JPH11141468A - 容積型流体機械 - Google Patents
容積型流体機械Info
- Publication number
- JPH11141468A JPH11141468A JP30529697A JP30529697A JPH11141468A JP H11141468 A JPH11141468 A JP H11141468A JP 30529697 A JP30529697 A JP 30529697A JP 30529697 A JP30529697 A JP 30529697A JP H11141468 A JPH11141468 A JP H11141468A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylinder
- wall
- suction
- displacer
- piston
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【課題】吐出過程の流体損失をスクロール式流体機械並
に小さくし、スクロール式流体機械よりも製作容易な容
積型流体機械を提供すること。 【解決手段】駆動軸の周りに2箇所以上の複数の作動室
が配設され、個々の作動室の吸入終了から吐出終了まで
の回転軸の回転角をほぼ360°になるように構成され
ている圧縮機に対し、ディスプレーサに働く自転モーメ
ントを受ける部位に転動体を設ける。
に小さくし、スクロール式流体機械よりも製作容易な容
積型流体機械を提供すること。 【解決手段】駆動軸の周りに2箇所以上の複数の作動室
が配設され、個々の作動室の吸入終了から吐出終了まで
の回転軸の回転角をほぼ360°になるように構成され
ている圧縮機に対し、ディスプレーサに働く自転モーメ
ントを受ける部位に転動体を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばポンプ,圧
縮機,膨張機等に係り、特に容積型流体機械に関する。
縮機,膨張機等に係り、特に容積型流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】古くから容積型の流体機械として、円筒
状のシリンダ内をピストンが往復運動を繰り返すことに
より作動流体を移動させるレシプロ式流体機械,円筒状
のシリンダ内を円筒状のピストンが偏心回転運動するこ
とにより作動流体を移動させるロータリ式(ローリング
ピストン型)流体機械,端板上に直立した渦巻状のラッ
プを有する一対の固定スクロール及び旋回スクロールを
噛み合わせ、旋回スクロールを旋回運動させることによ
り作動流体を移動させるスクロール式流体機械が知られ
ている。
状のシリンダ内をピストンが往復運動を繰り返すことに
より作動流体を移動させるレシプロ式流体機械,円筒状
のシリンダ内を円筒状のピストンが偏心回転運動するこ
とにより作動流体を移動させるロータリ式(ローリング
ピストン型)流体機械,端板上に直立した渦巻状のラッ
プを有する一対の固定スクロール及び旋回スクロールを
噛み合わせ、旋回スクロールを旋回運動させることによ
り作動流体を移動させるスクロール式流体機械が知られ
ている。
【0003】レシプロ式流体機械は、その構造が単純で
あることから製作が容易でかつ安価であるという利点が
ある反面、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で180°と短く、吐出過程の流速が速くなるた
め圧力損失の増加による性能低下という問題、及び、ピ
ストンを往復させる運動を必要とするため回転軸系の不
釣合慣性力を完全にバランスさせることができず振動や
騒音が大きいという問題がある。
あることから製作が容易でかつ安価であるという利点が
ある反面、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で180°と短く、吐出過程の流速が速くなるた
め圧力損失の増加による性能低下という問題、及び、ピ
ストンを往復させる運動を必要とするため回転軸系の不
釣合慣性力を完全にバランスさせることができず振動や
騒音が大きいという問題がある。
【0004】また、ロータリ式流体機械は、吸入終了か
ら吐出終了までの行程は回転軸の回転角で360°であ
るため吐出過程の圧力損失が増加するという問題はレシ
プロ式流体機械に比べ少ないものの、軸1回転に1回吐
出するものであるためガス圧縮トルクの変動が比較的大
きくレシプロ式流体機械同様振動と騒音の問題がある。
ら吐出終了までの行程は回転軸の回転角で360°であ
るため吐出過程の圧力損失が増加するという問題はレシ
プロ式流体機械に比べ少ないものの、軸1回転に1回吐
出するものであるためガス圧縮トルクの変動が比較的大
きくレシプロ式流体機械同様振動と騒音の問題がある。
【0005】さらに、スクロール式流体機械は、吸入終
了から吐出終了までの行程が回転軸の回転角で360°
以上と長い(空調用として実用化されているものは通常9
00°程度)ため吐出過程の圧力損失が小さく、かつ、一
般に複数の作動室が形成されるため1回転中のガス圧縮
トルクの変動も小さく振動及び騒音が小さいという利点
がある。
了から吐出終了までの行程が回転軸の回転角で360°
以上と長い(空調用として実用化されているものは通常9
00°程度)ため吐出過程の圧力損失が小さく、かつ、一
般に複数の作動室が形成されるため1回転中のガス圧縮
トルクの変動も小さく振動及び騒音が小さいという利点
がある。
【0006】しかし、ラップ噛み合い状態での渦巻状の
ラップ間のクリアランスや、端板とラップ歯先間のクリ
アランスの管理が必要で、そのために精度の高い加工を
施さねばならず加工費用が高価になるという問題があ
る。また、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で360°以上と長く、圧縮過程の期間が長けれ
ば長いほど内部漏れが増加するという問題があった。
ラップ間のクリアランスや、端板とラップ歯先間のクリ
アランスの管理が必要で、そのために精度の高い加工を
施さねばならず加工費用が高価になるという問題があ
る。また、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で360°以上と長く、圧縮過程の期間が長けれ
ば長いほど内部漏れが増加するという問題があった。
【0007】ところで、作動流体を移動させるディスプ
レーサ(旋回ピストン)が作動流体が吸入されたシリン
ダに対して相対的に自転運動せずにほぼ一定の半径で公
転運動、すなわち旋回運動することにより作動流体を搬
送する容積型機械の一種が特開昭55−23353号公報(文
献1),米国特許2112890号公報(文献2),特開平5−2
02869号公報(文献3)及び特開平6−280758号公報(文
献4)に提案されている。ここに提案されている容積型
流体機械は、複数の部材(ベーン)が中心より放射状に
延びている花びら形状を有するピストンと、このピスト
ンとほぼ相似形の中空部を有するシリンダとから構成さ
れ、このピストンがこのシリンダ内を旋回運動すること
によって、作動流体を移動させるものである。
レーサ(旋回ピストン)が作動流体が吸入されたシリン
ダに対して相対的に自転運動せずにほぼ一定の半径で公
転運動、すなわち旋回運動することにより作動流体を搬
送する容積型機械の一種が特開昭55−23353号公報(文
献1),米国特許2112890号公報(文献2),特開平5−2
02869号公報(文献3)及び特開平6−280758号公報(文
献4)に提案されている。ここに提案されている容積型
流体機械は、複数の部材(ベーン)が中心より放射状に
延びている花びら形状を有するピストンと、このピスト
ンとほぼ相似形の中空部を有するシリンダとから構成さ
れ、このピストンがこのシリンダ内を旋回運動すること
によって、作動流体を移動させるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1乃至文献4
に示された容積型流体機械は、レシプロ式のように往復
運動する部分を持たないため、回転軸系の不釣り合いを
バランスさせることができる。このため振動が小さく、
さらに、ピストンとシリンダ間の相対滑り速度が小さい
ので摩擦損失を比較的少なくできるといった特長を備え
ている。
に示された容積型流体機械は、レシプロ式のように往復
運動する部分を持たないため、回転軸系の不釣り合いを
バランスさせることができる。このため振動が小さく、
さらに、ピストンとシリンダ間の相対滑り速度が小さい
ので摩擦損失を比較的少なくできるといった特長を備え
ている。
【0009】しかしながら、個々の作動室の吸入終了か
ら吐出終了までの回転軸の回転角が小さく、作動流体の
吐出が終了してから次の(圧縮)行程が始まる(吸入終
了)までの時間的なずれ(タイムラグ)が存在している
こととなり、吸入終了から吐出終了までの作動室が回転
軸周りに偏って形成されるようになるため力学的なバラ
ンスが悪く、圧縮された作動流体からの反力としてピス
トンに、ピストン自身を回転させようとする自転モーメ
ントが過大に作用し、ベーンの摩擦や摩耗といった信頼
性上の問題が起こりやすいという欠点がある。
ら吐出終了までの回転軸の回転角が小さく、作動流体の
吐出が終了してから次の(圧縮)行程が始まる(吸入終
了)までの時間的なずれ(タイムラグ)が存在している
こととなり、吸入終了から吐出終了までの作動室が回転
軸周りに偏って形成されるようになるため力学的なバラ
ンスが悪く、圧縮された作動流体からの反力としてピス
トンに、ピストン自身を回転させようとする自転モーメ
ントが過大に作用し、ベーンの摩擦や摩耗といった信頼
性上の問題が起こりやすいという欠点がある。
【0010】本発明の目的は、旋回ピストンに働く自転
モーメントを低減し、摩擦・摩耗の問題を解決して信頼
性の高い容積型流体機械を提供することにある。
モーメントを低減し、摩擦・摩耗の問題を解決して信頼
性の高い容積型流体機械を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目標を達成するため
の手段として、以下の態様がある。
の手段として、以下の態様がある。
【0012】(1)端板間に平面形状が連続した曲線で
構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内
壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動し
たとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間
を形成するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプ
レーサの輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入
行程にある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間とな
るように前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁
曲線を形成した容積型流体機械において、前記シリンダ
内壁と前記ディスプレーサ外壁により空間を形成すると
きの接点となる前記ディスプレーサの外壁面の一部を転
動体の外周面にて形成する。
構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内
壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動し
たとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間
を形成するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプ
レーサの輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入
行程にある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間とな
るように前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁
曲線を形成した容積型流体機械において、前記シリンダ
内壁と前記ディスプレーサ外壁により空間を形成すると
きの接点となる前記ディスプレーサの外壁面の一部を転
動体の外周面にて形成する。
【0013】(2)端板間に平面形状が連続した曲線で
構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内
壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動し
たとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間
を形成するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプ
レーサの輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入
行程にある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間とな
るように前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁
曲線を形成した容積型流体機械において、前記シリンダ
内壁と前記ディスプレーサ外壁により空間を形成すると
きの接点となる前記シリンダの内壁面の一部を転動体の
外周面にて形成する。
構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内
壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動し
たとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間
を形成するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプ
レーサの輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入
行程にある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間とな
るように前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁
曲線を形成した容積型流体機械において、前記シリンダ
内壁と前記ディスプレーサ外壁により空間を形成すると
きの接点となる前記シリンダの内壁面の一部を転動体の
外周面にて形成する。
【0014】(3)端板間に平面形状が連続した曲線で
構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内
壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動し
たとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間
を形成するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプ
レーサの輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入
行程にある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間とな
るように前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁
曲線を形成した容積型流体機械において、前記シリンダ
内壁と前記ディスプレーサ外壁により空間を形成すると
きの接点となる前記ディスプレーサの外壁面の一部およ
び前記シリンダ内壁面の一部を転動体の外周面にて形成
する。
構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内
壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動し
たとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間
を形成するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプ
レーサの輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入
行程にある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間とな
るように前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁
曲線を形成した容積型流体機械において、前記シリンダ
内壁と前記ディスプレーサ外壁により空間を形成すると
きの接点となる前記ディスプレーサの外壁面の一部およ
び前記シリンダ内壁面の一部を転動体の外周面にて形成
する。
【0015】(4)端板間に平面形状が連続した曲線で
構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内
壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動し
たとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間
を形成するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプ
レーサの輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入
行程にある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間とな
るように前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁
曲線を形成した容積型流体機械において、前記シリンダ
内壁と前記ディスプレーサ外壁により空間を形成すると
きの接点となる前記ディスプレーサの外壁面または前記
シリンダの内壁面の一部を転動体の外周面にて形成し、
かつ転動体を取り付けた前記ディスプレーサの外周面ま
たは前記シリンダの内壁面に対してなじみ性の膜を形成
する表面処理を施し、前記転動体の外周面と、前記ディ
スプレーサの外周面あるいは前記シリンダの内壁面との
最小間隔tが、 0>t>−Tst (Tst:表面処理膜厚,ディスプレーサの外周面あるい
は前記シリンダの内壁面が転動体の外周面より突出する
場合をマイナス(−)とする) となる位置に転動体を取り付ける。
構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内
壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動し
たとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間
を形成するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプ
レーサの輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入
行程にある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間とな
るように前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁
曲線を形成した容積型流体機械において、前記シリンダ
内壁と前記ディスプレーサ外壁により空間を形成すると
きの接点となる前記ディスプレーサの外壁面または前記
シリンダの内壁面の一部を転動体の外周面にて形成し、
かつ転動体を取り付けた前記ディスプレーサの外周面ま
たは前記シリンダの内壁面に対してなじみ性の膜を形成
する表面処理を施し、前記転動体の外周面と、前記ディ
スプレーサの外周面あるいは前記シリンダの内壁面との
最小間隔tが、 0>t>−Tst (Tst:表面処理膜厚,ディスプレーサの外周面あるい
は前記シリンダの内壁面が転動体の外周面より突出する
場合をマイナス(−)とする) となる位置に転動体を取り付ける。
【0016】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の特徴は以下
の実施形態によりさらに明確になる。以下、本発明の一
実施の形態を図を用いて説明する。まず、本発明の一実
施形態である旋回型流体機械の構造を図1乃至図3を用
いて説明する。図1(a)は本発明の一実施形態である
容積型流体機械を圧縮機として用いた場合における密閉
型圧縮機の要部を示す縦断面図((b)のA−A断面
図)、(b)は(a)のB−B矢視で圧縮室を形成して
いる状態を示す平面図、図2は容積型圧縮要素の作動原
理図、図3は本発明の一実施形態である容積型流体機械
を圧縮機として用いた場合における密閉型圧縮機の縦断
面図である。
の実施形態によりさらに明確になる。以下、本発明の一
実施の形態を図を用いて説明する。まず、本発明の一実
施形態である旋回型流体機械の構造を図1乃至図3を用
いて説明する。図1(a)は本発明の一実施形態である
容積型流体機械を圧縮機として用いた場合における密閉
型圧縮機の要部を示す縦断面図((b)のA−A断面
図)、(b)は(a)のB−B矢視で圧縮室を形成して
いる状態を示す平面図、図2は容積型圧縮要素の作動原
理図、図3は本発明の一実施形態である容積型流体機械
を圧縮機として用いた場合における密閉型圧縮機の縦断
面図である。
【0017】図1において、密閉容器3内には、容積型
圧縮要素1及びこれを駆動する電動要素2(図示なし)
が収納されている。容積型圧縮要素1の詳細を説明す
る。図1(b)には同一輪郭形状が3組組み合わされた
3条ラップが示されている。シリンダ4の内周形状は、
中空部が120°(中心o′)毎に同一の形状が表れる
ように形成されている。この個々の中空部の端部には、
内方に向かって突出する複数(この場合は3条ラップで
あるので3つ存在する)の略円弧形状のベーン4bを有
する。旋回ピストン5は、このシリンダ4の内側に配設
されシリンダ4の内周壁4a(ベーン4bよりも曲率が
大きい部分)及びベーン4bと噛み合うように互いの中
心をεだけずらして構成されている。尚、シリンダ4の
中心o′と旋回ピストン5の中心oを一致させると、両
者の輪郭形状の間には基本形状として一定幅の隙間が形
成される。
圧縮要素1及びこれを駆動する電動要素2(図示なし)
が収納されている。容積型圧縮要素1の詳細を説明す
る。図1(b)には同一輪郭形状が3組組み合わされた
3条ラップが示されている。シリンダ4の内周形状は、
中空部が120°(中心o′)毎に同一の形状が表れる
ように形成されている。この個々の中空部の端部には、
内方に向かって突出する複数(この場合は3条ラップで
あるので3つ存在する)の略円弧形状のベーン4bを有
する。旋回ピストン5は、このシリンダ4の内側に配設
されシリンダ4の内周壁4a(ベーン4bよりも曲率が
大きい部分)及びベーン4bと噛み合うように互いの中
心をεだけずらして構成されている。尚、シリンダ4の
中心o′と旋回ピストン5の中心oを一致させると、両
者の輪郭形状の間には基本形状として一定幅の隙間が形
成される。
【0018】次に、容積型圧縮要素1の作動原理を図1
及び図2により説明する。記号oはディスプレーサであ
る旋回ピストン5の中心、記号o′はシリンダ4(ある
いは駆動軸6)の中心である。記号a,b,c,d,
e,fはシリンダ4の内周壁4a及びベーン4bと旋回
ピストン5の噛み合いの接点を表す。ここで、シリンダ
4の内周輪郭形状をみると、同じ曲線の組み合わせが3
箇所連続して滑らかに接続されている。このうちの1箇
所に着目すると、内周壁4a,ベーン4bを型作る曲線
を、厚みのある1つの渦曲線(ベーン4bの先端を渦の
巻始めと考える)とみることができ、その内壁曲線(g
−a)は、曲線を構成する各円弧角の合計である巻き角
がほぼ360°(設計思想は360°であるが製造誤差
のため丁度その値にはならないという意味である。以
下、同様。尚、この巻き角については詳細を後述する)
の渦曲線で、外壁曲線(g−b)は巻き角がほぼ360
°の渦曲線である。
及び図2により説明する。記号oはディスプレーサであ
る旋回ピストン5の中心、記号o′はシリンダ4(ある
いは駆動軸6)の中心である。記号a,b,c,d,
e,fはシリンダ4の内周壁4a及びベーン4bと旋回
ピストン5の噛み合いの接点を表す。ここで、シリンダ
4の内周輪郭形状をみると、同じ曲線の組み合わせが3
箇所連続して滑らかに接続されている。このうちの1箇
所に着目すると、内周壁4a,ベーン4bを型作る曲線
を、厚みのある1つの渦曲線(ベーン4bの先端を渦の
巻始めと考える)とみることができ、その内壁曲線(g
−a)は、曲線を構成する各円弧角の合計である巻き角
がほぼ360°(設計思想は360°であるが製造誤差
のため丁度その値にはならないという意味である。以
下、同様。尚、この巻き角については詳細を後述する)
の渦曲線で、外壁曲線(g−b)は巻き角がほぼ360
°の渦曲線である。
【0019】このように、上記1箇所の内周輪郭形状
は、内壁曲線及び外壁曲線から形成されている。これら
2つの曲線円周上にほぼ等ピッチ(3条ラップであるの
で120°)に配設し、隣合う渦巻体の外壁曲線と内壁
曲線とは円弧等の滑らかな接続曲線(b−b′)で結ぶ
ことによって、シリンダ4の内周輪郭形状全体が構成さ
れている。旋回ピストン5の外周輪郭形状も上記シリン
ダ4と同じ原理で構成されている。
は、内壁曲線及び外壁曲線から形成されている。これら
2つの曲線円周上にほぼ等ピッチ(3条ラップであるの
で120°)に配設し、隣合う渦巻体の外壁曲線と内壁
曲線とは円弧等の滑らかな接続曲線(b−b′)で結ぶ
ことによって、シリンダ4の内周輪郭形状全体が構成さ
れている。旋回ピストン5の外周輪郭形状も上記シリン
ダ4と同じ原理で構成されている。
【0020】なお、3つの曲線からなる渦巻体を円周上
にほぼ等ピッチ(120°)に配設するとしたが、これ
は後述する圧縮動作に伴う荷重を均等に分散させる目的
と製造のし易さを配慮したためで、特に、これらのこと
が問題にならない場合は、不等ピッチでもよい。
にほぼ等ピッチ(120°)に配設するとしたが、これ
は後述する圧縮動作に伴う荷重を均等に分散させる目的
と製造のし易さを配慮したためで、特に、これらのこと
が問題にならない場合は、不等ピッチでもよい。
【0021】さて、このように構成されたシリンダ4と
旋回ピストン5による圧縮動作を図2を用いて説明す
る。7aは吸入ポートであり、8aは吐出ポートであ
り、夫々3箇所対応する端板に設けられている。駆動軸
6を回転させることにより、旋回ピストン5が固定側で
あるシリンダ4の中心o′の周りを自転することなしに
旋回半径ε(=oo′)で公転運動し、旋回ピストン5
の中心o周りに複数の作動室15(シリンダ内周輪郭
(内壁)とピストン外周輪郭(側壁)とにより囲まれて
密閉された複数の空間のうち、吸入が終了し圧縮(吐
出)行程となっている空間をいう。すなわち吸入終了か
ら吐出終了までの期間となっている空間。前述の巻き角
が360゜の場合に限ると、圧縮終了時点ではこの空間
はなくなるが、その瞬間に吸入も終了するのでこの空間
を1つと勘定する。但し、ポンプとして用いる場合は、
吐出ポートを介して外部と連通している空間をいう)が
形成される(本実施の形態では常時3個の作動室)。接
点aと接点bで囲まれハッチングが施された1つの作動
室(吸入終了時点では2つに別れているが、圧縮行程が
開始されると直ぐにこの2つの作動室はつながって1つ
になる)に着目して説明する。
旋回ピストン5による圧縮動作を図2を用いて説明す
る。7aは吸入ポートであり、8aは吐出ポートであ
り、夫々3箇所対応する端板に設けられている。駆動軸
6を回転させることにより、旋回ピストン5が固定側で
あるシリンダ4の中心o′の周りを自転することなしに
旋回半径ε(=oo′)で公転運動し、旋回ピストン5
の中心o周りに複数の作動室15(シリンダ内周輪郭
(内壁)とピストン外周輪郭(側壁)とにより囲まれて
密閉された複数の空間のうち、吸入が終了し圧縮(吐
出)行程となっている空間をいう。すなわち吸入終了か
ら吐出終了までの期間となっている空間。前述の巻き角
が360゜の場合に限ると、圧縮終了時点ではこの空間
はなくなるが、その瞬間に吸入も終了するのでこの空間
を1つと勘定する。但し、ポンプとして用いる場合は、
吐出ポートを介して外部と連通している空間をいう)が
形成される(本実施の形態では常時3個の作動室)。接
点aと接点bで囲まれハッチングが施された1つの作動
室(吸入終了時点では2つに別れているが、圧縮行程が
開始されると直ぐにこの2つの作動室はつながって1つ
になる)に着目して説明する。
【0022】図2(1)が吸入ポート7aからこの作動
室への作動ガスの吸入が終了した状態である。この状態
から90°駆動軸6が回転した状態が図2(2)で、回
転が進み最初から180°回転した状態が図2(3)
で、さらに回転が進み最初から270°回転した状態が
図2(4)である。図2(4)から90°回転すると最
初の図2(1)の状態に戻る。これより、回転が進むに
従って作動室15はその容積を縮少し、吐出ポート8a
は吐出弁9(図1に示す)で閉じられているため作動流
体の圧縮作用が行われることになる。
室への作動ガスの吸入が終了した状態である。この状態
から90°駆動軸6が回転した状態が図2(2)で、回
転が進み最初から180°回転した状態が図2(3)
で、さらに回転が進み最初から270°回転した状態が
図2(4)である。図2(4)から90°回転すると最
初の図2(1)の状態に戻る。これより、回転が進むに
従って作動室15はその容積を縮少し、吐出ポート8a
は吐出弁9(図1に示す)で閉じられているため作動流
体の圧縮作用が行われることになる。
【0023】そして、作動室15内の圧力が外部の吐出
圧力よりも高くなると圧力差で吐出弁9が自動的に開
き、圧縮された作動ガスは吐出ポート8aを通って吐き
出される。吸入終了(圧縮開始)から、吐出終了までの
回転軸の回転角は360°で、圧縮,吐出の各行程が実
施されている間に次の吸入行程が準備されており、吐出
終了時が次の圧縮開始となる。例えば、接点aとdによ
って形成される空間に着目すると、図2(1)の段階で
既に吸入ポート7aから吸入が開始されており、回転が
進むにつれてその容積が増し、図2(4)の状態になる
と、この空間は分断される。この分断された量に相当す
る流体は接点bとeによって形成される空間から補われ
る。
圧力よりも高くなると圧力差で吐出弁9が自動的に開
き、圧縮された作動ガスは吐出ポート8aを通って吐き
出される。吸入終了(圧縮開始)から、吐出終了までの
回転軸の回転角は360°で、圧縮,吐出の各行程が実
施されている間に次の吸入行程が準備されており、吐出
終了時が次の圧縮開始となる。例えば、接点aとdによ
って形成される空間に着目すると、図2(1)の段階で
既に吸入ポート7aから吸入が開始されており、回転が
進むにつれてその容積が増し、図2(4)の状態になる
と、この空間は分断される。この分断された量に相当す
る流体は接点bとeによって形成される空間から補われ
る。
【0024】この補われ方について詳述する。図2
(1)の状態の接点aとbとにより形成された作動室の
隣の接点aとdによって形成された空間は吸入が始まっ
ている。この空間は、一旦図2(3)に示されるように
広がった後、図2(4)になると分断される。従って、
接点aとdによって形成された空間の全ての流体が接点
aとbによって形成される空間で圧縮される訳ではな
い。分断されて接点aとdによって形成された空間に取
り込まれなかった流体体積と同量の流体は、図2(4)に
おいて吸入過程にある接点bとeによって形成される空
間が、図2(1)に示されるように分断されて、吐出ポ
ート付近の接点eと接点bとにより形成される空間に流
入している流体によって充当される。
(1)の状態の接点aとbとにより形成された作動室の
隣の接点aとdによって形成された空間は吸入が始まっ
ている。この空間は、一旦図2(3)に示されるように
広がった後、図2(4)になると分断される。従って、
接点aとdによって形成された空間の全ての流体が接点
aとbによって形成される空間で圧縮される訳ではな
い。分断されて接点aとdによって形成された空間に取
り込まれなかった流体体積と同量の流体は、図2(4)に
おいて吸入過程にある接点bとeによって形成される空
間が、図2(1)に示されるように分断されて、吐出ポ
ート付近の接点eと接点bとにより形成される空間に流
入している流体によって充当される。
【0025】これは、前述したように、各ラップを均等
ピッチで配置したことによる。即ち、旋回ピストンおよ
びシリンダの形状が同一輪郭形状の繰返しにより形成さ
れているため、いずれの作動室も異なる空間から流体を
得てもほぼ同量の流体を圧縮することができるのであ
る。なお、不均等ピッチであっても各空間に形成される
容積が等しくなるように加工を施すことは可能であるが
製作性が悪い。前出のいずれの従来技術においても吸込
過程にある空間が閉じられて内部の流体がそのまま圧縮
され吐出されるのに対して、このように作動室に隣合う
吸入過程にある空間が分断されて圧縮動作を行うことは
本実施形態の特徴の1つである。
ピッチで配置したことによる。即ち、旋回ピストンおよ
びシリンダの形状が同一輪郭形状の繰返しにより形成さ
れているため、いずれの作動室も異なる空間から流体を
得てもほぼ同量の流体を圧縮することができるのであ
る。なお、不均等ピッチであっても各空間に形成される
容積が等しくなるように加工を施すことは可能であるが
製作性が悪い。前出のいずれの従来技術においても吸込
過程にある空間が閉じられて内部の流体がそのまま圧縮
され吐出されるのに対して、このように作動室に隣合う
吸入過程にある空間が分断されて圧縮動作を行うことは
本実施形態の特徴の1つである。
【0026】以上説明したように、連続的な圧縮動作と
なる作動室が旋回ピストン5の中心部に位置する駆動軸
受5aの周りにほぼ等ピッチで分散して配設され、各作
動室は各々位相がずれて圧縮が行われる。すなわち、1
つの空間に着目すると吸入から吐出までは回転軸の回転
角で360°ではあるが、本実施形態の場合3個の作動
室が形成され、これらが120°ずれた位相で吐出をす
るので、流体である冷媒を圧縮する圧縮機として動作さ
せた場合、回転軸の回転角で360°間に3回冷媒を吐
出することになる。
なる作動室が旋回ピストン5の中心部に位置する駆動軸
受5aの周りにほぼ等ピッチで分散して配設され、各作
動室は各々位相がずれて圧縮が行われる。すなわち、1
つの空間に着目すると吸入から吐出までは回転軸の回転
角で360°ではあるが、本実施形態の場合3個の作動
室が形成され、これらが120°ずれた位相で吐出をす
るので、流体である冷媒を圧縮する圧縮機として動作さ
せた場合、回転軸の回転角で360°間に3回冷媒を吐
出することになる。
【0027】さて、圧縮動作を終了した瞬間の空間(接
点aとbによって囲まれた空間)を1つの空間として見
做すと、本実施形態の如く巻き角が360゜の場合、い
ずれの圧縮機動作状態においても、吸入行程となってい
る空間と圧縮行程となっている空間とが交互になるよう
に設計されており、このため、圧縮行程が終了した瞬間
直ちに次の圧縮行程に移行することができ、滑らかで連
続的に流体を圧縮することができる。
点aとbによって囲まれた空間)を1つの空間として見
做すと、本実施形態の如く巻き角が360゜の場合、い
ずれの圧縮機動作状態においても、吸入行程となってい
る空間と圧縮行程となっている空間とが交互になるよう
に設計されており、このため、圧縮行程が終了した瞬間
直ちに次の圧縮行程に移行することができ、滑らかで連
続的に流体を圧縮することができる。
【0028】次に、このような形状をした容積(旋回)
型圧縮要素1を組み込んだ圧縮機を図1及び図3を用い
て説明する。図3において、旋回型圧縮要素1は、上記
詳述したシリンダ4及び旋回ピストン5に加えて、旋回
ピストン5の中心部の軸受にクランク部6aが嵌合して
旋回ピストン5を駆動する駆動軸6,前記シリンダ4の
両端開口部を閉塞する端板と駆動軸6を軸支する軸受を
兼ねた主軸受7と副軸受8,前記主軸受7の端板に形成
された吸入ポート7a,前記副軸受8の端板に形成され
た吐出ポート8a、この吐出ポート8aを差圧で開閉す
る吐出弁9を有する。但し吐出弁9はリード弁形式でも
よい。5bは旋回ピストン5に形成された貫通穴であ
る。また、10は主軸受7に取り付けられた吸入カバ
ー、11は副軸受8に一体的に吐出室8bを形成するた
めの吐出カバーである。
型圧縮要素1を組み込んだ圧縮機を図1及び図3を用い
て説明する。図3において、旋回型圧縮要素1は、上記
詳述したシリンダ4及び旋回ピストン5に加えて、旋回
ピストン5の中心部の軸受にクランク部6aが嵌合して
旋回ピストン5を駆動する駆動軸6,前記シリンダ4の
両端開口部を閉塞する端板と駆動軸6を軸支する軸受を
兼ねた主軸受7と副軸受8,前記主軸受7の端板に形成
された吸入ポート7a,前記副軸受8の端板に形成され
た吐出ポート8a、この吐出ポート8aを差圧で開閉す
る吐出弁9を有する。但し吐出弁9はリード弁形式でも
よい。5bは旋回ピストン5に形成された貫通穴であ
る。また、10は主軸受7に取り付けられた吸入カバ
ー、11は副軸受8に一体的に吐出室8bを形成するた
めの吐出カバーである。
【0029】電動要素2は、固定子2aと回転子2bか
らなり、回転子2bは駆動軸6に焼き嵌め等で固定され
ている。この電動要素2は、電動機効率向上のため、ブ
ラシレスモータで構成され、3相インバータにより駆動
制御される。ただし、2は他の電動機形式、例えば、直
流電動機や誘導電動機でも差し支えない。
らなり、回転子2bは駆動軸6に焼き嵌め等で固定され
ている。この電動要素2は、電動機効率向上のため、ブ
ラシレスモータで構成され、3相インバータにより駆動
制御される。ただし、2は他の電動機形式、例えば、直
流電動機や誘導電動機でも差し支えない。
【0030】12は密閉容器3の内の底部に溜められた
潤滑油で、この中に駆動軸6の下端部が浸かっている。
13は吸入パイプ、14は吐出パイプ、15はシリンダ
4の内周壁4a及びベーン4bと旋回ピストン5の噛み
合いによって形成される前述した作動室である。また、
吐出室8bはOリング等のシール部材16により密閉容
器3内の圧力と区画されている。
潤滑油で、この中に駆動軸6の下端部が浸かっている。
13は吸入パイプ、14は吐出パイプ、15はシリンダ
4の内周壁4a及びベーン4bと旋回ピストン5の噛み
合いによって形成される前述した作動室である。また、
吐出室8bはOリング等のシール部材16により密閉容
器3内の圧力と区画されている。
【0031】本実施形態における容積型流体機械を空調
用圧縮機として利用した場合、その作動ガス(冷媒ガ
ス)の流れを図1により説明する。図中に矢印で示すよ
うに、吸入パイプ13を通って密閉容器3に入った作動
ガスは、主軸受7に取り付けられた吸入カバー10内に
入り、吸入ポート7aを通って容積型圧縮要素1に入
り、ここで駆動軸6の回転によって旋回ピストン5が旋
回運動を行い作動室の容積が縮少することにより圧縮さ
れる。圧縮された作動ガスは、副軸受8の端板に形成さ
れた吐出ポート8aを通り吐出弁9を押し上げて吐出室
8b内に入り、吐出パイプ14を通って外部に流出す
る。尚、吸入パイプ13と吸入カバー10との間に隙間
が形成されている理由は、作動ガスを電動機要素2内に
も流通させることによって電動機要素を冷却するためで
ある。
用圧縮機として利用した場合、その作動ガス(冷媒ガ
ス)の流れを図1により説明する。図中に矢印で示すよ
うに、吸入パイプ13を通って密閉容器3に入った作動
ガスは、主軸受7に取り付けられた吸入カバー10内に
入り、吸入ポート7aを通って容積型圧縮要素1に入
り、ここで駆動軸6の回転によって旋回ピストン5が旋
回運動を行い作動室の容積が縮少することにより圧縮さ
れる。圧縮された作動ガスは、副軸受8の端板に形成さ
れた吐出ポート8aを通り吐出弁9を押し上げて吐出室
8b内に入り、吐出パイプ14を通って外部に流出す
る。尚、吸入パイプ13と吸入カバー10との間に隙間
が形成されている理由は、作動ガスを電動機要素2内に
も流通させることによって電動機要素を冷却するためで
ある。
【0032】内部に溜められた潤滑油は、差圧や遠心ポ
ンプ給油によって底部から駆動軸内部に設けられた穴を
通って、各摺動部に送られ潤滑する。この一部は作動室
内部にも隙間を通って供給される。
ンプ給油によって底部から駆動軸内部に設けられた穴を
通って、各摺動部に送られ潤滑する。この一部は作動室
内部にも隙間を通って供給される。
【0033】ここで、本発明の容積型圧縮要素1を構成
する主要部品である旋回ピストン5及びシリンダ4の輪
郭形状の構成方法の一例を図4乃至図6を用いて説明す
る(3条ラップの場合を例に挙げる)。図4(a)(b)
は、一例として平面形状が円弧の組み合わせにより構成
された旋回ピストンの形状の一例で、(a)は平面図、
(b)は側面図である。図5(a)(b)は、図4に示し
た旋回ピストンの対となって噛み合うシリンダ形状の一
例で、(a)は平面図、(b)は側面図である。また、
図6は、図4に示した旋回ピストンの中心oと図5に示
したシリンダの中心o′とを重ねてピストンとシリンダ
の壁面の一部分を描いた図である。
する主要部品である旋回ピストン5及びシリンダ4の輪
郭形状の構成方法の一例を図4乃至図6を用いて説明す
る(3条ラップの場合を例に挙げる)。図4(a)(b)
は、一例として平面形状が円弧の組み合わせにより構成
された旋回ピストンの形状の一例で、(a)は平面図、
(b)は側面図である。図5(a)(b)は、図4に示し
た旋回ピストンの対となって噛み合うシリンダ形状の一
例で、(a)は平面図、(b)は側面図である。また、
図6は、図4に示した旋回ピストンの中心oと図5に示
したシリンダの中心o′とを重ねてピストンとシリンダ
の壁面の一部分を描いた図である。
【0034】図4(a)において、旋回ピストンの平面
形状は中心o(正三角形IJKの図心)の周りに同一の
輪郭形状が3箇所連続して接続されている。その輪郭形
状は、半径R1から半径R7までの全部で7つの円弧で
形成されており、点p,q,r,s,t,u,v,wは
夫々異なる半径の円弧の接続点である。曲線pqは、正
三角形の一辺IJ上に中心を持つ半径R1の円弧、ここ
で、点pは頂点IよりR7の距離にある。曲線qrは接
点qと半径R1の中心を結ぶ直線の延長線上に中心を持
つ半径R2の円弧、曲線rsは接点rと半径R2の中心
を結ぶ直線上に中心を持つ半径R3の円弧、曲線stは
同様に接点sと半径R3の中心を結ぶ直線の延長線上に
中心を持つ半径R4の円弧である。
形状は中心o(正三角形IJKの図心)の周りに同一の
輪郭形状が3箇所連続して接続されている。その輪郭形
状は、半径R1から半径R7までの全部で7つの円弧で
形成されており、点p,q,r,s,t,u,v,wは
夫々異なる半径の円弧の接続点である。曲線pqは、正
三角形の一辺IJ上に中心を持つ半径R1の円弧、ここ
で、点pは頂点IよりR7の距離にある。曲線qrは接
点qと半径R1の中心を結ぶ直線の延長線上に中心を持
つ半径R2の円弧、曲線rsは接点rと半径R2の中心
を結ぶ直線上に中心を持つ半径R3の円弧、曲線stは
同様に接点sと半径R3の中心を結ぶ直線の延長線上に
中心を持つ半径R4の円弧である。
【0035】曲線tuは接点tと半径R4の中心を結ぶ
直線の延長線上に中心を持つ半径R5の円弧、曲線uv
は接点uと半径R5の中心を結ぶ直線の延長線上の図心
oを中心とする半径R6の円弧、曲線vwは接点vと半
径R6の中心(図心o)を結ぶ直線上の頂点Jを中心と
する半径R7の円弧である。尚、半径R1,R2,R
3,R4,R5,R6の夫々の円弧の角度は接点におい
て滑らかに接続する(接点での接線の傾きが同一)とい
う条件により決められる。
直線の延長線上に中心を持つ半径R5の円弧、曲線uv
は接点uと半径R5の中心を結ぶ直線の延長線上の図心
oを中心とする半径R6の円弧、曲線vwは接点vと半
径R6の中心(図心o)を結ぶ直線上の頂点Jを中心と
する半径R7の円弧である。尚、半径R1,R2,R
3,R4,R5,R6の夫々の円弧の角度は接点におい
て滑らかに接続する(接点での接線の傾きが同一)とい
う条件により決められる。
【0036】点pから点wに至る輪郭形状を図心oを中
心に反時計周りに120°回転させると点wに点pが重
なり、さらに120°回転させると全周の輪郭形状が完
成する。これにより旋回ピストンの平面形状が得られ、
厚みhを与えることによって旋回ピストンが構成され
る。
心に反時計周りに120°回転させると点wに点pが重
なり、さらに120°回転させると全周の輪郭形状が完
成する。これにより旋回ピストンの平面形状が得られ、
厚みhを与えることによって旋回ピストンが構成され
る。
【0037】旋回ピストンの平面形状が決まると、この
旋回ピストンが旋回半径εで旋回運動したときにこれに
噛み合うシリンダの輪郭形状は、図6に示されるように
旋回ピストンの輪郭形状を構成する曲線の外側の法線距
離がεのオフセット曲線となる。
旋回ピストンが旋回半径εで旋回運動したときにこれに
噛み合うシリンダの輪郭形状は、図6に示されるように
旋回ピストンの輪郭形状を構成する曲線の外側の法線距
離がεのオフセット曲線となる。
【0038】図5によりシリンダの輪郭形状を説明す
る。三角形IJKは図4と同一の正三角形である。輪郭
形状は、旋回ピストンと同様に全部で7つの円弧で形成
されており、点p′,q′,r′,s′,t′,u′,
v′,w′は夫々異なる半径の円弧の接続点である。曲
線p′q′は、正三角形の一辺IK上に中心を持つ半径
(R1−ε)の円弧、ここで、点p′は頂点Iより(R
7+ε)の距離にある。曲線q′r′は接点q′と半径
(R1−ε)の中心を結ぶ直線の延長線上に中心を持つ
半径(R2−ε)の円弧、曲線r′s′は接点r′と半
径(R2−ε)の中心を結ぶ直線上に中心を持つ半径
(R3−ε)の円弧、曲線s′t′は同様にs′と半径
(R3−ε)の中心を結ぶ直線上に中心を持つ半径(R
4+ε)の円弧である。
る。三角形IJKは図4と同一の正三角形である。輪郭
形状は、旋回ピストンと同様に全部で7つの円弧で形成
されており、点p′,q′,r′,s′,t′,u′,
v′,w′は夫々異なる半径の円弧の接続点である。曲
線p′q′は、正三角形の一辺IK上に中心を持つ半径
(R1−ε)の円弧、ここで、点p′は頂点Iより(R
7+ε)の距離にある。曲線q′r′は接点q′と半径
(R1−ε)の中心を結ぶ直線の延長線上に中心を持つ
半径(R2−ε)の円弧、曲線r′s′は接点r′と半
径(R2−ε)の中心を結ぶ直線上に中心を持つ半径
(R3−ε)の円弧、曲線s′t′は同様にs′と半径
(R3−ε)の中心を結ぶ直線上に中心を持つ半径(R
4+ε)の円弧である。
【0039】曲線t′u′は接点t′と半径(R4+
ε)の中心を結ぶ直線の延長線上に中心を持つ半径(R
5+ε)の円弧、曲線u′v′は接点u′と半径(R5
+ε)の中心を結ぶ直線の延長線上の図心o′を中心と
する半径(R6+ε)の円弧、曲線v′w′は接点v′
と半径(R6+ε)の中心(図心o′)を結ぶ直線上の
頂点Jを中心とする半径(R7+ε)の円弧である。
尚、半径(R1−ε),(R2−ε),(R3−ε),
(R4+ε),(R5+ε),(R6+ε)の夫々の円弧
の角度は旋回ピストン同様、夫々の接点において滑らか
に接続する(接点での接線の傾きが同一)という条件に
より決められる。
ε)の中心を結ぶ直線の延長線上に中心を持つ半径(R
5+ε)の円弧、曲線u′v′は接点u′と半径(R5
+ε)の中心を結ぶ直線の延長線上の図心o′を中心と
する半径(R6+ε)の円弧、曲線v′w′は接点v′
と半径(R6+ε)の中心(図心o′)を結ぶ直線上の
頂点Jを中心とする半径(R7+ε)の円弧である。
尚、半径(R1−ε),(R2−ε),(R3−ε),
(R4+ε),(R5+ε),(R6+ε)の夫々の円弧
の角度は旋回ピストン同様、夫々の接点において滑らか
に接続する(接点での接線の傾きが同一)という条件に
より決められる。
【0040】点p′から点w′に至る輪郭形状を図心
o′を中心反時計周りに120°回転させると点w′に
点p′が一致し、さらに120°回転させると全周の輪
郭形状が完成する。これによりシリンダの平面形状が得
られる。シリンダの厚みHは、旋回ピストンの厚みhよ
りわずかに厚くなっている。
o′を中心反時計周りに120°回転させると点w′に
点p′が一致し、さらに120°回転させると全周の輪
郭形状が完成する。これによりシリンダの平面形状が得
られる。シリンダの厚みHは、旋回ピストンの厚みhよ
りわずかに厚くなっている。
【0041】図6は旋回ピストンの中心oとシリンダの
中心o′を重ねその一部を表した図である。旋回ピスト
ンとシリンダとの間に形成される隙間は旋回半径に等し
いεとなるようにしている。尚、この隙間は、全周にお
いてεであることが望ましいが、旋回ピストンの外周輪
郭とシリンダの内周輪郭とにより形成される作動室が正
常な動作をする範囲において、何らかの理由によって、
この関係が崩れる箇所があっても差し支えない。
中心o′を重ねその一部を表した図である。旋回ピスト
ンとシリンダとの間に形成される隙間は旋回半径に等し
いεとなるようにしている。尚、この隙間は、全周にお
いてεであることが望ましいが、旋回ピストンの外周輪
郭とシリンダの内周輪郭とにより形成される作動室が正
常な動作をする範囲において、何らかの理由によって、
この関係が崩れる箇所があっても差し支えない。
【0042】尚、ここでは旋回ピストン外壁及びシリン
ダ内壁の輪郭形状の構成方法として複数円弧の組み合わ
せによる方法を説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく任意の(n次式で表される曲線等)曲線の
組み合わせによっても同様の輪郭形状を構成することが
できる。
ダ内壁の輪郭形状の構成方法として複数円弧の組み合わ
せによる方法を説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく任意の(n次式で表される曲線等)曲線の
組み合わせによっても同様の輪郭形状を構成することが
できる。
【0043】図1乃至図6にて説明した一実施形態の作
用効果を以下説明する。図7は、吸入終了時からの回転
軸の回転角θを横軸にとって本発明における作動室の容
積変化特性(吸入容積Vsと作動室容積Vの比で表す)
を他形式の圧縮機と比較して示す。これより本実施形態
に係る容積型圧縮要素1の容積変化特性は、吐出開始容
積比0.37の空調機の一種の運転条件(例えば作動ガス
がフロンHCFC22の場合、吸入圧力Ps=0.64
MPa,吐出圧力Pd=2.07MPa)で比べて見る
と、圧縮過程はレシプロ式とほぼ同等で、短時間に圧縮
過程が終了するため作動ガスの漏れが低減され、圧縮機
の能力及び効率を向上することができる。一方、吐出過
程はロータリ式(ローリングピストン型)よりも約50
%長くなり、吐出流速が遅くなるため圧力損失が低減さ
れ、吐出過程の流体損失(過圧縮損失)を大幅に低減し
て性能向上を図ることができる。
用効果を以下説明する。図7は、吸入終了時からの回転
軸の回転角θを横軸にとって本発明における作動室の容
積変化特性(吸入容積Vsと作動室容積Vの比で表す)
を他形式の圧縮機と比較して示す。これより本実施形態
に係る容積型圧縮要素1の容積変化特性は、吐出開始容
積比0.37の空調機の一種の運転条件(例えば作動ガス
がフロンHCFC22の場合、吸入圧力Ps=0.64
MPa,吐出圧力Pd=2.07MPa)で比べて見る
と、圧縮過程はレシプロ式とほぼ同等で、短時間に圧縮
過程が終了するため作動ガスの漏れが低減され、圧縮機
の能力及び効率を向上することができる。一方、吐出過
程はロータリ式(ローリングピストン型)よりも約50
%長くなり、吐出流速が遅くなるため圧力損失が低減さ
れ、吐出過程の流体損失(過圧縮損失)を大幅に低減し
て性能向上を図ることができる。
【0044】図8は、本実施形態における回転軸1回転
中の仕事量の変化、すなわちガス圧縮トルクTの変化を
他形式の圧縮機と比較して示す(ここに、Tmは平均ト
ルクである)。これより本発明の容積型圧縮要素1のト
ルク変動はロータリ式の約1/10と非常に小さく、ス
クロール式と同等だが、スクロール式のオルダムリング
のような旋回スクロール自転防止のために往復摺動する
機構をもたないため、回転軸系の慣性バランスがとれた
圧縮機の振動・騒音を低減することができる。
中の仕事量の変化、すなわちガス圧縮トルクTの変化を
他形式の圧縮機と比較して示す(ここに、Tmは平均ト
ルクである)。これより本発明の容積型圧縮要素1のト
ルク変動はロータリ式の約1/10と非常に小さく、ス
クロール式と同等だが、スクロール式のオルダムリング
のような旋回スクロール自転防止のために往復摺動する
機構をもたないため、回転軸系の慣性バランスがとれた
圧縮機の振動・騒音を低減することができる。
【0045】また、図4に示すように輪郭線はスクロー
ル式のような長い渦巻き形状でないため、加工時間の短
縮,コスト低減が図れるとともに、渦巻き形状を保持す
るための端板(鏡板)がないので、治具を貫通させて加
工することができなかったスクロール式に比べてロータ
リ式並の加工で製作することができる。
ル式のような長い渦巻き形状でないため、加工時間の短
縮,コスト低減が図れるとともに、渦巻き形状を保持す
るための端板(鏡板)がないので、治具を貫通させて加
工することができなかったスクロール式に比べてロータ
リ式並の加工で製作することができる。
【0046】さらに、ガス圧によるスラスト荷重は旋回
ピストンに作用しないので、スクロール圧縮機に見られ
るような圧縮機の性能に重要な影響をおよぼす軸方向ク
リアランスの管理もしやすくなるため性能向上が図れ
る。さらに、計算の結果、同一容積,同一外径のスクロ
ール圧縮機と比較すると、厚みを薄くすることができ、
圧縮機の小型,軽量化にも寄与することができる。
ピストンに作用しないので、スクロール圧縮機に見られ
るような圧縮機の性能に重要な影響をおよぼす軸方向ク
リアランスの管理もしやすくなるため性能向上が図れ
る。さらに、計算の結果、同一容積,同一外径のスクロ
ール圧縮機と比較すると、厚みを薄くすることができ、
圧縮機の小型,軽量化にも寄与することができる。
【0047】次に前述の巻き角と吸入終了から吐出終了
までの回転軸の回転角θcとの関係について説明する。
前述の一実施形態では巻き角を360゜として説明した
が、巻き角を変えることによって回転軸の回転角θcを
変えることも可能である。例えば、図2では、巻き角が
360゜であるので、吸入終了から吐出終了までの回転
軸の回転角θcが360゜で元の状態に戻る。この巻き
角を360°よりも小さくすることによって吸入終了か
ら吐出終了までの回転軸の回転角θcを小さくする場
合、吐出ポートと吸入ポートが連通する状態が生じ、吐
出ポート内の流体の膨張作用で一旦吸入された流体が逆
流するといった問題が起こる。
までの回転軸の回転角θcとの関係について説明する。
前述の一実施形態では巻き角を360゜として説明した
が、巻き角を変えることによって回転軸の回転角θcを
変えることも可能である。例えば、図2では、巻き角が
360゜であるので、吸入終了から吐出終了までの回転
軸の回転角θcが360゜で元の状態に戻る。この巻き
角を360°よりも小さくすることによって吸入終了か
ら吐出終了までの回転軸の回転角θcを小さくする場
合、吐出ポートと吸入ポートが連通する状態が生じ、吐
出ポート内の流体の膨張作用で一旦吸入された流体が逆
流するといった問題が起こる。
【0048】巻き角を360°よりも大きくすると回転
軸の回転角も360゜より大きくなり、吸入終了から吐
出ポートのある空間に連通するまでの間に大きさの異な
る2つの作動室が形成される。これを圧縮機として用い
たとき、これら2つの作動室の圧力上昇が各々異なるた
めに両者合流時に不可逆的な混合ロスが生じ、圧縮動力
の増加になる。また、液体ポンプとして用いようとして
も、吐出ポートに連通しない作動室が形成されることか
らポンプとしては適用しにくくなる。このため、巻き角
は許容される精度の範囲内において極力360°が望ま
しいといえる。
軸の回転角も360゜より大きくなり、吸入終了から吐
出ポートのある空間に連通するまでの間に大きさの異な
る2つの作動室が形成される。これを圧縮機として用い
たとき、これら2つの作動室の圧力上昇が各々異なるた
めに両者合流時に不可逆的な混合ロスが生じ、圧縮動力
の増加になる。また、液体ポンプとして用いようとして
も、吐出ポートに連通しない作動室が形成されることか
らポンプとしては適用しにくくなる。このため、巻き角
は許容される精度の範囲内において極力360°が望ま
しいといえる。
【0049】前述の特開昭55−23353 号公報(文献1)
に記載の流体機械における圧縮行程の回転軸の回転角θ
cは、θc=180゜であり、特開平5−202869 号公報
(文献3)及び特開平6−280758 号公報(文献4)に記
載の流体機械における圧縮行程の回転軸の回転角θc
は、θc=210゜である。作動流体の吐出が終了して
から次の圧縮行程が始まる(吸入終了)までの期間は、
文献1においては回転軸の回転角θcで180゜、文献
3及び文献4においては150゜である。
に記載の流体機械における圧縮行程の回転軸の回転角θ
cは、θc=180゜であり、特開平5−202869 号公報
(文献3)及び特開平6−280758 号公報(文献4)に記
載の流体機械における圧縮行程の回転軸の回転角θc
は、θc=210゜である。作動流体の吐出が終了して
から次の圧縮行程が始まる(吸入終了)までの期間は、
文献1においては回転軸の回転角θcで180゜、文献
3及び文献4においては150゜である。
【0050】圧縮行程の回転軸の回転角θcが210゜
の場合における軸の1回転中の各作動室(符号I,II,
III ,IVで示す)の圧縮行程線図を図9(a)に示す。
但し、条数N=4である。回転軸の回転角θcが360
゜内には4個の作動室が形成されるが、ある角度におい
て同時に形成される作動室数nは、n=2あるいは3と
なっている。同時に形成される作動室数の最大値は条数
よりも少ない3である。
の場合における軸の1回転中の各作動室(符号I,II,
III ,IVで示す)の圧縮行程線図を図9(a)に示す。
但し、条数N=4である。回転軸の回転角θcが360
゜内には4個の作動室が形成されるが、ある角度におい
て同時に形成される作動室数nは、n=2あるいは3と
なっている。同時に形成される作動室数の最大値は条数
よりも少ない3である。
【0051】同様に条数N=3であり、圧縮行程の回転
軸の回転角θcが210゜の場合を図10(a)に示
す。この場合も同時に形成される作動室数nは、n=1
あるいは2であり、同時に形成される作動室数の最大値
は条数よりも少ない2である。
軸の回転角θcが210゜の場合を図10(a)に示
す。この場合も同時に形成される作動室数nは、n=1
あるいは2であり、同時に形成される作動室数の最大値
は条数よりも少ない2である。
【0052】このような状態では、作動室が駆動軸の周
りに偏って形成されるため、力学的アンバランスが発生
し、旋回ピストンに働く自転モーメントが過大になり、
旋回ピストンとシリンダとの接触荷重が増大し機械摩擦
損失の増加による性能低下やベーンの摩耗による信頼性
低下の問題がある。
りに偏って形成されるため、力学的アンバランスが発生
し、旋回ピストンに働く自転モーメントが過大になり、
旋回ピストンとシリンダとの接触荷重が増大し機械摩擦
損失の増加による性能低下やベーンの摩耗による信頼性
低下の問題がある。
【0053】この問題を解決するため、本実施の形態で
は、吸入終了から吐出終了までの(圧縮行程という場合
あり)回転軸の回転角θcが、
は、吸入終了から吐出終了までの(圧縮行程という場合
あり)回転軸の回転角θcが、
【0054】
【数1】 (((N−1)/N)・360゜)<θc≦360゜ …(数1) を満たすように、旋回ピストンの外周輪郭形状及びシリ
ンダの内周輪郭形状を形成している。
ンダの内周輪郭形状を形成している。
【0055】換言すると、前述の巻き角が数式1の範囲
になっている。図9(b)を参照すると、圧縮行程の回転
軸の回転角θcが、270゜より大きくなっており、同
時に形成される作動室数nは、n=3あるいは4とな
り、作動室数の最大値は4である。この値は、条数N
(=4)に一致する。また、図10(b)では、圧縮行程
の回転軸の回転角θcが、240゜より大きくなってお
り、同時に形成される作動室数nは、n=2あるいは3
となり、作動室数の最大値は3である。この値は、条数
N(=3)と一致する。
になっている。図9(b)を参照すると、圧縮行程の回転
軸の回転角θcが、270゜より大きくなっており、同
時に形成される作動室数nは、n=3あるいは4とな
り、作動室数の最大値は4である。この値は、条数N
(=4)に一致する。また、図10(b)では、圧縮行程
の回転軸の回転角θcが、240゜より大きくなってお
り、同時に形成される作動室数nは、n=2あるいは3
となり、作動室数の最大値は3である。この値は、条数
N(=3)と一致する。
【0056】このように圧縮行程の回転軸の回転角θc
の下限値を数式1の左辺の値よりも大きくすることによ
り、作動室数の最大値が条数N以上となり、作動室が駆
動軸の周りに分散して配置されるようになるため、力学
的なバランスがよくなり、旋回ピストンに働く自転モー
メントが低減され、旋回ピストンとシリンダとの接触荷
重も低減され機械摩擦損失の低減による性能向上と共に
接触部の信頼性を向上することができる。
の下限値を数式1の左辺の値よりも大きくすることによ
り、作動室数の最大値が条数N以上となり、作動室が駆
動軸の周りに分散して配置されるようになるため、力学
的なバランスがよくなり、旋回ピストンに働く自転モー
メントが低減され、旋回ピストンとシリンダとの接触荷
重も低減され機械摩擦損失の低減による性能向上と共に
接触部の信頼性を向上することができる。
【0057】一方、圧縮行程の回転軸の回転角θcの上
限は数式1によると360゜となっている。この圧縮行
程の回転軸の回転角θcの上限は360゜である。前述
したように、作動流体の吐出が終了してから次の圧縮行
程が始まる(吸入終了)までのタイムラグを0にするこ
とができ、θc<360゜の場合に起こる隙間容積内の
ガスの再膨張による吸入効率の低下を防止することがで
きると共に、θc>360゜の場合に起こる2つの作動
室の圧力上昇が異なるために両者合流時に発生する不可
逆的な混合ロスを防止することができる。後者について
図11を用いて説明する。
限は数式1によると360゜となっている。この圧縮行
程の回転軸の回転角θcの上限は360゜である。前述
したように、作動流体の吐出が終了してから次の圧縮行
程が始まる(吸入終了)までのタイムラグを0にするこ
とができ、θc<360゜の場合に起こる隙間容積内の
ガスの再膨張による吸入効率の低下を防止することがで
きると共に、θc>360゜の場合に起こる2つの作動
室の圧力上昇が異なるために両者合流時に発生する不可
逆的な混合ロスを防止することができる。後者について
図11を用いて説明する。
【0058】圧縮行程が回転軸の回転角θcで375゜
となる容積型流体機械を図11に示す。図11(a)
は、図中2つの作動室15aと15bの吸入が終了した
状態である。このとき2つの作動室15aと15bの圧
力は吸入圧力Psで両者等しくなっている。吐出口8a
は作動室15aと15bの間に位置しており、両作動室
とは連通していない。この状態から回転軸の回転角θc
で15゜回転が進んだ状態を図11(b)に示す。吐出
口8aと両作動室15aと15bが連通する直前の状態
である。このとき作動室15aの容積は図11(a)の
吸入終了時よりも小さく圧縮が進行しており圧力も吸入
圧力Psよりも高い圧力になっている。これに対して、
作動室15bの容積は逆に吸入終了時よりも大きくなっ
ており、膨張作用により圧力も吸入圧力Psよりも低く
なっている。
となる容積型流体機械を図11に示す。図11(a)
は、図中2つの作動室15aと15bの吸入が終了した
状態である。このとき2つの作動室15aと15bの圧
力は吸入圧力Psで両者等しくなっている。吐出口8a
は作動室15aと15bの間に位置しており、両作動室
とは連通していない。この状態から回転軸の回転角θc
で15゜回転が進んだ状態を図11(b)に示す。吐出
口8aと両作動室15aと15bが連通する直前の状態
である。このとき作動室15aの容積は図11(a)の
吸入終了時よりも小さく圧縮が進行しており圧力も吸入
圧力Psよりも高い圧力になっている。これに対して、
作動室15bの容積は逆に吸入終了時よりも大きくなっ
ており、膨張作用により圧力も吸入圧力Psよりも低く
なっている。
【0059】次の瞬間作動室15aと15bが合体(連
通)する際に、図11(c)に矢印で示すような不可逆
的な混合が起こり、圧縮動力の増加による性能低下が発
生することとなる。従って、圧縮行程の回転軸の回転角
θcの上限は360゜が望ましい状態である。
通)する際に、図11(c)に矢印で示すような不可逆
的な混合が起こり、圧縮動力の増加による性能低下が発
生することとなる。従って、圧縮行程の回転軸の回転角
θcの上限は360゜が望ましい状態である。
【0060】図12は文献3もしくは文献4に記載され
た容積型流体機械の圧縮要素であり、(a)が平面図、
(b)が側面図である。条数Nは3であり、圧縮行程の
回転軸の回転角θc(巻き角θ)は210゜である。こ
の図において、作動室数nは図10(a)に示したよう
にn=1あるいは2となる。この図は回転軸の回転角θ
が0゜の状態を示しており、作動室数nは2である。本
図から明らかなように、旋回ピストンの外周輪郭形状と
シリンダの内周輪郭形状とにより形成される空間の内右
側の空間は作動室となってなく、吸入口7aと吐出口8
aが連通している。このため、吐出口7aの隙間容積内
ガスの再膨張により一旦吸入口8aからシリンダ4内に
流入したガスが逆流し、吸入効率が低下する問題があ
る。
た容積型流体機械の圧縮要素であり、(a)が平面図、
(b)が側面図である。条数Nは3であり、圧縮行程の
回転軸の回転角θc(巻き角θ)は210゜である。こ
の図において、作動室数nは図10(a)に示したよう
にn=1あるいは2となる。この図は回転軸の回転角θ
が0゜の状態を示しており、作動室数nは2である。本
図から明らかなように、旋回ピストンの外周輪郭形状と
シリンダの内周輪郭形状とにより形成される空間の内右
側の空間は作動室となってなく、吸入口7aと吐出口8
aが連通している。このため、吐出口7aの隙間容積内
ガスの再膨張により一旦吸入口8aからシリンダ4内に
流入したガスが逆流し、吸入効率が低下する問題があ
る。
【0061】ところで、図12に示した容積型流体機械
の圧縮行程の回転軸の回転角θcを、本実施の形態の考
え方を用いて拡大する場合を考える。圧縮行程の回転軸
の回転角θcを拡大するためには2点鎖線で図示するよ
うにシリンダ4の輪郭曲線の巻き角を大きくしなければ
ならないが、図示の如くベーン4bの厚さが極端に薄く
なり、作動室数nの最大値が条数N(N=3)以上とな
るように圧縮行程の回転軸の回転角θcを240゜より
大きくすることは困難である。
の圧縮行程の回転軸の回転角θcを、本実施の形態の考
え方を用いて拡大する場合を考える。圧縮行程の回転軸
の回転角θcを拡大するためには2点鎖線で図示するよ
うにシリンダ4の輪郭曲線の巻き角を大きくしなければ
ならないが、図示の如くベーン4bの厚さが極端に薄く
なり、作動室数nの最大値が条数N(N=3)以上とな
るように圧縮行程の回転軸の回転角θcを240゜より
大きくすることは困難である。
【0062】図13に図12に示された容積型流体機械
と同一行程容積(吸入容積),同一外径寸法,同一旋回
半径の容積型流体機械の圧縮要素の実施形態の一例を示
す。この図13に示された圧縮要素の圧縮行程の回転軸
の回転角θcは240゜より大きい360゜を実現して
いる。これは、図12に示された圧縮要素では、作動室
を形成するシール点間が滑らかな曲線によって構成され
ているため、例え、本実施の形態の考え方に基づいて圧
縮行程の回転軸の回転角θcを拡大しようとしても最大
で240゜が限界であるが、図13に示された本実施の
形態による圧縮要素では、シール点間(a−c)が滑ら
かではなく(一様の曲線ではなく)接点b付近の形状が
旋回ピストンから見て突出するように形成され、旋回ピ
ストンの各条が中心部から先端部に向かう途中にくびれ
部が存在している。
と同一行程容積(吸入容積),同一外径寸法,同一旋回
半径の容積型流体機械の圧縮要素の実施形態の一例を示
す。この図13に示された圧縮要素の圧縮行程の回転軸
の回転角θcは240゜より大きい360゜を実現して
いる。これは、図12に示された圧縮要素では、作動室
を形成するシール点間が滑らかな曲線によって構成され
ているため、例え、本実施の形態の考え方に基づいて圧
縮行程の回転軸の回転角θcを拡大しようとしても最大
で240゜が限界であるが、図13に示された本実施の
形態による圧縮要素では、シール点間(a−c)が滑ら
かではなく(一様の曲線ではなく)接点b付近の形状が
旋回ピストンから見て突出するように形成され、旋回ピ
ストンの各条が中心部から先端部に向かう途中にくびれ
部が存在している。
【0063】これらは図1に示した実施の形態について
も云えることである。これらの形状により、接点aから
接点bまでの巻き角を240゜より大きい360゜とす
ることができ、接点bから接点cまでの巻き角を240
゜より大きい360゜とすることができる。この結果、
圧縮行程の回転軸の回転角θcを240゜より大きな3
60゜とすることができ、作動室数nの最大値を条数N
以上とすることができる。このため、作動室が分散配置
され自転モーメントを小さくすることができる。
も云えることである。これらの形状により、接点aから
接点bまでの巻き角を240゜より大きい360゜とす
ることができ、接点bから接点cまでの巻き角を240
゜より大きい360゜とすることができる。この結果、
圧縮行程の回転軸の回転角θcを240゜より大きな3
60゜とすることができ、作動室数nの最大値を条数N
以上とすることができる。このため、作動室が分散配置
され自転モーメントを小さくすることができる。
【0064】さらに、このように有効に機能しうる作動
室数が増加したことで、図12に記載の圧縮要素のシリ
ンダ高さ(厚み)をHとしたとき、図13に記載の圧縮
要素のシリンダ高さは0.7H となり、30%低くなる
ので、圧縮要素の小型化を図ることができる。
室数が増加したことで、図12に記載の圧縮要素のシリ
ンダ高さ(厚み)をHとしたとき、図13に記載の圧縮
要素のシリンダ高さは0.7H となり、30%低くなる
ので、圧縮要素の小型化を図ることができる。
【0065】図14は、本実施形態における旋回ピスト
ン5に作用する荷重及びモーメントの説明図である。記
号θは駆動軸6の回転角、εは旋回半径である。作動ガ
スの圧縮に伴い、各作動室15の内圧によって旋回ピス
トン5には、図に示すように偏心方向に直角な接線方向
力Ftと偏心方向にあたる半径方向力Frが作用する。
FtとFrの合力がFである。この合力Fの旋回ピスト
ン5の中心oからのずれ(腕の長さl)によって旋回ピ
ストンを回転させようとする自転モーメントM(=F・
l)が働く。この自転モーメントMを支えるのが旋回ピ
ストン5とシリンダ4の接点gと接点bにおける反力R
1と反力R2である。
ン5に作用する荷重及びモーメントの説明図である。記
号θは駆動軸6の回転角、εは旋回半径である。作動ガ
スの圧縮に伴い、各作動室15の内圧によって旋回ピス
トン5には、図に示すように偏心方向に直角な接線方向
力Ftと偏心方向にあたる半径方向力Frが作用する。
FtとFrの合力がFである。この合力Fの旋回ピスト
ン5の中心oからのずれ(腕の長さl)によって旋回ピ
ストンを回転させようとする自転モーメントM(=F・
l)が働く。この自転モーメントMを支えるのが旋回ピ
ストン5とシリンダ4の接点gと接点bにおける反力R
1と反力R2である。
【0066】本発明では常時、吸入ポート7aに近い2
ないし3箇所の接点でモーメントを受け、その他の接点
には反力が作用しない。本発明の容積型圧縮要素1は、
旋回ピストン5の中心部に嵌合された駆動軸6のクラン
ク部6aの周りにほぼ等ピッチで吸入終了から吐出終了
までの回転軸の回転角がほぼ360°となる作動室を分
散して配設しているため、合力Fの作用点を旋回ピスト
ン5の中心oに近付けることができ、モーメントの腕の
長さlを縮少して自転モーメントMを低減することがで
きる。したがって、反力R1と反力R2が軽減される。
また、接点gと接点bの位置からわかるように、自転モ
ーメントMを受ける旋回ピストン5とシリンダ4の摺動
部位を、温度が低く油粘度の高い作動ガスの吸入口7a
付近になるようにしているため摺動部の油膜が確保され
やすい容積型流体機械を提供することができる。
ないし3箇所の接点でモーメントを受け、その他の接点
には反力が作用しない。本発明の容積型圧縮要素1は、
旋回ピストン5の中心部に嵌合された駆動軸6のクラン
ク部6aの周りにほぼ等ピッチで吸入終了から吐出終了
までの回転軸の回転角がほぼ360°となる作動室を分
散して配設しているため、合力Fの作用点を旋回ピスト
ン5の中心oに近付けることができ、モーメントの腕の
長さlを縮少して自転モーメントMを低減することがで
きる。したがって、反力R1と反力R2が軽減される。
また、接点gと接点bの位置からわかるように、自転モ
ーメントMを受ける旋回ピストン5とシリンダ4の摺動
部位を、温度が低く油粘度の高い作動ガスの吸入口7a
付近になるようにしているため摺動部の油膜が確保され
やすい容積型流体機械を提供することができる。
【0067】図15は作動流体の内圧によって旋回ピス
トンに働く軸1回転中の自転モーメントMを図12に示
された圧縮要素及び図13に示された圧縮要素で比較し
たものである。計算条件は作動流体HFC134aの冷
凍条件(吸入圧力Ps=0.095MPa,吐出圧力P
d=1.043MPa)である。これにより作動室数n
の最大値が条数以上となる本実施の形態による圧縮要素
では、吸入終了から吐出終了までの作動室が駆動軸の周
りにほぼ等ピッチで分散して配置されるため力学的なバ
ランスがよくなり、圧縮による荷重ベクトルがほぼ中心
を向くように構成できる。このため旋回ピストンに働く
自転モーメントMを低減することができる。この結果、
旋回ピストンとシリンダの接触荷重も軽減され機械効率
を向上することができると共に圧縮機としての信頼性を
向上することができる。
トンに働く軸1回転中の自転モーメントMを図12に示
された圧縮要素及び図13に示された圧縮要素で比較し
たものである。計算条件は作動流体HFC134aの冷
凍条件(吸入圧力Ps=0.095MPa,吐出圧力P
d=1.043MPa)である。これにより作動室数n
の最大値が条数以上となる本実施の形態による圧縮要素
では、吸入終了から吐出終了までの作動室が駆動軸の周
りにほぼ等ピッチで分散して配置されるため力学的なバ
ランスがよくなり、圧縮による荷重ベクトルがほぼ中心
を向くように構成できる。このため旋回ピストンに働く
自転モーメントMを低減することができる。この結果、
旋回ピストンとシリンダの接触荷重も軽減され機械効率
を向上することができると共に圧縮機としての信頼性を
向上することができる。
【0068】ここで、吸入口7aと吐出口8aとが連通
する期間と圧縮行程回転軸の回転角との関係について説
明する。吸入口と吐出口が連通する期間、すなわち作動
流体の吐出が終了してから次の圧縮行程が始まる(吸入
終了)までの間の回転軸の回転角で表すタイムラグΔθ
は、圧縮行程の回転軸の回転角θcとして、Δθ=36
0゜−θcで表される。
する期間と圧縮行程回転軸の回転角との関係について説
明する。吸入口と吐出口が連通する期間、すなわち作動
流体の吐出が終了してから次の圧縮行程が始まる(吸入
終了)までの間の回転軸の回転角で表すタイムラグΔθ
は、圧縮行程の回転軸の回転角θcとして、Δθ=36
0゜−θcで表される。
【0069】Δθ≦0゜の場合は、吸入口と吐出口が連
通する期間が存在しないため、吐出口の隙間容積内ガス
の再膨張による吸入効率の低下はない。
通する期間が存在しないため、吐出口の隙間容積内ガス
の再膨張による吸入効率の低下はない。
【0070】Δθ>0゜の場合には吸入口と吐出口が連
通する期間が存在するため、吐出口の隙間容積内ガスの
再膨張に起因する吸入効率の低下が起こり、圧縮機の
(冷凍)能力が低下することになる。また、吸入効率(体
積効率)の低下は圧縮機のエネルギ効率である断熱効率
あるいは成績係数の低下にもつながる。
通する期間が存在するため、吐出口の隙間容積内ガスの
再膨張に起因する吸入効率の低下が起こり、圧縮機の
(冷凍)能力が低下することになる。また、吸入効率(体
積効率)の低下は圧縮機のエネルギ効率である断熱効率
あるいは成績係数の低下にもつながる。
【0071】圧縮行程の回転軸の回転角θcは旋回ピス
トンあるいはシリンダの輪郭曲線の巻き角と吸入口及び
吐出口の位置によって決定される。旋回ピストンあるい
はシリンダの輪郭曲線の巻き角を360゜にした場合に
は、圧縮行程の回転軸の回転角θcは360゜にできる
と共に吸入口あるいは吐出口のシール点を移動すること
によってθc<360゜にもすることができる。しか
し、θc>360゜にはすることはできない。例えば、
前述の図11に示した圧縮要素の圧縮行程の回転軸の回
転角θc=375゜を吐出口の位置や大きさを変えるこ
とによりθc=360゜に変更することができる。
トンあるいはシリンダの輪郭曲線の巻き角と吸入口及び
吐出口の位置によって決定される。旋回ピストンあるい
はシリンダの輪郭曲線の巻き角を360゜にした場合に
は、圧縮行程の回転軸の回転角θcは360゜にできる
と共に吸入口あるいは吐出口のシール点を移動すること
によってθc<360゜にもすることができる。しか
し、θc>360゜にはすることはできない。例えば、
前述の図11に示した圧縮要素の圧縮行程の回転軸の回
転角θc=375゜を吐出口の位置や大きさを変えるこ
とによりθc=360゜に変更することができる。
【0072】これは、図11における吸入終了状態の直
後に作動室15aと作動室15bとが連通するように吐
出口を大きくすることにより実現することができる。こ
のような変更を行うことによりθc=375゜の時に発
生していた2つの作動室の圧力上昇が異なるために起こ
る不可逆的な混合ロスを低減することができる。従っ
て、輪郭曲線の巻き角は、圧縮行程の回転軸の回転角θ
cを決定する必要条件ではあるが十分条件ではないと云
うことができる。
後に作動室15aと作動室15bとが連通するように吐
出口を大きくすることにより実現することができる。こ
のような変更を行うことによりθc=375゜の時に発
生していた2つの作動室の圧力上昇が異なるために起こ
る不可逆的な混合ロスを低減することができる。従っ
て、輪郭曲線の巻き角は、圧縮行程の回転軸の回転角θ
cを決定する必要条件ではあるが十分条件ではないと云
うことができる。
【0073】さて、上記説明した本実施形態、即ち図3
に示す実施形態では、密閉容器3内の圧力が低圧(吸入
圧力)に保持されるタイプの密閉型圧縮機について説明
したが、低圧タイプにすることにより以下のような利点
がある。
に示す実施形態では、密閉容器3内の圧力が低圧(吸入
圧力)に保持されるタイプの密閉型圧縮機について説明
したが、低圧タイプにすることにより以下のような利点
がある。
【0074】(1)圧縮された高温の作動ガスによる電
動要素2の加熱が少なく、吸入ガスによって冷却される
ため、固定子2a,回転子2bの温度が低下し、モータ
効率が向上して性能向上が図ることができる。
動要素2の加熱が少なく、吸入ガスによって冷却される
ため、固定子2a,回転子2bの温度が低下し、モータ
効率が向上して性能向上が図ることができる。
【0075】(2)フロン等の潤滑油12と相溶性のあ
る作動流体では、圧力が低いため潤滑油12中に溶解す
る作動ガスの割合が少なくなり、軸受等での油の発泡現
象が起こりにくく、信頼性を向上することができる。
る作動流体では、圧力が低いため潤滑油12中に溶解す
る作動ガスの割合が少なくなり、軸受等での油の発泡現
象が起こりにくく、信頼性を向上することができる。
【0076】(3)密閉容器3の耐圧を低くでき、薄肉
・軽量化が図ることができる。
・軽量化が図ることができる。
【0077】次に、密閉容器3内の圧力が高圧(吐出圧
力)に保持されるタイプのものについて説明する。図1
6は、本発明の他の実施形態に係る旋回型流体機械を圧
縮機として用いた高圧タイプの密閉型圧縮機の要部拡大
断面図である。図16において、前述の図1〜図3と同
一符号を付したものは同一部品であり、同一の作用をな
す。図において、7bは吸入カバー10によって主軸受
7に一体的に形成された吸入室で、シール部材16等に
よって密閉容器3内の圧力(吐出圧力)と区画されてい
る。17は吐出室8b内と密閉容器3内を連通する吐出
通路である。容積型圧縮要素1の作動原理等は前述した
低圧(吸入圧力)タイプと同様である。
力)に保持されるタイプのものについて説明する。図1
6は、本発明の他の実施形態に係る旋回型流体機械を圧
縮機として用いた高圧タイプの密閉型圧縮機の要部拡大
断面図である。図16において、前述の図1〜図3と同
一符号を付したものは同一部品であり、同一の作用をな
す。図において、7bは吸入カバー10によって主軸受
7に一体的に形成された吸入室で、シール部材16等に
よって密閉容器3内の圧力(吐出圧力)と区画されてい
る。17は吐出室8b内と密閉容器3内を連通する吐出
通路である。容積型圧縮要素1の作動原理等は前述した
低圧(吸入圧力)タイプと同様である。
【0078】作動ガスの流れは図中に矢印で示すよう
に、吸入パイプ13を通って吸入室7bに入った作動ガ
スは、主軸受7に形成された吸入ポート7aを通って容
積型圧縮要素1に入り、ここで駆動軸6の回転によって
旋回ピストン5が旋回運動を行い作動室15の容積が縮
少することにより圧縮される。圧縮された作動ガスは、
副軸受8の端板に形成された吐出ポート8aを通り吐出
弁9を押し上げて吐出室8b内に入り、吐出通路17を
通って密閉容器3内に入り、この密閉容器3に接続され
た吐出パイプ(図示せず)より外部に流出する。
に、吸入パイプ13を通って吸入室7bに入った作動ガ
スは、主軸受7に形成された吸入ポート7aを通って容
積型圧縮要素1に入り、ここで駆動軸6の回転によって
旋回ピストン5が旋回運動を行い作動室15の容積が縮
少することにより圧縮される。圧縮された作動ガスは、
副軸受8の端板に形成された吐出ポート8aを通り吐出
弁9を押し上げて吐出室8b内に入り、吐出通路17を
通って密閉容器3内に入り、この密閉容器3に接続され
た吐出パイプ(図示せず)より外部に流出する。
【0079】このような高圧タイプの利点は、潤滑油1
2が高圧になっているため、駆動軸6の回転による遠心
ポンプ作用等によって各軸受摺動部に給油された潤滑油
12が旋回ピストン5の端面の隙間等を通ってシリンダ
4内に供給されやすくなるため、作動室15のシール性
及び摺動部の潤滑性を向上できる点にある。
2が高圧になっているため、駆動軸6の回転による遠心
ポンプ作用等によって各軸受摺動部に給油された潤滑油
12が旋回ピストン5の端面の隙間等を通ってシリンダ
4内に供給されやすくなるため、作動室15のシール性
及び摺動部の潤滑性を向上できる点にある。
【0080】以上、本発明の容積型流体機械を用いた圧
縮機では機器の仕様や用途あるいは生産設備等に応じて
低圧タイプ,高圧タイプどちらでも選択することが可能
となり、設計の自由度が大幅に拡大する。
縮機では機器の仕様や用途あるいは生産設備等に応じて
低圧タイプ,高圧タイプどちらでも選択することが可能
となり、設計の自由度が大幅に拡大する。
【0081】次に本発明の実施例に係わる旋回ピストン
について説明する。図17はこの説明図であり、図1
(a)におけるC−C断面における旋回ピストン5の断
面図である。また、図18は図17におけるa部をA−
A断面方向から示した図である。図17a部は旋回ピス
トン5において自転モーメントMを受ける部位となり、
旋回ピストン5とシリンダ4とが摺動する部位となる。
ここは吸入口7a付近にあるため、温度が低く、油粘度
の高い作動ガスが供給され、摺動部での油膜が確保され
やすい部位である。
について説明する。図17はこの説明図であり、図1
(a)におけるC−C断面における旋回ピストン5の断
面図である。また、図18は図17におけるa部をA−
A断面方向から示した図である。図17a部は旋回ピス
トン5において自転モーメントMを受ける部位となり、
旋回ピストン5とシリンダ4とが摺動する部位となる。
ここは吸入口7a付近にあるため、温度が低く、油粘度
の高い作動ガスが供給され、摺動部での油膜が確保され
やすい部位である。
【0082】しかしながら、仮に旋回ピストン5を一体
部品として成形した場合には摺動形態が断続接触・荷重
負荷される一方向すべり摺動となるため、比較的摩耗が
大きくなる。本発明の実施例に係わる旋回ピストンは、
摺動信頼性をさらに確保するため、旋回ピストンの自転
モーメントMを受ける部位に転動体5cとしてニードル
軸受を設け、ニードル軸受の外輪外周面によって旋回ピ
ストンの外周面の一部を形成している。
部品として成形した場合には摺動形態が断続接触・荷重
負荷される一方向すべり摺動となるため、比較的摩耗が
大きくなる。本発明の実施例に係わる旋回ピストンは、
摺動信頼性をさらに確保するため、旋回ピストンの自転
モーメントMを受ける部位に転動体5cとしてニードル
軸受を設け、ニードル軸受の外輪外周面によって旋回ピ
ストンの外周面の一部を形成している。
【0083】このため、旋回ピストン5は転動体5cと
心材5dおよび転動体5cを心材5dに取り付けるため
のおさえ板5eとから構成されている。図17の旋回ピ
ストンは3条のため、転動体5cは自転モーメントMを
受ける3箇所の部位に取り付けられている。この構成に
より、旋回ピストン5とシリンダ4との摺動形態はころ
がり摺動となるため、すべり摺動の場合に比べ摩耗を小
さくでき、摺動信頼性をさらに確保することができる。
心材5dおよび転動体5cを心材5dに取り付けるため
のおさえ板5eとから構成されている。図17の旋回ピ
ストンは3条のため、転動体5cは自転モーメントMを
受ける3箇所の部位に取り付けられている。この構成に
より、旋回ピストン5とシリンダ4との摺動形態はころ
がり摺動となるため、すべり摺動の場合に比べ摩耗を小
さくでき、摺動信頼性をさらに確保することができる。
【0084】図19は転動体5cとしてのニードル軸受
の取付方法について別の例を説明する図であり、図17
におけるa部をA−A断面方向から示した図である。図
18に説明した実施形態では旋回ピストン5を転動体5
c,心材5d,おさえ板5eの3点から構成している
が、本形態では旋回ピストン5を2分割の部材とするこ
とで転動体5cを支持する構成となっている。このよう
な形態にすることで部品点数を少なくすることができ、
コスト低減を図ることができる。更には図20(a)ま
たは(b)に示すような形状に旋回ピストン5を成形す
ることで、より容易に組み立てることが可能となる。図
21に示す図はシリンダ4と旋回ピストン5について、
さらに別の実施例を説明する図であり、図17と同様の
断面を旋回ピストン5とシリンダ4について示した断面
図である。図21に示す実施例における旋回ピストンの
形状では圧縮機動作中の旋回ピストンの自転モーメント
を受ける部位が旋回ピストン5の3箇所のみでなく、シ
リンダ4のベーン4bの一部でも受けることになる。そ
のため旋回ピストンの3箇所とシリンダのベーンでの3
箇所とを合わせて6箇所で摺動するため、この部位に転
動体としてニードル軸受を取り付けている。この場合、
シリンダ4のベーン4bにおいて、図17で説明した旋
回ピストンと同様なおさえ板を用いてニードル軸受を支
持する必要がある。
の取付方法について別の例を説明する図であり、図17
におけるa部をA−A断面方向から示した図である。図
18に説明した実施形態では旋回ピストン5を転動体5
c,心材5d,おさえ板5eの3点から構成している
が、本形態では旋回ピストン5を2分割の部材とするこ
とで転動体5cを支持する構成となっている。このよう
な形態にすることで部品点数を少なくすることができ、
コスト低減を図ることができる。更には図20(a)ま
たは(b)に示すような形状に旋回ピストン5を成形す
ることで、より容易に組み立てることが可能となる。図
21に示す図はシリンダ4と旋回ピストン5について、
さらに別の実施例を説明する図であり、図17と同様の
断面を旋回ピストン5とシリンダ4について示した断面
図である。図21に示す実施例における旋回ピストンの
形状では圧縮機動作中の旋回ピストンの自転モーメント
を受ける部位が旋回ピストン5の3箇所のみでなく、シ
リンダ4のベーン4bの一部でも受けることになる。そ
のため旋回ピストンの3箇所とシリンダのベーンでの3
箇所とを合わせて6箇所で摺動するため、この部位に転
動体としてニードル軸受を取り付けている。この場合、
シリンダ4のベーン4bにおいて、図17で説明した旋
回ピストンと同様なおさえ板を用いてニードル軸受を支
持する必要がある。
【0085】次に本発明の実施例に係わる旋回ピストン
における転動体の取付位置について説明する。図22
(a)は図1(a)におけるC−C断面における旋回ピ
ストン5の断面図であり、(b)は(a)におけるa部
をA−A断面方向から示した図である。図22では図1
8に示した方法で転動体であるニードル軸受を支持して
いる。図22(a)において、旋回ピストン5の外周面
はニードル軸受の外輪外周面よりも外側に突出してお
り、旋回ピストン5の外周面とニードル軸受の外輪外周
面との間隔tはA−A方向にて最も小さくなっている。
における転動体の取付位置について説明する。図22
(a)は図1(a)におけるC−C断面における旋回ピ
ストン5の断面図であり、(b)は(a)におけるa部
をA−A断面方向から示した図である。図22では図1
8に示した方法で転動体であるニードル軸受を支持して
いる。図22(a)において、旋回ピストン5の外周面
はニードル軸受の外輪外周面よりも外側に突出してお
り、旋回ピストン5の外周面とニードル軸受の外輪外周
面との間隔tはA−A方向にて最も小さくなっている。
【0086】本実施例ではニードル軸受の外輪外周面が
旋回ピストン5の外周面より引っ込んでいるため、圧縮
機運転時当初にはニードル軸受はシリンダ4の内壁面に
接触しない。そのため、旋回ピストン5の外周面にリン
酸化成処理等の方法によりなじみ性膜5fを成膜し、且
つ、その膜厚をTstとするとき、ニードル軸受の外輪外
周面と、旋回ピストン5の外周面との最小間隔tが、 0>t>−Tst (旋回ピストン5の外周面が転動体5cの外周面より突
出する場合をマイナス(−)とする)となる位置にニー
ドル軸受を取り付ける。これにより、圧縮機運転時当初
において、突出している旋回ピストン5の外周面のなじ
み性膜がシリンダ4とすべり摺動することにより、なじ
み性膜は短時間で摩耗するが、この摩耗は転動体5cの
外周面がシリンダ4と接触し、ころがり摺動をするよう
になると止まるため、それ以上の摩耗は進行せずに、且
つ、この時の旋回ピストン5の外周面には必ずなじみ性
膜5fが残るので、転動体5cを支持する部分とシリン
ダとの間の隙間ができずに、良好なシール性を持つ。
旋回ピストン5の外周面より引っ込んでいるため、圧縮
機運転時当初にはニードル軸受はシリンダ4の内壁面に
接触しない。そのため、旋回ピストン5の外周面にリン
酸化成処理等の方法によりなじみ性膜5fを成膜し、且
つ、その膜厚をTstとするとき、ニードル軸受の外輪外
周面と、旋回ピストン5の外周面との最小間隔tが、 0>t>−Tst (旋回ピストン5の外周面が転動体5cの外周面より突
出する場合をマイナス(−)とする)となる位置にニー
ドル軸受を取り付ける。これにより、圧縮機運転時当初
において、突出している旋回ピストン5の外周面のなじ
み性膜がシリンダ4とすべり摺動することにより、なじ
み性膜は短時間で摩耗するが、この摩耗は転動体5cの
外周面がシリンダ4と接触し、ころがり摺動をするよう
になると止まるため、それ以上の摩耗は進行せずに、且
つ、この時の旋回ピストン5の外周面には必ずなじみ性
膜5fが残るので、転動体5cを支持する部分とシリン
ダとの間の隙間ができずに、良好なシール性を持つ。
【0087】このため、漏れによる損失を発生させるこ
とがない。更には、旋回ピストン5の外周面のなじみ性
膜5fによって組み立て誤差等の吸収を図ることがで
き、圧縮性能の向上および騒音の低減に寄与する。ま
た、この状態では自転モーメントMを受ける接触部位で
はニードル軸受によるころがり摺動とニードル軸受を支
持する部分の旋回ピストン外周面によるすべり摺動とが
共存することになるが、旋回ピストン外周面はなじみ性
膜5fによる摺動であるため焼き付きなどの心配はな
く、摺動信頼性を損なうことはない。
とがない。更には、旋回ピストン5の外周面のなじみ性
膜5fによって組み立て誤差等の吸収を図ることがで
き、圧縮性能の向上および騒音の低減に寄与する。ま
た、この状態では自転モーメントMを受ける接触部位で
はニードル軸受によるころがり摺動とニードル軸受を支
持する部分の旋回ピストン外周面によるすべり摺動とが
共存することになるが、旋回ピストン外周面はなじみ性
膜5fによる摺動であるため焼き付きなどの心配はな
く、摺動信頼性を損なうことはない。
【0088】また、旋回ピストン5の外周面になじみ性
膜5fを成膜することによって、旋回ピストンとシリン
ダの接触部では荷重の負荷される部位ではなじみ膜が摩
耗することによって、不要な箇所での荷重負荷がなくな
り、結局ニードル軸受によってのみ自転モーメントMを
受けることになる。従って転動体をシリンダ4に設ける
必要がなく、図20に示したような形状の旋回ピストン
であっても、旋回ピストン側の3箇所にニードル軸受を
設ければよい。このため、組み立ての簡素化,部品点数
の削減およびコスト低減が図れる。
膜5fを成膜することによって、旋回ピストンとシリン
ダの接触部では荷重の負荷される部位ではなじみ膜が摩
耗することによって、不要な箇所での荷重負荷がなくな
り、結局ニードル軸受によってのみ自転モーメントMを
受けることになる。従って転動体をシリンダ4に設ける
必要がなく、図20に示したような形状の旋回ピストン
であっても、旋回ピストン側の3箇所にニードル軸受を
設ければよい。このため、組み立ての簡素化,部品点数
の削減およびコスト低減が図れる。
【0089】図22においては旋回ピストン5側に転動
体としてニードル軸受を設けたが、シリンダ4側の自転
モーメントMを受ける部位に設けても効果は同様であ
る。また、ニードル軸受を図18に示した方法にて支持
しているが、図19に示すような2点の部材によって旋
回ピストンを構成する方法や、図20に示した方法にお
いても、同様に効果を発揮する。
体としてニードル軸受を設けたが、シリンダ4側の自転
モーメントMを受ける部位に設けても効果は同様であ
る。また、ニードル軸受を図18に示した方法にて支持
しているが、図19に示すような2点の部材によって旋
回ピストンを構成する方法や、図20に示した方法にお
いても、同様に効果を発揮する。
【0090】以上の旋回ピストンおよびシリンダの構成
においては摺動部に転動体としてニードル軸受を用いて
示したが、旋回ピストンの大きさにより、他形状の軸受
にて構成しても効果は同様である。
においては摺動部に転動体としてニードル軸受を用いて
示したが、旋回ピストンの大きさにより、他形状の軸受
にて構成しても効果は同様である。
【0091】また、以上の構成において転動体は軸受で
なくても構わない。図23は転動体としてころがり部材
を用いた例を説明する図である。図23は図17のa部
に相当する旋回ピストンにおける自転モーメントMを受
ける部位を示している。(a)では円筒形のころがり部材
を用いている。この場合には転動体5cの外壁面がシリ
ンダ内壁面と接触する時間が短いため、自転モーメント
Mが最大になる場所で接触するような位置に取り付ける
必要があるが、ころがり軸受等を用いなくてもよいた
め、組み立てが容易であり、且つコストを低減すること
ができる。
なくても構わない。図23は転動体としてころがり部材
を用いた例を説明する図である。図23は図17のa部
に相当する旋回ピストンにおける自転モーメントMを受
ける部位を示している。(a)では円筒形のころがり部材
を用いている。この場合には転動体5cの外壁面がシリ
ンダ内壁面と接触する時間が短いため、自転モーメント
Mが最大になる場所で接触するような位置に取り付ける
必要があるが、ころがり軸受等を用いなくてもよいた
め、組み立てが容易であり、且つコストを低減すること
ができる。
【0092】また、(b)は(a)において問題となる
接触時間の問題を解決するための構造であり、図示した
形状の転動体を用いることでころがり軸受を用いたとき
と同様の接触時間とすることができる。この場合には転
動体5cの支持方法は図18,図19および図20
(a)の方法となる。また、この場合の転動体は一体部
品である必要はなく、構成部品を分けることで図20
(b)のような方法とすることも可能となる。
接触時間の問題を解決するための構造であり、図示した
形状の転動体を用いることでころがり軸受を用いたとき
と同様の接触時間とすることができる。この場合には転
動体5cの支持方法は図18,図19および図20
(a)の方法となる。また、この場合の転動体は一体部
品である必要はなく、構成部品を分けることで図20
(b)のような方法とすることも可能となる。
【0093】図24に、本発明の容積型圧縮機を適用し
た空調システムを示す。このサイクルは冷暖房が可能な
ヒートポンプサイクルで、前述の図3で説明した本発明
の容積型圧縮機30,室外熱交換器31とそのファン3
1a,膨張弁32,室内熱交換器33とそのファン33
a,4方弁34から構成されている。一点鎖線35は室
外ユニット、36は室内ユニットである。
た空調システムを示す。このサイクルは冷暖房が可能な
ヒートポンプサイクルで、前述の図3で説明した本発明
の容積型圧縮機30,室外熱交換器31とそのファン3
1a,膨張弁32,室内熱交換器33とそのファン33
a,4方弁34から構成されている。一点鎖線35は室
外ユニット、36は室内ユニットである。
【0094】容積型圧縮機30は、図2に示した作動原
理図に従って動作し、圧縮機を起動することにより、シ
リンダ4と旋回ピストン5間で作動流体(例えばフロン
HCFC22やR407C,R410A等)の圧縮作用
が行われる。
理図に従って動作し、圧縮機を起動することにより、シ
リンダ4と旋回ピストン5間で作動流体(例えばフロン
HCFC22やR407C,R410A等)の圧縮作用
が行われる。
【0095】冷房運転の場合、圧縮された高温・高圧の
作動ガスは破線矢印で示すように吐出パイプ14から4
方弁34を通り室外熱交換器31に流入して、ファン3
1aの送風作用で放熱,液化し、膨張弁32で絞られ、
断熱膨張して低温・低圧となり、室内熱交換器33で室
内の熱を吸熱してガス化された後、吸入パイプ13を経
て容積型圧縮機30に吸入される。一方、暖房運転の場
合は、実線矢印で示すように冷房運転とは逆に流れ、圧
縮された高温・高圧の作動ガスは吐出パイプ14から4
方弁34を通り室内熱交換器33に流入して、ファン3
3aの送風作用で室内に放熱して、液化し、膨張弁32
で絞られ、断熱膨張して低温・低圧となり、室外熱交換
器33で外気から熱を吸熱してガス化された後、吸入パ
イプ13を経て容積型圧縮機30に吸入される。
作動ガスは破線矢印で示すように吐出パイプ14から4
方弁34を通り室外熱交換器31に流入して、ファン3
1aの送風作用で放熱,液化し、膨張弁32で絞られ、
断熱膨張して低温・低圧となり、室内熱交換器33で室
内の熱を吸熱してガス化された後、吸入パイプ13を経
て容積型圧縮機30に吸入される。一方、暖房運転の場
合は、実線矢印で示すように冷房運転とは逆に流れ、圧
縮された高温・高圧の作動ガスは吐出パイプ14から4
方弁34を通り室内熱交換器33に流入して、ファン3
3aの送風作用で室内に放熱して、液化し、膨張弁32
で絞られ、断熱膨張して低温・低圧となり、室外熱交換
器33で外気から熱を吸熱してガス化された後、吸入パ
イプ13を経て容積型圧縮機30に吸入される。
【0096】図25は、本発明の容積型圧縮機を搭載し
た冷凍システムを示す。このサイクルは冷凍(冷房)専
用のサイクルである。図において、37は凝縮器、37
aは凝縮器ファン、38は膨張弁、39は蒸発器、39
aは蒸発器ファンである。
た冷凍システムを示す。このサイクルは冷凍(冷房)専
用のサイクルである。図において、37は凝縮器、37
aは凝縮器ファン、38は膨張弁、39は蒸発器、39
aは蒸発器ファンである。
【0097】容積型圧縮機30を起動することによりシ
リンダ4と旋回ピストン5間で作動流体の圧縮作用が行
われ、圧縮された高温・高圧の作動ガスは実線矢印で示
すように吐出パイプ14から凝縮器37に流入して、フ
ァン37aの送風作用で放熱,液化し、膨張弁38で絞
られ、断熱膨張して低温・低圧となり、蒸発器39で吸
熱ガス化された後、吸入パイプ13を経て容積型圧縮機
30に吸入される。ここに、図24,図25ともに本発
明の容積型圧縮機を搭載しているので、エネルギ効率に
優れ、低振動・低騒音で信頼性の高い冷凍・空調システ
ムが得られる。なお、ここでは容積型圧縮機30として
低圧タイプを例に挙げて説明したが、高圧タイプでも同
様に機能し、同様の効果を奏することができる。
リンダ4と旋回ピストン5間で作動流体の圧縮作用が行
われ、圧縮された高温・高圧の作動ガスは実線矢印で示
すように吐出パイプ14から凝縮器37に流入して、フ
ァン37aの送風作用で放熱,液化し、膨張弁38で絞
られ、断熱膨張して低温・低圧となり、蒸発器39で吸
熱ガス化された後、吸入パイプ13を経て容積型圧縮機
30に吸入される。ここに、図24,図25ともに本発
明の容積型圧縮機を搭載しているので、エネルギ効率に
優れ、低振動・低騒音で信頼性の高い冷凍・空調システ
ムが得られる。なお、ここでは容積型圧縮機30として
低圧タイプを例に挙げて説明したが、高圧タイプでも同
様に機能し、同様の効果を奏することができる。
【0098】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、駆動軸の周りに2箇所以上の複数の作動室が配設
され、個々の作動室の吸入終了から吐出終了までの回転
軸の回転角をほぼ360°になるように構成されている
圧縮機に対し、ディスプレーサに働く自転モーメントを
転動体にて軽減して、且つディスプレーサとシリンダ間
の摩擦損失および漏れ損失を低減することにより、性能
向上が図れ、且つ信頼性の高い容積型流体機械が得られ
る。また、このような容積型流体機械を冷凍サイクルに
搭載することにより、エネルギ効率に優れ、信頼性の高
い冷凍・空調システムが得られる。
れば、駆動軸の周りに2箇所以上の複数の作動室が配設
され、個々の作動室の吸入終了から吐出終了までの回転
軸の回転角をほぼ360°になるように構成されている
圧縮機に対し、ディスプレーサに働く自転モーメントを
転動体にて軽減して、且つディスプレーサとシリンダ間
の摩擦損失および漏れ損失を低減することにより、性能
向上が図れ、且つ信頼性の高い容積型流体機械が得られ
る。また、このような容積型流体機械を冷凍サイクルに
搭載することにより、エネルギ効率に優れ、信頼性の高
い冷凍・空調システムが得られる。
【図1】本発明に係る容積型流体機械を圧縮機に適用し
た密閉型圧縮機の圧縮要素の縦断面図及び平面図。
た密閉型圧縮機の圧縮要素の縦断面図及び平面図。
【図2】本発明に係る容積型流体機械の作動原理を説明
する図。
する図。
【図3】本発明に係る容積型流体機械の縦断面図。
【図4】本発明に係る容積型流体機械のディスプレーサ
の輪郭構成法を示す図。
の輪郭構成法を示す図。
【図5】本発明に係る容積型流体機械のシリンダの輪郭
構成法を示す図。
構成法を示す図。
【図6】図4及び図5に示されるディスプレーサとシリ
ンダを重ね合わせた図。
ンダを重ね合わせた図。
【図7】本発明における作動室の容積変化を示す特性
図。
図。
【図8】本発明におけるガス圧縮トルク変化を示す図。
【図9】4条ラップにおける回転軸の回転角と作動室と
の関係を示す図。
の関係を示す図。
【図10】3条ラップにおける回転軸の回転角と作動室
との関係を示す図。
との関係を示す図。
【図11】圧縮要素の巻き角が360゜より大きい場合
の動作を説明する図。
の動作を説明する図。
【図12】圧縮要素の巻き角の拡大を説明する図。
【図13】図1に示した容積型流体機械の変形例を示す
図。
図。
【図14】本発明のディスプレーサに作用する荷重及び
モーメントを説明する図。
モーメントを説明する図。
【図15】圧縮要素の回転軸の回転角と自転モーメント
比との関係を示す特性図。
比との関係を示す特性図。
【図16】本発明の他の実施形態に係る密閉型圧縮機の
要部縦断面図。
要部縦断面図。
【図17】本発明に係るディスプレーサの断面図。
【図18】図17に示したディスプレーサの部分縦断面
図。
図。
【図19】図17に示したディスプレーサの別の実施形
態の部分縦断面図。
態の部分縦断面図。
【図20】図17に示したディスプレーサのさらに別の
実施形態の部分斜視図。
実施形態の部分斜視図。
【図21】本発明に係るディスプレーサおよびシリンダ
の断面図。
の断面図。
【図22】本発明に係るディスプレーサの別の実施形態
の図。
の図。
【図23】本発明に係るディスプレーサの別の実施形態
を示す部分斜視図。
を示す部分斜視図。
【図24】本発明の容積型圧縮機を適用した空調システ
ムを示す図。
ムを示す図。
【図25】本発明の容積型圧縮機を適用した冷凍システ
ムを示す図。
ムを示す図。
1…容積型圧縮要素、2…電動要素、3…密閉容器、4
…シリンダ、4a…内周壁、4b…ベーン、5…ディス
プレーサ(旋回ピストン)、5a,41c…軸受、5b
…貫通穴、5c…転動体、5d…心材、5e…おさえ
板、5f…なじみ性膜、6…駆動軸、6a…クランク
部、7…主軸受、7a,42a,42b…吸入ポート、
8…副軸受、8a…吐出ポート、8b…吐出室、9…吐
出弁、10…吸入カバー、11…吐出カバー、12…潤
滑油、13…吸入パイプ、14…吐出パイプ、15,4
5…作動室、16…シール部材、17…吐出通路、18
…加工治具、18a…ベース、18b…ピン部、18c
…クランプ、19…加工工具、19a…研削工具、19
b…切削工具、30…容積型圧縮機、31…室外熱交換
器、32,38…膨張弁、33…室内熱交換器、34…
4方弁、37…凝縮器、39…蒸発器、40…固定側部
材、40a…固定渦巻体、40b…端板部、40c…主軸
受部、41…旋回側部材、41a…旋回渦巻体、41b
…補強板、42…リング部、42a…吸入室、43…逆
止弁、44…軸封装置、o…ディスプレーサ中心、o′
…シリンダ中心、Om…旋回側部材中心、Of…固定側
部材中心。
…シリンダ、4a…内周壁、4b…ベーン、5…ディス
プレーサ(旋回ピストン)、5a,41c…軸受、5b
…貫通穴、5c…転動体、5d…心材、5e…おさえ
板、5f…なじみ性膜、6…駆動軸、6a…クランク
部、7…主軸受、7a,42a,42b…吸入ポート、
8…副軸受、8a…吐出ポート、8b…吐出室、9…吐
出弁、10…吸入カバー、11…吐出カバー、12…潤
滑油、13…吸入パイプ、14…吐出パイプ、15,4
5…作動室、16…シール部材、17…吐出通路、18
…加工治具、18a…ベース、18b…ピン部、18c
…クランプ、19…加工工具、19a…研削工具、19
b…切削工具、30…容積型圧縮機、31…室外熱交換
器、32,38…膨張弁、33…室内熱交換器、34…
4方弁、37…凝縮器、39…蒸発器、40…固定側部
材、40a…固定渦巻体、40b…端板部、40c…主軸
受部、41…旋回側部材、41a…旋回渦巻体、41b
…補強板、42…リング部、42a…吸入室、43…逆
止弁、44…軸封装置、o…ディスプレーサ中心、o′
…シリンダ中心、Om…旋回側部材中心、Of…固定側
部材中心。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠 裕章 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内
Claims (1)
- 【請求項1】端板間に平面形状が連続した曲線で構成さ
れる内壁を有するシリンダと、このシリンダの内壁に対
向するように設けられた外壁を有し、旋回運動したとき
前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間を形成
するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプレーサ
の輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入行程に
ある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間となるよう
に前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁曲線を
形成した容積型流体機械において、前記シリンダ内壁と
前記ディスプレーサ外壁により空間を形成するときの接
点となる前記ディスプレーサの外壁面の一部を転動体の
外周面にて形成し、接点での接触をころがり接触にした
容積型流体機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30529697A JPH11141468A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 容積型流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30529697A JPH11141468A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 容積型流体機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11141468A true JPH11141468A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17943402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30529697A Pending JPH11141468A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 容積型流体機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11141468A (ja) |
-
1997
- 1997-11-07 JP JP30529697A patent/JPH11141468A/ja active Pending
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