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JPH1081249A - 油圧パワーステアリング装置の流量制御弁 - Google Patents

油圧パワーステアリング装置の流量制御弁

Info

Publication number
JPH1081249A
JPH1081249A JP8262440A JP26244096A JPH1081249A JP H1081249 A JPH1081249 A JP H1081249A JP 8262440 A JP8262440 A JP 8262440A JP 26244096 A JP26244096 A JP 26244096A JP H1081249 A JPH1081249 A JP H1081249A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
spool
chamber
control valve
flow control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8262440A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Muto
武藤貴敬
Koichi Otani
大谷幸一
Toshihiko Hidaka
日高俊彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP8262440A priority Critical patent/JPH1081249A/ja
Publication of JPH1081249A publication Critical patent/JPH1081249A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ピストン部分の構造の簡素化と、ポンプボディ
のパイロット通路の改良による省スペース効果としての
重量低減をすること。 【解決手段】 ケース101に収容されカートリッジ化
された第1パイロット室101B内でスプール107と
ピストン103とを対向させるとともに、それら両者間
にスプリング109を介在させ、しかもこのピストン
は、ボディ100に挿嵌されたケース101に固定され
るカラー102のガイド部102Aに装着したセットス
プリング108に付勢されて、ケースに摺動自在に収容
される一方、ピストンの背面側には、上記第1パイロッ
ト室101Bと絞り103Cを介して連通する第2パイ
ロット室101Cを設け、第1パイロット室に臨ませた
ピストンの受圧面積103Aに対して、第2パイロット
室に臨ませたピストンの受圧面積103Bを大きく設定
したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、流量制御弁を備えた
油圧パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流量制御弁を備えた油圧
パワーステアリング装置として、本出願人は特願平7−
115052号を出願している。図8(A)は、当該出
願に係る流量制御弁FVが1体に組付けられたポンプを
示す。ここではポンプとしてベーンポンプVPを用いて
いる。ベーンポンプVPは、ポンプボディ10及びカバ
ー11からなるハウジングHに、軸穴12を形成すると
ともに、軸穴12内に設けた軸受13によってシャフト
14を回転自在に支持している。シャフト14は、ポン
プボディ10内に設けたロータ15の駆動軸となる一
方、このロータ15には複数のベーン16を放射状に組
み込んでいる。
【0003】さらに、上記ロータ15の周囲には、図8
(A)のX−X矢視図である図8(B)に示すように楕
円形の内壁を有するカムリング17を設けている。そし
て、シャフト14が駆動されると、ロータ15も回転す
るが、このときベーン16がカムリング17の内壁に沿
って出たり入ったりする。つまり、各ベーン16の先端
がカムリング17に密接したまま回転するとともに、こ
れら各ベーン16間のそれぞれが、独立した室を構成す
る。そして、各室が収縮行程に入ったときに吐出口から
作動油を吐出する一方、各室が拡大行程に入ったとき、
作動油を吸入する。
【0004】なお、ロータ15及びカムリング17の側
面にはサイドプレート18を設けている。このサイドプ
レート18の背面側には高圧室19を形成するととも
に、この高圧室19にはポンプ吐出圧が導かれる。そし
て、この高圧室19内の作動油の圧力により、サイドプ
レート18をロータ15側に押しつけ、ローディングバ
ランスを保つ。更にボディ10には、流量制御弁FVを
一体に設けている。つまり、流量制御弁FVのボディ
を、ベーンポンプVPのボディ10と共用している。
【0005】次に、このパワーステアリング装置の作用
を説明する。ベーンポンプVPのシャフト14は図示し
ていないエンジンに連結されており、エンジンを始動す
るとシャフト14に連結するロータ15が回転する。し
たがって、エンジン回転数が上昇すればするほど、ベー
ンポンプVPの吐出量が多くなる。そしてこの吐出作動
油は、流量制御弁FVの圧力室8aに導かれるととも
に、アクチュエータポート20aからパワーステアリン
グ回路PSに供給される。
【0006】このとき、吐出作動油の流れに伴い図6
(A)に示す可変絞り3前後には圧力差が発生する。そ
して、その上流側の圧力が圧力室8a側のスプール7の
左端面に作用する一方、下流側の圧力がパイロット通路
29を介して、パイロット室8b側のスプール7の右端
面に作用する。しかし、可変絞り3前後の差圧にスプー
ル7の受圧面積を乗じた推力がスプリング9のイニシャ
ル荷重を越えるまで、つまり一定のポンプ吐出量に達す
るまでは、スプール7は右方に移動することができず、
ポンプポート4とドレンポート5を遮断した状態を保
つ。したがって、ポンプ吐出量のすべてがパワーステア
リング回路PSに供給される(図5(B)の特性線Kの
区間a)。
【0007】エンジン回転数が高くなり、ポンプ吐出量
が多くなって、可変絞り3前後の差圧がある大きさ以上
になると、スプール7はスプリング9に抗して右方に移
動する。そして、スプール7に作用する前記推力とスプ
リング9のバネ力とがつりあう位置でスプール7は止ま
るとともに、この位置に応じた開度でポンプポート4と
ドレンポート5を連通する。
【0008】上記流量制御弁によれば、エンジン回転数
が高くなればなるほど、パワーステアリング回路PSへ
の供給量Qは少なくなる特性を有するが、それは次の理
由からである。すなわち、ポンプ吐出量が多くなると、
可変絞り3前後の差圧が大きくなるので、スプール7は
更に右方に移動する。スプール7がこのように移動すれ
ば、絞り部材23の大径部23aが絞り孔22bに突入
するので、その可変絞り3の開度が一層小さくなる。し
かも、大径部23aの一部が絞り孔22b内に入ったと
きと、その全部が絞り孔22b内に入ったときとでは、
その絞り効果が異なるため、大径部23aが絞り孔22
b内に入れば入るほど、その前後の差圧が大きくなる。
【0009】このようにして図5(B)の特性線Kの区
間bで示すように、エンジン回転数Nが所定の値よりも
高くなると、パワーステアリング回路PSに供給される
流量が減少し、そのパワーアシスト力を小さくする。し
かも、エンジン回転数Nは、車速に比例するので、結
局、車速に応じたパワーアシスト力を付与することがで
きる。なお、最大供給量Q1は、必要とされる最大のパ
ワーアシスト力を基準に設定しておけばよい。
【0010】また、パワーステアリング回路PSへ供給
される最高圧は、リリーフバルブによって決められてい
る。つまり、パワーステアリング回路PSの負荷圧が異
常に上昇すると、第1パイロット室8bの圧力も大きく
なるとともに、この圧力がボールポペット33に作用す
る。そして、この圧力がスプリング32によって決めら
れているリリーフ設定圧より大きくなると、ボールポペ
ット33を押し開いて第1パイロット室8bとドレンポ
ート5を連通する。
【0011】上記のようにパイロット室8bとドレンポ
ート5が連通すると、圧力感知孔24に流れが生じ、そ
こに圧力損失が発生する。そのためにパイロット室8b
内の圧力が急激に低下するとともに、スプール7は図7
に示すように右方に移動してポンプポート4とドレンポ
ート5の開度を大きくし、ポンプ供給圧を低くする。そ
して、パワーステアリング回路PSの回路圧がリリーフ
設定圧より小さくなると、再びボールポペット33がシ
ート34に着座するので、パワーステアリング回路PS
の最高圧を一定に保つことができる。
【0012】図5〜図7に示す従来例は、スプール7と
対向してピストン35を設けるとともに、このピストン
35内に切換スプール36を設けた点に特徴がある。こ
こで図5(A)は回路図であり、図6(A)及びその部
分拡大図である図6(B)は、ベーンポンプが停止して
いる状態を示し、図7(A)及びその部分拡大図である
図7(B)は操舵状態を示すものである。この従来例に
おける流量制御弁FVは、通路29を介して可変絞り3
の下流側に接続した第1パイロット室8b内において、
スプール7とピストン35とを対向させ、両者の間にス
プリング9を介在させている。
【0013】上記ピストン35には、その中央部分に鍔
部37を形成し、この鍔部37で、第2パイロット室3
8とドレン室39とを区画している。そしてドレン室3
9には停止段部39aを形成し、鍔部37がこの停止段
部39aに接した状態でそれ以上移動できないようにし
ている。第2パイロット室38は、ピストン35を挟ん
で第1パイロット室8bと反対側に設けている。また、
ドレン室39は、図示を省略したタンク通路に連通させ
るとともに、第1パイロット室8bとの連通は遮断され
ている。そして、第1パイロット室8b側に面したピス
トンの一方の受圧面35aに対して、第2パイロット室
に面した他方の受圧面35b(鍔部37の受圧面も含
む)の受圧面積を大きくしている。
【0014】上記ピストン35には、その軸線上にスプ
ール孔40を形成しているが、第1パイロット室8b側
にはスプール孔40の左端が開放され、右端は塞がれて
いる。このようにしたスプール孔40に切換スプール3
6を摺動自在に組み込んでいる。したがって、この切換
スプール36の左端面には、第1パイロット室8bの圧
力が作用するものである。さらに、このピストン35に
は、環状溝41を形成し、この環状溝41と第2パイロ
ット室38とを、通孔42を介して連通させている。上
記切換スプール36には、図6(B)に示すような2つ
のランド部43,44を形成するとともに、これらラン
ド部43,44間を環状凹溝45としている。そしてこ
の切換スプール36の右方のランド部44側には、スプ
リング46のバネ力を作用させている。
【0015】なお、上記環状凹溝45は、その移動位置
に関係なく、通路47を介して常にドレン室39に連通
する。また、切換スプール36には連通孔48を形成
し、スプリング46を収容した室を環状凹溝45を介し
てドレン室39に連通させている。上記のようにした切
換スプール36は、図6(A)に示すノーマル位置にお
いて、そのランド部43で、第1パイロット室8bと環
状溝41との連通を遮断する一方、第2パイロット室3
8を、環状凹溝45及び通路47を介してドレン室39
に連通させる。
【0016】ポンプ1を駆動すると、その圧力油がポン
プポート4を介して圧力室8aに導かれるとともに、可
変絞り3を介してパワーステアリング回路PSにも導か
れる。 そして、非操舵時であればパワーステアリング
回路PSが中立状態となるので、圧力油はタンクに還流
されるため、パワーステアリング回路PSの負荷圧、言
い換えれば、可変絞り3の下流側の圧力は低く、スプリ
ング46で定めた設定圧力を越えることはない。そのた
めに、ピストン35が図6(A)のノーマル位置を保
ち、第1パイロット室8b内のスプリング9の荷重を小
さく維持する。
【0017】したがって、圧力室8aと第1パイロット
室8bの差圧にスプール7の受圧面積を乗じた推力が、
第1パイロット室8b内のスプリング9のバネ力に打ち
勝ち、スプール7がスプリング9の荷重とバランスする
まで右方に移動する。スプール7が移動すれば、ポンプ
ポート4がドレンポート5に連通するので、その分パワ
ーステアリング回路PSへの供給流量も少なくなる。非
操舵時の最大供給流量を、公知の汎用品と比較して示し
たのが図5(B)で、この実施形態の非操舵時の最大供
給流量Q2が、汎用品の最大供給流量Q1よりも小さくな
っているのがわかる。
【0018】操舵状態において、第1パイロット室8b
の圧力が、スプリング46で定めた設定圧力を越える
と、切換スプール36がスプリング46に抗して右方に
移動し、第1パイロット室8bと環状溝41とを連通さ
せる。この環状溝41は通孔42を介して第2パイロッ
ト室38にも連通しているので、結局、第1パイロット
室8bと第2パイロット室38とが連通することにな
る。したがって、第1パイロット室8b及び第2パイロ
ット室38のそれぞれに、可変絞り3の下流側の圧力が
導かれる。両パイロット室8b,38に可変絞り3の下
流側の圧力が導かれると、ピストン35の受圧面35a
と35bとの受圧面積差により、ピストン35がスプリ
ング9に抗して左方に移動することになる。このときの
ピストン35の最大移動量は、それが停止段部39aに
接触する迄である。
【0019】このようにピストン35が移動すれば、ス
プリング9の荷重が大きくなる。荷重が大きくなれば、
圧力室8aと第1パイロット室8bの圧力差に基ずく推
力が、スプリング9の荷重とバランスするまでのスプー
ル7の移動量も相対的に小さくなり、圧力室8aからド
レンポート5への流出量が少なくなる。この結果パワー
ステアリング回路PSへの供給流量が増え、操舵時には
図5(B)に示す特性線Kの流量特性となる。
【0020】上記のことから明らかなように、この実施
形態によれば、操舵時には最大供給流量Q1を確保し
て、パワーステアリング回路PS側がパワー不足になら
ないようにする一方、非操舵時には最大供給流量Q2
操舵時の最大供給流量Q1よりも少なくしているので、
非操舵時のエネルギー損失を少なくすることができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によれ
ば、まず切換スプール36の作動により発生するパイロ
ット圧力を利用して、ピストン35を移動させるパイロ
ット作動方式としているため、切換スプール部分の構造
が複雑になり、製造コストが増大する。次に可変絞り3
の下流側の圧力を第1パイロット室に導くパイロット通
路を、スプール孔とは別にポンプボディ10に設けられ
た鋳抜き穴に連通孔を追加工して形成しているため、そ
のスペース分だけポンプボディの寸法が大きくなり、重
量が増加する。
【0022】本発明は以上の様な実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、ピストン部分の
構造の簡素化と、ポンプボディのパイロット通路の改良
による省スペース効果としての重量低減である。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明は、エンジンの
回転数に応じて吐出量が変化するポンプと、このポンプ
をパワーステアリング回路に接続する流路と、この流路
途中に設けた可変絞りと、パワーステアリング回路への
供給流量を制御する流量制御弁とを備え、この流量制御
弁は、ボディと、上記可変絞りの上流側に接続した圧力
室と、タンクに連通するドレンポートと、上記ボディに
摺動自在に組み込んだスプールと、このスプールを挟ん
で圧力室の反対側に設けた第1パイロット室と、この第
1パイロット室に設けてスプールにバネ力を作用させた
スプリングとからなり、上記可変絞りの上流側の圧力を
スプール左端の圧力室に、また下流側の圧力をパイロッ
ト通路を介して第1パイロット室に導き、絞り前後の差
圧が所定圧以上になったとき、圧力室の圧力がスプリン
グのバネ力及び第1パイロット室の圧力作用に打ち勝っ
て、スプールを移動させるとともに、そのスプールの位
置に応じた開度で圧力室をドレンポートに開口させる構
成にしたパワーステアリング装置を前提にするものであ
る。
【0024】上記の装置を前提にしつつ、本発明の採っ
た第1の手段は、ケースに収容されカートリッジ化され
た流量制御弁の第1パイロット室内で、スプールとピス
トンとを対向させるとともに、それら両者間にスプリン
グを介在させ、しかもこのピストンは、上記ボディに挿
嵌されたケースに固定されるカラーのガイド部に装着し
たセットスプリングに付勢されて、上記ケースに摺動自
在に収容される一方、ピストンの背面側には、上記第1
パイロット室と絞りを介して連通する第2パイロット室
を設け、第1パイロット室に臨ませたピストンの受圧面
積に対して、第2パイロット室に臨ませたピストンの受
圧面積を大きく設定したことである。
【0025】そして第2の手段は、上記パイロット通路
を、ボディのケース挿入孔の一部を膨出して形成された
鋳抜き穴若しくはドリル加工穴と、当該ボディのケース
挿入孔に挿嵌したケース外面との間に形成したことであ
る。さらに第3の手段は、上記パイロット通路を、ボデ
ィ側のケース挿入孔に挿嵌したケースの外面に設けた凹
条溝、又はケースに穿設した連通孔によって形成したこ
とである。また、可変絞りの絞り孔は、有底円筒状のケ
ースの下端部、又は円筒状のケース下端部に可締めによ
り固定された絞り部材に穿設される。(明細書96U
007Aの続き)
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る油圧パワース
テアリング装置の制御弁を図1に示す第1実施形態につ
いて説明する。予めシール110が装着されたカラー1
02のガイド部102Aには、スペーサ105,シール
113及び114が装着されたピストン103,スプリ
ング108及びスプリングシート104を順次挿入し、
スプリング108を圧縮したうえ、スプリングシートの
下端部を102Bに示すように可締めにより固定し、ピ
ストンサブアッセンブリーとする。
【0027】次に下端部に絞り107Aが形成されたス
プール107に、スプリングガイド31を上端に装着し
たスプリング32,ボールポペット33,シート34か
らなるリリーフバルブの部品を順次挿入し、スプリング
32を圧縮しながら、シート34を所定のリリーフセッ
ト圧になる位置まで圧入する。最後にフィルター30の
上端部を107Cに示すように可締めにより固定し、容
室107Dが形成されたスプールサブアッセンブリーと
する。
【0028】そして、ケース101に上記スプールサブ
アッセンブリー,スプリング109,ピストンサブアッ
センブリーの順に挿入し、最後にスプリング109をピ
ストンサブアッセンブリーを介して圧縮し、カラー10
2の上端部を101Dに示すように可締めにより固定し
ケースサブアッセンブリーとする。最後にシール111
及び112を装着したケースサブアッセンブリーを、ボ
ディ側及びケース側に穿孔したポンプポート4とドレン
ポート5がそれぞれ合致するように位置合わせのうえボ
ディ100に挿入し、Cピン106で抜け止めを行い流
量制御弁FVとする。
【0029】図1に示す本発明の第1実施形態の第1の
特徴は、ピストン103がケース101に摺動自在に嵌
合するとともに、カラー102のガイド部102Aによ
り案内されたスプリング108を介して、ピストン10
3を上方に付勢される様にケース101に収容したケー
スサブアッセンブリとしてボディ100に繋止すること
である。
【0030】また第2の特徴は、ボディ100に形成し
たケース挿入孔100Cに通路100Dを鋳抜き又はド
リル加工等により膨出させて形成する一方、ケース10
1の下端部101Hを、ポンプポート4及びドレンポー
ト5をそれぞれ位置合わせのうえケース挿入孔100C
に収容し、ケース101の外側にパイロット通路100
Dを画成することである。両者の嵌合部にはポンプポー
ト4及びドレンポート5が位置合わせのうえ形成され、
更に上記パイロット通路100Dを含めると3つの圧力
の異なる通孔が形成されることになるので、嵌合部での
内部洩れを防止するため、両者は圧入嵌合が望ましい。
【0031】上記の構造によれば、可変絞り115の下
流室100Eの圧力は、パイロット通路100D及びケ
ース101の圧力感知孔101Gを介して第1パイロッ
ト室101Bに導かれる。このため従来技術と同様、パ
ワーステアリング回路PSへ供給される最高圧は、スプ
ール107に組み込まれたリリーフバルブによって決め
られる。つまり、パワーステアリング回路の負荷圧が異
常に上昇すると、第1パイロット室101Bの圧力も大
きくなるとともに、この圧力がボールポペット33に作
用する。そして、この圧力がスプリング32によって決
められているリリーフ設定圧より大きくなると、ボール
ポペット33を押し開き第1パイロット室101Bとド
レンポート5とを連通孔107Bを介して連通し、圧力
感知孔101G前後に圧力損失が発生し、第1パイロッ
ト室101Bの圧力が低下する。そのために、スプール
107は図2に示すように右方に移動してポンプポート
4とドレンポート5が連通し、ポンプの供給圧を低くす
る。
【0032】ケース101には、その上部にピストン1
03を摺動自在に案内するとともに、このピストン10
3で、第2パイロット室101Cとドレン室101Dと
を区画している。そして、第1パイロット室101Bに
は、停止段部101Eを形成し、ピストン103がこの
停止段部101Eに当接した後は、それ以上下方に移動
できないようにしている。
【0033】第2パイロット室101Cは、ピストン1
03を挟んで第1パイロット室101Bと反対側に設け
ている。また、ドレン室101Dは連通孔101F及び
容室100Aを介して、図示を省略したタンク通路に連
通させるとともに、第1パイロット室101Bとの連通
はシール112及び114により遮断されている。そし
て、第1パイロット室101B側に面したピストン10
3の下方の受圧面103Aに対して、第2パイロット室
101Cに面した上方の受圧面103Bの受圧面積を大
きくしている。
【0034】ポンプ1を駆動すると、その圧力油が、圧
力室101Aに導かれるとともに、可変絞り115を介
してパワーステアリング回路PSにも導かれる。そし
て、非操舵時であれば、パワーステアリング回路PSの
負荷圧、言い換えれば、可変絞り115の下流側の圧力
が、スプリング108で定めた設定圧力を越えることは
ない。そのために、ピストン103が図2(A)に示す
ノーマル位置を保ち、第1パイロット室101B内のス
プリング109のイニシャル荷重を小さく設定する。
【0035】この状態においては、圧力室101Aと第
1パイロット室101Bとの差圧にスプール107の受
圧面積を乗じた上方への推力が、スプリング109のバ
ネ力に打ち勝ち、スプール107がスプリング109の
荷重にバランスするまで右方に移動する。このようにス
プール107が右方に移動すれば、ポンプポート4がド
レンポート5に連通するので、その分、ポンプ1の負担
も小さくなる。この結果、非操舵時の最大供給流量Q2
は、図5(B)に示す従来技術で説明したのと同様に、
汎用品の最大供給流量Q1よりも小さくなる。
【0036】また、図2(B)に示す操舵状態において
は、パワーステアリング回路PSの負荷圧が上昇する
が、その上昇した圧力がパイロット通路100D及び圧
力感知孔101Gを介して第1パイロット室101Bに
も導かれる。この結果ピストン103は、その受圧面1
03Aと103Bとの受圧面積差によって、スプリング
109を縮める方向に移動するのであるが、移動速度は
絞り103Cにより抑制された緩やかなものとなる。こ
のときの最大移動量は、ピストン102が停止段部10
1Dに当接するまでである。また第1パイロット室10
1Bの圧力が脈動したとしても、第2パイロット室10
1Cの圧力は絞り103Cにより緩衝され、脈動がその
まま伝わらないために、ピストン103が軸方向に振動
するのを防止することができる。
【0037】ピストン103が移動すれば、スプリング
109の荷重が大きくなる。荷重が大きくなれば、その
分スプール107が圧力室101A内の圧力作用で移動
するストロークも相対的に小さくなり、ポンプポート4
からドレンポート5に流出する流量が少なくなる。言い
換えれば、操舵時には、図5(B)に示す従来の特性線
Kと同様の流量特性となる。
【0038】上記のことから明らかなように、この実施
形態によれば、操舵時には、最大供給流量Q1を確保し
て、パワーステアリング回路PS側がパワー不足になら
ないようにする一方、非操舵時には、最大供給流量Q2
を操舵時の最大供給流量Q1よりも少なくしているの
で、従来技術に比べより簡単化された構造で非操舵時の
エネルギー損失を少なくすることができる。
【0039】第1実施形態では、パイロット通路は図1
に示すようにボディ100に鋳抜き又はドリル加工する
場合を例示したが、図3に示す本発明の第2実施形態
は、パイロット通路の形成部位が上記第1実施形態と異
なるものである。第1の特徴は、ケース201の外周軸
線方向に凹条溝201Aを設け、当該凹条溝201Aの
上端部に圧力感知孔201Bを穿孔したことである。こ
の場合は、バルブボディ200側の鋳抜き又はドリル加
工によるパイロット通路は不要となるので、鋳抜きの場
合の鋳物砂の除去、或いはドリル加工の場合のバリ除去
工程をなくすることができるとともに、ケースケース挿
入孔200Aの加工の際のパイロット通路部の断続切削
がなくなるので、加工が容易となる。上記凹条溝201
A及び圧力感知孔201Bは、第1実施形態に示す有底
円筒状のケース101に対して加工しても、同じ目的を
達成することができる。
【0040】第2の特徴は、可変絞り210の絞り孔2
02Aが穿設される絞り部材202が、ケース201の
下端部に可締めにより支持されることである。この場合
は、ケース201の管素材からの絞り加工が容易にな
る。更に、第2実施形態の流量制御弁は、バルブボディ
200側に形成したポンプポート4及びドレンポート5
に、それぞれシール203を装着して、図示を省略した
ポンプボディの取付け面にボルトで結合される形態を示
している。この場合はベーンポンプのポンプボディが、
取付け方法が異なる等の理由で種類が増えても、流量制
御弁を標準化することができる。
【0041】第2実施形態のパイロット通路は、ケース
の外周軸線方向に凹条溝201Aと圧力感知孔201B
とによって形成されているが、図4に示す本発明の第3
実施形態は、パイロット通路が、ケース301に穿設さ
れた連通孔301Aと、当該連通孔301Aに連通する
圧力感知孔301Bとにより形成されるものである。こ
の場合は、パイロット通路が、ボディ300とケース3
01との嵌合部ではなくケース自体に穿設されるので、
パイロット通路からドレンポート5へ漏出する内部洩れ
を少なくすることができる。上記連通孔301A及び圧
力感知孔301Bは、第2実施形態に示す円筒状のケー
ス201に対して加工しても、同じ目的を達成すること
ができる。
【0042】もちろん第2及び第3実施形態は、第1実
施形態に示すようなバルブボディとポンプボディとが一
体化したものにも適用することができる。そして、パイ
ロット通路を、第2実施形態に示すようにケース挿入孔
に接して設けるか、又は第3実施形態に示すようにケー
ス自体に穿設して設けたため、ケース挿入孔から離れて
パイロット通路が形成される従来構造に比べ、省スペー
スになるとともに、その分ボディの重量を軽減すること
ができる
【0043】
【発明の効果】本発明のパワーステアリング装置では、
操舵アシスト力が不要のときに、従来技術に比べより簡
単化された構造で、パワーステアリング回路側へ供給す
る流量を抑えることができる。したがって、絞りやパワ
ーシリンダ回路で発生する圧力損失を抑えることがで
き、その分ポンプの駆動トルクも小さくすることができ
る。一方、操舵アシスト力が必要な時には、必要な流量
をパワーステアリング回路に供給することができる。こ
のように、操舵アシスト力が不要のときには、圧力損失
を抑えることができるので、無駄なエネルギーを消費す
ることがなく、また油温の上昇を抑えることができる。
また本発明においては、パイロット通路を、第1実施形
態に示すようにケース下端部が収容されるケース挿入孔
に接して設けるか、又は第2,第3実施形態に示すよう
にケース自体に設けたたため、ケース挿入孔から離れて
パイロット通路が形成される従来構造に比べ、省スペー
スになるとともに、その分ボディの重量を軽減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の第1実施形態に係るパワーステ
アリング装置の流量制御弁の停止時の断面図である。 (B)上記制御弁のZ−Z矢視断面図である。
【図2】(A)第1実施形態に係るパワーステアリング
装置の流量制御弁の非操舵時の断面図である。 (B)上記制御弁の操舵時の断面図である。
【図3】(A)本発明の第2実施形態に係るパワーステ
アリング装置の流量制御弁の停止時の断面図である。 (B)上記制御弁のZ−Z矢視断面図である。
【図4】 本発明の第3実施形態に係るパワーステアリ
ング装置の流量制御弁の停止時の断面図である。
【図5】(A)従来技術に係るパワーステアリング装置
の回路図である。 (B)パワーステアリング装置の供給流量特性を示した
グラフである。
【図6】(A)従来技術に係る流量制御弁の停止時の断
面図である。 (B)上記流量制御弁のピストン部の拡大断面図であ
る。
【図7】(A)従来技術に係る流量制御弁の操舵時の断
面図である。 (B)上記流量制御弁のピストン部の拡大断面図であ
る。
【図8】(A)ベーンポンプの断面図である。 (B)上記ベーンポンプのX−X線端面図である。
【符号の説明】
FV 流量制御弁 PS パワーステアリング回路 PV ベーンポンプ 1 ポンプ 2 流路 4 ポンプポート 5 ドレンポート 100,200 ボディ 100C ボディ側のケース挿入孔 100D,201A パイロット通路 101,201 ケース 101A 圧力室 101B 第1パイロット室 101C 第2パイロット室 101D ドレン室 102 カラー 102A カラーのガイド部 103 ピストン 103A 第1パイロット室側ピストンの受圧面積 103B 第2パイロット室側ピストンの受圧面積 103C 絞り 107 スプール 108 セットスプリング 109 スプリング 115,210 可変絞り 201A ケース外面の凹条溝 202 絞り部材 203 シール

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの回転数に応じて吐出量が変化
    するポンプと、このポンプをパワーステアリング回路に
    接続する流路と、この流路途中に設けた可変絞りと、パ
    ワーステアリング回路への供給流量を制御する流量制御
    弁とを備え、この流量制御弁は、ボディと、上記可変絞
    りの上流側に接続した圧力室と、タンクに連通するドレ
    ンポートと、上記ボディに摺動自在に組み込んだスプー
    ルと、このスプールを挟んで圧力室の反対側に設けた第
    1パイロット室と、この第1パイロット室に設けてスプ
    ールにバネ力を作用させたスプリングとからなり、上記
    可変絞りの上流側の圧力をスプール左端の圧力室に、ま
    た下流側の圧力をパイロット通路を介して第1パイロッ
    ト室に導き、絞り前後の差圧が所定圧以上になったと
    き、圧力室の圧力がスプリングのバネ力及び第1パイロ
    ット室の圧力作用に打ち勝って、スプールを移動させる
    とともに、そのスプールの位置に応じた開度で圧力室を
    ドレンポートに開口させる構成にしたパワーステアリン
    グ装置において、 ケースに収容されカートリッジ化さ
    れた流量制御弁の第1パイロット室内で、スプールとピ
    ストンとを対向させるとともに、それら両者間にスプリ
    ングを介在させ、しかもこのピストンは、上記ボディに
    挿嵌されたケースに固定されるカラーのガイド部に装着
    したセットスプリングに付勢されて、上記ケースに摺動
    自在に収容される一方、ピストンの背面側には、上記第
    1パイロット室と絞りを介して連通する第2パイロット
    室を設け、第1パイロット室に臨ませたピストンの受圧
    面積に対して、第2パイロット室に臨ませたピストンの
    受圧面積を大きく設定したことを特徴とする油圧パワー
    ステアリング装置の流量制御弁
  2. 【請求項2】 可変絞りの絞り孔を穿設した絞り部材
    を、ケース下端部に可締めにより固定したことを特徴と
    する請求項1記載の油圧パワーステアリング装置の流量
    制御弁
  3. 【請求項3】 流量制御弁のボディを、ポンプと一体に
    形成したことを特徴とする請求項1記載の油圧パワース
    テアリング装置の流量制御弁
  4. 【請求項4】 流量制御弁のボディをポンプと別体に形
    成し、シールを介してポンプにボルトで結合したことを
    特徴とする請求項1記載の油圧パワーステアリング装置
    の流量制御弁
  5. 【請求項5】 エンジンの回転数に応じて吐出量が変化
    するポンプと、このポンプをパワーステアリング回路に
    接続する流路と、この流路途中に設けた可変絞りと、パ
    ワーステアリング回路への供給流量を制御する流量制御
    弁とを備え、この流量制御弁は、ボディと、上記可変絞
    りの上流側に接続した圧力室と、タンクに連通するドレ
    ンポートと、上記ボディに摺動自在に組み込んだスプー
    ルと、このスプールを挟んで圧力室の反対側に設けた第
    1パイロット室と、この第1パイロット室に設けてスプ
    ールにバネ力を作用させたスプリングとからなり、上記
    可変絞りの上流側の圧力をスプール左端の圧力室に、ま
    た下流側の圧力をパイロット通路を介して第1パイロッ
    ト室に導き、絞り前後の差圧が所定圧以上になったと
    き、圧力室の圧力がスプリングのバネ力及び第1パイロ
    ット室の圧力作用に打ち勝って、スプールを移動させる
    とともに、そのスプールの位置に応じた開度で圧力室を
    ドレンポートに開口させる構成にしたパワーステアリン
    グ装置において、 可変絞りの下流側の圧力を第1パイ
    ロット室に導くパイロット通路を、ボディ側のケース挿
    入孔の一部を膨出して形成された鋳抜き穴若しくはドリ
    ル加工穴と、当該ボディ側のケース挿入孔に挿嵌したケ
    ース外面との間に形成したことを特徴とする油圧パワー
    ステアリング装置の流量制御弁
  6. 【請求項6】 エンジンの回転数に応じて吐出量が変化
    するポンプと、このポンプをパワーステアリング回路に
    接続する流路と、この流路途中に設けた可変絞りと、パ
    ワーステアリング回路への供給流量を制御する流量制御
    弁とを備え、この流量制御弁は、ボディと、上記可変絞
    りの上流側に接続した圧力室と、タンクに連通するドレ
    ンポートと、上記ボディに摺動自在に組み込んだスプー
    ルと、このスプールを挟んで圧力室の反対側に設けた第
    1パイロット室と、この第1パイロット室に設けてスプ
    ールにバネ力を作用させたスプリングとからなり、上記
    可変絞りの上流側の圧力をスプール左端の圧力室に、ま
    た下流側の圧力をパイロット通路を介して第1パイロッ
    ト室に導き、絞り前後の差圧が所定圧以上になったと
    き、圧力室の圧力がスプリングのバネ力及び第1パイロ
    ット室の圧力作用に打ち勝って、スプールを移動させる
    とともに、そのスプールの位置に応じた開度で圧力室を
    ドレンポートに開口させる構成にしたパワーステアリン
    グ装置において、 可変絞りの下流側の圧力を第1パイ
    ロット室に導くパイロット通路を、ボディ側のケース挿
    入孔に挿嵌したケースに設けたことを特徴とする油圧パ
    ワーステアリング装置の流量制御弁
  7. 【請求項7】 パイロット通路を、ボディ側のケース挿
    入孔に挿嵌したケース外面に設けた凹条溝によって形成
    したことを特徴とする請求項6記載の油圧パワーステア
    リング装置の流量制御弁
  8. 【請求項8】 パイロット通路を、ボディ側のケース挿
    入孔に挿嵌したケースに穿設した連通孔によって形成し
    たことを特徴とする請求項6記載の油圧パワーステアリ
    ング装置の流量制御弁
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