JPH11299197A - 風力発電機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 以下に示すような特徴を有する風力発電機を
提供すること。簡易な構造であるため、エネルギーの
損失が小さい。ブレードの回転ムラが小さく、安定し
た電力が得られる。発電量が大きい。 【解決手段】 複数葉のブレードを、回転軸上に設け
て風車とし、これらブレードの外周にわたり取り付けた
輪環に、複数個の永久磁石を取り付けて、回転子を形成
する。複数葉のブレードで形成される風車を囲む円筒
形の、ケーシングを設ける。ケーシング上に、ブレー
ドの外周に沿って放射状に、鉄心に巻回した複数個のコ
イルを、回転子の永久磁石に対向して設け、固定子を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、風力を利用した風
力発電機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に風力発電機は、自然の風力を利用
してブレードを回転させ、この回転を利用して発電機を
駆動させて電気エネルギーとして取り出すものである。

【０００３】従来の風力発電機として、ブレードを取り
つけた駆動軸に、増速機を介して交流発電機が接続され
ており、風力の作用によって駆動軸を回転させ、この回
転を増速機を利用して所定の回転数まで上げ、交流発電
機を駆動させ、電力を得、この電力を電力系統または負
荷装置へ給電するというものがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の風力発電機は、
ブレードの回転数を増加させるため、ブレードが大型と
なり、装置自体が巨大である。また、地理的に風力が安
定して得られる場所へ設置することを要し普及度に欠け
る。

【０００５】また、従来の風力発電機では、風の強弱に
よるブレードの回転数、すなわち、駆動軸の回転数の増
減巾が大きく、殊に、風力が弱い場合に回転数を一定に
するため、増速機で駆動軸の回転数を上げることが相当
程度必要であり、装置が複雑化した。

【０００６】また、風力は希薄なエネルギー源であるこ
とから、発電量が小さく、また、太陽エネルギーのよう
に恒常的なエネルギー源でない。

【０００７】以上のような従来例の難点に鑑み、本発明
は、以下に示すような特徴を有する風力発電機を提供す
ることを目的とする。

【０００８】 簡易な構造であるため、エネルギーの
損失が小さい。

【０００９】 ブレードの回転ムラが小さく、安定し
た電力が得られる。

【００１０】 発電量が大きい。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では以下のような手段を採用した。

【００１２】 複数葉のブレードを、回転軸上に設け
て風車とし、これらブレードの外周にわたり取り付けた
輪環に、複数個の永久磁石を取り付けて、回転子を形成
する。

【００１３】 複数葉のブレードで形成される風車を
囲む円筒形の、ケーシングを設ける。

【００１４】 ケーシング上に、ブレードの外周に沿
って放射状に、鉄心に巻回した複数個のコイルを、回転
子の永久磁石に対向して設け、固定子を形成する。

【００１５】 複数葉のブレードで形成される風車
を、複数段設ける。

【００１６】 ケーシングの空気取り入れ口をベルマ
ウスとする。

【００１７】以下、このような解決手段が、いかなる作
用を有するかを述べる。

【００１８】本発明に係る風力発電機では、複数葉のブ
レードを、回転軸上に設け風車となし、これらブレード
の外周にわたり取り付けた輪環に、永久磁石を複数個取
りつけてある。この輪環及び永久磁石の荷重により、風
車の外側に重量が増し、フライホール効果が増強するこ
とで、減風時にもイナーシャ（惰性）効果を生じ、駆動
軸の回転数のムラが小さくなり、安定した電力が得られ
るのである。

【００１９】また、本発明に係る風力発電機では、それ
ぞれのブレード外周にわたり取り付けた輪環に永久磁石
を設けた、複葉数のブレードで形成される風車を、複数
段設けてある。そして、各風車の永久磁石に対向して、
それぞれ鉄心に巻回したコイルが複数個設けてあること
から、大きな発電量を得ることが可能となるのである。
この場合、複数段のブレードを回転させるためには大き
な風力が必要であるが、係る大きな風力を得るために、
本発明では、ケーシングの空気取り入れ口をベルマウス
に形成している。空気取り入れ口を大口径にすれば、大
量の空気を取り入れることができ、しかも、ブレードの
外周はケーシングで囲ってあることから、空気取り入れ
口より取り入れられた大量の空気は、圧縮空気となり、
且つ、増速して効率の良いブレード通過風速が得られ
る。かようにして得られた大きな風力により、複数段の
風車を回転させ、よって大きな発電量が得られるのであ
る。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、好ましい発明の実施の形態
につき図面を参照しながら述べる。

【００２１】図１は、本発明の実施の一形態に係る風力
発電機の正面図であり、図２は同、側面図である。図に
おける符号１はブレード、２は永久磁石、３はケーシン
グ、４は鉄心に巻回したコイル、５はベルマウス形の空
気取り入れ口、６は輪環、７は回転軸である。

【００２２】風力によりブレード（１）が回転すると、
ブレード（１）の外周にわたり取り付けた輪環（６）に
設けられた永久磁石（２）も回転する。係る永久磁石
（２）の回転により、磁力線がブレード（１）の外周に
設けられたコイル（４）を横切り、コイル（４）に誘導
電流が生じる。係る誘導電流を外部へ供給するのであ
る。

【００２３】ブレード（１）は、回転軸（７）に複数葉
取りつけられ、風車形状をなしている。そして、各ブレ
ード（１）の外周にわたり、輪環（６）が設けられてい
る。輪環（６）上には、永久磁石（２）が複数個取りつ
けられている。

【００２４】複数葉のブレード（１）で構成される風車
は、図２に示すように回転軸（７）上に複数段設けられ
ている。そして、この複数段の風車を囲む形状で、ケー
シング（３）が設けられている。そして、ケーシング
（３）上には、各段の風車ごとに、風車を囲む形で鉄心
に巻回したコイル（４）が放射状に複数個設けられてい
る。

【００２５】ケーシング（３）の端部は、拡径する形状
で、ベルマウス形の空気取り入れ口（５）に形成されて
いる。大量の空気を取り入れるためである。

【００２６】

【発明の効果】以上述べてきたように、本発明では、ブ
レード（１）が、回転軸上に複数葉取りつけられている
ことから、ブレード（１）の数を増減することで、風車
の翼数の増減を図ることが可能となり、よって、回転数
の増減を図ることが可能となる。

【００２７】また、ブレード（１）の外周にわたり取り
付けた輪環（６）上に、永久磁石（２）を取りつけてい
ることから、ブレード（１）の数に関係なく、永久磁石
（２）の取り付けが可能となり、所望の極数の多極化が
可能となるとともに、輪環（６）により、ブレード
（１）の強度の増加が得られる。

【００２８】また、複数葉のブレード（１）で形成され
る風車の段数を変えることで、所望容量の風力発電機を
得ることが可能となる。

【００２９】また、輪環（６）上に、永久磁石（２）が
複数個取りつけられていることから、風車の重量増加が
図られ、フライホール効果を生じ、イナーシャ（惰性）
により、ブレード（１）の回転ムラが少なくなり、急激
な回転数の変動を抑制することが可能となる。

【００３０】本発明の応用例としては、負荷装置として
太陽熱温水装置、いわゆるソーラーを使用することが考
えられる。すなわち、コイルに発生した誘導電流を、導
体を通じてソーラーに給電するのである。こうすれば、
晴天時には太陽エネルギーにより温水を製造することが
可能となり、曇天時や雨天時、更には夜間といった、太
陽エネルギーの利用が困難な時には、風力発電機から供
給される電力で温水を製造することが可能となり、天
候、昼夜を問わず、温水の製造が可能となるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の一形態に係る風力発電機の正
面図。

【図２】 同、側面図。

【符号の説明】

１・・ブレード ２・・永久磁石 ３・・ケーシング ４・・コイル ５・・ベルマウス形空気取り入れ口 ６・・輪環 ７・・回転軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数葉のブレード（１）を、回転軸（７）
   上に設けて風車とし、これらブレード（１）の外周にわ
   たり取り付けた輪環（６）に、複数個の永久磁石（２）
   を取り付けて回転子を形成し、該回転子を囲む円筒形の
   ケーシング（３）上に、鉄心に巻回した複数個のコイル
   （４）を、回転子の永久磁石（２）に対向させて取り付
   け固定子を形成したことを特徴とする風力発電機。
2. 【請求項２】複数葉のブレード（１）で形成される風車
   を、複数段設けたことを特徴とする、請求項１記載の風
   力発電機。
3. 【請求項３】ケーシング（３）の空気取り入れ口を、ベ
   ルマウス（５）としたことを特徴とする、請求項１また
   は請求項２記載の風力発電機。