JPH11157619A - ベルトコンベア装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト支持台に回動可能に巻回されるコンベ
アベルトの回動の際に発生する蛇行あるいは伸びや緩み
によるスリップを防止することができるベルトコンベア
装置を目的とするものである。 【解決手段】 ベルト支持台１０の左右端に駆動ローラ
２０ａとテールローラ２０ｂを回転可能に設け、少なく
とも駆動ローラ２０ａにはギア部２３を一体または一体
となるように形成するとともにコンベアベルト３０の裏
面には前記駆動ローラ２０ａに形成されているギア部２
３に噛合される突条列３１を長さ方向に突設して、これ
ら駆動ローラ２０ａとテールローラ２０ｂ間には無端状
のコンベアベルト３０を巻回してそのギア部２３と突条
列３１との噛合により回動されるように構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ベルト支持台の
左右端に設置されている回転可能なローラと、このロー
ラ間に巻回されるコンベアベルトとをギヤの噛合力によ
り回動されるベルトコンベア装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のベルトコンベア装置は、
左右方向に長形状に形成されているベルト支持台にテー
ルローラや駆動モータに連結されている駆動ローラ等を
回転可能に装着し両端を連結して無端状に形成されてい
るコンベアベルトを、その張力を利用して緊張状に巻回
してモータの駆動により水平状に回動されているものが
用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この種のベルトコンベ
ア装置は、その回動状態において、コンベアベルトへの
搬送物の送り位置やその重量の変化により、コンベアベ
ルトがその幅方向のいずれか一方に片寄る、いわゆる蛇
行現象が生じやすく、このためコンベアベルトが圧接状
に巻回されているローラ付近に設けられている蛇行調整
装置により、その都度コンベアベルトの巻回状態がチェ
ックされてローラを調整していた。さらに、コンベアベ
ルトはこれらのローラ間にその張力を利用して緊張状に
巻回されているため、コンベアベルトのわずかな伸びや
緩みにより、ローラへのスリップ現象が生じ易いという
欠点が見られた。

【０００４】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
のであって、回動の際に生じ易いコンベアベルトの蛇行
あるいは伸びや緩みによるスリップ現象を防止すること
ができるベルトコンベア装置を提供することを目的とし
ているものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るベルトコンベア装置は、ベルト支持台
の左右端にそれぞれローラを回転可能に設け、少なくと
も一方のローラにはギア部を一体または一体となるよう
に形成するとともに前記コンベアベルトの裏面には前記
ローラに形成されているギア部に噛合される突条列を長
さ方向に突設した無端状のコンベアベルトをローラ間に
巻回してそのギア部と突条列との噛合により回動される
ことを特徴とするものである。

【０００６】前記ローラの少なくとも一方は、２つのロ
ーラ部材間にギア部を有する中間ローラ部材が形成され
るものであり、さらには、ローラ部材の外周面略中央に
ギヤ部を突設するギヤシート部材を張着してなることを
特徴とするものである。

【０００７】さらに、ギア部を形成したローラを一方に
装着したベルト支持台の反対方に装着されるローラには
ギヤ部と噛合するコンベアベルトの突条列を圧接せずに
通過させる空隙または凹陥部を形成するものであり、ま
た、ベルト支持台の左右端側に装着されるローラの少な
くとも一方は、ベルト支持台の先端に装着された上下方
向に回動可能なブラケットに軸着してなることを特徴と
するものである。

【０００８】

【作用】上記のように構成される請求項１に係るベルト
コンベア装置によれば、ベルト支持台の左右端に設けら
れる回転可能なローラの少なくとも一方のローラにはギ
ア部を一体または一体となるように形成するとともにこ
のローラに巻回される無端状のコンベアベルトの裏面に
は前記ローラに形成されているギア部と噛合される突条
列をその長さ方向に突設して、コンベアベルトの駆動状
態において、そのギア部と突条列との噛合により回動す
ることにより、コンベアベルトに発生し易い幅方向への
片寄りすなわち蛇行現象やコンベアベルトの伸びや緩み
により生じるコンベアベルトのスリップ現象が防止され
て常に円滑で安定した回動が得られる。

【０００９】さらに、請求項２および３に係るベルトコ
ンベア装置によれば、その中央部または適宜位置に標準
幅のギア部を設けたローラおよびこのギア部に合致され
る突条列を裏面に設けたコンベアベルトが用いられるこ
とにより、搬送される物体の重量やその形状に対応して
径の異なるローラや幅の異なるコンベアベルトが選定さ
れるが、その都度幅方向の全面にわたってギア部や突条
列を設けた特別仕様のローラやコンベアベルトを用いる
ことなく、噛合力を利用した安価なコンベア装置が得ら
れる。

【００１０】さらに、請求項４に係るベルトコンベア装
置によれば、ベルト支持台またはギヤ部を有しないロー
ラには空隙または凹陥部を形成することにより、巻回さ
れるコンベアベルトの裏面側に形成される突条列を圧接
することなく回転させて、突条列へのベルト支持台やロ
ーラの圧迫がなくその変形や傾斜が防止されるものであ
り、また、請求項５に係るベルトコンベア装置によれ
ば、少なくとも一方のローラが装着されるブラケットを
上下方向に回動可能に軸着することにより、コンベアベ
ルトがローラに巻回された状態で緩めて静止させたり、
着脱に供される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、この発明に係るベルトコン
ベア装置の実施の形態につき添付図面に基づいて説明す
る。図１はベルトコンベア装置の側面状態を示す略示
図、図２は同じくその一部を切欠した正面側の要部を示
す略示図、図４は同じくその一部を切欠した平面側の要
部を示す略示図である。

【００１２】この実施形態におけるベルトコンベア装置
は、図１に示すように、左右方向に長形状に形成される
ベルト支持台１０と、このベルト支持台１０の左右端側
にそれぞれ回転可能に軸着されるローラ２０、２０と、
このローラ２０、２０間に緊張状に巻回される無端状の
コンベアベルト３０と、ベルト支持台１０を保持する脚
体５０とから構成されている。

【００１３】前記ベルト支持台１０は、図２および図４
に示すように、天板１１の側端に下向きの内側壁１２ａ
およびこの内側壁１２ａより長片状とする外側壁１２ｂ
を垂下したステンレス等の金属板から製せられる２つの
支持部材１３、１３を、その内側壁１２ａ、１２ａ間に
間隙１４を形成して並列され、その裏面側に適宜間隔を
置いて設けられる断面略チャンネル状の取付片１５によ
り連結固定して左右方向に長形状に一体的に形成されて
いる。なお、前記支持部材１３は、外側壁１２ｂの下端
を内向きの折曲縁１８として取付片１５との接合端部を
開放状とすることにより、支持部材１３と取付片１５と
の連結部分に各種の不純物が侵入したり、種々の雑菌類
の付着が防止され、また、その付近の清掃を容易に行う
ことができる。

【００１４】前記ベルト支持台１０の両側端に回転可能
に軸着されているローラ２０は、図１および図２に示す
ように、その一端側にはモータ部６０と直結されたコン
ベアベルト３０を回動するための駆動ローラ２０ａが、
また、反対端にはコンベアベルト３０を回動状に反転す
る回転可能なテールローラ２０ｂがそれぞれ装着されて
いる。

【００１５】前記コンベアベルト３０は、図８に示すよ
うに、合成樹脂体またはゴム状体から平板状に製せら
れ、その裏面側には幅方向においてその前後端側を残し
て突条列３１が長さ方向に連続して突設されている。コ
ンベアベルト３０は、図１および図６に示すように、そ
の端縁を連結して長さ方向に無端状として前記駆動ロー
ラ２０ａとテールローラ２０ｂとの間に巻回され、その
裏面側の突条列３１を駆動ローラ２０ａのギア部２２に
噛合して回動されている。このように裏面に突条列３１
を突設したコンベアベルト３０は、回動する際ベルト支
持台１０の支持部材１３、１３間に形成される間隙１４
に突条列３１が位置されて支持部材１３の天板１１と直
接接触することがなく、突条列３１が搬送物の荷重等に
より圧接されて変形したり、コンベアベルト３０の傾
斜、蛇行等の発生が防止されている。

【００１６】前記ベルト支持台１０の一側に設置される
駆動ローラ２０ａは、その外周面の全面にわたってギヤ
部２２を形成するものでもよいが、図７に示すように、
ステンレス製あるいはエンジニアリングプラスチック等
の硬質合成樹脂材から製せられる２つの円筒状のローラ
部材２１、２１と、標準幅のギア部２２を有する中間ロ
ーラ部材２３とよりなり、この中間ローラ部材２３の両
面に突設された挿入端子２４、２４をローラ部材２１に
穿設された連結孔２５に嵌合してビス等により連結固定
するとともに、ローラ部材２１および中間ローラ部材２
３の中央部に穿設されている挿通孔２６に回転子２７を
挿通してブラケット１６ａに回転可能に軸着されてい
る。

【００１７】なお、ギヤ部２２を備えた駆動ローラ２０
ａは、使用目的等により変化するベルトコンベアの形状
に対応して標準幅の中間ローラ部材２３を複数個連接し
て用いたり、あるいは、ギヤ部２３の幅が異なる中間ロ
ーラ部材２３を用いることも可能であり、また、２つ以
上の中間ローラ部材２３間にローラ補助部材を介在させ
て必要とする幅をもつギヤ部の駆動ローラ２０ａを得る
ことができる（図示せず）。

【００１８】このように形成される駆動ローラ２０ａ
は、図４に示すように、ベルト支持台１０の一端両側に
取り付けられるブラケット１６ａ、１６ａにおいて、ロ
ーラ部材２１および中間ローラ部材２３を挿通した回転
子２７の一端を一方のブラケット１６ａを介してモータ
部６０に直結されるとともに他端は他方のブラケット１
６ａに軸着されて、支持部材１３、１３間に形成されて
いる間隙１４の延長上にギヤ部２２が位置されるように
装着されている。また、駆動ローラ２０ａは、モータ部
６０と反対側のブラケット１６ａを調節金具１７により
調節して、その取付け位置が適宜修正されるものであ
る。なお、ローラ部材２１の外周面と中間ローラ部材２
３のギア部２２の上端面はコンベアベルト３０の回動が
円滑に行われるように同一面に形成されていることが望
ましい。

【００１９】ギア部２２を形成する駆動ローラ２０ａ
は、２つのローラ部材２１、２１とギア部２３を有する
中間ローラ部材２３との組み合わせによる以外、図９に
示すように、円筒状のローラ部材２１の中央部に適宜幅
の凹陥部２９を形成し、ギア部２２を突設したギアシー
ト部材２８をこの凹陥部２９に張着するもの等を用いる
ことができるが、さらに、このギアシート部材２８を、
例えば、突条列３１を有するコンベアベルト３０の一部
を利用して中間ローラ部材の外表面に貼着して２つのロ
ーラ部材間に連結固定するものを用いてもよい（図示せ
ず）。

【００２０】前記ベルト支持台１０の左右端の一方に軸
着されている駆動ローラ２０ａの反対端に軸着されてい
るテールローラ２０ｂは、図５に示すように、その略中
央にコンベアベルト３０の突条列３１と同幅程度の凹陥
部３２が形成され、ベルト支持台１０の先端両側に上下
方向に回動可能に設けられるブラケット１６ｂに回転可
能に軸着されている。

【００２１】なお、ベルト支持台１０に設置されるロー
ラ２０は、上記の如く駆動ローラ２０ａとこの駆動ロー
ラ２０ａの反対端に装着されるテールローラ２０ｂとに
よるもの以外、適宜ベルト支持台１０の中間部分に支持
ローラあるいはスナップローラ等の各種ローラ２０が設
置されるが、いずれの位置にこれらのローラ２０を設置
してもコンベアベルト３０の突条列３１と同幅程度の凹
陥部をその対応部分に形成するか、あるいは、ローラ２
０を分割して間隙を形成してコンベアベルト３０の突条
列３１が直接接触されないようにすることが望ましい。

【００２２】テールローラ２０ｂが軸着されているブラ
ケット１６ｂは、緊張状に巻回されているコンベアベル
ト３０を上方に回動して弛緩したり、また、ローラ２０
ａ、２０ｂへの着脱を容易に行うことができるもので、
図１０に示すように、その根元側の上端方をピンまたは
ボルト等の止着子４１によりベルト支持台１０に軸着さ
れ、その水平状の装着状態において、その軸着点はテー
ルローラ２０ｂの軸４２よりも上方に位置され、また、
ベルト支持台１０に突設されたストッパ４３にその下端
面を係止して、ベルト支持台１０より下方に回動される
ことなく略水平状に支承されている。従って、ブラケッ
ト１６ｂとベルト支持台１０とが水平状に支承され、コ
ンベアベルト３０がテールローラ２０ｂに緊張状に巻回
された状態でブラケット１６ｂを持ち上げてその緊張状
態を解除して弛緩したり、この弛緩した状態から脱抜す
るものであり、また、コンベアベルト３０が駆動されて
いるときは、荷重が下方側に作用され、ストッパ４３で
支承されているため、ブラケット１６ｂがコンベアベル
ト３０の回動中にみだりに上方側にハネ上がったり、下
方に垂れ下がったりすることが防止されている。

【００２３】さらに、このブラケット１６ｂの一方側に
は、その先端側に装着されているテールローラ２０ｂ付
近に、図５および図１０に示されるように、押金具４４
が設けられ、この押金具４４によりブラケット１６ｂの
変形が防止されるとともにテールローラ２０ｂの軸着位
置を調節したり、コンベアベルト３０の蛇行状態を調整
することができる。

【００２４】さらに、ベルト支持台１を保持している脚
体５０は、図１および図３に示されるように、下端に固
定金具５１を備えた複数の縦桟５２と横桟５３とよりフ
レーム状に形成されており、コンベアベルト３０を着脱
する側において、縦桟５２の上端に回動自在な連結片５
４を係脱可能に取り付けて、コンベアベルト３０の使用
時にはベルト支持台１０に係止されて縦桟５２の一部と
してベルト支持台１０を保持するとともにコンベアベル
ト３０を着脱する際には、ベルト支持台１０との係止を
解いてこのベルト支持台１０と脚体５０との間に空間部
分を形成して、コンベアベルト３０をこの空間部分を通
して容易に着脱することができるものである。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、この発明のベルト
コンベア装置によれば、ベルト支持台の左右端に設けら
れる回転可能なローラの少なくとも一方にはギア部を一
体または一体となるように形成するとともにこのローラ
に巻回されるコンベアベルトの裏面には前記ローラに形
成されているギア部に噛合される突条列を長さ方向に突
設して、コンベアベルトをローラに巻回してそのギア部
と突条列との噛合により回動してなるもので、回動の際
に生じ易い幅方向への摺動、すなわち蛇行現象を防止す
るとともにコンベアベルトの伸びやたわみによる回動中
のスリップ現象を防止して常に円滑で安定した回動が得
られることができる。

【００２６】さらに、ベルトコンベア装置に使用される
搬送物により異なるローラやコンベアベルトの大きさや
形状に対応してその都度幅方向の全面にわたってギア部
や突条列を設けた特別仕様のローラやコンベアベルトを
製することなく、その中央部に標準のギア部を設けたロ
ーラおよび突条列を裏面に設けたコンベアベルトが用い
られ、噛合力を利用したコンベア装置を安価に製するこ
とができる。

【００２７】また、ベルト支持台の両端に設けられるロ
ーラを装着したブラケットの少なくとも一方は、上下方
向に回動可能に設置されているため、ローラ間に巻回さ
れているままでコンベアベルトを弛緩したり、ローラか
ら容易に脱抜したり、着装させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るベルトコンベア装置の側面状態を
示す略示図である。

【図２】同じく一部を切欠したベルトコンベア装置を示
す正面側の略示図である。

【図３】ベルト支持台へのベルトコンベアの装着状態を
示す断面略示図である。

【図４】駆動ローラを設置した側のベルトコンベア装置
の要部を示す一部を切欠した平面状態の略示図である。

【図５】テールローラを設置した側のベルトコンベア装
置の要部を示す一部を切欠した平面状態の略示図であ
る。

【図６】駆動ローラとコンベアベルトの噛合態様を示す
一部を切欠した斜視状態の略示図である。

【図７】駆動ローラの一例を示す分解斜視図である。

【図８】突条列を突設したコンベアベルトを示す略示図
で、（ａ）は裏面状態、（ｂ）は断面状態を示すもので
ある。

【図９】ロール部材にギヤシート部材を張着する駆動ロ
ーラの分解状態を示す斜視図である。

【図１０】テールローラを軸着したブラケットの回動態
様を示す一部側面状態の略示図である。

【符号の説明】

１０ ベルト支持台 １１ 天板 １３ 支持部材 １４ 間隙 １５ 取付片 １６ａ、１６ｂ ブラケット １７ 調節金具 ２０ ローラ ２０ａ 駆動ローラ ２０ｂ テールローラ ２１ ローラ部材 ２２ ギア部 ２３ 中間ローラ部材 ２８ ギアシート部材 ３０ コンベアベルト ３１ 突条列 ３２ テールローラ２０ｂの凹陥部 ４４ 押金具 ５０ 脚体 ６０ モータ部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベルト支持台の左右端にそれぞれローラ
   を回転可能に設け、少なくとも一方のローラにはギア部
   を一体または一体となるように形成するとともに前記コ
   ンベアベルトの裏面には前記ローラに形成されているギ
   ア部に噛合される突条列を長さ方向に突設した無端状の
   コンベアベルトをローラ間に巻回してそのギア部と突条
   列との噛合により回動されることを特徴とするベルトコ
   ンベア装置。
2. 【請求項２】 少なくとも一方のローラは、２つのロー
   ラ部材間にギア部を有する中間ローラ部材を形成してな
   ることを特徴とする請求項１記載のベルトコンベア装
   置。
3. 【請求項３】 少なくとも一方のローラは、ローラ部材
   の外周面の略中央にギア部を突設したギヤシート部材を
   張着してなることを特徴とする請求項１記載のベルトコ
   ンベア装置。
4. 【請求項４】 ギア部を形成したローラをその一方に装
   着したベルト支持台の反対方に装着されるローラには、
   前記ギア部に噛合するコンベアベルトの突条列が通過さ
   れる間隙または凹陥部を形成してなることを特徴とする
   請求項１、２又は３記載のベルトコンベア装置。
5. 【請求項５】 ベルト支持台の左右端に設置されるロー
   ラの少なくとも一方は、ベルト支持台に装着される上下
   方向に回動可能なブラケットに軸着してなることを特徴
   とする請求項１、２、３又は４記載のベルトコンベア装
   置。