JPH11156908A - 射出成形用金型及び射出成形品の製造方法 - Google Patents
射出成形用金型及び射出成形品の製造方法Info
- Publication number
- JPH11156908A JPH11156908A JP33211397A JP33211397A JPH11156908A JP H11156908 A JPH11156908 A JP H11156908A JP 33211397 A JP33211397 A JP 33211397A JP 33211397 A JP33211397 A JP 33211397A JP H11156908 A JPH11156908 A JP H11156908A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cavity
- mold
- air
- temperature
- air supply
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 型閉め状態でキャビティ表面を短時間で加熱
することができ、しかも金型コストが安い金型を用いて
外観品質に優れた射出成形品を提供する。 【解決手段】型閉め状態で高温空気発生装置30から吸
気孔19を経て高温空気をキャビティ5内へ供給し、排
気孔20から高温空気を排出することによりキャビティ
5表面を一定温度に達するまで加熱する。アクチュエー
ター17、18により弁体15、16を摺動させ、吸気
孔19、及び排気孔20とキャビティ5の開口部を塞
ぐ。溶融樹脂を充填させた後、保圧、冷却して成形品を
取り出す。
することができ、しかも金型コストが安い金型を用いて
外観品質に優れた射出成形品を提供する。 【解決手段】型閉め状態で高温空気発生装置30から吸
気孔19を経て高温空気をキャビティ5内へ供給し、排
気孔20から高温空気を排出することによりキャビティ
5表面を一定温度に達するまで加熱する。アクチュエー
ター17、18により弁体15、16を摺動させ、吸気
孔19、及び排気孔20とキャビティ5の開口部を塞
ぐ。溶融樹脂を充填させた後、保圧、冷却して成形品を
取り出す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャビティの表面
温度を均一に上昇させて、外観品質を向上させる射出成
形用金型及び射出成形品の製造方法に関する。
温度を均一に上昇させて、外観品質を向上させる射出成
形用金型及び射出成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を射出成形する方法として
は、型閉め状態で内部にキャビティを形成する固定型と
可動型からなる金型を用い、そのキャビティ内に射出成
形機の加熱シリンダから溶融樹脂を射出充填し、その充
填樹脂を冷却固化した後、型開きを行って成形品を金型
外部へと取り出す方法が一般的である。このような射出
成形方法において、溶融樹脂の充填時におけるキャビテ
ィの表面温度が低いと、注入された溶融樹脂がキャビテ
ィ表面に触れた部分から急速な冷却固化が始まり、これ
により樹脂の粘度が高くなって流動抵抗が増大する。
は、型閉め状態で内部にキャビティを形成する固定型と
可動型からなる金型を用い、そのキャビティ内に射出成
形機の加熱シリンダから溶融樹脂を射出充填し、その充
填樹脂を冷却固化した後、型開きを行って成形品を金型
外部へと取り出す方法が一般的である。このような射出
成形方法において、溶融樹脂の充填時におけるキャビテ
ィの表面温度が低いと、注入された溶融樹脂がキャビテ
ィ表面に触れた部分から急速な冷却固化が始まり、これ
により樹脂の粘度が高くなって流動抵抗が増大する。
【0003】その結果、ウエルドライン、フローマーク
あるいはシルバーストリーク等の成形品の外観不良が発
生する。また、樹脂充填時においてキャビティ表面の温
度が低いと、充填材入りの樹脂では充填材の浮き上がり
により表面外観が平滑な成形品を得ることが困難になる
といった問題もある。これに対し、キャビティの表面温
度を高くすることにより、キャビティ内経の溶融樹脂の
充填を低圧射出で行うことが可能となり、前記した成形
品の外観不良が解消され、また、賦形時の転写性に優れ
た光沢のある成形品を得ることができる。
あるいはシルバーストリーク等の成形品の外観不良が発
生する。また、樹脂充填時においてキャビティ表面の温
度が低いと、充填材入りの樹脂では充填材の浮き上がり
により表面外観が平滑な成形品を得ることが困難になる
といった問題もある。これに対し、キャビティの表面温
度を高くすることにより、キャビティ内経の溶融樹脂の
充填を低圧射出で行うことが可能となり、前記した成形
品の外観不良が解消され、また、賦形時の転写性に優れ
た光沢のある成形品を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、キャビティ
の表面温度を高温にすると、成形品が取り出し可能な温
度に冷却されるまで時間がかかり生産性が悪くなる。そ
こで、溶融樹脂の充填時にはキャビティの表面温度が高
く、充填完了後はキャビティの表面温度が急速に低温と
なることが理想的であり、これを達成するために種々の
技術が提案されている。例えば、特開平8−24407
2号公報及び特開平9−109214号公報に記載され
た高温空気による加熱方法があり、キャビティ形状が複
雑であっても適用することができ、キャビティ内に大量
の高温空気を通風させることで短時間でキャビティを加
熱できることからキャビティの加熱方法としては望まし
い方法である。
の表面温度を高温にすると、成形品が取り出し可能な温
度に冷却されるまで時間がかかり生産性が悪くなる。そ
こで、溶融樹脂の充填時にはキャビティの表面温度が高
く、充填完了後はキャビティの表面温度が急速に低温と
なることが理想的であり、これを達成するために種々の
技術が提案されている。例えば、特開平8−24407
2号公報及び特開平9−109214号公報に記載され
た高温空気による加熱方法があり、キャビティ形状が複
雑であっても適用することができ、キャビティ内に大量
の高温空気を通風させることで短時間でキャビティを加
熱できることからキャビティの加熱方法としては望まし
い方法である。
【0005】しかし、この加熱方法は金型開閉方向に摺
動する型合わせ面を設けるため金型製作コストが高くな
るという欠点があった。また、固定型と可動型の型閉め
完了直前に型閉めを一時停止して高温空気を通風させる
ため射出成形機に型閉めを一時停止させる機能がない場
合は型閉め制御回路を改造しなければならないという欠
点もあった。そこで、本発明の目的は上記の欠点を鑑
み、外観品質に優れた成形品を成形することを可能とし
た射出成形用金型と射出成形品の製造方法を提供するこ
とである。
動する型合わせ面を設けるため金型製作コストが高くな
るという欠点があった。また、固定型と可動型の型閉め
完了直前に型閉めを一時停止して高温空気を通風させる
ため射出成形機に型閉めを一時停止させる機能がない場
合は型閉め制御回路を改造しなければならないという欠
点もあった。そこで、本発明の目的は上記の欠点を鑑
み、外観品質に優れた成形品を成形することを可能とし
た射出成形用金型と射出成形品の製造方法を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
高温空気発生装置に接続された給気孔と排気孔が、固定
側型板とキャビティブロックからなる固定型と、可動側
型板とコアブロックからなる可動型とが型閉めすること
で形成されるキャビティに連通されると共に、アクチュ
エーターに接続され該アクチュエーターの往復動作によ
り摺動できる弁体が前記給気孔、前記排気孔を開閉する
ように金型内に設けられていることを特徴とする射出成
形用金型である。
高温空気発生装置に接続された給気孔と排気孔が、固定
側型板とキャビティブロックからなる固定型と、可動側
型板とコアブロックからなる可動型とが型閉めすること
で形成されるキャビティに連通されると共に、アクチュ
エーターに接続され該アクチュエーターの往復動作によ
り摺動できる弁体が前記給気孔、前記排気孔を開閉する
ように金型内に設けられていることを特徴とする射出成
形用金型である。
【0007】請求項2記載の発明は、固定型と可動型を
型閉めした状態で高温空気発生装置から給気孔を経て高
温空気をキャビティ内へ供給し、排気孔から前記高温空
気を排出することにより前記キャビティ表面を所定温度
に加熱した後、アクチュエーターに接続され、かつ前記
給気孔、前記排気孔を開閉できるように金型内に設けた
弁体を前記アクチュエーターの往復動作により摺動さ
せ、前記給気孔、及び前記排気孔を塞ぎ、次いで溶融樹
脂を充填することを特徴とする射出成形品の製造方法で
ある。
型閉めした状態で高温空気発生装置から給気孔を経て高
温空気をキャビティ内へ供給し、排気孔から前記高温空
気を排出することにより前記キャビティ表面を所定温度
に加熱した後、アクチュエーターに接続され、かつ前記
給気孔、前記排気孔を開閉できるように金型内に設けた
弁体を前記アクチュエーターの往復動作により摺動さ
せ、前記給気孔、及び前記排気孔を塞ぎ、次いで溶融樹
脂を充填することを特徴とする射出成形品の製造方法で
ある。
【0008】(作用)高温空気の通風によりキャビティ
は給気口付近から加熱されていき、大量の空気の通風に
よりキャビティ表面が短時間で所定温度まで加熱され
る。キャビティへ射出された樹脂は、高温空気により表
面を加熱されたキャビティの末端まで流動性を維持した
まま充填される。従って、外観不良を生じにくくなる。
は給気口付近から加熱されていき、大量の空気の通風に
よりキャビティ表面が短時間で所定温度まで加熱され
る。キャビティへ射出された樹脂は、高温空気により表
面を加熱されたキャビティの末端まで流動性を維持した
まま充填される。従って、外観不良を生じにくくなる。
【0009】キャビティ表面と高温空気間の熱伝達率は
高温空気のキャビティ内の流速をVとするならばV0.5
〜V0.8 に比例し、キャビティ間隔(成形品の肉厚に相
当)をtとするならばt-0.5〜t-0.2に比例する。つま
り、高温空気のキャビティ内の流速が速いほど、また、
キャビティ間隔が狭いほど熱伝達率は高い。従って、従
来の型閉め完了直前の状態に比べてキャビティ間隔が狭
く、型閉め状態の密閉されたキャビティ内へ大量の高温
空気を送り込むことができるので熱伝達率は非常に大き
くなる。
高温空気のキャビティ内の流速をVとするならばV0.5
〜V0.8 に比例し、キャビティ間隔(成形品の肉厚に相
当)をtとするならばt-0.5〜t-0.2に比例する。つま
り、高温空気のキャビティ内の流速が速いほど、また、
キャビティ間隔が狭いほど熱伝達率は高い。従って、従
来の型閉め完了直前の状態に比べてキャビティ間隔が狭
く、型閉め状態の密閉されたキャビティ内へ大量の高温
空気を送り込むことができるので熱伝達率は非常に大き
くなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の射出成形用金型
の一例を示す断面図であり、型閉め完了して溶融樹脂が
充填される前の状態を示すものである。固定型1には固
定側型板3とキャビティブロック6、断熱板8、ロケー
トリング11、スプルブッシュ12があり、可動型2に
は可動側型板4とコアブロック7、断熱板9がある。キ
ャビティブロック6、コアブロック7は各々固定側型板
3、可動側型板4に嵌め込まれて固定されており、キャ
ビティブロック6とコアブロック7内部にはそれぞれ冷
却孔13と冷却孔14がある。
に基づいて説明する。図1は、本発明の射出成形用金型
の一例を示す断面図であり、型閉め完了して溶融樹脂が
充填される前の状態を示すものである。固定型1には固
定側型板3とキャビティブロック6、断熱板8、ロケー
トリング11、スプルブッシュ12があり、可動型2に
は可動側型板4とコアブロック7、断熱板9がある。キ
ャビティブロック6、コアブロック7は各々固定側型板
3、可動側型板4に嵌め込まれて固定されており、キャ
ビティブロック6とコアブロック7内部にはそれぞれ冷
却孔13と冷却孔14がある。
【0011】キャビティブロック6及びコアブロック7
の材料としては熱伝導率の低いものが望ましい。このよ
うな材質を使用することにより、キャビティ表面を重点
的に加熱することができるからである。短時間でキャビ
ティ表面を必要な温度に昇温できる。例えば、高炭素鋼
の熱伝導率の約半分以下であるSUS630系もしく
は、SUS420系が好ましい。また、キャビティブロ
ック6とコアブロック7の加熱温度は、樹脂のガラス転
移点温度以上であることが成形品の品質面から望ましい
が、一方、加熱温度が高すぎると冷却に時間がかかり生
産性に影響がでるので、使用する樹脂の種類ごとに品質
と生産性を加味した上で決めるのが好ましい。
の材料としては熱伝導率の低いものが望ましい。このよ
うな材質を使用することにより、キャビティ表面を重点
的に加熱することができるからである。短時間でキャビ
ティ表面を必要な温度に昇温できる。例えば、高炭素鋼
の熱伝導率の約半分以下であるSUS630系もしく
は、SUS420系が好ましい。また、キャビティブロ
ック6とコアブロック7の加熱温度は、樹脂のガラス転
移点温度以上であることが成形品の品質面から望ましい
が、一方、加熱温度が高すぎると冷却に時間がかかり生
産性に影響がでるので、使用する樹脂の種類ごとに品質
と生産性を加味した上で決めるのが好ましい。
【0012】固定側型板3とキャビティブロック6の間
は空気断熱層10と断熱板8で断熱されており、コアブ
ロック7と可動側型板4の間は断熱板9で断熱されてい
る。これらの部材を設けることにより高温空気による加
熱範囲がキャビティブロック6とコアブロック7に限定
され、加熱に必要な熱量を節約することができる。ま
た、キャビティブロック6とコアブロック7を薄く作っ
ておくことで、キャビティブロック6とコアブロック7
を迅速に必要な温度に昇温または冷却できる。
は空気断熱層10と断熱板8で断熱されており、コアブ
ロック7と可動側型板4の間は断熱板9で断熱されてい
る。これらの部材を設けることにより高温空気による加
熱範囲がキャビティブロック6とコアブロック7に限定
され、加熱に必要な熱量を節約することができる。ま
た、キャビティブロック6とコアブロック7を薄く作っ
ておくことで、キャビティブロック6とコアブロック7
を迅速に必要な温度に昇温または冷却できる。
【0013】固定型1下面と可動側型板4上面の間には
弁体15、16が当接しており、アクチュエーター1
7、18の先端に取り付けられている。なお、アクチュ
エーターとして例えば油圧シリンダ、空圧シリンダが使
用できる。弁体15、16はアクチュエーター17、1
8の駆動により可動側型板4上面の摺動溝(図示しな
い)に沿って前後に往復運動できるようになっている。
なお、摺動溝(図示しない)は固定型1下面に設けられ
ていてもかまわない。
弁体15、16が当接しており、アクチュエーター1
7、18の先端に取り付けられている。なお、アクチュ
エーターとして例えば油圧シリンダ、空圧シリンダが使
用できる。弁体15、16はアクチュエーター17、1
8の駆動により可動側型板4上面の摺動溝(図示しな
い)に沿って前後に往復運動できるようになっている。
なお、摺動溝(図示しない)は固定型1下面に設けられ
ていてもかまわない。
【0014】可動側型板4には給気孔19があり、金型
外からキャビティ5へ高温空気を供給する供給経路であ
る。可動側型板4には排気孔20があり、キャビティ5
から高温空気を金型外へ排出する排出経路である。な
お、給気孔19及び排気孔20はキャビティ5で連通す
る構造であるので、大きな断面積の空気流路を確保で
き、高圧で大量の高温空気を供給できる。
外からキャビティ5へ高温空気を供給する供給経路であ
る。可動側型板4には排気孔20があり、キャビティ5
から高温空気を金型外へ排出する排出経路である。な
お、給気孔19及び排気孔20はキャビティ5で連通す
る構造であるので、大きな断面積の空気流路を確保で
き、高圧で大量の高温空気を供給できる。
【0015】給気孔19、排気孔20とキャビティ5の
間は給気口21、排気口22で連通されており、給気口
21、排気口22は弁体15、16により開閉される。
弁体15、16が給気口21、排気口22を閉じると同
時に給気口21、排気口22へ開口していたキャビティ
5の開口部も塞がれ、弁体15、16により塞がれたキ
ャビティ5は成形品の型を形成する。なお、図1では給
気孔19、排気孔20をそれぞれ1本、それに合わせて
弁体を1個づづ設けているが、キャビティの大きさ、形
状とキャビティ内の高温空気の流し方等を勘案して給気
孔、排気孔、弁体の数とこれらの設置位置を決定するの
が望ましい。
間は給気口21、排気口22で連通されており、給気口
21、排気口22は弁体15、16により開閉される。
弁体15、16が給気口21、排気口22を閉じると同
時に給気口21、排気口22へ開口していたキャビティ
5の開口部も塞がれ、弁体15、16により塞がれたキ
ャビティ5は成形品の型を形成する。なお、図1では給
気孔19、排気孔20をそれぞれ1本、それに合わせて
弁体を1個づづ設けているが、キャビティの大きさ、形
状とキャビティ内の高温空気の流し方等を勘案して給気
孔、排気孔、弁体の数とこれらの設置位置を決定するの
が望ましい。
【0016】高温空気発生装置30は耐熱ホース27に
より給気孔19に接続されている。高温空気発生装置3
0としては、ヒーター等の空気加熱装置と金型内に高温
空気を供給できる送風装置を備えたものであればよい。
しかし、短時間に大量の高温空気を供給する必要がある
ので、キャビティ5内へ送風を開始すると同時に瞬時に
高温空気を供給できるホットスタート機能を有するヒー
ターを用いた高温空気発生装置を使用するのが望まし
い。
より給気孔19に接続されている。高温空気発生装置3
0としては、ヒーター等の空気加熱装置と金型内に高温
空気を供給できる送風装置を備えたものであればよい。
しかし、短時間に大量の高温空気を供給する必要がある
ので、キャビティ5内へ送風を開始すると同時に瞬時に
高温空気を供給できるホットスタート機能を有するヒー
ターを用いた高温空気発生装置を使用するのが望まし
い。
【0017】ホットスタート機能を有する高温空気発生
装置30は、内部にヒーター26、送風機23、安全弁
24、切換弁25を内蔵している。高温空気を瞬時に供
給することができるホットスタート機能を有することに
より瞬時に高温空気をキャビティ5へ供給できる。な
お、送風機23は通常、連続運転することがその構造上
望ましいので、ヒーター26に給気しない時は切換弁2
5によりホース29を通った後、大気中へ空気を放出す
るか、或いは送風機23へ再び戻して再循環させてもよ
い。
装置30は、内部にヒーター26、送風機23、安全弁
24、切換弁25を内蔵している。高温空気を瞬時に供
給することができるホットスタート機能を有することに
より瞬時に高温空気をキャビティ5へ供給できる。な
お、送風機23は通常、連続運転することがその構造上
望ましいので、ヒーター26に給気しない時は切換弁2
5によりホース29を通った後、大気中へ空気を放出す
るか、或いは送風機23へ再び戻して再循環させてもよ
い。
【0018】なお、高温空気は温度が250℃〜450
℃、圧力が0.3〜1.0kg/cm2 の範囲内である
ことが望ましく、キャビティの大きさ、形状、キャビテ
ィ内の高温空気の流し方、使用する樹脂を勘案して温度
と圧力をこの範囲内から選択することが望ましい。高温
空気を再利用する場合は高温空気加熱装置30の各部分
に耐熱性を持たせる様にする。なお、ヒーター26は熱
効率の点より間欠運転が望ましい。しかし、給気開始と
同時に高温の空気をキャビティ5へ送れるよう、常に予
熱しておくのがよく、ホットスタート機能を持つヒータ
ーが望ましい。また、排気孔20から排出された高温空
気は耐熱ホース28を経て大気中へ排出されても、高温
空気発生装置30へ再循環させてもよい。排出された高
温空気の温度は100〜200℃程度であり、大気中へ
放出しても問題ない温度といえる。
℃、圧力が0.3〜1.0kg/cm2 の範囲内である
ことが望ましく、キャビティの大きさ、形状、キャビテ
ィ内の高温空気の流し方、使用する樹脂を勘案して温度
と圧力をこの範囲内から選択することが望ましい。高温
空気を再利用する場合は高温空気加熱装置30の各部分
に耐熱性を持たせる様にする。なお、ヒーター26は熱
効率の点より間欠運転が望ましい。しかし、給気開始と
同時に高温の空気をキャビティ5へ送れるよう、常に予
熱しておくのがよく、ホットスタート機能を持つヒータ
ーが望ましい。また、排気孔20から排出された高温空
気は耐熱ホース28を経て大気中へ排出されても、高温
空気発生装置30へ再循環させてもよい。排出された高
温空気の温度は100〜200℃程度であり、大気中へ
放出しても問題ない温度といえる。
【0019】次に、本発明の金型を用いた射出成形品の
製造方法に関して、図1及び図2に基づいて説明する。
射出成形用金型の型閉め前にアクチュエーター17、1
8により弁体15、16を後退させ給気口21、排気口
22を開口させる。なお、弁体15、16の後退は型開
き工程から型閉じ完了後の樹脂の充填開始前までであれ
ばいつであってもよい。アクチュエーター17、18に
付設されたリミットスイッチ(図示しない)が発する弁
体15、16の後退完了の信号を受け、切換弁25を切
り換えてヒーター26に送風機23より空気を送り込
み、耐熱ホース27、給気孔19、給気口21を経てキ
ャビティ5の狭い空間へ高温空気を供給して高速で流動
させキャビティ5表面を加熱する。
製造方法に関して、図1及び図2に基づいて説明する。
射出成形用金型の型閉め前にアクチュエーター17、1
8により弁体15、16を後退させ給気口21、排気口
22を開口させる。なお、弁体15、16の後退は型開
き工程から型閉じ完了後の樹脂の充填開始前までであれ
ばいつであってもよい。アクチュエーター17、18に
付設されたリミットスイッチ(図示しない)が発する弁
体15、16の後退完了の信号を受け、切換弁25を切
り換えてヒーター26に送風機23より空気を送り込
み、耐熱ホース27、給気孔19、給気口21を経てキ
ャビティ5の狭い空間へ高温空気を供給して高速で流動
させキャビティ5表面を加熱する。
【0020】キャビティ5表面を所定時間加熱後、或い
はキャビティ5の表面に近接して設けられた熱電対温度
計(図示しない)が所定温度に到達した時点をもって切
換弁25を切り換えキャビティ5への高温空気の供給を
中断する。同時に、アクチュエーター17、18を作動
させ弁体15、16を前進させ給気口21、排気口22
を閉口させる。図2はこの状態を示した図である。この
状態においてキャビティ5の開口部は弁体15、16の
先端部により塞がれ、この後に行われる金型への溶融樹
脂の射出において樹脂はキャビティ5から漏れることは
ない。射出工程の完了後、冷却、型開き、脱型を行い成
形の1サイクルが終了し、次サイクルの型閉め工程に入
る。
はキャビティ5の表面に近接して設けられた熱電対温度
計(図示しない)が所定温度に到達した時点をもって切
換弁25を切り換えキャビティ5への高温空気の供給を
中断する。同時に、アクチュエーター17、18を作動
させ弁体15、16を前進させ給気口21、排気口22
を閉口させる。図2はこの状態を示した図である。この
状態においてキャビティ5の開口部は弁体15、16の
先端部により塞がれ、この後に行われる金型への溶融樹
脂の射出において樹脂はキャビティ5から漏れることは
ない。射出工程の完了後、冷却、型開き、脱型を行い成
形の1サイクルが終了し、次サイクルの型閉め工程に入
る。
【0021】なお、キャビティ5に溶融樹脂を射出後、
キャビティブロック6とコアブロック7の冷却孔13、
14に溶融樹脂の充填完了より成形品の取り出しの開
始、或いは終了までの間のみ冷却媒体を流通させて冷却
を行ってもよい。キャビティ5の表面を高温空気で加熱
中は、冷却媒体の流入を中断しておけばキャビティ5の
表面温度をより迅速に、効果的に加熱することができ
る。
キャビティブロック6とコアブロック7の冷却孔13、
14に溶融樹脂の充填完了より成形品の取り出しの開
始、或いは終了までの間のみ冷却媒体を流通させて冷却
を行ってもよい。キャビティ5の表面を高温空気で加熱
中は、冷却媒体の流入を中断しておけばキャビティ5の
表面温度をより迅速に、効果的に加熱することができ
る。
【0022】
【発明の効果】請求項1記載の発明の射出成形用金型に
おいては、金型開閉方向に摺動する型合わせ面を設ける
場合に比べて、弁体とアクチュエーターを設けるだけで
よく、金型製作コストを安くすることができる。また、
型閉め状態で高温空気を供給するので非常にせまいキャ
ビティ間隔内を流動させることができ、高温空気とキャ
ビティ表面間の熱伝達率を大きくすることができる。さ
らに、高温空気によりキャビティブロックとコアブロッ
クの両方を同時に加熱できるので、これらの温度差によ
る成形品の変形も防止できる。
おいては、金型開閉方向に摺動する型合わせ面を設ける
場合に比べて、弁体とアクチュエーターを設けるだけで
よく、金型製作コストを安くすることができる。また、
型閉め状態で高温空気を供給するので非常にせまいキャ
ビティ間隔内を流動させることができ、高温空気とキャ
ビティ表面間の熱伝達率を大きくすることができる。さ
らに、高温空気によりキャビティブロックとコアブロッ
クの両方を同時に加熱できるので、これらの温度差によ
る成形品の変形も防止できる。
【0023】よって、キャビティ表面を所望の温度に短
時間で昇温でき、高温空気の持つ熱を有効にキャビティ
表面に伝達できる。また、高温空気による加熱はいかな
る金型にも適用が可能であるから複雑形状の成形品の金
型にも容易に適用でき、大型で薄肉の成形を比較的低い
射出圧力で容易に行うことができる。
時間で昇温でき、高温空気の持つ熱を有効にキャビティ
表面に伝達できる。また、高温空気による加熱はいかな
る金型にも適用が可能であるから複雑形状の成形品の金
型にも容易に適用でき、大型で薄肉の成形を比較的低い
射出圧力で容易に行うことができる。
【0024】請求項2記載の発明の射出成形品の製造方
法においては、キャビティ内の溶融樹脂の固化が遅れ、
流動が容易となることにより、以下の効果が期待でき
る。 1)転写性の向上と、成形品の外観品質の向上。 2)大型、薄肉成形品の成形が可能。 3)低圧成形が可能。 4)成形不良−ウェルドライン、フローマーク、シルバ
ーストリーク、補強材の浮上現象の解消。 また、キャビティの表面を型閉め状態で高温空気により
加熱するので、大容量の高温空気を供給して、風速を大
きくでき、熱伝達率も大きくできるので短時間でキャビ
ティ表面の温度を上昇させることができるとともに、隅
々まで均一に加熱することができる。
法においては、キャビティ内の溶融樹脂の固化が遅れ、
流動が容易となることにより、以下の効果が期待でき
る。 1)転写性の向上と、成形品の外観品質の向上。 2)大型、薄肉成形品の成形が可能。 3)低圧成形が可能。 4)成形不良−ウェルドライン、フローマーク、シルバ
ーストリーク、補強材の浮上現象の解消。 また、キャビティの表面を型閉め状態で高温空気により
加熱するので、大容量の高温空気を供給して、風速を大
きくでき、熱伝達率も大きくできるので短時間でキャビ
ティ表面の温度を上昇させることができるとともに、隅
々まで均一に加熱することができる。
【0025】さらに、固定型と可動型の型閉め完了直前
に型閉め工程を一時停止して高温空気を通風させるため
射出成形機の型閉め工程を中断させる機能の有無に関わ
らず、本発明を実施することができる。
に型閉め工程を一時停止して高温空気を通風させるため
射出成形機の型閉め工程を中断させる機能の有無に関わ
らず、本発明を実施することができる。
【図1】本発明の射出成形用金型の型閉め状態の構造を
示す断面図
示す断面図
【図2】高温空気の通路が遮断された状態にある射出成
形用金型の構造を示す断面図
形用金型の構造を示す断面図
1 固定型 2 可動型 3 固定側型板 4 可動側型板 5 キャビティ 6 キャビティブロック 7 コアブロック 8、9 断熱板 10 空気断熱層 13、14 冷却孔 15、16 弁体 17、18 アクチュエーター 19 給気孔 20 排気孔 21 給気口 22 排気口 23 送風機 24 安全弁 25 切換弁 26 ヒーター 30 高温空気発生装置
Claims (2)
- 【請求項1】 高温空気発生装置に接続された給気孔と
排気孔が、固定側型板とキャビティブロックからなる固
定型と、可動側型板とコアブロックからなる可動型とが
型閉めすることで形成されるキャビティに連通されると
共に、アクチュエーターに接続され該アクチュエーター
の往復動作により摺動できる弁体が前記給気孔、前記排
気孔を開閉するように金型内に設けられていることを特
徴とする射出成形用金型。 - 【請求項2】 固定型と可動型を型閉めした状態で高温
空気発生装置から給気孔を経て高温空気をキャビティ内
へ供給し、排気孔から前記高温空気を排出することによ
り前記キャビティ表面を所定温度に加熱した後、アクチ
ュエーターに接続され、かつ前記給気孔、前記排気孔を
開閉できるように金型内に設けた弁体を前記アクチュエ
ーターの往復動作により摺動させ、前記給気孔、及び前
記排気孔を塞ぎ、次いで溶融樹脂を充填することを特徴
とする射出成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33211397A JPH11156908A (ja) | 1997-12-02 | 1997-12-02 | 射出成形用金型及び射出成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33211397A JPH11156908A (ja) | 1997-12-02 | 1997-12-02 | 射出成形用金型及び射出成形品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11156908A true JPH11156908A (ja) | 1999-06-15 |
Family
ID=18251307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33211397A Pending JPH11156908A (ja) | 1997-12-02 | 1997-12-02 | 射出成形用金型及び射出成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11156908A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007253553A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Honda Motor Co Ltd | 樹脂成形方法 |
US7452624B2 (en) | 2001-02-15 | 2008-11-18 | Panasonic Corporation | Polymer electrolyte type fuel cell |
CN101992514A (zh) * | 2009-08-19 | 2011-03-30 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 导光板成型模具 |
TWI404619B (zh) * | 2009-04-07 | 2013-08-11 | 私立中原大學 | Gas mold surface heating system |
CN112622335A (zh) * | 2020-12-01 | 2021-04-09 | 无锡双龙艺术装潢有限公司 | 一种用于建筑材料的合模退模装置 |
CN113001895A (zh) * | 2021-02-18 | 2021-06-22 | 胡可可 | 一种户外防开裂水杯注塑模具 |
CN116277767A (zh) * | 2023-04-27 | 2023-06-23 | 佛山市峡谷电子科技有限公司 | 一种塑料成型精密加工模具 |
-
1997
- 1997-12-02 JP JP33211397A patent/JPH11156908A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7452624B2 (en) | 2001-02-15 | 2008-11-18 | Panasonic Corporation | Polymer electrolyte type fuel cell |
JP2007253553A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Honda Motor Co Ltd | 樹脂成形方法 |
TWI404619B (zh) * | 2009-04-07 | 2013-08-11 | 私立中原大學 | Gas mold surface heating system |
CN101992514A (zh) * | 2009-08-19 | 2011-03-30 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 导光板成型模具 |
CN112622335A (zh) * | 2020-12-01 | 2021-04-09 | 无锡双龙艺术装潢有限公司 | 一种用于建筑材料的合模退模装置 |
CN113001895A (zh) * | 2021-02-18 | 2021-06-22 | 胡可可 | 一种户外防开裂水杯注塑模具 |
CN116277767A (zh) * | 2023-04-27 | 2023-06-23 | 佛山市峡谷电子科技有限公司 | 一种塑料成型精密加工模具 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7704423B2 (en) | Method for expansion injection molding | |
JPH08244072A (ja) | 射出成形金型及び成形方法 | |
JPH11156908A (ja) | 射出成形用金型及び射出成形品の製造方法 | |
JPH1177762A (ja) | 射出成形用金型及び射出成形品の製造方法 | |
JP3875851B2 (ja) | プリフォーム成形装置 | |
JP7091958B2 (ja) | 射出成形品の製造方法 | |
JP3603581B2 (ja) | 表皮材インサート成形方法及び装置 | |
JPH10296733A (ja) | ヒケを改善する成形方法および金型温度調節システム | |
JPH08156028A (ja) | 射出成形金型及び射出成形方法 | |
JP2003094158A (ja) | 金属射出成形機用ノズル装置 | |
KR960033703A (ko) | 중공 열가소성수지 성형체 제조용 금형 및, 그를 이용하는 중공 열가소성수지 성형체의 제조방법 | |
JPH0834038A (ja) | 射出成形金型及び成形方法 | |
JPH0939047A (ja) | 射出成形用金型、射出成形装置、および射出成形方法 | |
CN218196669U (zh) | 一种模腔内压力监控用注塑工艺模具 | |
CN219968662U (zh) | 一种iml产品的注塑模具 | |
JP3481520B2 (ja) | 射出成形用ノズル | |
CN207889049U (zh) | 一种三色注塑模具 | |
JPH10244582A (ja) | リブ形成ブロー成形方法 | |
JPH09109214A (ja) | 射出成形金型及び射出成形品の製造方法 | |
JPH053373B2 (ja) | ||
JPH06170934A (ja) | ブロー成形における金型加熱方法 | |
JPH10193392A (ja) | 射出成形機および射出成形法 | |
JPH09187845A (ja) | スプルレス成形法及び金型と成形品 | |
JP3242611B2 (ja) | 表皮材インサート成形方法及び装置 | |
JP3369962B2 (ja) | ガスアシスト成形法による樹脂製品の成形方法及び成形装置 |