JPH1090169A - 顕微鏡装置 - Google Patents
顕微鏡装置Info
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- JPH1090169A JPH1090169A JP26933196A JP26933196A JPH1090169A JP H1090169 A JPH1090169 A JP H1090169A JP 26933196 A JP26933196 A JP 26933196A JP 26933196 A JP26933196 A JP 26933196A JP H1090169 A JPH1090169 A JP H1090169A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 試料中の特定領域のみに分解光を照射して光
分解性試薬を光分解し、その特定領域のみを解析するこ
とができる顕微鏡装置を提供する。 【解決手段】 分解用光源10から出力された分解光A
および励起用光源20から出力された励起光Bそれぞれ
は、スライドガラス42と試料70との境界面で全反射
して、試料70中にエバネセント波を生じさせる。分解
光Aのエバネセント波は、スライドガラス42近傍の試
料70中の光分解性試薬を光分解し、一方、励起光Bの
エバネセント波は、スライドガラス42近傍の試料70
を励起して蛍光Cを発生させ、この試料70から発生し
た蛍光Cは、光検出器53により検出される。
分解性試薬を光分解し、その特定領域のみを解析するこ
とができる顕微鏡装置を提供する。 【解決手段】 分解用光源10から出力された分解光A
および励起用光源20から出力された励起光Bそれぞれ
は、スライドガラス42と試料70との境界面で全反射
して、試料70中にエバネセント波を生じさせる。分解
光Aのエバネセント波は、スライドガラス42近傍の試
料70中の光分解性試薬を光分解し、一方、励起光Bの
エバネセント波は、スライドガラス42近傍の試料70
を励起して蛍光Cを発生させ、この試料70から発生し
た蛍光Cは、光検出器53により検出される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光分解性試薬を使
用して試料(例えば、細胞)内の反応などを解析する顕
微鏡装置に関するものである。
用して試料(例えば、細胞)内の反応などを解析する顕
微鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光分解性試薬(光ケージド試薬)は、活
性物質の活性部位がニトロベンジル基等でブロックされ
不活性化された試薬であって、所定波長の分解光が照射
されると光分解して活性部位のブロックが解除され、活
性物質が活性を持つようになるものである。したがっ
て、この光分解性試薬は、分解光の照射により活性物質
の量を変化させることができる。例えば、光分解性試薬
を予め細胞中に導入しておき、その後その細胞の所定領
域に分解光を照射することにより、その所定領域におい
てのみ活性物質の量を急激に増加させることができる。
このことから、光分解性試薬は、細胞の特定領域のみを
観察する場合に用いられている。
性物質の活性部位がニトロベンジル基等でブロックされ
不活性化された試薬であって、所定波長の分解光が照射
されると光分解して活性部位のブロックが解除され、活
性物質が活性を持つようになるものである。したがっ
て、この光分解性試薬は、分解光の照射により活性物質
の量を変化させることができる。例えば、光分解性試薬
を予め細胞中に導入しておき、その後その細胞の所定領
域に分解光を照射することにより、その所定領域におい
てのみ活性物質の量を急激に増加させることができる。
このことから、光分解性試薬は、細胞の特定領域のみを
観察する場合に用いられている。
【0003】従来より、このような光分解性試薬が導入
された試料の特定領域のみに分解光を照射する方法とし
て、顕微鏡の対物レンズを使用して微小領域に集光照射
する方法や、分解光の光路中にピンホールを配し対物レ
ンズ視野中の特定領域を照射する方法が知られている。
された試料の特定領域のみに分解光を照射する方法とし
て、顕微鏡の対物レンズを使用して微小領域に集光照射
する方法や、分解光の光路中にピンホールを配し対物レ
ンズ視野中の特定領域を照射する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例による分解光の照射では、分解光は、その集光点に
おいては微小領域に集光されるものの、光軸に沿って集
光点以外の領域にも照射され、さらに集光点以外の領域
ではビーム径が拡がる。したがって、分解光の集光点だ
けでなく集光点の周辺においても光分解性試薬が光分解
され活性物質の量が増加するので、集光点のみの試料観
察を行うことができない。
来例による分解光の照射では、分解光は、その集光点に
おいては微小領域に集光されるものの、光軸に沿って集
光点以外の領域にも照射され、さらに集光点以外の領域
ではビーム径が拡がる。したがって、分解光の集光点だ
けでなく集光点の周辺においても光分解性試薬が光分解
され活性物質の量が増加するので、集光点のみの試料観
察を行うことができない。
【0005】また、試料が細胞である場合、細胞で重要
な働きをしている細胞膜付近における反応を解析したい
という要求がある。しかし、従来の分解光の照射方法で
は、細胞膜付近のみに分解光を照射することはできない
ため、細胞膜付近における反応のみを解析することがで
きない。
な働きをしている細胞膜付近における反応を解析したい
という要求がある。しかし、従来の分解光の照射方法で
は、細胞膜付近のみに分解光を照射することはできない
ため、細胞膜付近における反応のみを解析することがで
きない。
【0006】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、試料中の特定領域のみに分解光を照射
して光分解性試薬を光分解し、その特定領域のみを解析
することができる顕微鏡装置を提供することを目的とす
る。
れたものであり、試料中の特定領域のみに分解光を照射
して光分解性試薬を光分解し、その特定領域のみを解析
することができる顕微鏡装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る顕微鏡装置
は、光分解性試薬が導入された試料に分解光を照射して
光分解性試薬を光分解し、試料に励起光を照射して発生
した蛍光を検出する顕微鏡装置であって、(1) 分解光を
出力する分解用光源部と、(2) 励起光を出力する励起用
光源部と、(3) 試料が接して配される透明部材を備え、
分解光および励起光それぞれを透明部材の側から照射し
て試料との境界面で全反射させて、分解光および励起光
それぞれのエバネセント波を試料中に発生させる照射光
学系と、(4) 励起光のエバネセント波が試料に照射され
て発生した蛍光を検出する検出手段と、を備えることを
特徴とする。
は、光分解性試薬が導入された試料に分解光を照射して
光分解性試薬を光分解し、試料に励起光を照射して発生
した蛍光を検出する顕微鏡装置であって、(1) 分解光を
出力する分解用光源部と、(2) 励起光を出力する励起用
光源部と、(3) 試料が接して配される透明部材を備え、
分解光および励起光それぞれを透明部材の側から照射し
て試料との境界面で全反射させて、分解光および励起光
それぞれのエバネセント波を試料中に発生させる照射光
学系と、(4) 励起光のエバネセント波が試料に照射され
て発生した蛍光を検出する検出手段と、を備えることを
特徴とする。
【0008】この顕微鏡装置によれば、分解用光源部か
ら出力された分解光および励起用光源部から出力された
励起光それぞれは、照射光学系により透明部材と試料と
の境界面で全反射して、試料中にエバネセント波を生じ
させる。分解光のエバネセント波は、透明部材近傍の試
料中の光分解性試薬を光分解し、一方、励起光のエバネ
セント波は、透明部材近傍の試料を励起して蛍光を発生
させ、この試料から発生した蛍光は、検出手段により検
出される。
ら出力された分解光および励起用光源部から出力された
励起光それぞれは、照射光学系により透明部材と試料と
の境界面で全反射して、試料中にエバネセント波を生じ
させる。分解光のエバネセント波は、透明部材近傍の試
料中の光分解性試薬を光分解し、一方、励起光のエバネ
セント波は、透明部材近傍の試料を励起して蛍光を発生
させ、この試料から発生した蛍光は、検出手段により検
出される。
【0009】また、分解光のエバネセント波の照射の前
および後それぞれにおいて励起光のエバネセント波の照
射により発生し検出手段により検出された蛍光それぞれ
の間の強度比を演算する処理手段を更に備えることを特
徴とする。この場合、分解光のエバネセント波の照射の
前後における蛍光の強度比が演算され、これに基づい
て、分解光のエバネセント波の試料により光分解した光
分解性試薬の量が解析される。
および後それぞれにおいて励起光のエバネセント波の照
射により発生し検出手段により検出された蛍光それぞれ
の間の強度比を演算する処理手段を更に備えることを特
徴とする。この場合、分解光のエバネセント波の照射の
前後における蛍光の強度比が演算され、これに基づい
て、分解光のエバネセント波の試料により光分解した光
分解性試薬の量が解析される。
【0010】また、試料に照射すべき照明光を出力する
照明用光源部を更に備え、検出手段は照明光が試料に照
射されて発生した透過光を更に検出する、ことを特徴と
する。この場合、照明用光源部から出力された照明光は
試料に照射され、これに伴い試料から発生した透過光が
検出手段により検出される。したがって、透過光により
試料を観察しながら、分解光および励起光を試料に照射
することができ、蛍光を観察することができる。
照明用光源部を更に備え、検出手段は照明光が試料に照
射されて発生した透過光を更に検出する、ことを特徴と
する。この場合、照明用光源部から出力された照明光は
試料に照射され、これに伴い試料から発生した透過光が
検出手段により検出される。したがって、透過光により
試料を観察しながら、分解光および励起光を試料に照射
することができ、蛍光を観察することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0012】先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る顕微鏡装置の構成図であ
る。
図1は、第1の実施形態に係る顕微鏡装置の構成図であ
る。
【0013】分解用光源10は、試料70に導入された
光分解性試薬を光分解する分解光Aを出射するための光
源である。例えば、パルスYAGレーザ光源が分解用光
源10として用いられ、これから出力されるレーザ光の
第三高調波(波長:355nm、パルス幅:例えば5n
s)が分解光Aとして用いられる。また、分解用光源1
0および分解光Aとして、アルゴンレーザ光源から出力
される紫外レーザ光、モード同期チタンサファイアレー
ザ光源から出力されるレーザ光の第二高調波、モード同
期レーザ励起色素レーザ光源から出力されるレーザ光の
第二高調波、モード同期ルビーレーザ光源から出力され
るレーザ光の第二高調波、および、エキシマレーザ光源
からのレーザ光等も用いられる。
光分解性試薬を光分解する分解光Aを出射するための光
源である。例えば、パルスYAGレーザ光源が分解用光
源10として用いられ、これから出力されるレーザ光の
第三高調波(波長:355nm、パルス幅:例えば5n
s)が分解光Aとして用いられる。また、分解用光源1
0および分解光Aとして、アルゴンレーザ光源から出力
される紫外レーザ光、モード同期チタンサファイアレー
ザ光源から出力されるレーザ光の第二高調波、モード同
期レーザ励起色素レーザ光源から出力されるレーザ光の
第二高調波、モード同期ルビーレーザ光源から出力され
るレーザ光の第二高調波、および、エキシマレーザ光源
からのレーザ光等も用いられる。
【0014】この分解用光源10の出射口の前方には、
分解光照射時間制御部11が配されている。この分解光
照射時間制御部11は、分解用光源10から出射された
分解光Aが試料70に照射される時間を制御するもので
あり、例えばシャッタや光音響素子が用いられ、制御部
61により開閉タイミングが制御される。なお、分解用
光源10からの分解光Aの出力タイミングが外部からト
リガ信号により制御することができるものである場合に
は、分解光照射時間制御部11を設けることなく、制御
部61により直接に分解用光源10からの分解光Aの出
力タイミングを制御してもよい。
分解光照射時間制御部11が配されている。この分解光
照射時間制御部11は、分解用光源10から出射された
分解光Aが試料70に照射される時間を制御するもので
あり、例えばシャッタや光音響素子が用いられ、制御部
61により開閉タイミングが制御される。なお、分解用
光源10からの分解光Aの出力タイミングが外部からト
リガ信号により制御することができるものである場合に
は、分解光照射時間制御部11を設けることなく、制御
部61により直接に分解用光源10からの分解光Aの出
力タイミングを制御してもよい。
【0015】一方、励起用光源20は、分解光Aにより
光分解された光分解性試薬による試料の反応を検出する
蛍光色素や分解光Aにより光分解された光分解性蛍光色
素を励起して、蛍光を発生させる励起光Bを出射するた
めの光源である。例えば、アルゴンイオンレーザ光源が
励起用光源20として用いられ、これから出力されるレ
ーザ光(波長:488nm、連続発振)が励起光Bとし
て用いられる。この励起用光源20の出射口の前方に配
されている励起光照射時間制御部21は、励起用光源2
0から出射された励起光Bが試料70に照射される時間
を制御するものであり、例えばシャッタや光音響素子が
用いられ、制御部61により開閉タイミングが制御され
る。
光分解された光分解性試薬による試料の反応を検出する
蛍光色素や分解光Aにより光分解された光分解性蛍光色
素を励起して、蛍光を発生させる励起光Bを出射するた
めの光源である。例えば、アルゴンイオンレーザ光源が
励起用光源20として用いられ、これから出力されるレ
ーザ光(波長:488nm、連続発振)が励起光Bとし
て用いられる。この励起用光源20の出射口の前方に配
されている励起光照射時間制御部21は、励起用光源2
0から出射された励起光Bが試料70に照射される時間
を制御するものであり、例えばシャッタや光音響素子が
用いられ、制御部61により開閉タイミングが制御され
る。
【0016】分解光照射時間制御部11から出力された
分解光Aは、ダイクロイックミラー31で反射され、励
起光照射時間制御部21から出力された励起光Bは、反
射鏡30で反射されダイクロイックミラー31を透過す
る。そして、分解光Aおよび励起光Bそれぞれは照射光
学系を得て試料70に照射される。すなわち、分解光A
および励起光Bそれぞれは、反射鏡32により反射さ
れ、ビームエクスパンダ等からなる光束整形光学系33
により適当な光束径と形状に整形され、反射鏡34およ
び35により順次反射され、集光レンズ36により集光
され、プリズム40に入射し、グリセリン41を経てス
ライドガラス42に入射し、そのスライドガラス42と
試料70との境界面で全反射する。
分解光Aは、ダイクロイックミラー31で反射され、励
起光照射時間制御部21から出力された励起光Bは、反
射鏡30で反射されダイクロイックミラー31を透過す
る。そして、分解光Aおよび励起光Bそれぞれは照射光
学系を得て試料70に照射される。すなわち、分解光A
および励起光Bそれぞれは、反射鏡32により反射さ
れ、ビームエクスパンダ等からなる光束整形光学系33
により適当な光束径と形状に整形され、反射鏡34およ
び35により順次反射され、集光レンズ36により集光
され、プリズム40に入射し、グリセリン41を経てス
ライドガラス42に入射し、そのスライドガラス42と
試料70との境界面で全反射する。
【0017】ここで、集光レンズ36は、分解光Aおよ
び励起光Bそれぞれを、スライドガラス42と試料70
との境界面上の所定位置に集光するためのものであり、
この集光レンズ36を移動させることにより、その境界
面上の照射位置を移動させることができる。また、プリ
ズム40とスライドガラス42との間のグリセリン41
の層は、プリズム40の下面(分解光Aおよび励起光B
それぞれがプリズム40から出射する面)において分解
光Aおよび励起光Bそれぞれが全反射することを防止す
るために設けられている。また、分解光Aおよび励起光
Bがスライドガラス42中において同一光軸上を進みス
ライドガラス42の下面の同一位置で全反射するよう
に、プリズム40、グリセリン41およびスライドガラ
ス42それぞれの波長分散を考慮して、反射鏡30およ
びダイクロイックミラー31から集光レンズ36に到る
までの光学系を調整する。
び励起光Bそれぞれを、スライドガラス42と試料70
との境界面上の所定位置に集光するためのものであり、
この集光レンズ36を移動させることにより、その境界
面上の照射位置を移動させることができる。また、プリ
ズム40とスライドガラス42との間のグリセリン41
の層は、プリズム40の下面(分解光Aおよび励起光B
それぞれがプリズム40から出射する面)において分解
光Aおよび励起光Bそれぞれが全反射することを防止す
るために設けられている。また、分解光Aおよび励起光
Bがスライドガラス42中において同一光軸上を進みス
ライドガラス42の下面の同一位置で全反射するよう
に、プリズム40、グリセリン41およびスライドガラ
ス42それぞれの波長分散を考慮して、反射鏡30およ
びダイクロイックミラー31から集光レンズ36に到る
までの光学系を調整する。
【0018】スライドガラス42はカバーガラス44と
ともにスペーサ43を挟んで試料チャンバ71を形成し
ており、これらは、中央部に孔部が形成されたステージ
45の上に置かれている。そして、試料チャンバ71内
の試料70で発生した蛍光Cは検出手段により検出され
る。すなわち、蛍光Cは、そのステージ45の孔部を通
過した後、対物レンズ50を通過し、反射鏡51により
反射され、光検出器52の受光面上に結像され撮像され
る。
ともにスペーサ43を挟んで試料チャンバ71を形成し
ており、これらは、中央部に孔部が形成されたステージ
45の上に置かれている。そして、試料チャンバ71内
の試料70で発生した蛍光Cは検出手段により検出され
る。すなわち、蛍光Cは、そのステージ45の孔部を通
過した後、対物レンズ50を通過し、反射鏡51により
反射され、光検出器52の受光面上に結像され撮像され
る。
【0019】この光検出器52により撮像された蛍光C
の像は、処理部60により信号解析または画像処理され
る。この処理部60では、分解光Aのエバネセント波の
照射の前および後それぞれにおいて励起光Bのエバネセ
ント波を試料70に照射したときに光検出器52により
撮像された蛍光Cの像それぞれの間の強度比を求める。
これにより、分解光Aのエバネセント波を試料70へ照
射した効果を解析することができる。
の像は、処理部60により信号解析または画像処理され
る。この処理部60では、分解光Aのエバネセント波の
照射の前および後それぞれにおいて励起光Bのエバネセ
ント波を試料70に照射したときに光検出器52により
撮像された蛍光Cの像それぞれの間の強度比を求める。
これにより、分解光Aのエバネセント波を試料70へ照
射した効果を解析することができる。
【0020】次に、本実施形態に係る顕微鏡装置の作用
の1例について説明する。ここでは、試料チャンバ71
は生理塩溶液で満たされており、その生理塩溶液の中で
あってスライドガラス42の下面に試料70として細胞
が培養されているものとする。また、その細胞には予
め、分解光Aの照射によりカルシウムイオンを放出する
ケージドカルシウム(nitro-5) が光分解性試薬として
導入され、放出されたカルシウムイオンを検出するため
にカルシウムイオン濃度検出用蛍光色素(fluo-3)が導
入されているものとする。
の1例について説明する。ここでは、試料チャンバ71
は生理塩溶液で満たされており、その生理塩溶液の中で
あってスライドガラス42の下面に試料70として細胞
が培養されているものとする。また、その細胞には予
め、分解光Aの照射によりカルシウムイオンを放出する
ケージドカルシウム(nitro-5) が光分解性試薬として
導入され、放出されたカルシウムイオンを検出するため
にカルシウムイオン濃度検出用蛍光色素(fluo-3)が導
入されているものとする。
【0021】試料(細胞)70に分解光Aを照射する前
に、試料(細胞)70に励起光Bを照射し、これにより
生じた蛍光Cを撮像する。すなわち、制御部61からの
指示により分解光照射時間制御部11を閉じたままにし
て、励起光照射時間制御部21を所定時間に亘って開
き、励起用光源20から出射した励起光Bを、反射鏡3
0、ダイクロイックミラー31、反射鏡32、光束整形
光学系33、反射鏡34および35、ならびに、集光レ
ンズ36を経て、プリズム40に入射させ、スライドガ
ラス42の下面で全反射させる。この全反射のときに、
試料チャンバ71内の生理塩溶液に励起光Bのエバネセ
ント波が生じる。このエバネセント波は、スライドガラ
ス42の下面からの距離に対して指数関数的に強度が減
衰する光波であって、スライドガラス42の下面の直下
における光強度に対して光強度が1/e(eは自然対数
の底数)になる位置は、スライドガラス42および生理
塩溶液それぞれの屈折率にも依るが、スライドガラス4
2の下面からの距離が200nm以下である。この励起
光Bのエバネセント波の照射により試料(細胞)70が
照射されて発生した蛍光Cは、対物レンズ50および反
射鏡51を経て光検出器52により撮像され、処理部6
0に記憶される。
に、試料(細胞)70に励起光Bを照射し、これにより
生じた蛍光Cを撮像する。すなわち、制御部61からの
指示により分解光照射時間制御部11を閉じたままにし
て、励起光照射時間制御部21を所定時間に亘って開
き、励起用光源20から出射した励起光Bを、反射鏡3
0、ダイクロイックミラー31、反射鏡32、光束整形
光学系33、反射鏡34および35、ならびに、集光レ
ンズ36を経て、プリズム40に入射させ、スライドガ
ラス42の下面で全反射させる。この全反射のときに、
試料チャンバ71内の生理塩溶液に励起光Bのエバネセ
ント波が生じる。このエバネセント波は、スライドガラ
ス42の下面からの距離に対して指数関数的に強度が減
衰する光波であって、スライドガラス42の下面の直下
における光強度に対して光強度が1/e(eは自然対数
の底数)になる位置は、スライドガラス42および生理
塩溶液それぞれの屈折率にも依るが、スライドガラス4
2の下面からの距離が200nm以下である。この励起
光Bのエバネセント波の照射により試料(細胞)70が
照射されて発生した蛍光Cは、対物レンズ50および反
射鏡51を経て光検出器52により撮像され、処理部6
0に記憶される。
【0022】続いて、試料(細胞)70に分解光Aを照
射し、光分解性試薬を光分解する。すなわち、制御部6
1からの指示により、分解光照射時間制御部11を所定
時間に亘って開き、分解用光源10から出射した分解光
Aを、ダイクロイックミラー31、反射鏡32、光束整
形光学系33、反射鏡34および35、ならびに、集光
レンズ36を経て、プリズム40に入射させ、スライド
ガラス42の下面で全反射させる。この全反射のときに
も、試料チャンバ71内の生理塩溶液に分解光Aのエバ
ネセント波が生じる。この分解光Aのエバネセント波の
照射により、試料(細胞)70に予め導入されていた光
分解性試薬であるケージドカルシウムのうち、スライド
ガラス42の下面近傍の領域にあるものが光分解され、
カルシウムイオンが放出される。
射し、光分解性試薬を光分解する。すなわち、制御部6
1からの指示により、分解光照射時間制御部11を所定
時間に亘って開き、分解用光源10から出射した分解光
Aを、ダイクロイックミラー31、反射鏡32、光束整
形光学系33、反射鏡34および35、ならびに、集光
レンズ36を経て、プリズム40に入射させ、スライド
ガラス42の下面で全反射させる。この全反射のときに
も、試料チャンバ71内の生理塩溶液に分解光Aのエバ
ネセント波が生じる。この分解光Aのエバネセント波の
照射により、試料(細胞)70に予め導入されていた光
分解性試薬であるケージドカルシウムのうち、スライド
ガラス42の下面近傍の領域にあるものが光分解され、
カルシウムイオンが放出される。
【0023】そして、試料(細胞)70に励起光Bを照
射し、これにより生じた蛍光Cを撮像する。この撮像方
法は、分解光A照射前の撮像方法と同様である。ただ
し、分解光A照射後においては、カルシウムイオンが増
加しているので、その増加したカルシウムイオンがカル
シウムイオン濃度検出用蛍光色素(fluo-3)により感知
され、発生する蛍光の強度は大きい。したがって、処理
部60における演算により、分解光A照射の前後それぞ
れにおける蛍光Cの強度比から、カルシウムイオン濃度
の上昇を見積もることができる。
射し、これにより生じた蛍光Cを撮像する。この撮像方
法は、分解光A照射前の撮像方法と同様である。ただ
し、分解光A照射後においては、カルシウムイオンが増
加しているので、その増加したカルシウムイオンがカル
シウムイオン濃度検出用蛍光色素(fluo-3)により感知
され、発生する蛍光の強度は大きい。したがって、処理
部60における演算により、分解光A照射の前後それぞ
れにおける蛍光Cの強度比から、カルシウムイオン濃度
の上昇を見積もることができる。
【0024】なお、ここで用いる光分解性試薬として
は、分解光Aの照射により光分解されると蛍光を発する
ようになるケージド試薬である膜導入型ケージドフルオ
レセインを使用してもよい。また、分解光Aにより光分
解されるとIP3(イノシトール三リン酸)を放出する
ケージド試薬であるケージドIP3を使用してもよく、
この場合も、カルシウムイオン濃度検出用色素によりカ
ルシウムイオンの増加を検出することができる。
は、分解光Aの照射により光分解されると蛍光を発する
ようになるケージド試薬である膜導入型ケージドフルオ
レセインを使用してもよい。また、分解光Aにより光分
解されるとIP3(イノシトール三リン酸)を放出する
ケージド試薬であるケージドIP3を使用してもよく、
この場合も、カルシウムイオン濃度検出用色素によりカ
ルシウムイオンの増加を検出することができる。
【0025】次に、第2の実施形態について説明する。
図2は、第2の実施形態に係る顕微鏡装置の構成図であ
る。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、分解
用光源10および励起用光源20それぞれからプリズム
40に到るまでの光学系を互いに別のものとした点で異
なる。
図2は、第2の実施形態に係る顕微鏡装置の構成図であ
る。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、分解
用光源10および励起用光源20それぞれからプリズム
40に到るまでの光学系を互いに別のものとした点で異
なる。
【0026】分解用光源10から出力された分解光A
は、分解光照射時間制御部11により照射時間が制御さ
れて出射され、反射鏡30Aおよび32Aにより順次反
射され、光束整形光学系33Aにより光束の形状および
径が調整され、反射鏡34Aおよび35Aにより順次反
射され、集光レンズ36Aにより集光されてプリズム4
0に入射し、スライドガラス42の下面で全反射する。
同様に、励起用光源20から出力された励起光Bは、励
起光照射時間制御部21により照射時間が制御されて出
射され、反射鏡30Bおよび32Bにより順次反射さ
れ、光束整形光学系33Bにより光束の形状および径が
調整され、反射鏡34Bおよび35Bにより順次反射さ
れ、集光レンズ36Bにより集光されてプリズム40に
入射し、スライドガラス42の下面で全反射する。
は、分解光照射時間制御部11により照射時間が制御さ
れて出射され、反射鏡30Aおよび32Aにより順次反
射され、光束整形光学系33Aにより光束の形状および
径が調整され、反射鏡34Aおよび35Aにより順次反
射され、集光レンズ36Aにより集光されてプリズム4
0に入射し、スライドガラス42の下面で全反射する。
同様に、励起用光源20から出力された励起光Bは、励
起光照射時間制御部21により照射時間が制御されて出
射され、反射鏡30Bおよび32Bにより順次反射さ
れ、光束整形光学系33Bにより光束の形状および径が
調整され、反射鏡34Bおよび35Bにより順次反射さ
れ、集光レンズ36Bにより集光されてプリズム40に
入射し、スライドガラス42の下面で全反射する。
【0027】なお、分解光Aは集光レンズ36Bを通過
しておらず、また、励起光Bは集光レンズ36Aを通過
しておらず、したがって、分解光Aおよび励起光Bそれ
ぞれは、互いに独立に、集光レンズ36Aおよび36B
それぞれの移動により、スライドガラス42の下面で全
反射する位置を移動させることができる。
しておらず、また、励起光Bは集光レンズ36Aを通過
しておらず、したがって、分解光Aおよび励起光Bそれ
ぞれは、互いに独立に、集光レンズ36Aおよび36B
それぞれの移動により、スライドガラス42の下面で全
反射する位置を移動させることができる。
【0028】なお、分解用光源10、分解光照射時間制
御部11、励起用光源20、励起光照射時間制御部2
1、プリズム40、グリセリン41、スライドガラス4
2、スペーサ43、カバーガラス44、ステージ45、
対物レンズ50、反射鏡51、光検出器52、処理部6
0および制御部61それぞれの構成・作用は、第1の実
施形態の場合と同様である。また、この実施形態に係る
顕微鏡装置の作用も、第1の実施形態の場合と同様であ
る。
御部11、励起用光源20、励起光照射時間制御部2
1、プリズム40、グリセリン41、スライドガラス4
2、スペーサ43、カバーガラス44、ステージ45、
対物レンズ50、反射鏡51、光検出器52、処理部6
0および制御部61それぞれの構成・作用は、第1の実
施形態の場合と同様である。また、この実施形態に係る
顕微鏡装置の作用も、第1の実施形態の場合と同様であ
る。
【0029】次に、第3の実施形態について説明する。
図3は、第3の実施形態に係る顕微鏡装置の構成図であ
る。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、照明
用光源80が追加されている点で異なる。
図3は、第3の実施形態に係る顕微鏡装置の構成図であ
る。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、照明
用光源80が追加されている点で異なる。
【0030】この照明用光源80は、例えばキセノンラ
ンプや水銀ランプが用いられ、照明用光源80から出射
された照明光Dは、スライドガラス42を透過して試料
チャンバ71内の試料70に照射される。そして、試料
を透過した透過光Eは、カバーガラス44を透過し、対
物レンズ50および反射鏡51を経て、光検出器52の
受光面上に結像され、光検出器52により撮像される。
ンプや水銀ランプが用いられ、照明用光源80から出射
された照明光Dは、スライドガラス42を透過して試料
チャンバ71内の試料70に照射される。そして、試料
を透過した透過光Eは、カバーガラス44を透過し、対
物レンズ50および反射鏡51を経て、光検出器52の
受光面上に結像され、光検出器52により撮像される。
【0031】このように、照明用光源80から出射され
た照明光Dを試料70に照射して、これにより発生した
透過光Eにより試料70を観察しながら、分解光Aを照
射すれば、試料70の所定の位置に分解光Aを照射する
ことができる。また、透過光Eにより試料70を観察し
ながら、励起光Bを照射すれば、試料70内のどの部位
から蛍光Cが発生したかを確認することができ、また、
試料70から発生した蛍光Cの強度分布を解析すること
ができる。
た照明光Dを試料70に照射して、これにより発生した
透過光Eにより試料70を観察しながら、分解光Aを照
射すれば、試料70の所定の位置に分解光Aを照射する
ことができる。また、透過光Eにより試料70を観察し
ながら、励起光Bを照射すれば、試料70内のどの部位
から蛍光Cが発生したかを確認することができ、また、
試料70から発生した蛍光Cの強度分布を解析すること
ができる。
【0032】次に、エバネセント波による照明の効果に
ついての確認実験の結果について説明する。図4乃至図
6は、蛍光色素(5-(N-hexadecanoyl)aminofluorescei
n)が導入された試料(NG:神経細胞)の顕微鏡写真
であり、いずれも、対物レンズの倍率は40倍である。
この蛍光色素は、細胞膜に選択的に導入される性質を有
する。図4は、アルゴンレーザ光源(励起用光源)から
出力されたレーザ光(波長488nm)のエバネセント
波で照明したときの神経細胞の蛍光像の顕微鏡写真であ
る。図5は、YAGレーザ光源(分解用光源)から出力
されたレーザ光の第三高調波(波長355nm)のエバ
ネセント波で照明したときの神経細胞の蛍光像の顕微鏡
写真である。図6は、キセノンランプから出力された励
起光で落射照明したときの神経細胞の蛍光像の顕微鏡写
真である。
ついての確認実験の結果について説明する。図4乃至図
6は、蛍光色素(5-(N-hexadecanoyl)aminofluorescei
n)が導入された試料(NG:神経細胞)の顕微鏡写真
であり、いずれも、対物レンズの倍率は40倍である。
この蛍光色素は、細胞膜に選択的に導入される性質を有
する。図4は、アルゴンレーザ光源(励起用光源)から
出力されたレーザ光(波長488nm)のエバネセント
波で照明したときの神経細胞の蛍光像の顕微鏡写真であ
る。図5は、YAGレーザ光源(分解用光源)から出力
されたレーザ光の第三高調波(波長355nm)のエバ
ネセント波で照明したときの神経細胞の蛍光像の顕微鏡
写真である。図6は、キセノンランプから出力された励
起光で落射照明したときの神経細胞の蛍光像の顕微鏡写
真である。
【0033】これらの写真から判るように、キセノンラ
ンプ光で落射照明したときの蛍光像(図6)では、神経
細胞の周辺部(輪郭)からの蛍光の強度は、神経細胞の
内部からの蛍光よりも強い。これは、蛍光色素が神経細
胞の膜だけに導入されていて、励起光の光軸方向につい
て神経細胞の広い領域に励起光が照射されて蛍光が発生
するために、神経細胞の周辺部から生じた蛍光が強く観
察されるからである。これに対して、エバネセント波に
より照明したときの蛍光像(図4、図5)では、全反射
面の近傍の神経細胞の膜のみから蛍光が発生するため、
神経細胞の周辺部からの蛍光が強く観察されることはな
い。
ンプ光で落射照明したときの蛍光像(図6)では、神経
細胞の周辺部(輪郭)からの蛍光の強度は、神経細胞の
内部からの蛍光よりも強い。これは、蛍光色素が神経細
胞の膜だけに導入されていて、励起光の光軸方向につい
て神経細胞の広い領域に励起光が照射されて蛍光が発生
するために、神経細胞の周辺部から生じた蛍光が強く観
察されるからである。これに対して、エバネセント波に
より照明したときの蛍光像(図4、図5)では、全反射
面の近傍の神経細胞の膜のみから蛍光が発生するため、
神経細胞の周辺部からの蛍光が強く観察されることはな
い。
【0034】次に、本発明に係る顕微鏡装置を用いた細
胞観察の結果について説明する。図7乃至図12は、光
分解性試薬としてのケージドカルシウム(nitro-5) 、
および、ケージドカルシウムが分解光の照射により光分
解されて放出されたカルシウムイオンの濃度を検出する
カルシウムイオン濃度検出用蛍光色素(fluo-3)が導入
された試料(NG:神経細胞)の顕微鏡写真であり、い
ずれも、対物レンズの倍率は40倍である。ここで用い
られたケージドカルシウムおよびカルシウムイオン濃度
検出用蛍光色素は共に、細胞の内部にも導入される性質
を有する。
胞観察の結果について説明する。図7乃至図12は、光
分解性試薬としてのケージドカルシウム(nitro-5) 、
および、ケージドカルシウムが分解光の照射により光分
解されて放出されたカルシウムイオンの濃度を検出する
カルシウムイオン濃度検出用蛍光色素(fluo-3)が導入
された試料(NG:神経細胞)の顕微鏡写真であり、い
ずれも、対物レンズの倍率は40倍である。ここで用い
られたケージドカルシウムおよびカルシウムイオン濃度
検出用蛍光色素は共に、細胞の内部にも導入される性質
を有する。
【0035】図7は、キセノンランプから出力された励
起光で落射照明したときの神経細胞の蛍光像の顕微鏡写
真である。図8は、アルゴンレーザ光源(励起用光源)
から出力されたレーザ光(波長488nm)のエバネセ
ント波で照明したときの神経細胞の蛍光像の顕微鏡写真
である。これらの写真から判るように、キセノンランプ
光で落射照明したときの蛍光像(図7)では、神経細胞
の中央付近からの蛍光の強度は、神経細胞の周辺部から
の蛍光よりも強く、細胞の形を反映したものとなってい
る。これは、蛍光色素が神経細胞の全体に導入されてい
て、励起光の光軸方向について神経細胞の広い領域に励
起光が照射されて蛍光が発生するために、神経細胞の中
央付近から生じた蛍光が強く観察されるからである。こ
れに対して、エバネセント波により照明したときの蛍光
像(図8)では、全反射面の近傍の神経細胞の膜のみか
ら蛍光が発生するため、神経細胞の中央付近からの蛍光
が強く観察されることはなく、拡がって見える。
起光で落射照明したときの神経細胞の蛍光像の顕微鏡写
真である。図8は、アルゴンレーザ光源(励起用光源)
から出力されたレーザ光(波長488nm)のエバネセ
ント波で照明したときの神経細胞の蛍光像の顕微鏡写真
である。これらの写真から判るように、キセノンランプ
光で落射照明したときの蛍光像(図7)では、神経細胞
の中央付近からの蛍光の強度は、神経細胞の周辺部から
の蛍光よりも強く、細胞の形を反映したものとなってい
る。これは、蛍光色素が神経細胞の全体に導入されてい
て、励起光の光軸方向について神経細胞の広い領域に励
起光が照射されて蛍光が発生するために、神経細胞の中
央付近から生じた蛍光が強く観察されるからである。こ
れに対して、エバネセント波により照明したときの蛍光
像(図8)では、全反射面の近傍の神経細胞の膜のみか
ら蛍光が発生するため、神経細胞の中央付近からの蛍光
が強く観察されることはなく、拡がって見える。
【0036】図9は、分解光を照射する前に神経細胞を
アルゴンレーザ光源(励起用光源)から出力されたレー
ザ光(波長488nm)のエバネセント波で照明したと
きの神経細胞の蛍光像の顕微鏡写真であり、図10は、
分解光を照射した後に同様にして得た神経細胞の蛍光像
の顕微鏡写真である。これらの写真から判るように、分
解光を照射して光分解性試薬を分解してカルシウムイオ
ンを放出した後の蛍光の強度は増加している。
アルゴンレーザ光源(励起用光源)から出力されたレー
ザ光(波長488nm)のエバネセント波で照明したと
きの神経細胞の蛍光像の顕微鏡写真であり、図10は、
分解光を照射した後に同様にして得た神経細胞の蛍光像
の顕微鏡写真である。これらの写真から判るように、分
解光を照射して光分解性試薬を分解してカルシウムイオ
ンを放出した後の蛍光の強度は増加している。
【0037】図11および図12は、分解光照射による
光分解性試薬の光分解の前および後それぞれにおける励
起光(アルゴンレーザ光源から出力された波長488n
mのレーザ光のエバネセント波)の照射により得られた
蛍光の強度比を示すものである。ここで、時刻0(分解
光照射前)における蛍光強度を1とし、時刻45秒から
時刻55秒にかけて分解光を試料に照射した場合におい
て、分解光照射前後の各時刻における蛍光強度を時刻0
における蛍光強度で規格化して求めた。図11は、時刻
40秒(分解光照射前)における規格化された蛍光像の
写真であり、図12は、時刻60秒(分解光照射後)に
おける規格化された蛍光像の写真である。図12の写真
で明るく見えているところは、分解光のエバネセント波
の照射によりケージドカルシウムが光分解されてカルシ
ウムイオンの濃度が増加し、そのカルシウムイオンがカ
ルシウムイオン濃度検出用蛍光色素に検知されて、励起
光のエバネセント波の照射により発生する蛍光の強度が
強くなった領域を表している。
光分解性試薬の光分解の前および後それぞれにおける励
起光(アルゴンレーザ光源から出力された波長488n
mのレーザ光のエバネセント波)の照射により得られた
蛍光の強度比を示すものである。ここで、時刻0(分解
光照射前)における蛍光強度を1とし、時刻45秒から
時刻55秒にかけて分解光を試料に照射した場合におい
て、分解光照射前後の各時刻における蛍光強度を時刻0
における蛍光強度で規格化して求めた。図11は、時刻
40秒(分解光照射前)における規格化された蛍光像の
写真であり、図12は、時刻60秒(分解光照射後)に
おける規格化された蛍光像の写真である。図12の写真
で明るく見えているところは、分解光のエバネセント波
の照射によりケージドカルシウムが光分解されてカルシ
ウムイオンの濃度が増加し、そのカルシウムイオンがカ
ルシウムイオン濃度検出用蛍光色素に検知されて、励起
光のエバネセント波の照射により発生する蛍光の強度が
強くなった領域を表している。
【0038】また、図13は、図11および図12の場
合と同じ条件の下に、分解光照射の前後において励起光
のエバネセント波で照明したときの神経細胞の規格化さ
れた蛍光強度変化のグラフである。このグラフには、蛍
光像中の6点それぞれにおける蛍光強度変化を示してい
る。このグラフから判るように、分解光照射前に比べ分
解光照射後においては、ケージドカルシウムが光分解さ
れてカルシウムの濃度が増加するため、励起光照射によ
る蛍光強度は強くなる。しかし、その後、蛍光強度は漸
減している。この蛍光強度の漸減は、カルシウムイオン
を検知したカルシウムイオン濃度検出用蛍光色素が、神
経細胞中で拡散するために、励起光のエバネセント波が
到達する領域において減少すること、および、細胞から
カルシウムが排出されることに因るものであると考えら
れる。
合と同じ条件の下に、分解光照射の前後において励起光
のエバネセント波で照明したときの神経細胞の規格化さ
れた蛍光強度変化のグラフである。このグラフには、蛍
光像中の6点それぞれにおける蛍光強度変化を示してい
る。このグラフから判るように、分解光照射前に比べ分
解光照射後においては、ケージドカルシウムが光分解さ
れてカルシウムの濃度が増加するため、励起光照射によ
る蛍光強度は強くなる。しかし、その後、蛍光強度は漸
減している。この蛍光強度の漸減は、カルシウムイオン
を検知したカルシウムイオン濃度検出用蛍光色素が、神
経細胞中で拡散するために、励起光のエバネセント波が
到達する領域において減少すること、および、細胞から
カルシウムが排出されることに因るものであると考えら
れる。
【0039】以上のように、本発明に係る顕微鏡装置に
よれば、神経細胞の膜中の光分解性試薬が分解光のエバ
ネセント波の照射により光分解され、励起光のエバネセ
ント波が照射されると、その光分解性試薬が光分解され
た神経細胞膜付近から発生する蛍光像を検出することが
できる。したがって、神経細胞膜付近の機能の解析する
ことができる。
よれば、神経細胞の膜中の光分解性試薬が分解光のエバ
ネセント波の照射により光分解され、励起光のエバネセ
ント波が照射されると、その光分解性試薬が光分解され
た神経細胞膜付近から発生する蛍光像を検出することが
できる。したがって、神経細胞膜付近の機能の解析する
ことができる。
【0040】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。例えば、試料中に分
解光および励起光それぞれのエバネセント波を試料中に
生じさせる照射光学系として光導波路を用いてもよい。
この場合、光導波路の一方の側のクラッド層が試料とな
り、分解光および励起光それぞれが光導波路を導波する
ときのエバネセント波により、光分解または励起を行
う。
ではなく種々の変形が可能である。例えば、試料中に分
解光および励起光それぞれのエバネセント波を試料中に
生じさせる照射光学系として光導波路を用いてもよい。
この場合、光導波路の一方の側のクラッド層が試料とな
り、分解光および励起光それぞれが光導波路を導波する
ときのエバネセント波により、光分解または励起を行
う。
【0041】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明によ
れば、分解用光源部から出力された分解光および励起用
光源部から出力された励起光それぞれは、照射光学系に
より透明部材と試料との境界面で全反射して、試料中に
エバネセント波を生じさせる。分解光のエバネセント波
は、透明部材近傍の試料中の光分解性試薬を光分解し、
一方、励起光のエバネセント波は、透明部材近傍の試料
を励起して蛍光を発生させ、この試料から発生した蛍光
は、検出手段により検出される。このような構成とした
ので、試料に導入された光分解性試薬のうち分解光のエ
バネセント波が生じる透明部材近傍の部分のみが光分解
され、かつ、その部分のみ励起光のエバネセント波によ
り励起されて蛍光が発生するので、透明部材近傍にある
試料部分のみを観察することができる。特に、試料とし
て細胞を観察しようとする場合には、細胞の機能に重要
な働きをしている細胞膜付近のみに分解光および励起光
を照射することができ、この細胞膜付近における反応を
解析することができる。
れば、分解用光源部から出力された分解光および励起用
光源部から出力された励起光それぞれは、照射光学系に
より透明部材と試料との境界面で全反射して、試料中に
エバネセント波を生じさせる。分解光のエバネセント波
は、透明部材近傍の試料中の光分解性試薬を光分解し、
一方、励起光のエバネセント波は、透明部材近傍の試料
を励起して蛍光を発生させ、この試料から発生した蛍光
は、検出手段により検出される。このような構成とした
ので、試料に導入された光分解性試薬のうち分解光のエ
バネセント波が生じる透明部材近傍の部分のみが光分解
され、かつ、その部分のみ励起光のエバネセント波によ
り励起されて蛍光が発生するので、透明部材近傍にある
試料部分のみを観察することができる。特に、試料とし
て細胞を観察しようとする場合には、細胞の機能に重要
な働きをしている細胞膜付近のみに分解光および励起光
を照射することができ、この細胞膜付近における反応を
解析することができる。
【図1】第1の実施形態に係る顕微鏡装置の構成図であ
る。
る。
【図2】第2の実施形態に係る顕微鏡装置の構成図であ
る。
る。
【図3】第3の実施形態に係る顕微鏡装置の構成図であ
る。
る。
【図4】膜に蛍光色素が導入された神経細胞をアルゴン
レーザ光源から出力されたレーザ光(波長488nm)
のエバネセント波で照明したときの蛍光像を顕微鏡で観
察しディスプレイ上に表示した中間調画像の写真であ
る。
レーザ光源から出力されたレーザ光(波長488nm)
のエバネセント波で照明したときの蛍光像を顕微鏡で観
察しディスプレイ上に表示した中間調画像の写真であ
る。
【図5】膜に蛍光色素が導入された神経細胞をYAGレ
ーザ光源から出力されたレーザ光の第三高調波(波長3
55nm)のエバネセント波で照明したときの蛍光像を
顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中間調画像の
写真である。
ーザ光源から出力されたレーザ光の第三高調波(波長3
55nm)のエバネセント波で照明したときの蛍光像を
顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中間調画像の
写真である。
【図6】膜に蛍光色素が導入された神経細胞をキセノン
ランプから出力された励起光で落射照明したときの蛍光
像を顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中間調画
像の写真である。
ランプから出力された励起光で落射照明したときの蛍光
像を顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中間調画
像の写真である。
【図7】全体に光分解性試薬およびカルシウムイオン濃
度検出用蛍光色素が導入された神経細胞をキセノンラン
プから出力された励起光で落射照明したときの神経細胞
の蛍光像を顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中
間調画像の写真である。
度検出用蛍光色素が導入された神経細胞をキセノンラン
プから出力された励起光で落射照明したときの神経細胞
の蛍光像を顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中
間調画像の写真である。
【図8】全体に光分解性試薬およびカルシウムイオン濃
度検出用蛍光色素が導入された神経細胞をアルゴンレー
ザ光源(励起用光源)から出力されたレーザ光(波長4
88nm)のエバネセント波で照明したときの神経細胞
の蛍光像を顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中
間調画像の写真である。
度検出用蛍光色素が導入された神経細胞をアルゴンレー
ザ光源(励起用光源)から出力されたレーザ光(波長4
88nm)のエバネセント波で照明したときの神経細胞
の蛍光像を顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中
間調画像の写真である。
【図9】分解光を照射する前にアルゴンレーザ光源(励
起用光源)から出力されたレーザ光(波長488nm)
のエバネセント波で照明したときの神経細胞の蛍光像を
顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中間調画像の
写真である。
起用光源)から出力されたレーザ光(波長488nm)
のエバネセント波で照明したときの神経細胞の蛍光像を
顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中間調画像の
写真である。
【図10】分解光を照射した後にアルゴンレーザ光源
(励起用光源)から出力されたレーザ光(波長488n
m)のエバネセント波で照明したときの神経細胞の蛍光
像を顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中間調画
像の写真である。
(励起用光源)から出力されたレーザ光(波長488n
m)のエバネセント波で照明したときの神経細胞の蛍光
像を顕微鏡で観察しディスプレイ上に表示した中間調画
像の写真である。
【図11】分解光を照射する前にアルゴンレーザ光源
(励起用光源)から出力されたレーザ光(波長488n
m)のエバネセント波で照明したときの神経細胞の規格
化された蛍光像をディスプレイ上に表示した中間調画像
の写真である。
(励起用光源)から出力されたレーザ光(波長488n
m)のエバネセント波で照明したときの神経細胞の規格
化された蛍光像をディスプレイ上に表示した中間調画像
の写真である。
【図12】分解光を照射した後にアルゴンレーザ光源
(励起用光源)から出力されたレーザ光(波長488n
m)のエバネセント波で照明したときの神経細胞の規格
化された蛍光像をディスプレイ上に表示した中間調画像
の写真である。
(励起用光源)から出力されたレーザ光(波長488n
m)のエバネセント波で照明したときの神経細胞の規格
化された蛍光像をディスプレイ上に表示した中間調画像
の写真である。
【図13】分解光照射の前後におけるアルゴンレーザ光
源(励起用光源)から出力されたレーザ光(波長488
nm)のエバネセント波で照明したときの神経細胞の規
格化された蛍光強度変化のグラフである。
源(励起用光源)から出力されたレーザ光(波長488
nm)のエバネセント波で照明したときの神経細胞の規
格化された蛍光強度変化のグラフである。
10…分解用光源、11…分解光照射時間制御部、20
…励起用光源、21…励起光照射時間制御部、30,3
0A,30B…反射鏡、31…ダイクロイックミラー、
32,32A,32B…反射鏡、33,33A,33B
…光束整形光学系、34,34A,34B…反射鏡、3
5,35A,35B…反射鏡、36,36A,36B…
集光レンズ、40…プリズム、41…グリセリン、42
…スライドガラス、43…スペーサ、44…カバーガラ
ス、45…ステージ、50…対物レンズ、51…反射
鏡、52…光検出器、60…処理部、61…制御部、7
0…試料、71…試料チャンバ、80…照明用光源、A
…分解光、B…励起光、C…蛍光、D…照明光、E…透
過光。
…励起用光源、21…励起光照射時間制御部、30,3
0A,30B…反射鏡、31…ダイクロイックミラー、
32,32A,32B…反射鏡、33,33A,33B
…光束整形光学系、34,34A,34B…反射鏡、3
5,35A,35B…反射鏡、36,36A,36B…
集光レンズ、40…プリズム、41…グリセリン、42
…スライドガラス、43…スペーサ、44…カバーガラ
ス、45…ステージ、50…対物レンズ、51…反射
鏡、52…光検出器、60…処理部、61…制御部、7
0…試料、71…試料チャンバ、80…照明用光源、A
…分解光、B…励起光、C…蛍光、D…照明光、E…透
過光。
Claims (3)
- 【請求項1】 光分解性試薬が導入された試料に分解光
を照射して前記光分解性試薬を光分解し、前記試料に励
起光を照射して発生した蛍光を検出する顕微鏡装置であ
って、 前記分解光を出力する分解用光源部と、 前記励起光を出力する励起用光源部と、 前記試料が接して配される透明部材を備え、前記分解光
および前記励起光それぞれを前記透明部材の側から照射
して前記試料との境界面で全反射させて、前記分解光お
よび前記励起光それぞれのエバネセント波を前記試料中
に発生させる照射光学系と、 前記励起光のエバネセント波が前記試料に照射されて発
生した蛍光を検出する検出手段と、 を備えることを特徴とする顕微鏡装置。 - 【請求項2】 前記分解光のエバネセント波の照射の前
および後それぞれにおいて前記励起光のエバネセント波
の照射により発生し前記検出手段により検出された蛍光
それぞれの間の強度比を演算する処理手段を更に備え
る、ことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。 - 【請求項3】 前記試料に照射すべき照明光を出力する
照明用光源部を更に備え、 前記検出手段は、前記照明光が前記試料に照射されて発
生した透過光を更に検出する、 ことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26933196A JPH1090169A (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 顕微鏡装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26933196A JPH1090169A (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 顕微鏡装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1090169A true JPH1090169A (ja) | 1998-04-10 |
Family
ID=17470881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26933196A Pending JPH1090169A (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 顕微鏡装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1090169A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US8139288B2 (en) | 2002-01-16 | 2012-03-20 | Illumina Cambridge Limited | Prism design for scanning applications and illumination of microscopy sample |
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US8900829B2 (en) | 2005-04-15 | 2014-12-02 | Epigenomics Ag | Methods and nucleic acids for analyses of cellular proliferative disorders |
US12248136B2 (en) | 2017-11-24 | 2025-03-11 | Max-Planck-Gesellschaft Zur Foerderung Der Wissenschaften E.V. | Apparatus and method for simultaneous imaging and execution of contact-free directed hydrodynamic flow |
-
1996
- 1996-09-19 JP JP26933196A patent/JPH1090169A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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