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JPH11116806A - シリコーンゴム組成物及び定着ロール - Google Patents

シリコーンゴム組成物及び定着ロール

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JPH11116806A
JPH11116806A JP9276914A JP27691497A JPH11116806A JP H11116806 A JPH11116806 A JP H11116806A JP 9276914 A JP9276914 A JP 9276914A JP 27691497 A JP27691497 A JP 27691497A JP H11116806 A JPH11116806 A JP H11116806A
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JP
Japan
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silicone rubber
alumina
parts
rubber composition
ppm
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JP9276914A
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Makoto Sawada
誠 澤田
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Momentive Performance Materials Japan LLC
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Toshiba Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低硬度で熱伝導性に優れ、且つ耐熱性と低圧
縮永久ひずみ性にも優れ、定着ロールの被覆材として好
適に用いられるシリコーンゴム組成物を提供をする。 【解決手段】 加熱硬化型シリコーンゴム 100重量部に
対し、ナトリウム含有量が 50ppm以下であり、粒子径が
5〜50μmのアルミナを20〜 500重量部配合したシリコ
ーンゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、熱伝導性シリコーンゴム
組成物に係わり、さらに詳しくは、低硬度で熱伝導性と
耐熱性に優れたシリコーンゴム組成物であって、電子写
真機器のトナー定着ロールの被覆材として用いた場合に
長期的に安定した画像を得ることが可能なシリコーンゴ
ム組成物を提供するものである。
【0002】
【発明の技術的背景とその問題点】シリコーンゴムは、
電気絶縁性、耐熱性、耐候性、難燃性に優れており、複
写機やレーザービームプリンターの定着部の定着ロール
や加圧ロールの被覆材として用いられてきた。特に最近
は、カラーコピーの普及に伴い定着ロールにも低硬度化
が求められ、従来の金属またはフッ素樹脂では対応しき
れなくなり熱伝導性シリコーンゴムの上にフッ素樹脂を
被覆するタイプが多く採用されている。ここで用いられ
るシリコーンゴムは、低硬度で高い熱伝導性が要求さ
れ、さらには、常時 150℃から 200℃の高温にさらされ
るため耐熱性や低圧縮永久ひずみ性が要求される。この
シリコーンゴムとしては、特開平3−221982号公報、特
公昭62−45993 号公報、実公平6−43820 号公報などで
提案されているものが用いられてきた。これら、従来か
ら用いられてきたシリコーンゴムは、充填剤として、シ
リカ、アルミナ、マグネシアなどが配合されているもの
である。しかしながら、シリカは、熱伝導性が低く高充
填した場合に低硬度化できないという問題がある。ま
た、マグネシアは、空気中の湿気により表面が水和され
シリコーンゴムの耐熱性が低下する問題がある。更に、
アルミナは、原因は不明であるが低圧縮永久ひずみ化が
できにくい問題があった。
【0003】
【発明の目的】本発明は、上記従来技術の課題に鑑み案
出されたものであり、低硬度で熱伝導性に優れ、且つ耐
熱性と低圧縮永久ひずみ性にも優れ、定着ロールの被覆
材として好適に用いられるシリコーンゴム組成物の提供
を目的とするものである。
【0004】
【発明の構成】本発明者は、上記課題に対する定着ロー
ル被覆に適したシリコーンゴム組成物を提供すべく鋭意
検討を重ねた結果、加熱硬化型シリコーンゴムに対し特
定のアルミナを配合することが極めて有効であることを
見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、加
熱硬化型シリコーンゴム 100重量部に対し、ナトリウム
含有量が 50ppm以下であり、粒子径が5〜50μmのアル
ミナを20〜 500重量部配合したことを特徴とするシリコ
ーンゴム組成物、並びに上記シリコーンゴム組成物を被
覆材として用いたことを特徴とする定着ロールである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明に使用する加熱硬化型シリコーンゴムと
は、一般的に用いられている加熱硬化型シリコーンゴム
であれば特に限定されず、ベースポリマーとなるポリオ
ルガノシロキサンとシリカ粉末、添加剤、硬化剤等から
なるが、シリカ粉末、添加剤は含有していなくても良
い。ベースポリマーのポリオルガノシロキサンとは、 平均単位式:R SiO(4−a)/2 (式中、Rは置換または非置換の一価の炭化水素基
を、a は1.98から2.02の範囲の数を示す)で示され、主
として直鎖状のものが用いられるが、その一部が分岐鎖
状、三次元構造を形成していてもよく、また、単独重合
体、共重合体またはそれらの混合物であってもよい。こ
のポリオルガノシロキサンのケイ素原子に結合する置換
または非置換の一価の炭化水素基としては、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基のようなアルキル基;ビニ
ル基、アリル基、ブタジエニル基のようなアルケニル
基;フェニル基、キセニル基、ナフチル基のようなシク
ロアルケニル基;ベンジル基のようなアリキルアリール
基;トリル基、キシリル基のようなアルキルアリール基
等の非置換の炭化水素基やクロロメチル基、3,3,3 −ト
リフルオロプロピル基等の置換炭化水素基が例示され
る。これらのケイ素原子に結合する一価の炭化水素基と
しては、主にメチル基が用いられ、耐熱性や加工性の点
から、93モル%以上がメチル基であることが好ましい。
また、架橋基として、ビニル基を有していることが好ま
しく、機械的強度と架橋性の点から、有機基の全数に対
して 0.001〜5%含有していてもよく、特に0.02〜2%
の範囲が好ましい。なお、ポリオルガノシロキサンの分
子鎖末端としては、水酸基、アルコキシ基、または、ト
リオルガノシリル基が例示され、トリオルガノシリル基
がより好ましい。このトリオルガノシリル基としては、
トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチル
フェニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基等
が例示される。上記ポリオルガノシロキサンの平均重合
度は、1000〜20000 の範囲にあり、好ましくは3000〜15
000 、特に好ましくは5000〜10000 である。この重合度
が小さすぎると十分な機械的強度が得られにくく、逆に
大きすぎると系への配合が困難になる。
【0006】シリカ粉末は、低硬度のゴム硬化物を得た
い場合には配合しないほうが良いが、高強度などが要求
される場合には使用しても良い。本発明では、一般にシ
リコーンゴム等の配合に使用されているフュームドシリ
カ、湿式シリカ、焼成シリカ等の公知のものが使用され
るが、特に、限定されるものではない。これらの微粉末
状シリカ系充填剤は、このまま使用してもよく、また、
オルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン、ヘキサ
オルガノジシラザンなどにより表面処理されているもの
を使用してもよく、またこれらの処理剤とインプロセス
で反応させてもよい。このシリカ粉末の配合量は、特に
限定される物ではないが、強度や加工性をよくするため
には、ポリオルガノシロキサン 100重量部に対して1〜
200 重量部程度、好ましくは、5〜60重量部程度が好ま
しい。
【0007】硬化剤は、ゴム弾性体を得るための反応機
構に応じて適宜に選択されるものである。その反応機構
としては、有機過酸化物加硫剤による架橋方法と付加反
応による方法などが知られており、その反応機構によっ
て、硬化触媒もしくは架橋剤との好ましい組み合わせが
決まることは周知のとおりである。有機過酸化物による
架橋方法の場合は、硬化触媒としては、ベンゾイルペル
オキシド、ジクミルペルオキシド、クミル−t−ブチル
ペルオキシド、2,5 −ジメチル−2,5 −ジ−t−ブチル
ペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド、な
どの各種の有機過酸化物加硫剤が用いられ、特に金属に
対する腐食性の点から、ジクミルペルオキシド、クミル
−t−ブチルペルオキシド、2,5 −ジメチル−2,5 −ジ
−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペル
オキシドが好ましい。なお、これらの有機過酸化物加硫
剤は1種または2種以上の混合物として用いられる。有
機過酸化物の配合量は、ポリオルガノシロキサンベース
ポリマー 100重量部に対して、0.05〜15重量部の範囲が
好ましい。有機過酸化物の配合量が、0.05重量部未満で
は、加硫が充分に行われず、15重量部を越えて配合して
もそれ以上の格別の効果がないばかりか、得られたシリ
コーンゴム成形体の物性に悪影響を与えることがあるか
らである。付加反応を適用する場合、硬化剤としては、
硬化用塩化白金酸、白金オレフィン錯体、白金ビニルシ
ロキサン錯体、白金カーボン、白金トリフェニルフォス
フィン錯体、などの白金系触媒が用いられ、架橋剤とし
てケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に少なくて
も平均2個を越える数を有するオルガノポリシロキサン
が用いられる。硬化剤のうち、硬化用触媒の配合量はポ
リオルガノシロキサンベースポリマー) 100重量部に対
して、白金原子量で1〜1000ppm の範囲が好ましい。硬
化用触媒の配合量が、白金原子の量として1ppm 未満で
は、充分に硬化が進行せず、また 1000ppmを越えても特
に硬化速度の向上などが期待できない。また、架橋剤の
配合量は、ポリオルガノシロキサンベースポリマー中の
アルケニル基に対して、架橋剤中のケイ素原子に結合し
た水素原子が、 0.5〜4.0 個となるような量が好まし
く、さらに好ましくは11.0〜3.0 個となるような量であ
る。水素原子の量が 0.5個未満である場合は、組成物中
の硬化が充分に進行せずに、硬化後の組成物の硬度が低
くなり、また水素原子の量が 4.0個を越えると硬化後の
組成物の物理的特性と耐熱性が低下する。
【0008】本発明の組成物には、上記成分以外に目的
に応じて従来から一般的に用いられている、粉砕石英、
ケイソウ土などのシリカ系充填材や低硬度化のためにジ
メチルシリコーンオイルや加工性向上のために加工助
剤、各種の添加剤、例えば酸化チタン、酸化鉄、酸化セ
リウム、酸化バナジウム、酸化クロム等の金属酸化物、
顔料、耐熱剤、難燃性付与剤などを本発明組成物の特性
が損なわれない範囲で添加することができる。
【0009】本組成物の特徴である充填剤のアルミナ
は、ナトリウム含有量と粒子径が本発明の特徴的なとこ
ろである。従来からあるアルミナは、ナトリウム含有量
が数千ppm であり、また低ソーダアルミナといわれるも
のでも数百ppm であった。これらのアルミナを用いたシ
リコーンゴムでは、長期的な耐熱性や圧縮永久ひずみ率
の大幅な悪化が見られた。ナトリウム含有率 50ppm以下
から急激に耐熱性の悪化が改善され 10ppm以下では配合
しないものとの差がなくなった。
【0010】また、粒子径は、低硬度化に重要であり、
5μm以上で有効となる。5μmより小さいとゴム硬度
が大幅に上昇する結果であった。さらに、粒子径が、50
μmを超えたものではシリコーンゴムの強度が著しく低
下した。好ましい粒子径は、10〜30μmである。これら
アルミナの商品化されているものとしては、住友化学工
業(株)製、スミコランダム AA−18などがある。
アルミナは、そのまま用いてもよいが、シラン系、チタ
ネート系のカップリング剤、ジメチルポリシロキサンオ
イル、ステアリン酸等で表面処理したものを用いても良
い。アルミナの配合量は、熱硬化性シリコーンゴム 100
重量部に対して20〜500 重量部、さらには50〜400 重量
部が好ましい。配合量が少ないと目的とする耐熱性が得
られず、多すぎると強度や加工性が著しく低下する。
【0011】本発明のシリコーンゴム組成物は、上記し
た成分を常温で均一に混合することにより得ることがで
きるが、必要により、まず硬化剤以外の成分をプラネタ
リーミキサーやニーダー等で 100〜200 ℃の範囲で1〜
4時間熱処理した後、有機過酸化物を添加、混合しても
よい。
【0012】本発明のシリコーンゴム組成物は、熱伝導
性等が要求される用途に好適に用いられ、特に常法によ
り被覆硬化させることにより、定着ロールとされ、極め
て良好な性能を示す。
【0013】
【発明の効果】本発明のシリコーンゴム組成物は、低硬
度で低圧縮永久ひずみ性、熱伝導性、耐熱性に優れるの
で、定着ロール被覆材として用いた時に長期的に安定し
た画像を得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に、
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、以下の例において部は重量部である。 実施例1 (CH3)2SiO 単位99.9モル%、(CH3)(CH2=CH)SiO単位0.12
モル%からなり、末端がジメチルビニルシリル基で封鎖
された、重合度6000のポリオルガノシロキサン100 部
と、ナトリウム含有量5ppm 、平均粒子径20μmのアル
ミナ 350部、ビニルトリエトキシシラン1部、水酸化セ
リウム1部をニーダーミキサーで均一になるまで混練し
た。この後、 150℃で2時間加熱処理した。このシリコ
ーンゴム組成物に硬化剤としてジクミルペルオキシド
1.5部を二本ロールで均一になるまで混合してシリコー
ンゴムベースポリマーを得た。このシリコーンゴムベー
スポリマーを 170℃で10分間プレス加硫を行い、硬化シ
リコーンゴムシートを得た。このシリコーンゴムシート
について、JIS K 6301に従い物理特性(硬さ、耐熱性、
圧縮永久ひずみ性)を評価した。また、熱伝導率を(Sh
otherm QTM-DII迅速熱伝導率計)で測定した。 実施例2 実施例1のシリコーンゴムコンパウンドにおいて、アル
ミナの量を 150部に変更した以外は同様にサンプルを調
製し評価を行なった。 実施例3 実施例1のシリコーンゴムコンパウンドにおいて、ビニ
ルトリエトキシシランを配合しなかった以外は同様にサ
ンプルを調製し評価を行なった。 実施例4 実施例1のシリコーンゴムコンパウンドにおいて、アル
ミナとしてナトリウム含有量30ppm のものを使用した以
外は同様にサンプルを調製し評価を行なった。 実施例5 実施例1のシリコーンゴムコンパウンドにおいて、アル
ミナとして粒子径10μmのものを使用した以外は同様に
サンプルを調製し評価を行なった。 実施例6 実施例1のシリコーンゴムコンパウンドにおいて、アル
ミナの量を 250部とし、さらに、粒子径5μmの粉砕石
英を 100部配合した以外は同様にサンプルを調製し評価
を行なった。
【0015】比較例1 実施例1のシリコーンゴムコンパウンドにおいて、アル
ミナの代わりに粒子径5μmの粉砕石英を 250部使用し
た以外は同様にサンプルを調製し評価を行なった。 比較例2 実施例1のシリコーンゴムコンパウンドにおいて、アル
ミナの代わりに粒子径2μmの超低活性酸化マグネシウ
ムを 300部使用した以外は同様にサンプルを調製し評価
を行なった。 比較例3 実施例1のシリコーンゴムコンパウンドにおいて、アル
ミナとしてナトリウム含有量200ppmで粒子径12μmの球
状アルミナを 350部使用した以外は同様にサンプルを調
製し評価を行なった。 比較例4 実施例1のシリコーンゴムコンパウンドにおいて、アル
ミナとして粒子径2μmのものを使用した以外は同様に
サンプルを調製し評価を行なった。これらの結果を表1
に示す。
【0016】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱硬化型シリコーンゴム 100重量部に
    対し、ナトリウム含有量が 50ppm以下であり、粒子径が
    5〜50μmのアルミナを20〜 500重量部配合したことを
    特徴とするシリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリコーンゴム組成物を
    被覆材として用いたことを特徴とする定着ロール。
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