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JPH1140159A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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Publication number
JPH1140159A
JPH1140159A JP10134928A JP13492898A JPH1140159A JP H1140159 A JPH1140159 A JP H1140159A JP 10134928 A JP10134928 A JP 10134928A JP 13492898 A JP13492898 A JP 13492898A JP H1140159 A JPH1140159 A JP H1140159A
Authority
JP
Japan
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group
lithium
negative electrode
secondary battery
electrolyte secondary
Prior art date
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Application number
JP10134928A
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English (en)
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JP3565478B2 (ja
Inventor
Toshitada Sato
俊忠 佐藤
Yasuhiko Mifuji
靖彦 美藤
Toshihide Murata
年秀 村田
Shuji Ito
修二 伊藤
Hiromu Matsuda
宏夢 松田
Yoshinori Toyoguchi
▲吉▼徳 豊口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP13492898A priority Critical patent/JP3565478B2/ja
Publication of JPH1140159A publication Critical patent/JPH1140159A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクル寿命に優れた長寿命な高エネルギ−
密度の非水電解質二次電池を提供する。 【解決手段】 充放電可能な正極、非水電解液、および
充放電可能な負極を具備し、前記負極が次式で表される
化合物からなる非水電解質二次電池。 LiκZεXγ (ただし、Zは金属および半金属からなる群より選ばれ
る少なくとも2種の元素で、少なくとも1種はNa、
K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、
La、Ce、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、
Zn、Cd、およびPdからなるD群より選択される。
XはO、S、Se、およびTeからなる群より選択され
る少なくとも1種の元素、0<κ+γ+ε≦25、0≦
κ<10、0<ε<10、0<γ≦8である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池、とくにその負極の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムまたはリチウム化合物を負極と
する非水電解液二次電池は、高電圧で高エネルギー密度
が期待され、盛んに研究が行われている。これまで非水
電解液二次電池の正極活物質には、LiMn24、Li
CoO2、LiNiO2、25、Cr25、MnO2、T
iS2、MoS2などの遷移金属の酸化物およびカルコゲ
ン化合物が知られいる。これらの化合物は、層状または
トンネル構造を有し、リチウムイオンが出入りできる結
晶構造を持っている。一方、負極活物質としては、金属
リチウムが多く検討されてきた。しかしながら、充電時
にリチウム表面に樹枝状にリチウムが析出するから、充
放電効率が低下したり正極と接して内部短絡を生じたり
するという問題点を有していた。このような問題を解決
する手段として、リチウムの樹枝状成長を抑制しリチウ
ムを吸蔵、放出することできるリチウム−アルミニウム
などのリチウム合金を負極を用いる検討がなされてい
る。しかしながら、リチウム合金を用いた場合、深い充
放電を繰り返すと電極の微細化が生じるので、サイクル
特性に問題があった。
【0003】そこで、アルミニウムなどにおいては、さ
らに他の元素を添加した合金を電極とすることで、電極
の微細化を抑制する提案がなされている(特開昭62−
119856号公報、特開平4−109562号公報な
ど)。しかしながら、十分な特性改善がなさなされてい
ない。現在は、これら負極活物質よりも容量が小さい
が、リチウムを可逆的に吸蔵・放出することができ、し
たがってサイクル性および安全性に優れた炭素材料を負
極に用いたリチウムイオン電池が実用化されている。こ
のような中、一層の高容量化を目的に、負極に酸化物を
用いる提案が多数出されている。例えば、結晶質のSn
O、SnO2が従来のWO2などに比べて高容量な負極材
料であることが提案され(特開平7−122274号公
報、特開平7−235293号公報)、さらにSnSi
3あるいはSnSi1-xx3などの非晶質酸化物を負
極に用いることでサイクル特性を改善する提案がなされ
ている(特開平7−288123号公報)。しかし、未
だ十分な特性改善がなされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上に鑑
み、充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池用
負極を提供することを目的とする。本発明は、充電によ
りリチウムを吸蔵してデンドライトを発生せず、電気容
量が大きく、かつサイクル寿命の優れた負極を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の非水電解質二次
電池は、充放電可能な正極、非水電解液、および充放電
可能な負極を具備し、前記負極が式(1)で表される化
合物からなることを特徴とする。 LiκZεXγ (1) (ただし、Zは金属および半金属からなる群より選ばれ
る少なくとも2種の元素で、少なくとも1種はNa、
K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、
La、Ce、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、
Zn、Cd、およびPdからなるD群より選択される。
XはO、S、Se、およびTeからなる群より選択され
る少なくとも1種の元素、0<κ+γ+ε≦25、0≦
κ<10、0<ε<10、0<γ≦8である。)
【0006】ここにおいて、Zは、前記D群より選択さ
れる少なくとも1種の元素Dと、Si、Ge、Sn、P
b、Bi、P、B、Ga、In、Al、As、およびS
bからなるA群より選択される少なくとも1種の元素A
からなり、式(2)で表されるものが好ましい。 AαDβ (2) (ただし、0<α、0<β、α+β=εである。)
【0007】また、Zは、前記D群より選択される2種
の元素D1およびD2からなり、式(3)で表されるも
のが好ましい。 (D1)δ(D2)ζ (3) (ただし、0<δ、0<ζ、δ+ζ=εである。)Z
は、別の観点においては、前記D群より選択される3種
の元素D1、D2、およびD3からなり、式(4)で表
される。 (D1)δ(D2)ζ(D3)η (4) (ただし、0<δ、0<ζ、0<η、δ+ζ+η=εで
ある。)
【0008】Zは、さらに別の観点においては、前記A
群より選択される1種の元素Aと、前記D群より選択さ
れる2種の元素D1およびD2からなり、式(5)で表
される。 (Aα)(D1)β-i(D2)i (5) (ただし、0<i<βである。) さらに、式(2)で表されるZは、前記A群より選択さ
れる2種の元素A1およびA2と、前記D群より選択さ
れる1種の元素Dからなり、式(6)で表されるものが
好ましい。 (A1)α-j(A2)jDβ (6) (ただし、0<j<αである。) 上記において、前記D群より選択される少なくとも1種
の元素は、アルカリ土類金属元素であることが好まし
い。また、前記A群より選択される金属は、スズである
ことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の負極活物質は、通常電池
に組み込まれた後、充電によってリチウムが挿入され
る。このリチウムが挿入された複合化合物の組成を式L
iθZεXγで表すと、リチウムの含量を表すθが、1
≦θ<10の範囲が好ましい。10≦θであるとサイク
ル性が悪く実用に向かない。また、θ<1であると、容
量が小さく、不利である。リチウムが挿入され、さらに
充放電によりリチウムの挿入、離脱が繰り返されると、
初期の化合物の形態を完全には維持していない。従っ
て、Li、Z、およびXが各々θ、ε、およびγの原子
比で存在する組成物とみなすのが適当と思われる。本発
明により、高エネルギー密度で、デンドライトによる短
絡のない、サイクル寿命に優れた信頼性の高い非水電解
質二次電池を得ることが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。ただし、
本発明は、これらの実施例に制限されるものではない。
【0011】《実施例1》本実施例では、上記式中Xが
酸素である化合物酸化物について検討した。本実施例で
は、各種酸化物の負極活物質としての電極特性を検討す
るため、図1に示す試験セルを作製した。活物質粉末6
gに、導電剤としての黒鉛粉末3g、および結着剤とし
てのポリエチレン粉末1gを混合して合剤とした。この
合剤0.1gを直径17.5mmの円盤に加圧成型して電
極1を作製した。この電極1をケース2の中央に配置
し、その上に微孔性のポリプロピレンフィルムからなる
セパレータ3を置いた。1モル/lの過塩素酸リチウム
(LiClO4)を溶解したエチレンカーボネートとジ
メトキシエタンの体積比1:1の混合溶液を非水電解液
としてセパレータ上に注液した。次に、内側に直径1
7.5mmの金属リチウム円盤4を張り付け、外周部にポ
リプロピレン製ガスケット5を付けた封口板6を前記ケ
ース2に組み合わせて封口し、試験セルとした。
【0012】この試験セルについて、2mAの定電流
で、電極がリチウム対極に対して0Vになるまでカソー
ド分極(活物質電極を負極として見る場合には充電に相
当する)し、次に電極が1.5Vになるまでアノード分
極(放電に相当する)した。このカソード分極とアノー
ド分極を繰り返して、電極特性を評価した。比較例とし
て、表1に示す従来の金属酸化物や金属硫化物を用い
た。本実施例では、表2〜7に示す酸化物を用いた。1
サイクル目の活物質1g当たりの放電容量をそれぞれの
表に示す。
【0013】本実施例の酸化物を用いたセルは、いずれ
も充放電することがわかった。この試験セルの10サイ
クル目のカソード分極が終了した後、試験セルを分解し
たところ、いずれも金属リチウムの析出は認められなか
った。以上より本発明の活物質を用いた電極は、カソー
ド分極でリチウムが電極中に吸蔵され、アノード分極で
吸蔵されたリチウムが放出され、金属リチウムの析出は
ないことがわかった。
【0014】次に、本発明の活物質を負極に用いた電池
のサイクル特性を評価するため、図2に示す円筒型電池
を作製した。電池は以下の手順により作製した。正極活
物質であるLiMn1.8Co0.24は、Li2CO3とM
34とCoCO3とを所定のモル比で混合し、900
℃で加熱することによって合成した。これを100メッ
シュ以下に分級したものを正極活物質とした。正極活物
質100gに、導電剤としての炭素粉末を10g、結着
剤としてのポリ4フッ化エチレンの水性ディスパージョ
ンを固形分で8g、および純水を加え、ペースト状に
し、チタンの芯材に塗布し、乾燥、圧延して正極板を得
た。負極板は、各種活物質、導電剤としての黒鉛粉末、
および結着剤としてのポリ4フッ化エチレンを重量比で
60:30:10の割合で混合し、石油系溶剤を用いて
ペ−スト状としたものを銅の芯材に塗布後、100℃で
乾燥することにより作製した。セパレ−タには、多孔性
のポリプロピレンを用いた。
【0015】スポット溶接にて取り付けた、芯材と同材
質の正極リード14を有する正極板11と、同じくスポ
ット溶接にて取り付けた、芯材と同材質の負極リード1
5を有する負極板12、および両極板間に介在させた帯
状の多孔性ポリプロピレン製のセパレータ13を渦巻状
に捲回して電極群を構成した。この電極群を上下それぞ
れにポリプロピレン製の絶縁板16、17を配して電槽
18に挿入し、電槽18の上部に段部を形成させた後、
非水電解液として、1モル/lの過塩素酸リチウムを溶
解したエチレンカーボネートとジメトキシエタンの等比
体積混合溶液を注入し、正極端子20を有する封口板1
9で密閉して電池とした。これらの電池は、温度30℃
において、充放電電流1mA/cm2、充放電電圧範囲
4.3V〜2.6Vで充放電サイクル試験をした。比較
例および実施例の酸化物を負極に用いた電池の2サイク
ル目の放電容量を基準にして、100サイクル目の放電
容量維持率をそれぞれ表1〜7に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】
【表6】
【0022】
【表7】
【0023】本発明の活物質を負極に用いた電池は、従
来の比較例に比べてサイクル特性が格段に向上してい
る。
【0024】上記活物質の良好なサイクル特性の要因に
ついて検討した。図3は、負極活物質にMgSnO3
用いた試験セルの10サイクル目のカソード分極(負極
活物質に対して充電状態)が終了した時点における負極
活物質のX線回折図を示す。図3には、SnO2を用い
た比較例についても示す。2θ=38゜付近のピークに
注目すると、比較例では、明らかにLi−Sn合金の存
在を示す鋭いピークが観察された。一方、実施例では、
非常にブロードで、ピーク強度も低い、ピークが観察さ
れた。上記の結果は、比較例のSnO2は、基本的にS
nとLiとの合金化反応で充放電反応が進行しているこ
とを示している。実施例のMgSnO3も同様の反応が
起こっていることが推測される。しかし、X線回折図の
ピーク強度は、比較例に比べ非常に小さく、またブロー
ドであることから、MgSnO3における充電時に生成
するLi−Sn合金の結晶性は比較例に比べ非常に低い
ことがわかる。詳細については、まだ未解明な部分が多
いが、この結晶性の低さは、上記B群元素の存在(この
場合はMg)が上記A群元素(ここではSn)の凝集に
よる反応表面積低下または不活性化を防いでいることに
よるものであり、これによりサイクル特性が向上したも
のと考えられる。ここでは、MgSnO3について述べ
たが、他の活物質においても同様な結果が得られる。
【0025】《実施例2》本実施例では、表8〜表13
に示す各種硫化物の負極活物質としての電極特性を検討
するため、実施例1と同様の試験セルを作製し、同様の
条件で評価した。その結果をそれぞれの表に示すす。本
実施例のセルは、いずれも充放電することがわかった。
この試験セルの10サイクル目のカソード分極が終了し
た後、試験セルを分解したところ、いずれも金属リチウ
ムの析出は認められなかった。以上より本発明の活物質
を用いた電極は、カソード分極でリチウムが電極中に吸
蔵され、アノード分極で吸蔵されたリチウムが放出さ
れ、金属リチウムの析出はないことがわかった。次に、
各種硫化物を負極活物質に用いた電池のサイクル特性を
評価するため、実施例1と同様の円筒型電池を作製し、
同様の条件で評価した。その結果をそれぞれの表に示
す。
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
【0029】
【表11】
【0030】
【表12】
【0031】
【表13】
【0032】本発明の各種硫化物を負極活物質に用いた
電池は、従来例に比べてサイクル特性が向上している。
【0033】《実施例3》本実施例では、表14〜表1
9に示す各種セレン化物の負極活物質材料として電極特
性を検討するため、実施例1と同様の試験セルを作製
し、同様の条件で評価した。本実施例のセルは、いずれ
も充放電することがわかった。この試験セルの10サイ
クル目のカソード分極が終了した後、試験セルを分解し
たところ、いずれも金属リチウムの析出は認められなか
った。以上より本発明の活物質電極は、カソード分極で
リチウムが電極中に吸蔵され、アノード分極で吸蔵され
たリチウムが放出され、金属リチウムの析出はないこと
がわかった。次に、各種セレン化物を負極活物質に用い
た電池のサイクル特性を評価するため、実施例1と同様
の円筒型電池を作製し、同様の条件で評価した。以上の
結果をそれぞれの表に示す。
【0034】
【表14】
【0035】
【表15】
【0036】
【表16】
【0037】
【表17】
【0038】
【表18】
【0039】
【表19】
【0040】本発明の各種セレン化物を負極活物質に用
いた電池は、従来例に比べてサイクル特性が向上した。
【0041】《実施例4》本実施例では、表20〜表2
5に示す各種テルル化物の負極活物質としての電極特性
検討するため、実施例1と同様の試験セルを作製し、同
様の条件で評価した。本実施例のセルは、いずれも充放
電することがわかった。この試験セルの10サイクル目
のカソード分極が終了した後、試験セルを分解したとこ
ろ、いずれも金属リチウムの析出は認められなかった。
以上より本発明の活物質電極は、カソード分極でリチウ
ムが電極中に吸蔵され、アノード分極で吸蔵されたリチ
ウムが放出され、金属リチウムの析出はないことがわか
った。次に、各種テルル化物を負極活物質に用いた電池
のサイクル特性を評価するため、実施例1と同様の円筒
型電池を作製し、同様の条件で評価した。以上の結果を
それぞれの表に示す。
【0042】
【表20】
【0043】
【表21】
【0044】
【表22】
【0045】
【表23】
【0046】
【表24】
【0047】
【表25】
【0048】本発明の各種テルル化物を負極活物質に用
いた電池は、従来例に比べてサイクル特性が向上した。
【0049】《実施例5》本実施例では、本発明の代表
的な負極活物質MgSnO3、SnSrBaO3、CaS
nS3、SrSnSe3、BaSnTe3に規定量のリチ
ウムを挿入したリチウム複合酸化物の電極特性を評価し
た。まず、前記の各活物質を用いて電極を調製し、実施
例1と同様の試験セルを作製した。そして、カソード分
極およびアノード分極の電気量を規制し、それによりリ
チウムの挿入量を見積もった。試験後、セルを分解し、
リチウム複合酸化物をICP分光分析で定量することに
より、各組成物の組成が、見積もった値と一致すること
が確認された。
【0050】次に、各種のリチウム複合組成物を負極に
用いた電池のサイクル特性を評価するため、実施例1と
同様の円筒型電池を作製し、同様の条件で評価した。た
だし、負極活物質へのリチウムの挿入量は、活物質の量
によって調整した。この場合においても電池の評価後、
電池を分解し、取り出した負極のリチウム複合酸化物を
ICP分光分析で定量することにより、各組成物の組成
を確認した。以上の結果を表26〜28に示す。
【0051】
【表26】
【0052】
【表27】
【0053】
【表28】
【0054】リチウムが挿入された複合化合物の組成を
式LiθZεXγで表すと、リチウムの含量を表すθ
が、1≦θ<10の範囲で良好な電極特性を示すことが
わかった。すなわち、金属リチウムの析出がなく、良好
な可逆性を示すとともに、高い放電容量維持率を示す。
10≦θの場合には、いずれもサイクル性の悪化が確認
された。挿入されているリチウム量が多量なため、不活
性なリチウムが生成しやすく、このため、サイクル性が
悪化するものと考えられる。リチウムの挿入量を0<θ
<1に規定して電池を作動させる場合は、利用されるリ
チウムが少量であるため、十分な容量を取り出すことが
できないのである。
【0055】なお、上記の実施例では、酸化物、硫化
物、セレン化物、およびテルル化物について説明した
が、たとえば、酸化物中の酸素の一部が硫黄で置換され
た化合物、硫化物中の硫黄の一部がセレンで置換された
化合物など、酸素、硫黄、セレン、およびテルルからな
る群より選ばれる2種以上の元素と前記金属または半金
属との化合物についても、同様な結果が得られる。実施
例では、酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物のそ
れぞれにおいては、D群元素としてアルカリ金属または
アルカリ土類金属元素の例を記載しているが、それらの
元素の一部が上記D群から選択される他の元素で置換さ
れている化合物についても同様の結果が得られる。ま
た、上記の実施例では、円筒型電池に適用した例を説明
したが、本発明はこの構造に限定されるものではなく、
コイン型、角型、偏平型などの形状の二次電池において
も全く同様の発明効果が得られることはいうまでもな
い。実施例では、正極としてLiMn1.8Co0.24
用いた例を説明したが、LiMn24、LiCoO2
LiNiO2、などをはじめとする充放電に対して可逆
性を有する正極活物質を用いた場合にも同様の効果があ
ることはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高容量で
かつ、サイクル寿命の極めて優れた負極を用いることに
より、より高エネルギー密度の、デンドライトによる短
絡のない信頼性の高い非水電解質二次電池を得ることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の活物質の電極特性を評価するための試
験セルの縦断面略図である。
【図2】本発明の実施例に用いた円筒型電池の縦断面図
である。
【図3】試験セルの10サイクル目におけるカソード分
極後の負極活物質のX線回折図である。
【符号の説明】
1 試験電極 2 ケース 3 セパレータ 4 金属リチウム 5 ガスケット 6 封口板 11 正極板 12 負極板 13 セパレータ 14 正極リード 15 負極リード 16、17 絶縁板 18 電槽 19 封口板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 修二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松田 宏夢 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 豊口 ▲吉▼徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充放電可能な正極、非水電解液、および
    充放電可能な負極を具備し、前記負極が式(1)で表さ
    れる化合物からなることを特徴とする非水電解質二次電
    池。 LiκZεXγ (1) (ただし、Zは金属および半金属からなる群より選ばれ
    る少なくとも2種の元素で、少なくとも1種はNa、
    K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、
    La、Ce、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、C
    r、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、
    Zn、Cd、およびPdからなるD群より選択される。
    XはO、S、Se、およびTeからなる群より選択され
    る少なくとも1種の元素、0<κ+γ+ε≦25、0≦
    κ<10、0<ε<10、0<γ≦8である。)
  2. 【請求項2】 Zが、前記D群より選択される少なくと
    も1種の元素Dと、Si、Ge、Sn、Pb、Bi、
    P、B、Ga、In、Al、As、およびSbからなる
    A群より選択される少なくとも1種の元素Aからなり、
    式(2)で表される請求項1記載の非水電解質二次電
    池。 AαDβ (2) (ただし、0<α、0<β、α+β=εである。)
  3. 【請求項3】 Zが、前記D群より選択される2種の元
    素D1およびD2からなり、式(3)で表される請求項
    1記載の非水電解質二次電池。 (D1)δ(D2)ζ (3) (ただし、0<δ、0<ζ、δ+ζ=εである。)
  4. 【請求項4】 Zが、前記D群より選択される3種の元
    素D1、D2、およびD3からなり、式(4)で表され
    る請求項1記載の非水電解質二次電池。 (D1)δ(D2)ζ(D3)η (4) (ただし、0<δ、0<ζ、0<η、δ+ζ+η=εで
    ある。)
  5. 【請求項5】 Zが、前記A群より選択される1種の元
    素Aと、前記D群より選択される2種の元素D1および
    D2からなり、式(5)で表される請求項2記載の非水
    電解質二次電池。 (Aα)(D1)β-i(D2)i (5) (ただし、0<i<βである。)
  6. 【請求項6】 Zが、前記A群より選択される2種の元
    素A1およびA2と、前記D群より選択される1種の元
    素Dからなり、式(6)で表される請求項2記載の非水
    電解質二次電池。 (A1)α-j(A2)jDβ (6) (ただし、0<j<αである。)
  7. 【請求項7】 前記D群より選択される少なくとも1種
    の元素がアルカリ土類金属元素である請求項1記載の非
    水電解質二次電池。
  8. 【請求項8】 前記A群より選択される金属がスズであ
    る請求項2、5または6記載の非水電解質二次電池。
  9. 【請求項9】 前記D群より選択される少なくとも1種
    の元素がアルカリ土類金属元素である請求項8記載の非
    水電解質二次電池。
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