. coli)のための複製起点
、および
クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(cat)をコードする遺伝
子を含む。pBE517を制限酵素Kpn1およびNde1で消化し、そして得
られた断片を、スペクチノマイシン(spm)耐性のための遺伝子を含むpUS
19から取得された1.2kbの断片と連結させてpMGB161を形成した(
図2)。pMGB161は大腸菌(E. coli)とバキルス(Bacill us
)との間の移動のために有用なシャトルベクターである。その後にpMGB
161をSac1/Nco1で消化し、そしてその後の平滑末端の連結によりs acB
[BamP]W29、バキルス(Bacillus)複製起点、およびs pm
遺伝子のみを有するpMGB161Δcat1が作成された。
pMGB161Δcat1はサイズが小さいため陽性選択ベクターとしてはp
MGB161よりも好ましいが、両ベクターは異種DNAでのバキルス(Bac illus
)宿主の形質転換には同じように良好に機能しうるものと企図される
。
プロモーターおよびリボソーム結合部位をコードする調節配列は、sacB[BamP
]W29遺伝子を稼働させるのに有用ないずれかの単一遺伝子から取得
されることがあってよい。プロモーターおよびリボソーム結合部位をコードする
調節DNA配列は、その宿主細胞以外の細胞から取得されることがあってよいこ
とが理解される。これらの調節DNA配列は当業者によく知られる手法により単
離することができ、かつ実例が刊行物に詳細に記述されている。Biotech
nology Handbook 2 Bacillus、C.R.Harwo
od、Ed.、Plenum Press、New York、New Yor
k (1989)、を参照されたい。そのDNA配列内のプロモーター
は、そのベクターの容易な調節を可能にさせる構成的なものであるかもしくは誘
導性のものであるかのいずれかであってよい。DNA挿入断片のクローニングおよび発現および陽性選択
:
pMGB161Δcat1は適切な宿主細胞内への異種DNAの挿入用に用い
た。既に述べたように、適切な宿主細胞はスクロースの代謝を行うことが不可能
である。バキルス(Bacillus)ではこれは一般的には、野生型細菌内で
のスクロース代謝を調節するsacBもしくはsacA遺伝子の欠失もしくは不
在に起因する。本発明において好ましい細胞はバキルス スブチリス(Baci llus
subtilis)(BE1510: trpC2、metB10、lys−3
、ΔaprE66、Δnpr−82、sacB::ermC、sac A::phleo
)である。
異種DNAの挿入に有用な多数の適合性クローニング部位がsacB[Bam P
]W29遺伝子内に含まれる。ベクターDNA内への挿入に便利な制限部位で
のDNA断片の工学的操作は一般的であり、かつ当該技術分野ではよく知られて
おり、そしてSambrookら、上述、により記載される例が見いだされるこ
とがあってよい。制限部位の互換性を決定するための手助けは、the New
England Biolabs 1988−1989 Catalog、N
ew England Biolabs Inc.、Beverly、MA 0
1915 (1988)のRestriction Fragment Com patibility Table
から得られることがあってよい。
sacB[BamP]W29内のクローニング部位の内の一つへの外来性DN
Aの挿入によりW29突然変異の不活化がもたらされ、そして
致死性であった宿主細胞が元の状態に戻る。その遺伝子内のいずれかの地点での
いずれかの挿入がこの結果を生じることが予期されることが理解される。本発明
の目的のためには、Bcl1部位でのDNAの挿入が好ましい(図4)。更には
、代替挿入をNhe1部位(図4)およびEco47III部位(図4)でも行
うことがあって良い。
そのベクターの利用性を調査するために、DNAを2つの異なる源から単離し
、そしてそのベクター内の適切な部位内に挿入した。ゲノムDNAをB. ステ
アロセルモフィルス(B. stearothermophilus)から単離
し、そしてSau3Aで消化した。この部分消化によりランダムな0.5〜20
kbの断片がもたらされ、これをその後にpMGB161Δcat内に含まれるsacB
[BamP]W29内のBcl1部位内にクローン化した。別法では、
アルカリ性プロテアーゼ遺伝子をコードするB. アミロリキファキエンス(B
. amyloliquifaciens)apr構造遺伝子を、適切なプライ
マーを用いてPCRにより取得し、そして更にはBcl1部位内に挿入した。
外来性DNAを含むベクターを用いてコンピテントなB. スブチリス(B.
subtilis)を形質転換させた。スペクチノマイシン単独もしくはスペ
クチノマイシンと共にスクロースを含む培地内で増殖させた形質転換体の両方を
活発に成長するコロニーについて比較し、そして挿入断片の存在についての分析
を行った。抗生物質耐性のみに関してスクリーニングされた形質転換体はスペク
チノマイシン耐性について選択され、かつスクロースの存在下で成長させたもの
の少なくとも4倍も多いコロニーを産生した。しかしながらスクロースの存在下
で成長し
たコロニーでは、抗生物質耐性についてのみスクリーニングしたコロニーについ
ての挿入形質転換体が1%の発生率であることと比較すると、挿入断片を有する
形質転換体の発症率は約95%〜100%であった。
以下の実施例は本発明を例証することを意味するが、いずれかの方法において
も制限として解釈されるべきではない。
実施例
実施例1 sacB[BamP]W29がスクロースの存在下でB. スブチリス(B. subtilis)の成長を阻害することの証明 スクロースを含む液体培地中のB. スブチリス(B. subtilis)の 成長におけるsacB[BamP]W29の効果
野生型sacB[BamP]を含むBE1510(pBE504)およびW2
9 sacB突然変異を含むBE1510(pBE517)を、5μg/ml
クロラムフェニコールを含む20mlのLBもしくは5%スクロースクロースを
含む同一培地内に接種した。これらの培養物を振盪しながら30℃下300ml
のサイドアームフラスコ内でインキュベートした。細菌の成長は、緑色フィルタ
ーを取り付けたKlett−Summerson比色計で培養物の濁度を測定す
ることによりモニターした。
スクロース有りおよび無しでのBE1510(pBE504)とBE1510
(pBE517)の成長を比較するデータが図1に示されており、この図の説明
は以下のとうりである:
A) スクロース有りでのBE1510(pBE504)(□);
スクロース無しでのBE1510(pBE504)(■)。
図1に示されるようにpBE504はいずれの培地内でも細菌の成長にいては
顕著な効果は示さなかった(図1A)。スクロース無しでの培地内でのBE15
10(pBE517)の成長はBE1510(pBE504)からは識別不能で
あった。BE1510(pBE517)の倍加時間はスクロース無しの培地内で
は40分であった。しかしながら、BE1510(pBE517)は5%スクロ
ースを有する培地中で倍加するには75分を必要とした。従ってBE1510(
pBE517)の成長速度は5%スクロースを含む培地内では有意に減少した。
それに加え、BE1510(pBE517)の最終細胞密度はLB中では400
Klett単位であった一方で、LB+5%スクロース内の最終細胞密度はわず
か100Klett単位に過ぎなかった。スクロースを有するアガー培地上でのB. スブチリス(B. subtili s)の成長におけるsacB[BamP]W29の効果
BE1510(pBE504)もしくはBE1510(pBE517)の単一
コロニーを5μg/mlクロラムフェニコールを含む20mlのLB内に接種し
た。これらの培養物を振盪させながら37℃下300mlサイドアームフラスコ
内で、緑色のフィルターを取り付けたKlett−Summerson比色計で
決定した際に細菌が82Klett単位の密度に達するまでインキュベートした
。当業者に良く知られる方法を用いて、5μg/mlのクロラムフェニコールを
含むLBアガーもしくは5%スクロースを有する同一培地上での細菌の生存率を
、各アガー培地について液体培養物のml当たりのコロニー−形成単位(CFU
)
数を決定することにより評価した。
表1に示されるように、アガー培地上でのBE1510(pBE504)の生
存率はスクロースによっては影響を受けなかった。それとは対照的に、BE15
10(pBE517)についてのCFU数はアガー培地内の5%スクロースの存
在によって1000倍減少した。従ってスクロースは、sacB[BamP]W
29を含む細菌によりアガー上での成長を強固に阻害した。
実施例2
sacB[BamP]W29を含むクローニングベクターの構築
プラスミドベクターpMGB161およびpMGB161Δcat1を図2に
概略を示す要領で構築した。pMGB161は、pBE517内へのスペクチノ
マイシン耐性遺伝子を有するpUS19のPvuII/NdeI制限断片のクロ
ーニングにより構築した。pBE517は大腸菌(E. coli)とB. ス
ブチリス(B. subtilis)内の複製起点を有するため、pMGB16
1はそれらの細菌のシャトルベクターとなる。大腸菌(E. coli)複製起
点とクロラムフェニ
コールアセチルトランスフェラーゼ(cat)遺伝子の一部分をpMGB161
から削除してpMGB161Δcat1をもたらした。
pMGB161の構築 DNAの調製−プラスミドpBE517
大腸菌(E. coli)株DH5a(pBE517)を、50μg/mlの
アンピリシンを含むLBアガー(Sambrookら、上述、p.A.1とp.
A.4)上での単離されたコロニーのために線条培養し、そして37℃で18時
間インキュベートした。成長が最も著しい領域からの細菌を1mlのSTE緩衝
液(0.1M NaCl、10mM Tris−HCl pH8.0、1 mM
EDTA)内に懸濁させ、そして1.5mlのマイクロフージ管内での遠心分
離により回収した。プラスミドDNAを、商品として入手可能なWizard
Minipreps DNA Purification System(Pr
omega Corporation社、2800 Woods Hollow
Road、Madison、MI 53711−5399)を用い、製造業者
の使用説明書に従い細胞ペレットから抽出した。プラスミドDNAを50μlの
TE緩衝液(10mM Tris−HCl pH 8.0、1 mM EDTA
)中で回収し、そして当業者に知られる方法を用いてその濃度を決定した。
pBE517(5μg)を、20単位のKpnI(Promega社)で、そ
の製造業者により供給される50μlの1×反応緩衝液中、37℃で1時間消化
した。この反応を10μlの0.5M EDTAを添加することにより停止した
。この単位長さの直線化させたプラスミドDNAを、商品として入手可能なGe
neclean Kit(Bio 1
01 Inc.社、P.O.Box 2284、La Jolla、CA 92
038−2284)を用いることにより、製造業者の使用説明書に従ってKpn
I反応緩衝液から抽出した。このDNAを10μlの水中に再懸濁させた。Kp n
I消化してあるpBE517を100μlの反応緩衝液(33mM Tris
−アセテート pH 7.9、66mM 酢酸カリウム、100mM 酢酸マグ
ネシウム、5mM ジチオスレイトール、0.1 mg/ml ウシ血清アルブ
ミン、0.1mMの各デオキシヌクレオシド三リン酸)中の20単位のT4 D
NAポリメラーゼ(Promega社)で37℃下、15分間、処理することに
よりKpnIにより製造される突起型3’末端を除去した。この反応は10μl
の0.5M EDTAを添加し、かつこの反応物を70℃で10分間加熱するこ
とにより停止した。DNAを、Geneclean Kit(Bio 101
Inc.社)を用いることによりT4 DNAポリメラーゼ反応緩衝液から抽出
した。このDNAを10μlの水中に再懸濁させた。この新しく平滑末端にさせ
たDNAを40単位のNdeI(Promega社)で、37℃下、1時間、そ
の製造業者により供給される50μlの1×反応緩衝液中で消化した。このDN
Aを、Geneclean Kit(Bio 101 Inc.社)を用いるこ
とによりNdeI反応緩衝液から抽出した。このDNAを10μlのTE緩衝液
内に再懸濁させた。NdeIでの消化によりもたらされるこれら2つの制限断片
を、0.8%アガロースゲル(8.3cm × 6.0cm × 0.5cm)
中、100ボルトで30分間の電気泳動により、Sambrookら、上述、p
.6.3−6.19、により記載される要領で分離した。7.9kbの制限断片
を、Geneclean
Kit(Bio 101 Inc.社)を用いることによりアガロースゲルから
抽出した。このDNAを10μlのTE緩衝液中に再懸濁させた。DNAの調製−pUS19のPvuII/NdeI制限断片
プラスミドpUS19はスペクチノマイシン耐性遺伝子(spm)を含むプラ
スミドColE1の誘導体である[BensonとHaldenwang、J.
Bacteriol. 175:2347−2356(1993)]。アルカ
リ性溶解およびポリエチレングリコール沈殿を用い、Sambrookら、上述
、p.1.33およびpp.1.38−1.41、に記載される方法に従って、
50μg/mlのアンピリシンを含む500mlのLB中で成長させ、そしてク
ロラムフェニコール−増幅させた大腸菌(E. coli)株RR1(pUS1
9)からpUS19を抽出した。
pUS19(10μg)を48単位のPvuII(Promega社)で37
℃下、1時間、その製造業者により供給された100μLの1× 反応用緩衝液
で消化した。その単位長さの直線化させたプラスミドDNAを、当業者に良く知
られる方法を用いて7.5M 酢酸アンモニウムと絶対アルコールでPvuII
反応緩衝液から沈殿させた。このDNAを製造業者により供給される100μl
の1× NdeI反応緩衝液中に溶解し、そして80単位のNdeI(Prom
ega社)で、37℃、1時間切断した。このDNAを7.5M 酢酸アンモニ
ウムと絶対アルコールとでNdeI反応緩衝液から沈殿させ、そして10μlの
TE緩衝液中に溶解した。NdeIでの消化からもたらされる2本の断片を、0
.8%アガロースゲル中での100ボルト、30分間の電気泳動
により分離した。spmを含む1.2kb PvuII/NdeI制限断片をG
eneclean Kit(Bio 101 Inc.社)を用いてアガロース
ゲルから抽出した。このDNAを10mlのTE緩衝液中に再懸濁した。制限断片の連結およびB. スブチリス(B. subtilis)BE151 0(pBE517)の形質転換
spm遺伝子を、23℃下、18時間、連結反応物[pBE517からの5μ
lの平滑末端化させた7.9kb KpnI/NdeI制限断片、pUS19か
らの2μlの1.2kb PvuII/NdeI制限断片、4μlの水、2μl
の市販品として入手できる10× 連結緩衝液(New England Bi
olabs、Inc.社、32 Tozer Road、Beverly、MA
01915−5599)、6μl 50% ポリエチレングリコール 800
0、400単位のT4 DNA Ligase(New England Bi
olabs、Inc.社)]をインキュベートすることによりpBE517内に
挿入した。
B. スブチリス(B. subtilis)株BE1510(pBE517
)を形質転換についてはコンピテントとなるよう作成し、0.5mlのコンピテ
ント細胞を、HarwoodとCutting、p.67、に記載される方法に
従って10μlの連結させてあるDNAで形質転換させた。DNAとのインキュ
ベーションの後、この形質転換培養物を1mlのブレイン ハート インフュー
ジョン(Brain Heart Infusion)(BHI;Difco社
、Detriot、Michigan)で希釈し、そしてローラードラム上、3
7℃で1時
間インキュベートした。各培養管の中身を遠心分離により10倍濃縮し、そして
100μl/ml スペクチノマイシンを含むトリプトース ブラッド アガー
ベース(tryptose blood agarbase)(TBAB;D
ifco社)上に広げた。このペトリ皿を37℃で18時間インキュベートした
。スペクチノマイシン耐性形質転換体の性質決定
幾つかのスペクチノマイシン耐性形質転換体を、100μg/mlスペクチノ
マイシンを含む3mlのBHI内に接種し、そして37℃で5時間、ローラード
ラム上でインキュベートした。プラスミドDNAを、Wizard Minip
reps DNA Purification Systemを用いて各培養物
から抽出した。各プラスミド調製物の試料(10μl)を12単位のEcoRI
(Promega社)で、その製造業者により供給される反応用緩衝液を用いて
総計50μlの容量中で消化した。得られる制限断片を、0.8%アガロースゲ
ル上での100ボルト、30分間の電気泳動により分析した。予想されるサイズ
(5.7kb、1.7kb、および1.5kb)の制限断片を有する一つのプラ
スミドをpMGB161と表示した。pMGB161の詳細な制限地図が図3に
示される。
pMGB161Δcat1の構築
アルカリ性溶解およびポリエチレングリコール沈殿を用い、Sambrook
ら、上述、により記載される要領で、50μg/mlアンピリシンを含む500
mlのLB中で成長させたBE1510(pMGB161)からpMGB161
を抽出した。pMGB161(35μl)を72単位のNcoI(Promeg
a社)で37℃下、1時間、その製
造業者により供給される100μlの1× 反応緩衝液中で消化した。その単位
長さの直線化させたプラスミドDNAを、7.5Mの酢酸アンモニウムと絶対エ
タノールとでNcoI反応緩衝液から沈殿させた。このDNAを、その製造業者
により供給される100μlの1× SacI反応緩衝液中に溶解し、そして7
2単位のSacI(Promega社)で、37℃下で1時間切断した。そのD
NAを、7.5M 酢酸アンモニウムと絶対アルコールとでSacI反応緩衝液
から沈殿させ、そして35μlのTE緩衝液中に溶解した。NcoIとSacI
での消化からもたらされるこの2本の制限断片を、0.8% アガロースゲル内
での100ボルト、45分間の電気泳動により分離した。B. スブチリス(B
. subtilis)内の複製起点、sacB[BamP]W29、およびs pm
を含む5.7kbのNcoI/SacI制限断片をGeneclean K
it(Bio 101 Inc.社)を用いてそのアガロースゲルから抽出した
。
その5.7kbの制限断片の一本鎖末端を、37℃で5分間、100μlの制
限緩衝液(33mM Tris−酢酸 pH7.9、66mM 酢酸カリウム、
100mM 酢酸マグネシウム、5mM ジチオスレイトール、0.1mg/m
l ウシ血清アルブミン、0.1mMの各デオキシヌクレオシド三リン酸)中の
100単位のT4 DNAポリメラーゼ(Promega社)でその断片を処理
することにより平滑にした。この反応を、10μLの0.5M EDTAを添加
し、かつ70℃で10分間、その反応物を加熱することにより停止させた。この
反応混合物を、当業者に良く知られる方法を用いて順次、フェノール/クロロホ
ルムおよびクロロホルムで一回づつ抽出した。このDNAを7.5Mの酢
酸アンモニウムと絶対アルコールとで沈殿させ、そして10μlの水中に溶解し
た。
この5.7kbの制限断片を、連結反応物(9μlの溶解させたDNA、1.
5μlの市販品として調製されている10× 連結緩衝液(New Engla
nd Biolabs、Inc.社)、4.5μlの50%ポリエチレングリコ
ール 8000、400単位のT4 DNA Ligase(New Engl
and Biolabs、Inc.社)]を23℃で20時間インキュベートす
ることにより環化させた。B. スブチリス(B. subtilis)株BE
1510を形質転換に関してコンピテントとなるように作成し、そして0.5m
lのコンピテント細胞を、HarwoodとCutting、上述、に記載され
る方法に従って9μlの連結させてあるDNAで形質転換させた。そのDNAと
共にインキュベーションした後、形質転換させた培養物を1mlのBHIで希釈
し、そして37℃で1時間、ローラードラム上でインキュベートした。各培養物
の試料(0.1ml)を、100μg/mlのスペクチノマイシンを含むTBA
B上に広げた。このペトリ皿を37℃で18時間インキュベートした。
スペクチノマイシン耐性であってクロラムフェニコール感受性である数々の形
質転換体を100μg/mlのスペクチノマイシンを含む3mlのBHI内に接
種し、そして37℃で5時間、ローラードラム上でインキュベートした。プラス
ミドDNAを、Wizard Minipreps DNA Purifica
tion System(Promega社)を用いて各培養物から抽出した。
各プラスミド調製物の試料(20μl)を12単位のEcoRI(Promeg
a社)で、その製
造業者により供給される反応緩衝液を用いて合計50μlの容積中で消化させた
。得られる制限断片を、0.8%アガロースゲル中での100ボルト、45分間
の電気泳動により分析した。予想されるサイズ(4.0kbおよび1.5kb)
の制限断片を有する一つのプラスミドをpMGB161Δcat1と表示した。
pMGB161Δcat1の詳細な制限地図が図4に示される。
実施例3 B. ステアロセルモフィルス(B. stearothermophilus )の染色体DNAに由来するランダム制限断片をクローン化するためのpMGB 161Δcat1の使用 B. ステアロセルモフィルス(B. stearothermophilus )DNAの調製
バキルス(Bacillus) Genetic Stock Center
のB. ステアロセルモフィルス(B. stearothermophilu s
)株9A2を、振盪させながら60℃で6.5時間、25mlのBHI中で成
長させた。その細菌を遠心分離により回収し、そして2.5mlの緩衝液(50
mM Tris、10mM、EDTA、pH8.0)中に再懸濁させた。リゾチ
ームを、200μg/mlの最終濃度になるよう添加し、そして得られる混合物
を37℃で15分間インキュベートした。プロテイナーゼKおよびドデシル硫酸
ナトリウムを添加し(各々50μg/mlおよび0.5%の最終濃度)、そして
得られる混合物を55℃で2時間インキュベートした。このDNAを7.5Mの
酢酸アンモニウムおよび絶対アルコールで沈殿させ、そしてその後に1mlのT
E緩衝液中に溶解した。このDNAをDNaseを含まな
いRNase(150μg/mlの最終濃度)と共に23℃で30分間インキュ
ベートした。当業者に良く知られる方法を用い、このDNAを等容量のフェノー
ル/クロロホルムで一回抽出し、等容量のクロロホルムで一回抽出し、そして再
度7.5Mの酢酸アンモニウムと絶対アルコールとで沈殿させた。単離したDN
Aを70%エタノールですすぎ、空気乾燥させ、そして500μlのTE緩衝液
中に溶解した。
B. ステアロセルモフィルス(B. stearothermophilu s
)のDNA(60μg)を0.1単位のSau3A(Promega社)で2
3℃下20分間、その製造業者により供給される50μlの1× 反応用緩衝液
中で消化させた。得られる部分消化物は、主なサイズが0.5kb〜20kbで
ある制限断片のセミランダムコレクションを含む。この反応混合物を当業者に良
く知られる方法を用いて順次、フェノール/クロロホルム、そしてクロロホルム
で一回づつ抽出した。このDNAを7.5Mの酢酸アンモニウムと絶対アルコー
ルとで沈殿させ、そして10μlのTE緩衝液に溶解した。pMGB161Δcat1内へのB. ステアロセルモフィルス(B. ste arothermophilus)DNAのクローニング
pMGB161Δcat1(8μg)を20単位のBcl1(Promega
社)で、50℃下で1時間、その製造業者により供給される200μlの1×
反応用緩衝液中で消化させた。この反応混合物を当業者に良く知られる方法を用
いて順次、フェノール/クロロホルム、そしてクロロホルムで一回づつ抽出した
。このDNAを7.5Mの酢酸アンモニウムおよび絶対アルコールで沈殿させ、
そして10μlのTE緩衝液中に溶解した。
B. ステアロセルモフィルス(B. stearothermophilu s
)のDNAを、連結反応物[B. ステアロセルモフィルス(B. stea rothermophilus
)のDNAの4.5μlのSau3部分消化物、Bcl
1で消化させた4.5μlのpMGB161Δcat1、商品として調製
されている1μlの10× 連結緩衝液(New England Biola
bs、Inc.社)、200単位のT4 DNA Ligase(New En
gland Biolabs、Inc.社)]を23℃で2.5時間インキュベ
ートすることによりpMGB161Δcat1内に挿入した。
B. スブチリス(B. subtilis)株BE1510のコンピテント
細胞(0.5ml)を、HarwoodとCutting、p.67、に記載さ
れる要領で、10μlの連結させたDNAで形質転換した。そのDNAと共にイ
ンキュベートした後、その形質転換体培養物と、DNAには露出させなかった細
胞の類似対照培養物との試料を1μlのBHIで希釈し、そして37℃で1時間
、ローラードラム上に広げた。その細胞を100μg/mlのスペクチノマイシ
ンを含むLBアガー(LBAS)もしくは100μg/mlのスペクチノマイシ
ンと5%のスクロースとを含むLBアガー(LBASS)上に広げて、スペクチ
ノマイシンのみに対して耐性を示す、もしくはスペクチノマイシンとスクロース
とに対して耐性を示す形質転換体の数を決定した。これらのペトリ皿を30℃で
20時間インキュベートした。
表2に示されるように、スペクチノマイシン単独に対してよりもスペクチノマ
イシンとスクロースとに対して耐性を示す形質転換体の方が有意に少なかった。
LBASから10の形質転換体を取り出し、そしてL
BASSから10の形質転換体を取り出した。LBASSからの形質転換体を、
37℃で5時間、ローラードラム上でインキュベーションさせながら100μg
/mlのスペクチノマイシンと5%のスクロースとを含む3mlのBHI中で成
長させた。LBASからの形質転換体を、培地がスクロースを欠く事を除外して
は類似の様式で培養した。プラスミドDNAを、Wizard Minipre
ps DNA Purification System(Promega社)
を用いて各培養物から抽出した。各プラスミド調製物の試料(25μl)を12
単位のEcoRI(Promega社)で、その製造業者により供給される反応
用緩衝液を用いて50μlの合計容積中で消化させた。得られる制限断片を、0
.8%アガロースゲル内での100ボルト、30分間の電気泳動により分析した
。pMGB161Δcat1のEcoRI消化物は3.7および1.4kbのサ
イズの制限断片に対応する2本のバンドを生じた。この1.4kbの断片はsa cB
[BamP]W29配列を含み、かつpMGB161Δcat1のBcl1
制限部位内にDNAがクローン化されている場合にはサイズが変化するであろう
。LBASから取り出した10の形質転換体全てからのそのプラスミドのEco
RI消化物はサイズの点でpMGB161Δcat1のEcoRI消化断片とは
識別不可能な2本のバンドを生じた。従って、LBASに由来する形質転換体の
内のいずれのものも、クローン化されたB. ステアロセルモフィルス(B. stearothermophilus
)のDNA配列を含んでいなかった。L
BASSから取り出された10の形質転換体からのプラスミドのEcoRI消化
物は、3.7kbの断片が各消化物中に存在するが1.4kbの断片が消失して
いるという点では互いに類似し
ていた。各事例とも、その1.4kbの断片は、1.4kbを上回るサイズの一
つの断片もしくは合わさったサイズが1.4kbを上回る2本の断片に置き換わ
っていた。従って、LBASSから取り出された10の形質転換体の各々はクロ
ーン化された挿入断片を有するプラスミドを含んでいた。表3に示されるように
、調査した形質転換体の中では小さな挿入断片が多勢を占めていた。しかしなが
ら、pMGB161Δcat1は6.3kb程の大きさの挿入断片を収容するこ
とができる。
実施例4 B. アミロリキファキエンス(B. amyloliquifaci ens)apr遺伝子を含むポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅させたDN Aをクローン化するためのpMGB161Δcat1の使用 B. アミロリキファキエンス(B. amyloliquifaciens) のDNAの調製
B. アミロリキファキエンス(B. amyloliquifaciens
)を、振盪しながら37℃で5時間、25mlのBHI中で成長させた。この細
菌を遠心分離により回収し、そして3mlのTE緩衝液中に再懸濁させた。リゾ
チームを333μg/mlの最終濃度になるまで添加し、そして得られた混合物
を37℃で15分間インキュベートした。プロテイナーゼKおよびドデシル硫酸
ナトリウムを添加し(各々50μg/mlおよび0.5%の最終濃度)、そして
得られる混合物を55℃で2時間インキュベートした。当業者に良く知られる方
法を用いてそのDNAを7.5Mの酢酸アンモニウムと絶対エタノールとで沈殿
させ、2mlのTE緩衝液中に溶解し、等容量のフェノール/クロロホルムで一
回抽出し、当容量のクロロホルムで一回抽出し、再度7.5Mの酢酸アンモニウ
ムと絶対エタノールとで沈殿させた。単離されたDNAを70%エタノールです
すぎ、空気乾燥させ、そして1mlのTE緩衝液中に溶解した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるB. アミロリキファキエンス(B. amyloliquifaciens)apr遺伝子の増幅
B. アミロリキファキエンス(B. amyloliquifaciens
)apr遺伝子のプロモーターとコーディング配列とを、AmpliTaq D
NAポリメラーゼ(Perkin Elmer社)およびGeneAmp PC
R Reagent Kit(Perkin
Elmer社)を製造業者の説明書に従って用いるPCRにより増幅させた。
各々30塩基の2つのオリゴヌクレオチドプライマーをPCR反応の際の使用の
ために合成した。この反応に用いられる30量体のオリゴヌクレオチドプライマ
ーの配列は、B. アミロリキファキエンス(B. amyloliquifa ciens
)apr遺伝子について報告されているヌクレオチド配列に基づいて
いた[Vasanthaら、J.Bactriol. 159:811−819
(1984)]。プライマーは、その標的配列をBamHI制限部位でフランク
するように設計した。各プライマーの配列が以下に示される:プライマーNo.
ヌクレオチオド配列
APR3 CCC CCA AAA ATG GAT CCA AAC CGT TCG ACC 配列番号2
APR4 CGA TTA TGG AGC GGA TTG AGG ATC CGG AGG 配列番号3
この100μlのPCR混合物は0.8μgのB. アミロリキファキエンス
(B. amyloliquifaciens)DNAを含んでいた。このPC
R混合物中の各プライマーの最終濃度は1.0mMであった。この反応は、融解
段階(94℃で1分間)、プライマーアニーリング段階(45℃で1分間)、お
よびプライマー伸長段階(72℃で2分間)からなる40周期を用い、Gene
Amp PCR System 9600 サーモサイクラー(thermoc
ycler)(Perkin Elmer社)内で実施した。最終周期の完了後
、市販品として入手することができるWizard PCR Preps DN
A Purification Systemキット(Promega社)を用
いることにより、取り込まれなかったプライマーから増幅させ
たDNAを分離した。
2つの個別の増幅反応からのDNAを合わせ(総計8μg)、そして20単位
のBamHI(Promega社)で、その製造業者により供給される100μ
lの1× 反応緩衝液中、37℃で1時間消化させた。このDNAを7.5Mの
酢酸アンモニウムと絶対エタノールとで BamHI反応緩衝液から沈殿させ、
そして5μlのTE緩衝液内に溶解した。BamHIで消化させたDNAは、0
.8%アガロースゲル内での100ボルト、30分間の電気泳動により分析した
。1.5kbの断片をGeneclean Kit(Bio 101 Inc.
社)を用いてアガロースゲルから抽出した。このDNAを10μlのTE緩衝液
中に再懸濁させた。増幅させたDNAのpMGB161Δcat1内へのクローニング
pMGB161Δcat1(10μg)を40単位のBclI(Promeg
a社)で、その製造業者により供給される50μlの1× 反応緩衝液中、50
℃で1時間消化させた。このDNAをGeneclean Kit(Bio 1
01 Inc.社)を用いることによりBcl1反応緩衝液から抽出した。この
DNAを10μlのTE緩衝液中に再懸濁させた。BclIで消化させたpMG
B161Δcat1(10ml)およびBamHIで消化させた1.5kb断片
(10μl)を合わせ、7.5Mの酢酸アンモニウムとエタノールとで沈殿させ
、そして200単位のT4 DNAリガーゼ(New England Bio
labs、Inc.社)を含む10μlの1× リガーゼ緩衝液内に再懸濁させ
た。この連結反応物を23℃で20時間インキュベートした。
B. スブチリス(B. subtilis)株BE1510のコン
ピテント細胞(0.5ml)を10μlの連結させたDNAで、Harwood
とCutting、p. 67、に記載される要領で形質転換させた。そのDN
Aとのインキュベーションの後に形質転換培養物の試料、およびDNAに露出さ
せなかった細胞の類似対照培養物を1mlのBHIで稀釈し、そして37℃下1
時間、ローラードラム上でインキュベートした。これらの細胞をLBASもしく
はLBASS上に広げ、スペクチノマイシンのみに対して耐性を示す、もしくは
スペクチノマイシンとスクロースとに対して耐性を示す形質転換体の数を決定し
た。これらのペトリ皿は30℃で20時間インキュベートした。
表4に示されるように、スペクチノマイシン単独に対するよりも、スペクチノ
マイシンとスクロースとに対して耐性を示す形質転換体は有意に少なかった。幾
つかの形質転換体をLBASもしくはLBASSから取り出し、そしてスペクチ
ノマイシンと1%のスキムミルクとを含むTBTAにパッチした。スキムミルク
を含む培地上で透明なかさに囲まれたパッチは細胞外プロテアーゼの産生に関し
て陽性となる(Vasantha,N.,ら、J.Bacterial. 15
9、811、(1984))。これらのペトリ皿を37℃で18時間インキュベ
ートした。
表5に示されるように、スペクチノマイシンに対してのみ耐性を示す形質転換
体の内のいずれのものもプロテアーゼ陽性ではなかった一方で、スペクチノマイ
シン/スクロース耐性形質転換体の内のほぼ半数はプロテアーゼ陽性でもあった
。4つのプロテアーゼ陽性形質転換体を、100μg/mlのスペクチノマイシ
ンと5%のスクロースとを含む3mlのBHI内に接種し、そしてローラードラ
ム上、37℃で5時間インキュベートした。プラスミドDNAを、Wizard
Minipreps DNA Purification Systemを用
いて各培養物から抽出した。各プラスミド調製物の試料(20μl)を12単位
のEcoRI(Promega社)で、その製造業者により供給される反応緩衝
液を用いて50μlの合計容量中で消化させた。得られる制限断片を、0.8%
アガロースゲル中、100ボルト、45分間の電気泳動により分析した。この4
つのプロテアーゼ陽性形質転換体の各々のものからのプラスミドは予想されたサ
イズ(1.5kb)のクローン化された挿入断片を含んでいた。
実施例5 sacB[BamP]W29遺伝子産物のポリメラーゼ活性の不活化
ChambertとPetit−Glatron[Biochem. J.
279:35−41 (1991)]は、レバンスクラーゼの
位置331のアルギニン(Arg331)のロイシン(Leu)への転換がその酵
素のポリメラーゼ活性を不活化させることを示した。従って、sacB[Bam P
]W29遺伝子産物のポリメラーゼ活性は類似様式で不活化され、このことが
スクロースの存在下でのB. スブチリス(B. subtilis)の成長を
阻害する原因になっていることが示された。位置指定突然変異誘発によるsacB[BamP]W29の改変
sacB[BamP]W29の一部分を、AmpliTaq DNAポリメラ
ーゼ(Perkin Elmer社)およびGeneAmp PCR Reag
ent Kit(Perkin Elmer社)を用いて、その製造業者の使用
説明書に従い、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅した。プラスミドpMGB16
1Δcat1を鋳型DNAとして用いた。(pMGB161Δcat1はpBE
517の誘導体である。pMGB161Δcat1の構築法は実施例2に記載さ
れており、かつ図2に詳細に説明されている。pMGB161Δcat1の制限
地図が図4に示されている)。2本のオリゴヌクレオチオドプライマーを、PC
R反応の際の使用のために合成した。この反応に用いられる2本のオリゴヌクレ
オチドプラーマーの配列は、B. アミロリキファキエンス(B. amylo liquifaciens
)のsacB遺伝子[Tangら、Gene 96:
89−93(1990)]およびpBE504のポリリンカー領域についての報
告されているヌクレオチド配列に基づいていた(BorchertとNagar
ajan、上述)。これらのプライマーは、BssHII制限部位とBamHI
制限部位との間の473塩基対を含むpMGB161Δcat1の領域の増幅を
可能に
するように設計した。プライマーMB3はsacB[BamP]W29のArg
コドン331と重複しており、かつ増幅させたDNA内ではコドン331をLe
uコドンへと転化させるように設計した。各プライマーの配列が以下に示されて
いる:プライマーNo.
ヌクレオチド配列
MB2 AGT GGA TCC CCC GGG CTG CAG GAA TTC ACC 配列番号4
MB3 GAG CGC GCG AAT GTT TTC AAA ATG AAC GGC AAA TGG TAC
TTG TTC ACT GAT TCA CTC GGT TC 配列番号5
この100μlのPCR混合物は、NheIで消化してある1ngのpMGB
161Δcat1を含んでいた。このPCR混合物中の各プライマーの最終濃度
は1.5mMであった。この反応は、融解段階(94℃で1分間)、プライマー
アニーリング段階(45℃で1分間)、およびプライマー伸長段階(72℃で2
分間)からなる40周期を用い、GeneAmp PCR System 96
00 サーモサイクラー(thermocycler)(Perkin Elm
er社)内で実施した。最終周期の完了後、増幅させたDNAを、市販品として
入手することができるWizard PCR Preps DNA Purif
ication Systemキット(Promega社)を用いることにより
、取り込まれなかったプライマーから分離した。
一つの反応からの増幅されたDNAの全てを10単位のBssHII(Pro
mega社)で、その製造業者により供給される100μlの1× 反応緩衝液
中、50℃で1時間消化させた。消化は、10単位のBamHI(Promeg
a社)の添加後に37℃で1時間継続させた。
当業者に良く知られる方法を用い、この反応混合物を当容量のフェノール/クロ
ロホルムで一回抽出し、そして当容量のクロロホルムで一回抽出した。このDN
Aを7.5Mの酢酸アンモニウムと絶対エタノールとで沈殿させた。単離したD
NAを10μlのTE緩衝液に溶解した。
プラスミドpMGB161(10μg)を、前の段落に記載される要領でBs s
HIとBamHIとで消化した。(pMGB161はpBE517の誘導体で
ある。pMGB161の構築法は実施例2に記載されており、かつ図2に詳細に
説明されている。pMGB161の制限地図が図3に詳細に説明されている)。
このBssHII/BamHI DNAを7.5M 酢酸アンモニウムと絶対エ
タノールとで沈殿させた。BssHIIとBamHIとでの消化からもたらされ
る2本の断片を、0.8%アガロースゲル中、100ボルト、30分間の電気泳
動により分離した。8.6kbのBssHII/BamHIの制限断片を、Ge
neclean Kit(Bio 101 Inc.社)を用いてそのアガロー
スゲルから抽出した。このDNAを20μlのTE緩衝液中に再懸濁させた。
BssHII/BamHIで消化しPCRで増幅させたDNAを、連結反応物
中[2μlの8.6kb BssHII/BamHI pMGB161制限断片
、5μlのBssHII/BamHIで消化しPCRで増幅させたDNA、2μ
lの水、1μlの商品として調製された10× 連結緩衝液(New Engl
and Biolabs、Inc.社、32 Tozer Road、Beve
rly、MA 01915−5599)、および200単位のT4 DNA L
igase(New England Biolabs、Inc.社)]、その
8.6k
bのBssHII/BamHI pMGB161制限断片に連結させた。この反
応物を23℃で18時間インキュベートした。この連結混合物全てを用い、アン
ピリシン耐性についての選択に関する標準方法[Ausubelら、(eds.
)、Current Protocols in Molecular Bio
logy、p.1.8.1−p.1.8.3 John Wiley and
Sons、New York]に従い、商品として調製された大腸菌(E. c oli
)株RR1(BRL/Life Technologies、Inc.社
、Gaithersburg、MD 20877)を形質転換させた。一つの典
型的な形質転換体をRR1(pMGB165)と表示した。
RR1(pMGB165)を、50μg/mlのアンピリシンを含む3mlの
LB内に接種し、そしてローラードラム上で、37℃下6時間インキュベートし
た。プラスミドDNAを、Wizard Minipreps DNA Pur
ification Systemを用いてその培養物から抽出した。B. ス
ブチリス(B. subtilis)株BE1510を形質転換に関してコンピ
テントになるよう作成し、そして0.5mlのコンピテント細胞を、Harwo
odとCutting、p.67、に記載される方法に従って10μlのプラス
ミド調製物で形質転換させた。そのDNAと一緒のインキュベーションの後に、
形質転換培養物を1mlのブレイン ハート インフュージョン(Brain
Heart Infusion)(BHI;Difco社、Detriot、M
ichigan)で希釈し、そして37℃で1時間、ローラードラム上でインキ
ュベートした。各培養管の内容物を遠心分離により10倍濃縮し、そして、10
0μg/mlのスペクチノマイシンを
含むトリプトース ブラッド アガー ベース(tryptose blood
agar base)(TBAB;Difco社)上に広げた。このペトリ皿
を37℃で18時間インキュベートした。
BE1510(pMGB165)という一つの形質転換体を、100μg/m
lのスペクチノマイシンを含む3mlのBHI内に接種し、そして37℃で6時
間、ローラードラム上でインキュベートした。プラスミドDNAを、Wizar
d Minipreps DNA Purification Systemを
用いてその培養物から抽出した。そのプラスミド調製物の試料(25μl)を1
2単位のEcoRI(Promega社)で、その製造業者により供給される反
応緩衝液を用いて50μlの合計容量内で消化させた。得られる制限断片を、0
.8%アガロースゲル内での100ボルト、30分間の電気泳動により分析した
。pMGB165は予想されたサイズ(5.7kb、1.7kb、および1.5
kb)の制限断片を有していた。sacB[BamP]W29内でのArg331のLeuへの変更の効果
BE1510(pMGB161)もしくはBE1510(pMGB165)の
単一コロニーを、5μg/mlのクロラムフェニコールを含む20mlのLB内
に接種した。この培養物を振盪させながら300mlのサイドアームフラスコ内
で37℃下、緑色のフィルターを取り付けたKlett−Summerson比
色計を用いて決定した際に約85Klett単位の密度に細菌が達するまでイン
キュベートした。5μg/mlのクロラムフェニコールを含むLBアガーもしく
は5%のスクロースを有する同一培地上での細菌の生存率を、各アガー培地につ
いてのその液体培養物のml当たりのCFU数を決定することにより評価した。
表6に示されるように、BE1510(pMGB161)についてのCFU数
はそのアガー培地中の5%のスクロースの存在により1000倍減少した。それ
とは対照的に、アガー培地上でのBE1510(pMGB165)の生存率はス
クロースによっては影響を受けなかった。従ってsacB[BamP]W29遺
伝子産物のポリメラーゼ活性は、スクロースを有する培地上でのsacB[Ba mP
]W29による成長の阻害にとっては必須であった。それに加えこの実験に
よりsacB[BamP]W29の不活化を用いて、sacB[BamP]W2
9内にクローン化された挿入断片を含むB. スブチリス(B. subtil is
)のコロニーの成長についての選択を行うことができることが示唆された。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年9月5日
【補正内容】
請求の範囲
1. (i)(a)シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする突然
変異遺伝子であって、前記突然変異がスクロースの存在下で前記宿主細胞に致死
性を付与することが可能であり、前記遺伝子が追加的にレバンスクラーゼポリメ
ラーゼ活性をコードし、かつ異種DNAの挿入に有用な適合性制限部位を含む突
然変異遺伝子;
(b)抗生物質耐性をコードする遺伝子;
(c)多重コピーとしてのベクターを保持するための宿主特異的複製起
点;および
(d)突然変異遺伝子の調節および発現のための適切な調節配列;
を含む陽性選択ベクターを構築すること;
(ii)異種DNAを単離すこと;
(iii)前記単離された異種DNAを、前記突然変異遺伝子の前記適合性制
限部位内にクローニングすること(この場合、レバンスクラーゼポリメラーゼ活
性は破壊される);
(iv)段階(iii)のベクターでコンピテント宿主細胞を形質転換させる
こと(この場合、前記宿主細胞がスクロースを代謝する能力を保持しない);
(v)前記形質転換させた宿主細胞をスクロースを含む適切な成長培地の存在
下でインキュベートすること;および
(vi)スクロースの存在下で成長することができる形質転換体を単離するこ
と;
を含んでなる異種DNAで形質転換させたグラム(Gram)陽性細菌宿主細胞
の陽性選択のための方法。
2. 前記グラム(Gram)陽性宿主細胞が、バキルス エスピー(Bac illus
sp.)、ロドコックス エスピー(Rhodococcus s
p.)、ノカルディア エスピー(Nocardia sp.)、ストレプトミ
セス エスピー(Streptmyces sp.)、ストレプトコックス エ
スピー(Streptococcus sp.)、スタフィロコックス エスピ
ー(Staphylococcus sp.)、コリネバクテリウム エスピー
(Corynebacterium sp.)、およびクロストリディウム エ
スピー(Clostridium sp.)からなる群より選択される請求の範
囲1に記載の方法。
3. グラム(Gram)陽性宿主細胞が、バキルス スブチリス(Baci llus
subtilis)、バキルス プミルス(Bacillus pu milus
)、バキルス ロケニフォルミス(Bacillus loceni formis
)、バキルス アミロリキファキエンス(Bacillus am yloliquifaciens
)、バキルス スルギエンシス(Bacill us
thurgiensis)、バキルス ステアロセルモフィルス(Bac illus
stearothermophilus)、およびバキルス スフ
ェアリクス(Bacillus sphearicus)からなる群より選択さ
れる請求の範囲2に記載の方法。
4. 前記グラム(Gram)陽性宿主細胞がsacB遺伝子もしくはsac A
遺伝子のいずれか、あるいはsacA遺伝子とsacB遺伝
子の両方を欠失する請求の範囲3に記載の方法。
5. グラム(Gram)陽性宿主細胞がバキルス スブチリス(Bacil lus
subtilis)である請求の範囲3に記載の方法。
6. シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする遺伝子が(−1)
位置に、トリプトファン、アルギニン、およびプロリンからなる群より選択され
るアミノ酸を含む請求の範囲1に記載の方法。
7. シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする遺伝子が(−3)
位置に、トリプトファン、アルギニン、およびプロリンからなる群より選択され
るアミノ酸を含んでなる請求の範囲1に記載の方法。
8. 前記突然変異遺伝子がsacB[Bamp]W29である請求の範囲1
に記載の方法。
9. (i)(a)sacB[BamP]W29遺伝子であって、前記遺伝子
がスクロースの存在下で前記宿主細胞に致死性を付与することができ、突然変異
レバンスクラーゼ酵素をコードし、かつ異種DNAの挿入に有用な適合性制限部
位を含むsacB[BamP]W29遺伝子;
(b)抗生物質耐性をコードする遺伝子;
(c)多重コピーとしてのベクターを保持するためのバキルス(Bac illus
)複製起点;
(d)sacB[BamP]W29遺伝子の調節および発現のための適
切な調節配列;
を含む陽性選択ベクターを構築すること;
(ii)異種DNAを単離すこと;
(iii)前記単離された異種DNAを、前記sacB[BamP]
W29遺伝子の前記適合性制限部位内にクローニングすること;
(iv)段階(iii)のベクターでコンピテントバキルス(Bacillu s
)宿主細胞を形質転換させること(この場合、前記宿主細胞がスクロースを代
謝する能力を保持しない);
(v)スクロースを含む適切な成長培地の存在下で前記形質転換させた宿主細
胞をインキュベートすること;および
(vi)スクロースの存在下で成長することができる形質転換体を単離するこ
と;
を含んでなる異種DNAで形質転換させたバキルス エスピー(Bacillu s
sp.)宿主の陽性選択のための方法。
10. 前記宿主細胞がsacB遺伝子もしくはsacA遺伝子のいずれか、あ
るいはsacB遺伝子とsacA遺伝子の両方を欠失する請求の範囲9に記載の
方法。
11. 異種DNAで形質転換させたグラム(Gram)陽性細菌宿主細胞の陽
性選択のための陽性選択ベクターであって:
(i)シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする突然変異遺伝子で
あって、前記突然変異がスクロースの存在下で前記宿主細胞に致死性を付与する
ことができ、前記遺伝子が追加的にレバンスクラーゼポリメラーゼ活性をコード
し、かつ異種DNAの挿入に有用な適合性制限部位を含む突然変異遺伝子;
(ii)抗生物質耐性をコードする遺伝子;
(iii)多重コピーとしてのベクターを保持するための宿主特異的複製起点
;および
(iv)突然変異遺伝子の調節および発現のための適切な調節配列;
を含んでなるベクター。
12. 前記突然変異体遺伝子がバキルス エスピー(Bacillus sp
.)から単離されたレバンスクラーゼ遺伝子である請求の範囲11記載のベクタ
ー。
13. 多重コピーとしてのベクターを保持するための複製起点がバキルス エ
スピー(Bacillus sp.)に特異的である請求の範囲11に記載のベ
クター。
14. シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする遺伝子が(−1)
位置に、トリプトファン、アルギニン、およびプロリンからなる群より選択され
るアミノ酸を含んでなる請求の範囲11に記載のベクター。
15. シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする遺伝子が配列番号
1に対応する核酸配列を有する請求の範囲11に記載のベクター。
16. シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする遺伝子が(−3)
位置に、トリプトファン、アルギニン、およびプロリンからなる群より選択され
るアミノ酸を含んでなる請求の範囲11に記載のベクター。
17. ATCC番号ATCC 69945を有する請求の範囲11に記載の陽
性選択ベクターを含む形質転換させたバキルス スブチリス(Bacillus
subtilis)宿主細胞。
18. ATCC番号ATCC 69946を有する請求の範囲11に記載の陽
性選択ベクターを含む形質転換させたバキルス スブチリス(Bacillus
subtilis)宿主細胞。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.(i)(a)シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする突然変 異遺伝子であって、前記遺伝子が追加的にレバンスクラーゼポリメラーゼ活性を コードし、かつ異種DNAの挿入に有用な適合性制限部位を含む突然変異体遺伝 子; (b)抗生物質耐性をコードする遺伝子; (c)多重コピーとしてのベクターを保持するための宿主特異的複製起 点;および (d)突然変異遺伝子の調節および発現のための適切な調節配列; を含む陽性選択ベクターを構築すること; (ii)異種DNAを単離すこと; (iii)前記単離された異種DNAを、前記突然変異遺伝子の前記適合性制 限部位内にクローニングすること(この場合、レバンスクラーゼポリメラーゼ活 性は破壊される); (iv)段階(iii)のベクターでコンピテント宿主細胞を形質転換させる こと(この場合、前記宿主細胞はスクロースを代謝する能力を保持しない); (v)前記形質転換させた宿主細胞をスクロースを含む適切な成長培地の存在 下でインキュベートすること;および (vi)スクロースの存在下で成長することができる形質転換体を単離するこ と; を含んでなる異種DNAで形質転換させたグラム(Gram)陽性細菌 宿主細胞の陽性選択のための方法。 2. 前記グラム(Gram)陽性宿主細胞が、バキルス エスピー(Bac illus sp.)、ロドコックス エスピー(Rhodococcus s p.)、ノカルディア エスピー(Nocardia sp.)、ストレプトミ セス エスピー(Streptmyces sp.)、ストレプトコックス エ スピー(Streptococcus sp.)、スタフィロコックス エスピ ー(Staphylococcus sp.)、コリネバクテリウム エスピー (Corynebacterium sp.)、およびクロストリディウム エ スピー(Clostridium sp.)からなる群より選択される請求の範 囲1に記載の方法。 3. グラム(Gram)陽性宿主細胞が、バキルス スブチリス(Baci llus subtilis)、バキルス プミルス(Bacillus pu milus )、バキルス ロケニフォルミス(Bacillus loceni formis )、バキルス アミロリキファキエンス(Bacillus am yloliquifaciens )、バキルス スルギエンシス(Bacill us thurgiensis)、バキルス ステアロセルモフィルス(Bac illus stearothermophilus)、およびバキルス スフ ェアリクス(Bacillus sphearicus)からなる群より選択さ れる請求の範囲2に記載の方法。 4. 前記グラム(Gram)陽性宿主細胞がsacB遺伝子もしくはsac A 遺伝子のいずれか、あるいはsacA遺伝子とsacB遺伝子の両方を欠失す る請求の範囲3記載の方法。 5. グラム(Gram)陽性宿主細胞がバキルス スブチリス(Bacil lus subtilis)である請求の範囲3記載の方法。 6. シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする遺伝子が(−1) 位置に、トリプトファン、アルギニン、およびプロリンからなる群より選択され るアミノ酸を含む請求の範囲1記載の方法。 7. シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする遺伝子が(−3) 位置に、トリプトファン、アルギニン、およびプロリンからなる群より選択され るアミノ酸を含む請求の範囲1記載の方法。 8. 前記突然変異体遺伝子がsacB[Bamp]W29である請求の範囲 1記載の方法。 9. (i)(a)突然変異レバンスクラーゼ酵素をコードし、かつ異種DNAの挿 入に有用な適合性制限部位を含むsacB[BamP]W29遺伝子; (b)抗生物質耐性をコードする遺伝子; (c)多重コピーとしてのベクターを保持するためのバキルス(Bac illus )複製起点; (d)sacB[BamP]W29遺伝子の調節および発現のための適 切な調節配列; を含む陽性選択ベクターを構築すること; (ii)異種DNAを単離すこと; (iii)前記単離された異種DNAを、前記sacB[BamP]W29遺 伝子の前記適合性制限部位内にクローニングすること; (iv)段階(iii)のベクターでコンピテントバキルス(Bac illus )宿主細胞を形質転換させること(この場合、前記宿主細胞はスクロ ースを代謝する能力を保持しない); (v)スクロースを含む適切な成長培地の存在下で前記形質転換させた宿主細 胞をインキュベートすること;および (vi)スクロースの存在下で成長することができる形質転換体を単離するこ と; を含んでなる異種DNAで形質転換させたバキルス エスピー(Bacillu s sp.)宿主の陽性選択のための方法。 10. 前記宿主細胞がsacB遺伝子もしくはsacA遺伝子のいずれか、あ るいはsacB遺伝子とsacA遺伝子の両方を欠失する請求の範囲9に記載の 方法。 11. 異種DNAで形質転換させたグラム(Gram)陽性細菌宿主細胞の陽 性選択のための陽性選択ベクターであって: (i)シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする突然変異遺伝子で あって、前記遺伝子が追加的にレバンスクラーゼポリメラーゼ活性をコードし、 かつ異種DNAの挿入に有用な適合性制限部位を含む突然変異遺伝子; (ii)抗生物質耐性をコードする遺伝子; (iii)多重コピーとしてのベクターを保持するための宿主特異的複製起点 ;および (iv)突然変異遺伝子の調節および発現のための適切な調節配列; を含んでなるベクター。 12. 前記突然変異遺伝子がバキルス エスピー(Bacillus sp. )から単離されたレバンスクラーゼ遺伝子である請求の範囲1 1に記載のベクター。 13. 多重コピーとしてのベクターを保持するための複製起点がバキルス エ スピー(Bacillus sp.)に特異的である請求の範囲11に記載のベ クター。 14. シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする遺伝子が(−1) 位置に、トリプトファン、アルギニン、およびプロリンからなる群より選択され るアミノ酸を含む請求の範囲11に記載のベクター。 15. シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする遺伝子が配列番号 1に対応する核酸配列を有する請求の範囲11に記載のベクター。 16. シグナルペプチドプロセシング突然変異をコードする遺伝子が(−3) 位置に、トリプトファン、アルギニン、およびプロリンからなる群より選択され るアミノ酸を含む請求の範囲11に記載のベクター。 17. ATCC番号ATCC 69945を有する請求の範囲11に記載の陽 性選択ベクターを含む形質転換させたバキルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞。 18. ATCC番号ATCC 69946を有する請求の範囲11に記載の陽 性選択ベクターを含む形質転換させたバキルス スブチリス(Bacillus subtilis)宿主細胞。
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- 1996-10-31 CA CA002234876A patent/CA2234876C/en not_active Expired - Fee Related
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