JPH11221889A - 化粧シート - Google Patents
化粧シートInfo
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- JPH11221889A JPH11221889A JP2489498A JP2489498A JPH11221889A JP H11221889 A JPH11221889 A JP H11221889A JP 2489498 A JP2489498 A JP 2489498A JP 2489498 A JP2489498 A JP 2489498A JP H11221889 A JPH11221889 A JP H11221889A
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Abstract
脂シートを主材といる化粧シートと同様な熱成形性を持
つ、化粧シートを得る。 【解決手段】 主原料がポリプロピレン、エラストマ
ー、着色剤、及び無機充填剤からなる基材シート1とし
ての着色フィルム上に、必要に応じて模様を施し、その
上に、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチック
ポリプロピレンの混合系からなる複合立体構造を有する
表面シート2としての無色又は着色透明な軟質ポリプロ
ピレン系樹脂フィルムを積層してなる。この化粧シート
の温度−伸び依存性は、約15℃程度温度領域が高いも
のの、現在用いられている塩化ビニルシートを主材とす
る化粧シートと同様である。
Description
特に、建築物の内装、建具の表面化粧、車輛内装等に用
いるのに適した化粧シートに関する。
ートとしては、ポリ塩化ビニルフィルムを使用し、これ
に印刷、エンボス加工等で装飾した化粧シート(特公昭
28−5036号公報、特公昭58−14312号公報
等)が用いられてきたが、近年、これに代わるものとし
て、(I)ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン系フィルムを使用した化粧シートが提案され(特
開昭54−62255号公報参照)、(II)更に、
(I)の改良仕様として、極性官能基をグラフト重合さ
せたポリオレフィン系樹脂に、オレフィン系エラストマ
ーを混合させたもの(特開平6−210808号公報、
特表平4−504384号公報等)、或いは、ポリオレ
フィン系樹脂に相溶化剤を用いてポリウレタン樹脂を混
合させたもの(特開平7−26038号公報等)、等も
提案されている。
る上記のようなポリオレフィン系樹脂シートを用いた化
粧シートは必ずしも満足できるものではない。なすわ
ち、建築物の内外装用、建具・家具等の表面化粧用、車
輛内装用等に用いる表面化粧シートには、通常、下記
(1) 〜(10)のような機能が要求される。
に、温度変化にともなう一定荷重時伸度の変化がポリ塩
化ビニルとほぼ同等の緩やかで連続的に変化すること。
また、加熱→冷却にともなって、強度低下等の材料力学
的特性の劣化が生じないこと。
は建具や家具による定荷重が長時間かけられる場合が多
く、クリープ変形が生じると、荷重部分がめくれたり剥
がれたりする。従って、極力クリープ変形が生じない材
料であることが求められる。 (3) 耐寒折り曲げ強度。寒冷時にVカット加工等の折り
曲げ加工を行うと応力緩和が不十分な場合は、折り曲げ
部に白化、亀裂、破断等が生じ易くなる。
接着する接着剤中の溶剤により化粧シートが膨潤・変形
するのを防止する。多層構造の化粧シートを得る場合も
同様である。 (5) 破断時伸度、耐衝撃強度。Vカット加工時の折り曲
げ部の亀裂を防止するために、この特性を求められる。 (6) 適度な曲げ弾性率を持つ。曲げ加工部での化粧シー
トの追従性が十分であるためには必要とされる。
も、再結晶による白化、濁りを生じない。 (9) 易接着性。特に基材シートの場合は、化粧シートの
使用時に広範囲の接着剤を用いて容易に各種被着体に接
着出来ることが要望される。 (10)耐候性に優れる。
は、工業的に量産が難しく、かつ、ポリオレフィン系樹
脂は結晶化度が高いため等の理由から、図1の曲線bに
示すように、ポリ塩化ビニル樹脂に比べて融点前後の物
性の変化が急峻であり、従来汎用のポリ塩化ビニルシー
ト(図1の曲線a)に比べ加工可能な条件範囲が狭い欠
点を有しており、上記の条件の内、特に、(1) 、(5) 〜
(10)の条件を十分には満足できないものであった。(I
I)の仕様のものは、オレフィン系エラストマーを混合
させたことにより、(1) 、(5) 、(6) の条件は改善さ
れ、熱成形性、エンボス加工性等は向上したが、透明
性、耐候性、及び耐熱性では不十分なものであった。
の化粧シートの持つ上記のような不都合を解消すること
を目的としており、具体的には、オレフィン系樹脂を用
いながらポリ塩化ビニル系樹脂を用いた化粧シートと同
等の熱成形性及び耐候性、透明性を持つ化粧シートを提
供することにある。
定引張応力下)で昇温させた場合における温度と伸びの
関係を示すグラフであり、曲線aは半硬質塩化ビニルシ
ートを、曲線bは結晶性のポリプロピレンをベースとす
るシートを、曲線cは後述する本発明による積層シート
の場合を示している。
題を解決すべく多くの実験と研究を行うことにより、化
粧シートを単層シートではなく、少なくとも、基材シー
トとそこに積層する表面シートの2層構造とし、それぞ
れのシートに前記した化粧シートに求められる諸条件を
分担して持たせることにより、実用性の高いオレフィン
系樹脂化粧シートが得られることを知見し、本発明をな
すに至った。
(1) 〜(6) 及び(9) を主に担わせることとし、基材シー
トの表面に積層する表面シートには条件(1) 〜(8) 及び
(10)を主に担わせることとした。その前提の基に、基材
シートの配合ベースとなるポリオレフィンとしては、基
本的性能が優れるものとしてポリプロピレン(PP)を
選択した。表1はポリプロピレンの前記化粧シートに求
められる(1) 〜(10)の条件の充足程度を示している。
峻。又エンボス加工時、冷却による結晶化向上により、
伸度低下。 ※2:降伏点応力高い。 ※3:曲弾性率高すぎる。 ※4:微結晶粒による白濁の傾向。 そこで、エラストマーを添加し、結晶化を阻害すると共
に、成形加工時の応力の吸収・緩和を行った。その結
果、表2に示すように各条件は変化した。
するものとなったが、(2) の耐クリープ性が幾分低下し
た。それで、さらに無機質微粒子体質顔料を加えた。そ
の結果、表3に示すように各条件は変化した。
り、基材シートとしての性能(1) 〜(6) 、(9) を満足す
るものが得られることを確認した。次に、基材シート表
面に重ねる表面シートとして、先ず透明度が高くかつ耐
候性に優れたアイソタクチックポリプロピレンシートを
選択した。このシートについて前記(1) 〜(10)の条件の
充足程度を調べた。表4にその程度を示す。
結晶性が高いことによる。 ※6:再結晶化による白濁が生じた。 ※7:透明性を保ちつつ耐候性を改善する為、透明度の
高い有機系紫外線吸収剤を添加しても、該紫外線吸収剤
との相溶性が悪く、経時的に紫外線吸収剤が表面にブリ
ード(滲出)してその効果を低減する。 そこで、アイソタクチックポリプロピレンと結晶化率の
低いアタクチックポリプロピレンとの混合系樹脂を用
い、結晶化度を低下させて前記(1) 〜(10)の条件の充足
程度を調べた。表5にその程度を示す。
プロピレン+アタクチックポリプロピレンの混合系の樹
脂を用いることにより、(1) 及び(3) の充足度が幾分低
下したが、基材シートと積層することによってその分の
補強は受けており、また、折り曲げ時の応力も基材シー
ト層に一部分散されるため、積層シートの状態では白
化、亀裂は目立たないものとなった。また、(9)の易
接着性が完全には満たされないが、表面シートの場合に
は化粧シート製造時に適当な接着剤を選択したり、熱融
着を用いることにより基材シートとの接着が可能であれ
ば十分であり、出来上がった化粧シートとして支承ない
ことを確認した。
り、基本的に、本発明による化粧シートは、主原料が主
原料がポリプロピレン、エラストマー、着色剤、及び無
機充填剤からなる基材シートとしての着色フィルム上
に、表面シートとして、アイソタクチックポリプロピレ
ンとアタクチックポリプロピレンの混合系からなる分子
が複合立体構造を有する無色又は着色透明な軟質ポリプ
ロピレン系樹脂フィルムを積層し、そして、必要に応じ
て基材シート又は表面シートのいずれか又は両方に模様
を施してなることを特徴とする。本発明におけるポリプ
ロピレンとしては、好ましくは、アイソタクチックポリ
プロピレンであって、結晶化度が高く分子に枝分かれ構
造の少ない高分子が用いられる。
エン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム、オレフィンエラス
トマー等が用いられる。水素添加ジエン系ゴムは、ジエ
ン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子
を付加させてなるもので、ポリオレフィン系樹脂(本発
明においては、ポリプロピレン)の結晶化を抑え、柔軟
性をアップさせる。ジエン系ゴムとしは、イソプレンゴ
ム、ブダジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブダジ
エンゴム、アクリロニトリル・ブダジエンゴム、アクリ
ロニトリル・イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム
等がある。オレフィンエラストマーとしては、2種類又
は3種類以上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少
なくとも1種加えた弾性共重合体であり、オレフィンは
エチレン、プロピレン、α−オレフィン等が使用され、
ポリエンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジエン、
ノルボルネン等が使用される。好ましいオレフィン系共
重合体ゴムとしては、例えばエチレン−プロピレン共重
合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム、
エチレン−ブタジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主
成分とする弾性共重合体が挙げられる。尚、これらのエ
ラストマーは、必要に応じて適度に架橋させる。架橋剤
としては、硫黄、脂肪族有機過酸化物、芳香族有機過酸
化物等公知の物が用いられる。
0重量%、好ましくは30重量%程度である。エラスト
マーが10重量%より低いと一定荷重時伸度の変化が急
峻になり過ぎ、また、破断時伸度、耐衝撃性の低下が生
じ、又エラストマーが60重量%より高いと透明性、耐
候性及び耐クリープ性の低下が生じる。本発明における
無機充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
アルミナ、シリカ、クレー、タルク等の平均粒径0.1 〜
10μm程度の粉末が用いられる。添加量としては、1〜
60重量%程度、より好ましくは5〜30重量%であ
る。1重量%より低いと耐クリープ変形性及び易接着性
の低下が生じ、60量%より高いと破断時伸度及び耐衝
撃性の低下が生じる。
シートとして必要な色彩を持たせるためのものであり、
チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、
黄鉛、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソ
インドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パー
マネントレッド4R、フタロシアニンブルー等の有機顔
料或いは染料、アルミニウム、真鍮等の箔粉からなる金
属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等の箔
粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。着色は透明着
色、不透明(隠蔽)着色いずれでも可であるが、一般的
には、被着体を隠蔽するために不透明着色が好ましい。
剤、ラジカル捕捉剤等を添加する。熱安定剤は、フェノ
ール系、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォス
ファイト系、アミン系等公知のものであり、熱加工時の
熱変色等の劣化の防止性をより向上させる場合に用いら
れる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム等の粉末が用いられ、これらは、難燃性を付
与する必要がある場合に添加する。
ダー製法等の常用の方法により製膜して不透明着色基材
シートを得る。前記のように、得られる基材シートは化
粧シートの基材シートに求められる前記(1) 〜(6) 、
(9) の条件を満足する。基材シートの厚みは50〜20
0μm程度、好ましくは100μm程度である。
着層の塗布、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処
理等の易接着処理が施される。易接着層(プライマー
層、或いはアンカー層とも云う)としては、アクリル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹
脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリ
エチレンが使用されるが、特に、ウレタン樹脂が望まし
い。
リル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ
(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル
酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メ
タ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)ア
クリル酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル
酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含
む単独又は共重合体からなるアクリル樹脂(ただし、こ
こで(メタ)アクリルとはアクリル又はメタアクリルを
意味する)等が用いられる。
ール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを
架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンである。ポリオー
ルとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもの
で、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリエーテルポリオール等が用いられる。
2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネー
トが用いられる。例えば、2−4トリレンジイソシアネ
ート、キシレンジイソシアネート、4−4ジフェニルメ
タンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或い
はヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素
添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(な
いしは脂環族)イソシアネートが用いられる。或いは、
これらのイソシアネートの付加体又は多量体を用いるこ
とができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加
体、トリレンジイソシアネートの3量体等がある。
様層を形成する。模様層は基材シート又は後に詳述する
表面シートのいずれか一方、或いは両方に形成する。図
2(A)は易接着層を形成した1例であり、基材シート
1に積層した表面シート2と模様層3との間に易接着層
4を設けている。図2(D)に示すように、基材シート
1が被着体31に面する側に易接着層4を設ける場合も
ある。模様処理としては、図2(A)に示すような模様
3の印刷、図2(B)に示すようなエンボス加工(加熱
プレス)、ヘアライン加工等による凹凸模様賦形5等で
あってよく、さらに、凹凸模様5の凹部に公知のワイピ
ング法によって、着色インキ6を充填することもでき
る。
ット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転
写印刷等公知の印刷法を用いインキ(或いは塗料)にて
模様を形成する。模様としては、木目模様、石目模様、
布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは
全面ベタ等がある。
ーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン
等の塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、等を用
い、1種又は1種以上混合して用いる。これに前記に列
挙した様な公知の顔料を添加した物を用いる。基材シー
トに直接印刷する場合は、バインダーとして塩素化ポリ
オレフィン、ウレタン樹脂等が接着性の点で好ましい
が、易接着プライマーを適当に選択して層形成すれば、
其の他のバインダーを用いても十分な接着性を与える。
軟化させ、エンボス版で加圧、賦形し、冷却固定して形
成するもので、公知の枚葉、或いは輪転式のエンボス機
が用いられる。凹凸形状としては、木目板導管溝、石板
表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチュア、梨
地、砂目、ヘアライン、万線条溝等である。着色インキ
は前記と同様の物が可能である。但し、耐磨耗性の点
で、2液硬化型ウレタン樹脂をバインダーとする物が好
ましい。
銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の
方法で製膜する。或いはこれらの組み合わせでも良い。
該金属薄膜は、全面に設けても、或いは、部分的にパタ
ーン状に設けても良い。本発明による化粧シートにおい
て、上記のように必要に応じて模様処理が施された基材
シートの表面に、アイソタクチックポリプロピレンとア
タクチックポリプロピレンの混合系からなる分子が複合
立体構造を有する無色又は着色透明な軟質ポリプロピレ
ン系樹脂フィルムを表面シートとして積層する。
チックポリプロピレンの混合系からなる分子が複合立体
構造を有するポリプロピレンは、好ましくは、特公平6
−23278号公報記載の如き、(A)(イ)マグネシ
ウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体を必須成分
として含有する固体触媒成分、(ロ)有機アルミニウム
化合物、及び、(ハ)一般式
基、R2 は炭素数1〜10の炭化水素基、水産基又はニ
トロ基、mは1〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)
の整数てある)で表されるアルコキシ基含有芳香族化合
物の組み合わせからなる触媒の存在下、プロピレンを重
合させることにより得られる、数平均分子量(Mn)が
25000以上、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量Mnとの比Mw/Mnが7以下の沸騰ヘプタン
可溶性ポリプロピレン(アタクチックポリプロピレン)
10〜90重量%と、(B)メルトインデックスが0.
1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピレン
(アイソタクチックポリプロピレン)90〜10重量%
とからなる軟質ポリプロピレン系樹脂組成物である。
質ポリプロピレン系樹脂組成物は、破断伸び(TB )が
400%以上、好ましくは500〜700%、100%
伸長後の残留伸び(PS100 )が80%以下、好ましく
は50〜75%、及び破断時応力(MB )と降伏時応力
(MY )との比MB /MY が1.0以上、好ましくは
1.5〜3.5の範囲である。これらの力学的特性が前
記範囲を逸脱すると本発明の目的が十分達せられない。
において、(A)成分のアタクチックポリプロピレンと
して、沸騰ヘプタンに可溶性であって、数平均分子量
(Mn)が25000以上、好ましくは30000〜6
0000の範囲にあり、かつ、重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが7以下、好
ましくは2〜6の範囲にあるものが用いられる。このM
nが25000未満のものやMw/Mnが7を超えるも
のでは、得られる樹脂における該アタクチックポリプロ
ピレンの力学的特性への寄与効果が十分に発揮されず、
得られる樹脂の破断時応力(MB )と降伏時応力
(MY )との比MB /MY が1.0未満になったり、1
00伸長後の残留伸び(PS100 )が80%を超えたり
して、本発明の目的が達せられない。
レンはプロピレンの単独重合体であってもよく、プロピ
レン単体と40重量%以下、好ましくは30重量%以下
の他の炭素数2〜30のα−オレフィン単位とを含有す
るプロピレン共重合体であってもよい。また、このアタ
クチックポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
プロピレンは公知の方法(特公平6−23278号公
報)によって製造することができる。具体的には、
(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供
与体を必須成分として含有する固体触媒成分、(ロ)有
機アルミニウム化合物、及び、(ハ)一般式
基、R2 は炭素数1〜10の炭化水素基、水産基又はニ
トロ基、mは1〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)
の整数てある)で表されるアルコキシ基含有芳香族化合
物の組み合わせからなる触媒の存在下、プロピレンを重
合させることにより、所望のアタクチックポリプロピレ
ンを得ることができる。
において、(B)成分として、好ましくは、メルトイン
デックス(MI)が0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタ
ン不溶性の結晶性アイソタクチックポリプロピレンが用
いられる。このメルトインデックスが0.1g/10分
未満では溶融特性が低く、シート成形が困難になる。4
g/10分越えると機械的強度が不十分となってVカッ
ト加工が良好に行えなくなる。
ロピレンは、アイソタクチックの立体規則性を有するポ
リプロピレン単独重合体であってもよいし、該立体規則
性を有するプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合
体であってもよい。この共重合体に用いられる他のα−
オレフィンとしては、炭素数2〜8のもの、例えば、エ
チレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1等が好ましく、中でも、エチ
レン及びブテン−1が好適である。また、共重合体とし
ては、前記の他のα−オレフィン単位を通常40重量%
以下、好ましくは30重量%以下含有するブロック共重
合体やランダム共重合体が用いられる。
ロピレンの好ましいものとしては、プロピレン単独重合
体、及びエチレン単位1〜30重量%、好ましくは3〜
25重量%を含有するプロピレンとエチレンとのランダ
ム共重合体又はブロック共重合体が挙げられる。このよ
うなアイソタクチックポリプロピレンの製造方法につい
ては特に制限はなく、従来結晶性ポリプロピレンの製造
に慣用されている方法の中から任意の方法を選択して用
いることができる。
脂組成物において、この(B)成分のアイソタクチック
ポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせてもよい。また、前記(A)成分のアタクチック
ポリプロピレンと(B)成分のアイソタクチックポリプ
ロピレンは、(A)成分の含有量が10〜90重量%、
好ましくは25〜80重量%で、(B)成分の含有量が
90〜10重量%、好ましくは75〜20重量%になる
ような割合で用いられる。該(A)成分の含有量が10
重量%未満では、樹脂の降伏時応力(MY )が大きくな
りすぎて、破断時応力(MB )と降伏時応力(MY )と
の比MB /MY が1.0未満となり、かつ100%伸長
後の残留伸び(PS100 )も80%より大きくなつて、
本発明の目的が達せられない。一方90重量%を越える
と破断時応力(MB )が小さくなりすぎて、該MB /M
Y が1.0未満となり、かつ機械的強度が低下し、本発
明の目的が達せられない。また、(B)成分の比率を高
くすることにより、得られる軟質ポリプロピレンのヤン
グ率は高くなる。(A)成分と(B)成分の特に好まし
い比率は1:1である。
は、化粧シートの表面層として求められる機能を補強す
るために、所望により、各種添加剤、補強材、充填剤、
例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、酸化防
止剤、帯電防止剤、難燃剤等が添加される。難熱剤は、
基材シートの場合と同様であってよい。
せるため、有機系又は無機系の紫外線吸収剤を添加する
ことが好ましい。これらの紫外線吸収剤の中でも透明性
に優れた有機系の紫外線吸収剤が好ましい。この種の紫
外線吸収剤としては分子中に水酸基(OH基)を有する
有機系の化合物を使用する。分子中に水酸基を有するも
のを選ぶ理由は、後述のイソシアネート基を有する樹脂
の上塗り塗膜で紫外線吸収剤のブリードを停止せしめる
ためである。
ば、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−ter
t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル
−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−アミ
ル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−
5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’
−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
等の2’−ヒドロキシフェニル−5−クロロベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤類、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール等の2’−ヒドロキシフェ
ニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類等のベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤、2,2’−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ
ヒドロキシ−4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン等の2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線
吸収剤類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の2−ヒド
ロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類等のベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤、サルチル酸フェニル、4−t−ブ
チル−フェニル−サリシレート等のサリチル酸エステル
系紫外線吸収剤が用いられる。その他に、ベンゾトリア
ゾール骨格にアクリロイル基又はメタクリロイル基を導
入した反応型紫外線吸収剤等も用いられる。或いは、高
い透明度を要求されない場合は、無機系紫外線吸収剤を
添加することもできる。無機系紫外線吸収剤としては、
粒径0.2μm以下の酸化チタン、酸化セリウム、酸化
鉄等が用いられる。なお、これらの紫外線吸収剤の添加
量は、通常、0.1〜5重量%程度である。
を向上させるために、他の光安定剤としてラジカル捕捉
剤も添加することが好ましい。このラジカル捕捉剤とし
ては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケ
ート、その他、例えば特公平4−82625号公報に開
示されている化合物等のヒンダードアミン系ラジカル捕
捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等が使用される。こ
れらラジカル捕掟剤の添加量は、通常、0.1 〜5重量%
程度である。なお、表面シートにヒンダードアミン系ラ
ジカル捕捉剤からなる光安定剤を添加する場合には、表
面シートに隣接するインキ層、接着剤層等の層にはウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の分子
中に塩素原子を含まない樹脂を用いると耐候性向上の点
で良好である。もし、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
体、塩素化ポリオレフィン等の分子中に塩素原子を含む
樹脂を用いると、紫外線又は熱の作用によりこれらの樹
脂から脱塩素反応で塩化水素が発生し、これがヒンダー
ドアミン系ラジカル捕捉剤と反応してその作用を失活・
阻害するため、耐候性が十分に向上しない。
する紫外線吸収剤を添加した場合は、好ましくは、表面
シートの表面側に分子中にイソシアネート基を有する樹
脂からなる上塗り塗膜を形成する。この分子中にイソシ
アネート基を有する樹脂としては、2液硬化型ウレタン
樹脂、或いは1液硬化型ウレタン樹脂が用いられる。2
液硬化型ウレタン樹脂としては、易接着層の樹脂系とし
て前記したものと同様のポリオールとイソシアネートを
混合したものを用いる。
合の好ましい態様として、イソシアネート中のイソシア
ネート基(NCO基)の数(モル数)をそれと反応させ
るポリオールの水酸基(OH基)の数(反応当量)より
も多くし、ポリオールとイソシアネートとが反応した後
でも未反応のイソシアネート基を確実にしかも多数残留
させる態様がある。この場合、NCO基/OH基の比は
最大1.4程度までとする。
にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分と
する組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両
末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソ
シアネートプレポリマーであり、室温で固体の熱可塑性
樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同志が
空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、そ
の結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物が生じて、
この尿素結合にさらに分子末端のイソシアネート基が反
応して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を
起こす。
ポリマーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的に
は、ウレタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル
結合を有するポリエステル骨格、ポリブタジン骨格等で
ある。適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用す
る。なお、分子鎖中にウレタン結合がある場合は、この
ウレタン結合とも末端イソシアネート基が反応して、ア
ロファネート結合を生じて、このアロファネート結合に
よっても架橋反応を起こす。
じ、紫外線吸収剤(前記のものから選ぶ)、アルミナ
(特に球状α−アルミナが好ましい)、シリカ等の微粒
子からなる減摩剤兼艶消剤、銀ゼオライト等の抗菌剤等
を添加する。艶消剤を添加した場合は、上塗り塗膜は艶
調整コートとして機能する。
外線吸収剤として分子中にOH基を有する有機系のもの
を使用し、且つ表面シートの表面にイソシアネート基を
有する樹脂を使用して上塗り塗膜を形成すると、紫外線
吸収剤が経時的にブリードアウト(滲出)して上塗り塗
膜に入ったときに、その紫外線吸収剤のOH基と上塗り
塗膜中のイソシアネート基とがウレタン反応し、上塗り
塗膜層中に捕捉されるので、紫外線吸収剤の経時的なブ
リードアウトが防止される。特に有機系の紫外線吸収剤
がブリードアウトし易いポリオレフィン樹脂の場合に有
効であり、本発明で表面シートとして採用するエチレン
−プロピレン−ブテン共重合体の場合にも好適である。
ダー製法等の常用の方法により製膜して無色又は着色透
明な軟質ポリプロピレン系樹脂フィルムを得る。前記の
ように、得られたフィルムは化粧シートの表面シートに
求められる前記(1) 〜(8) 、特に、(7) 、(8) の条件を
満足する。表面シートの厚みは50〜200μm程度、
好ましくは100μm程度である。上記の表面シートの
基材シートとの接触面には、好ましくは、基材シートの
場合と同様にして、易接着層の塗布、コロナ放電処理、
プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理が施される。
上記無色又は着色透明なポリプロピレン系樹脂フィルム
である表面シートは、通常の手段により積層される。積
層方法としては、熔融押し出し塗工(エクストルージョ
ンコート)、熱プレスによる融着、或いは、2液硬化型
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の接着剤を用い
たドライラミネート等であってよい。
表面シート側の表面にも、必要に応じて模様層を形成す
る。模様処理としては、図2(C)に示すようなエンボ
ス加工(加熱プレス)、ヘアライン加工等による凹凸模
様賦形7、或いは、模様の印刷であってよい。その際
に、必要に応じて、エンボス加工面に前記しコロナ処理
等の易接着処理を施し、着色インキの充填を行う。模様
印刷法、模様の種類、インキ(或いは)塗料の種類、バ
インダー等は、基材シートの場合と同様であってよい。
更に必要に応じて、凹凸模様の凹部に公知のワイピング
法によって、着色インキを充填することもできる。
膜、或いは表面シートの上でも良い)、艶調整保護コー
ト層を形成する。バインダーとして塩素化ポリオレフィ
ン、2液硬化ポリウレタン等が好ましく、また、電離放
射線硬化樹脂も用い得る。電離放射線硬化型樹脂は、具
体的には、分子中に重合不飽和結合又はカチオン重合性
官能基を有するプレポリマー、ポリマー及び/又はモノ
マーを適宜混合した電離放射線により硬化可能な組成物
が好ましくは用いられる。なお、ここで電離放射線と
は、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合或いは架橋
し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫
外線(UV)又は電子線(EB)が用いられる。
は、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、
(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽
和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基又はチオー
ルを2個以上有する単量体、プレポリマー又はポリマー
からなる。これら単量体、プレポリマー又はポリマーは
単体で用いるか、或いは複数種混合して用いる。なお、
ここで、例えば、(メタ)アクリロイル基とは、アクリ
ロイル基又はメタアクリロイル基の意味で用いている。
マーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)
アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリア
ジン(メタ)アクリレート等が使用できる。分子量とし
ては、通常250〜10000程度のものが用いられ
る。ラジカル重合性不飽和基を有するポリマーとして
は、上記ポリマーの重合度を10000程度以上とした
ものが用いられる。
ーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビ
ニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエー
テル系樹脂等のプレポリマーがある。ラジカル重合性不
飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレ
ート化合物の単官能単量体としては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等
がある。
量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等がある。
としては、上記カチオン重合性官能基を有するプリポリ
マーの単量体が利用できる。チオール基を有する単量体
の例としては、トリメチロールプロパントリチオグリコ
レート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコレー
ト等がある。
は、電離放射線硬化樹脂中に光重合開始剤を添加する。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重
合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル等を単独又は混合して用いることができる。ま
た、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光
重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合
物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物
として用いるこができる。なお、これらの光重合開始剤
の添加量としては、該電離放射線硬化性樹脂100重量
%に対して、0.1〜10重量%程度である。
を添加する。艶消剤としては、炭酸カルシウム、シリ
カ、アルミナ(特に球状α−アルミナが好ましい)、硫
酸バリウム、ウレタン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹
脂ビーズ等の粒径1〜30μm程度の微粒子が有効であ
る。膜厚は1〜100μm程度が好ましい。本発明にお
いて、基材シート及び表面シートは、延伸・未延伸いづ
れのシートも使用可能であるが、エンボス加工適性、V
カット加工等の成形加工適性の点からは未延伸シートの
方が好ましい。
ように、他の被着体(裏打材)31に積層することもで
きる。その場合に、化粧シート自体では被着体と接着し
ない場合は、適当な易接着層及び接着剤層4を介して積
層する。被着体に化粧シート自体が(熱融点等で)接着
可能な場合は、接着剤層は省いてもよい。
の板材、シート(或いはフィルム)、或いは立体形状物
品等の各種形状の物品が対象となる。板材、シート(フ
ィルム)、或いは立体形状物品のいづれにも用いられる
素材としては、木材単板、木材合板、パーチックルボー
ド、中密度繊維板(MDF)等の木材板、木質繊維板等
の木質板、鉄、アルミニウム等の金属、アクリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレンビニルアセテート、ポリエステル樹脂、ポ
リスチレン、ポリオレフィン樹脂、ABS、フェノール
樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹
脂、専ら板材、或いは立体形状物品として用いられる素
材としては、硝子、陶磁器、等のセラミックス、ALC
(発泡軽量コンクリート)等のセメント、硅酸カルシウ
ム、石膏等の非セメント窯業系材料、専らシート(或い
はフィルム)として用いられる素材としては、上質紙、
和紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、硝子、合
成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等がある。
例えば接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラー
で加圧して積層する方法、特公昭50−19132号
公報、特公昭43−27488号公報等に記載される様
に、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に挿入して、
両金型を閉じ、雄型のゲートから熔融樹脂を射出充填し
て後、冷却して樹脂成形品の成形と同時にその表面に化
粧シートを接着積層する、所謂射出成形同時ラミネート
方法、特公昭56−45768号公報、特公昭60−
58014号公報等に記載される様に、成形品の表面に
化粧シートを間に接着剤層を介して対向ないしは載置
し、成形品側からの真空吸引による圧力差により化粧シ
ートを成形品表面に積層する、所謂真空プレス積層方
法、特公昭61−5895号公報、特公平3−266
6号公報等に記載される様に、円柱、多角柱等の柱状基
材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供
給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状体
を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して
積層してゆく、所謂ラッピング加工方法、実公大15
−31122号公報、特開昭48−47972号公報等
に記載される様に、先ず化粧シートを板状基材に接着剤
層を介して積層し、次いで板状基材の化粧シートとは反
対側の面に、化粧シートと板状基材との界面に到達す
る、断面がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝
内に接着剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ箱体又は柱
状体を成形する所謂、Vカット又はUカット加工方法、
等がある。
し、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いる。例
えば、壁、天井、床等建築物の内装、窓枠、扉、手摺等
の建具の表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビネ
ットの表面化粧、自動車、電車等の車輛内装、航空機内
装、船舶内装、窓硝子の化粧等である。
る。実施例 (1)アイソタクチックポリプロピレン60重量部をベ
ースにエラストマーとしてスチレン−ブタジエンゴムを
30重量部、無機添加剤として炭酸カルシウム粉末10
重量部、また、着色顔料として弁柄と黄鉛とチタン白と
を計5重量部添加して、熱安定剤及びヒンダードアミン
系ラジカル捕捉剤を5重量部ブレンドしたものをカレン
ダー製法にて厚み100μmに成膜した不透明着色シー
トを成製した。
放電処理を施したあと、裏面側にウレタン系プライマー
コート(ヘキサメチレンジイソシアネート+ポリエステ
ルポリオール)、表面側にウレタン系プライマーコート
(同上)及び杉柾目柄(バインダーはアクリル樹脂と塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体との1対1重量比の混合
体、顔料は弁柄)グラビア印刷を施し、印刷シートを得
た。
mの特公平6−23278号公報記載の如きアイソタク
チックポリプロピレン50重量部とアタクチックポリプ
ロピレン50重量部の混合系ポリプロピレンに対して紫
外線吸収剤として分子中に水酸基を有するベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤を3000ppm、光安定剤とし
てヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を5000ppm
添加したことからなる軟質透明ポリオレフィンフィルム
を、その裏面ラミネート面にコロナ放電処理を施したの
ち、塗工厚10μmの接着剤(アクリルポリオールとヘ
キサメチレンジイソシアネートとからなる)層を用いて
表面シートとしてラミネートし、さらに、該表面シート
の表面に木目導管模様を熱プレスでエンボス加工した。
た後、エンボス面に着色インキ(バインダーはアクリル
ポリオール100重量部とヘキサメチレンジイソシアネ
ート8重量部、顔料は弁柄とカーボンブラックからな
る)を充填し、上塗り塗膜(バインダーはアクリルポリ
オール100重量部とヘキサメチレンジイソシアネート
8重量部、艶消剤はシリカ粒子(平均粒径2μm)を5
重量%添加)を厚さ5μmで施して化粧シートを得た。
×長さ10mmのサンプルを得、荷重5g、上昇温度毎
分20℃で170℃まで上昇させつつ延びを測定したと
ころ(TMA測定)、本発明の化粧シートは図1(c)
の曲線に示すように、半硬質塩化ビニルシート(図1
(a)の曲線)より約15℃温度域の高いところで、同
様の挙動を示すことがわかった。
倍率3倍の2軸延伸アイソタクチックポリプロピレン
(プロピレン100重量%)の厚さ100μmのシート
を用いた。その他は実施例1と同様にした。 (2)得られた化粧シートのTMA測定を行ったとこ
ろ、図1(b)に示すように、温度変化に対する物性値
の変化が急峻であり、熱成形条件がきわめて限られるこ
とがわかった。比較例2 実施例の上塗り塗膜を省略した他は、実施例と同様とし
た。
較例の化粧シートとを諸物性において比較した結果を表
6に示す。 〔試験法〕 〔透明性〕エンボス加工直後に、目視で表面シートを通
して下の絵柄を観察し、表面シートの白濁、艶ムラの有
無を確認した。 〔層間接着力〕1インチ幅にカットした化粧シートの表
面シートと基材シートとを両シート間の開き角180
度、引張速度50mm/minにて引っ張り、剥離時の
張力を測定して接着力とした。測定時の温度は20℃で
ある。 〔耐候性〕化粧シートの表面シート側からカーボンアー
ク燈型サンシャインウエザーメータにて紫外線と人工降
雨を暴露させた。試験条件は、ブラックパネル温度63
℃、降雨時間18分/120分中で1000時間暴露し
た。試験後、化粧シートの変褪色、亀裂、白化及びシー
ト層間剥離の有無を目視で確認した。また、暴露後の剥
離強度も前記方法で測った。
状再現性をエンボス加工後に目視で評価した。 〔Vカット加工適正〕得られた化粧シートを、厚さ5m
mのラワン合板に2液硬化型ウレタン樹脂の接着剤を用
いて表面シート側が外側となるようにして積層し、40
℃の雰囲気中で3日間養生して接着せしめた。次いで、
合板裏面に化粧シートにまで達しない断面V字型の溝を
切削し、該溝中に接着剤を塗布して該溝を閉じるよう折
り曲げて合板をL字型にした。その後、合板表面の化粧
シートの亀裂、破断、白化等の有無を目視で確認した。
加工時の温度は20℃である。 〔加熱寸法収縮率〕化粧シートを100°C雰囲気中で
30分間加熱して、加熱寸法収縮率(%)すなわち、
〔(加熱後の寸法)−(加熱前の寸法)〕×100/
(加熱前の寸法)を長手方向(MD)、及び幅方向(T
D)各々について求めた。
は、約15℃程度温度領域が高いものの、現在用いられ
ているポリ塩化ビニルシートを主材とする化粧シートと
同様な温度−伸び依存性を有する。それにより、 Vカット加工可能な伸び率、耐引き裂き抵抗、柔軟性
を有しており、耐熱性も良好で、印刷を施すことによ
り、意匠性もアップするという効果を奏する。 一般のオレフィン系樹脂フィルムに比べて、エンボス
加工適性に優れている。また、表面シート中に分子中に
水酸基を有する有機系紫外線吸収剤を添加すると共に、
表面シートの表面側に分子中にイソシアネート基を有す
る樹脂からなる上塗り塗膜層を形成することにより、紫
外線吸収剤が上塗り塗膜層に捕捉され、経時的なブリー
ドアウトが阻止される。
を示すグラフ。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 主原料がポリプロピレン、エラストマ
ー、着色剤、及び無機充填剤からなる基材シートとして
の着色フィルム上に、表面シートとして、アイソタクチ
ックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混
合系からなる分子が複合立体構造を有する無色又は着色
透明な軟質ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層し、そ
して、必要に応じて基材シート又は表面シートのいずれ
か又は両方に模様を施してなる化粧シート。 - 【請求項2】 主原料がポリプロピレン、エラストマ
ー、着色剤、及び無機充填剤からなる基材シートとして
の着色フィルム上に、表面シートとして、(A)(イ)
マグネシウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体を
必須成分として含有する固体触媒成分、(ロ)有機アル
ミニウム化合物、及び、(ハ)一般式 【化1】 (式中のR1 は炭素数1〜20のアルキル基、R2 は炭
素数1〜10の炭化水素基、水産基又はニトロ基、mは
1〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)の整数てあ
る)で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物の組み合
わせからなる触媒の存在下、プロピレン重合させること
により得られる、数平均分子量(Mn)が25000以
上、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量Mn
との比Mw/Mnが7以下の沸騰ヘプタン可溶性ポリプ
ロピレン10〜90重量%と、(B)メルトインデック
スが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプ
ロピレン90〜10重量%とからなる軟質ポリプロピレ
ン系樹脂組成物からなるシートを積層し、そして、必要
に応じて基材シート又は表面シートのいずれか又は両方
に模様を施してなる化粧シート。 - 【請求項3】 破断伸び(TB )が400%以上、10
0%伸長後の残留伸び(PS100 )が80%以下、及び
破断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との比MB /
MY が1.0以上である軟質ポリプロピレン系樹脂組成
物を用いたことを特徴とする請求項1又は2記載の化粧
シート。 - 【請求項4】 表面シート中に、分子中に水酸基を有す
る有機系紫外線吸収剤を添加してなり、且つ表面シート
の表面に、イソシアネート基を有する樹脂からなる上塗
り塗膜を積層してなることを特徴とする請求項1ないし
は3いずれか記載の化粧シート。
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