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JPH11198045A - 研磨用成形体、それを用いた研磨用定盤及び研磨方法 - Google Patents

研磨用成形体、それを用いた研磨用定盤及び研磨方法

Info

Publication number
JPH11198045A
JPH11198045A JP738098A JP738098A JPH11198045A JP H11198045 A JPH11198045 A JP H11198045A JP 738098 A JP738098 A JP 738098A JP 738098 A JP738098 A JP 738098A JP H11198045 A JPH11198045 A JP H11198045A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
polished
molded body
ceria
platen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP738098A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihito Kuramochi
豪人 倉持
Yoshitaka Kubota
吉孝 窪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP738098A priority Critical patent/JPH11198045A/ja
Publication of JPH11198045A publication Critical patent/JPH11198045A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコンウエハー等の半導体基板、酸化物基板
などの基板材料や精密加工を要する光学材料などを研磨
する加工プロセスにおいて、遊離砥粒を含まないか少量
の遊離砥粒を含む研磨液を使用することで廃液の問題を
軽減し、従来の方法と同程度の研磨仕上げで、被研磨材
料を効率良く研磨でき、かつ研磨処理における研磨用成
形体の耐久性もあるために研磨作業を効率化できる研磨
用成形体、それを用いた研磨用定盤及び研磨方法を提供
する。 【解決の手段】主としてセリア(酸化セリウム)からな
り、かさ密度が0.7g/cm3以上5.0g/cm3
下であり、BET比表面積が2m2/g以上200m2
g以下であり、かつ平均粒子径が0.001μm以上
0.5μm以下であることを特徴とする研磨用成形体、
それを用いた研磨用定盤及び研磨方法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハ
ー、酸化物基板等の基板材料や光学材料などを研磨する
方法で使用される研磨用成形体、それを用いた研磨用定
盤及び研磨方法に関するものである。さらに詳しくは、
セリア微粉末を成形したセリア成形体を焼成等の加工を
施して得られる研磨用成形体、それを用いた研磨用定盤
及び研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学、エレクトロニクスなどの産業の進
展に伴い、磁気ディスク、半導体基板、単結晶材料等の
加工に対する要求は非常に厳しくなってきている。特に
電子関係部品の仕上げ加工では材料表面に遊離砥粒を含
有した研磨液を連続的に流しながら不織布タイプやスウ
エードタイプ等のポリッシングパッドで磨くことが行わ
れている。使用される遊離砥粒としては、アルミナ、シ
リカ、セリア、ジルコニアなどが知られているが、中で
もセリアは、光学ガラスと相性が良く、加工品質と加工
の経済性の双方に着目するとこれに優るものがないた
め、特にガラスポリッシング用として主力になってき
た。
【0003】しかしながら、このような方法による場
合、遊離砥粒を含んだ研磨液を使用するために研磨処理
後に大量の遊離砥粒を含有する研磨廃液が生じ、その処
理等については研磨処理の効率、廃液処理の設備面、環
境への影響を考慮すると改善されるべきものであった。
又、研磨処理において、研磨布は目詰り等の性能劣化を
生じるために新たなものへと頻繁に取り替える必要が生
じ、研磨処理作業の効率化の面での課題もあった。
【0004】さらに、従来の研磨布を用いた研磨方法に
より研磨された材料(以下、「被研磨材料」という)で
は、研磨布の表面が柔らかいために被研磨材料の端部の
角が研磨中に研磨され過ぎ、被研磨材料の全面を一様に
研磨できないという非効率的な仕上がりとなってしまう
欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の方法
により研磨加工を行なった場合、研磨中に生じる研磨廃
液の処理の問題、被研磨材料の有効利用、研磨作業の効
率といった問題が生じており、本発明はこのような問題
点に鑑みてなされたものである。その目的はシリコンウ
エハー等の半導体基板、酸化物基板などの基板材料や精
密加工を要する光学材料などを研磨する加工プロセスに
おいて、遊離砥粒を含まないか少量の遊離砥粒を含む研
磨液を使用することで廃液の問題を軽減し、従来の方法
と同程度の研磨仕上げで、被研磨材料を効率良く研磨で
き、かつ研磨処理における研磨用成形体の耐久性もある
ために研磨作業を効率化できる研磨用成形体、それを用
いた研磨用定盤及び研磨方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、セリア微粉末を
用いて成形したセリア成形体を加工して研磨用成形体と
して用いることで以下の知見を見出だした。
【0007】1)研磨の際に、研磨用成形体の表面がそ
の原料であるセリア微粉末により粗面となっており、こ
れと被研磨材料とが直接接触するために、コロイダルシ
リカあるいはセリア等の遊離砥粒を含まない研磨液を使
用して基板材料等の研磨加工プロセスへの適用が可能と
なり、しかもその際に成形体の粒子の脱落が非常に少な
くなることで廃液の問題が軽減される。
【0008】2)研磨用成形体の強度が高いために研磨
加工プロセスにおいても耐久性があり、そのため長期に
渡って取り替えなしで研磨作業を実施できる。
【0009】3)研磨された被研磨材料の仕上がりが従
来の方法と同程度であり、研磨速度の面でも同等であっ
て、研磨性能の経時的な劣化が少ない。
【0010】4)たとえ遊離砥粒を含有する研磨剤を用
いた場合でも、従来の方法よりも希薄な遊離砥粒濃度で
研磨速度が向上する。
【0011】このように、本発明の研磨用成形体、それ
を用いた研磨用定盤及び研磨方法を用いることでこれら
の優れた点を見出だし、本発明を完成するに至った。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】<研磨用成形体の特性>本発明の研磨用成
形体は、主としてセリア(CeO2)、すなわち酸化セ
リウムからなり、かさ密度が0.7g/cm3以上5.
0g/cm3以下であり、BET比表面積が2m2/g以
上200m2/g以下であり、かつ平均粒子径が0.0
01μm以上0.5μm以下である。
【0014】主としてセリアとは、セリア成分が研磨用
成形体全量の90重量%以上、さらに97重量%以上有
するものが好ましく用いられる。
【0015】ここで、研磨用成形体のかさ密度の範囲と
しては、研磨中における研磨用成形体の形状を保持し、
効率的に被研磨材料の平滑な面を得るために0.7g/
cm3以上5.0g/cm3以下の範囲が好ましく、さら
に1.3g/cm3以上3.0g/cm3以下の範囲が好
ましい。かさ密度が0.7g/cm3を下回るとその形
状を保てないほど形状保持性が悪くなるために研磨中に
成形体自身が磨耗しやすくなり好ましくない。また、
5.0g/cm3を上回ると、逆に成形体自身の強度が
高くなり過ぎ、被研磨材料が研磨中に損傷したり、研磨
により研磨用成形体の表面が滑らかになり過ぎて研磨速
度が低下するため好ましくない。
【0016】研磨用成形体のBET比表面積の範囲とし
ては、研磨中における研磨用成形体の形状を保持し、被
研磨材料の平滑な面を得るために2m2/g以上200
2/g以下の範囲が好ましく、さらに2m2/g以上1
00m2/g以下、特に2m2/g以上55m2/gの範
囲が好ましい。BET比表面積が200m2/gを越え
ると研磨用成形体の形状を保てないほど形状保持性が悪
くなるために研磨中に成形体自身が磨耗しやすくなり好
ましくない。また、2m2/gを下回ると、逆に成形体
自身の強度が高くなり過ぎ、被研磨材料が研磨中に損傷
したり、研磨により研磨用成形体の表面が滑らかになり
過ぎて研磨速度が低下するため好ましくない。
【0017】研磨用成形体の平均粒子径の範囲として
は、多孔体への成形を容易にし、被研磨材料の平滑な面
を得るために0.001μm以上0.5μm 以下、さら
に0.01μm以上0.3μm以下、特に0.03μm
以上0.2μm以下の範囲が好ましい。平均粒子径が
0.001μmよりも小さくなると原料粉末の1次粒子
径が0.001μmよりも小さくなり、多孔体に成形す
ることが非常に難しくなるために実用に供しえなくな
り、0.5μm よりも大きくなると被研磨材料に欠陥を
生じる等の問題が生じることがあり好ましくない。ここ
でいう平均粒子径とは、研磨用成形体表面のセリア微粒
子の粒子径を意味しており、例えば実施例に記載の通
り、走査型電子顕微鏡(SEM)などにより測定でき
る。
【0018】<研磨用成形体の製造法>本発明の研磨用
成形体は、セリア微粉末を用いて成形されたセリア成形
体を焼成等の加工処理により成形体としたものであり、
上記記載の特性を有するものであれば特に限定されるも
のではない。
【0019】セリア成形体は、例えば原料粉末に圧力を
かけて成形することにより作製できる。圧力をかけて成
形する場合、例えばプレス成形等の成形法が例示でき、
その圧力条件としては、得られる成形体の形状を保持す
るために通常5kg/cm2以上の圧力が好ましく用い
られ、さらに10kg/cm2以上の圧力が好ましく用
いられる。
【0020】さらに、原料粉末の成形性を向上させるた
めに原料粉末に処理を施しても良い。その処理の方法と
しては、例えばプレス成形などで予備成形した後、ふる
い等を用いて分級する方法などが挙げられる。予備成形
の際の圧力としては、粉末の性状等に左右され一定しな
いが、通常5kg/cm2以上1000kg/cm2以下
で十分である。また、同様に原料粉末の成形性を向上さ
せるため、スプレ−ドライ法や転動法などにより造粒し
たり、バインダ−、ワックス等を添加してもよい。
【0021】また、同様に原料粉末の成形性を向上させ
るため、スプレードライ法や転動法などにより造粒した
り、バインダー等を添加してもよく、さらに造粒した後
にこの造粒粉末を崩さないように造孔剤と混合してもよ
い。これらの添加剤により成形性が向上し、さらに造孔
剤を用いることで造孔剤の粒径が反映したセリア成形体
を得ることができて研磨用成形体中の細孔構造を制御し
やすくなるため、研磨加工時において研磨速度を向上し
うる研磨用成形体が得られる。なお、造粒粉末を造孔剤
と混合する前に一時的に別に移すなどして保存しておい
てもよい。
【0022】バインダーを用いる場合、その種類として
は、造粒操作に支障がないものであれば特に制限なく用
いることができるが、通常、結合剤、可塑剤、潤滑剤な
どを用いることができ、例えばアクリル樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、ワックス類、ステアリン酸などの低級脂肪
酸、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類を挙
げることができ、これらは単独あるいは2種以上用いる
ことができる。
【0023】また、造孔剤を用いる場合、その種類とし
ては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス等のワックス類、ポリメチルメタクリレート、ポリ
ブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂の粉末、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体等のオレ
フィン系樹脂の粉末、ポリスチレンの粉末、ステアリン
酸等の低級脂肪酸の粉末、馬鈴薯でんぷん、とうもろこ
しでんぷん、エチルセルロース、カーボン粉末等が例示
でき、これらは単独あるいは2種以上用いることができ
る。
【0024】原料粉末よりセリア成形体への成形性を向
上させるために成形前に原料粉末へバインダ−や造孔剤
などの有機物を添加する場合には、研磨用成形体への加
工に際し、脱脂することが好ましい。脱脂の方法は特に
限定されるものではないが、例えば大気雰囲気下での加
熱による脱脂、又は窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不
活性雰囲気中での加熱脱脂などが挙げられる。この時の
雰囲気ガスの圧力は加圧下又は常圧下、場合によっては
減圧下であってもよい。また同様に、成形性を向上させ
るために、水分を添加し、その後の焼成操作の前に乾燥
させることもできる。
【0025】次に、バインダーを取り除いた成形体は、
一般的には強度が脆くなっているため、その強度を上
げ、研磨用定盤としての耐久性を向上させるために、加
熱による焼成を行なうことが好ましい。しかし、耐久性
を向上させる方法としては、加熱焼成に限定されるもの
ではない。
【0026】このようにセリア成形体より研磨用成形体
への加工方法としては、加熱脱脂、加熱焼成、機械加工
等による方法が例示できるが、研磨用成形体として研磨
作業に使用できる強度を付与できる加工方法であれば特
に限定されるものではない。
【0027】<研磨用定盤の構成>次に、この研磨用成
形体を研磨用の定盤として組み込み、さらにこれを用い
て研磨する方法について説明する。
【0028】まず、研磨用成形体と研磨用の付帯部品と
を用いて研磨用定盤が形成される。
【0029】ここで、付帯部品とは研磨用定盤を構成す
る種々の材質、形状の構造体であり、この付帯部品に対
して研磨用成形体を以下に示される手法により配置し、
固定することで研磨用定盤が形成される。両者の固定の
方法としては、弾性接着剤等の接着剤を用いて接着して
固定する方法、付帯部品に凹凸を形成させ、その固定場
所へ埋め込む方法など、本発明の目的を達成できる方法
であれば制限なく用いることができる。
【0030】研磨用成形体を研磨用の付帯部品へ固定す
る際の研磨用成形体の個数については、1個又は2個以
上用いればよく、さらに2個以上用いることが好まし
い。この理由としては、1)研磨加工プロセスにおいて
用いられる研磨液を研磨中に適切に排出することで研磨
速度を向上させるためである。このため、研磨用成形体
を2個以上用いて研磨用定盤を形成させた場合には、研
磨用成形体の間の隙間より研磨液の排出ができる。ま
た、1個を用いた場合には、成形体の研磨面の側に研磨
液を排出できる適当な溝の構造を持たせることが好まし
い。2)また、研磨用成形体を2個以上用いて研磨用定
盤を形成させた場合には、被研磨材料への当たりが良く
なり、被研磨材料全面の研磨速度に偏りなく、効率よく
研磨できるようになる。
【0031】用いられる研磨用成形体の形状は特に限定
されるものではなく、研磨用成形体が研磨用の付帯部品
へ装着できるものであればどのような形状のものも採用
できる。例えば円柱状ペレットや、四角柱状ペレット,
三角柱状ペレットなどの角柱状ペレット等を例示でき、
さらには、被研磨材料との接触面が直線と曲線を組み合
わせてできるあらゆる形状のものも例示できる。又、そ
の大きさは通常用いられる範囲であれば特に限定される
ものではなく、研磨用定盤中の研磨用成形体を組み込む
ための付帯部品の大きさに応じて決められる。
【0032】本発明において用いられる研磨用成形体を
研磨用定盤として配置する際の配置方法の態様として
は、上記記載の研磨用成形体の特性を有するものを組み
合わせるのであれば特に限定されるものではなく、例え
ば、研磨用成形体の小片を組み合わせて一体化する方
法、大きな円板に埋め込む方法などが挙げられる。
【0033】このような研磨用成形体を2個以上研磨用
定盤へ配列させる場合には配置された研磨用成形体の研
磨面を被研磨材料の形状に合うように整えることが望ま
しい。この場合、付帯部品についてその形状に合ったも
のを選択しても良い。例えば、被研磨材料表面が平坦な
場合にはその研磨用成形体の被研磨材料との接触面を平
坦化することが望ましく、曲面状の場合にはそれに合っ
た曲面状とすることが望ましい。これは、得られた研磨
用定盤を用いて研磨加工する際に、被研磨材料と研磨用
成形体が直接接触できるようになっているため、その接
触面を多く取ることができるようにするためである。特
に平坦化する場合は、研磨用定盤からの垂直方向の高さ
に対してばらつきがないように配置することが好まし
い。
【0034】研磨用成形体と金属製定盤との固定方法に
ついては、接着剤により固定したり、金属製定盤に研磨
用成形体の大きさに対応した凹凸面を施し、研磨用成形
体を固定しても良い。接着剤を用いて研磨用成形体と金
属製定盤とを固定する場合に用いられる接着剤は本発明
の目的を達成できるものであれば特に制限なく用いるこ
とができ、特に、弾性接着剤のような、研磨用成形体を
定盤へ接着固定する際に生じることがあるひび、割れ等
がない接着剤を用いることが好ましい。
【0035】<研磨用定盤を用いた研磨方法>このよう
にして研磨用定盤に研磨用成形体を組み込むわけである
が、本発明の研磨用定盤を用いて研磨する方法において
は、定盤として研磨加工プロセスにおいて使用されるも
のであれば、その形状、研磨条件、研磨液等の使用等に
ついては特に限定されるものではない。例えば、研磨液
を使用する場合には、従来より用いられてきた研磨液を
用いることでよく、例えば水などを用いることができ
る。
【0036】ここで研磨用定盤とは、組み込まれた研磨
用成形体が被研磨材料に対して直接接触して研磨するた
めに用いられ、研磨加工プロセスにおいて十分な強度を
有し、かつ被研磨材料を研磨できる性能を有しておれば
良い。従って、その形状としては、被研磨材料と同じ形
状を有するだけでなく、必要に応じて非平面の形状を有
していても良い。例えば、平板状、円盤状、リング状、
円筒状等を挙げることができる。
【0037】また、本発明の研磨方法においては研磨布
を用いないため、研磨中に従来の方法において見られ
た、研磨布の性能劣化によるその取換え等による研磨作
業の中断については、本発明の研磨用成形体を用いるこ
とで耐久性が向上し、取り替え頻度を減少できるため研
磨作業の効率化が達成できるという利点を有している。
さらに、従来の研磨剤による方法において生じる遊離砥
粒を含んだ研磨廃液については、本発明の研磨用成形体
を用いることで遊離砥粒を用いなくなるか少量用いるだ
けで十分であるため、研磨廃液中の遊離砥粒や研磨によ
り生じた粒の量が少なくなり、廃液処理の問題が軽減さ
れる。例えば、研磨廃液に対して光を照射した場合の透
過率が従来の方法におけるものよりも高くなることで、
研磨廃液中に不要となった粒の混入量が少なくなること
が確認できる。このような研磨廃液の問題を考慮する
と、研磨廃液の600nmにおける透過率が水の10%
以上、さらに40%以上にすることが特に好ましく、こ
のような廃液の透過率となるような研磨液を用いること
が望ましい。
【0038】本発明の研磨用定盤は、シリコンウエハ
ー,ガリウムリン,ガリウム砒素等の半導体基板、ニオ
ブ酸リチウム,タンタル酸リチウム,ホウ酸リチウム等
の酸化物基板、ガラス基板などの基板材料、石英ガラ
ス、金属材料、建築分野等に使用される石材等の研磨加
工に有用である。この内、従来の研磨布を用いた方法に
比べ面だれがないために研磨された材料を有効にできる
こともあり、基板材料に好ましく用いられ、さらに半導
体基板、酸化物基板、ガラス基板に好ましく用いられ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、各評価は以下に示した方法によって実施し
た。
【0040】〜セリア含量〜 ICP発光分光法により測定した。
【0041】〜かさ密度〜 100mm×100mm×15mm(厚さ)の平板状試
料を作製し成形体のサンプルとした。このサンプルを電
子天秤で測定した重量と、マイクロメーターで測定した
形状寸法とから算出した。
【0042】〜平均粒子径〜 研磨用成形体の一部の面を平坦に調整し、その面を走査
型電子顕微鏡ISIDS−130(明石製作所製)で観
察し、セリア粒子部分のみを考慮してインタセプト法に
より求めた。
【0043】〜BET比表面積〜 原料粉末についてはそのまま用い、研磨用成形体につい
てはそれを砕いた後測定に用いた。測定は、200℃で
15分乾燥後、MONOSORB(米国QUANTAC
HROME社製)を用い、BET式1点法により測定し
た。
【0044】〜粉末の平均粒子径〜 セリア粉末をサンプルとし、COULTER LS13
0(COULTERELECTRONICS社製)を用
いて液体モジュールで測定した。測定値は体積基準であ
る。
【0045】〜研磨試験〜 直径25mm、厚さ5mmの成形体の円柱状試験片を作
製し、高速レンズ研磨装置の回転定盤(直径360m
m)に96個装着し、成形体の表面を平坦に整えた。こ
れを定盤回転数100rpm、定盤への被研磨材料の加
工圧力150g/cm2のもとで、被研磨材料として直
径3インチの石英ガラス基板を6枚同時に用い、研磨液
として蒸留水(液温:25℃)を用いて、研磨液を1リ
ットル/分の速度で滴下しながら研磨した。研磨後、石
英ガラス基板の表面を顕微鏡(OLYMPUS製、型
式:BH−2)で観察した。評価に際しては、極めて平
滑でスクラッチ等のない良好な面である場合を○、平滑
にもならずに研磨加工できない場合を×とした。
【0046】〜成形体の耐久性〜 研磨試験を継続的に行い、1時間毎に成形体を取り出し
てその表面状態を目視にて観察し、ひび、割れ、欠け等
の破損の有無を観察した。評価に際しては成形体の破損
が生じるまでの時間を調べた。
【0047】<研磨用成形体の製造・評価> 実施例1 セリア原料粉末を以下のように調製した。遊星ミルを用
いて炭酸セリウム水和物(ALDRICH製、99.9
%)を蒸留水中に分散させて懸濁液を得、この懸濁液を
撹拌しながら過酸化水素水(約35%)を滴下し、滴下
終了後1時間撹拌を継続した。その後水浴で90℃まで
昇温し、さらに1時間撹拌を継続した後、室温まで冷却
し、遠心分離機で固液分離して固体分を120℃で24
時間乾燥した。得られた固体分を焼成炉を用いて600
℃で1時間加熱処理して白色粉末を得た。得られた白色
粉末はX線回折装置(マックサイエンス社製、型式:M
XP−3)による測定でセリア単一相であることを確認
した。またこのセリア粉末のBET比表面積は49m2
/g、平均粒子径は0.3μmであった。
【0048】このセリア原料粉末に、添加物としてアク
リル系バインダー(中央理化工業製、リカボンドSA−
200)及びステアリン酸エマルジョン(中京油脂製、
セロゾール920)を原料粉末:アクリル系バインダー
(固形分換算):ステアリン酸エマルジョン(固形分換
算):水分=100:40:2:520の重量比で混合
してスラリー化した。このスラリーをスプレードライヤ
ー(大川原化工機製、型式:LT−8)を用いて造粒粉
末を調製し、油圧プレス機を用いてプレス成形(圧力:
100kg/cm2)してセリア成形体を得、これを焼
成炉(光洋リンドバーグ社製、型式:51668)にて
400℃で2時間保持して脱脂し、そのまま1000℃
まで昇温して2時間焼成して研磨用成形体を得た。これ
を前記記載の評価方法により評価した。表1には得られ
た結果として、研磨用成形体のかさ密度、BET比表面
積、平均粒子径、得られた研磨用成形体による研磨試験
結果及び耐久性試験結果を示す。
【0049】
【表1】
【0050】実施例2 セリア原料粉末(三津和化学薬品、純度99.9%、B
ET比表面積3.6m2/g、平均粒径2μm )に、添
加物としてアクリル系バインダー(中央理化工業製、リ
カボンドSA−200)及びステアリン酸エマルジョン
(中京油脂製、セロゾール920)を原料粉末:アクリ
ル系バインダー(固形分換算):ステアリン酸エマルジ
ョン(固形分換算):水分=100:40:2:382
の重量比で混合してスラリー化した。このスラリーをス
プレードライヤー(大川原化工機製、型式:LT−8)
を用いて造粒粉末を調製し、デシケータ中で十分に水分
を除去した。この乾燥造粒粉末に馬鈴薯でんぷん(キシ
ダ化学製)を乾燥造粒粉末:馬鈴薯でんぷん=2:1の
体積比になるように混合して成形用原料粉末とした。こ
の成形用原料粉末を油圧プレス機を用いてプレス成形
(圧力:100kg/cm2)してセリア成形体を得
た。これを焼成炉にて400℃で2時間保持して脱脂
し、そのまま1200℃まで昇温して2時間焼成して研
磨用成形体を得た。これを実施例1と同様の方法により
評価し表1に示した。
【0051】比較例1 実施例1で用いたセリア原料粉末に、添加物としてアク
リル系バインダー(中央理化工業製、リカボンドSA−
200)及びステアリン酸エマルジョン(中京油脂製、
セロゾール920)を原料粉末:アクリル系バインダー
(固形分換算):ステアリン酸エマルジョン(固形分換
算):水分=100:40:2:520の重量比で混合
してスラリー化した。このスラリーをスプレードライヤ
ー(大川原化工機製、型式:LT−8)を用いて造粒粉
末を調製し、油圧プレス機を用いてプレス成形(圧力:
100kg/cm2)してセリア成形体を得、これを焼
成炉(光洋リンドバーグ社製、型式:51668)にて
400℃で2時間保持して脱脂し、そのまま1500℃
まで昇温して2時間焼成して研磨用成形体を得た。これ
を実施例1と同様の方法により評価し表1に示した。
【0052】比較例2 スウエード系ポリッシングパッド(フジミインコーポレ
ーテッド製、SURFIN 018−3)を高速レンズ
研磨装置の回転定盤(直径360mm)に貼付し、定盤
回転数100rpm、定盤への被研磨材料の押圧力15
0g/cm2の条件のもとで、被研磨材料として石英ガ
ラス基板を用い、又、研磨剤として実施例1記載のセリ
ア微粉末をセリア(酸化セリウム)含有量20重量%と
なるように蒸留水を添加して調製した研磨液(液温:2
5℃)を用いて、1リットル/分の速度で滴下して研磨
した。表1には得られた結果として、表面精度測定結果
を示す。
【0053】実施例1及び2と比較例1の結果を比較す
ると、比較例1のような特性を有した研磨用成形体を用
いて研磨を実施すると、研磨がうまくできないが分かっ
た。
【0054】一方、実施例1及び2と比較例2の結果を
比較すると、本発明の研磨用成形体を用いて研磨を実施
することで、研磨加工に適用できる研磨用成形体が得ら
れ、しかも従来の研磨方法により得られるものと同程度
の被研磨材料の表面精度であることが分かった。
【0055】<研磨廃液の評価> 実施例3 実施例1で得られた研磨用成形体を用い、研磨試験に記
載の方法により研磨を実施した。研磨廃液については、
生じた廃液の濁度を分光光度計(日本分光製、型式:U
best−55)を用い、精製水を基準として波長60
0nmにおける透過率により評価した。その結果を表2
に示した。透過率が高い場合は研磨廃液中の遊離砥粒量
が少ないことを示し、低い場合は逆に多いことを示す。
【0056】
【表2】
【0057】実施例4 実施例2で得られた研磨用成形体を用いた以外は実施例
3と同様に研磨廃液を評価し、表2に示した。
【0058】比較例3 比較例2で実施した研磨試験で得られた研磨廃液を実施
例3と同様に評価し、表2に示した。
【0059】以上の実施例3及び4と、比較例3とを比
較すると、本発明の研磨用定盤を用いて研磨を実施する
ことで研磨廃液の透過率は従来の方法よりも高く、研磨
廃液中の遊離砥粒量が極めて少ないことが分かる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、研磨加工プロセス中に
遊離砥粒を大量に含有する研磨廃液をほとんど生じるこ
とがなく、従来法と同程度に良好にシリコンウエハー、
酸化物基板等の基板材料等を研磨加工することができ、
また研磨処理における研磨用成形体の耐久性もあるた
め、研磨加工プロセスに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B24D 3/32 B24D 3/32 H01L 21/304 622 H01L 21/304 622B 622F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてセリア(酸化セリウム)からな
    り、かさ密度が0.7g/cm3以上5.0g/cm3
    下であり、BET比表面積が2m2/g以上200m2
    g以下であり、かつ平均粒子径が0.001μm以上
    0.5μm以下であることを特徴とする研磨用成形体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の研磨用成形体と付帯部品
    から構成されることを特徴とする研磨用定盤。
  3. 【請求項3】被研磨材料を請求項2に記載の研磨用定盤
    に押しつけて摺擦運動させることを特徴とする研磨方
    法。
  4. 【請求項4】遊離砥粒を用いずに研磨して研磨廃液の6
    00nmにおける透過率が水の透過率の10%以上にす
    ることを特徴とする請求項3に記載の研磨方法。
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